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『ベートーヴェン 、1802年の遺書(Beethoven’s Testaments of 1802)』

2L 2L160SACD SACD hybrid(5.1 surround/stereo) classical


ノルウェーのヴァイオリニスト、ラグンヒル・ヘムシング Ragnhild Hemsing(1988–)とピアニストのトール・エスペン・アスポース Tor Espen Aspaas(1971–)は、彼女の最初のソロ・アルバム『YR』(Simax PSC1315)がきっかけとなり、リサイタルのパートナーとしての共演を始めました。コンサートとフェスティヴァルへの出演、放送のための録音と、活動がつづき、グリーグ、シベリウス、カール・ニルセンの曲を弾いた『北国の音色(Northern Timbre)』(2L138SABD)を2017年にリリース。BIS レーベルに録音をつづける妹エルビョルグとも違うラグンヒルの感性と表現の音楽が注目され、ファンを獲得しました。ラグンヒルとトール・エスペンのデュオの新しいアルバムでは、2013年にボンの「ベートーヴェン・フェスティヴァル」で「ベートーヴェン・リング」を受け、ふたりにとって大切な作曲家、ベートーヴェンのソナタ2曲によるプログラムが組まれています。アルバムのタイトルにある「1802年」は「『芸術家』ベートーヴェンが『人間』ベートーヴェンを運命の手に委ねた、危機の年」といわれます。進行する難聴、ウィーンの社会と公の生活から締め出されているのではないかという疎外感といった問題に悩まされ、夏と秋に滞在したハイリゲンシュタットで「文字と音楽」による「遺書」を作りました。ト長調の曲など《3つのヴァイオリン・ソナタ》Op.30、《テンペスト・ソナタ》を含む《3つのピアノソナタ》Op.31、《エロイカ変奏曲》Op.35、交響曲第2番 Op.36 といった傑作群が作られ、そして翌1803年、ト長調の第8番と一緒にこのアルバムで演奏される、ベートーヴェンの「英雄的」スタイルを示す《クロイツェル・ソナタ》と呼ばれるイ長調のソナタが作曲されました。2019年、オスロのソフィエンベルグ教会でのセッション録音です。

『ベートーヴェン 、1802年の遺書(Beethoven’s Testaments of 1802)』
ルートヴィヒ・ファン・ベートーヴェン(1770–1827)
 ヴァイオリン・ソナタ第8番 ト長調 Op.30 no.3
 ヴァイオリン・ソナタ第9番 イ長調《クロイツェル(Kreutzer)》 Op.47
  ラグンヒル・ヘムシング(ヴァイオリン)
  トール・エスペン・アスポース(ピアノ) 

[Violin: Francesco Ruggeri(Cremona, 1694)、Piano: C. Bechstein Concert D282/Steinway D-model(track 6)] 

録音 2019年4月、11月 ソフィエンベルグ教会 (オスロ、ノルウェー)
制作・バランスエンジニアリング モッテン・リンドベルグ 

[DXD(24bit/352.8kHz)録音]
[SACD: 5.1 multichannel DSD/2.0 stereo DSD/RedBook PCM: MQA CD]

価格 ¥2,450(本体価格)

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『バッハと踊る(Dancing with Bach)』

Daphne DAPHNE1068 classical/traditional


スウェーデンのリコーダーとバロックフルートのプレーヤー、クリスティーネ・ヴェスト Kristine West は、『クリスティーネ・ヴェスト、リコーダー』(DAPHONE1055)と『J.S.バッハ フルートのためのソナタ』(DAPHONE1058)をリリース、ユニークかつ誠実な音楽が注目されました。新しいアルバムでは、ストックホルムのフォークミュージック・グループ「Nordic」のメンバー、ニッケルハルパ奏者のエーリク・リュドヴァル Erik Rydvall(1983–)と共演、「編曲しようと変更の手を入れようと壊れることのない」バッハの音楽を「スウェーデン民俗音楽をルーツにもつ」という共通の視点で捉えた音楽を展開しています。《ゴルトベルク変奏曲》の「アリアと2つの変奏」、無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータとソナタといったバッハの曲、ニッケルハルパ奏者のトゥルビョーン・ネースブム Torbjörn Näsbom やスペルマンのスヴェン・ドゥーナット Sven Donat たちの曲。《バッハと踊る/バディヌリー》は、ヴェストとリュドヴァルとバッハが「共作」した楽しいナンバーです。

