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『ベートーヴェン、1802年の遺書(Beethoven’s Testaments of 1802)』
2L 2L 160SACD SACD hybrid (5.0 surround/stereo) classical

 
『ベートーヴェン、1802年の遺書(Beethoven’s Testaments of 1802)』
ルートヴィヒ・ファン・ベートーヴェン(1770–1827)
 ヴァイオリン・ソナタ第8番 ト長調 Op.30 no.3
 ヴァイオリン・ソナタ第9番 イ長調《クロイツェル(Kreutzer)》 Op.47
  ラグンヒル・ヘムシング(ヴァイオリン)
  トール・エスペン・アスポース(ピアノ)
 
[Violin: Francesco Ruggeri(Cremona, 1694)、Piano: C. Bechstein Concert D282/Steinway D-model(track 6)]
 
録音 2019年4月、11月 ソフィエンベルグ教会 (オスロ、ノルウェー)
制作・バランスエンジニアリング モッテン・リンドベルグ
 
[DXD(24bit/352.8kHz)録音]
[SACD: 5.1 multichannel DSD/2.0 stereo DSD/RedBook PCM: MQA CD]

 
ノルウェーのヴァイオリニスト、ラグンヒル・ヘムシング Ragnhild Hemsing(1988–)とピアニストのトール・エスペン・アスポース Tor Espen Aspaas(1971–)は、彼女の最初のソロ・アルバム『YR』(Simax PSC1315)がきっかけとなり、リサイタルのパートナーとしての共演を始めました。コンサートとフェスティヴァルへの出演、放送のための録音と、活動がつづき、グリーグ、シベリウス、カール・ニルセンの曲を弾いた『北国の音色(Northern Timbre)』(2L138SABD)を2017年にリリース。BIS レーベルに録音をつづける妹エルビョルグとも違うラグンヒルの感性と表現の音楽が注目され、ファンを獲得しました。ラグンヒルとトール・エスペンのデュオの新しいアルバムでは、2013年にボンの「ベートーヴェン・フェスティヴァル」で「ベートーヴェン・リング」を受け、ふたりにとって大切な作曲家、ベートーヴェンのソナタ2曲によるプログラムが組まれています。アルバムのタイトルにある「1802年」は「『芸術家』ベートーヴェンが『人間』ベートーヴェンを運命の手に委ねた、危機の年」といわれます。進行する難聴、ウィーンの社会と公の生活から締め出されているのではないかという疎外感といった問題に悩まされ、夏と秋に滞在したハイリゲンシュタットで「文字と音楽」による「遺書」を作りました。ト長調の曲など《3つのヴァイオリン・ソナタ》Op.30、《テンペスト・ソナタ》を含む《3つのピアノソナタ》Op.31、《エロイカ変奏曲》Op.35、交響曲第2番 Op.36 といった傑作群が作られ、そして翌1803年、ト長調の第8番と一緒にこのアルバムで演奏される、ベートーヴェンの「英雄的」スタイルを示す、《クロイツェル・ソナタ》と呼ばれるイ長調のソナタが作曲されました。2019年、オスロのソフィエンベルグ教会でのセッション録音です。 
 
価格 2,695円(税込価格)(本体価格 2,450円)

アランフエス協奏曲
BIS SACD 2485 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) contemporary/classical 

 
ホアキン・ロドリーゴ(1901–1999)
 アランフエス協奏曲(Concierto de Aranjuez)(1939)*
フランシスコ・コイ(1985–)
 トゥリア(Turia)(2017)(ギターとアンサンブルのための協奏曲)**
マヌエル・デ・ファリャ(1876–1946)
 クロード・ドビュッシーの墓碑銘のための賛歌 (Homenaje pour le tombeau de Claude Debussy)(1920)
 (ソロ・ギターのための)
イサーク・アルベニス(1860–1909)(クリスチャン・カールセン編曲)
 エボカシオン(喚起)(Evocació))(1905)(組曲《イベリア》から)
 (ギターとアンサンブルのための)**
ピート・ハーデン(1979–)
 慰めと揺らめき(Solace and Shimmer)(2016)
 (ギターとアンサンブルのための)**
  ヤコブ・ケッレルマン(ギター)
  ロンドン・フィルハーモニック管弦楽団 *
  ノルボッテン NEO ** クリスチャン・カールセン(指揮)
 
[Guitar: Matthias Dammann]
 
録音 2019年10月 ヘンリー・ウッド・ホール(ロンドン)(ロドリーゴ)、2017年12月 スタジオ・アークスティクム(ピテオー、スウェーデン)(コイ、ハーデン)、2019年9月 スウェーデン放送第3スタジオ(ストックホルム)(ファリャ、アルベニス)
制作 ハンス・キプファー(ロドリーゴ、ファリャ、アルベニス)、クリスチャン・カールセン、アルネ・ボック(コイ、ハーデン)
録音 イェンス・ブラウン(ロドリーゴ)、アルネ・ボック(コイ、ハーデン)、ハンス・キプファー(ファリャ、アルベニス)

 
ヴァイオリニストのダニエル・ミグダールと組んだ「デュオ KeMi」の『シューベルトのソナタ』(BIS SA 2375)でチャーミングな音楽を聴かせたスウェーデンのギタリスト、ヤコブ・ケッレルマン Jacob Kellermann(1984–)の新しいアルバム。ジャズ・トランペッターのマイルズ・デイヴィスがギル・エヴァンズと共同制作した1960年のアルバム『Sketches of Spain(スケッチ・オブ・スペイン)』からインスピレーションを得て、スペインという国を「場所というより考え方をプリズムを通して見たような」アルバムに作られています。
 
ロドリーゴの《アランフエス協奏曲》、ファリャの《クロード・ドビュッシーの墓碑銘のための賛歌》、アルベニスの《エボカシオン》のギターとアンサンブルの編曲、そして、彼のために作曲されたフランシスコ・コイとピート・ハーデンの新曲。フランシスコ・コイ Francisco Coll(1985–)は、バレンシア生まれ。トロンボーンの学位を取得した後、ロンドンのギルドホール音楽演劇学校でリチャード・ベーカーに作曲を学び、トマス・アデスに私的に師事しました。ギターとアンサンブルのための協奏曲《トゥリア》は、干上がった川床に庭園やカフェや新しいオペラハウスが作られた、かつてバレンシアを流れていた川の思い出を5楽章の音楽に作った作品です。「私のもっともフラメンコ色の作品」と作曲者自身が語っています。
 
ピート・ハーデン Pete Harden(1979–)の《慰めと揺らめき》は、「乾いた、南ヨーロッパの暑さへの印象主義的頌歌」として書かれた作品です。ロドリーゴの協奏曲の「アダージョ」楽章の一連のコードを土台にし、ギターの四分音が、暑さによる「揺らめき」を表す、「夢をみているような穏やかなビジョン」。作曲者のハーデンは、ハーグ音楽院でルイ・アンドリーセンとリチャード・エアズに学びました。「アンサンブル・クラング Ensemble Klang」の創設メンバーとして、ギターと芸術監督を担当しています。ハーデンとコイの作品は、指揮者クリスチャン・カールセン、ヤコブ・ケッレルマン、スウェーデン現代室内音楽協会 NU(Föreningen Kammarmusik NU)が、ノルボッテン NEO と共同で委嘱。2017年12月14日、ルレオーの文化ホールで初演されました。
 
ノルボッテン NEO (Norbotten NEO)は、現代の室内音楽をプロモートするため2007年に結成されたアンサンブルです。このアルバムのアルベニスの曲では、「デュオ KeMi」のダニエル・ミグダール Daniel Migdal がヴァイオリンを担当しています。クリスチャン・カールセン Christian Karlsen は、スウェーデンの指揮者。ハーグ音楽院で学び、エサ=ペッカ・サロネンのアシスタントとしてキャリアをスタートさせました。2018年、若い人たちのための交響フェスティヴァル「Gränslandet(グレンスランデット)」をピアニストのデイヴィッド・ファンと共同でストックホルムに創設、芸術監督を務めています。 
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『バッハと踊る(Dancing with Bach)』
Daphne DAPHNE 1068 classical/traditional 

 
『バッハと踊る(Dancing with Bach)』
トゥルビョーン・ネースブム
 水(Vatten)
スヴェン・ドゥーナット(1755–1815)
 スヴェン・ドゥーナットのポルスカ(Polska efter Sven Donat)
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685–1750)
 ゴルトベルク変奏曲 BWV.988 - アリアと変奏第1・第5
 Di Man * 祝祭のポルスカ(Jubileumspolska)**
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685–1750)
 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番 ホ長調 BWV.1006 - 前奏曲
エーリク・リュドヴァル(1983–)
 祝典行進曲(Högtidsmarsch)
クリスティーネ・ヴェスト/エーリク・リュドヴァル/J.S.バッハ
 バッハと踊る(Dancing with Bach)/バディヌリー(Badinerie)
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685–1750)
 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番 ハ長調 BWV.1005 - アレグロ・アッサイ *
 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番 イ短調 BWV.1003 - アンダンテ
 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番 ニ短調 BWV.1004 - ジグ ***
 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番 ニ短調 BWV.1004 - シャコンヌ
ユーナス・オールソン(1965–2010)
 献身(Innerligheten)*
エーリク・リュドヴァル(1983–)
 パスタヴァッゲ(Pastavagge)
  クリスティーネ・ヴェスト(リコーダー、フルート)
  エーリク・リュドヴァル(ニッケルハルパ)
  ゲスト・ミュージシャン
   オスカル・ロイター(ギター *、マンドリン **)
   アーレ・モッレル(マンドラ)**
   サミュエル・ルンステーン(ヴィオラ・ダ・ガンバ)***
 
録音 2018年10月23日、2019年11月25日–27日、2020年1月27日 聖ペテロ教会(ストックスンド、スウェーデン)
制作・サウンドデザイン・編集 トーレ・ブリンクマン

 
スウェーデンのリコーダーとバロックフルートのプレーヤー、クリスティーネ・ヴェスト Kristine West は、『クリスティーネ・ヴェスト、リコーダー』(DAPHONE 1055)と『J.S.バッハ フルートのためのソナタ』(DAPHONE 1058)をリリース、ユニークかつ誠実な音楽が注目されました。新しいアルバムでは、ストックホルムのフォークミュージック・グループ「Nordic」のメンバー、ニッケルハルパ奏者のエーリク・リュドヴァル Erik Rydvall(1983–)と共演、「編曲しようと変更の手を入れようと壊れることのない」バッハの音楽を「スウェーデン民俗音楽をルーツにもつ」という共通の視点で捉えた音楽を展開しています。《ゴルトベルク変奏曲》の「アリアと2つの変奏」、無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータとソナタといったバッハの曲、ニッケルハルパ奏者のトゥルビョーン・ネースブム Torbjörn Näsbom やスペルマンのスヴェン・ドゥーナット Sven Donat たちの曲。《バッハと踊る/バディヌリー》は、ヴェストとリュドヴァルとバッハが「共作」した楽しいナンバーです。 
 
価格 2,695円(税込価格)(本体価格 2,450円)

『A Better Place(もっといい場所)』
Prophone PCD 200 jazz 

 
『A Better Place(もっといい場所)』
 Vilse(Joel Lyssarides) Circling(Joel Lyssarides)
 Walking Tune(Joel Lyssarides) Still(Joel Lyssarides)
 Eon(Joel Lyssarides) Wu Tao-Tzu(Joel Lyssarides)
 Fado(Joel Lyssarides) Denial(Joel Lyssarides)
 Meditation(Joel Lyssarides) Free at Last(Joel Lyssarides)
 A Better Place(Joel Lyssarides)
  ヨエル・リュサリデス(ピアノ)
  ニクラス・フェーンクヴィスト(ベース)
  ラスムス・スヴェンソン・ブリクスト(ドラム)
 
録音 2019年6月25日–26日 ニレント・スタジオ(コッレレード、スウェーデン)
制作 ヨエル・リュサリデス
録音 ミケール・ダールヴィド
ミクシング、マスタリング ラーシュ・ニルソン

 
スウェーデンのジャズピアニスト、ヨエル・リュサリデス Joel Lyssarides は、『Dreamer(夢をみる人)』(PCD 178)でデビュー。ニクラス・フェーンクヴィスト Niklas Fernqvist のベース、ラスムス・スヴェンソン・ブリクスト Rasmus Svensson Blixt のドラムのトリオによる演奏は、Spotfly の再生回数が250万回を超えたと言われます。第2作の『Kärlek i vått & torrt(愛はウェットに、愛はドライに)』(PCD 209)ではヴォーカリストのエレオノル・オーエリュードと共演、美しい抒情を印象づけました。
 
第3作『A Better Place(もっといい場所)』は、デビュー作と同じトリオによるアルバムです。「エスビョーン・スヴェンソン、ビル・エヴァンズ、そして、バッハとラフマニノフからインスピレーションを得たキース・ジャレットと会話する」。それまでに書きためた曲から選んでプログラムを組んだデビュー作と異なり、ピアノ・ソロの〈Vilse(道に迷って)〉から〈Walking Tune(ウォーキング・テューン)〉、唐時代の画家の名を曲名にした〈Wu Tao-Tzu(呉道玄)〉、ポルトガルに想いを馳せる〈Fado(ファド)〉、〈Free at Last(やっと自由に)〉、ふたたびピアノ・ソロの〈A Better Place(もっといい場所)〉まで、リュサリデスが数日間で書いた、セッションでの即興にスペースをとった11曲を演奏しています。リュサリデスは、エレン・アンデションのアルバム『You Should Have Told Me(言ってくれればよかったのに)』(PCD 204)の共演者にも起用されました。ヤコブ・カールソンたちの次の世代のスウェーデンを担うピアニストとして一層の期待が高まっています。「スウェーデンの抒情」漂う、落ち着いた時間を約束するアルバムです。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『アンジェラス(Angelus)- ボリソワ=オッラス 管弦楽作品集』
BIS SACD 2288 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) contemporary/classical 

 
ヴィクトリア・ボリソワ=オッラス(1969–)
 アンジェラス(Angelus)(2008)*
 沈黙の王国(The Kingdom of Silence)(2003)**
 山々が生まれる前から(Before the Mountains Were Born)(2005)***
 賛歌の創造(Creation of the Hymn)(2013)(弦楽オーケストラのための)†
 開いた地面(Open Ground)(2006)††
  ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニック管弦楽団
  アンドレイ・ボレイコ(指揮)*/†
  マーティン・ブラビンズ(指揮)**/*** サカリ・オラモ(指揮)††
  アンドレーアス・アリーン(フルート)***
  ペール・アンデション(オーボエ)***
  ユーハン・フランセーン(クラリネット)***
  イェンス=クリストフ・レムケ(ファゴット)***
  ヨアキム・スヴェンヘーデン(ヴァイオリン)†
  ヨハンネス・ロスタモ(チェロ)†  
 
録音 2016年8月 ††、2017年11月 */†、2019年8月 **/*** ストックホルム・コンサートホール(スウェーデン)(* ライヴ録音)
制作 インゴ・ペトリ ††/*/†、トーレ・ブリンクマン **/***
録音 マリオン・シュヴェーベル ††、トーレ・ブリンクマン */†、マッティアス・スピッツバルト **/*** 

 
「鳥が歌わず、鐘が鳴らない都市は、死んでしまっている。毎日、どんな強さで鐘が鳴っているかを基準にすれば、ミュンヘンこそ間違いなく現代ヨーロッパでもっとも躍動する都会だろう」(ボリソワ=オッラス)。ミュンヘン市の850周年に際しミュンヘン・フィルハーモニーとミュンヘン市議会から委嘱を受けた管弦楽作品に始まる『アンジェラス』は、スウェーデンの作曲家ボリソワ=オッラスの管弦楽曲による「ポートレート」として制作されたアルバムです。
 
ヴィクトリア・ボリソワ=オッラス Victoria Borisova-Ollas は、1969年、モスクワ生まれ。モスクワ中央音楽学校とチャイコフスキー音楽院を卒業後、スウェーデンのマルメ音楽大学とロンドンの王立音楽大学で学びました。1993年からスウェーデンに住み、作曲活動を行っています。彼女の作品は、ロンドン交響楽団をはじめとする各国のオーケストラで演奏され、王立スウェーデン歌劇場で初演された2017年の歌劇『ドラキュラ(Dracula)』は、2シーズンのチケットが完売し、話題になりました。スウェーデン作曲家協会のメンバー。王立スウェーデン音楽アカデミーの会員に選ばれています。
 
カトリック教会の「お告げの祈り」の始まりを知らせる「鐘」を曲名にとった《アンジェラス》は、「古い時代からのごく漠然とした挨拶」として、ケルト聖歌を思わせるメロディに始まる約22分の作品です。ボリソワ=オッラスは、「『われわれの主への信仰がどれほど多くの機会に失われようと、われわれへの信念を決してなくさない』ひとりの孤独な修道士が、将来ミュンヘン市となる町の中心で初めて鳴らした鐘」に思いを馳せて作曲。ペータース教会の早朝の鐘やマリエン広場のラートハウス・グロッケンシュピールを模した旋律を織りこみながら、さまざまな歴史をもつ都会の姿を描いて行きます。2008年6月8日、シルヴァン・カンブルランがミュンヘン・フィルハーモニーを指揮して初演しました。
 
ボリソワ=オッラスは、イギリスの「マスタープライズ国際作曲コンペティション」(1998年)の2位に選ばれ、彼女が最初に国際的に知られるきっかけとなった『詩編104番』に基づく交響詩《風の翼(Wings of the Wind)》(1997)(Phono Suecia PSCD 171)をはじめ、『旧約聖書』の『詩編』に関連する作品をいくつか書いています。「一生を終えた後、私たちが行く神秘の国」を示す《沈黙の王国》は、自由な翻訳によるロシア語版『聖書」の『詩編94番』から曲名のアイデアを得たという作品です。グロッケンシュピールとチェレスタによる「子守歌」に始まり、「夢」の中に入って行く。ロシアの作曲家ニコライ・コルンドルフ(1947–2001)を追悼して作曲され、作品を委嘱したヨーテボリ・アート・サウンド(GAS)のフェスティヴァルで初演されました。
 
《山々が生まれる前から》は、『詩編90番「主よ、あなたは代々にわたしたちの宿るところ。山々が生まれる前から 大地が、人の世が、生み出される前から」』(新共同訳による)をインスピレーションに作曲されました。シュトゥットガルト放送交響楽団の委嘱で作られ、作品の後半に木管楽器の首席奏者4人による「カデンツァ」が配されています。アンドレイ・ボレイコ Andrey Boreyko 指揮のシュトゥットガルト放送交響楽団が初演。作品は彼に献呈されました。
 
《賛歌の創造》は、カナダ放送協会の室内楽フェスティヴァルのための「ヴィルトゥオーゾ」弦楽四重奏曲として作られていた作品です。2013年1月、ストックホルム・コンサートホールの「作曲者の週末」のために弦楽オーケストラの版に改作。ミケール・バットシュ指揮ムシカ・ヴィテにより初演されました。「調性と無調をめぐるゲーム……現代音楽で何が『現代的』で何が『伝統的』かというテーマ……どちらが『美女』でどちらが『野獣』か……まったくの混沌から何か美しい物を創り出すことは簡単にできるだろうか……」といったことに思いをめぐらしたという作品です。
 
《開いた地面》は、サルマン・ラシュディの小説『The Ground Beneath Her Feet(彼女の足下の地面)』をインスピレーションに作曲されました。「私たちが存在するこの瞬間、足下にある地面は、安定したものだろうか……地面が突然動きだしたら、どんな感じがするか、想像しようとする者はいるだろうか」。スウェーデン放送交響楽団の委嘱作。マンフレート・ホーネックの指揮で初演されました。
 
このアルバムの演奏は、ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニック管弦楽団をアンドレイ・ボレイコ、マーティン・ブラビンズ Martin Brabbins、首席指揮者サカリ・オラモ Sakari Oramo が指揮してストックホルム・コンサートホールで作曲者が立ち会って収録されました。《アンジェラス》のみ、コンサートのライヴ録音です。ロバート・サフ Robert Suff がエグゼクティヴ・プロデューサーを担当、ミュンヘンの「Der Friedensengel(自由の天使)」像の写真がアルバム・アートワークに使われています。
 
21世紀の音楽シーンに何が求められ、何が必要か。このアルバムは、そのひとつを示しているように思えます。 
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『All my Septembers(わが九月のすべて)』
Prophone PCD 205 jazz 

 
『All my Septembers(わが九月のすべて)』
 Ozymandias Melancholia(Peter Asplund)
 Hermanos del Alma(Peter Asplund)
 Le grand Michel(Peter Asplund)
 All my Septembers(Peter Asplund/Dave Castle)*
 Viudo(Peter Asplund)
 Melancholia II(Peter Asplund)
 She and me(Peter Asplund/Isabella Lundgren)**
 La Escogida(Peter Asplund)
 A Lotta’ Love(Peter Asplund)
 Lullaby for Melina(Peter Asplund)
  ペーテル・アスプルンド・アスピレーション
   ペーテル・アスプルンド(トランペット、フリュゲルホルン、ヴォーカル *)
   ハンス・アンデション(ベース)
   ユーハン・ローヴクランツ・ラムジー(ドラム)
  ラーシュ・ヤンソン(ピアノ)
  ヨアキム・ミルデル(テナーサックス、ソプラノサックス)
  イサベラ・ルンドグレーン(ヴォーカル)
  ペーテル・アスプルンド・ビッグバンド
   マグヌス・ブルム(リード・アルトサックス、フルート)
   ペール・グレバッケン(アルトサックス、フルート)
   ローベット・ヌードマルク(テナーサックス、クラリネット)
   アルベルト・ピントン(バリトンサックス、バスクラリネット)
   フレードリク・オスカション(トランペット)
   カール・ウーランデション(トランペット)
   ヤン・クーリーン(トランペット)
   ハンス・デュヴィーク(トランペット)
   マグヌス・スヴェードベリ(リード・トロンボーン)
   ディケン・ヘドレーニウス(トロンボーン)
   カーリン・ハンマル(トロンボーン)
   ケント・ウーランデション(バストロンボーン)
 
録音 2019年11月18日–19日 オースビュー文化ホール(オースビュー、ヴァールベリ、スウェーデン)
制作 ペーテル・アスプルンド
録音 ヨーラン・ステーグボルン
ミクシング ポール・スヴェンレ

 
『Lochiel’s Warning』(PCD 071)『As Knights Concur』(PCD 093)『Asplund Meets Bernstein』(PCD 103)などのアルバムをリリース、スウェーデンを代表するトランペット・プレーヤーのひとりに挙げられるペーテル・アスプルンド Peter Asplund の新作。前作『Aspiration』(PCD 156)のメンバー、ハンス・アンデション Hans Andersson とユーハン・ローヴクランツ・ラムジー Johan Löfcrantz Ramsay による「ペーテル・アスプルンド・アスピレーション」に、ピアニストのラーシュ・ヤンソン Lars Jansson とサックス奏者のヨアキム・ミルデル Joakim Milder を加え、マグヌス・ブルム Magnus Blom がリード・アルトサックスの「ビッグバンド・ホーンズ」が共演、アスプルンドの新作を10曲演奏しています。トランペットとピアノのメランコリックな対話に始まる《Ozymandias Melancholia(オジマノス・メランコリア)》、ベースが語る《Hermanos del alma(魂の兄弟)》、セッションの年に亡くなったミシェル・ルグランへのオマージュ《Le grand Michel(ル・グラン・ミシェル)》、アスプルンドのヴォーカルをフィーチャーする《All my Septembers(わが九月のすべて)》、もの憂げな《Viudo(男やもめ)》、憂鬱を吹き飛ばす《Melancholia II(メランコニア II)》、スウィング気分の《La Escogida(選ばれたもの)》、足取り軽い《A Lotta’ Love(たくさんの愛を)》、そして《Lullaby for Melina(メリーナの子守歌)》。シンガー・ソングライターのイサベラ・ルンドグレーン(ラングレン) Isabella Lundgren が作詞した《She and me》は、彼女が特別ゲストとして参加、素敵なヴォーカルを聴かせます。柔らかいテクスチュアのトランペットとビッグバンドの響きが溶け合い、ペーテルの個人的な世界に聴き手を誘ってくれるアルバムです。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『変容 - ベートーヴェン・クラッゲルード(Metamorphoses – Beethoven・Kraggerud)』
Simax PSC 1370 contemporary/classical 

 
ルートヴィヒ・ファン・ベートーヴェン(1770–1827)
 ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.61
 (カデンツァ:ヘンニング・クラッゲルード)
ヘンニング・クラッゲルード(1973–)
 マントラ-メタモルフォーゼン(Mantra-Metamorphosen)(2019)
 (2つのヴァイオリンのための)*
ルートヴィヒ・ファン・ベートーヴェン(1770–1827)(ヘンニング・クラッゲルード(1973–)編曲)
 弦楽四重奏曲第11番 へ短調 Op.95 《セリオーソ(Serioso)》
  ヘンニング・クラッゲルード(ヴァイオリン)
  ブリンヤル・リーエン・スクーレルード(ヴァイオリン)*
  アークティック・フィルハーモニック
  クリスチャン・クルクセン(指揮)
 
録音 2018年5月28日–31日 ストルメン・コンサートホール(ボードー、ノルウェー)
制作 ショーン・ルイス
録音 アルネ・アクセルベルグ 

 
ベートーヴェンの生誕250年の2020年。極北のプロオーケストラ、アークティック・フィルハーモニックが、アニバーサリー・イヤーを祝うトリビュート・アルバムをリリースします。ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲と『セリオーソ四重奏曲』、そして、クラッゲルードの《マントラ-メタモルフォーゼン》の3曲のプログラムです。
 
ヴァイオリン協奏曲は、ソリストのヘンニング・クラッゲルードが、少年のころ、オイストラフが1948年に録音したレコードで初めて聴き、たちまち虜になったという音楽です。クラッゲルードが師事したカミラ・ウィックスのレパートリーでもあり、彼にとってかけがえのない作品のひとつだと言います。オルフェウス室内管弦楽団のカーネギーホールのコンサートをはじめ世界各地で演奏。録音が待たれていました。
 
ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲の「物語」をどう語るか。クラッゲルードは、手稿譜のファクシミリ版を携えてセッションに臨み、即興的な視点でスコアを研究していて発見したことを反映させ、オイストラフやクライスラーたちの過去の録音も心の片隅に置いて演奏を進めていきました。カデンツァは、彼が愛してやまないというピアノソナタや弦楽重奏曲といったベートーヴェンの他の作品の和声進行をインスピレーションにクラッゲルード自身が作曲しています。
 
《マントラ-メタモルフォーゼン》は、2019年にスヴァールバル諸島で行われたアークティック・フィルハーモニックのフェスティヴァルでリヒャルト・シュトラウスの《メタモルフォーゼン》のリハーサル中にクラッゲルードが作曲した小品です。ヴァイオリンのデュオ曲として書かれ、アークティック・フィルハーモニックの第1コンサートマスター、ブリンヤル・リーエン・スクーレルード Brynjar Lien Schulerud がパートナーを務めました。ベートーヴェンの弦楽四重奏曲のうちもっとも簡潔な曲のひとつ《セリオーソ》は、クラッゲルードが演奏したことのあるマーラーの編曲版ではなく、現代の弦楽オーケストラに合わせて彼が編曲した版で演奏しています。
 
アークティック・フィルハーモニックは、ノルウェーの北極圏に2009年に設立されました。小編成のシンフォニエッタと室内管弦楽団からフル編成の交響楽団と、異なる大きさのアンサンブルで活動、「アークティック・オペラ」のピットにも入ります。2019年1月、カナダのヴィクトリア交響楽団の音楽監督、コペンハーゲン生まれのクリスチャン・クルクセン Christian Kluxen(1981–)が、クリスチャン・リンドベリの後任として首席指揮者に就任。ヘンニング・クラッゲルード Henning Kraggerud(1973–)が、室内管弦楽団の音楽監督を務めています。 
 
価格 2,695円(税込価格)(本体価格 2,450円)

『ベント・サーアンセン 協奏曲』
Dacapo 8.226095 contemporary/classical 

 
ベント・サーアンセン(1958–)
 朝(La Mattina)(2007–09)(ピアノと管弦楽のための)*
 セレニダード(Serenidad)(2011–12)
 (クラリネットと室内オーケストラのための)**
 トランペット協奏曲(2012–13)†
  ライフ・オーヴェ・アンスネス(ピアノ)*
  マッティン・フロースト(クラリネット)**
  ティーネ・ティング・ヘルセット(トランペット)†
  ノルウェー室内管弦楽団 */†
  ペール・クリスチャン・スカルスタード(指揮)*/†
  デンマーク国立交響楽団 **
  トマス・スナゴー(指揮)**
 
録音 2019年9月18日–19日 オスロ大学講堂(オスロ)*/†、2014年5月10日 デンマーク放送(DR)コンサートホール(コペンハーゲン)(ライヴ)**
制作 ヨルン・ペーデシェン */†、トーレ・ブリンクマン **
録音 アルネ・アクセルベルグ */†、ヤン・オルドロプ **、ミケル・ニューマン **

 
デンマークのベント・サーアンセン Bent Sørensen の3つの協奏曲。《朝(La Mattina)》は、《夜(La Notte)》(8.226045)に次ぐピアノ協奏曲の第2作。ピアニスト「ライフ・オーヴェ・アンスネス(Leif Ove Andsnes)」という存在をインスピレーションに作曲したといい、彼に献呈された作品です。クラリネットと室内オーケストラのための《セレニダード》は、作品が完成した2012年の11月3日、マッティン・フロースト Martin Fröst(1970–)がオランダ放送室内フィルハーモニックの共演で初演。このディスクの演奏は、2014年、彼がデンマークの「レオニー・ソニング音楽賞」を受賞した際に行ったコンサートのライヴ録音です。《トランペット協奏曲》は、ティーネ・ティング・ヘルセット Tine Thing Helseth(1987–)と彼女のユニークで名人芸的な楽器の扱いのために書かれ、サーアンセンの娘ふたりに献呈されました。「ヴェネツィアへの私の永遠の夢」(サーアンセン)を反映した「舟歌のような宇宙」を中間に置いた3楽章で書かれています。ピアノ協奏曲とトランペット協奏曲は、60歳になったサーアンセンをテーマ作曲家にした2019年の「ウルティマ」現代音楽祭の期間中の録音です。
 
ベント・サーアンセンが、なぜ、現代デンマークでもっとも国際的に人気が高く、常に委嘱を抱えているか、ということが、とてもよくわかるアルバムです。
  
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『GALAXYMPHONY』
Euro Arts 20 65211 (CD)/20 65214 (Blu-ray)  film music/classical 

 
『GALAXYMPHONY』
 映画『2001年宇宙の旅』
  - ツァラトゥストラはこう語った(リヒャルト・シュトラウス 曲)
 映画『アバター』- アバター組曲(ジェームズ・ホーナー 曲)
 映画『エイリアン2』- エイリアン2のテーマ(ジェームズ・ホーナー 曲)*
 映画『ブレードランナー』- ブレードランナー組曲(ヴァンゲリス 曲)
 映画『インターステラー』- インテーステラー組曲(ハンス・ジマー 曲)*
 映画『フィフス・エレメント』- ルチアの狂乱の場「あの人の優しい声が」
  - ディーヴァ・ダンス(ガエターノ・ドニゼッティ、エリク・セラ 曲)
 スタートレック・メドレー(アレグザンダー・カレッジ、
  ジェリー・ゴールドスミス、レナード・ローゼンマン、
  クリフ・アイデルマン 曲)
 映画『猿の惑星』- ノーエスケープ(ジェリー・ゴールドスミス 曲)
 映画『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』
  - メインテーマ(ジョン・ウィリアムズ 曲)
 映画『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス、
  エピソード2/クローンの攻撃』
  - アナキンのテーマと愛のテーマ(ジョン・ウィリアムズ 曲)
 映画『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』
  - 運命の戦い(ジョン・ウィリアムズ 曲)
 映画『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』
  - ルークとレイアのテーマ(ジョン・ウィリアムズ 曲)
 映画『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』
  - 帝国のマーチ(ジョン・ウィリアムズ 曲)
 映画『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』
  - ヨーダのテーマ(ジョン・ウィリアムズ 曲)
 映画『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』
  - レイア姫のテーマ(ジョン・ウィリアムズ 曲)
 映画『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』
  - フィナーレと王座の間(ジョン・ウィリアムズ 曲)
 映画『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』
  - カンティーナ・バンド(ジョン・ウィリアムズ 曲)*
  デンマーク国立交響楽団 コペンハーゲン室内合唱団「カメラータ」
  室内合唱団「ヒムニア」 アントニー・ヘルムス(指揮)
  キム・ジヘ(ソプラノ) デイヴィッド・ベイトソン(ナレーション)
 
