オーディオの調整やメンテナンスをした後、チェックのために聴くディスクから、とりわけ愛着のあるアルバムを載せました。
調整やセッティングといったことがうまくいってないと、硬い音になったり濁って聞こえたりする「やっかい」なディスクも含まれています。
「セット」なので載せていないスティーヴン・コヴァセヴィチの『全 Philips 録音』、フリッツ・ライナーとシカゴ交響楽団の『全 RCA アルバム・コレクション』、ルドルフ・ケンぺとドレスデン・シュターツカペレの「オリジナル・マスターテープ」をリマスターした『リヒャルト・シュトラウス管弦楽作品集』、ボブ・ディランの『オリジナル・モノ』アルバムも、貴重なレファレンス・ソースです。
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『シベリウス』
RCA 60157-2-RC
ジャン・シベリウス(1865–1957)
交響曲第6番 ニ短調 組曲《歴史の情景》第1番・第2番
フィンランド放送交響楽団 ユッカ=ペッカ・サラステ(指揮)
フィンランド放送交響楽団とサラステの最初のシリーズ。この第6番のディスクは、弦楽器の響きが瑞々しく、弱音が透明感をともなって再生されると、ぞくぞくします。「フィンランド」のシベリウスで一番好きな録音です。
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『山の歌による交響曲』
Musifrance 2292-45821-2
ヴァンサン・ダンディ(1851–1931)
交響的三部作《山の夏の日》 フランスの山の歌による交響曲
フランス放送フィルハーモニック 管弦楽団
マレク・ヤノフスキ(指揮) カトリーヌ・コラール(ピアノ)
《フランスの山の歌による交響曲》は「夢の中で寝言を言っているような」はっきりしない漠然とした印象の曲ですが、この録音だと「いい音楽」に聴こえます。オーケストラとピアノのバランスと響きを「それらしく」再生するのがけっこう大変だということもあって、大切な一枚です。
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『シュロプシャーの若者』
Argo 436 401-2
サミュエル・コールリッジ・テイラー(1875-1912) バラード イ短調
ジョージ・バタワース(1885–1916) シュロプシャーの若者
ハミッシュ・マッカン(1868–1916) 山と洪水の国 他
ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニック 管弦楽団
グラント・ルエリン(指揮)
プログラム、演奏、録音。イギリスの抒情を楽しむのに最良の一枚。クリス・ヘイゼルのセンスいいプロダクションにより、「美しい緑」が鮮やかに表現されています。Argo のアルバムは、同じ Decca Group なのに、Decca 録音が不得手なうちの装置でも聴きやすい音で鳴ってくれます。
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『コープランド』
RCA 60149-2-RC
アーロン・コープランド(1900–1990)
交響曲第3番 交響組曲《大都会のための音楽》
セントルイス交響楽団 レナード・スラトキン(指揮)
セントルイス交響楽団とレナード・スラトキンが RCA に録音したアメリカ音楽のシリーズは、曲、演奏、録音の質がそろった、「アメリカ近代音楽」の展覧会です。このコープランドのディスクには交響曲第3番という素晴らしい作品が収録されています。
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『バーバー、メイヤー』
Sony Classical SK 64147
サミュエル・バーバー(1910–1981) ヴァイオリン協奏曲
エドガー・メイヤー(1960–) ヴァイオリン協奏曲
ヒラリー・ハーン(ヴァイオリン)
セントポール室内管弦楽団 ヒュー・ウルフ(指揮)
バーバーの抒情が、あるがままに感じられる演奏。「Sony Clasical とは思えない」瑞々しい音質です。
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『バルトーク』
DG 463576-2
ベーラ・バルトーク(1881–1945)
弦楽四重奏曲第1番-第6番
ハーゲン四重奏団
「情感ゆたかでありながら、美しく、様式に気を配った」とイブラギモワが語ったハーゲン四重奏団の演奏。個人的に「音楽」のスタンダードのひとつです。彼らの DG 録音は概して、楽器のテクスチュアを自然な音で再生するのがむずかしいといわれるので、どのディスクもレファレンスとして使えます。
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『グリーグ』