『バッハと踊る(Dancing with Bach)』
トゥルビョーン・ネースブム
 水(Vatten)
スヴェン・ドゥーナット(1755–1815)
 スヴェン・ドゥーナットのポルスカ(Polska efter Sven Donat)
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685–1750)
 ゴルトベルク変奏曲 BWV.988 - アリアと変奏第1・第5
エーリク・リュドヴァル(1983–)

 Di Man * 祝祭のポルスカ(Jubileumspolska)**
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685–1750)
 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番 ホ長調 BWV.1006
 - 前奏曲
エーリク・リュドヴァル(1983–)
 祝典行進曲(Högtidsmarsch)
クリスティーネ・ヴェスト/エーリク・リュドヴァル/J.S.バッハ
 バッハと踊る(Dancing with Bach)/バディヌリー(Badinerie)
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685–1750)
 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番 ハ長調 BWV.1005
 - アレグロ・アッサイ *
 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番 イ短調 BWV.1003
 - アンダンテ
 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番 ニ短調 BWV.1004
 - ジグ ***
 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番 ニ短調 BWV.1004
 - シャコンヌ
ユーナス・オールソン(1965–2010)
 献身(Innerligheten)*
エーリク・リュドヴァル(1983–)
 パスタヴァッゲ(Pastavagge)
  クリスティーネ・ヴェスト(リコーダー、フルート)
  エーリク・リュドヴァル(ニッケルハルパ)
  ゲスト・ミュージシャン
   オスカル・ロイター(ギター *、マンドリン **)
   アーレ・モッレル(マンドラ)**
   サミュエル・ルンステーン(ヴィオラ・ダ・ガンバ)***

録音 2018年10月23日、2019年11月25日–27日、2020年1月27日 聖ペテロ教会(ストックスンド、スウェーデン)
制作・サウンドデザイン・編集 トーレ・ブリンクマン

価格 ¥2,450(本体価格)

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『アンジェラス(Angelus)- ボリソワ=オッラス 管弦楽作品集』

BIS SACD2288 SACD hybrid(5.0 surround/stereo)[BIS ecopak] contemporary/classical


「鳥が歌わず、鐘が鳴らない都市は、死んでしまっている。毎日、どんな強さで鐘が鳴っているかを基準にすれば、ミュンヘンこそ間違いなく現代ヨーロッパでもっとも躍動する都会だろう」(ボリソワ=オッラス)。ミュンヘン市の850周年に際しミュンヘン・フィルハーモニーとミュンヘン市議会から委嘱を受けた管弦楽作品に始まる『アンジェラス』は、スウェーデンの作曲家ボリソワ=オッラスの管弦楽曲による「ポートレート」として制作されたアルバムです。

ヴィクトリア・ボリソワ=オッラス Victoria Borisova-Ollas は、1969年、モスクワ生まれ。モスクワ中央音楽学校とチャイコフスキー音楽院を卒業後、スウェーデンのマルメ音楽大学とロンドンの王立音楽大学で学びました。1993年からスウェーデンに住み、作曲活動を行っています。彼女の作品は、ロンドン交響楽団をはじめとする各国のオーケストラで演奏され、王立スウェーデン歌劇場で初演された2017年の歌劇『ドラキュラ(Dracula)』は、2シーズンのチケットが完売し、話題になりました。スウェーデン作曲家協会のメンバー。王立スウェーデン音楽アカデミーの会員に選ばれています。

カトリック教会の「お告げの祈り」の始まりを知らせる「鐘」を曲名にとった《アンジェラス》は、「古い時代からのごく漠然とした挨拶」として、ケルト聖歌を思わせるメロディに始まる約22分の作品です。ボリソワ=オッラスは、「『われわれの主への信仰がどれほど多くの機会に失われようと、われわれへの信念を決してなくさない』ひとりの孤独な修道士が、将来ミュンヘン市となる町の中心で初めて鳴らした鐘」に思いを馳せて作曲。ペータース教会の早朝の鐘やマリエン広場のラートハウス・グロッケンシュピールを模した旋律を織りこみながら、さまざまな歴史をもつ都会の姿を描いて行きます。2008年6月8日、シルヴァン・カンブルランがミュンヘン・フィルハーモニーを指揮して初演しました。