[* 『エイリアン2』のテーマ、『インターステラー』組曲、「カンティーナ・バンド」は、Blu-ray のみ収録]
 
収録 2017年6月 DR(デンマーク放送)コンサートホール(コペンハーゲン)
制作 モーテン・モーウンセン
録音 ヤン・オルドロプ
 
[Blu-ray: 16:9 Full HD PCM stereo/DTS-HD MA5.1 102min Region All]

 
デンマーク国立交響楽団の「ガラコンサート」。エンニオ・モリコーネの音楽を特集した『The Morricone Duel(モリコーネ決闘)- かつてないもっとも危険なコンサート』(Euro Arts 20 64884/20 64888)につづき、「銀河(galaxy)」を舞台にした作品を中心とするSF映画の音楽による『GALAXYMPHONY』コンサートが行われました。1968年4月に公開されたスタンリー・キューブリックの『2001年宇宙の旅』に使われたリヒャルト・シュトラウスの《ツァラトゥストラはこう語った》の「導入」の音楽に始まり、『スター・ウォーズ』のためにジョン・ウィリアムズが作曲したスコアに終わるプログラム。ジェームズ・ホーナーの『アバター』とヴァンゲリスの『ブレードランナー』のオーケストラ・スコアは「組曲」が演奏され、『フィフス・エレメント』の音楽は、映画のシーンのとおり、エリク・セラの書いた〈ディーヴァ・ダンス〉に先立ちドニゼッティのオペラ《ランメルモールのルチア》の「狂乱の場」のアリアが歌われます。ソプラノのソロは、キム・ジヘ Jihye Kim です。『スタートレック』は、アレグザンダー・カレッジが作曲したテレビ映画のスコアと、ジェリー・ゴールドスミス、レナード・ローゼンマン、クリフ・アイデルマンの劇場版映画の音楽をメドレーで演奏しています。『ヒットマン』のエージェント47役の声優を務めたデイヴィッド・ベイトソン David Gateson がゲスト出演、『ブレードランナー』と『スタートレック』のナレーターを務めています。アントニー・ヘルムス(ハーマス) Antony Hermus(1973–)は、コンサートとオペラの両方を手がける、オランダの指揮者です。「北欧」のオーケストラ、デンマーク国立交響楽団の個性を活かしたテクスチュアと色彩の美しい「銀河の交響曲」を響かせています。
 
注記: Track 14(『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』- フィナーレと王座の間)は、ブックレットには記載がありませんが、『エピソード3/シスの復讐』の「アナキン vs オビ=ワン」の音楽から始まります。 
 
価格 3,355円(税込価格)(本体価格 3,050円)(CD)/4,950円(税込価格)(本体価格 4,500円)(Blu-ray)
 

収録時間の制約で CD に収録されなかった音楽((エイリアン2のテーマ、インテーステラー組曲、カンティーナ・バンド)を収めた「ボーナス・トラック」を MP3 ファイルでダウンロードできる「ダウンロード・コード」が付属しています。

『Brighter(もっと明るく)』
Prophone PCD 197 jazz 

 
『Brighter(もっと明るく)』
 Follow John(Max Schultz) Heavy Heart(Anna Gréta Sigurðatdóttir)
 Brighter(Anna Gréta Sigurðardóttir) AG(Max Schultz)
 Morning Light(Anna Gréta Sigurðardóttir/Max Schultz)
 It's OK(Anna Gréta Sigurðatdóttir)
 Lovesong: Hulda(Anna Gréta Sigurðardóttir)
 A Part of You(Anna Gréta Sigurðardóttir)
 Who Left the Building(Max Schultz) Grace(Anna Gréta Sigurðardóttir)
  アンナ・グリェータ・シーグルザルドウッティル(ピアノ)
  マックス・シュルツ(ギター)
  ヨアキム・ミルデル(サクソフォーン)
  クリスチャン・スペリング(ベース)
  マグヌス・グラン(ドラム)
  ショーストレムスカ四重奏団
   アンニ・スヴェードルンド(ヴァイオリン)
   イェンニ・ショーストレム(ヴァイオリン)
   マルタ・エーリクソン(ヴィオラ) リサ・ロイテル(チェロ)
 
録音 2019年2月11日–12日 Svenska Grammofonstudion(スウェーデン・レコードスタジオ)(ヨーテボリ)
制作 アンナ・グリェータ・シーグルザルドウッティル、マックス・シュルツ
共同制作 ヨアキム・ミルデル、オーケ・リントン
録音・ミクシング オーケ・リントン

 
アイスランドのピアニスト、2014年からストックホルムを拠点に活動するアンナ・グリェータ・シーグルザルドウッティル Anna Gréta Sigurðardóttir と、『Johannesson & Schulz』(PCD 108)『Cause and Effect』(PCD 132)などのアルバムで知られるスウェーデンのギタリスト、マックス・シュルツ Max Schultz のコラボレーション。ふたりは2015年にホーカン・ブルーストレムのビッグバンド「New Places Orchestra」で初めて共演、ナイロン弦のギターとアコースティック・ピアノのデュオから生まれる音楽に対する興味が湧き、ふたりがそれぞれ書いたオリジナル曲の演奏から始めたと言います。ピアノとギターのデュオからスタートし、ヨアキム・ミルデル Joakim Milder のサクソフォーン、クリスチャン・スペリング Christian Spering のベース、マグヌス・グラン Magnus Gran のドラムを加えたクインテットに発展していきました。「メロディのある抒情的な音楽を創る」。即興、作曲、編曲の境界を曖昧にしたままセッションが進められていきました。ヨーテボリの「スウェーデン・レコードスタジオ」で行われたセッションには、2006年にヨーテボリで結成されたショーストレムスカ四重奏団 Sjöströmska kvartetten が参加。アンナ・グリェータとマックスがヨアキムから助言を受けながら編曲したスコアを演奏しています。録音とミクシングを担当したオーケ・リントン Åke Linton は、サウンドエンジニアとプロデューサーとして活動。2008年に事故死したエスビョーン・スヴェンソンと親しく、「e.s.t.」の名で親しまれた彼のトリオの「第4のメンバー」とも言われました。メロディと楽器のテクスチュアが際立って美しいジャズ・アルバムです。 
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『ユーハン・ダーレネ、ヴァイオリニスト』
BIS SACD 2440 SACD hybrid (5.0 surround/stereo)  classical

 
サミュエル・バーバー(1910–1981)
 ヴァイオリン協奏曲 Op.14(1939)
ピョートル・チャイコフスキー(1840–1893)
 ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35(1878)
  ユーハン・ダーレネ(ヴァイオリン)
  ノルショーピング交響楽団 ダニエル・ブレンドゥルフ(指揮)
 
[楽器 Antonio Stradivarius(1736), Bow: A. Vigneron]
 
録音 2019年1月 ルイ・ド・イェール・コンサートホール(ノルショーピング、スウェーデン)
制作・録音 イェンス・ブラウン 

 
ユーハン・ダーレネ Johan Dalene は、2000年、スウェーデンのノルショーピングに生まれました。4歳からヴァイオリンを習い、3年後、初めてプロの交響楽団と共演しました。王立ストックホルム音楽大学でペール・エーノクソンに学び、ドラ・シュヴァルツベルク、パメラ・フランク、ゲルハルト・シュルツ、デトレフ・ハーン、ヘンニング・クラッゲルードのマスタークラスに参加しています。ヨーロッパ、中国、南アフリカのオーケストラにソリストとして客演、ローランド・ペンティネン、イングリ・アンスネスたちの共演でリサイタルに出演。2018年には「ノルウェー・クレッシェンド」プログラムでジャニーヌ・ヤンセン、ライフ・オーヴェ・アンスネス、ギドン・クレーメルに教わりました。デンマークのオーゼンセで行われる「カール・ニルセン国際コンペティション」の2019年ヴァイオリン部門で第1位。2020年/2021年のシーズン、スウェーデン放送交響楽団の「アーティスト・イン・レジデンス」を務めることが決まっています。彼の弾くヴァイオリンは、1736年製のアントニオ・ストラディヴァリウス。オスロの「アンデシュ・スヴェオース公益基金」から貸与された楽器です。
 
ダーレネの BIS レーベルへの初めての録音。サミュエル・バーバーのヴァイオリン協奏曲は、母校、カーティス音楽学校の理事だったサミュエル・フェルスの委嘱で作曲された作品です。1939年の夏、ジャン・カルロ・メノッティと一緒に旅したスイスで「アレグロ」と「アンダンテ」の2つの楽章を作曲。帰国後、初演者として予定されていたブリセッリから「ヴィルトゥオーゾ性に欠ける」という不満が寄せられたため、「無窮動のプレスト(Presto in moto peerpetuo)」の第3楽章を追加しました。ハーバート・ボーメルとフリッツ・ライナー指揮カーティス音楽学校のオーケストラが私的初演した後、アルバート・スポールディングがユージン・オーマンディ指揮のフィラデルフィア管弦楽団の共演で初演。バーバーの音楽を代表する作品のひとつになりました。
 
ユーハン・ダーレネが、2018年/2019年シーズン、「アーティスト・イン・レジデンス」として共演したノルショーピング交響楽団は、1912年に設立され、ヘルベルト・ブロムシュテット、オッコ・カム、広上淳一、オーレ・クリスチャン・ルード、リュー・チャーたちが首席指揮者を務め、スウェーデンを代表するオーケストラのひとつと呼ばれるようになりました。『《ハウス・オブ・カード》交響曲』(KKC 4144/5(BIS SA 2299))などの多くのアルバムを BIS レーベルに録音。アンドルー・マンゼの指揮したラーションの管弦楽作品(cpo 777 671-2, 777 672-2, 777 673-2)は、ラーションの音楽の魅力を伝える演奏として高い評価を得ています。
 
指揮者のダニエル・ブレンドゥルフ Daniel Blendulf(1981–)は、ストックホルム県ハーニンゲ生まれ。トゥールレイフ・テデーンとハインリヒ・シフにチェロを学び、2005年、ヨルマ・パヌラの勧めで指揮を始めました。マルメ交響楽団とスウェーデン放送交響楽団を指揮したブリッタ・ビューストレムの作品集『見えざる都市』(DAPHNE 1046)が代表的アルバム。現在、ダーラナ・シンフォニエッタの首席指揮者を務めています。スウェーデンの音楽家たちが共感を寄せるバーバーの音楽。木々の紅葉が青空に映えるアメリカ東海岸の抒情とも異なる、みずみずしい若葉のような抒情が薫ります。
 
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『ボリス・ゴドゥノフ』
BIS SACD 2320 2SACD's hybrid (5.0 surround/stereo) classical 

 
モデスト・ムソルグスキー(1839–1881)
 歌劇《ボリス・ゴドゥノフ(Boris Godunov)》(1869)(原典版)
  アレクサンドル・ツィムバリュク(バス、ボリス・ゴドゥノフ)
  マクシム・パステル(テノール、シュイスキー)
  ミカ・カレス(バス、ピーメン)
  セルゲイ・スコロホドフ(テノール、グリゴーリー)
  オレク・ブダラツキー(バス、ニキーティチ、警吏)
  アントン・ユングクヴィスト(バスバリトン、農夫ミチューハ)
  ワシーリー・ラデューク(バリトン、シチェルカーロフ)
  アレクセイ・チホミロフ(バス、ヴァルラーム)
  ボリス・ステパノフ(テノール、ミサイール、聖愚者)
  オッカ・フォン・デア・ダメラウ(メゾソプラノ、旅籠の女将)
  マルガリータ・ネクラソワ(メゾソプラノ、乳母)
  ハンナ・フサール(ソプラノ、クセニヤ皇女)
  ヨハンナ・ルードストレム(メゾソプラノ、フョードル皇子)
  ヨーテボリ歌劇場合唱団 ブルンスブー音楽学校合唱団
  ヨーテボリ交響楽団 ケント・ナガノ(指揮)
 
録音 2017年3月2日–11日 ヨーテボリ・コンサートホール(ヨーテボリ、スウェーデン)(ライヴ録音・セッション録音追加)
制作 ロバート・サフ
録音 カール・タルボット

 
2017年3月、ヨーテボリのコンサートホールでムソルグスキーの歌劇《ボリス・ゴドゥノフ》が、ヨーテボリ交響楽団の首席客演指揮者ケント・ナガノの指揮で上演されました。演奏に使われたのは、ムソルグスキーが帝室マリインスキー劇場委員会に提出したものの、上演を却下された「1869年原典版」です。却下の理由は、ムソルグスキーが最初に書いた作品が、主要な登場人物を男性が占める「歴史悲劇」として作られ、「ヒロイン」と「恋愛」を欠くことにあったとされています。そのためムソルグスキーは、1871年から1872年にかけて作品を大幅に改訂。「悪女」マリーナの役とポーランドを舞台とする2つの場を追加、「聖ワシーリー大聖堂の場」を削除、「ボリスの死」につづく「革命の場」で幕を閉じるフィナーレなど、「プロローグと4幕」の作品に改めました。ケント・ナガノは、2014年、バイエルン国立歌劇場で「1869年原典版」で上演。この公演で主役を歌ったアレクサンドル・ツィムバリュクが、ヨーテボリの公演にも起用されています。
 
[追記]
ケント・ナガノは、ハンブルク州立歌劇場の総音楽監督と首席指揮者を務め、オペラ作品の録音も多く手がけています。プロコフィエフの《3つのオレンジへの恋》、プーランクの《カルメル派修道尼の対話》、ブリテンの《ビリー・バド》、ブゾーニの《ファウスト博士》、サーリアホの《はるかな愛》など、彼のディスコグラフィにあるオペラ録音はいずれも高い評価を獲得してきました。ロシアの優れた歌手を客演に迎えた《ボリス・ゴドゥノフ》も、ヴィルヘルム・ステーンハンマルたちに育てられたヨーテボリのオーケストラの特色を活かし、ムソルグスキーのこのオペラの「原典版」の素晴らしさを感じさせる演奏を展開しています。 
 
価格 5,500円(税込価格)(本体価格 5,000円)

 

『プーランク 協奏曲』
LAWO Classics LWC 1173 classical 

 
フランシス・プーランク(1899–1963)
 ピアノ協奏曲(1949)*
 2台のピアノと管弦楽のための協奏曲  ニ短調(1932)**
 オルガン、弦楽とティンパニのための協奏曲 ト短調(1938)†
  クリスチャン・イーレ・ハドラン(ピアノ)*/**
  ホーヴァル・ギムセ(ピアノ)**
  コーレ・ノールストーガ(オルガン)† ノルウェー放送管弦楽団
  トマス・スナゴー(指揮)*/** ペーテル・シルヴァイ(指揮)†
 
録音 2012年1月23日–25日 ノルウェー放送コンサートホール(大スタジオ)(オスロ)*、2011年1月27日–28日  ノルウェー放送コンサートホール(大スタジオ)(オスロ)**、2012年10月13日 オスロ大聖堂(ノルウェー)†
制作 ジェフ・マイルズ
録音 ノルウェー放送(NRK)

 
「世紀を超え、多種多様なスタイルからインスピレーションを得て、苦もなく自分の音楽に織りこんでゆく。その美しさと優美さに魅せられてしまったら、それに代わることのできるものがどれほどあるだろうか」。20世紀、比類のない作曲家フランシス・プーランク(1899-1963)の3つの協奏曲を、優美さと鋭敏な感覚をあわせもった「魅力あるヴィルトゥオーゾ」たちがノルウェー放送管弦楽団と共演しました。スカルラッティ、モーツァルト、シューマン、ショパン、ブラームス、シンディング、現代ノルウェーと、幅広い時代の作品を手がけ、ノルウェーの音楽シーンに新しい風をもたらしたクリスチャン・イーレ・ハドラン Christian Ihle Hadland(1983–)が2曲のピアノ協奏曲を弾き、ハドランに先立つ世代の「ナンバーワン」ピアニスト、シベリウスのピアノ作品の全曲録音で国際的に知られアルヴェ・テレフセンやトルルス・モルクが信頼を寄せるホーヴァル・ギムセ Håvard Gimse(1966–)が、2台の協奏曲の第2ピアノ。2009年から2012年までノルウェー放送管弦楽団(KORK)の首席指揮者を務めたトマス・スナゴー(セナゴー) Thomas Søndergård(1969–)が、2曲の指揮をしています。オルガン協奏曲は、オスロ大聖堂で録音が行われました。大聖堂オルガニストのコーレ・ノールストーガ Kåre Nordstoga(1954–)のソロ、ベートーヴェンから後期ロマンティシズムの音楽を主なレパートリーとし、現代ノルウェー音楽の初演や録音を数多く任せているペーテル・シルヴァイ Peter Szilvay(1971–)の指揮による演奏です。
 
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『ベートーヴェン+サラステ』
Profil PH 18066 5CD’s classical 

 
ルートヴィヒ・ファン・ベートーヴェン(1770–1827)
[Disc 1]
 交響曲第1番 ハ長調 Op.21 交響曲第3番 変ホ長調 Op.55 《エロイカ》
[Disc 2]
 交響曲第2番 ニ長調 Op.36 交響曲第6番 ヘ長調 Op.68 《田園》
[Disc 3]
 交響曲第7番 イ長調 Op.92 交響曲第8番 へ長調 Op.93
[Disc 4]
 交響曲第9番 ニ短調 Op.125 *
[Disc 5]
 交響曲第4番 変ロ長調 Op.60 交響曲第5番 ハ短調 Op.67
  ケルンWDR交響楽団 ユッカ=ペッカ・サラステ(指揮)
  ラウラ・アイキン(ソプラノ)* インゲボルク・ダンツ(アルト)*
  マクシミリアン・シュミット(テノール)* タレク・ナズミ(バス)*
  北ドイツ放送合唱団 * ケルン放送合唱団 *
 
録音 2017年11月20日–25日(第1番–第5番)、2018年2月26日–3月3日(第6番–第9番) ケルン・フィルハーモニー(ライヴ)
制作 ギュンター・ヴォッラスハイム
録音 アルント・コッパス

 
2010年からケルンWDR交響楽団の首席指揮者を務めたユッカ=ペッカ・サラステ Jukka-Pekka Saraste(1956–)は、2018年/2019年のシーズンを最後にこのポストを離れます。「ケルンの新しい時代の夜明け」と言われたマーラーの交響曲第9番(PH 10035)に始まり、ストラヴィンスキーの《火の鳥》と《幻想的スケルツォ》(PH 11041)とリリースされたケルン・フィルハーモニーでのライヴ録音のシリーズ。ブラームスの管弦楽作品(PH 18032)に続くベートーヴェンは、2017年11月と2018年の2月から3月にかけてと、2つの時期に録音された演奏です。「そもそもの始まりは、子供のころ耳にした重くロマンティックなベートーヴェンでした。そして、時代考証による当時の響きという、演奏スタイルの革命的な進展に出会います。今、私たちが手に入れることのできる情報に基づき、その両方のアプローチの感じられるベートーヴェンを示したいと思っています」(サラステ)。サラステはケルンのオーケストラについて「……大きく息を使い、大きな線を描くことのできるオーケストラ……『ドイツの伝統』が明らかな金管セクションや、木管楽器の演奏テクニックと、『ユニバーサル』なスタイルの弦楽器セクションが合わさって生まれる大きな効果……」と語り、この「多くのドイツのオーケストラが磨きあげてきた理想の響き」を最大限に活用、「ドイツの響き」と「細部まで聞こえる、今までになかった透明度」(ミヒャエル・シュトルク=シュレーン)の「ベートーヴェン」を実現。シベリウスが第3番の交響曲を作るにあたって研究した「ベートーヴェンの音楽の推進力」を基本とした自然な流れのうちに「ベートーヴェンの交響曲の啓蒙性」を示しています。第4番と第5番は、2018年6月にリリースされたディスク(PH 17084)と同じ録音です。
 
価格 5,500円(税込価格)(本体価格 5,000円)

『ブラームス ヴァイオリンとピアノのための5つのソナタ 第1集』
BIS SACD 2369 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) classical  

 
ヨハネス・ブラームス(1833–1897)
 ヴァイオリン・ソナタ へ短調 Op.120 no.1(クラリネット・ソナタ第1番)
 ヴァイオリン・ソナタ《F・A・E ソナタ》 WoO.2 - スケルツォ
 ヴァイオリン・ソナタ第1番 ト長調 Op.78《雨の歌》
 おお涼しい森よ(O kühler Wald) Op.72 no.3(《5つの歌》から)
 ナイチンゲールに寄す(An die Nachtigall) Op.46 no.4(《4つの歌》から)
  ウルフ・ヴァリーン(ヴァイオリン)
  ローランド・ペンティネン(ピアノ)
 
[楽器 Violin: Domenico Montagnana(1746)/Piano: Steinway D]
 
録音 2017年5月 スタジオ・アクースティクム(ピテオー、スウェーデン)
制作・録音 マリオン・シュヴェーベル

 
古典の時代から現代まで、幅広いスタイルの室内楽を楽しみ、BIS レーベルに多くのアルバムを録音してきたスウェーデンのヴァイオリニスト、ウルフ・ヴァリーン Ulf Wallin と、『イングマル・ベルイマン監督作品の音楽』(BIS SA-2377)などアルバムで親しまれているローランド・ペンティネン Roland Pöntinen(1963–)が、ブラームスのヴァイオリンとピアノのためのソナタを「もう一度」録音しました。「ブラームスは、ヴァイオリン・ソナタを何曲作ったか? 一見、簡単な質問に思える。分かりきった答えをするなら、1878年から1879年と1886年に書かれたト長調、イ長調、ニ短調の3曲だ。しかし、これはブラームスが(モーツァルトとベートーヴェンを受け継いだ)一般的な『ピアノとヴァイオリンのためのソナタ』の名で『出版した』作品の数を言うことでしかない……」。第1集と第2集の2枚でリリースされる BIS のシリーズでは、前の Arte Nova Classics のセットになかった、歌曲の編曲も演奏されます。第1集は、ソナタ第1番《雨の歌》、《F・A・E ソナタ》の第3楽章〈スケルツォ〉、《クラリネット・ソナタ第1番》のピアノ・パートを改訂した《ヴァイオリン・ソナタ へ短調》、そして《おお涼しい森よ》と《ナイチンゲールに寄す》の2つの歌曲。ブラームスは、なぜ、ヴァイオリンとピアノのための音楽を作曲したかったか? 録音セッションは、2017年5月、ピテオーのスタジオ・アクースティクム Studio Acusticum で行われ、ヴァリーンとペンティネンの音楽に深い理解を示す、Take 5 Music Production のマリオン・シュヴェーベル Marion Schwebel が制作と録音を担当しました。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『ラヴェル ピアノ独奏曲全集』
Simax PSC 1366 2CD's classical 

 
モーリス・ラヴェル(1875–1937)
[Disc 1]
 夜のガスパール(Gaspard de la nuit)(1908)
  オンディーヌ(Ondine) 絞首台(Le Gibet) スカルボ(Scarbo)
 鏡(Miroirs)(1905)
  蛾(Noctuelles) 悲しい鳥たち(Oiseaux tristes)
  洋上の小舟(Une barque sur l'océan)
  道化師の朝の歌(Alborada del gracioso) 鐘の谷(La vallée des cloches)
 ソナティナ(Sonatine)(1903–05)
[Disc 2]
 グロテスクなセレナード(Sérénade grotesque)(1893)
 古風なメヌエット(Menuet antique)(1895)(ピアノのための)
 亡き王女のためのパヴァーヌ(Pavane pour une infante défunte)(1899)
 水の戯れ(Jeux d’eau)(1901)
 メヌエット 嬰ハ短調(Menuet en ut dièse mineur)(1904)
 ハイドンの名によるメヌエット(Menuet sure le nom de Haydn)(1909)
 高雅で感傷的なワルツ(Valses nobles et sentimentales)(1911)
 ボロディン風に(À la manière de Borodine)(1913)
 シャブリエ風に(À la manière de Chabrier)(1913)
 前奏曲(Prélude)(1913)
 クープランの墓(Le tombeau de Couperin)(1914–17)
  ホーコン・アウストボー(ピアノ)
 
[Piano: Steinway D-274(1893 New York)(Res. 2010 Steinway & Sons, Hamburg)]
  
録音 2018年5月1日–3日、7月10日–12日 ソフィエンベルグ教会(オスロ)
制作 ホーコン・アウストボー、アルネ・アクセルベルグ
録音 アルネ・アクセルベルグ

 
ノルウェーのホーコン・アウストボー Håkon Austbø(1948–)は、メシアンとドビュッシーのピアノ作品を全曲録音、フランスのピアノ音楽に特別な愛着を持っています。2018年秋、アウストボーの70歳の誕生日を記念し、もうひとりのフランスの大家、モーリス・ラヴェルのピアノのソロ作品全集がリリースされます。
 
ラヴェルの最初のピアノ曲、スパニッシュギター風の音調の《グロテスクなセレナード》、気品のある《古風なメヌエット》、優しくもの悲しい《亡き王女のためのパヴァーヌ》、泉や滝や小川から聞こえる水音からインスピレーションを得た《水の戯れ》、優美な《ソナティナ》、アヴァンギャルドの芸術家サークル「アパッシュ」のメンバーに捧げた《鏡》、ベルトランの幻想の詩による《夜のガスパール》、ラヴェルが最後に書いたピアノ曲、第一次世界大戦で失くした戦友たちの思い出に捧げた6つの楽章の《クープランの墓》。「ラヴェルが彼の音楽を通じて示す複雑で神秘につつまれた領域に深く入れば入るほど、解けない謎が残る。彼の音楽をずっと演奏してきて、今なお、どう考えるか迷う側面のあることを認めねばならない」(アウストボー)。鮮やかな熟練の技の陰にラヴェルのもっとも暗い面が隠れていることもアウストボーの演奏で示されます。この録音の楽器にアウストボーは、1893製造のスタインウェイ Model D-274 を選びました。「ラヴェルのピアノ曲は、彼の管弦楽作品と同様、緻密で色彩的に書かれている。ペダルはピアノの『オーケストレーター』だと彼は言う。事実、鐘や水を連想させる響きは、しっかりしたペダルの使い方なしに考えられない」。
 
アルバムの共同制作とエンジニアリングを、ブーレーズ、カーター、スコートゥンの作品を弾いた『Wanted(お尋ね者)』(Aurora ACD5071)などのアルバムでアウストボーとコラボレートしたアルネ・アクセルベルグ Arne Akselberg が担当。オスロのソフィエンベルグ教会で録音セッションが行われました。
 
価格 3,850円(税込価格)(本体価格 3,500円)

『Commuter Report(通勤者レポート)』
Losen Records LOS 204–2 jazz 

 
『Commuter Report(通勤者レポート)』
 Empty Crowds(Eyolf Dale)
 A Certain Kind of Basement Disco(Eyolf Dale) Overture(Eyolf Dale)
 Rhône(Eyolf Dale) Commuter Interlude(Eyolf Dale)
 Commuter Report(Eyolf Dale) Infinite(Eyolf Dale)
 South Drive(Eyolf Dale) Wonderific(Eyolf Dale)
  シーエン・ジャズオーケストラ
   アイオルフ・ダーレ(ピアノ、チェンバロ、チェレスタ)
   アンドレ・カッセン(ソプラノサックス、テナーサックス)
   グットルム・グットルムセン
   (アルトサックス、クラリネット、フルート)
   ヨン・オイスタイン・ロースラン(テナーサックス)
   リーネ・ビョルノル・ロースラン(バスクラリネット、クラリネット)
   フィン・アルネ・ダール・ハンセン(トランペット)
   トマス・ユーハンソン(トランペット、フリューゲルホルン)
   マグネ・ルートレ(トロンボーン)
   マリウス・ホーヴェン(トロンボーン)
   オースゲイル・グロング(バストロンボーン)
   ルネ・クラーケグ(アコーディオン)
   ヤン・オラヴ・レンヴォーグ(ベース)
   アウドゥン・クライヴェ(ドラム)
 
録音 2018年1月26日–29日 レインボースタジオ(オスロ、ノルウェー)
制作 アイオルフ・ダーレ
録音 ペール・アスペン・ウーシュフィヨルド

 
アイオルフ・ダーレは、ジャズ・ミュージシャン。テレマルク県のシーエンに住み、フェスティヴァルやツアーに出ていない日は、スタジオと家の間を通い、かつて学び、准教授を務める国立音楽大学で教える時はオスロまで通勤する。自転車に乗った学生たちが走り過ぎていく。ひと気のない街角。列車の窓から郊外の景色が見える……。シーエン・ジャズオーケストラ Scheen Jazzorkester の新作『Commuter Report(通勤者レポート)』は、委嘱を受けたダーレが通勤という単調な時間からインスピレーションを得て書いたナンバーを9曲、演奏したアルバムです。《Empty Crowds》はトランペット、《Overture》と《South Drive》はテナーサックス、《Wonderific》(素敵じゃないか)はフルートとトロンボーン、《Commuter Interlude》はダーレのピアノと、各楽器のソロをフィーチャー。ポップな感覚やクラシカルの気分ももった、都会の空気を感じるアルバムに作られました。
 
[プロフィール]
 
アイオルフ・ダーレ Eyolf Dale は、1985年、シーエン生まれ。フリーのピアニスト、指揮者、アレンジャーとして活動、ノルウェー国立音楽大学でジャズ演奏と即興を学び、修士号を取得しました。「北海ジャズ・フェスティヴァル」やアイルランドの「12 Point Festival」など、北欧と海外の音楽祭に出演。スペルマン賞(ノルウェー・グラミー賞)に二度ノミネートされています。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『スカルラッティのソナタ(Scarlatti Sonatas)』
Simax PSC 1358 classical 

 
『スカルラッティのソナタ(Scarlatti Sonatas)』
ドメニコ・スカルラッティ(1685–1757)
 ソナタ ホ長調 K.135 ソナタ 変ロ長調 K.112 ソナタ ロ短調 K.27
 ソナタ ホ長調 K.20 ソナタ 嬰ヘ長調 K.318 ソナタ ト長調 K.427
 ソナタ ハ長調 K.514 ソナタ ト長調 K.431 ソナタ ハ短調 K.11
 ソナタ ト短調 K.43 ソナタ ニ長調 K.534 ソナタ 変ロ長調 K.551
 ソナタ ニ長調 K.430 ソナタ ホ長調 K.215 ソナタ イ短調 K.109
  クリスチャン・イーレ・ハドラン(ピアノ)
  
録音 2018年1月29日–31日 Teldex Studio(ベルリン)
制作・編集 クシシュトフ・ドラーブ
バランスエンジニア ユリアン・シュヴェンクナー

 
クリスチャン・イーレ・ハドラン Christian Ihle Hadland(1983–)は、繊細なニュアンスを大切にする演奏スタイルで国際的にも知られ「ピアノの抒情詩人」とも呼ばれています。ショパンの《即興曲》とシューマンの《森の情景》を弾いたファーストアルバム(PSC1307)、ノルウェー・グラミー賞を受けたグリーグの《ホルベアの時代から》(PSC1332)、中央ヨーロッパとロシアの音楽風景を語った『ひばり』(PSC1337)と、ソロアルバムをリリースし、高い評価と人気を得てきました。ハドランとプロデューサーのクシシュトフ・ドラーブ Krzysztof Drab がソロ第4作に選んだのはドメニコ・スカルラッティのソナタ。チェンバロ奏者のリサイタル・アルバムで聴き慣れたプログラムとはやや趣を異にする選曲の15曲が演奏されます。陽気な音楽に始まり長調と短調が交替する「アレグロ」の《ホ長調 K.135》、優美な《変ロ長調 K.112》、『チェンバロのための練習曲集(Essercizi per gravicembalo)』から《ロ短調 K.27》と「プレスト」の《ホ長調 K.20》、「アンダンテ」の《嬰ヘ長調 K.318》……エネルギッシュな「アレグロ」の《ハ短調 K.11》……荘厳な「カンタービレ」の《ニ長調 K.534》、喜びあふれる《変ロ長調 K.551》、短三度の下降がカッコウを表したともいわれる「速すぎず舞踏のテンポで」の《ニ長調 K.430》、過ぎし日々への懐かしい想い、静謐な「アンダンテ」の《ホ長調 K.215》、悲しい「アダージョ(アンダンテ・アダージョ)」の《イ短調 K.109》。ハドランは、スペイン王室に嫁ぐポルトガル王女バルバラに同行してマドリードに赴き、亡くなるまで彼女に仕えたスカルラッティの心の軌跡をたどるように15曲のソナタを多彩なテクスチュアとニュアンスで演奏していきます。ベルリンのテルデックス・スタジオでのセッション録音です。
 
[プロフィール]
 