Sony (Norway) SXK 89085
エドヴァルド・グリーグ(1843–1907)
ヴァイオリン・ソナタ第1番・第2番・第3番
アルヴェ・テレフセン(ヴァイオリン) ホーヴァル・ギムセ(ピアノ)
テレフセンと、彼が伝統的スタイルのピアニストとしてノルウェーで最高と言い、信頼を寄せるギムセとの共演。スタイルと特徴の異なる3曲を引き締まった美しい音で表現しています。トロールハウゲンのグリーグ自身のピアノを弾いた演奏。アルネ・アクセルベルグが担当した録音。
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『ドビュッシー』
EMI 7243 5 56712-2
クロード・ドビュッシー(1862–1918)
ヴァイオリン・ソナタ チェロソナタ ピアノ三重奏曲 他
ペア・サロ(ピアノ) クリスティナ・オストラン(ヴァイオリン)
ヘンリク・ブレンストロプ(チェロ)
音楽と謙虚に向き合うデンマークのトッププレーヤーたちの美しく深いドビュッシー。
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『ペトリ・クメラ、リサイタル』
Helsingin Konservatorio hhama021
J・S・バッハ(1685–1750)パルティータ ホ長調 BVW1006
ペール・ヘンリク・ノルドグレン(1944–2008) 蝶々
アグスティン・バリオス=マンゴレ(1885–1944)
ワルツ 森に夢みる 他
ペトリ・クメラ(ギター)
「音楽」を聴くことのできる「ギター録音」。今、一番好きなギタリストです。
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『グランド・キャニオン』
EMI Classics 2 34451 2
ファーディ・グローフェ(1892–1972)
組曲《グランド・キャニオン》 ミシシッピ組曲 他
ハリウッドボウル交響楽団
フェリクス・スラトキン(指揮)
物心ついて初めて聴いたオーケストラ音楽がこの《グランド・キャニオン》でした。フェリクス・スラトキンとハリウッドボウルのオーケストラが「かっこいい!」 丁寧なマスタリングがされていて、遠い昔の思い出を蘇らせてくれます。
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『藻塩草』
London 425 156-2
フレデリク・ディーリアス(1862–1934)
海の彷徨(Sea Drift) アパラチア(Appalachia)
ジョン・シャーリー=カーク(バリトン)
ロイヤル・フィルハーモニック管弦楽団
リチャード・ヒコックス(指揮)
ホイットマンの詩集『草の葉』から『藻塩草(Sea Drift)』の『いつまでも揺れやまぬ揺籠から』をテクストにした「自然が用意した喪失のドラマ」。ジョン・シャーリー=カークの歌には詩と音楽への共感が感じられます。Argo の LP でリリースされた時の「Gramophone」のレビューで出逢った音楽です。
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『ネッド・ローレムの歌』
Erato 8573-80222-2
ネッド・ローレム(1923–)
Sonnet Clouds Early in the Morning The Serpent
Now Sleeps the Crimson Petal 他
スーザン・グレアム(メゾソプラノ)
マルカム・マーティノー(ピアノ) アンサンブル・オリオール
20世紀アメリカの音楽界で「自分の道」を歩んできたひとり。《ナンタケット歌曲集》のころから今日の時代まで、「みずからの言葉で語る」ローレムの歌曲には、大きな魅力を感じます。ポール・グッドマン、セオドア・レトケ、テニソン、ホイットマンの詩による歌曲を中心とするアルバム。グレアムの歌、マーティノーのピアノ、自然な響きの録音。これまでに出会った最良の歌曲アルバムのひとつ。
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『魔笛』
Warner Classics 0825646 994366
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)
ジングシュピール《魔笛》 K.620
ニコライ・ゲッダ(テノール) ルチア・ポップ(ソプラノ) 他
フィルハーモニア管弦楽団 オットー・クレンペラー(指揮)
