アメリカやイギリスの音楽雑誌でCDやレコードの記事を読み始めたころ、ひとりのライターが音楽だけでなく録音にも触れていることに関心をもちました。
 
それまで、「演奏評」と「録音評」が別セクションに分かれ、それぞれ別のライターが担当することに慣れていたので、新鮮な驚きでした。でも、「音楽」と「録音」は一体のはずなので、ごく当たり前のことが行われているに過ぎず、切り離されていることが不自然だと思うようになりました。
 
このページでは、「オーディオの楽しみ」というより「音楽を聴くためのオーディオ」について思ったことや知ったこと、友人たちから得た情報などを、折々、綴っていきます。

自宅のセット

 
CD トランスポート Cambridge Audio CXC-SLV
インテグレーテッドアンプ HEGEL H70
スピーカー Rogers LS3/5A
サブウーファー Rogers AB1
Blu-ray Disc プレーヤー OPPO BDP93
 
ピンケーブル
Gotham GAC-1 S/PDIF-Pro (CXC-SLV - H70 digital) 
Gotham GAC2111 (BDP93 - H70)
 
スピーカーケーブル
Flashback Sales 79 Strand .02mm OFC
 (Similar to the original QED 79 strand)
 
プラグ
Flashback Sales Gold 4mm Banana Plugs
Impact Acoustics Performance45-degree Screw-on Speaker Cable Pin
 
電源タップ
Furman SS-6B (+ Marinco FA5266BL) [2011.01]
 
スピーカーベース
パイン材 (300mmx300mmx30mm)
 
Hegel H70 は、プリアンプとパワーアンプを統合したタイプです。ノルウェーのレーベル、2L のモッテン・リンドベルグに意見を求めたら、このメーカーの製品だったら大丈夫と勧めてくれました。
 
H70 のマニュアルは、良好なオペレーションのため「1時間のヒートアップ」をすることを勧めています。
 
CD プレーヤーを28年間使った Philip LHH700 から Cambridge Audio の CXC-SLV に替えてからも、ノルウェーのアンプとのコンビネーションなのに、かつて Quad のアンプを使っていたころの「イギリスの音」に似た、品のいい音は変わりません。再生のむずかしいソースのひとつ、ユッカ=ペッカ・サラステとフィンランド放送管弦楽団の一連のシベリウス作品(RCA)が、曲、演奏、録音の素晴らしさを実感できる音で再生されます。
 
このセットを置いているのは、3mx3.2m、天井高 2.4m の、フローリング床の書斎です。パイン材を使ったディスク・チェストは Woodhouse Cod で作ってもらいました。
 


オーディオセットの位置を後ろが固い壁の南側から小窓のある東側に変えました。
 
部屋が狭く、光回線のアウトレットの位置の問題があったりしてレイアウトに苦労しましたが、ほぼイメージどおりに作業ができました。
 
スペースに余裕ができたので、スピーカーを少し前に出しました。左右の間隔をわずか広げ、スピーカーの向きを調整したら、音場、質感と定位、ダイナミックレンジ、明瞭度が、いい感じになりました。
 
デスクやアームチェアの位置も決まり、ひとまず安定しました。オーケストラ、ピアノ、弦楽四重奏、男声合唱、声とピアノ、声とギターと、いろいろなレファレンスディスクを聴き、ソースに適したボリューム設定を探っています。 
 
配置を変えてから、ボブ・ディランの『The Original Mono Recordings』が、いい雰囲気で聴けるようになりました。「モノーラル」の音に自然な広がりと奥行きが感じられます。ボストンやニューヨークのダウンタウンにある、若いシンガーソングライターたちの歌うコーヒーハウスにでもいる気分です。
 
『Fritz Reiner – The Complete Chicago Symphony Recordings』や『Stephen Kovacevich – Complete Philips Recordings』も、編成の異なる作品でもバランスが安定していて、このセッティングが合っているようです。
 
 スティーヴン・コヴァセヴィチが EMI に録音したベートーヴェンのソナタは、個別にリリースされた時、音質が今ひとつのような気がして、最初の数枚を買ってストップしていたディスクです。Warner Classics がリリースした全曲のセットは、音質にばらつきはあるものの「コヴァセヴィチのベートーヴェン」をしっかり楽しめる音になっています。セット・リリースに際してリマスタリングが行われたのか。それとも、再生側の環境が大きく変わったためなのか。それぞれ個性のある32曲のソナタとバガテルをそのときの気分で選び、毎日のように聴いています。

電源タップ、ケーブル  

 
Furman SS-6B は、ノイズフィルターとサーキットブレーカーを搭載したタイプの電源タップです。ミュージシャンがステージやスタジオで使う「プロ用」ですが、ホームユースに販売され、人気が高くなってきているようです。4.5m のケーブルは長すぎるので、1.5m に切り、Marinco のプラグをつけました。3m の差で「静けさ」が違ってきます。
 
シンセイゴッサムオーディオケーブル (「オーディオケーブル市場」)に注文した Gotham (ゴッサム) のピンケーブル、「イギリス国内向け」のところをオーナーにお願いして売ってもらった Flashback Sales のスピーカーケーブル、5,000円未満で手に入る Furman の電源タップ。こうした良質な製品が妥当な価格で販売されている一方、「オーディオ用」と銘打ったとたん、似たような製品なのに桁違いな価格がつけられていることがしばしばあります。「いろいろな事情」がありそうですが、素朴な疑問を抱く人は少なくないようです。
 