クリスチャン・イーレ・ハドラン Christian Ihle Hadland は、1983年、ノルウェーのスタヴァンゲル生まれ。ローガラン音楽院(現 スタヴァンゲル大学芸術学部)で学び、15歳の時にノルウェー放送管弦楽団のコンサートでデビュー。1999年からイジー・フリンカに師事、オスロのバラット=ドゥーエ音楽学校の彼のクラスで学びました。2008年、ノルウェー歌劇場でソロリサイタル・デビュー、2011年にBBC のニュージェネレーション・アーティストに選ばれ、2013年にウィグモアホールでデビュー・コンサートを行いました。ノルウェーと北欧、イギリス、ドイツ、フランスのオーケストラに客演、ヘンニング・クラッゲルード、ラーシュ・アンデシュ・トムテル、クレメンス・ハーゲン、トルルス・モルクたちと共演しています。クラッゲルードとはシンディングのヴァイオリンとピアノのための作品集を録音、国際的な評価を獲得しました。2015年にはオーストラリア室内管弦楽団、メゾソプラノ歌手のスーザン・グレアムと3週間のオーストラリア・ツアーを行っています。2010年からスタヴァンゲル国際室内楽フェスティヴァルの芸術監督。
 
価格 2,695円(税込価格)(本体価格 2,450円)

『シンプル・ソング(A Simple Song)』
BIS SACD 2327 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) classical 

 
『シンプル・ソング(A Simple Song)』
レナード・バーンスタイン(1918–1990)
 シンプル・ソング(A Simple Song)
 (スティーヴン・シュウォーツ、レナード・バーンスタインの詩)
 (《ミサ(Mass)》(1971)から)*
アーロン・コープランド(1900–1990)
 オルガンが話すのを時々聞いた(I've heard an organ talk sometimes)
 (エミリ・ディキンソンの詩)
チャールズ・アイヴズ(1874–1954)
 静穏(Serenity)(ジョン・グリーンリーフ・ホイッティアーの詩)
グスタフ・マーラー(1860–1911)
 三人の天使がやさしい歌を歌い(Es sungen drei Engel)
 (『子供の不思議な角笛』の詩)
 原光(Urlicht)(『子供の不思議な角笛』の詩)
リヒャルト・シュトラウス(1864–1949)
 たそがれの夢(Traum durch die Dämmerung)
 (オット・ユリウス・ビーアバウムの詩)
 あした!(Morgen!)(ジョン・ヘンリー・マッケイの詩)**
アルヴォ・ペルト(1935–)
 わが心はハイランドにあり(My Heart's in the Highlands)(2000)
 (ロバート・バーンズの詩)
モーリス・デュリュフレ(1902–1986)
 ピエ・イエズ(Pie Jesu)(《レクイエム》から)***
オリヴィエ・メシアン(1908–1992)
 3つの歌(Trois mélodies)(1930)
  なぜ?(Pourquois?)(オリヴィエ・メシアンの詩)
  ほほえみ(Le sourire)(セシル・ソヴァージュの詩)
  行方不明の婚約者(La fiancée perdue)(オリヴィエ・メシアンの詩)
フランシス・プーランク(1899–1963)
 平和への祈り(Priez pour paix)(シャルル・ドルレアンの詩)
フランク・マルタン(1890–1974)
 アニュス・デイ(Agnus Dei)(《レクイエム》から)
アルヴォ・ペルト(1935–)
 何年もの昔、歌っているのを聞いた(Es sang vor langen Jahren)(1985)
 (クレメンス・ブレンターノの詩)†
フランツ・リスト(1811–1886)
 アヴェ・マリア(Ave Maria) S.60
リチャード・ロジャーズ(1902–1979)
 すべての山に登れ(Climb Ev'ry Mountain)
 (オスカー・ハマースタイン二世(作詞))
 (《サウンド・オブ・ミュージック》から)
  アンネ・ソフィ・フォン・オッター(メゾソプラノ)
  ベンクト・フォシュベリ(オルガン)
  ファビアン・フレードリクソン(エレクトリックギター)*
  シャロン・べザリー(フルート)*
  マルガレータ・ニルソン(ハープ)*/**
  ニルス=エーリク・スパルフ(ヴァイオリン)**/†
  マリー・マクラウド(チェロ)*** エレン・ニスベト(ヴィオラ)†
 
録音 2016年12月 聖ヤコブ教会(ストックホルム、スウェーデン)
制作・録音 マリオン・シュヴェーベル

 
スウェーデンの宮廷歌手アンネ・ソフィ・フォン・オッター Anne Sofie von Otter(1955–)のキャリアは、彼女が生まれたストックホルムの聖ヤコブ教会から始まりました。教会の青少年合唱団で歌い、教会で行われているバッハの《マタイ受難曲》コンサートのソロに起用。1982年、最初のソロ・コンサートをこの教会で行いました。この時に共演したベンクト・フォシュベリ Bengt Forsberg(1952–)とは、その後30年以上に渡る共演が続いています。オペラ《秋のソナタ》(SA-2357)をリリースしたばかりのフォン・オッターの『シンプル・ソング』は、この聖ヤコブ教会でセッション録音されたアルバムです。
 
タイトルにとられたバーンスタインの《ミサ》のナンバーから、ミュージカル《サウンド・オブ・ミュージック》の〈すべての山を登れ〉まで、「宗教」と「心」でつながる17の曲。「典礼の手かせ足かせを逃れ、自然に湧き出る賛美の心を高らかに歌え」を基本のスタンスに歌われます。コープランドの《エミリ・ディキンソンの12の詩》の第10曲、ジャズの和声とゴスペルの歌唱を取り入れた〈オルガンが話すのを時々聞いた〉。ホイッティアーのクエーカーの賛美詩によるアイヴズの曲。マーラーが交響曲第3番と第2番の楽章とした『子供の不思議な角笛』の詩による2曲。陽が昇り、愛する人と結ばれる……マッケイのドイツ語詩にシュトラウスが作曲した《あした!》。デュリュフレとフランク・マルタンの《レクイエム》から1章ずつ。メシアンがデュカスに学んでいた頃に作曲した《3つの歌》とプーランクの《平和への祈り》。リストが《巡礼の年 第2年:イタリア》の第1曲〈婚礼(Sposalizio)〉に基づいて書いた《アヴェ・マリア》は、オルガンの長い序奏で始まります。
 
ペルトが2曲。スコットランドの詩人ロバート・バーンズの詩にペルトが作曲した《わが心はハイランドにあり》。『子供の不思議な角笛』の編者のひとり、ブレンターノがナイチンゲールの歌を詠んだ詩による《何年もの昔、歌っているのを聞いた》は、原曲どおり、ヴァイオリンとヴィオラの共演で歌われます。〈すべての山に登れ〉は、フォン・オッターがブラッド・メルドーの共演で素敵に歌った〈何かいいこと〉(naîve V5241)に次ぐ《サウンド・オブ・ミュージック》のナンバーです。ピアニストとして知られるフォシュベリは、ヨーテボリの音楽大学でオルガンを学びました。聖ヤコブ教会に1976年に設置されたマークセン・オルガン Marcussen & Søn を弾き、彼の子息ミケール・フォシュベリ Michael Forsberg がレジストレーションを担当しました。フォン・オッターの子、ファビアン・フレードリクソン Fabian Fredriksson が〈シンプル・ソング〉のエレクトリックギターを弾いています。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『アメリカの協奏曲』
Orfeo C 932182 2CD's classical 

 
[Disc 1]
レナード・バーンスタイン(1918–1990)
 セレナード(Serenade)(1954)
 (ヴァイオリン独奏、弦楽、ハープと打楽器のための)
エーリヒ・ヴォルフガング・コルンゴルト(1897–1957)
 ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35(1946)
  バイバ・スクリデ(ヴァイオリン)
  ヨーテボリ交響楽団 サントゥ・マティアス・ロウヴァリ(指揮)
[Disc 2]
ミクローシュ・ロージャ(1907–1995)
 ヴァイオリン協奏曲 Op.24(1953)
レナード・バーンスタイン(1918–1990)
 ミュージカル《ウェストサイド・ストーリー(West Side Story)》
 - シンフォニックダンス(1960)
  バイバ・スクリデ(ヴァイオリン)
  タンペレ・フィルハーモニック管弦楽団
  サントゥ・マティアス・ロウヴァリ(指揮)
 
録音 2017年8月21日–23日 ヨーテボリ・コンサートホール(ヨーテボリ、スウェーデン)(Disc 1)、2018年5月17日–19日 タンペレ・ホール(タンペレ、フィンランド)(5月17日 ライヴ、18日–19日 セッション)(Disc 2)
制作・録音 ラーシュ・ニルソン、ミケール・ダールヴィド(Disc 1)
制作 セッポ・シーララ(Disc 2)
録音 エンノ・マエメツ(Disc 2)

 
ラトビア出身、ハンブルク在住のヴァイオリニスト、バイバ・スクリデ Baiba Skride(1981–)。シベリウス・アカデミーで学び、タンペレ・フィルハーモニック管弦楽団の芸術監督とヨーテボリ交響楽団の首席指揮者を務めるサントゥ=マティアス・ロウヴァリ Santtu-Matias Rouvali(1985–)。「ベールに包まれたオーケストラの音色は、ビブラートを控えたスクリデの音のリボンを載せたビロードのクッションのようだ」(「The Gramophone」)とも評されたシベリウスとカール・ニルセンのヴァイオリン協奏曲(C896152)につづく共演アルバム。
 
「プラトンの『饗宴』による」の副題をもつバーンスタインの《セレナード》は、饗宴の客が順に行う「愛を讃える演説」をインスピレーションに作曲され、〈パイドロス - パウサニアス〉〈アリストパネス〉〈エリュクシマコス〉〈アガトン〉〈ソクラテス - アルキビアデス〉の5楽章から構成されています。コルンゴルトの《ヴァイオリン協奏曲》は、『Another Dawn』(邦題『砂漠の朝』)や『Anthony Adverse』(『風雲児アドヴァース』)といった、彼の書いたフィルムスコアの音楽を素材に使った「のびやかに弧を描く旋律線、ポリフォニックともいえる種々様々なメロディ、複雑な楽器法」(バイバ・スクリデ)で書かれたロマンティックな音楽。ミクローシュ・ロージャがハイフェッツの求めで作曲した《ヴァイオリン協奏曲》は、1950年代の新しい作曲スタイルと民俗音楽の要素が織りこまれ、ロージャが担当したビリー・ワイルダー監督の映画『The Private Life of Sherlock Homes』(『シャーロック・ホームズの冒険』)の音楽に作品の一部が転用されました。アンコールとして、バーンスタインのミュージカル《ウェストサイド・ストーリー》の「シンフォニックダンス」が演奏されます。
 
価格 2,695円(税込価格)(本体価格 2,450円)

『夜の曲(Nocturnal)』
BIS SACD 2082 SACD hybrid (5.0 surround/stereo)  early music/classical 

 
アントニー・ホルボーン(c.1547–1602)
 すいかずら(The Honeysuckle) 私のリンダ(Muy Linda)
 夜警(The Night Watch)
 ペンブローク伯爵夫人のパラダイス(Countess of Pembroke’s Paradise)
 妖精のラウンド(The Fairy Round)
エドワード・コラード(fl.c.1595–1599)
 わが窓辺より去れ(Go from My Window)
 ヒュー・アシュトンのグラウンド(Hugh Ashton’s Ground)
ダニエル・バチェラー(1572–1619)
 パヴァーヌ(Pavan)
ジョン・ダニエル(1563/34–c.1626)
 アン・グリーン夫人の葉はグリーン(Mrs Anne Grene her Leaves be Green)
作者不詳(ジョン・スキーニーの17世紀初めのマンドラ手稿譜)
 森の花(The Flowers of the Forest)
 夕暮れのとき、私を忘れないで(Remember Me at Evening)
 イギリスのナイチンゲール(The English Nightingale)
ウィリアム・バード(1543–1623)(フランシス・カッティング(fl.c.1583–c.1603)編曲)
 子守歌(Lullaby)
ベンジャミン・ブリテン(1913–1976)(ヤコブ・リンドベリ(1952–)編曲)
 ジョン・ダウランドによる夜の曲(Nocturnal after John Dowland) Op.70
ジョン・ダウランド(1563–1626)
 夢(A Dream) ファンシー(A Fancy)
 オーランドは眠る(Orlando Sleepth)
 ラクリメのガイヤルド(Galliard to Lachrimae)
 ダウランド氏の真夜中(Mr Dowland’s Midnight) 別れ(Farewell)
ジョン・ジョンソン(c.1545–1594)
 パッシングメジャーズ・パヴァーヌ(Passingmeasures Pavan)
 御者の口笛(Carman’s Whistle)
 さようなら、おやすみなさい(Good Night and Good Rest)
  ヤコブ・リンドベリ(リュート、ソプラノ・リュート)
 
[楽器 8-course Renaissance lute by Michael Lowe, Wootton-by-Woodstock, 1981, 7-course soprano lute (in mandora tuning) by Michael Lowe, Wootton-by-Woodstock, 1992]
 
録音 2017年8月 レンナ教会(ノルテリエ、スウェーデン)
制作 ユーハン・リンドベリ
録音 マッティアス・スピツバルト

 
ヤコブ・リンドベリ Jakob Lindberg(1952–)は、スウェーデンのユーシュホルム生まれ。ビートルズを聴いて音楽への情熱を育み、ストックホルム大学に進みました。ロンドンの王立音楽大学でダイアナ・ポウルトンに学んでいたころ、ルネサンスとバロックの音楽に主眼を置いた活動を選択。このジャンルでもっとも幅広いレパートリーをもつリュート奏者として知られ、『ジェームズ一世時代のリュート音楽』(BIS-SA2055)『ルネサンス期イタリアのリュートの名手たち』(BIS-SA2202)『シクストゥス・ラウヴォルフのリュート』(BIS-SA2265)など、30を超す数のアルバムを BIS レーベルに録音しています。新しいアルバム『夜の曲(Nocturnal)』は、彼がギターとリュートを平行して学んでいた最後の年に取り組んだブリテンの《ジョン・ダウランドによる夜の曲》を核に、主にエリザベス一世時代に作られた、夜を想起させる小品を配置する構成で作られています。
 
《ジョン・ダウランドによる夜の曲》は、ブリテンが、1963年、イギリスのギタリスト、ジュリアン・ブリームのために作曲した作品です。ダウランドの歌曲《来たれ深き眠りよ(Come Heavy Sleep)》に基づく変奏曲のスタイルをとった、8つの部分(楽章)からなる「壮大な」音楽。「この曲があったから、ギターを捨ててリュートに専念すると決めた時には後ろ髪を引かれる想いだった」(ヤコブ・リンドベリ)。ブリテンが「リュートを崇め」、この楽器のための作品を書くことも考えていたことから、出版社とブリテン・エステートが協力。エステートからは励ましとともに最初の草稿の提供も受けることができました。アントニー・ホルボーン、エドワード・コラード……詩人サミュエル・ダニエルの弟、ジョン・ダニエル……。「ジョン・スキーニーの17世紀初めのマンドラ手稿譜」の3曲は、「マンドラ調弦」のソプラノ・リュートで演奏されます。「リュートは、静寂と深い集中を必要とする」。録音セッションは、ストックホルムの北、ノルテリエのレンナ教会で行われました。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円) 

『ユートピア(Utopias)』
2L 2L 141SABD Pure Audio Blu-ray + SACD hybrid (5.1 surround/stereo) contemporary/classical 

 
ヤニス・クセナキス(1922–2001)
 Psappha(プサッファ)(1975)(第二人称バージョン)
 Psappha(プサッファ)(1975)(第一人称バージョン)
モートン・フェルドマン(1926–1987)
 The King of Denmark(デンマークの王)(1964)
  シェル・トーレ・インネルヴィーク(打楽器)
 
録音 2015年6月、2016年6月 ヤール教会(ベールム、ノルウェー)
制作・バランスエンジニアリング モッテン・リンドベルグ
芸術面助言・プログラムノーツ イーヴァ・フロウンベア
録音 ビアトリス・ヨハンネセン
 
[DXD (24bit/352.8kHz) 録音]
[Blu-ray: 5.1 DTS-HD MA(24bit/192kHz), 5.1.4 Dolby Atoms(48kHz), 2.0 LPCM(24bit/192kHz), 5.1.4 Auro-3D(96kHz), mShuttle: MP3 + MQA, Region ABC]
[SACD DXD(5.1 surround, 2.0 stereo DSD/CD 2.0 stereo(16 bit/44.1 kHz)/MAQ CD]

 
「ソロ打楽器のための作品を研究、再構成し、作品解釈の新しい可能性を追求する」。芸術をめぐるプロジェクトが盛んに推進されるノルウェーで、2013年、新しい試みとして「ノルウェー芸術リサーチ・プログラム」がスタートしました。『Radical Interpretation of Iconic Musical Works for Percussion(2013–2017)(打楽器のためのアイコン的作品の徹底的解釈)』。このプロジェクトは、ノルウェー国立音楽大学、オスロ国立芸術アカデミー、オスロ建築デザイン大学、ヴェステルダール・オスロ ACT、レコードレーベル 2L が共同で展開、ノルウェー国立音楽大学の准教授シェル・トーレ・インネルヴィーク Kjell Tore Innervik(1974–)が参加して進められました。インネルヴィークは、「四分音マリンバ、打楽器、風船、その他、打ったり撫でたりすることで演奏目的に使う部材」を含む NIME(New instruments for Music Exploration)を使って新たな「音風景」を開拓したアルバム『A Migrant in the New(新天地の渡り鳥)』(2011)(Aurora ACD 5059)で注目された打楽器奏者です。このプロジェクトの成果としてアルバム『ユートピア(Utopias)』が制作されました。
 
「アイコン的」作品として演奏されるのは、五線譜によらない記譜法が使われた2曲。「プライベート空間」での演奏を意図した、モートン・フェルドマン Morton Feldman の《The King of Denmark(デンマークの王)》。そしてクセナキス Ianis Xenakis の《Psappha(プサッファ)》。クセナキスの曲は、聴き手がインパクトのあるリスニングを体験できるよう、演奏者が聴き手と向き合うマイクセッティングによる「第二人称」で録音したあと、「第一人称」の視点を表現するためソリストの「頭上」にマイクをセットして再度録音されました。グラミー賞の最優秀プロデューサーにノミネートされたモッテン・リンドベルグ Morten Lindberg が制作とバランスエンジニアリングにあたり、「イマーシブ・オーディオ」という大きなフォーマットの録音テクニックによって「私的演奏空間」を追求。芸術面のアドバイスのためセッションに立ち会ったデンマークの作曲家イーヴァ・フロウンベア Ivar Frounberg(1950–)とリンドベルグによる詳細なプログラムノーツ(英語)が、ヤール教会で行われたセッション風景の写真とともに掲載されています。
 
価格 4,290円(税込価格)(本体価格 3,900円)
 

5.1 DTS–HD MA, 9.1 Auro-3D, Dolby Atoms と 2.0 LPCM の音声を収録した Pure Audio Blu-ray ディスクと、SACD ハイブリッドディスクをセットにしたアルバムです。Pure Audio Blu–ray ディスクにはインデックスを除き映像は収録されていません。SACD ハイブリッドディスクは通常のCDプレーヤーでも再生できますが、Pure Audio Blu-ray ディスクは Blu–ray プレーヤーもしくは Blu–ray 対応のPCをお使いください。

『郊外の話(Tales from Suburbia)』
BIS SACD 2313 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) contemporary/classical 

 
『郊外の話(Tales from Suburbia)- アルベット・シュネルツェル 管弦楽作品集』
アルベット・シュネルツェル(1972–)
 チェロ協奏曲《狂気のダイアモンド(Crazy Diamond)》(2011)*
 郊外の話(Tales from Suburbia)(2012)(管弦楽のための)
 ブレイン・ダメージ(Brain Damage)(2014)(管弦楽のための協奏曲)
  クレース・グンナション(チェロ)* ヨーテボリ交響楽団
  ベンジャミン・シュウォーツ(指揮)
 
録音 2017年5月 ヨーテボリ・コンサートホール(スウェーデン)
制作・録音 イェンス・ブラウン

 
アルベット・シュネルツェル Albert Schnelzer(1972–)は、スウェーデンの彼の世代でもっとも注目を集める作曲家のひとりです。国際的に知られるきっかけとなったのは、2004年、ラジオ・フランスの委嘱で作曲した《捕食の踊り(Predatory Dances)》のパリでの初演。ダイナミックな流れのなかに静謐の時と空間を挟む簡潔な音楽が、高い支持を得ました。シュネルツェルは、音楽創造を「現代音楽にふさわしいあり方に専念することではなく、もっとも自分らしい表現を求めること」と言います。彼は、マルメ音楽大学で作曲を学び、ロンドンの王立音楽カレッジでは作曲法と指揮法を修めました。近作のひとつ、映画作家ティム・バートンへの「オマージュ」とした《A Freak in Burbank(バーバンクの奇人)》は、2010年の「プロムス」で演奏され、その後、スウェーデンの現代作品としてもっとも演奏機会の多い一作になりました。
 
チェロ協奏曲《狂気のダイアモンド(Crazy Diamond)》は、ヨーテボリ交響楽団の委嘱作です。〈You shone like the sun(君は太陽のように輝いていた)〉〈If the cloud bursts, thunder in your ear(土砂降りになったら、君の耳に雷が)〉〈Re-arrange me ’til I’m sane(正気に戻るまで私を組み替えてくれ)〉〈Trade your heroes for ghosts?(君のヒーローを幽霊と交換するか?)〉の4楽章。「(『The Dark Side of the Moon』(邦題『狂気』)の)ピンク・フロイドやジェネシスといったグループが、ベートーヴェンとストラヴィンスキーと同じスペースを占めていた十代」を過ごした音楽家の作った音楽です。
 
《郊外の話(Tales from Suburbia)》は、「郊外」への個人的な思いを背景に作曲されました。「田舎の牧歌的風情の農家でもなく、都会のファッショナブルな地区のトレンディなアパートメントでもなく、ずっと郊外で育ち、オフィスこそストックホルムにあるものの、『ある種の愛憎関係』をもちつづけながら今も郊外に住んでいる」。
 
《ブレイン・ダメージ(Brain Damage)》は、個性をもった「個」の集合体「オーケストラ」のための協奏曲。《狂気のダイアモンド》で始めた探求を押し進める作品です。〈If Your Head Explodes(君の頭が破裂したら)〉〈Folded Faces(くしゃ顔)〉〈Dam Breaks Open(ダムが決壊する)〉。『The Dark Side of the Moon』に収録されたロジャー・ウォーターズ作詞の《ブレイン・ダメージ(Brain Damage)》(邦題『狂人は心に』)(脳損傷)の歌詞が3つの楽章のタイトルに採られています。
 
指揮者のベンジャミン・シュウォーツ Benjamin Shwartz(1979–)は、ロサンジェルス生まれ。カーティス音楽院でオット=ヴェルナー・ミュラーに指揮を学び、2013年から2016年までヴロツワフ・フィルハーモニックの音楽監督を務めました。新しい音楽のエクスパートと目されているひとりです。クレース・グンナション Claes Gunnarsson(1976–)は、ヨーテボリ交響楽団の首席チェロ奏者。シュネルツェルの《捕食の踊り》などの室内楽作品の初録音に参加しています。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)
 

『人々の心の調べ(Folketoner)』
2L 2L 144SACD SACD hybrid (5.0 surround/stereo) classical 

 
ガイル・トヴァイト(ゲイル・トヴェイト)(1908–1981)(リン・アンドレーア・フグルセット(1969–)編曲)
 名誉ある出迎え(Velkomne med æra)
カール・グスタフ・スパッレ・オールセン(1903–1984)
 生きること(Å leva)
ハリングダール民謡(リン・アンドレーア・フグルセット(1969–)編曲)
 天にある砦を知っている(Eg veit i himmerik ei borg)
クヌート・ニューステット(1915–2014)/ヴァルドレス民謡
 かわいいトールー(Torø liti)(《女声合唱のための5つの民謡》から)
クヌート・ニューステット(1915–2014)/セルフィョルド民謡
 ネスランの教会(Neslandskyrkja)
ヴォーゴー民謡(クヌート・ニューステット(1915–2014)編曲)
 寝過ごしてしまった(Jeg lagde mig saa sildig)
エドヴァルド・グリーグ(1843–1907)(クヌート・ニューステット(1915–2014)編曲)
 働きものの馬のためのおやすみの歌「さあブラッケン」
 (Kveldssang for Blakken "Fola, fola Blakken")
エドヴァルド・グリーグ(1843–1907)(カール=ベッティル・アイネスティーグ(1924–)編曲)
 ルンダーネで(Ved Rondane)
エドヴァルド・グリーグ(1843–1907)(エルセ・ベルントセン・オース 編曲)
 春(Våren)
イェンディーネ・スローリエン/エドヴァルド・グリーグ(1843–1907)
 イェンディーネの子守歌(Gjendines Bådnlåt)
ノルウェーの子守歌(スタイナル・アイエルセン(1948–)編曲)
 おやすみ良い子(So ro godt barn)
ヴェストフォルの子守歌(トーネ・クローン(1960–)編曲)
 おやすみ、かわいいわが子(So ro stubberusken min)
ヴェストフォルの舞曲(トーネ・クローン(1960–)編曲)
 スプリングダンス(Springdans)
中世の戯けたバラード(トーネ・クローン(1960–)編曲)
 あの小さな子に(Det liste bånet)
ヴェストフォル伝承曲(トーネ・クローン(1960–)編曲)
 家畜を呼ぶ声と呼びかけの歌(Lokkerop og laling)
  ノルウェー少女合唱団 アンネ・カーリン・スンダール=アスク(指揮)
 
録音 2015年6月、2016年6月 リス教会(オスロ)
制作・バランスエンジニアリング モッテン・リンドベルグ
録音 ビアトリス・ヨハンネセン、イェルムン・スコーグ
 
[DXD (352.8kHz/24bit) 録音]
[SACD DXD(5.0 surround 2.8224 Mbit/s/ch, 2.0 stereo 2.8224 Mbit/s/ch)/CD 2.0 stereo(16 bit/44.1 kHz)/MAQ CD]

 
長い年月にわたり歌い継がれてきた民謡と賛美歌、そしてナショナル・ロマンティシズムの伝統に沿った音楽を集めたアルバム『人々の心の調べ(Folketoner)』。トヴァイト(トヴェイト)の《ハルダンゲルの100の旋律》組曲第1番の第1曲〈名誉ある出迎え〉、ニューステットが《女声合唱のための5つの民謡》に使ったヴァルドレスの民謡、グリーグの歌曲集《ヴィンニェの詩による12の歌》(Op.33)から第9曲〈ルンダーネで〉と弦楽オーケストラのための《2つの悲しい旋律》に使った〈春〉(「いまひとたび 冬が去り 春に道をゆずる姿が目に映る……心を痛めながら問う これがほんとうに最後なのかと……)、ラルダールのマッティン・カッレベルグが作ったフィドル曲《スプリングダンス》(スプリンガル)、シンガーソングライターのトーネ・クローン  Tone Krohn(1960–)たちがこの録音のために新しく編曲した「子守歌」やバラードが歌われます。
 
ノルウェー少女合唱団 Det Norske Jentekor は、1947年設立のノルウェー放送少女合唱団が独立、継続したアンサンブルです。この合唱団は、多くの有名な歌手、音楽家、芸術家を育て、ノルウェーの文化生活に大きな役割を果たしてきました。指揮者のスンダール=アスク Anne Karin Sundal-Ask(1973–)は、ノルウェー音楽アカデミーでグレーテ・ペーデシェンとトーレ・エーリク・モーンに学びました。ノルウェー少女合唱団と混声合唱団「ビスレ=ベッケン」のほか、各地の合唱団を指揮。明晰なビジョンとそれを歌い手たちに伝える能力を備え、イントネーション、響きの質、アンサンブルを重視する彼女の音楽が高く評価されています。伝統の歌唱法を交えて歌う〈名誉ある出迎え〉に始まり、ヴェストフォル地方の羊飼いたちの「ワルツ」に終わるプログラム。高原を風が渡る……。オスロのリス教会で録音セッションが行われ、モッテン・リンドベルグ Morten Lindberg が制作を担当しました。谷と高原に暮らすノルウェーの人々の心を伝えるアルバムです。
 
価格 2,695円(税込価格)(本体価格 2,450円)

『ミツバチのマドリガル(The Bee Madrigals)』
Aurora ACD 5088 contemoporary/classical 

 
『ミツバチのマドリガル(The Bee Madrigals)』
ビョルン・ボルスタ・シェルブレード(1970–)
 黙して動かず(Still in Silence)
 (トランペットとヴォーカルアンサンブルのための)
 ミツバチのマドリガル(The Bee Madrigals)
 (ヴォーカルアンサンブルのための)
  ノルディック・ヴォイセズ   
  ニルス・ペッテル・モルヴェル(トランペット)
 
録音 2017年4月23日 レインボースタジオ(オスロ)
制作 ヨルン・ペーデシェン
録音 ペール・エスペン・ウーシュフィヨルド

 
巣箱にいるはずのミツバチが姿を消した。働きバチたちは二度と巣箱に戻ってこない……。ヴォーカル・グループ「ノルディック・ヴォイセズ」の最新アルバムは、大群のミツバチが突然コロニーから姿を消すという、世界各国で起きている原因不明の現象「蜂群崩壊症候群(Colony Collapse Disorder, CCD)」をテーマに、新しい音楽に生態学的観点を組みいれた作品として作られました。このプロジェクトのため、ノルウェーの音楽家ビョルン・ボルスタ・シェルブレード Bjørn Bolstad Skjelbred が、ノルディック・ヴォイセズとの共同作業により《ミツバチのマドリガル》を作曲。CCD に関する文献の断片をテクストに採り、悲観的な進展を見せるこの現象を、美しく、想いに沈む、グローバルメッセージをもつ、6人の声で歌われる音楽に完成させました。〈警告(The Warning)〉〈声なき春(Spring without Voices)〉〈私はよそ者ではなかった(I Was No Alien)〉〈つじつまが合った/ブログ(It Adds up/The Blog)〉〈蜂群崩壊(Colony Collapse)〉〈黙して動かず(Still in Silence)〉の6曲。アルバムの最初に第6曲〈黙して動かず〉をジャズ・トランペッターのニルス・ペッテル・モルヴェル Nils Petter Molvær とノルディック・ヴォイセズがインプロヴィゼーションを織りこんだバージョンが演奏され、つづいて《ミツバチのマドリガル》の全6曲が歌われます。
 
[プロフィール]
 
ビョルン・ボルスタ・シェルブレード Bjørn Bolstad Skjelbred は1970年生まれ。ノルウェー国立音楽アカデミーのアスビョルン・スコートゥンとビョルン・クルーセに作曲を学び、ルカ・フランチェスコーニに私的に師事しました。編曲者、即興演奏家、音楽教師としても活動し、「ノルディック・ヴォイセズ」、ノルウェーの俳優グループ「デ・ユートヴァルグテ」(選ばれし者たち)、打楽器奏者アイリク・ラウデ(『波動と中断(Waves & Interruptions)』(2L103PABD))、ハンガリーのバンド「ファビュラ・ラサ」、スウェーデンのアンサンブル「ペーロル・フォール・スヴィーン」(豚に真珠)など、多彩なジャンルの芸術家と共同作業を行っています。
 
ノルディック・ヴォイセズ Nordic Voices は1996年に創設されたアカペラ・グループ。ソプラノのトーネ・エリサベト・ブローテン Tone Elisabeth Braaten とイングリ・ハンケン Ingrid Hanken、メッツォソプラノのエッバ・リュード Ebba Rydh、テノールのペール・クリスチャン・アムンロード Per Kristian Amundrød、バリトンのフランク・ハーヴロイ Frank Havrøy、バスのロルフ・マグネ・アッセル Rolf Magne Asser の6人が現在のメンバーです。16世紀から21世紀の音楽をレパートリーに創意にみちたプログラムによるコンサート活動を行い、レコード録音は「スペルマン賞」(ノルウェー・グラミー賞)にノミネートされてきました。Aurora レーベルには『時のフーガ』(ACD5077)など3枚のアルバムを録音しています。
 
ニルス・ペッテル・モルヴェル Nils Petter Molvær(1960–)は、ノルウェーのトランペッター、作曲家、プロデューサー。ムーレ・オ・ロムスダール県のスラ島で生まれ育ち、トロンハイムのノルウェー工科自然科学大学(NTNU)のジャズ・プログラムで学びました。ヨン・エーベシェンと「ジャズプンクアンサンブル」に、アーリル・アンデシェン、ヨン・クリステンセン、トーレ・ブルンボルグと「マスカレロ」に参加。モルヴェルは、ジャズをエレクトロニクスと融合させた「ニュージャズ(ジャズトロニカ)」のパイオニアのひとりとみなされ、ジャズ、ロック、エレクロトニック・サウンドスケープ、ヒップホップ・ビートを結びつけた1997年のソロ・デビューアルバム『Khmer』(ECM)は、全世界で25万枚以上を売り上げたといわれます。彼は、自身のロマンティシズムを表現するための手法を求め、多分野のアーティストとジャンルを超えたコラボレーションを行い、映画、テレビ映画、ドキュメンタリー、演劇の音楽も手がけています。
 