ボリソワ=オッラスは、イギリスの「マスタープライズ国際作曲コンペティション」(1998年)の2位に選ばれ、彼女が最初に国際的に知られるきっかけとなった『詩編104番』に基づく交響詩《風の翼(Wings of the Wind)》(1997)(Phono Suecia PSCD171)をはじめ、『旧約聖書』の『詩編』に関連する作品をいくつか書いています。「一生を終えた後、私たちが行く神秘の国」を示す《沈黙の王国》は、自由な翻訳によるロシア語版『聖書」の『詩編94番』から曲名のアイデアを得たという作品です。グロッケンシュピールとチェレスタによる「子守歌」に始まり、「夢」の中に入って行く。ロシアの作曲家ニコライ・コルンドルフ(1947–2001)を追悼して作曲され、作品を委嘱したヨーテボリ・アート・サウンド(GAS)のフェスティヴァルで初演されました。

《山々が生まれる前から》は、『詩編90番「主よ、あなたは代々にわたしたちの宿るところ。山々が生まれる前から 大地が、人の世が、生み出される前から」』(新共同訳による)をインスピレーションに作曲されました。シュトゥットガルト放送交響楽団の委嘱で作られ、作品の後半に木管楽器の首席奏者4人による「カデンツァ」が配されています。アンドレイ・ボレイコ Andrey Boreyko 指揮のシュトゥットガルト放送交響楽団が初演。作品は彼に献呈されました。

《賛歌の創造》は、カナダ放送協会の室内楽フェスティヴァルのための「ヴィルトゥオーゾ」弦楽四重奏曲として作られていた作品です。2013年1月、ストックホルム・コンサートホールの「作曲者の週末」のために弦楽オーケストラの版に改作。ミケール・バットシュ指揮ムシカ・ヴィテにより初演されました。「調性と無調をめぐるゲーム……現代音楽で何が『現代的』で何が『伝統的』かというテーマ……どちらが『美女』でどちらが『野獣』か……まったくの混沌から何か美しい物を創り出すことは簡単にできるだろうか……」といったことに思いをめぐらしたという作品です。

《開いた地面》は、サルマン・ラシュディの小説『The Ground Beneath Her Feet(彼女の足下の地面)』をインスピレーションに作曲されました。「私たちが存在するこの瞬間、足下にある地面は、安定したものだろうか……地面が突然動きだしたら、どんな感じがするか、想像しようとする者はいるだろうか」。スウェーデン放送交響楽団の委嘱作。マンフレート・ホーネックの指揮で初演されました。

このアルバムの演奏は、王立ストックホルム・フィルハーモニック管弦楽団をアンドレイ・ボレイコ、マーティン・ブラビンズ Martin Brabbins、首席指揮者サカリ・オラモ Sakari Oramo が指揮してストックホルム・コンサートホールで作曲者が立ち会って収録されました。《アンジェラス》のみ、コンサートのライヴ録音です。ロバート・サフ Robert Suff がエグゼクティヴ・プロデューサーを担当、ミュンヘンの「Der Friedensengel(自由の天使)」像の写真がアルバム・アートワークに使われています。

『アンジェラス(Angelus)- ボリソワ=オッラス 管弦楽作品集』
ヴィクトリア・ボリソワ=オッラス(1969–)
 アンジェラス(Angelus)(2008)*
 沈黙の王国(The Kingdom of Silence)(2003)**
 山々が生まれる前から(Before the Mountains Were Born)(2005)***
 賛歌の創造(Creation of the Hymn)(2013)
 (弦楽オーケストラのための)†
 開いた地面(Open Ground)(2006)††
  王立ストックホルム・フィルハーモニック管弦楽団
  アンドレイ・ボレイコ(指揮)*/†
  マーティン・ブラビンズ(指揮)**/***
  サカリ・オラモ(指揮)††
  アンドレーアス・アリーン(フルート)***
  ペール・アンデション(オーボエ)***
  ユーハン・フランセーン(クラリネット)***
  イェンス=クリストフ・レムケ(ファゴット)***
  ヨアキム・スヴェンヘーデン(ヴァイオリン)†
  ヨハンネス・ロスタモ(チェロ)†  