1964年の EMI 録音。EMI を買収した Warner Classics が、Legendary Opera Recordings の一作として digibook スタイルでリリースした際、アビーロード・スタジオのサイモン・ギブソンがリマスタリングを行った2016年の音源が使われています。この「音」が、LP リリースされていた時と大きく印象が異なり、セッションが行われた会場の静寂感、歌手のポジションを含めた「音場」と空気感が「リアル」に伝わり、「伝説的」と言われてきた演奏を楽しめます。ドレスデン・シュターツカペレとケンペの「オリジナル・マスター」によるシュトラウスなど、Warner レーベルでリリースされる EMI 録音は、チェックしておくといいと思います。
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『カール・ニルセン』
Victorria VCD 19074
カール・ニルセン(1865–1931) ピアノ曲集
シャコンヌ Op.32 組曲 Op.45
6つのユモレスク=バガテル Op.11
主題と変奏 Op.40 3つのピアノの小品 Op.59
クリスチャン・エッゲン(ピアノ)
チカーダ・アンサンブルやオスロ・シンフォニエッタの指揮者としてノルウェーの現代音楽シーンで活躍する作曲家クリスチャン・エッゲンの「ピアニスト」アルバム。ノルウェー国立音楽大学の学生だったころに《フルート協奏曲》をきっかけに「真の魅力」を知ったというカール・ニルセンの曲集。エッゲン自身の制作でオスロ大学の講堂で録音されました。2L レーベルを立ち上げる前のモッテン・リンドベルグが録音エンジニアリングを手がけた一枚です。「これがピアノ!」という音。
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『The Reivers』
Master Film Music SRS 2009
ジョン・ウィリアムズ(1932–)
映画『The Reivers(華麗なる週末)』のための音楽
スタジオ・オーケストラ ジョン・ウィリアムズ(指揮)
ジョン・ウィリアムズがマーク・ライデル監督の映画のために書いた音楽のサウンドトラック録音です。バンジョーやハーモニカも加えたオーケストレーションが、19世紀から20世紀に変わる時代のミシシッピを舞台にしたフォークナーの小説の雰囲気を表現。あまり大きくないスタジオでの録音らしく、楽器がかなり「オン」で収録されていて、弦楽器などが「きつい」音に聞こえることがあるかもしれません。ウィリアムズが作曲した「アメリカーナ」の一作は、後に、ナレーションを加えた演奏会用組曲にも作られています。ジョン・ウィリアムズの音楽からひとつ選ぶとすれば個人的にはこの作品です。
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『Bring Me the Head of Alfredo Garcia』
Quartet Records QR 497
ジェリー・フィールディング(1922–1980)
映画『Bring Me the Head of Alfredo Garcia(ガルシアの首)』
セッション・オーケストラ ジェリー・フィールディング(指揮)
共和党の上院議員ジョーセフ・マッカーシーのいわゆる「赤狩り」で追放された映画人のひとり、ジェリー・フィールディング Jerry Fielding が、復帰後、『ワイルドバンチ』『わらの犬』につづきサム・ペキンパー監督の映画に書いた音楽のサウンドトラック。この作品は、同じ Quartet と、Intrada レーベルからリリースされていました。このアルバムは、おそらく、あらためてリマスターされているのだと思います。いかにも「サントラ」的で分離がいまひとつだった旧盤にくらべ、楽器のテクスチュアと音場の表現が自然で、フィールディングの音楽をストレスなく楽しめます。
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『Big Wednesday』
Film Score Monthly FSM Vol.7 No.8
ベイジル・ポールドゥリス(1945-2006)
映画『Big Wednesday(ビッグ・ウェンズデー)』
スタジオ・オーケストラ
ベイジル・ポールドゥリス(指揮)
『ロボコップ』や『レッド・オクトーバーを追え!』のベイジル・ポールドゥリスが、南カリフォルニア大学時代のクラスメート、ジョン・ミリアスの映画の最初のサウンドトラック音楽。1962年夏、1965年秋、1968年冬、1974年春と、「ベトナム戦争」前後の時代を背景にした友人3人の物語。「サーフィン映画」だけど、フランキー・アヴァロンたちの「ファッション」映画とは違います。大波「ビッグ・ウェンズデー」のパイプラインをサーフボードに乗って行くシーンの音楽あたり、特に印象に残ります。グレイグ・マクリッチーのオーケストレーション。映画の Blu-ray も Warner Archive Collection からリリースされました。ブルース・サーティーズの撮影した映像とポールドゥリスの音楽が、素晴らしいマスタリングのおかげで、じっくり楽しめます。ポールドゥリスは、この作品の後、同じく同級生だったランドル・クライザーの『青い珊瑚礁」、ミリアスの『コナン・ザ・グレート』『若き勇者たち』と続きます。雄々しく、かっこいい音楽を書く作曲家です。