価格 2,695円(税込価格)(本体価格 2,450円)

『J・S・バッハ モテット』
BIS SACD 2251 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) classical 

 
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685–1750)
 モテット「来たれ、イエスよ、来たれ(Komm, Jesu, komm)」 BWV229
 モテット「恐れることなかれ、われ汝とともにあり(Fürchte dich nicht, ich bin bei dir)」 BWV228
 モテット「聖霊はわれらの弱きを助けたもう(Der Geist hilft unser schwachheit auf)」 BWV226
 モテット「イエス、わが喜び(Jesu, meine Freude)」 BWV227
 モテット「主をたたえよ、すべての異教徒よ(Lobet den Herrn, alle Heiden)」 BWV230
 モテット「おおイエス・キリスト、わが命の光(O Jesu christ, mein's Lebens Licht)」 BWV118
 モテット「主に向かって新しい歌をうたえ(Singet dem Herrn ein neues Lied)」 BWV225
  ノルウェー・ソリスト合唱団 アンサンブル・アレグリア
  グレーテ・ペーデシェン(指揮)
 
録音 2015年2月(BWV227, 118)、2016年6月(BWV229, 228, 226)、2017年2月(BWV230, 225) リス教会(オスロ、ノルウェー)
制作 イェンス・ブラウン
録音 リタ・ヘルマイアー、イェンス・ブラウン、ハンス・キプファー

 
オスロを本拠とするノルウェー・ソリスト合唱団 Det Norske Solistkor は、作曲家ニューステット Kunt Nystedts により1950年に創設され、洞察にもとづく解釈をひろがりのある深い響きに実現した音楽が評価されてきました。1990年からグレーテ・ペーデシェン Grete Pedersen が芸術監督を務め、自身の個性を反映しつつ、ニューステットの目指した「芸術」をさらなる高みへと導く努力を傾けています。CD録音も積極的に行い、グリーグの合唱作品集(SACD1661)、ブラームスとシューベルトの作品集『秋に』(SACD1869)、ヴァーレン、メシアン、ヴェーベルン、ベルクの曲を歌った『屈折』(SACD1970)、フィドル奏者イェルムン・ラーシェンが参加した『白夜』(SACD1871)、クリスマスアルバム『バラ』(SACD2029)、ニューステットへの墓碑銘でもある『わが命の光』(SACD2184)、「夜と夢」をテーマとする『夢と同じ糸で』(SACD2139)を BIS レーベルに録音してきました。新しいアルバムは、J・S・バッハのモテット7曲です。アンサンブル・アレグリア Ensemble Allegria は、2007年、ノルウェー国立音楽アカデミーの学生たちによって創設され、マリア・アンゲリカ・カールセン Maria Angelika Carlsen(1988–)がリーダーと芸術監督を務めています。『わが命の光』につづく共演。同じオスロのリス教会で録音セッションが行われました。イェンス・ブラウン Jens Braun がプロデュースを担当。透明度の高い、瑞々しい質感のあるノルウェー・ソリスト合唱団の響きが誇張なくとらえられ、バッハの作品が人の心を伝える音楽として示されます。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『メサイア』
Proprius PRCD 2080 2CD’s early music/classical 

 
ジョージ・フレデリック・ヘンデル(1685–1759)
 メサイア(Messiah)
  シェシュティン・アーヴェムー(ソプラノ)
  アンナ・サンデル(アルト)
  ミケール・ヴェイニウス(テノール)
  カール=マグヌス・フレードリクソン(バス)
  マッティアス・ヴァーゲル(オルガン)
  聖ヤコブ室内合唱団 REbaroque
  マリア・リンダール(コンサートマスター)
  ギャリー・グレイデン(指揮)
 
録音 2016年11月25日–27日 ストックホルム大聖堂(ストックホルム、スウェーデン)(ライヴ録音)
制作・バランス・エンジニアリング イェンス・ブラウン
録音 トーレ・ブリンクマン

 
ギャリー・グレイデン Gary Graden(1955–)指揮の聖ヤコブ室内合唱団 S:t Jacobs Kammarkör と、マリア・リンダール Maria Lindal がリーダーを務めるストックホルムのピリオド楽器アンサンブル「REbaroque」の共演によるライヴ録音シリーズ。J・S・バッハの《ヨハネ受難曲》(PRCD 2065)と『モテット』(PRCD 2066)につづく新作は、彼らが2011年から演奏してきたヘンデルの《メサイア》です。「慰めよ、わたしの民を慰めよと あなたたちの神は言われる……谷はすべて身を起こし、山と丘は身を低くせよ……」(新共同訳)。2016年11月の終わりに3日間、ストックホルムの大聖堂で行われた「救世主」誕生を祝うコンサートのライヴ録音。大聖堂に会した人々がともに祝う歓びの雰囲気を伝える録音は、BIS レーベルの数々の録音で知られる Take 5 Music Productions のチームが担当しました。大聖堂のオルガンに合わせた「A’=440Hz」のピッチによる演奏です。
 
価格 3,740円(税込価格)(本体価格 3,400円)

『時を超える光(Timeless Light)』
BIS CD 1887 contemporary/classical 

 
『時を超える光(Timeless Light)』
ガリーナ・グリゴリエヴァ(1962–)
 祈り(Molitva)(2005/2013)(チェロと男声合唱のための版) *
クルダル・シンク(1942–1995)(アッラル・カーシク 補筆完成)
 主よ、われらを憐れみたまえ(Gospodi, pomilui nas)(1994/2012)
 (チェロ独奏のための)
トヌ・コルヴィツ(1969–)
 《七羽の鳥の七つの夢(Seitsme linnu seitse und)》(抜粋)(2009)
 (チェロと合唱のための) **
アルヴォ・ペルト(1935–)
 チェロ協奏曲《プロ・エ・コントラ(Pro et contra)》(1966) ***
ガリーナ・グリゴリエヴァ(1962–)
 無伴奏チェロソナタ《レチタティーヴォ・アコンパニャート(Recitativo accompagnato)》(2003)
エルッキ=スヴェン・トゥール(1959–)
 スペクトラム IV(Spectrum IV)(2004)(チェロとオルガンのための) †
  アッラル・カーシク(チェロ) エストニア国立男声合唱団 *
  ミック・ウレオヤ(指揮) * ラトビア国立合唱団 **
  マリス・シルマイス(指揮) ** エストニア国立交響楽団 ***
  ペーテル・リリエ(指揮) ***
  クリスティーネ・アダマイテ(オルガン) †
 
[楽器 Benoit Fleury(1763)(グリゴリエヴァ、シンク)、Justin Derazey(1869)(コルヴィツ、ペルト、トゥール)]
 
録音 2014年2月20日 エストニア・コンサートホール(タリン、エストニア)(祈り)、2016年5月9日 聖ヤコブ教会(ヴィームシ、エストニア)(主よ、われらを)、2014年4月4日 パルヌ・コンサートホール(パルヌ、エストニア)(七羽の鳥)、1988年 エストニア・コンサートホール(プロ・エ・コントラ)、2014年3月3日 エストニア・コンサートホール(レチタティーヴォ)、聖ヨハネ教会(ヘルシンキ、フィンランド)(スペクトラム)
制作総指揮 ローベット・フォン・バール
録音 タネル・クレスメント(祈り、主よ、レチタティーヴォ)、ヴィーヴェ&エンノ・マエメツ(七羽の鳥、スペクトラム)、エン・トムソン(プロ・エ・コントラ)
編集・ミクシング・マスタリング エンノ・マエメツ

 
「音楽は、つねに比類なく、光と同じように私たちに触れ、そのスペクトルいっぱいに私たちを豊かにする」。エストニアのチェロ奏者、アッラル・カーシク Allar Kaasik が、「時を超える価値」を求めつづけた旅の跡をエストニアの作曲家の作品でたどるアルバム『時を超える光』。
 
ウクライナ出身のガリーナ・グリゴリエヴァ Galina Grigorjeva の作品が2曲。祭壇の前に跪き、祈りを捧げる人の姿を音楽イメージとしたサクソフォーンとオルガンのための曲を改作した《祈り》。チェロという楽器の色彩と表現をいっぱいに活用し、「無伴奏チェロの個人的な告白」の音楽とした《レチタティーヴォ・アコンパニャート》(管弦楽をともなうレチタティーヴォ)。クルダル・シンク Kuldar Sink の《主よ、われらを憐れみたまえ》は、田舎の静かな暮らしと丘の散歩をこよなく愛したという作曲家の「真理を求めた人間の音楽による遺言」。トヌ・コルヴィツ Tõnu Kõrvits の「はるか遠い国を舞台にした音楽による童話」《七羽の鳥の七つの夢》から選んだ4曲を「切れ目なく演奏される4楽章」としたチェロと合唱のための作品。
 
アルヴォ・ペルト Arvo Pärt がロストロポーヴィチに献呈した《プロ・エ・コントラ》は、作曲者から手稿譜の写しを渡されていたカーシクが、「歌う革命」(1987年–1991年)の際、ペーテル・リリエ Peeter Lilje(1950–1993)指揮エストニア国立交響楽団の共演でエストニア初演した作品です。エルッキ=スヴェン・トゥール Erkki-Sven Tüür の《スペクトラム IV》は、チェロがオルガンを設置したロフトではなく祭壇の前で演奏、チェロとオルガンを隔てる「教会の空間」を「アンサンブルの第3の演奏者」とした作品です。「私にとって、教会に響く音楽はミサの一部」(カーシク)。
 
シンク、コルヴィツ、トゥールは新録音、その他は、ERR(エストニア公共放送)と Forte Records の新旧録音をリマスタリングして収録。2018年のエストニア独立100周年に捧げるアルバムとして制作されました。
 
[プロフィール]
 
アッラル・カーシク Allar Kaasik は1949年生まれ。モスクワ、ラトビアのリガ、エストニアのタリンでチェロを学び、エストニア国立交響楽団とエストニア国立歌劇場管弦楽団の首席チェロ奏者を務めています。タリン室内管弦楽団とバロッコ・レヴァリエンシスで演奏、ホルトゥス・ムジクスの創設メンバーでもあります。教育者として、東ヘルシンキ音楽学校とシベリウス・アカデミーで教え、ヨーロッパとアメリカでマスタークラスを主宰してきました。作曲者との関わりも深く、このディスクの作曲者の他、ペンデレツキ、ラウタヴァーラ、シュトックハウゼン、ヘルムート・ロゼンヴァルト、エステル・マギ、ウルマス・シサスク、ペーテリス・ヴァスクスに代表される作曲家と共同作業を行っています。 
 
価格 2,805円(税込価格)(本体価格 2,550円)

『四季の合間に(Between the Seasons)』
Simax PSC 1356 contemporary/classical 

 
アントニオ・ヴィヴァルディ(1678–1741)
 ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 RV269(Op.8 no.1)《春》
ヘンニング・クラッゲルード(1973–)
 祈り(Preghiera)
アントニオ・ヴィヴァルディ(1678–1741)
 ヴァイオリン協奏曲 ト短調 315(Op.8 no.2)《夏》
ヘンニング・クラッゲルード(1973–)
 後奏曲 変ロ短調(《分点(Equinox)》から)
アントニオ・ヴィヴァルディ(1678–1741)
 ヴァイオリン協奏曲 ヘ長調 RV293(Op.8 no.3)《秋》
ヘンニング・クラッゲルード(1973–)
 最後の一葉 - マグヌス追悼(the last leaf – Magnus in Memoriam)
アントニオ・ヴィヴァルディ(1678–1741)
 ヴァイオリン協奏曲 ヘ短調 RV297(Op.8 no.4)《冬》
ヘンニング・クラッゲルード(1973–)
 過ぎ越しのいけにえに(Victimae Paschali)
  ヘンニング・クラッゲルード(ヴァイオリン)
  アークティック・フィルハーモニック室内管弦楽団
  クヌート・ヨハンネセン(チェンバロ)
  ペッテル・リクテル(ギター、テオルボ)
 
録音 2016年8月15日–19日 グロンノーセン教会(トロムソ、ノルウェー)
制作 ショーン・ルイス
録音 アルネ・アクセルベルグ

 
「ヘンニング・クラッゲルードが世界の頂上から『四季』を連れてくる」。ノルウェー北極圏、トロムソの弦楽オーケストラ、アークティック・フィルハーモニックが、ノルウェーを代表する人気ヴァイオリニストのひとり、ヘンニング・クラッゲルード Henning Kraggerud(1973–)がソロを弾くヴィヴァルディの『四季』を発表しました。2012年からこのアンサンブルの芸術監督を務めるクラッゲルードは、クレーメルとデシャトニコフがアルバムにしたヴィヴァルディの『四季』とピアソラの音楽を組み合わせるという試みに触発され、このプロジェクトを計画したといいます。キーワードは「extreme(極端)」。「クラッゲルードとアークティック・フィルハーモニックの『四季』は、まさに北極圏の自然。風、雪、寒さ、雨、雪解け、暑さ……クラッゲルードの『情け容赦のなさ』ときたら、極北の地の自然そのもの」。このアルバムでは、クレーメルたちに倣い、《和声と創意の試み》(Op.8)の4つのヴァイオリン協奏曲とクラッゲルードが作曲しブロドスキー四重奏団やブリテン・シンフォニアたちにより初演された作品が交互に演奏されます。《夏》と《秋》の間に演奏される《後奏曲 変ロ短調》は、2014年の「北極光フェスティヴァル」でアークティック・フィルハーモニックが初演した《分点(Equinox)》(PSC 1348)の〈後奏曲〉の一曲です。
 
価格 2,695円(税込価格)(本体価格 2,450円)

『ノルディック・ヴォイセズ、ビクトリアを歌う(Nordic Voices sing Victoria)』
Chaconne CHSA 0402 SACD hybrid (Multichannel/stereo) early music

 
トマス・ルイス・デ・ビクトリア(1548–1611)
 羊飼いたちよ、汝ら見しことを語れ(Quem vidistis, pastores)
 わが心は燃えあがりたり(Ardens est cor meum)
 めでたきかな、われ(Congratulamini mihi)
 主の旗はひるがえり「スペイン風」(Vexilla regis ‘More Hispano’)
 おまえはペテロ(Tu es Petrus)
 われは鳩のごとき美しきものを見たり(Vidi speciosam)
 わたしは黒いけれども愛らしい(Nigra sum sed formosa)
 めでたし元后(Salve, Regina)
 聖なる三位一体に祝福あれ(Benedicta sit Sancta Trinitas)
 おお、主イエス・キリストよ(O Domine Jesu Christe)
 起き出して町をめぐり(Vadam et circuibo civitatem)
  ノルディック・ヴォイセズ
 
録音 2016年4月15日–18日、2017年1月23日 リス教会(オスロ、ノルウェー)
制作 ヨルン・ペーデシェン
録音 アルネ・アクセルベルグ

 
ノルディック・ヴォイセズ Nordic Voices は、ノルウェー国立音楽アカデミーとオスロのオペラ・アカデミーで声楽を学んだ歌手により1996年に創設されたアカペラ・グループ。16世紀から21世紀の音楽まで、創意にみちたプログラムによるコンサート活動を行い、レコード録音も「スペルマン賞」(ノルウェー・グラミー賞)にたびたびノミネートされてきました。メンバーは、ソプラノのトーネ・エリサベト・ブローテン Tone Elisabeth Braaten とイングリ・ハンケン Ingrid Hanken、メゾソプラノのエッバ・リュード Ebba Rydh、テノールのペール・クリスチャン・アムンロード Per Kristian Amundrød、バリトンのフランク・ハーヴロイ Frank Havrøy。バス・パートは、創設メンバーのラインホルトセンに代わり、男声グループ「リ・スカポリ」のメンバーだったロルフ・マグネ・アッセル Rolf Magne Asser が担当しています。ノルウェーの作曲家ギスレ・クヴェルンドクの宗教作品を歌った『時のフーガ』(Aurora ACD 5077)につづく新しいアルバムは、ルネサンス期を代表する教会音楽作曲家のひとり、ビクトリアの作品集。1572年にヴェネツィアで出版された『モテット集』の曲を中心に、『ソロモンの雅歌』をテクストとする《わたしは黒いけれども愛らしい》など、6声のための作品を11曲、歌っています。高い技術、深い洞察、音楽への共感。前のアルバムと同じくオスロのリス教会でセッションが行われ、同じアルネ・アクセルベルグ Arne Akselberg が録音エンジニアリングを担当しています。
 
価格 3,080円(税込価格)(本体価格 2,800円)

『シベリウス 交響曲第1番・第6番』
Linn CKD 502  classical 

 
ジャン・シベリウス(1865–1957)
 交響曲第1番 ホ短調 Op.39 交響曲第6番 ニ短調 Op.104
  BBCウェールズ・ナショナル管弦楽団 トマス・スナゴー(指揮)
 
録音 2014年12月3日–5日 BBC ホディノットホール(カーディフ、ウェールズ)
制作 フィリップ、ホブズ、ティム・ソーン
録音 フィリップ、ホブズ、ロバート・カミッジ

 
デンマークの指揮者トマス・スナゴー(セナゴー) Thomas Søndergård(1969–)。王立デンマーク管弦楽団の打楽器奏者を務めた後、指揮者としての活動に力を入れ始め、2005年、ルーザスのオペラ《カフカの審判》の初演と録音(Dacapo 8.226042–43)により国際的な注目を集めました。ロンドン・フィルハーモニック、ロンドン交響楽団、王立コンセルトヘボウ管弦楽団、ベルリン・ドイツ・オペラ(スカルタッツィーニ《エドワード二世》初演)、バイエルン州立オペラ(《トゥーランドット》)に客演、2012年–13年のシーズンからBBCウェールズ・ナショナル管弦楽団(BBC NOW)の首席指揮者を務めています。スナゴーと BBC NOW が初めてシベリウスを商用録音した第2番と第7番の交響曲(CKD 462)は、音楽を謙虚に誠実に見つめることで知られるスナゴーの、テンポ、楽器のバランス、気分の推移を精巧にコントロール、有機的に構想された音楽を正しい姿に創った演奏が、「テレグラフ」紙をはじめとするメディアから高い評価を獲得しました。シリーズの第2作は、シベリウスが標題音楽で培った技法を駆使、「交響曲の構造に包まれた抽象的な音楽劇」(エーリク・タヴァッシェルナ)に創り上げた第1番と、「ヘルシンキ・サノマット」紙のエヴェルト・カティラが「真正の牧歌。交響曲の枠組みで書かれた詩でもある」と評した第6番です。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『フォーク・シーズンズ(The Folk Seasons)』
Alba ABCD 402 SACD hybrid (5.0 multichannel/stereo) classical 

 
『フォーク・シーズンズ(The Folk Seasons)』
アントニオ・ヴィヴァルディ(1678–1741)
 『四季』(《和声と創意の試み》 Op.8 から)
  ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 RV269(Op.8 no.1)《春》
  ヴァイオリン協奏曲 ト短調 315(Op.8 no.2)《夏》
  ヴァイオリン協奏曲 ヘ長調 RV293(Op.8 no.3)《秋》
  ヴァイオリン協奏曲 ヘ短調 RV297(Op.8 no.4)《冬》
 ヴァイオリン協奏曲 ハ長調 RV114
 合奏協奏曲 イ短調 RV.522(Op.3 no.8)
 (2つのヴァイオリン、弦楽と通奏低音のための)*
 2つのヴァイオリン、弦楽と通奏低音のための協奏曲 ニ長調 RV511 *
  クレータ=マリア・ケンタラ(バロック・ヴァイオリン)
  シーリ・ヴィルッカラ(バロック・ヴァイオリン)*
  バロッコ・ボレアーレ
 
録音 2016年6月4日–7日 カウスティネン教会(カウスティネン、フィンランド)
制作・録音 サイモン・フォックス=ガール

 
カウスティネンは、ヘルシンキの北、中央オストロボスニアにある町。人口は約4,300。毎年開催されるスカンディナヴィア最大の民俗音楽祭により国際的にも知られています。バロッコ・ボレアーレ Barocco Boreale は、バロック音楽をこの地域に定着させようと、2013年に創設されたピリオド楽器のアンサンブルです。リーダーのクレータ=マリア・ケンタラ Kreeta-Maria Kentala は、カウスティネン生まれ。バロック・ヴァイオリンをラインハルト・ゲーベルとモニカ・ハジェットに学びました。1691年製のジョヴァンニ・バッティスタ・ロゲーリを弾いています。『フォーク・シーズンズ』は、バロッコ・ボレアーレのアルバム第1作。『四季(フォー・シーズンズ)』をメインにヴィヴァルディの協奏曲を6曲、演奏しています。アルバムの楽器編成は、ヴァイオリン6、ヴィオラ2、チェロ1、ヴィオローネ1の弦楽器群と、チェンバロ、ハープ、プサルタリー、カンテレ、テオルボ、バロックギター、ビウエラの通奏低音。「『夏』から感じるものといえば、まず、うるさい蚊のこと。フィンランド人は、冬をどう楽しむかということを誰よりもよく知っている。外に出れば氷の上で遊び、家の中では暖炉のそばで心地よい時間を過ごす」(通奏低音担当アンドルー・ローレンス=キング)。フォーク・フィドルの長い伝統をもつカウスティネンの音楽家たち。『四季』では通奏低音の3人が「鳥笛(バードホイッスル)」も担当、「音楽の創意」全開の音楽を展開していきます。2つのヴァイオリンのための作品は、ケンタラに教わったシーリ・ヴィルッカラ Siiri Virkkala が第2ヴァイオリンを担当します。2016年4月、カウスティネンの教会でセッション録音されました。
 
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)

『盗み(Furatus)』
2L 2L 130SABD Pure Audio Blu-ray + SACD hybrid (5.1 surround/stereo) classical 

 
『盗み(Furatus)』
エドヴァルド・グリーグ(1843–1907)
 組曲《ホルベアの時代から(Fra Holbergs tid)》 Op.40  
山田耕筰(1886–1965)
 琴-レント・モルト・アファット・センプリーチェ
 (Koto – Lento molto affatto semplice)
 赤とんぼ(Akatonbo/Dragon fly) 野薔薇(Nobara/Wild rose)
ドミートリー・ショスタコーヴィチ(1906–1975)
 3つの幻想的舞曲 Op.5
ガイル・トヴァイト(ゲイル・トヴェイト)(1908–1981)/オーレ・エドヴァルド・アントンセン(1962–)/ヴォルフガング・プラッゲ(1960–)
 ハルダンゲルの旋律(Hardingtonar)
  名誉ある出迎え(Velkomne med æra)- 序奏(Introduksjon)
  (アントンセン/プラッゲ)
  名誉ある出迎え(Velkomne med æra)(トヴァイト)
  花嫁の飲み物(Brurateven)(アントンセン/プラッゲ)
  スターヴ教会の歌(Stavkyrkjestev)(トヴァイト)
  神の善行と神の偉大さ(Guds godhet og Guds Storhet)
  (アントンセン/プラッゲ)
カール・ニルセン(1865–1931)
 6つのユモレスク=バガテル(Seks Humoreske-Bagateller) FS22(Op.11)
  オーレ・エドヴァルド・アントンセン
  (トランペット、コルネット、ピッコロ・トランペット)
  ヴォルフガング・プラッゲ(ピアノ)
 
録音 2012年1月、8月 ソフィエンベルグ教会(オスロ)(グリーグ、山田耕筰、ショスタコーヴィチ)、2013年9月 ヤール教会(ベールム、アーケシュフース)(トヴァイト、ニルセン)
制作・バランスエンジニアリング モッテン・リンドベルグ
録音 ビアトリス・ヨハンネセン
 
[DXD (24bit/352.8kHz) 録音]
[Blu-ray: 5.1 DTS-HD MA (24bit/192kHz), 2.0 LPCM (24bit/192kHz), mShuttle: MP3 & FLAC, Region ABC]
[SACD DXD (5.1 surround 2.8224 Mbit/s/ch, 2.0 stereo 2.8224 Mbit/s/ch)/CD 2.0 stereo (16 bit/44.1 kHz)]

 
アントンセン Ole Edvard Antonsen(1962–)のトランペットと、作曲家でもあるプラッゲ Wolfgang Plagge(1960–)のピアノによるデュオ・アルバム。タイトルの “Furatus” はラテン語で「盗み」。ヴィヴァルディの曲を「借用」して協奏曲に作ったJ・S・バッハに倣い、「先達の作曲家たち」の作品をトランペットとピアノという「自分たちの楽器」のために編曲、あるいは作り替え、新たな角度から楽しんでもらおうという企画です。エドヴァルド・グリーグの組曲《ホルベアの時代から》(ホルベルグ組曲)は、ノルウェーの劇作家、デンマークで活躍したホルベアの生きた「バロック期」の音楽に「グリーグの今」を重ね、ピアノのために作曲、弦楽オーケストラの版でも親しまれている作品です。〈前奏曲〉〈サラバンド〉〈ガヴォット〉〈アリア〉〈リゴドン〉の5曲。山田耕筰の3つの「歌」は、アントンセンとプラッゲがかつて、作曲者の娘さんの招待で日本を訪れ、演奏した作品です。ショスタコーヴィチが「政治的な意味なし」に作曲したピアノ曲《3つの幻想的舞曲》--〈マーチ〉〈ワルツ〉〈ポルカ〉。カール・ニルセンが「ほとんどモーツァルト風の軽さ」で書いた《6つのユモレスク=バガテル》--〈やあ! やあ!(Goddag! Goddag!)〉〈うなりごま(Snurretoppen)〉〈 小さなスローワルツ(En lille langsom vals)〉〈踊り人形(Sprællemanden)〉〈 人形のマーチ(Dukke-March)〉〈オルゴール(Spillevæket)〉。グリーグを継ぐ世代のひとり、ガイル・トヴァイト Geirr Tveitt(1908–1981)は、ハルダンゲル高原の農場に住み、作曲家、ピアニスト、民謡の研究家として活躍しました。『ハルダンゲルの旋律』は、トヴァイトが民謡を素材に作曲した《ハルダンゲルの100の旋律》から、「自由な」編曲による〈名誉ある出迎え - 序奏〉〈花嫁の飲み物〉〈神の善行と神の偉大さ〉とオリジナルに沿って編曲した〈名誉ある出迎え〉〈スターヴ教会の歌〉を組み合わせた作品です。
 
価格 4,290円(税込価格)(本体価格 3,900円)
 

5.1 DTS–HD MA, 9.1 Auro-3D, Dolby Atoms と 2.0 LPCM の音声を収録した Pure Audio Blu-ray ディスクと、SACD ハイブリッドディスクをセットにしたアルバムです。Pure Audio Blu–ray ディスクにはインデックスを除き映像は収録されていません。SACD ハイブリッドディスクは通常のCDプレーヤーでも再生できますが、Pure Audio Blu-ray ディスクは Blu–ray プレーヤーもしくは Blu–ray 対応のPCをお使いください。

『物語(Stories)』
2L 2L 131SABD Pure Audio Blu-ray + SACD hybrid (5.1 surround/stereo) jazz 

 
『物語(Stories)』
 Värmlandsvisan(ヴェルムランドの歌)(Swedish trad.)
 The Elder(Jan Gunnar Hoff) Playground(Jan Gunnar Hoff)
 God Only Knows(Brian Wilson) Absence(Jan Gunnar Hoff)
 Figment I(Jan Gunnar) Good Things(Jan Gunnar Hoff)
 Answer Me(Gerhard Winkler) Figment II(Jan Gunnar Hoff) 
 Within(Jan Gunnar Hoff) Stranger(Jan Gunnar Hoff)
 Blossom(Jan Gunnar Hoff) Figment III(Jan Gunnar Hoff)
 Journey Home(Jan Gunnar Hoff) Reminiscence(Jan Gunnar Hoff)
  ヤン・グンナル・ホフ(ピアノ)
 
[Piano: Steinway D-model]
 
録音 2016年8月 ソフィエンベルグ教会(オスロ)
制作・バランスエンジニアリング モッテン・リンドベルグ
録音 ビアトリス・ヨハンネセン
 
[DXD (24bit/352.8kHz) 録音]
[Blu-ray: 5.1 DTS-HD MA (24bit/192kHz), 2.0 LPCM (24bit/192kHz), mShuttle: MP3 & FLAC, Region ABC]
[SACD DXD (5.1 surround 2.8224 Mbit/s/ch, 2.0 stereo 2.8224 Mbit/s/ch)/CD 2.0 stereo (16 bit/44.1 kHz)]

 
「ピアニスト、作曲家の私にとって音楽とは、深みの探求であり、いろいろな感情とピアノをつなぐ架け橋を探り求めることでもある。旅は私をどこへ連れていくのか、旅はどう終わるのか。最初は、はっきりとはわからない。忘れてならないことは、作曲と即興から構成される全体像をどう自然な姿に作るかといことだ。《神のみぞ知る》のような古典的な歌は、ひとつひとつが物語であり、それぞれのスタイルで語られなければならない。そうした歌をアルバムに作りあげることは、心躍り、実りあることだった」(ヤン・グンナル・ホフ)。ノルウェーのジャズ・ミュージシャン、ヤン・グンナル・ホフ Jan Gunnar Hoff の 2L レーベルのソロアルバム第3作『物語』。ホフのオリジナル曲、スウェーデン民謡の《ヴェルムランドの歌》、ブライアン・ウィルソンが作曲、ビーチ・ボーイズのアルバム『ペット・サウンズ』に収録された《神のみぞ知る》、ゲルハルト・ヴィンクラーの《Answer Me》。2016年8月、オスロのソフィエンベルグ教会でセッション録音されました。いつまでも聴いていたいピアノです。
 
価格 4,290円(税込価格)(本体価格 3,900円)
 

5.1 DTS–HD MA, 9.1 Auro-3D, Dolby Atoms と 2.0 LPCM の音声を収録した Pure Audio Blu-ray ディスクと、SACD ハイブリッドディスクをセットにしたアルバムです。Pure Audio Blu–ray ディスクにはインデックスを除き映像は収録されていません。SACD ハイブリッドディスクは通常のCDプレーヤーでも再生できますが、Pure Audio Blu-ray ディスクは Blu–ray プレーヤーもしくは Blu–ray 対応のPCをお使いください。

『光(Lux)』
BIS SACD 2243 SACD hybrid (5.0 surround/stereo)  traditional 

 
『光(Lux)』
エミリア・アムペル(1981–)(作曲・編曲)
 Spelpuma(戯れるピューマ)(Emilia Amper)
 Halling etter Bråta Per(ブロータ・ペールのハリング)(Trad.)
 Ljus i mörkrets tid(暗黒の時代の光)(Emilia Amper)
 Johanna’s bike ride(ヨハンナの自転車乗り)(Emilia Amper)
 Den melancoliska pollonessen(メランコリックなポロネーズ)(Trad.)
 Lux(光)(Emilia Amper) Elden(火)(Emilia Amper)
 Polska efter Sven Donat(スヴェン・ドゥーナトのポルスカ)(Trad.)
 Näckens polska från gamla tider(昔のの水の精のポルスカ)(Trad.)
 Trueman(トルーマン)(Emilia Amper)
 Sälen(アザラシ)(Emilia Amper)
 Butterfly bazaar(バタフライ・バザール)(Emilia Amper) 
  エミリア・アムペル(ニッケルハルパ、ヴォーカル)
  ブリジット・マーズデン(ヴァイオリン)
  エンマ・アールベリ・エーク(5弦ヴァイオリン) 
  アンデシュ・ローヴベリ(チェロ、バッキングヴォーカル)
  ウッレ・リンデル(ベース、バッキングヴォーカル)
  ダン・スヴェンソン(パーカッション、ヴォーカル)
  フレードリク・イッレ(パーカッション)
 
録音 2016年3月 スウェーデン放送(SR)第2スタジオ(ストックホルム、スウェーデン)
制作 エミリア・アムペル、トーレ・ブリンクマン
録音 トーレ・ブリンクマン

 
スウェーデンのニッケルハルパ(キー付きフィドル)は、4本の弦と12本の共鳴弦と鍵盤をもち、澄んでいながら温もりの感じられる、よく響く個性的な音色が特徴的な民俗楽器です。この楽器は、20世紀の中頃に廃れかけたことがあるものの、復活を果たし、若い世代の奏者たちがさまざまなジャンルの音楽に使うようになっています。エミリア・アムペル Emilia Amper(1981–)は、そうしたミュージシャンのひとり。スウェーデン南東部のトルソスで育ち、10歳のころニッケルハルパを弾き始めています。トロンハイムのノルウェー工科自然科学大学(NTNU)で音楽学と作曲を学び、ストックホルムの王立音楽大学、シベリウス・アカデミー、南デンマーク音楽演劇アカデミー、オーレ・ブル・アカデミーで民俗音楽を修めました。2010年には、ニッケルハルパの国際チャンピオンに選ばれ、彼女の作曲したニッケルハルパと弦楽オーケストラのための民謡組曲《Abrégé(短縮)》を収めたトロンハイム・ソロイスツのアルバム『民謡の調子で』(2L068SABD)がグラミー賞にノミネートされました。
 