「音楽」は「日常生活」の中で楽しみたいと思っています。普通の環境にさりげなくオーディオを置く。それが一番のような気がします。

ディスク・クリーニング   

 
CDやDVDは、アルカリ性電解水でクリーニングしています。
 
使っているのは、東急ハンズのハウスウェア・セクションで売っていた、商品名が「超電水クリーンシュシュ」という製品です。プラスティックのボトルに100%の電解アルカリ水が500ml入っています。
 
大きなボトルのままでは勝手がよくないので、たまたま手元にあった無印良品のガラス製「小分けボトル スプレータイプ」に入れてみました。アトマイザー付き、容量50ml。使いやすい大きさです。ガラスボトルのタイプはもうなくなってしまったようですが、同じアトマイザーとキャップをつけたPET製ボトルの製品がMUJIにありました。
 
クリーニングはとても簡単です。ディスクの記録面に向けて一度「シュッ」。柔らかい布を使ってディスク表面を「放射線状」に軽く拭い、その後、もう一枚の布で水気を取り除く。このとき、小さなキズがピンホールの原因になることがあるので、ポリカーボネートの層が信号面より薄いレーベル面(印刷面)にはなるべく触れないよう注意するほうがよさそうです。
 
ディスクの表面は意外に汚れているらしく、このクリーニングでディスク面の「輝き」が違ってきます。
 
クリーニングしたディスクをプレーして気づくのが、「静かになる」ということです。
 
こうしたことをよく知っている人が言うには、ディスク表面がきれいになることで、高速回転しているヘッドの負担とそれに関連して電源まわりの負担が減り、その結果「当然、静かになる」んだとか。
 
音ばかりかDVDの映像にも「ハッとする」ほどの変化が見られます。
 
このクリーニングを友人たちと一緒に試してみたところ、あらためて、CDに入っている「情報」をどれだけ取り出せているか、という話になりました。
 
この方法は、新しいディスクでも違いの出ることがあります。製造工程の汚れでしょうか。
 
クリーニングの布は、最初ガーゼを使っていましたが、ユニチャームの化粧パフ「シルコット」に代えてみました。教わったとおり、毛羽や拭き跡が残りません。1箱に80枚入り。1枚でディスク4枚から5枚が目安です。「ユニチャーム」の製品を近所のドラッグストアで買うのがためらわれる場合は、身近の女性にお願いするといいと思います。
 
「超電水クリーンシュシュ」は、台所の油汚れや水垢をとったり、浴室や洗面所の鏡の曇り取りに使っていました。それが思いがけないところで役に立つとは。
 
聞いた話では、同様の製品が「オーディオ用」として売られているとか。価格は……。ご想像におまかせします。
 
[追記] 
 
「アルカリ性」なので、ディスクの縁から入りこむようなことでもあると、反射面のアルミを腐食する恐れがあります。化学変化を起こして水酸化アルミニウムになり、レーザー光を反射しなくなります。「アルミに使わない」の表示はそのためです。ご注意を。 

エンクロージャーの手入れ   

 
スピーカーのエンクロージャーは、Woodhouse Cod で譲ってもらった蜜鑞ワックスで手入れしています。
 
"Old Village" のブランド。アメリカの製品です。
 
"An 18th century cabinetmakers fomula of beeswax, lemon oil and other natural oils. Preserve, protect, and enriches the beauty of fine furnitures."
 
「伝統は今に生きる」。"The tradition lives on" は商標登録もされています。
 
エンクロージャー表面のほこりと汚れを取り除いてから、やわらかい布にこのワックスを少量つけ、木目に沿って軽く塗る。あとは乾いた布でまんべんなく拭っておく。
 
定期的に手入れすることで光沢が保たれていて、Rogers LS3/5A を譲ってくれた友人が、新しく買い直したか、と錯覚していました。
 
容量は 8 fl.oz. (236ml) です。 

ノイズ対策   

 
最近の家電製品にはマイコンチップが使われていて、そのノイズが家庭の電気配線系統に乗って「オーディオ」の音を汚してしまうことがあるようです。
 
その対策にと友人から勧められたのが ELECOM の KT-180 形のOAタップです。この製品にはノイズフィルターが内蔵され、それが、コンセントから侵入してくる伝導ノイズを減少させるといいます。
 
電子レンジと冷蔵庫、炊飯器、洗濯機、Mac とインターネット関連機器のコンセントに使っています。
 
友人からは、オヤイデ電気の「電磁波吸収コンセントキャップ」も勧められました。
 
電源タップなどの空きコンセントは、そこから入ったホコリが原因で接触不良やショートによる火災事故が起きることがあるそうです。この製品は、ホコリ対策とともに、「空きコンセントから放出されるノイズ成分を吸収消滅する」という「センダスト系電磁波吸収シート」がフタの部分に貼り付けられています。
 
秋葉原に行ったついでにオヤイデ電気で2セットを買い、オーディオ系統、映像系統の両方の電源タップに取り付けました。
 
この製品のうたい文句は「電磁波吸収シートの効果により、SNが向上して、音抜けが良くなり」。まんざら「オカルト」でもなさそうです。