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『から騒ぎ』
Sony Music EK 54009
パトリック・ドイル(1953-)
映画『から騒ぎ(Much Ado about Nothing)』(1993)
スタジオ・オーケストラ
デイヴィッド・スネル(指揮)
ケネス・ブラナー監督の『から騒ぎ』は、シェイクスピアの戯曲による映画で一番好きな作品のひとつです。脚色と演出、デンゼル・ワシントンやマイケル・キートンまで起用したキャスティング、アンサンブル、衣装デザインとトスカーナでのロケーション撮影と、これが「映画のシェイクスピア」という感じです。そしてパトリック・ドイルの音楽。特に、映画の冒頭のピクニックの場面でエマ・トンプソンが朗読する「Sigh no more, ladies, sigh no more(嘆くな乙女たちよ)」の「男は嘘つき」の歌。ドイルがメロディを書いたこの歌は、もともとの庭園の場でバルサザー役のドイル自身が歌い、フィナーレの〈Strike up Pipers〉でオーケストラとコーラスが歌って「大団円」を盛り上げます。これがもう「最高!」。サウンドトラックの録音は、ウェンブリーの CTS スタジオです。
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『Rudy』
Varèse Sarabande VCL 0922 1221
ジェリー・ゴールドスミス(1929–2004)
映画『Rudy(ルディ/涙のウィニングラン)』
ハリウッド・スタジオ・シンフォニー
ジェリー・ゴールドスミス(指揮)
インディアナ州サウスベンドのカトリック系大学、ノートルダム大学のフットボールチーム「ファイティング・アイリッシュ」でプレーしたルディ・ルディカーのストーリー。彼の経験に基づいてアンジェロ・ピッツが書いた脚本をデイヴィッド・アンスポー監督が映画化。『勝利への旅立ち(Hoosiers)』でコラボレートしたジェリー・ゴールドスミスがスコアを担当しました。『トラ・トラ・トラ!』『夕陽の挽歌』『エイリアン』と素晴らしい音楽が多い彼のリストの中で一番好きな作品です。「アイリッシュ・ララバイ」「アメリカン・フットボール」といった主要なテーマが出てくるだけで「泣ける!」。リマスターされたアルバムには映画の中で流れる男声合唱《To Notre Dame》と《Notre Dame Victory March》が収録されていて、〈The Final Game〉は最初のサウンドトラック盤より長いバージョンが使われています。
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『リトル・ナイト・ミュージック』
Tring TRNG 001
スティーヴン・ソンドハイム(1930–)
ミュージカル《リトル・ナイト・ミュージック》
王立ナショナル・シアター・キャスト録音
このミュージカルは、デジレ役がグリニス・ジョンズだったブロードウェイ・キャスト録音を聴いて、たちまち気に入りました。ナショナル・シアターの舞台では、ジュディ・デンチがデジレを歌っています。彼女の〈Send in the Clown〉は、もう最高です。
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『ラブソングを書いてくれ…』
Sinatra Society of Japan XQAM 1002
『Write Me a Love Song, Charlie』
The "I Love You" Song Like Roses After Loving You 他
ジャック・ジョーンズ(ヴォーカル)
ジョー・クレス(キーボード) 他
シャルル・アズナヴールの曲を歌ったこのアルバムは、Kapp から RCA に移籍したジャック・ジョーンズの最良の一枚と言われています。ジャック・ジョーンズ所有のマスターテープによるCD化。RCA のLP(APL1-0773)で聴いていた時の印象と違わないので、オリジナル録音に手を加えずマスタリングを行ったと思われます。
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『グレン・キャンベル「ライヴ」』
BGO Records BGOCD 790
『Glen Campbell – "Live"』
White Lightning Didn't We Dreams of the Everyday Housewife 他
グレン・キャンベル(ヴォーカル、ギター)
L・A・セッションミュージシャン