『光(Lux)』は、2012年の『魔法の鳥(Trollfågeln)』(SACD2013)に次ぐ彼女のソロアルバム第2作です。前作と同様、彼女のオリジナル作品と伝承曲の編曲を組み合わせたプログラム構成がとられました。「すべての女性音楽家に捧げる」《戯れるピューマ》、クリスマスに先立つ「光の女神」ルシアの祭に際して作詞、作曲した「世界が外国人嫌い、不寛容、他人への冷たさに覆われる」《暗黒の時代の光》、親友の自転車事故から学んだ「ヘルメットは必ずかぶりましょう」という教訓を音楽にした《ヨハンナの自転車乗り》、瞑想しながら即興していて湧いてきたメロディがヴォカリーズの歌になった「輝く光の音楽」《光》、第一次世界大戦兵士の追悼式のために作曲した《トルーマン》、グループ「バザール」を率いたイラン出身のハープ奏者、アシタ・ハミディを偲んで書いた《バタフライ・バザール》。「私の歌はすべて、日常の生活、人々や土地や文化や運命との出会い、感情と思考といったものから生まれたエピソードだったり物語だったり……」。それぞれの曲は、ミュージシャン全員の合奏、小アンサンブル、彼女のソロで演奏され、「4つのニッケルハルパのため」に彼女が編曲した《スヴェン・ドゥーナトのポルスカ》は、彼女がソプラノとテノールのニッケルハルパのパートも弾き、多重録音されました。2016年3月、ストックホルムのスウェーデン放送第2スタジオで行われたセッションの録音です。
 
トラッドミュージックの中心地のひとつ、ウップランドには、このアルバムでパーカッションを担当しているフレードリク・イッレ Fredrik Gille と同じ苗字をもち、民俗音楽の伝統を受け継ぎ、あるいはニッケルハルパの製作に携わっている人たちが今も多く住んでいるといいます。「今を生きる」アムペルの音楽を聴きながら、かの地に思いを馳せてみる……。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『モンラード・ヨハンセン 室内楽作品集』
Simax PSC 1334  classical 

 
ダーヴィド・モンラード・ヨハンセン(1888–1974)
 ピアノ四重奏曲 ハ長調 Op.26(1947–48)*
 ヴァイオリンソナタ Op.3(1913)*
 『大いなる平和』への劇付随音楽(1925)
 (2つのヴァイオリン、チェロとピアノのための)
  第1幕への前奏曲
  第2幕への前奏曲「インディアンの愛の歌(Indiansk kjærlighetssang)」
  第3幕への前奏曲「インディアン戦士の行進(Indiansk krigsmarsj)」
  第4幕への前奏曲 第5幕への前奏曲「太陽の歌(Solsong)」
 フルート五重奏曲 Op.35(1967)
  フラガリア・ヴェスカ
   トール・ヨハン・ボーエン(ヴァイオリン)*
   アリソン・レイナー(ヴァイオリン)
   ベネディクト・ロワイエ(ヴィオラ)
   オレリエンヌ・ブローネ(チェロ)
   セシーリエ・ヘッセルベルグ・ローケン(フルート)
   吉田紗苗(ピアノ)
 
[Piano: Steinway D.274, 1983 New York, restored in 2010, Steinway & Sons, Hamburg]
 
録音 2015年7月17日–18日、27日–30日 ソフィエンベルグ教会(オスロ、ノルウェー)
制作 スティーヴン・フロスト
録音 アルネ・アクセルベルグ

 
モンラード・ヨハンセン David Morad Johansen は、グリーグ後のノルウェーで「偉大なるエドヴァルド」とは異なる音楽語法と表現をとりながら「真のノルウェー」を示す、独自の道を探ったひとりです。ゲイル・トヴェイトの室内楽作品集『旅日記から』(PSC1222)を制作したフラガリア・ヴェスカ Fragaria Vesca によるモンラード・ヨハンセンの室内楽作品。ヴァイオリンソナタは彼がこのジャンルで手がけた唯一の作品です。作曲家アルフ・フールムからドビュッシーとラヴェルの音楽を教えられ、特定の和声を一貫して使うことを学ぶためピアノの小品を数多く書くようにという助言を受けた翌年、1913年の冬から秋にかけて作曲されました。ふたつの「アレグロ」楽章に挟まれる第2楽章〈アレグロ・クワジ・アンダンテ〉の「悲しい気分」に、彼が生まれ育ったノルランドへの想いが反映されていると言われます。アメリカ原住民のモホーク族の戦士ハイアワサを題材にしたフルダ・ガルボルグ Hulda Garborg の抒情劇『大いなる平和』のための付随音楽は、「インディアンの愛の歌」「インディアン戦士の行進」「太陽の歌」の副題をもつ3曲をはじめ、5つの前奏曲から構成されています。1925年、ノルウェー劇場の委嘱により作曲されながら上演が行われず、混声合唱のために編曲された《インディアンの愛の歌》をのぞき、楽譜も出版されませんでした。
 
《ピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラとチェロのための四重奏曲》は、第二次世界大戦後、モンラード・ヨハンセンが、ドイツの占領に協力したクヴィスリングの国民連合の党員だったことから反逆罪に問われ、イレブ収容所で「贖罪の日々」を送っていたころ、音楽理論に関する著作を読み、ヘンデルとレーガーのフーガ、J・S・バッハの《平均律クラヴィーア曲集》、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲の研究に没頭しながら、作曲が進められた作品です。〈アレグロ・ヴィヴァーチェ〉〈アンダンテ・ソステヌート〉〈プレスト・ノン・トロッポ〉〈ヴィヴァーチェ〉。「作曲の苦闘」をカモフラージュするかのように「ハ長調」で書かれています。この曲は、1950年4月、内輪で演奏され、1953年5月、オスロで公式に初演されました。二十世紀ノルウェー室内楽レパートリーの「隠れた宝石」とされる作品です。
 
《フルート、2つのヴァイオリン、ヴィオラとチェロのための五重奏曲》は、モンラード・ヨハンセンがかつて設立に尽力し初代事務局長を務めたノルウェー作曲家協会の50周年記念のために作曲されました。〈グラーヴェ〉〈アレグレット・スケルツァンド-ヴィヴァーチェ〉、そして「パッサカリア」による〈ラルゴ〉。この作品の後、弦楽四重奏曲で作曲家人生に終止符を打つことになる彼が、さらに深い音楽表現の追求を止めなかったことを示す作品です。
 
「フラガリア・ヴェスカ Fragaria Vesca」は、2006年、トール・ヨハン・ボーエン Tor Johan Bøen が中心となってオスロで結成されました。バロックから現代まで、さまざまな時代と様式の作品を「当時の様式」に沿った楽器で演奏、作品によって楽器編成を変えるスタイルを採っています。この録音に参加したアリソン・レイナー Alison Raynor はオーストラリア、ベネディクト・ロワイエ Bénédicte Royer とオレリエンヌ・ブローネ Aurélienne Brauner はフランス、セシーリエ・ヘッセルベルグ・ローケン Cecilie Hesselberg Løken はノルウェーのプレーヤー。ピアノの吉田紗苗は、桐朋学園大学で学んだ後、ノルウェーに渡り、バラット=ドゥーエ音楽学校のイジー・フリンカ、スタヴァンゲル大学のホーコン・アウストボーに師事。研究を終え帰国までの数年間、オスロを拠点にソリスト、室内楽奏者、伴奏者としての経験を積んでいます。録音セッションは、2015年7月、響きの良さで知られるオスロのソフィエンベルグ教会で行われ、ベテランのアルネ・アクセルベルグ Arne Akselberg がエンジニアリングを担当しました。ノルウェー国立図書館所蔵の手稿譜による『大いなる平和』の音楽と、ボーエンが作曲者のスケッチを参照しながら校訂、編集した《ピアノ四重奏曲》は初録音です。
 
価格 2,695円(税込価格)(本体価格 2,450円)

『イギリス弦楽のお気に入り(Favourite English Strings)』
Alba ABCD 387 SACD (5.1 multichannel/stereo)  classical  

 
ベンジャミン・ブリテン(1913–1976)
 フランク・ブリッジの主題による変奏曲
 (Variations on a theme by Frank Bridge ) Op.10(1937)
エドワード・エルガー(1857–1934)
 セレナード(Serenade) Op.20(弦楽のための)(1892)
ジェラルド・フィンジ(1901–1958)
 ロマンス(Romance) Op.11(弦楽オーケストラのための)(1928)
フランク・ブリッジ(1879–1941)
 3つの牧歌(3 Idylls)(弦楽四重奏のための)(1907)
 - アレグレット・ポコ・レント
 2つの古いイギリスの歌(Two old English songs)
 (弦楽アンサンブルのための)(1916)
  横丁のサリー(Sally in our alley) 熟したサクランボ(Cherry ripe)
  オストロボスニア室内管弦楽団 サカリ・オラモ(指揮)
 
録音 2014年11月24日–27日 スネルマン・ホール(コッコラ、フィンランド)
制作・録音 サイモン・フォックス=ガール

 
オストロボスニア室内管弦楽団は、フィンランドと北欧を代表する弦楽オーケストラのひとつ。2013年、創設者ユハ・カンガスの後を継いでサカリ・オラモ Sakari Oramo(1965–)が首席指揮者に就任。最初に録音したC・P・E・バッハの《6つのシンフォニア》(ABCD 374)が BBC Music Magazine の2015年度最優秀クラシカル・アルバム賞にノミネートされるなど、このアンサンブルは新しいステージへの一歩を踏み出しました。セカンド・アルバムは、イギリス音楽によるプログラム。ブリテンが、師ブリッジの《3つの牧歌》の第2曲〈アレグレット・ポコ・レント〉の旋律を主題に、ブリッジの性格を映したとされる〈アダージョ〉と〈古典的ブレ〉と〈フーガ〉、「ロッシーニまがい」の〈イタリア風アリア〉、多調の〈ウィンナワルツ〉など10の変奏を書いた《フランク・ブリッジの主題による変奏曲》。エルガーが1892年に作曲、晩年の作曲者自身が「もっとも気に入りの」と語ることになるという《セレナード》。静かな詩情が時を超えて愛されているフィンジの《ロマンス》。ブリッジが、18世紀イギリスのバラード《横丁のサリー》と19世紀に流行った《熟したサクランボ》を「洒落た一楽章のアンコール曲に変えた」(リチャード・ブラトビ)《2つの古いイギリスの歌》。サカリ・オラモとオストロボスニアの音楽家たちの「お気に入り」の音楽を、先のアルバムの録音を担当したイギリスのエンジニア、サイモン・フォックス=ガール Simon Fox-Gál が、瑞々しい響きに収めています。
 
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)

『モーツァルト 3つのヴァイオリン協奏曲』
Naxos 8.573513  classical 

 
W・A・モーツァルト(1756–1791)
 ヴァイオリン協奏曲第5番 イ長調 K.219
  ヘンニング・クラッゲルード(ヴァイオリン) ノルウェー室内管弦楽団
 [カデンツァ ヘンニング・クラッゲルード]
 
録音 2015年1月27日–29日 アーケシュフース城教会(オスロ、ノルウェー)
制作・編集 ショーン・ルイス
録音 マイク・ハッチ

 
ヘンニング・クラッゲルード Henning Kraggerud(1973–)は、現代ノルウェーとスカンディナヴィアを代表するヴァイオリニスト、芸術家のひとり。オスロ・フィルハーモニックをはじめとするオーケストラにソリストとして客演、トルルス・モルクやホーヴァル・ギムセ、あるいはスティーヴン・コヴァセヴィッチたちと室内楽で共演し、国際的な評価を高めるとともに、彼が師事したカミラ・ウィックスをしのばせる、感受性豊かで率直な音楽が、広く愛されています。ディスコグラフィも、リーソール音楽祭の弦楽オーケストラと共演したスヴェンセンの《ロマンス》(Simax PSC1097)に始まり、グリーグのソナタ(Naxos 8.553904)、シンディングとシベリウスの協奏曲(8.557266)、シンディングのヴァイオリンとピアノのための作品(8.572254/8.572255)、イザイの《6つのソナタ》(PSC1293)、『ムンク』(PSC1322)、ジャズ・ピアニストのブッゲ・ヴェセルトフトとのデュオ『最後の春』(ACT9526-2)……。「作曲家」クラッゲルードの「24の後奏曲」をアークティック・フィルハーモニックと演奏した《分点(Equinox)》(PSC1348)とゲスト参加のアルバム『岩の翼の下に』(2L119SACD)が、最近リリースされました。最新のアルバムは、弦楽三重奏のための《ディヴェルティメント 変ホ長調》(8.572258)とクラリネット協奏曲と五重奏曲の「ヴィオラ」編曲版(PSC1290)につづく、モーツァルト。「モーツァルト青春時代のもっとも瑞々しい果実」ヴィオリン協奏曲の第3番、第4番、そして「トルコ風」のニックネームをもつ第5番です。かつてアイオナ・ブラウンが芸術監督を務めたノルウェー室内管弦楽団が共演。3つの曲の第1楽章と第2楽章で演奏されるカデンツァは、クラッゲルードの作曲です。2015年1月、オスロ・フィヨルドを見守る要塞、アーケシュフース城の教会で行われたセッションで録音されました。《ディヴェルティメント》とイザイの室内作品(8.570977)のショーン・ルイス Sean Lewis が制作を担当しています。
 
[追記] アルバムのブックレットにはキース・アンダソンのライナーノートにつづき、クラッゲルードが寄せた一文が掲載されています。「……以前コンペティションの審査員を務めた時のことを思い出す。同僚の審査員が言うには、ふたりの奏者が技術面で優劣つけがたいことがあるときに限り、音楽的に優れた方を選ぶべきだ、と。……若いプレーヤーが自分たち自身の声を見つけるよう、教える立場にある私たちが励まし助けないとしたら、世界はどうなるだろう。音楽との語らいや情熱よりも規則に従うことが評価される世界を私たちは望むだろうか……」。
 
価格 1,210円(税込価格)(本体価格 1,100円)
 

『川(The River)』
Alba ABCD 385 SACD hybrid (5.1 multichannel/stereo)  classical 

 
セリム・パルムグレン(1878–1951)
 ピアノ協奏曲第2番 Op.33 《川(Virta)》(1912–13)
 ピアノ協奏曲第1番 ト短調 Op.13(1904)
 ピアノ協奏曲第3番 Op.41 《メタモルフォーゼ(Metamorphoses)》(1916)
 ヴァイオリンとピアノのための小品 Op.78(1921–22)
  前奏曲(Prelude) ユモレスク(Humoresque)
  カンツォネッタ(Canzonetta) フィドル弾き(The Fiddler)
  フィンランド・ロマンス(Finnish Romance)
  東洋風セレナード(Oriental Serenade) プレギエラ(Preghiera)
  ヘンリ・シーグフリードソン(ピアノ) ポリ・シンフォニエッタ
  ヤン・セーデルブロム(ヴァイオリン、指揮)
 
録音 2014年9月11日–12日 プロムナードホール(ポリ、フィンランド)
制作・録音 サイモン・フォックス=ガール

 
セリム・パルムグレン Selim Palmgren は1878年生まれ。ヘルシンキ音楽学校でシベリウスの師でもあるマルティン・ヴェゲリウスに作曲を学びました。「『カレヴァラ』に基づく音詩をシベリウス自身の指揮で聞き、見る……忘ヤれがたい体験……『カレヴァラ』はシベリウスの手に委ね、私は何か他のことを考えよう……」。パルムグレンは、ピアニストとしても知られ、5つのピアノ協奏曲と約350のピアノ曲、男声合唱を中心とする200曲以上の合唱曲、歌劇《ダニエル・ユート》などを作曲、その多くがフィンランド・ロマンティシズムの大切なレパートリーとして記憶されています。
 
フィンランドのピアニスト、シベリウスのピアノ曲(Hänssler 98.261)やラフマニノフのピアノ協奏曲第2番と第3番の録音(98.259)で知られ、作曲家でもあるヘンリ・シーグフリードソン Henri Sigfridsson(1974–)のパルムグレン・アルバム。ピアノ協奏曲第1番は1904年の作曲。南オストロボスニアの旋律による序奏とマーチ風の音楽、ゆっくり流れる中間部、スケルツォ風のフィナーレから構成される一楽章の短い作品です。第2番の協奏曲は、パルムグレンが生まれ育ったポリ市を流れるコケマキ川をインスピレーションに作曲され、「人生の流れ」を重ねる《川》の副題がつけられました。序奏、2つのカデンツァ、賛歌のフィナーレをもつ「急緩急」の単一楽章の音楽。主題のひとつにスウェーデンの民謡が使われています。第3番《メタモルフォーゼ》は、合唱指揮者クレメッティによるオストロボスニア敬虔主義者の旋律と9つの変奏曲による作品です。シューマン、リスト、グリーグ、ブゾーニ、ロシア・ロマンティシズムとりわけラフマニノフの伝統に沿いながら印象主義の色彩をいち早く取り入れたパルムグレンのピアノ音楽の魅力が3つの協奏曲に美しく示されます。シーグフリードソンとポリのオーケストラは、それぞれの曲の特徴を明確に示しながら、瑞々しくのびやかな音楽を展開していきます。指揮者のセーデルブロム Jan Söderblom がヴァイオリンを担当した《ヴァイオリンとピアノのための小品》は、フィンランドの民謡に基づく〈カンツォネッタ〉や「祈り」の〈プレギエラ〉など、1921年から翌年にかけて作曲された小曲集です。
 
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)

『マリータ・ソルベルグ(Marita Sølberg)』』
Simax PSC 1336  classical  

 
アルフレード・カタラーニ(1854–1893)
 歌劇《ラ・ワリー》
 - 私は遠いところに行きましょう(Ebben? Ne andrò lontana)
W・A・モーツァルト(1756–1791)
 歌劇《フィガロの結婚》- 楽しい思い出はどこへ(Dove sono)
  愛の神よ照覧あれ(Porge amor)
シャルル・グノー(1818–1893)
 歌劇《ロメオとジュリエット》- 私は夢に生きたい(Ah! Je veux vivre)
ジョルジュ・ビゼー(1838–1875)
 歌劇《真珠採り》- 夜の闇にただひとり…いつかのような暗い夜に
 (Me voilà seule dans la nuit…Comme autrefois dans la nuit sombre)
ルッジェーロ・レオンカヴァッロ(1857–1919)
 歌劇《道化師》- 大空を晴れやかに(Qual fiamma avea)
ジャコモ・プッチーニ(1858–1924)
 歌劇《トゥーランドット》- お聞きください王子さま(Signore, ascolta)
  氷のような姫君の心を(Tu che di gel sei cinta)
 歌劇《ラ・ボエーム》- 私の名はミミ(Sì, mi chiamano Mimi)
ヴィンチェンツォ・ベッリーニ(1801–1835)
 歌劇《カプレーティ家とモンテッキ家》
 - ああ、いくたびあなたのために天に祈ったことか(Oh! quante volte, oh! volte)
セルゲイ・ラフマニノフ(1873–1943)
 歌劇《フランチェスカ・ダ・リミニ》
 - おお、泣かないでください、私のパオロ(O, ne riday, moy Paolo)
アントニーン・ドヴォルジャーク(1841–1904)
 歌劇《ルサルカ》
 - 月に寄せる歌「空の深みのお月さま(Měsíčku na nebi hlubokém)」
ジュゼッペ・ヴェルディ(1813–1901)
 歌劇《オテロ》- アヴェ・マリア(Ave Maria, piena di grazia)
リヒャルト・シュトラウス(1864–1949)
 歌劇《ダナエの愛》- 間奏曲
  あなたのそばで安らぎに包まれ(Wie umgibst du mich mit Frieden)
  マリータ・ソルベルグ(ソプラノ)
  ノルウェー国立歌劇場管弦楽団 ジョン・フィオーレ(指揮)
 
録音 2013年10月、2014年1月、4月 オスロ・オペラハウス(オスロ)
制作 ヨルン・ペーデシェン
録音 アルネ・アクセルベルグ

 
ノルウェーのソプラノ歌手、マリータ・ソルベルグ Marita Sølberg(1976–)。オスロの国立オペラ大学(現、オスロ国立芸術大学)とノルウェー国立音楽アカデミーに学び、2006年から2008年までシュトゥットガルト州立歌劇場で歌い、2008年、ノルウェー国立歌劇場に首席アーティストとして入団しました。2012年上演の新しいプロダクションによる《ラ・ボエーム》でミミ役を歌いノルウェー音楽批評家賞を受賞、同じ役で初めてウィーン国立歌劇場の舞台に立ちました。ハイドンの《天地創造》やブラームスの《ドイツ・レクイエム》などのコンサートに客演、マルク・ミンコスフキとルーヴル宮音楽隊がヨーロッパ・ツアーで演奏したバッハの《マタイ受難曲》に参加しました。オーレ・クリスチャン・ルードとベルゲン・フィルハーモニック管弦楽団が行ったグリーグの音楽によるイプセンの劇『ペール・ギュント』(BIS SA1441/42)でソールヴェイの歌とセリフを担当、〈ソールヴェイの歌〉は2010年のノーベル平和賞授与式でも歌っています。
 
彼女の初めてのソロ・アルバム。かつてフランス映画『ディーバ』のリサイタル・シーンで歌われた《ラ・ワリー》のアリア「私は遠いところに行きましょう(さようなら、ふるさとの家よ)」で幕を開け、シュトラウスの《ダナエの愛》の間奏曲とダナエの歌で閉じる「リサイタル」スタイルで制作されました。国立歌劇場で歌ったミミ、ジュリエッタ、ネッダ、フェニーチェ劇場でも演じた《フィガロの結婚》の伯爵夫人……プッチーニやモーツァルトたちの「ヒロイン」を演じ、美しく瑞々しい声で「ドラマ」を歌う。そのソルベルグの歌にノルウェー国立歌劇場のオーケストラが、デリケートに優しく寄り添います。指揮者のジョン・フィオーレ John Fiore(1960–)はニューヨーク生まれ。メトロポリタンをはじめ各国のオペラハウスに客演、デュッセルドルフのライン・ドイツ・オペラを経て、2009年から2016年までノルウェー国立歌劇場の音楽監督を務めました。「ノルウェー・オペラ」の設立に情熱を傾けた往年のソプラノ歌手に因む「フラグスタ1番地」のオスロ・オペラハウスで行われた録音セッション。ベテラン・エンジニアのアルネ・アクセルベルグが録音を担当、ソルベルグの歌とオーケストラを、「オペラ」舞台をイメージさせるバランスで収録しています。
 
価格 2,695円(税込価格)(本体価格 2,450円)

『岩の翼の下に(Under the Wing of the Rock)』
2L 2L 114SACD SACD hybrid (5.1 surround/stereo) classical 

 
サリー・ビーミッシュ(1956–)
 岩の翼の下に(Under the Wing of the Rock)(2006)
 (ヴィオラと弦楽のための協奏曲)
ヘンニング・クラッゲルード(1973–)
 つらい旅路(Voyage Douloureux)(1997)(2つのヴィオラのための)
アルネ・ヌールハイム(1931–2010)
 破断(Brudd)(2001)(ヴィオラ・ソロのための)
ヘンニング・クラッゲルード(1973–)
 サラに寄せて(Til Sara)(1996)(ヴァイオリンとヴィオラのための)
オラヴ・アントン・トンメセン(1946–)
 シャコンヌによる肖像画(Portrait en Chaconne)(2013)
 (ヴィオラ・ソロのための)
ベンジャミン・ブリテン(1913–1976)
 ラクリメ(Lachryme) Op.48(ダウランドの歌曲の投影)
 (ヴィオラと弦楽のための)
  スーン=ミ・チョン(ヴィオラ)
  ヘンニング・クラッゲルード(ヴァイオリン、ヴィオラ)
  オスロ・カメラータ
 
録音 2014年6月、11月 ヤール教会(ベールム、ノルウェー)
制作 ヴォルフガング・プラッゲ
バランス・エンジニアリング ビアトリス・ヨハンネセン
ミクシング・マスタリング モッテン・リンドベルグ
 
[DXD (24bit/352.8kHz) 録音]

 
ノルウェーとイギリスのヴィオラ作品を特集する『岩の翼の下に』。このアルバムで演奏される作品は、過去の音楽様式や過去の作品からインスピレーションを得て、現代の音楽語法で作曲され、底に深い抒情の流れをもっています。アルバムタイトルに採られたサリー・ビーミッシュの《岩の翼の下に》は、ゲールの歌と祈りを集めたアレクサンダー・カーマイケルの『Carmina Gadelica』に収められた詩、17世紀スコットランド、「グレンコーの虐殺」を逃れ岩陰に隠れた母親が子供に歌った『雪の子守歌(Lullaby of the Snow)』を基に「ヴィオラと弦楽のための協奏曲」として作曲されました。アルトサクソフォーンと弦楽のための協奏曲(BIS SACD2156)の原曲です。ヌールハイム Arne Nordheim の《破談》とトンメセン Olav Anton Thommessen の《シャコンヌによる肖像画》は、オスロのバラット=ドゥーエ音楽学校のスタッフ、このアルバムのメインアーティストのスーン=ミ・チョン Soon-Mi Chung(1952–)のために作曲されたヴィオラ・ソロの作品。彼女の同僚、バラット=ドゥーエの教授を務めるクラッゲルード Henning Kraggerud の作品から、アダ・マイニックとサラ・オルニングに献呈したふたつのデュオ曲が演奏されます。ブリテンの「ダウランドの歌曲の投影」《ラクリメ》とビーミッシュで共演するオスロ・カメラータは、学生がオーケストラで演奏する機会を与えるため1998年に創設された、バラット=ドゥーエの「アンサンブル・イン・レジデンス」です。
 
価格 2,695円(税込価格)(本体価格 2,450円)
 

『エルランド・フォン・コック 交響曲第3番・第4番』
BIS CD 2169  classical 

 
エルランド・フォン・コック(1910–2009)
 交響曲第3番 Op.38(1948)
 交響曲第4番《シンフォニア・セリア(Sinfonia seria)(厳粛な交響曲)》 Op.51(1962)
 衝撃(Impulsi)(1964)
 北欧カプリッチョ(Nordiskt capriccio) Op.26(1943)
  スウェーデン放送交響楽団 ペール・ハンマシュトレム(指揮)
 
録音 2011年5月(第3番)、2013年6月(第4番、衝撃)、2010年5月(カプリッチョ) ベールヴァルドホール(ストックホルム)
制作 ヤン・B・ラーション(第3番、第4番、衝撃)、シンシア・セッテルクヴィスト(カプリッチョ)
録音 アンデシュ・ヘッグレーヴ(第3番)、ウルフ・オストリング(第4番、衝撃)、ユーハン・ヒュットネス(カプリッチョ)

 
 
スウェーデンのエルランド・フォン・コック Erland von Koch は、ラーションやヴィレーンと同じ1930年代にデビューした作曲家。メロディを重視し、簡素で明快、民謡の要素も交えた作風による作品を、交響曲、管弦楽曲、協奏曲、イングマル・ベルイマン作品をはじめとする映画の音楽、器楽曲など、幅広いジャンルに渡って作曲しました。
 
彼の作風がもっともはっきりと見られる作品のひとつ、《北欧カプリッチョ》は、ダーラナ地方の民謡からインスピレーションを得て書かれました。「トロルの太鼓」を想わせるティンパニ、リングダンスのリズム、おおらかに歌う弦楽のメロディで、広く親しまれています。《衝撃》は「善と悪」の主権をめぐる決着のつかない争いを明らかなメロディとリズムとともに描く音楽。管弦楽のための三部作の最初の作品です。1948年の交響曲第3番は、バルトークとヒンデミットの影が感じられ、反抗する態度、抒情、解放感といった主題のコントラストが特徴的です。「厳粛な」第4番は、交響曲を書くという「感謝されることのない仕事」に取り組む作曲者のほろ苦い気分が反映しています。いずれも初録音の作品です。指揮者のペール・ハンマシュトレム Per Hammarström は、ヴァイオリニストからキャリアを始め、ストックホルムの王立音楽アカデミーでヨルマ・パヌラに学んだ後、2007年に指揮者としてデビューしました。スウェーデン放送交響楽団で第1ヴァイオリンを担当、アシスタント・コンダクターに任命されました。アルバムの曲目解説も彼の執筆です。スウェーデン放送交響楽団の本拠地ベールヴァルドホールでの録音。奥行きと広がりのある音が、フォン・コックの音楽とハンマシュトレムの表現に貢献しています。
 
価格 2,805円(税込価格)(本体価格 2,550円)

『High, Low or In Between』
BIS SACD 2136 SACD hybrid (5.0 surround/stereo)  BIS CD 2169  jazz/pop/contemporary/classical 

 
『High, Low or In Between』
 Come Down in Time(Elton John/Bernie Taupin)
 We Walk in a Fog(Jussi Chydenius/Eino Leino/Jaakko Mäntyjärvi)
 Here Comes the Sun(George Harrison)
 Green(Svante Henryson)(instrumental)
 A Little Kindness(Katarina Henryson/Svante Henryson)
 Eyes of a Child(Katarina Henryson/Svante Henryson)
 The Dry Cleaner from Des Moines(Charlie Mingus/Joni Mitchell)
 High(cello improvisation)
 I Found the Key(Katarina Henryson)
 So Long, Frank Lloyd Wright(Paul Simon)
 In between(cello improvisation)
 Everybody’s Got to Learn Sometime(James Warren)
 Kiss(Prince Rogers Nelson)
 Low(cello improvisation)
 Det växer från Edens tider(Ture Gudmundsson/trad.)
 Siv Larssons dagbok(Chega de Saudade)
 (Antonio Carlos Jobim/Tage Danielsson)
 Monicas vals(Waltz for Debby)(Bill Evans/Gene Lees/Beppe Wolgers)
  カタリーナ・ヘンリソン(ヴォーカル)
  スヴァンテ・ヘンリソン(チェロ、チェロ編曲)
 
録音 2014年4月 アーティペラーグ(グスタフスベリ、スウェーデン)
制作・録音 ハンス・キプファー

 
人気アカペラ・アンサンブル「リアル・グループ」のカタリーナ・ヘンリソンが歌い、オスロ・フィルハーモニックの首席コントラバス奏者を経験したスヴァンテ・ヘンリソンがチェロを弾くデュオは、「内輪のこと」から始まりました。「洗礼式や結婚式、誕生日や葬儀で演奏する。家族や仲間の集まりにはいつも特別な雰囲気があり、音楽がとても大切です。親戚にとって、自前の歌手とチェロ弾きがいるのは、もちろん素晴らしいことでしょうし、それも夫婦となると、もっと愉しいことでしょう」。
 
『High, Low or In Between』は、カタリーナとスヴァンテのデュオのファーストアルバムです。ヴォーカルとチェロの共演は13曲。1999年の夏、最初の子が生まれた時にふたりで作り、デュオで演奏した最初の歌《Eyes of a Child》。テューレ・グードムンドソンが伝承の詩に曲を書いた《Det växer från Edens tider(エデンの時より育ち)》は娘の命名式、サイモン&ガーファンクルのアルバム『Bridge over Troubled Water(明日に架ける橋)』の《So Long, Frank Lloyd Wright》(フランク・ロイド・ライトに捧げる歌)はスヴァンテの建築家の妹の誕生日、プリンスの《Kiss》はクラリネット奏者マッティン・フローストの結婚式、フィンランドの歌に英語歌詞がつけられた《We Walk in a Fog》は、ピアニストのローランド・ペンティネンの誕生パーティで、それぞれ演奏されました。
 
ビートルズのアルバム『Abbey Road(アビイ・ロード)』に収録されたジョージ・ハリソンの《Here Comes the Sun》は、第2のノーベル賞とも呼ばれる「Right Livelihood Award(ライト・ライブリフッド賞)」が太陽エネルギー研究の先駆者に授与された、スウェーデン議会で行われた授与式で歌った曲。The Korgis(ザ・コーギス)のジェームズ・ウォーレンが作った《Everybody’s Got to Learn Sometime》(永遠の想い)は、ノルウェーの「ヤイロ・アイスミュージック・フェスティヴァル」で演奏されました。このときスヴァンテは、ミトンを手にはめ、氷で作ったチェロを弾いたといいます。
 
リアル・グループのナンバーからは、カタリーナの書いた《A Little Kindness》と《I Found the Key》。ジャズシンガーのモニカ・セッテルルンドが歌った2曲、アントニオ・カルロス・ジョビンの《Chega de Saudade》にスウェーデン語歌詞をつけた《Siv Larssons dagbok(シヴ・ラーションの日記)》とビル・エヴァンズの《Waltz for Debbie》による《Monicas Vals(モニカのワルツ)》も、リアル・グループがレパートリーにしています。
 