録音 2016年8月 ††、2017年11月 */†、2019年8月 **/*** ストックホルム・コンサートホール(スウェーデン)(* ライヴ録音)
制作 インゴ・ペトリ ††/*/†、トーレ・ブリンクマン **/***
録音 マリオン・シュヴェーベル ††、トーレ・ブリンクマン */†、マッティアス・スピッツバルト **/***
 
価格 ¥2,650(本体価格)

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『All my Septembers(わが九月のすべて)』

Prophone PCD205 jazz


『Lochiel's Warning』(PCD071)『As Knights Concur』(PCD093)『Asplund Meets Bernstein』(PCD103)などのアルバムをリリース、スウェーデンを代表するトランペット・プレーヤーのひとりに挙げられるペーテル・アスプルンド Peter Asplund の新作。前作『Aspiration』(PDC156)のメンバー、ハンス・アンデション Hans Andersson とユーハン・ローヴクランツ・ラムジー Johan Löfcrantz Ramsay による「ペーテル・アスプルンド・アスピレーション」に、ピアニストのラーシュ・ヤンソン Lars Jansson とサックス奏者のヨアキム・ミルデル Joakim Milder を加え、マグヌス・ブルム Magnus Blom がリード・アルトサックスの「ビッグバンド・ホーンズ」が共演、アスプルンドの新作を10曲演奏しています。トランペットとピアノのメランコリックな対話に始まる《Ozymandias Melancholia(オジマノス・メランコリア)》、ベースが語る《Hermanos del alma(魂の兄弟)》、セッションの年に亡くなったミシェル・ルグランへのオマージュ《Le grand Michel(ル・グラン・ミシェル)》、アスプルンドのヴォーカルをフィーチャーする《All my Septembers(わが九月のすべて)》、もの憂げな《Viudo(男やもめ)》、憂鬱を吹き飛ばす《Melancholia II(メランコニア II)》、スウィング気分の《La Escogida(選ばれたもの)》、足取り軽い《A Lotta' Love(たくさんの愛を)》、そして《Lullaby for Melina(メリーナの子守歌)》。シンガー・ソングライターのイサベラ・ルンドグレーン(ラングレン) Isabella Lundgren が作詞した《She and me》は、彼女が特別ゲストとして素敵なヴォーカルを聴かせるナンバーです。「どこに居合わせても、九月になると人生を感じ、人生を考えてしまう。わたしの九月はすべて、いつまでも私とともにある」(アスプルンド)。

『All my Septembers(わが九月のすべて)』
 Ozymandias Melancholia(Peter Asplund)
 Hermanos del Alma(Peter Asplund)
 Le grand Michel(Peter Asplund)
 All my Septembers(Peter Asplund/Dave Castle)*
 Viudo(Peter Asplund) Melancholia II(Peter Asplund)
 She and me(Peter Asplund/Isabella Lundgren)**
 La Escogida(Peter Asplund) A Lotta' Love(Peter Asplund)
 Lullaby for Melina(Peter Asplund)
  ペーテル・アスプルンド・アスピレーション
   ペーテル・アスプルンド
   (トランペット、フリュゲルホルン、ヴォーカル *)
   ハンス・アンデション(ベース)
   ユーハン・ローヴクランツ・ラムジー(ドラム)
  ラーシュ・ヤンソン(ピアノ)
  ヨアキム・ミルデル(テナーサックス、ソプラノサックス)
  イサベラ・ルンドグレーン(ヴォーカル)**
  ペーテル・アスプルンド・ビッグバンド
   マグヌス・ブルム(リード・アルトサックス、フルート)
   ペール・グレバッケン(アルトサックス、フルート)
   ローベット・ヌードマルク(テナーサックス、クラリネット)
   アルベルト・ピントン(バリトンサックス、バスクラリネット)
   フレードリク・オスカション(トランペット)
   カール・ウーランデション(トランペット)
   ヤン・クーリーン(トランペット)
   ハンス・デュヴィーク(トランペット)
   マグヌス・スヴェードベリ(リード・トロンボーン)
   ディケン・ヘドレーニウス(トロンボーン)
   カーリン・ハンマル(トロンボーン)
   ケント・ウーランデション(バストロンボーン) 

録音 2019年11月18日–19日 オースビュー文化ホール(オースビュー、ヴァールベリ、スウェーデン)
制作 ペーテル・アスプルンド
録音 ヨーラン・ステーグボルン
ミクシング ポール・スヴェンレ
 
価格 ¥2,350(本体価格)

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