1969年の独立記念日にニュージャージー州のガーデンステート・アーツセンターで行われた "sell-out" コンサートのライヴ録音。LP2枚の音源がCD1枚に収められています。「アナログ」の音を思わせるリマスタリングの施された「古き良きアメリカのひとつの時代」のアルバムです。
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『Me and Bobby McGee』
Monument (Z30817)
『Me and Bobby McGee』
Blame It on the Stones To Beat the Devil 他
クリス・クリストファソン(ヴォーカル、ギター)
クリス・クリストファソンの作った歌を初めて知ったのは、グレン・キャンベルがアルバム『The Last Time I Saw Her』で歌った《Help Me Make It through the Night》でした。「オレ、寂しいから、夜はずっと一緒にいてくれ……」っていう歌ですね。「こんな」歌を書いた人に興味を惹かれて買ったレコードが、このあアルバムです。クリストファソンのアルバム第1作。これが実におもしろくて、この後のアルバムも手に入れました。2020年の今も現役。「あの声」なので、年齢の変化をあまり感じません。1995年のアルバム『A Moment of Forever』も、よく聴く一枚です。
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『Honky Château』
This Records/Mercury 528162-2
『Honky Château』
Honky Cat Mellow Rocket Man Hercules 他
エルトン・ジョン(ヴォーカル、ピアノ)
エルトン・ジョンが1972年にリリースしたアルバムです。この年の秋、しばらくアメリカに滞在することがあり、ホスト・ファミリーだった友人宅のファミリールームに置かれていたレコードを彼の弟が毎日のようにかけていました。シングル・カットされた《Rocket Man》や《Honky Cat》といった曲は、学生たちの集まるクラブやダイナーのジュークボックスにも入っていて、繰り返し選ばれていました。そうしたこともあって、第1作からずっとリアルタイムで聴いていたエルトンのアルバムの中でもこれと『Don’t Shoot Me I’m Only the Piano Player』に一番親しみを感じています。『Honky Château』のこのディスクは、イギリス盤の LP より角の取れた、バランスのいい音にマスタリングされているように思います。
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『Steve Goodman Live at the Earl of Old Town』
Red Pajamas RPJ 017
『Steve Goodman Live at the Earl of Old Town』
Intro/The Earl of Old Town City of New Orleans 他
スティーヴ・グッドマン(ヴォーカル、ギター)
シカゴ生まれのシンガーソングライター、スティーヴ・グッドマン(1948–1984)のことは長田弘さんの『アメリカの心の歌』で知りました。ジョン・デンバーのアルバム『Aerie』でクリストファソンの《Casey’s Last Ride》の次に入っていた《City of New Orleans》を作った人。そのクリストファソンが共同で制作に携わったグッドマンのデビューアルバム『Steve Goodman』で聴ける歌には人懐こさを感じさせる魅力あり、長田さんの一文に出会うまで知らなかったことを残念に思いました。1978年8月にグッドマンがシカゴのナイトクラブで行ったコンサートを録音した『Live at the Earl of Old Tow』。彼が白血病で亡くなってから20数年経った2006年にリリースされたアルバムです。
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『われらの時代を歌う…』
Collector's Choice Music A 70300
"Sing of Our Times"
Long Ago, Far Away Seven Daffodils 他
"The Honey Wind Blows"
House of the Rising Son Somewhere 他
ブラザーズ・フォー
ブラザーズ・フォーのフォークソングは、大学のキャンパスの昼下がり、グリークラブの同級生たちと一緒にカルテットで歌っていました。このディスクをはじめとする、初期の創設メンバーによるアルバムの多くは丁寧なマスタリングが行われていて、「アイビー」の時代の空気が伝わってきます。