エルトン・ジョンとバーニー・トーピンの『The Tumbleweed Connection(エルトン・ジョン3)』から《Come Down in Time》(遅れないでいらっしゃい)と、シンガーソングライターのジョニ・ミッチェルがアルバム『Mingus(ミンガス)』で歌った《The Dry Cleaner from Des Moines》は、「大好きだから」という理由で収録されました。
 
スヴァンテが作曲した《Green》は、チェロのソロのための曲。スヴァンテは、プログラムの途中、《High》《In Between》《Low》を即興で演奏し、それがアルバム・タイトルに採られました。彼が弾く楽器は、フランソワ・シャノ François Chanot が1818年に製作したチェロ(No.121)。ギターに似た形の胴体、独特の形状の糸倉とf字孔と、ユニークな楽器です。
 
カタリーナのヴォーカルとスヴァンテの多彩な「チェロ」のコラボレーション。「折々の歌」を「コンサート」のスタイルにまとめたアルバムは、ストックホルムの郊外、陶磁器メーカー「グスタフスベリ」のあるグスタフスベリに2012年にオープンした芸術ホール「アーティペラーグ(Artipelag)」でセッション録音されました。
 
[プロフィール]
 
カタリーナ・ヘンリソン Katarina Henryson(1964–)はストックホルム生まれ。王立音楽アカデミーで学び、1984年の創設時、リアル・グループに加わり、「アルト」を担当しています。スヴァンテ・ヘンリソン Svante Henryson(1963–)もストックホルム生まれです。北部のウメオで育ち、ジャズとロックのベーシストとしてキャリアをスタートさせました。プラハ音楽アカデミーで学んだ後、最年少の首席コントラバス奏者としてオスロ・フィルハーモニックに入団。その後「Uターン」し、ユングヴィ・マルムステーンのヘヴィメタル・バンドにベーシストとして参加、世界をまわるツアーの間に独学でチェロを身につけました。チェロ、ベースギター、コントラバス。三つの楽器を使い分けながら、エルヴィス・コステロ、チコ・フリーマン、シェティル・ビョルンスタ、パレ・ミケルボー、アンネ・ソフィ・フォン・オッターをはじめ、ロック、ジャズ、クラシカルの音楽家と共演し、作曲家としても知られます。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

ラーション 管弦楽作品集 第2集
cpo 777 672-2 SACD hybrid (multichannel/stereo)  classical 

 
ラーシュ=エーリク・ラーション(1908–1986)
 交響曲第2番 ニ長調 Op.17(1936–37)
 管弦楽のための変奏曲(Orkestervariationer)Op.50(1962)
 管弦楽のための組曲 Op.64《バロココ(Barococo)》(1973)
  ヘルシングボリ交響楽団 アンドルー・マンゼ(指揮)
 
録音 2011年4月4日–8日 ヘルシングボリ・コンサートホール(スウェーデン)
制作 レッナールト・デーン
録音 トゥルビョーン・サミュエルソン

 
スウェーデンの20世紀を代表する音楽家のひとり、ラーションの管弦楽作品シリーズ。交響曲第1番やシェイクスピアの『冬物語』のための音楽などを集めた第1作(cpo 777 671-2)は、ラーションの作品とその魅力ある音楽の姿を正しく伝えるマンゼ Andrew Manze(1965–)とヘルシングボリ交響楽団の演奏が、高い評価を得てきました。交響曲第2番は、第1番から10年後、1937年に書かれた作品です。当時スウェーデンの音楽界は、「新しい音楽」を批判し弾圧したドイツとソ連の動きを背景とする「保守主義」と「自由主義」に分かれ激しく対立しており、格好の標的となったラーションは楽譜を撤回。12の変奏曲に始まる「モデラート」と24の変奏曲(パッサカリア)の「プレスティッシモ」の2つの部分から構成された第3楽章を《オスティナート》の曲名で発表し、1939年にモスクワで開催されたISCM(国際現代音楽協会)の国際音楽フェスティヴァルの初演で成功を収めました。第1楽章「アレグロ・コン・モート」と第2楽章「アンダンテ」を加えた交響曲第2番は、1973年、ステーン・フリュクベリがラジオ放送のために録音し、11月24日、ストックホルムのコンセットヒュース(コンサートホール)で作曲者の指揮でコンサート初演されました。
 
《管弦楽のための変奏曲》はスウェーデン放送交響楽団の委嘱作。民謡を思わせる主題を「行進曲風に」のスケルツォ、哀調の「アダージョ」、表現的なカノン「アレグレット」などのエピソードに展開した作品です。《バロココ》組曲は、ヘルシングボリに近い漁村ローの音楽協会から委嘱を受け《ロー=ロココ(Råå-rokoko)》の名で作曲され、後に現在の名前に変わりました。〈オーケストラ通りのエントラータ〉〈ファゴット通りのガヴォット〉〈カルテット通りのセレナータ〉〈クラリネット通りのメヌエット〉〈ロー川の舟歌〉〈フィドル弾き通りのカドリーユ〉。遊び心のある名をもった曲から成る組曲です。アルバムの制作と録音を、かつて Caprice Records の録音を多く手がけたレッナールト・デーンとトゥルビョーン・サミュエルソンが、第1集につづいて担当しています。
 
価格 3,520円(税込価格)(本体価格 3,200円)

『ショパン ピアノ作品集』
Estonian Classics EC014/015 2CD’s classical  

 
フレデリク・ショパン(1810–1849) ピアノ作品集 I–II
[CD1] 前奏曲 ハ長調 Op.28-1 前奏曲 ホ短調 Op.28-3
 前奏曲 イ長調 Op.28-7 前奏曲 嬰ヘ短調 Op.28-8 前奏曲 イ短調 Op.28-2
 前奏曲 嬰ハ短調 Op.28-10 前奏曲 ロ長調 Op.28-11
 前奏曲 変ホ短調 Op.28-14 前奏曲 変ニ長調 Op.28-15
 夜想曲 嬰ハ短調 Op.posth マズルカ ホ短調 Op.41-2
 マズルカ イ短調 Op.17-4 マズルカ ト短調 Op.24-1 マズルカ ハ短調 Op.30-1
 マズルカ ヘ短調 Op.63-2 マズルカ ヘ短調 Op.68-4
 マズルカ 嬰ト短調 Op.33-1 マズルカ ロ短調 Op.33-4
 マズルカ イ短調 Op.68-2 マズルカ 嬰ハ短調 Op.63-3
 幻想即興曲 嬰ハ短調 Op.66 スケルツォ第3番 嬰ハ短調 Op.39
[CD2] 練習曲 ヘ短調 Op.posth 練習曲 変イ長調 Op.25-1
 練習曲 変ホ短調 Op.10-6 練習曲 変ト長調 Op.10-5
 夜想曲 変ホ長調 Op.9-2 夜想曲 ト短調 Op.37-1 夜想曲 ヘ短調 Op.55-1
 ワルツ イ短調 Op.34-2 ワルツ ロ短調 Op.69-2 ワルツ ヘ短調 Op.70-2
 子守歌 変ニ長調 Op.57 ポロネーズ ハ短調 Op.40-2
 バラード第3番 変イ長調 Op.47
  ヴァルド・ルメセン(ピアノ) [ピアノ Steinway & Sons]
 
録音 2010年10月27日、11月13日、12月5日、2014年3月5日–6日 エストニア・コンサートホール(タリン、エストニア)
録音 タネル・クレスメント

 

エストニアのピアニスト。トゥビンのピアノ作品全集(BIS CD414/416)と、ヴァイオリン、ヴィオラとピアノのための作品全集(CD541/542)の録音で知られるヴァルド・ルメセン Vardo Rumessen(1942–2015)がショパンの作品を録音しました。ピアニストとして音楽家として、そして人として、過ぎ去った日々を内省する。そうした趣が漂います。ルメセンが執筆した『フレデリク・ショパン-ピアノの心と魂』の一文がブックレットに収められました(エストニア語、英語)。
 
[追記] エストニアの報道によると、2015年8月25日朝、ヴァルド・ルメセン氏が病気のため亡くなりました。トビアス、マルト・サール、ヘイノ・エッレル、エドゥアルド・オヤたち、エストニア作曲家の作品の紹介に努め、トゥビン作品の解釈は、BIS Records のアルバムを通じ、国際的にも高く評価されてきました。2004年10月25日、広島のコンサートではいくつかのハプニングもありました。懐かしい思い出です。心からの哀悼の意を表します。
 
現在お取り扱いできません)

『グリーグ、サン=サーンス』
Harmonia Mundi HMU 907629  classical 

 
エドヴァルド・グリーグ(1843–1907)
 ピアノ協奏曲 イ短調 Op.16
カミーユ・サン=サーンス(1835–1921)
 ピアノ協奏曲第2番 ト短調 Op.22
  ヴァディム・ホロデンコ(ピアノ)
  ノルウェー放送管弦楽団 ミゲル・ハース=ベドジャ(指揮)
 
録音 2014年8月、9月 ノルウェー放送(NRK)大スタジオ(オスロ)
制作 ジェフ・マイルズ
録音 モッテン・ヘルマンセン
制作総指揮 ロビーナ・G・ヤング

 
ヴァディム・ホロデンコ Vadym Kholodenko(1986–)。ウクライナのキエフ生まれ。2013年の第14回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンペティションに参加。ゴールドメダルを獲得し、室内楽演奏(performance of dhaber musict)と新作(委嘱作)演奏(performance of a new work)の最優秀賞を合わせて受賞しました。2014年から2015年のシーズンは、インディアナポリス交響楽団、カンザスシティ交響楽団、フェニックス交響楽団、ロチェスター・フィルハーモニック、サンディエゴ交響楽団にデビュー。ボストン、ルーイヴィル、マイアミ、シアトルのソロリサイタル、8月のアスペン音楽祭のメシアンの《幼な子イエスにそそぐ20の眼差し》の全曲演奏が予定され、アーティスティック・パートナーの三年契約を結んだテキサス州、フォートワース交響楽団と共演するプロコフィエフの協奏曲全曲は、Harmonia Mundi による録音も計画されています。アメリカ国外では、マルメ交響楽団、マドリードのRTVE交響楽団、カタール・フィルハーモニック管弦楽団と共演。ノルウェー放送管弦楽団の南アメリカ・ツアーに同行することが決まっています。
 
グリーグとサン=サーンスの協奏曲を弾いたアルバムは、ストラヴィンスキーの《『ペトルーシュカ』の3つの楽章》とリストの《超絶技巧練習曲集》(HMU907605)に次ぐ Harmonia Mundi USA の第2作。ノルウェー放送管弦楽団(KORK)を指揮するミゲル・ハース=ベドジャ Miguel Harth-Bedoya(1968–)は、リマ生まれ、フィラデルフィアのカーティス音楽学校とニューヨークのジュリアード音楽学校に学び、フォートワース交響楽団の音楽監督を務め、2013年–14年のシーズンから第7代首席指揮者として KORK を指揮しています。「急-緩-急」の一般的な楽章構成ではなく、〈アンダンテ・ソステヌート〉に始まり〈アレグロ・スケルツァンド〉〈プレスト〉とつづき、サン=サーンスの機知と想像力をもっとも感じさせる一作とされるピアノ協奏曲第2番。「ノルウェー」の情趣を華麗な協奏曲に作り上げたグリーグの作品。ホロデンコの弾くグリーグの協奏曲は、作品から感じた想いを誠実に、「室内楽」とも思える表情を見せつつ、美しい情緒の音楽として示します。「コンサート」スケールと情感をバランスよく表現したシーグル・スロッテブレクとミハイル・ユロフスキー指揮のオスロ・フィルハーモニックの演奏(Simax PSC1299)とともにこの作品の代表的録音に挙げられる演奏です。
 
価格 2,860円(税込価格)(本体価格 2,600円)

『ダーヴィド・ヘーレンスタム、リサイタル』
Daphne DAPHNE 1053 classical 

 
『ダーヴィド・ヘーレンスタム、リサイタル』
ロラン・ディアンス(1955–)
 炎(Fuoco)(《ソナティネの本(Libra Sonatine)》(1986)から)
アタナス・ウルクズノフ(1970–)
 民謡による変奏曲(Folk Song Variations)(1999)
マヌエル・デ・ファリャ(1876–1946)(グンナル・スピュート 編曲)
 漁夫の物語(Romance del Pescador)(《恋は魔術師(El amor brujo)から》
マウロ・ジュリアーニ(1781–1829)
 大序曲 イ長調(Grosse Ouvertüre)
ニコロ・パガニーニ(1782–1840)(ダーヴィド・ヘーレンスタム 編曲)
 ロマンツァ(Romanza - Più tosto largo -Amorosamente)
 (《大ソナタ イ長調》から )
サンチャゴ・デ・ムルシア(1680–1710)(エミリオ・プホル 編曲)
 組曲 ニ長調(Suite en ré majeur)
マヌエル・ポンセ(1882–1948)
 カベソンの主題による変奏曲(Variations on a theme of Cabezón)
アグスティン・バリオス=マンゴレ(1885–1944) 前奏曲(Preludio adagio)
 クリスマスのビリャンシーコ(Villancico de Navidad)
 すべての人のための祈り(Oración Para Todos)
レオ・ブローウェル(1939–)
 鐘の鳴るキューバの風景(Paisaje Cubano con campanas)
スタファン・ストルム(1964–)
 失われた夏(Lost Summers)
マリア・ローヴベリ(1968–)
 夢見心地の踊り(Dreaming Dance)
  ダーヴィド・ヘーレンスタム(ギター)
 
録音 2014年6月–7月 聖ペテロ教会(スレーエルセ、デンマーク)
制作・録音 ライフ・へセルベア

 
スウェーデンのギタリスト。ダーヴィド・ヘーレンスタム David Härenstam(1972–)は、スウェーデンとノルウェーで学び、王立ウェールズ音楽演劇大学のジョン・ミルズに師事しました。1997年にアドヴァンスト・ディプロマを取得し、ソロ、ヴァイオリンのスパルフやピアノのフォシュベリとのデュオ、ジャズやトラッド音楽のミュージシャンとのコラボレーションなど、さまざまな活動を行ってきました。スパルフとのデュオでシュネルツェル、アイサー、モッセンマークの新作を含むスウェーデンとデンマークの曲を演奏した『球(Spheres)』(DAPHNE 1027)につづいて制作されたアルバムはソロによる「ポートレート」。パガニーニ、ファリャ、ジュリアーニ、フランスのディアンス Roland Dyens、パラグアイのバリオス=マンゴレ Agustín Barrios Mangoré、キューバのブロウェル Leo Brouwer といった、多くのギタリストたちも演奏してきた作品。ブルガリアのウルクズノフ Atanas Ourkouzounov の新作。スクーグとペンティネンの演奏で録音されたピアノ曲(DAPHNE 1036)をはじめ、スウェーデンの主だった音楽家たちとコラボレートした器楽作品で親しまれているストルム Staffan Storm の《失われた夏》。スウェーデンの教会音楽家マリア・ローヴべリ Maria Löfberg の《夢見心地の踊り》。ヘーレンスタムが15年間にわたり世界各地をまわるツアーで演奏してきた曲から、もっともプログラムに取り上げることの多かった作品を一夜の「リサイタル」のスタイルにまとめています。録音セッションは、デンマーク、西シェランのスレーエルセにある聖ペテロ教会で4日間行われ、制作とエンジニアリングを担当したライフ・へセルベア Leif Hesselberg が、ヘーレンスタムのギターと音楽を澄みきった響きにとらえています。ストルムとローヴベリの曲は初録音の作品です。
 
価格 2,695円(税込価格)(本体価格 2,450円)

『エンゲゴール四重奏団』
2L 2L 105SABD Pure Audio Blu-ray + SACD hybrid (5.1 surround/stereo) classical 

 
フランツ・シューベルト(1797–1828)
 弦楽四重奏曲第13番 イ短調 D.804(Op.29)《ロザムンデ(Rosamunde)》
マヤ・ソールヴェイ・シェルストルプ・ラトシェ(1973–)
 弦楽四重奏曲第1番《鉛と光の物語(Tale of Lead and Light)》(2011)
ベンジャミン・ブリテン(1913–1976)
 弦楽四重奏曲第2番ハ長調 Op.36(1945)
ヨーゼフ・ハイドン(1732–1809)
 弦楽四重奏曲 ハ長調  Hob.III/77(Op.76-3)《皇帝(Kaiser)》 *
  エンゲゴール四重奏団
   アルヴィド・エンゲゴール(第1ヴァイオリン)
   アレックス・ロブソン(第2ヴァイオリン)
   ジュリエット・ジョプリング(ヴィオラ)
   ヤン・クレメンス・カールセン(チェロ)
 [* Blu-ray のみ収録]
 
録音 2013年11月、2014年2月 ヤール教会(バールム、ノルウェー)
制作・バランスエンジニアリング モッテン・リンドベルグ
録音 ビアトリス・ヨハンネセン
 
[DXD(24bit352.8kHz/)録音]
[Blu-ray: 5.1 DTS-HD MA(24bit/192kHz), 2.0 LPCM (24bit/192kHz), mShuttle: FLAC 96kHz + MP3 Region ABC]
[SACD hybrid(5.1 surround/2.0 stereo)]

 
「真夜中の太陽」の地、ノルウェー北極圏のロフォーテンにエンゲゴール四重奏団が創設されたのは2006年でした。アルヴィド・エンゲゴール Arvid Engegård を中心とする四重奏団は、最初のシーズンからベルゲン国際フェスティヴァルとオスロの室内楽フェスティヴァルに出演、2年後の2008年に制作されたハイドン、ライフ・ソールベルグ、グリーグの弦楽四重奏曲のデビューアルバム(2L53SACD)で国内と海外で高い評価を獲得しました。2010年にはベートーヴェン、ヌールハイム、バルトークの弦楽四重奏曲(2L071SACD)とエリングの弦楽四重奏曲とピアノ四重奏曲(Simax PSC1304)をリリース。エンゲゴール四重奏団はノルウェーを代表するアンサンブルのひとつに数えられる存在になりました。2013年と2014年に録音されたアルバム第4作も、先の2枚の 2L のアルバムと同じ、弦楽四重奏奏のスタンダード・レパートリー曲と「今日」の作品によるプログラムが組まれました。シューベルトの《ロザムンデ》に始まり、ノルウェーのラトシェ新曲とブリテンの作品、最後にハイドンの《皇帝》。
 
ラトシェ Maja Solveig Kjelsrup Ratkje は、作曲家、歌手、キーボード奏者、ヴァイオリニストとしてノルウェーの音楽シーンで活躍する音楽家です。エンゲゴール四重奏団とは弦楽四重奏とアコーディオンのための《雅楽変奏曲》をはじめとする室内楽作品を通じて出会い、新作を委嘱されることになりました。《鉛と光の物語》は彼女の第1番の弦楽四重奏曲にあたる作品です。「偉大なベートーヴェンの音楽への賛辞」を背景に作曲され、「自由な芸術家」ベートーヴェンの《ラズモフスキー第1番》(Op.59-1)が創作のための素材に選ばれました。曲名の「鉛」は「恐怖」、「光」は「希望」。ラトシェが作曲にかかっていた2011年7月22日、オスロと郊外のウトヤ島で77人が殺害される、いわゆる「ノルウェー連続テロ事件」が発生、「鉛色の空を見るたびにあの光景が浮かぶ」という彼女の「想い」が曲名に反映しているといいます。
 
ブリテンの弦楽四重奏曲は、第二次世界大戦が終わった1945年7月、彼がヴァイオリニストのメニューインと一緒にドイツの強制収容所の生存者のために演奏した後、作曲されました。「21の変奏によるパッサカリア」に書かれた最後の楽章〈シャコンヌ〉に感情的なクライマックスが置かれ、エンゲゴール四重奏団のヴィオラ奏者ジュリエット・ジョプリング Juliet Jopling はライナーノートに「感動の四重奏曲」と記しています。弦楽四重奏曲第2番は、パーセルの没後250年の1945年11月21日に初演されました。
 
シューベルトが戯曲『キプロスの女王ロザムンデ』のために書いた付随音楽の〈第3幕間奏曲〉と同じメロディが変奏の主題に使われることから《ロザムンデ》の副題で呼ばれるイ短調の四重奏曲。ハイドンのハ長調の四重奏曲は、「ハイドンのもっとも偉大な弦楽四重奏曲集」(ジョプリング)の Op.59 から、デビューアルバムのニ長調《ラルゴ》につづく選曲です。
 
このアルバムからエンゲゴール四重奏団のメンバーが変わりました。新たな第2ヴァイオリン奏者はアレックス・ロブソン Alex Robson、チェロがヤン・クレメンス・カールセン Jan Clemens Carlsen です。録音セッションは、デビューアルバムと同じベールムのヤール教会で行われました。DXD(24bit/352.8kHz)録音。Pure Audio  Blu-ray のディスクには、5.1 DTS-HD MA(192kHz/24bit)と 2.0 LPCM (192kHz/24bit)で収録され、音楽に対する確かな耳をもつ 2L のチームが捉えた、シューベルトたちの作品を思索するエンゲゴール四重奏団の音楽が、直接性と真実性をもって聴き手に伝えられます。
 
Pure Audio Blu-ray と SACD hybrid のディスクをセットにしたアルバム。収録時間の関係からハイドンは Blu-ray のディスクにだけ収録されています。
 
価格 4,290円(税込価格)(本体価格 3,900円)
 

Pure Audio Blu-ray ディスクと SACD ハイブリッドディスクをセットにしたアルバムです。Pure Audio Blu–ray ディスクにはインデックスを除き映像は収録されていません。SACD ハイブリッドディスクはSACDブレーヤーとCDプレーヤーで再生できますが、Pure Audio Blu-ray ディスクはCDやDVDのプレーヤーでは再生できないので、Blu–ray プレーヤーもしくは Blu–ray 対応のPCをお使いください。

『カール・ニルセン 交響曲第2番・第6番』
BIS SACD 2128 SACD hybrid (5.0 surround/stereo)  classical 

 
カール・ニルセン(1865–1931)
 交響曲第2番 ロ短調 FS29(Op.16)《4つの気質(De fire Temperamenter)》
 交響曲第6番 FS116 《シンフォニア・センプリーチェ(簡素な交響曲)(Sinfonia semplice)》
  ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニック管弦楽団
  サカリ・オラモ(指揮)
 
録音 2014年6月 ストックホルム・コンサートホール(ストックホルム)
制作 ハンス・キプファー
録音 マリオン・シュヴェーベル、トーレ・ブリンクマン

 
ストックホルム・フィルハーモニックと2008年から首席指揮者を務めるサカリ・オラモ Sakari Oramo(1965–)のカール・ニルセン交響曲シリーズ。第4番・第5番(SACD2028)と第1番・第3番(SACD2048)につづく最後のディスクがリリースされます。
 
ニルセンが夫人たちと一緒にシェランの酒場でビールを飲んでいる時に目にした、人間の4つの気質、「胆汁質」「粘液質」「憂鬱質」「多血質」をコミカルに描いた絵からインスピレーションを得て〈アレグロ・コレリコ(怒りっぽい)〉〈アレグロ・コモード・エ・フレンマティコ(鈍く、冷静沈着な〉〈アンダンテ・マリンコリコ(憂鬱な)〉〈アレグロ・サングイネオ(血の気の多い)〉の4楽章とした第2番。
 
「相反する感情をもった精神状態と不和」を基礎に音楽が徹頭徹尾「矛盾」を語り、「ポストモダニズムの半世紀以上前に書かれたポストモダン交響曲」と言われる第6番も4楽章から構成されています ––「無害なネオクラシカル交響曲」の顔に始まり、副題の「センプリーチェ」(簡素な)を裏切るような複雑な表情に変わる〈テンポ・ジュスト(正確なテンポで)〉。束縛を解かれた楽器がグロテスクな無秩序状態に陥っていく「アレグレット」の〈ユモレスク〉。ネオバロック風「アダージョ」の〈プロポスタ・セリア〉(「滴らんばかりの悲哀」のフーガ主題)。「不和」が頂点に達する〈主題と変奏〉。
 
第2番、第6番とも、4つの楽章の性格を明確に描きわけ、テクスチュアのグラデーション、光と影が、豊かな音楽表現が実現されます。デンマークのオーケストラの「デンマークに生まれて」という姿とは違った「カール・ニルセンの音楽」がこよなく魅力的です。2014年にセッションの行われた録音はストックホルムのコンサートホールに響く優美で力強い音楽をイメージさせ、ストックホルム・フィルハーモニックとサカリ・オラモの演奏する第2番と第6番を、先の2枚のアルバムに収録された4曲をさらに超えた「確信をもった」音楽に聞かせます。カール・ニルセンの交響曲全曲演奏の代表的録音に数えられるシリーズです。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『ルーマン フルートと通奏低音のためのソナタ集 第1集』
BIS SACD 2105 SACD hybrid (5.0 surround/stereo)  classical 

 
ユーハン・ヘルミク・ルーマン(1694–1758)
 ソナタ第1番 ト長調 BeRI.201 ソナタ第2番 ニ長調 BeRI.202
 ソナタ第3番 ハ短調 BeRI.203 ソナタ第4番 ト長調 BeRI.204
 ソナタ第5番 ホ短調 BeRI.205
  パラディーゾ・ムジカーレ
   ダン・ラウリン(リコーダー)
   アンナ・パラディーゾ(チェンバロ)
   マッツ・オロフソン(チェロ)
   ユーナス・ヌードベリ(バロックギター)
 
[楽器 Dan Laurin: Voice flute、Alto recorder E-flat(Sonata III)by Frederick G. Morgan, Daylesford, Australia/Anna Paradiso: Neapolitan harpsichord after Onofrio Guarracino by Masao Kimura, Japan, 2012/Mats Olofsson: Cello by Johann Öhberg the elder, Stockholm C.1765.  Bow by René Groppe/Jonas Nordberg: Baroque guitar by Hendrik Hasenfuss 2004]
 
録音 2013年10月、12月(第3番) 聖ペテロ教会(ストックスンド、スウェーデン)
制作・録音 トーレ・ブリンクマン

 
ユーハン・ヘルミク・ルーマン Johan Helmich Roman はストックホルム生まれ。歌手で後に宮廷楽団のヴァイオリニストになった父、ユーハン・ルーマン Johan Roman(?–1720)から最初の音楽教育を受け、1711年に宮廷楽団のヴァイオリニストに正式に就任しました。1715年にロンドンに渡り、「音楽のメトロポリス」の豊かな音楽生活を享受、ヘンデルのオーケストラでは第2ヴァイオリン奏者を務めました。スウェーデンがカール十二世の治下、リヴォニアをめぐるロシアとの戦い、いわゆる大北方戦争(1700–1721)に敗れ、「平和」の時代が始まった1721年、ルーマンは帰国の命令を受け、宮廷の副楽士長に就任。1727年からは楽士長を務め、スウェーデンの音楽がデューベン一家の「古い」音楽から「新しい」音楽に移行する時代を代表する音楽家として活躍しました。
 
フルートと通奏低音のためのソナタ(Sonate a flavto traverso, violine e cembalo da Roman, Svedese)(BeRI.201–212)はルーマンが出版した唯一の作品(作品群)です。1727年ストックホルム。出版譜の前書きには「saggi giouanili(若い時代の作品)」と記され、楽士長に取り立ててもらった感謝の印として、戦死したカール十二世を継いで王位に就いたウルリカ・エレオノーラ女王 Queen Ulrika Eleonora(1688–1741 在位 1718–1720)に献呈されました。「作曲技法と様式的要素の結びつきの素晴らしさ。フルートソナタでは、複雑な感情表現の文脈が、ヴィラネッラやピーヴァといったイタリア世俗音楽の形式、あるいは、タランテッラ同然の楽章と対照を見せる」(ダン・ラウリン)。
 
ダン・ラウリン Dan Laurin と夫人のアンナ・パラディーゾ Anna Paradiso を中心とする「良質のワインと食事と音楽を分かち合う」音楽家たちのアンサンブル、J・S・バッハ、C・P・E・バッハとテレマンのソナタを演奏した『父と子と名付け親』(CD1895)のパラディーゾ・ムジカーレ Paradiso Musicale による録音では、全12曲の曲集から、「ルーマンのモダンなスタイルの好例」というニ長調の第2番を含む最初の5曲が、トラヴェルソに代わりリコーダーで演奏されます。「著しくイタリア的な性格の作品だと考え、イタリア様式の通奏低音で演奏することにした」。編成は、第1番と第5番がリコーダー、チェロ、バロックギターとチェンバロ、第4番がリコーダー、チェロとチェンバロ、第2番と第3番がリコーダーとチェンバロ。録音セッションは、ストックホルムに近いストックスンドの聖ペテロ教会で行われ、パラディーゾ・ムジカーレの音楽が陰影に富む音色とともに捉えられ、「複雑な感情表現」を伝えます。かつてスウェーデン宮廷に響いた雅な音楽が「今」に息づく。興趣あふれるアルバムです。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『生と愛を歌う聖歌集(Sacred Songs of Life & Love)』
Pentatone PTC 5186530 SACD hybrid (Multichannel/stereo) contemporary/classical 

 
『生と愛を歌う聖歌集(Sacred Songs of Life & Love)』
アルヴォ・ペルト(1935–)
 マニフィカト(Magnificat)(1989)
 聖母マリアよ喜べ(Bogoróditse Djévo)
 マニフィカトの7つのアンティフォナ(Sieben magnificat Antiphonen)(1991)
  おお叡智よ(O  Weistheit) おおアドナイ(わが主)よ(O Adonai)
  おおエッサイの根より出でし若枝よ(O Sproß aus Isis Wurzel)
  おおダヴィデの鍵よ(O Schlüssel Davids)
  おお暁の星よ(O Morgenstern)
  おお、すべての民の王よ(O König aller Völker)
  おおインマヌエルよ(O Immanuel)
アルギルダス・マルティナイティス(1950–)
 アレルヤ(Alleluia)(1996)
クヌート・ニューステット(1915–)
 《キアケゴーの祈り(Prayers of Kierkegaard)》 Op.157(1999)から
  第3曲 偉大なり、おお神よ!(Great are you, o God!)
  第6曲 天におられる父よ!あなたは、まず私たちを愛してくださいました!
  (Father in heaven! You loved us first!)
スヴェン=ダーヴィド・サンドストレム(1942–)
 4つの愛の歌(Four Songs of Love)(2009)
  どうかあの方が、その口のくちづけをもって(Let Him Kiss Me)
  夜が明け、影が闇にまぎれる前に(Until the Daybreak)
  北風よ、目覚めよ(Awake, O North Wind)
  あの人が左の腕を(His Left Hand)
イヴォ・アントニーニ(1963–)
 わたしはシャロンのばら(I am the rose of Sharon)(2010)
エリクス・エシェンヴァルズ(1977–)
 おお救いの生贄(O salutaris hostia)(2009)
アルヴォ・ペルト(1935–)
 主よ、今こそあなたは(Nunc dimittis)(2001)
 サウスダコタ合唱団 ブライアン・A・シュミット(指揮)
 
録音 2014年1月 聖ヨセフ大聖堂(スーフォールズ、サウスダコタ州、アメリカ合衆国)
制作 ブラントン・オルスポー
録音 ジェシー・ブレイマン

 
サウスダコタ合唱団 South Dakota Chorale は、アメリカ中西部のグレートプレーンズ(大平原)の州サウスダコタのスーフォールズに2009年に創設されたプロフェッショナルのアンサンブルです。芸術監督のブライアン・A・シュミット Brian A. Schmidt は、ノースカロライナ州のデューク大学チャペルの聖歌隊などの指揮者を務め、アメリカを代表する合唱指揮者のひとりに挙げられる合唱指揮者です。『生と愛を歌う聖歌集』はサウスダコタ合唱団のセカンドアルバム。バルト三国、スカンディナヴィアとスイスの作曲家による「もっとも美しい現代合唱作品」から選ばれた「宗教歌」が歌われます。エストニア生まれ、アルヴォ・ペルト Arvo Pärt の『新約聖書』『ルカによる福音書』による《マニフィカト》と《主よ、今こそあなたは》、そして、ベルリンのRIAS室内合唱団の委嘱で作曲した《マニフィカトの7つのアンティフォナ》。ノルウェー・ソリスト合唱団の委嘱作、デンマークの哲学者キアケゴー(キルケゴール)の著作から採ったテクストの英訳で歌われるニューステット Knut Nystedt の《キアケゴーの祈り》から2曲。リトアニアのアルギルダス・マルティナイティス Algirdas Martinaitis とラトビアのエリクス・エシェンヴァルズ Ēriks Ešenvalds の作品も「生を歌う」聖歌です。
 
「愛」の歌は2つ。スウェーデンのスヴェン=ダーヴィド・サンドストレム Sven-David Sandström の《4つの愛の歌》とスイスのイヴォ・アントニーニ Ivo Antognini の《わたしはシャロンのばら》は、いずれも『旧約聖書』『雅歌(ソロモンの雅歌)』がテクストです。サウスダコタは、スー族をはじめとする原住民と白人の間で激しい戦いが行われた暗い歴史をもちながら、今は、4人の大統領の顔を彫刻したラシュモア山の名を冠した国立公園をはじめとする観光地に恵まれ、内外の観光客が多く訪れる州として知られます。州最大の都市スーフォールズは、人口が15万。「アメリカ最良の小都市(Best Little City in America)」のニックネームで呼ばれています。
 
アルバム『生と愛を歌う聖歌集』は、市の名所のひとつ、カトリックの聖ヨセフ大聖堂(セント・ジョーセフ大聖堂)で録音セッションが行われました。ネオルネサンス様式の大聖堂は、最初は木造の教会として作られ、1915年から1919年にかけて石灰石による建築が行われました。なんどか修復が行われ、2011年に最後の内装が完成しています。この大聖堂は音響のよさが知られ、聖歌隊のコンサートのほか、スーフォールズを本拠とするサウスダコタ合唱団 South Dakota Chorale のコンサート会場のひとつとしても使われています。
 
セッションの制作は、サウスダコタ合唱団の最初のアルバム『天国には(In Paradisum)』などの録音により2013年グラミー賞の最優秀プロデューサーに選ばれたブラントン・オルスポー Blanton Alspaugh が担当しました。「Pentatone クオリティ」の録音。TVシリーズ化されたローラ・インガルス・ワイルダーの『大草原の小さな家』(原作『インガルス一家の物語』)をイメージしてしまうサウスダコタ州。その「文化」の一端に触れることのできるアルバムです。芸術監督のシュミットは、2015年の秋、国際指揮者交換プログラムのアメリカ代表としてスウェーデンで客演指揮することが決まっています。
 
価格 2,805円(税込価格)(本体価格 2,550円)

『メンデルスゾーン ピアノと管弦楽のための作品全集』
Danacord DACOCD 734-736 3CD’s+Bonus CD classical 

 
フェリクス・メンデルスゾーン(1809–1847)
 ピアノ協奏曲第1番 ト短調 Op.25/MWV.O7(1831)
 セレナードとアレグロ・ジョコーゾ ロ短調 Op.43/MWV.O12(1838)
 ピアノ協奏曲第2番 ニ短調 Op.40MWV.O11(1837)
 華麗なロンド 変ホ長調 Op.29/MWV.O10(1834)
 華麗なカプリッチョ ロ短調 Op.22/MWV.O8(1832)
 ピアノと弦楽オーケストラのための協奏曲 イ短調 MWV.O2(1822)
 ピアノ協奏曲第3番 ホ短調 MWV.O13(1844)
 (マルチェッロ・ブファリーニ 再構成)
 2台のピアノと管弦楽のための協奏曲 変イ長調 MWV.O6(1824)*
 2台のピアノと管弦楽のための協奏曲 ホ長調 MWV.O5(1823)*
 ヴァイオリン、ピアノと管弦楽のための協奏曲 ニ短調 MWV.O4(1823)†(CD4 bonus)
  オレク・マルシェフ(ピアノ)
  アネ・メテ・ステーア(ピアノ)* ルメン・ルカノフ(ヴァイオリン)†
  南ユラン交響楽団(南デンマーク・フィルハーモニック)
  ダーヴィト・ポーセリン(指揮)
 
録音 2011年8月8日–13日、2012年5月7日–12日、14日 アルシオン(スナボー、デンマーク)
制作・編集 モーテン・モーウンセン
録音 クラウス・ビューリト

 
オレク・マルシェフ Oleg Marshev(1961–)は、旧ソ連、アゼルバイジャン共和国のバクー(バキュ)生まれ。モスクワ音楽院でミハイル・ヴォスクレセンスキーに学び、1988年にディプロマを取得、ロシア・ピアニズムの伝統を継ぐ音楽家のひとりです。ソ連の崩壊後、デンマークのレーベル Danacord Records と契約を結び、プロコフィエフのソナタ全曲録音から始まり、エミール・フォン・ザウアーのソロ・ピアノ曲全曲、シューベルト、リストのソロ曲、ルビンシテイン、ラフマニノフ、プロコフィエフ、ショスタコーヴィチ、シューマンの協奏曲など、30を超えるアルバムを録音。ヴィンディングやエミール・ハートマンなどデンマークのロマンティック・ピアノ協奏曲シリーズの録音にも参加しています。
 
マルシェフが南ユラン交響楽団と共演するメンデルスゾーン。このアルバムには、優れたピアニストとして知られ《無言歌集》の8巻などソロ・ピアノのための作品を数多く残したメンデルスゾーンがピアノとオーケストラのために書いた作品10曲がすべて収められました。「森の伝説」とでもいった気分の第2楽章アンダンテをもったト短調の《ピアノ協奏曲第1番》。心を誘う旋律の醸し出す詩情と色彩的なオーケストレーションが特徴的なニ短調の《協奏曲第2番》。メンデルスゾーンが十代に書いた弦楽オーケストラ共演の《協奏曲 イ短調》。「華麗な」を曲名にもった《ロンドとカプリッチョ》。彼の遺作となったホ短調の《協奏曲(第3番)》は、第1楽章と第2楽章のソロ・パートのスケッチ、第1楽章冒頭のオーケストレーション、終楽章の素案を基にマルチェッロ・ブファリーニ Marcello Bufalini が再構成した2006年の版による演奏です。「信じられないほど素晴らしいピアノ書法で書かれた、魅力、輝かしさ、優雅さ、戯れ、旋律の美しさにあふれた音楽を演奏できる」と、マルシェフが心待ちにしていたプロジェクトです。
 
《2台のピアノのための協奏曲》はイ短調協奏曲と同じ十代の作品です。コペンハーゲンの王立音楽アカデミーの上級ソロイスト・クラスで学んだアネ・メテ・ステーア Anne Mette Stæhe の共演。変イ長調はマルシェフが、ホ長調はステーアが第1ピアノを弾いています。《ヴァイオリン、ピアノと管弦楽のための協奏曲》は、ブルガリア生まれ、1997年から南ユラン交響楽団のコンサートマスターを務めるルメン・ルカノフ Rumen Lukanov(1968–)がヴァイオリンのソロを弾いています。
 
南ユラン交響楽団 Sønderjyllands Symfoniorkester は、対外的には「南デンマーク・フィルハーモニック」の名称を使っています。ユラン(ユトランド)半島の最南にあるセナボー Sønderborg の地域オーケストラ。団員数は65名。人口70万の南デンマークの各地で、教会コンサート、学校コンサート、夏のロックコンサートなど、年間150回を超すコンサートを開催し、ユラン・オペラの南デンマーク・ツアーではオーケストラピットに入ります。2010年からはオランダの指揮者ダーヴィト・ポーセリン(ダーヴィド・ポルセリン) David Porcelijn(1947–)が首席指揮者を務めています。「心をこめて演奏する私たちの音楽が、聴いている人たちに届くように」をモットーとするアンサンブル。「芸術に奉仕する」が信条のマルシェフとともに歓びにあふれた音楽を聴かせます。
 
ドイツ・ロマンティシズムが「若葉」の香りを漂わせていた時代に生まれた音楽。「いたるところで演奏される(ubiquitous)」ホ短調のヴァイオリン協奏曲に「疲れて」しまっている耳に、メンデルスゾーンの一連のピアノと管弦楽のための音楽はとても新鮮に聞こえるでしょう。
 
ピアノとオーケストラをコンサートバランスに捉えた録音は、ベテランのクラウス・ビューリト Claus Byrith。メンデルスゾーン(Kontrapunkt 32105)やゲーゼ(32077)の三重奏曲を録音したコペンハーゲン三重奏団のピアニスト、モーテン・モーウンセン Morten Mogensen が制作と編集を担当しました。
 
価格 8,085円(税込価格)(本体価格 7,350円)

『クラウス アリアと序曲』
Naxos 8.572865  classical 

 
ユーセフ・マッティン・クラウス(1756-1792)
 歌劇《プロセルピナ(Proserpin)》 VB19 ― 序曲
 アリア《無邪気に見つめるあなたは(Du i hvars oskuldsfulla blick)》
  VB30 *
 アリア《あなたは恐れていますか(Ma tu tremi)》 VB63 *
 アリア《あなたを愛することをやめるなんて(Ch’io mai vi possa)》
  VB59 *
 カンタータ《国王の誕生日のために
 (Zum Geburtstag des Königs Gustav III)》 VB41 ― 序曲
 《小さな神を抱く聖母を見ると(Parvum quando cerno Deum)》
  VB5 *
 《冒険者(Äfventyraren)》 VB32 ― 序曲 *
 アリア《時代の荒廃は(Du temps, qui détruit tout)》 VB58
 レチタティーヴォとアリア《聞いてくれ、行かないでくれ
 (Sentimi, non partir!)》 VB55
 《グスタフ三世のための葬送カンタータ
 (Konung Gustav III Begravningskantat)》 VB42 ― 序曲
 アリア《お聞きください、心の痛みを訴えるわたしのため息を
 (Hör mina ömma suckar klaga)》 VB26 *
  モニカ・グループ(メゾソプラノ)
  ヘルシンキ・バロック管弦楽団 アーポ・ハッキネン(指揮)
 
録音 2013年6月10日–12日 セッロ・ホール(エスポー、フィンランド)

 
「ストックホルムのコスモポリタン」。ユーセフ・マッティン・クラウス(ヨーゼフ・マルティン・クラウス) Joseph Martin Kraus は南ドイツの生まれ。学生仲間のカール・ストリンドベリの帰国に合わせスウェーデンを訪れ、数年苦労した後、1781年6月、ウルリクスダールの城で私的に上演された歌劇《プロセルピナ》が、才能ある芸術家を見抜く鋭い眼で知られた国王グスタフ三世に認められ宮廷音楽家に登用。1792年3月、国王が暗殺され、4月13日に行われた葬送の音楽を書いた後、みずからも病死するまで、器楽曲から声楽曲まで、広いジャンルの音楽を作曲しました。古典、疾風怒濤、初期ロマンティシズム。その多様、多彩な音楽は時代を超えて輝き、クラウスはバロック期のルーマンとともにスウェーデン音楽史の里程標とみなされる存在になりました。
 
Naxos レーベルは、これまで、シンフォニア、ヴァイリンソナタ、歌曲など、クラウスの作品を体系的に紹介してきました。新しいアルバムでは、クラウスが劇場のために書いた音楽から「序曲」と、演奏会用のアリアが特集されます。録音に起用されたのはフィンランドの音楽家たち。アーポ・ハッキネン Aapo Häkkinen(1976-)指揮のヘルシンキ・バロック管弦楽団は、F・X・ドゥセックとF・X・リヒターのシンフォニア(Naxos)の録音が好評のピリオド楽器アンサンブル。グリーグの歌曲(BIS)で知られるメゾソプラノのモニカ・グループ Monica Groop(1958-)は、クイケン指揮の《フィガロの結婚》でケルビーノ、《コジ・ファン・トゥッテ》でドラベッラ役を歌うなど、古典時代の作品もレパートリーとしています。クリスマスに歌われた《小さな神を抱く聖母を見ると》など6曲が世界初録音です。
 
価格 1,210円(税込価格)(本体価格 1,100円)

『Shine』
ACT Music ACT 9573-2 jazz 

 
『Shine』
 Shine(Jacob Karlzon) Bubbles(Jacob Karlzon)
 I Still Haven't found What I'm Looking for(Clayton/Evans/Hewson/Mullen)
 Outsourced(Jacob Karlzon) Metropolis(Jacob Karlzon)
 Inner Hills(Jacob Karlzon) One More Day(Jacob Karlzon)
 Screening Self(Jacob Karlzon)
 A Thousand Conclusions(Jacob Karlzon)
  ヤコブ・カールソン・トリオ
   ヤコブ・カールソン
   (ピアノ、キーボード、シンセサイザー、プログラミング)
   ハンス・アンデション(ベース)
   ロベルト・メフメット・イキズ(ドラムズ)
 
録音 2014年3月 ニレント・スタジオ(ヨーテボリ、スウェーデン)
制作 ヤコブ・カールソン、ラーシュ・ニルソン
録音 ラーシュ・ニルソン
 
スウェーデンのピアニスト、カールソン(1970–)のトリオ「ヤコブ・カールソン・トリオ Jacob Karlzon 3」の ACT Music 第2作がリリースされます。ACT Music デビューした2012年の『More』(ACT 9533-2)で示した道を「もう一歩先に進みたかった」というアルバム。「ポップミュージックの作り方をもっと応用し、それぞれの曲の性格を際立たせるため、アルバム全体の調和や一貫したスタイルは見失うことなく、さらに大きな美意識でまとめる。作曲も演奏も、イメージしたことをより明確に、より徹底させる」というコンセプトでセッションが行われ、カールソンはピアノだけでなくキーボードとシンセサイザー、そしてプログラミングを担当しました。《Shine(輝け)》に始まり《A Thousand Conclusions(たくさんの結論)》に終わるプログラムの8曲はカールソンが作曲し、唯一のスタンダードナンバー、アイルランドのロックバンド U2 の《I Still Haven't Found What I'm Looking for》がカールソンのピアノソロによる「傷つきやすく、心が痛むくらい美しい」インプロヴィゼーションでトラック3に収められています。『Heat』(Caprice CAP 21809)から参加するハンス・アンデション Hans Andersson のベース。ユーナス・ホルゲションに代わり、イスタンブール生まれのロベルト・メフメット・イキズ Robert Mehmet Ikiz(1979–)がドラマーとして加わりました。「輝いている(shining)」が、カールソンのもっとも新しい「作品」のモットーです。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『ラモー クラヴサン・ソロ曲全集』
Simax PSC 1345 2CD’s  classical 

 
ジャン=フィリップ・ラモー(1683–1764)
 クラヴサン曲集 第1巻(Premier Livre de Pièces de Clavecin)(1706)
 クラヴサン曲集(Pièces de Clavecin)(1724)
 新クラヴサン組曲(Nouvelles suites de pièces de clavecin)(1728)
 コンセール形式のクラヴサン曲集(Pièces de clavecin en concert)(1741)
 (クラヴサン・ソロ版)
  リヴリ(La Livri) 軽はずみ(L’Agaçante) 内気(La Timide)
  おしゃべり(L’Indiscrète)
 王太子妃(La Dauphine)(c.1747)
  シェティル・ハウグサン(チェンバロ)
 
[楽器 シェティル・ハウグサン製作(1971年)後期フランドル・タイプの2段鍵盤チェンバロ]
 
録音 2011年5月16日–20日 ドイツ放送(DLF)室内楽ホール(ケルン)
制作 フランソワ・エケール
録音 クリストフ・リーゼベルク

 
ノルウェーのチェンバロ奏者、ケルンの音楽大学の教授を務めるシェティル・ハウグサン Ketil Haugsand は、今日の「アーリーミュージック」を代表する音楽家のひとりに挙げられます。アムステルダム音楽院でレオンハルトに師事、1975年に「最優秀賞(Prix d’Excellence)」を得て卒業しました。パリとブルージュの国際コンペティションを経て、ソロイスト、室内楽奏者、ノルウェー・バロック管弦楽団とアルテ・レアル・アンサンブルの指揮者として、ヨーロッパとアメリカのコンサートとフェスティヴァルで演奏しています。J・S・バッハの《イギリス組曲》(PSC 1329)に次ぐ録音はジャン=フィリップ・ラモー Jean-Philippe Rameau のクラヴサン曲。〈前奏曲〉から〈メヌエット〉、「フランス舞踊組曲」に倣った10曲の《クラヴサン曲集 第1巻(Premier Livre de Pièces de Clavecin)》(第1組曲)。〈アルマンド〉から〈村娘(La villageoise)〉と〈ロンドーのメヌエット〉までの「第2組曲」と〈やさしい訴え(Les tendres plaintes)〉から〈足の不自由な女(La boiteuse)〉の「第3組曲」の《クラヴサン曲集(Pièces de Clavecin)》((正式名『Pièces de Clavecin avec une Méthode pour la Mécanique des Doigts(クラヴサン曲集と運指法)』)。〈アルマンド〉から〈ガヴォット〉と〈6つの変奏(6 doubles)〉の「第4組曲」と〈トリコテ(Les  tricotets)〉から〈エジプトの女(L’Egyptienne)〉の「第5組曲」の《新クラヴサン組曲(Nouvelles suites de pièces de clavecin)》(正式名『Nouvelles suites de pièces de clavecin avec des remarques sur les différents genres de la Musique』)。クラヴサンを「通奏低音」ではなく独立した声部として扱った《コンセール形式のクラヴサン曲集(Pièces de clavecin en concert)》から、ラモーがソロ曲に編曲した4曲。1747年ごろ作曲された、ラモーの最後のクラヴサン曲とされる《王太子妃》。《優雅なインドの国々》のソロ編曲版と、バルバトルの作品とされてきた《Les petits marteaux de M. Rameau》を除く、ラモーのクラヴサン・ソロ曲の全集です。ハウグサンは、ゆったりしたテンポを中心に、ひとつひとつの曲と対話するような雰囲気でラモーを演奏。『クラヴサン曲集』の代表的録音のひとつ、バロック時代の振付を参考にしながらラモーの作品を優雅で溌剌とした音楽として示したクリストフ・ルセの録音(L’Oiseau-Lyre)とは趣きも思考も異なるものの、同じように洞察の深い、「楽興」にみちた音楽を聴かせます。ケルンのドイツ放送室内楽ホールで行われたセッションに使われた楽器は、ハウグサン自作の後期フランドル・タイプの2段鍵盤チェンバロ。フォルクレ父子の『クラヴサン曲集に編曲されたヴィオール曲集』(PSC 1317)と同じ楽器です。ドイツ放送(Deutschlandfunk)との共同制作。フランスの偉大な作曲家の没後250年を記念するアルバムです。
 
価格 5,280円(税込価格)(本体価格 4,800円)

『エルガー 交響曲第1番』
BIS SACD 1939 SACD hybrid (5.0 surround/stereo)  classical 

 
エドワード・エルガー(1857–1934)
 交響曲第1番 変イ長調 Op.55(1908)
 演奏会序曲《コケイン(Cockaigne)》 Op.40(1901)
  ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニック管弦楽団
  サカリ・オラモ(指揮)
 
録音 2012年5月(交響曲)、2013年11月(コケイン) ストックホルム・コンサートホール
制作 ハンス・キプファー(交響曲)、マリオン・シュヴェーベル(コケイン)
録音 トゥレ・ブリンクマン

 
ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニック管弦楽団と2008/09年のシーズンから首席指揮者を務めるサカリ・オラモ Sakari Oramo (1965–) によるエルガーの管弦楽作品集。先にリリースされた交響曲第2番と《ため息》《悲歌》(SACD1879)は、フランスの雑誌「ディアパソン」が “5 Diapasons” (5つ星)を与え、イギリスのメディアも「ラルゲットの素晴らしい音楽は楽しく、スケルツォは曲調にふさわしく荒々しく恐ろしい。そして、すべてをあきらめ、なつかしむような輝きのうちに幕を閉じる」(“Sunday Times”)「明確な個性をしっかり表しながら、巧みに歩調を整え、深いところで作品と誠実に向き合い、第2交響曲の広大な世界を渡っていく」(“The Gramophone”)と評価しています。
 
エルガーの第2集は交響曲第1番と《コケイン》の2曲です。エルガーだけでなく近代イギリス音楽を代表する作品のひとつに挙げられる第1番の交響曲は、最初のスケッチが1904年とされ、1907年から1908年にかけて作曲されました。1908年12月3日、マンチェスターのハレ交響楽団により初演。指揮は、ブラームスの交響曲第3番とワーグナーの《指輪》を初演したドイツのハンス・リヒターです。この作品を献呈されたリヒターは、12月7日にクイーンズホールで行われたロンドン交響楽団によるロンドン初演も指揮、エルガーの第1番に対して同時代の音楽家として最大級の敬意を表したと言われます。第1楽章〈アンダンテ.ノビルメンテ・エ・センプリーチェ ― アレグロ〉、第2楽章〈アレグロ・モルト〉、第3楽章〈アダージョ〉、第4楽章〈レント ― アレグロ〉。第1楽章の序奏部に示される「モットー」主題は、作品全体を通じて姿を忍ばせた後、終楽章の「グランディオーゾ(ポコ・ラルガメンテ)」のコーダで勝ち誇った姿を現します。
 
「最初の偉大なイギリスの交響曲」。この作品には、BBC放送や『ペンギン・ガイド』が高く評価するエイドリアン・ボールト(1977年)とヴァーノン・ハンドリー(1979年)がロンドン・フィルハーモニックを指揮した録音のほか、イギリス音楽を重要なレパートリーとするアメリカの指揮者レナード・スラトキンがこれもロンドン・フィルハーモニックを指揮した演奏(1989年/1991年)といった、それぞれに特色ある音楽を聴かせる録音があります。近年エルガーの作品と積極的に取り組み、最初のアルバムですばらしい音楽を聴かせたオラモの演奏は、「大英帝国の輝ける日々を懐かしむ」のではなく「輝かしい今を生きる」という新鮮な気分にみちています。演奏技術と感性をあわせもつストックホルムのオーケストラは、オラモの意図を正しく受けとめ、抑制をきかせながら、力強く壮大、優美な響きの音楽に表現しています。終楽章のコーダの透明感のある輝かしい金管楽器に代表されるように、各セクションの楽器の響きの美しさは際立った魅力です。こうした演奏を聴くにつけ、ストックホルム・フィルハーモニックとサカリ・オラモは、今日、もっとも気品のある音楽を聴かせるアンサンブルのひとつだという思いを強くします。
 
演奏会序曲《コケイン》は交響曲第1番の7年前に初演された作品です。「ロンドンの下町で(In London Town)」の別名をもち、エドワード時代のロンドンとロンドンっ子を生き生きと色彩的に描き、「わが多くの友人たち、英国のオーケストラのメンバーたちへ(to my many friends, the members of British orchestras)」献呈されています。この曲では、木管楽器がそれぞれにユーモラスなメロディとパッセージを演奏します。フルートのトップを担当したのは、交響曲でトップを吹いた首席奏者のアンドレアス・アリーン Andreas Alin に代わり、副首席奏者のヤン・ベンクトソン Jan Bengtson です。
 
2曲の録音セッションは、フィルハーモニックが本拠を置く、長い歴史を誇るストックホルム・コンサートホールで行われました。プロデュースのハンス・キプファー Hans Kipfer とマリオン・シュヴェーベル Marion Schwebel、エンジニアリングのトーレ・ブリンクマン Thore Brunkmann。BIS のスタッフによりストックホルム・フィルハーモニックとオラモの音楽が鮮やかな、響きの美しい音に捉えられています。アルバムのアートワークには、第2番のジャケットを飾った『St. Paul’s from thr River(テムズ川から眺めるセントポール大聖堂)』の画家、ジョージ・ハイド・パウナル George Hyde Pownall(1876–1932)の『Piccadilly Circus(ピカデリーサーカス)』が使われました。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

ラーション 管弦楽作品集 第1集
cpo 777 671-2 SACD hybrid (multichannel/stereo)  classical 

 
ラーシュ=エーリク・ラーション(1908–1986)
 交響曲第1番 ニ長調 Op.2(1927–28)
 冬物語(En vintersaga)Op.18(1937–38)
 (シェイクスピアの劇への4つのスケッチ風小品)
 管弦楽のための音楽(Musik för orkester)Op.40(1949)
 田園詩(Pastoral)(1937)(小管弦楽のための)
 (劇付随音楽『貞節(Kyskhet)』から)
 抒情的幻想曲(Lyrisk fantasi)Op.54(1967)(小管弦楽のための)
  ヘルシングボリ交響楽団 アンドルー・マンゼ(指揮)
 
録音 2011年1月24日–28日 ヘルシングボリ・コンサートホール(スウェーデン)
制作 レッナールト・デーン
録音 トゥルビョーン・サミュエルソン

 
ラーシュ=エーリク・ラーション Lars-Erik Larsson。20世紀スウェーデンの作曲家の中で、人々の心と感情に直接訴えかけることにかけて、他に並ぶものがいない存在といわれます。1908年、スコーネ地方、ルンドとマルメの間に位置するオーカープ生まれ。マルメでオーケルベリに学び、ヴェクシェーで「ジュニア・オルガニスト」のディプロマを取得。ヘンニング・マンケルについてピアノを学んだ1925年には最初のピアノの小品を作曲しています。この年、ストックホルムの国立音楽アカデミーに入学、作曲をエルンスト・エッルベリに、指揮をオラッリョ・モラーレスに学びました。アカデミーに在学中に交響曲第1番を作曲。1929年4月27日に行われた学生コンサートでみずから指揮して初演しました。1929年から翌年にかけて、ウィーンのアルバン・ベルクに作曲を、ライプツィヒのフリッツ・ロイターに音楽形式を学びます。帰国後は、ストックホルムのオペラでレペティトゥール、マルメとルンドで音楽教師を務めながら作曲を行い、1932年にはスウェーデンの作曲家としては初めて「十二音技法」による作品を手がけています。その1作、弦楽オーケストラのための《シンフォニエッタ》(Op.10)が、1934年、フィレンツェで開催された ISCM(国際現代音楽協会)で演奏され、ラーションは国際的な注目を集めます。スウェーデン放送局の指揮者、作曲家、プロデューサーなど、多方面に活躍。第二次世界大戦中の1940年には、抒情組曲(カンタータ)《姿を変えた神(変装した神)》がラジオ放送され、ノルウェーとデンマークにも届いたこの音楽は、ドイツ軍占領下にあった人々を勇気づけたとされ、ラーションの代表作のひとつになりました。
 
ラーションの管弦楽のための作品。交響曲第1番は、とりわけシベリウスを思わせるページももち、典型的北欧スタイルとみなされる一作です。「(第1楽章は)明るく楽天的な気分……抒情的な部分は、ロマンティックにやさしく、雰囲気が感じられる……おなじ音調の序奏にはじまる第2楽章〈アダージョ〉……生気にみち、挑戦的な気分の主部と『歌』と呼びたいようなトリオをもつ〈スケルツォ〉……エネルギッシュな〈終曲〉」(レッナールト・ヘードヴァル)。
 
シェイクスピアの『冬物語』のための劇付随音楽として作曲した22曲から選んだ組曲《冬物語》には「シェイクスピアの劇への4つのスケッチ風小品(Fyra vinjetter till Shakespeares skådespel)」の副題がつけられました。〈シチリアーナ(Siciliana)〉〈間奏曲(Intermezzo)〉〈田園詩(Pasotoral)〉〈エピローグ(Epilog)〉。〈シチリアーナ〉の主題のひとつは、このあと、《田園組曲》の〈ロマンス〉にも使われます。
 
小編成の管弦楽で演奏される小品《田園詩(牧歌)》も、劇『貞節」のための付随音楽が原曲です。1949年の《管弦楽のための音楽》は、マルメ・コンサートホール基金の25周年を記念して作曲されました。「旋律らしい旋律」は示されず、ゆったりと、有機的に展開する構造的な音楽です。1967年の《抒情的幻想曲》は、《田園組曲》の姉妹作ともみなされる、素朴で美しい音楽です。
 
ヘルシングボリ交響楽団はラーションの交響曲第1番を1989年にドイツのハンス=ペーター・フランクの指揮で録音しています(BIS CD426)。アンドルー・マンゼ Andrew Manze(1965–)は、イギリスのヴァイオリニストで指揮者。2006年からヘルシングボリ交響楽団の首席指揮者を務めています。2011年1月、ヘルシングボリ・コンサートホールでの録音。制作は、Danacord のディーリアス作品集のレッナールト・デーン Lennart Dehn。カール・ニルセンの「木管のための室内楽作品全集」(cpo 777 872-2)のトゥルビョーン・サミュエルソン Torbjörn Samuelson が録音エンジニアリングを担当しました。演奏、録音とも優れた、北欧音楽のレパートリーにとって大切なアルバムになりそうです。
 
価格 3,530円(税込価格)(本体価格 3,200円)

『モーツァルト ヴァイオリン協奏曲全集』
Swedish Society Discofil SCD1158 2CD’s  classical 

 
W・A・モーツァルト(1756–1791)
 ヴァイオリン協奏曲第1番 変ロ長調 K.207
 ヴァイオリン協奏曲第2番 ニ長調 K.211
 ヴァイオリン協奏曲第3番 ト長調 K.216
 ヴァイオリン協奏曲第4番 ニ長調 K.218
 ヴァイオリン協奏曲第5番 イ長調 K.219《トルコ風》
  ニルス=エーリク・スパルフ(ヴァイオリン、コンサートマスター)
  ウプサラ室内管弦楽団
 
録音 2013年3月4日–7日、9月29日、10月3日 ウプサラ・コンサート&議会ホール(ウプサラ、スウェーデン)
制作 グンナル・アンデション
録音 トゥルビョーン・サミュエルソン

 
スウェーデンを代表するヴァイオリニストのひとり、スパルフ Nils-Erik Sparf(1952–)。ドロットニングホルム・バロックアンサンブルやウプサラ・チェンバーソロイスツで演奏、チェンバーソロイスツのメンバーによるブラームスの弦楽五重奏曲(DAPHNE1045)やヘーレンスタムとのデュオによるバッハの「ヴァイオリンとギターのためのソナタ」(Proprius PRCD2056)の他、BIS をはじめとするレーベルの多くの録音で知られます。ウプサラ室内管弦楽団は「ウプランドの音楽(Musik i Uppland)」の団体のひとつです。郡の音楽基金の支援を受けながら、コンサート活動を行っています。スパルフ、ベルント・リュセル、クララ・ヘルグレンがコンサートマスター。アンソニー・ホルステッドの指揮で録音したルーマンの《ドロットニングホルムの音楽》(Naxos 8.553733)は、スカンディナヴィアを中心に人気を集め、2002年のゴールドディスクを受賞しました。
 
モーツァルトのヴァイオリン協奏曲。新しい研究により、1773年4月14日、モーツァルトが17歳のときに作曲したことが確定したという変ロ長調の第1番。終楽章がフランス風に〈ロンドー〉と名づけられた第2番。1775年9月12日、ザルツブルクで書かれ、独奏ヴァイオリンとオーケストラがまるで戯れるように対話する第3番。同じ年の10月に作曲され、当時ストラスブールで流行っていた歌のメロディを引用したという終曲〈ロンドー〉が華やかな第4番。フランス、ハンガリー、トルコとめまぐるしく気分の変化する〈ロンド:テンポ・ディ・メヌエット〉の第5番イ長調は、モーツァルト19歳の1775年12月20日の作品。2013年にウプサラのコンサート&議会ホール(Uppsala Konsert & Kongress)で録音されたこのアルバムには、モーツァルト真筆の5曲が収録されています。確かな技術と様式感をもったウプサラの音楽家たちと、即興の気分にあふれたスパルフのヴァイオリンが、モーツァルト青春時代のもっとも美しい果実を瑞々しく香らせます。ビョーン・イェーヴェルト Björn Gäfvert の担当するチェンバロの通奏低音を加えた演奏です。
 
価格 3,630円(税込価格)(本体価格 3,300円)

『シベリウス 交響曲全集』
Chandos CHAN10809 3CD’s classical 

 
ジャン・シベリウス(1865–1957)
 交響曲第1番 ホ短調 Op.39 交響曲第4番 イ短調 Op.63
 3つの後期の断片(ティモ・ヴィルタネン 校訂)
 (HUL1325, HUL1326/9, HUL1297/2)
 交響曲第2番 ニ長調 Op.43 交響曲第5番 変ホ長調 Op.82
 交響曲第3番 ハ長調 Op.52 交響曲第6番 ニ短調 Op.104
 交響曲第7番 ハ長調 Op.105
  BBCフィルハーモニック ヨン・ストゥールゴールズ(指揮)
 
録音 2012年9月5日(第3番)、10月23日(第6番)、24日(第7番)、2013年6月10日(第4番)、14日(第5番)、18日(第1番)、19日–20日(第2番)、12月11日(断片) メディアシティUK(サルフォード、イギリス)
制作 ブライアン・ピジョン、マイク・ジョージ
録音 スティーヴン・リンカー

 
ヨン・ストゥールゴールズ John Storgårds(1963–)はヘルシンキ生まれ。シベリウス・アカデミーでヴァイオリンを学び、アヴァンティ!室内管弦楽団をはじめとするオーケストラのヴァイオリン奏者を経験した後、アカデミーに戻りヨルマ・パヌラとエリ・クラスの下で指揮法を修めました。ラップランド室内管弦楽団の芸術監督、ヘルシンキ・フィルハーモニック管弦楽団の首席客演指揮者、タンペレ・フィルハーモニックの首席指揮者を経て、2008年からヘルシンキ・フィルハーモニックの首席指揮者の地位にあります。彼が2012年1月から首席客演指揮者を務めるBBCフィルハーモニックを指揮したシベリウスの交響曲全集には、7つの交響曲とともに、ヘルシンキ大学図書館所蔵のシベリウス後期(1930年から1957年)の手稿譜群に含まれる「断片」が3つ、演奏されています(“HUL” は“Helsinki University Library”の略)。この断片(演奏時間合計2分37秒)を手稿譜から写したのは、ヘルシンキ音楽院とシベリウス・アカデミーで音楽理論と音楽史を教え、Breitkopf & Härtel の出版プロジェクト、シベリウス作品全集(Jean Sibelius Werke)の編集長を2006年から務めるティモ・ヴィルタネン Timo Virtanen(1965–)です。彼が執筆したライナーノーツの最後の部分が「第8交響曲と3つの後期の断片」にあてられ、「第8交響曲の楽譜がない以上、この断片が(計画された)作品のものだったのかどうかは、知ることができない。一方で、1930年代からその後の時代にかけて第8交響曲以外の管弦楽作品が計画されていたということも知らない」と、シベリウスがアイノラの暖炉で楽譜を燃やしてしまったとされる「交響曲第8番」の「部分」の可能性も示唆しています。3枚のCDと52ページのブックレットを紙製のクラムシェル・ボックスに収めたセット。アデレード交響楽団をアルヴォ・ヴォルメルが指揮した演奏(ABC Classics 476 3943)とともに、フィンランド以外のオーケストラによるシベリウス交響曲全集の代表的録音に挙げられるでしょう。このアルバムの録音は、BBC の音響部門に所属し、近年は Proms のサウンド・スーパヴァイザーを務めるスティーヴン・リンカー Stephen Rinker が担当しました。いわゆる “Chandos Sound” とは異なる響きの録音です。
 
価格 4,730円(税込価格)(本体価格 4,300円)

『2つのクラリネット五重奏曲』
CAvi Music 8553300 classical  

 
ロベルト・フックス(1847–1927)
 クラリネット五重奏曲 変ホ長調 Op.102
ヨハネス・ブラームス (1833–1897)
 クラリネット五重奏曲 ロ短調 Op.115
  セバスチャン・マンツ(クラリネット)
  デンマーク弦楽四重奏団
   ルーネ・トンスゴー・サーアンセン(第1ヴァイオリン)
   フレゼリク・ウーラン(第2ヴァイオリン)
   アスビャアン・ヌアゴー(ヴィオラ)
   フレードリク・スコイエン・シェーリン(チェロ)
 
録音 2013年4月、5月 バイエルン放送(BR)ミュンヘン・スタジオ
制作 トルステン・シュライアー
録音 ペーター・ウルバン

 
ドイツのクラリネット奏者と同世代のデンマークの四重奏団の共演。クラリネットのセバスチャン・マンツ Sebastian Manz(1986–)は、ハノーファー生まれ。2008年にミュンヘンで行われた国際ARD音楽コンペティションで第1位、オーディエンス賞、特別賞を獲得し、2010年からシュトゥットガルト放送交響楽団(SWR)の首席クラリネット奏者を務めています。デンマーク弦楽四重奏団 Den Danske Strygekvartet/The Danish String Quartet は、コペンハーゲンの王立音楽アカデミーで教えるティム・フレゼリクセンが2001年に創設。2004年にデンマーク放送(DR)P2 の室内楽コンペティションで第1位に選ばれてからは、デンマーク各地のコンサートとフェスティヴァルに出演、2006年にはデンマーク放送のアーティスト・イン・レジデンスとしてカール・ニルセンの弦楽四重奏曲(dacapo 6.220521, 6.220522)を録音しています。ルーネ・トンスゴー・サーアンセン Rune Tonsgaard Sørensen(1983–)、コペンハーゲン・フィルハーモニック管弦楽団のコンサートマスターを務めるフレゼリク・ウーラン Frederik Øland(1984–)、アスビャアン・ヌアゴー Asbjørn Nørgaard(1984–)、2008年から加わったノルウェーのチェリスト、フレードリク・スコイエン・シェーリン Fredrik Schøyen Sjölin(1982–)がメンバーです。 
 
ロベルト・フックス Robert Fuchs(1847–1927)はオーストリアの作曲家、音楽教師。1875年からウィーン音楽院の音楽理論の教授を務め、マーラー、ヴォルフ、ツェムリンスキ、コルンゴルト、フィンランドのメラルティンとマデトヤをはじめとする音楽家たちを育てたことで知られます。1890年、ベルリンからウィーンに赴いたシベリウスも彼から私的にレッスンを受け、とりわけ作曲技法と技巧を重視したフックスからは学ぶことがあったといわれ、作曲に取り組み始めていた《クッレルヴォ》の第1楽章のスケッチをフックスに見せています(アンドルー・バーネット『Sibelius』 Yale University Press p.68)。このアルバムで演奏されるフックスのクラリネット五重奏曲は1917年の作品です。〈アレグロ・モルト・モデラート〉〈アレグロ・スケルツァンド〉〈アンダンテ・ソステヌート〉〈アレグレット・グラツィオーゾ〉の4楽章。マンツは、チェリストのゲオルク・オイエンを通じて2006年にこの曲に出会っています。「ロマンティシズムへのノスタルジックな想いを強く感じていた20世紀初頭の特定の作曲家にみられる類いの、もったいぶった、重苦しい、ブラームスの模倣でしかない曲かと思っていたら、実に良質な音楽なので、びっくりした……和声を中心に思いがけない贈り物のつまった……変化に富み、独創性にみちた」と、マンツは、この作品についてライナーノートで語っています。マンツとデンマーク弦楽四重奏団は2011年にこの作品への取り組みを始め、「ハイデルベルクの春」フェスティヴァルでブラームスの五重奏曲と合わせて演奏。「感情の面でも音楽の面でもすべてがうまくいった」(マンツ)ことを受け、CDのための録音が行われました。
 
デンマーク弦楽四重奏団にとっては、2012年にミュンヘンで録音したハイドンの《ひばり》とブラームスの四重奏曲第2番(8553264)につづく録音です。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『アド・アストラ』 
Alba ABCD 364 SACD hybrid (5.0 multichannel/stereo) contemporary/classical 

 
ヴィッレ・マトヴェイェフ(1986–)
 アド・アストラ(Ad Astra)(2008–09)
 チェロ協奏曲《交差点(Crossroads)》(2009)
 (ヘヴィスタイルのファンタジー)
ユッカ・リンコラ(1955–)
 ピアノ協奏曲第1番《仮面舞踏会(Naamiaiset)》(2011)
  トゥオマス・レヘト(チェロ) ヘンリ・ シーグフリードソン(ピアノ)
  トゥルク・フィルハーモニック管弦楽団
  ディーマ・スロボデニュク(指揮)
 
録音 2011年10月10日–11日(ピアノ協奏曲)、2012年5月10日–11日
制作・録音 マルック・ヴェイヨンスオ 

 
ヴィッレ・マトヴェイェフとユッカ・リンコラ。フィンランドの今の音楽シーンでもっとも多彩な活動をするふたりの作品集。マトヴェイェフ Ville Matvejeff はシベリウス・アカデミーとエスポー音楽学校に学び、指揮者、作曲家、ピアニストとして活躍しています。「作曲家」マトヴェイェフの名を一躍高めた作品が《アド・アストラ(星へ)》です。夜、赤い色の海に裸の若い女性が金色の髪をなびかせ、月を背に立っている。見つめているのは天の高み。フィンランドの画家アクセリ・ガッレン=カッレラの『アド・アストラ』の一作から受けた強い感情が、復活祭の真夜中のミサの「明るい光」のイメージと結びついた、「光と星へ向かう旅と復活」の音楽。ギリシア=ビザンティンの賛美歌《来たりて光を受けよ》に基づく主題が使われています。フィンランドの新聞「ヘルシンキ・サロマット」から「21世紀フィンランド管弦楽のヒット作」と讃えられたという作品です。
 
チェロ協奏曲はフィンランド放送交響楽団とフィンランド室内管弦楽団の共同委嘱により作曲されました。「チェロと管弦楽のための協奏的作品」という考えは、フィンランド放送交響楽団の首席奏者、友人のトゥオマス・レヘト Tuomas Lehto(1985–) の提案です。美しい「カンティレーナ」の楽器チェロ。フィンランドのヘヴィロック・チェロアンサンブル「アポカリプティカ」の音楽からヘヴィメタルの楽器として注目されるようになったチェロ。チェロという楽器の性格を「交差」させた作品は、フリートリヒ・グルダのチェロ協奏曲にみられる「ロックスタイル」の表現も意識していると言われます。一楽章の「ヘヴィスタイルのファンタジー」。「音楽は、大きな弧を描きながら自由に呼吸する。その間、チェロは、暗く、ややメランコリックな世界を彷徨する」。この協奏曲は、2009年秋、ラッペーンランタ市管弦楽団により初演され、2010年上海国際博覧会(EXPO2010)でフィンランド国立バレエの音楽に使われました。
 
リンコラ Jukka Linkola は、ジャズピアニストからキャリアをスタートさせ、管弦楽曲、合唱曲、オペラ、ジャズ作品と、広いジャンルに作品を発表してきました。独奏楽器とオーケストラのための協奏曲は、彼の作品リストの中でもっとも重要な位置を占め、トランペット、ユーフォニアム、テューバをはじめとする12の作品がこれまでに作曲されています。ピアノ協奏曲第1番はトゥルク・フィルハーモニックの委嘱作です。「急流を見下ろす河岸高く、古い、荒れ果てているようにも見える城が立っている。城が姿を現してから歳月が経つが、それがいつだったか、誰も思い出せない……この城の住人は常に裕福だった。今の主も金をもっているが、身なりは質素だ。何につけ、城下にあるかなり大きな町の住人と同じ生活を送ろうとしている。主と夫人は宴が好きだ。秋の夕べ、仮面舞踏会が盛大に開催されることになった。夜空は澄み、秋色が輝く。町の名士たちとともに、さまざまの芸術家、船乗り、腕の立つ職人といった、ごく普通の人たちも招かれた……」。協奏曲は、この仮面舞踏会をインスピレーションに作曲されました。〈城の夕べ〉〈ヴォードヴィルと悲しい道化〉〈河の鏡〉〈老船乗りと踊るマリオネット〉〈舞踏会〉の5楽章。「歌う旋律の主題、きらきら輝くテクスチュアのピアノ、打ちつけるリズム」。演奏時間42分のこの協奏曲には、作品が完成するまでの5年間にリンコラが手がけた4つのオペラと2つのミュージカルの音楽が、そのまま反映していると言います。ピアノソロを担当するヘンリ・ シーグフリードソン Henri Sigfridsson(1974–) は、フィランドの彼の世代を代表するピアニストのひとり。ラフマニノフの第2番と第3番の協奏曲とシベリウスの管弦楽曲のピアノトランスクリプション集を hänssler CLASSIC に録音しています。
 
このディスクに収録された3曲はすべて初録音です。トゥルク・フィルハーモニックを指揮するスロボデニュク Dima Slobodeniouk はモスクワ生まれ。フィンランドに移りシベリウス・アカデミーでアトソ・アルミラ、セーゲルスタム、パヌラをはじめとする指揮者に学び、2005年から2008年までオウル交響楽団の芸術監督を務めました。
 
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)

『3つのトランペット協奏曲』
Danacord DACOCD 742 classical  

 
ヨーゼフ・ハイドン(1732–1809)
 トランペット協奏曲 変ホ長調 Hob.VIIe/1
ヨハン・ネーポムク・フンメル(1778–1837)
 トランペット協奏曲 変ホ長調 S.49(1803)
ヨハン・バプティスト・ゲオルク・ネルダ(1706–1780)
 トランペット協奏曲 変ホ長調(c.1770)
  ケティル・クリステンセン(トランペット)
  リエパーヤ交響楽団アンバーサウンド・オーケストラ
  アトヴァルス・ラクスティーガラ(指揮)
 
録音 2012年5月29日–31日 リガ放送(リガ、ラトビア)
録音 ノルムンズ・スラーヴァ
マスタリング ハンス・ニルセン

 
デンマークのトランペット奏者、コペンハーゲンの王立オペラで演奏する王立デンマーク管弦楽団 Det Kongelige Kapel の首席を務めるケティル・クリステンセン Ketil Christensen(1952–) がトランペット協奏曲のアルバムを録音しました。ヨーゼフ・ハイドン、フンメル、ネルダ。トランペットのスタンダード・レパートリー3曲です。クリステンセンは、王立デンマーク音楽アカデミーでクアト・ペーザセンとオーレ・アナセンに学び、パリ、ロンドン、ニューヨークに留学しました。オーゼンセ交響楽団で短期間演奏した後、1972年に王立デンマーク管弦楽団の第2ソロ・トランペット奏者に就任し、1982年から現在のポストを務めています。1981年からコペンハーゲンのコレギウム・ムジクムのメンバー。共同で創設した王立デンマーク・ブラスアンサンブルで1978年から1989年まで演奏し、1989年からトランペット奏者のラース・オーレ・スミット(シュミット)をパートナーとするコンサートシリーズを続けています。クリステンセンと共演するのは、ラトビアのリエパーヤ交響楽団アンバーサウンド・オーケストラです。1881年にバルト・フィルハーモニックとして創設された、バルト三国最古のオーケストラです。指揮者のアトヴァルス・ラクスティーガラ Atvars Lakstigala は、ラトビア音楽アカデミーで金管楽器を学び、1997年から2010年までラトビア国立オペラでホルンを演奏し、現在は指揮者として活動しています。国立オペラの2010/2011年のシーズンに《トラヴィアータ》《マクベス》《エフゲニ・オネーギン》とバレエ《眠りの森の美女》を指揮し、オペラの90周年を祝うコンサートでは急病のマリス・ヤンソンスの代役を務めました。2010年からリエパーヤ交響楽団アンバーサウンド・オーケストラの首席指揮者と芸術リーダーを務め、その業績に対して、ラトビア最高の栄誉とされる2010年 “The Great Music Award” を受賞しています。トランペットとオーケストラの共演が瑞々しく美しいアルバムです。
 
価格 2,695円(税込価格)(本体価格 2,450円)

『優しきフランス(Douce France)』
naïve V 5343 2CD's classical 

 
『優しきフランス(Douce France)』
[CD1] 「歌曲」
レイナルド・アーン(1875–1947)
 いみじき時(L’heure exquise) もっとも美しき今(Le plus beau présent)
カミーユ・サン=サーンス(1835–1921)
 月の光(Claire de lune)
 私に何も言うことがないのなら(Si vous n’avez rien à me dire)
 行け、行け、船よ(Vogue, vogue la galère) *
レイナルド・アーン(1875–1947)
 離れ家に閉じ込められたとき(Quand je fus pris au pavillon)
 私はくちづけをしたから(Puisque j’ai mis ma lèvre)
 田舎の墓地(Cimetière de campagne)
ガブリエル・フォーレ(1845–1924)
 秘めごと(Le secret) Op.23–3
モーリス・ラヴェル(1875–1937)
 スピネットを歌うアンヌへの(D’Anne jouant de l’espinette)
 愛に死せる王女のためのバラード(Ballade de la reine morte d’aimer)
クロード・ドビュッシー(1862–1918)
 ビリティスの3つの歌(Trois chansons de Bilitis)
チャールズ・マーティン・レフラー(1861–1935)
 4つの詩(4 Poems) Op.5 – ひびわれた鐘(La cloche fêlée) **
 セレナード(Sérénade) **
カミーユ・サン=サーンス(1835–1921)
 死の舞踏(Danse macabre) **
  アンネ=ソフィ・フォン・オッター(メゾソプラノ)
  ベンクト・フォシュベリ(ピアノ)
  ビョーン・イェーヴェット(ハルモニウム)*
  アントワーヌ・タムスティ(ヴィオラ)**
[CD2] 「シャンソン」
バルバラ(1930–1997)
 ゲッティンゲン(Göttengen)
ノルベルト・グランツベルク(1910–2001)
 パダム・パダム(Padam padam)
レオ・フェレ(1916–1993)
 サン=ジェルマン=デ=プレ(Á Saint-Germain-des-Prés)
バルバラ(1930–1997)
 なんて美しい季節(9月)(Quel joli temps(Septembre))
フランシス・ルマルク(1917–2002)
 パリで(Á Paris)
マノス・ハジダキス(1925–1994)
 若い郵便屋さん(Le facteur)
ミシェル・ルグラン(1932–)
 ロシュフォールの恋人たち(Les Demoiselles de Rochefort)
  – 双子姉妹の歌(Chanson des jumeilles)
  君なしで生きていく(Je vivrai sans toi)
ジョゼフ・コスマ(1905–1969)
 枯葉(Les feuilles mortes)
レオ・ショーリアック(1913–1977)/シャルル・トレネ(1913–2001)
 優しきフランス(Douce France)
シャルル・トレネ(1913–2001)
 ブン!(Boum!)
レオ・フェレ(1916–1993)
 ミラボー橋(Le Pont Mirabeau)
ジョルジュ・ムスタキ(1934–2013)
 タンドル国の地図(La carte du Tendre)
レイナルド・アーン(1875–1947)
 秋の歌(Chanson de l’automne)
ルイギ(1916–1991)/マルグリート・モノ(1903–1961)
 バラ色の人生(La vi)e en rose)
レオ・ショーリアック(1913–1977)/シャルル・トレネ(1913–2001)
 残されし恋には(Que reste-t-il de nos amours?)
ジャン・ルノワール(1891–1976)
 聞かせてよ愛の言葉を(Parlez-moi d’amour)
  アンネ=ソフィ・フォン・オッター(メゾソプラノ)
  ペール・エークダール(バーカッション) カール・バッゲ(ピアノ)
  ベンクト・フォシュベリ(ピアノ) マッツ・ベリストレム(ギター)
  ウッレ・リンデル(ベース) ベンガン・ヤンソン(アコーディオン)
  マルガレータ・ベンクトソン(ヴォーカル、ハープ)
  ペール・グレバッケン
  (クラリネット、バスクラリネット、アルトサックス)
  カール・ウーランデション(トランペット)
  マグヌス・ヴィークルンド(トロンボーン)
  ウルフ・フォシュベリ(ヴァイオリン)
  アンデシュ・ヤコブソン(ヴァイオリン)
  マーリン・ブルーマン(ヴィオラ) カティ・ライティネン(チェロ)
 
編曲 ペール・エークダール、カール・バッゲ、ベンガン・ヤンソン、マルガレータ・ベンクトソン
録音 2013年2月 ベールヴァルド・ホール(ストックホルム)(CD1)、2013年5月 アトランティス・スタジオ(ストックホルム)(CD2)
制作 ジャン=ピエール・ロワジル(CD1)、ペール・エークダール、アンネ=ソフィ・フォン・オッター(CD2)
録音 トマス・ダッペロ(CD1)、ヤンネ・ハンソン(CD2)

 
スウェーデンのメゾソプラノ、フォン・オッター Anne-Sofie von Otter が「私と同じ哲学をもっている」と契約したフランスのレーベル naïve。ブラッド・メルドーとのデュオアルバム『愛の歌(Love Songs)』(V 5241) につづいて録音した『優しきフランス』は「フランスの歌に捧げるオマージュ」として企画されました。ディスク2枚のアルバム。最初のディスクは、レイナルド・アーンの歌曲集《灰色の歌》の〈いみじき時〉に始まり、サン=サーンス、フォーレ、ラヴェルの歌曲、ドビュッシーの《ビリティスの3つの歌》、アメリカの作曲家レフラーのフランス語の詩による歌曲が歌われ、次のディスクでは、バルバラ、ルマルク、ハジダキス、ムスタキたち、20世紀フランスのシャンソンが歌われます。レオ・フェレの《ミラボー橋》、イヴ・モンタンの歌で知られるジョゼフ・コスマの《枯葉》、エディット・ピアフが歌ったグランツベルクの《パダム・パダム》、シャルル・トレネの《ブン!》、ルイギとマルグリート・モノの書いた《バラ色の人生》、いずれもシャンソンのスタンダードナンバーです。『シェルブールの雨傘』につづいてミシェル・ルグランがジャック・ドミと共同作業したミュージカル映画『ロシュフォールの恋人たち』の2曲もプログラムに組まれ、映画でフランソワーズ・ドルレアックとカトリーヌ・ドヌーヴの姉妹が歌った〈双子姉妹の歌〉は、リアル・グループで歌っていたヴォーカリスト、マルガレータ・ベンクトソン Margareta Bengtson がフォン・オッターとデュオで歌います。ピアニストのベンクト・フォシュベリ Bengt Forsberg、ギタリストのマッツ・ベリストレム Mats Bergström、パーカッション奏者のペール・エークダール Per Ekdahl をはじめとする、フォン・オッターの音楽を愛するミュージシャンたちが共演。シャンソンの録音は、ストックホルムの「伝説的スタジオ」、ABBAやエルヴィス・コステロも使ったアトランティス・スタジオでセッションが行われました。「芸術歌曲もシャンソンも歌の性格をみれば、ひとつのファミリー」(フォン・オッター)。ゆたかな感受性、テクストの知的な解釈、フランス語の美しいディクション。かつてバルバラ、レオ・フェレ、トレネが歌ったシャンソンは、ノスタルジックな想いに誘うとともに「今の歌」として新しい衣装をまとっています。フランスの魂とも言うべき歌の遺産をフォン・オッターがひとつひとつ、慈しみながら歌う素敵なアルバムです。
 
[廃盤]

『ラ・ボエーム』
Electric Picture EPC 02BD (Blu-ray video) classical 

 
ジャコモ・プッチーニ (1858–1924)
 歌劇《ラ・ボエーム(La Bohème)》
  ディエゴ・トッレ(テノール、ロドルフォ)
  マリータ・ソルベルグ(ソプラノ、ミミ)
  ヴァシーリー・ラデューク(バリトン、マルチェッロ)
  ジェニファー・ロウリー(ソプラノ、ムゼッタ)
  ジョヴァンニ・バッティスタ・パローディ(バス、コッリーネ)
  エスペン・ラングヴィーク(バリトン、ショナール)
  スヴァイン・エーリク・サーグブローテン
  (テノール、ブノワ、 アルチンドロ、パルピニョル、鼓士長、門番、死)
  ノルウェー国立オペラ管弦楽団・合唱団・少年少女合唱団
  アイヴィン・グッルベルグ・イェンセン(指揮)
 
演出 ステファン・ヘールハイム
収録 2012年1月31日、2月4日 オスロ・オペラハウス(ライヴ)
 
[ドキュメンタリー 出演者インタビュー]
[Blu-ray: 1080i Full HD 16:9 Color Region All (ABC) 127min(ドキュメンタリー部含む) LPCM2.0/DTS-HD MA 5.1 字幕:英、独、仏、西、伊]

   
ノルウェーのアーティストふたり、ステファン・ヘールハイム Stefan Herheim (1970–) の演出、アイヴィン・グッルベルグ・イェンセン Eivind Gullberg Jensen (1972–) の指揮によるノルウェー国立オペラの新しいプロダクション。「演出を担当したステファン・ヘールハイムは、豊かな知性とみごとな劇場感覚により、ノルウェー国立オペラが過去に上演した伝統的舞台の《ラ・ボエーム》を解体し、理にかなった別の手を使って、古いものと新しいものを織り交ぜた作品に創造した。がんに冒されたミミの死から始まり、 オペラは、事実を認めることを拒むロドルフォのシュールで、心を揺さぶる物語に変更された」(「ニューヨーク・タイムズ」ザカリー・ウールフ)。ヘールハイムの演出は、ブノワ、アルチンドロ、パルピニョル、鼓士長、門番を歌うテノールのスヴァイン・エーリク・サーグブローテン Svein Erik Sagbråten に全幕を通じて「死」を演じさせ、このプロダクションのテーマを明確に示します。 ひとつの完成形といわれるミラノ・スカラ座のフランコ・ゼッフィレッリ演出とは違った「思考」による《ラ・ボエーム》。メキシコ出身のテノール、ディエゴ・トッレ Diego Torre、 ノルウェーのマリータ・ソルベルグ Marita Sølberg、ボリショイ劇場のソロバリトン、ヴァシーリー・ラデューク Vasily Ladjuk、アメリカのジェニファー・ロウリー Jennifer Rowley をはじめとする歌手、「群衆」の合唱と「子供たち」の児童合唱。プッチーニの和声、カンタービレ、オーケストレーションを的確に把握し、「イタリアオペラ」の音楽を内面的な、美しい姿に示す、指揮のグッルベルグ・イェンセン。プッチーニの音楽と「ボヘミアン」に共感を寄せるオーケストラのプレーヤーたち。ニューヨーク・タイムズの言う「心を揺さぶる」は、演出、歌、演奏のすべてについて語っているのでしょう。王立デンマーク・オペラが上演したワーグナーの《ニーベルングの指輪》、いわゆる『コペンハーゲン・リング』とともに、北欧のオペラハウスの「音楽」と「芸術」を示す最良のディスク。「ニューヨーク・タイムズ」の「2012年最優秀クラシカル・レコーディング」の一枚に選ばれました。
 
現在お取り扱いできません)

『昔(Autrefois)』
Alba ABCD 350 contemporary/classical 

 
パーヴォ・ヘイニネン(1938–)
 フルート協奏曲 《昔(Autrefois)》(2008/10)
カール・ニルセン(1865–1931)
 フルート協奏曲 FS119(1926)
 アレグレット、ウン・ポコ(Allegretto, un poco)(1926)
 (フルート協奏曲 第2楽章、オリジナル版)
  ミカエル・ヘラスヴオ(フルート)
  サイマー・シンフォニエッタ ティボル・ボガーニ(指揮)
 
録音 2011年8月16日–18日 カレリア・ホール(イマントラ、フィンランド)
制作 ヴィーヴェ・マエメツ
録音 エンノ・マエメツ

 
パーヴォ・ヘイニネン Paavo Heininen(1938–) はエーリク・ベリマンやウスコ・メリライネンとともにフィンランド音楽を代表するモダニストと言われてきました。1958年の作品、十二音技法による表現主義の交響曲第1番がオーケストラの演奏拒否に遭い、全曲初演されなかったことは、フィンランド音楽史に残るスキャンダルとして語られます。しかし、みずからの音楽に必要と考えれば決して妥協しないという気概をもったヘイニネンは、数多くの輝かしい作品を生みつづけきました。室内アンサンブルのための《夏の音楽(Musique d'été)》、ヴァイオリンソナタ、交響曲第3番、3つのピアノ曲と弦楽四重奏曲第1番から構成される Op.32、《ナイフ(Veitsi)》と日本の能に題材を求めた《綾の鼓(Silkkirumpu/The Damask Drum)》の2つのオペラなど、いずれも20世紀フィンランド音楽に欠かせない作品です。ヘイニネンが作曲を学んだアーレ・メリカントの《交響的習作(Symphonic Study)》と弦楽六重奏曲を補筆完成させたことも、大きな業績とみなされています。
 
フルート協奏曲《昔》は、 フィンランドでもっとも大きな湖、フィンランド南東部のサイマー湖畔にあるラッペーンランタ市のオーケストラ、サイマー・シンフォニエッタ Saimaa Sinfonietta の委嘱により作曲されました。ヘイニネンは副題について、「子供のころシベリウスの《昔むかし(Autrefois》を初めて聴いた時、その作品と曲名がずっと印象に残っていた」と語り、フィンランド語の別名として《Haikeus II(悲しい II)》を考えていたことを明かします。「イギリス人ならダウランドのことが頭をよぎるかもしれない」。〈スケルツォとエレジー(Scherzo et Elegia)〉〈ソナタ(Sonata)〉〈子守歌とデュオニソス賛歌(Berceuse et Dithyrambos)〉の3楽章。《昔》の音楽は、ヘイニネンの他の作品とかなり異なり、協和音、半音階は薬味程度、全音階の優位な旋律、複雑にならないリズムで、親しみやすく素朴に書かれています。自由に音楽を奏でるフルート、節約しながらも色彩のパレットを自在に使ったオーケストレーションのオーケストラ。美しい、情感のある音楽は、フィンランド・デザインの洗練に通じます。ミカエル・ヘラスヴオ Mikael Helasvuo(1948–) のフルート、ティボル・ボガーニ Tibor Bogányi 指揮サイマー・シンフォニエッタ。2010年9月30日、ラッペーンランタのホールで初演されました。
 
カール・ニルセン Carl Nielsen(1865–1931) のフルート協奏曲は、コペンハーゲン木管五重奏団のホルガー・ギルバト=イェスパセン(1890–1975) に捧げられた高雅でユーモアのある作品です。「アレグロ・モデラート」の第1楽章、「アレグレット、ウン・ポコ』の第2楽章。このアルバムには、ニルセンが終結部を付け加えた、現在一般に演奏される版とは別に、1926年10月21日、パリのサル・ガヴォーで行われたカール・ニルセン・コンサートで初演された際のオリジナル版の第2楽章も合わせて収録されました。オリジナル版はこれが初録音です。ニルセンとこのフルート協奏曲についてヘイニネンが楽しそうに語る一文が英訳でブックレットに掲載されています。
 
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)

『ムンク組曲(Munch Suite)』
Simax PSC 1322 contemporary/classical 

 
『ムンク組曲(Munch Suite)』
ファビアン・ミュラー(1964-)
 ムンクの夢(トラウマ)(Munch’s Traum(a))(『女(The Woman)』)
アーロン・ジェイ・カーニス(1960-)
 生命の踊り(A Dance of Life)(『 生命の踊り(The Dance of Life)』)  
ピーター・シーボーン(1960-)
 出会い(Meeting)(『 出会い(The Meeting)』)
マルクス・パウス(1979-)
 橋の上の女性たち(The Ladies on the Bridge)
 (『橋の上の女性たち (The Ladies on the Bridge)』)
ストーレ・クライベルグ(1958-)
 灰(Ashes)(『 灰(Ashes)』)
オンジェイ・クカル(1964-)
 夕べのひととき(Aftenstund)(『 夕べ(Evening)』)
ナジ・ハキム(1955-)
 『海辺の若者たち』による幻想曲
 (Fantasia over “Unge mennesker på stranden”)
 (『海辺の若者たち(Young People on the Beach)』)
アリッサ・フィルソヴァ(1986-)
 海の月明かり(Moonlight over the Sea)
 (『海辺の月明かり(Moonlight on the Beach )』)
ロルフ・マッティンソン(1956-)
 景色(Landscape)(『 海辺(Beach)』)
ゲイブリエル・カヘイン(1981-)
 エチュード:コバルト治療(Étude: Cobalt Cure)
 (『水浴する女と子供たち(Bathing Woman and Children)』)
アナスタシア・ツァノウ(1971-)
 海の眺望(Blick auf das Meer)
 (『浜辺にいる二人の女 (Two Women on the Shore)』)
ダニエル・ネルソン(1965-)
 海辺の男と女(Man and Woman on the Beach)
 (『海辺の男と女(Man and Woman on the Beach)』)
マリア・コーヴァル
 ふたり。孤独な者(Two People. The Lonely)
 (『人間ふたり。孤独な人たち(Two Human Beings. The Lonely Ones)』)
オラヴ・アントン・トンメセン(1946-)
 月明かりの海辺の接吻(Kiss on the Beach in Moonlight)
 (『浜辺の接吻/月明かりの接吻(Kiss on the Shore by Moonlight)』)
ローラン・プティジラール(1950-)
 海辺の木々(Trees on the Beach)
 (『海辺の木々(Trees by the Beach)』) 
  ヘンニング・クラッゲルード(ヴァイオリン)
 
録音 2012年12月21日-23日 レインボー・スタジオ(オスロ)
制作 ショーン・ルイス
録音 ヤン・エーリク・コングスハウグ

 
 2013年はエドヴァルド・ムンク Edvard Munch(1863-1944) の生誕150周年にあたります。その記念の年、ヴァイオリニストのヘンニング・クラッゲルード Henning Kraggerud(1973-) がユニークなアルバムをリリースします。『ムンク組曲』。10カ国、15人の作曲家がムンクの絵画15点からインスピレーションを得て作曲したヴァイオリン・ソロのための小品を「組曲」としてまとめた作品です。
 
この企画は、ヴェストフォル県に1991年に創設されたヴェストフォル音楽祭 Vestfoldfestspillene のディレクター、スヴェン・エーリクセン Sven Eriksen の発案によるものです。オスロ・フィヨルドに面したヴェストフォルはムンクと縁が深く、オースゴールストランの町は、ムンクがたびたび訪れ、その景観が彼にインスピレーションを与え、また、作品の背景となったところです。エーリクセンは、トンスベルグにあるハウガル・ヴェストフォル美術館で2010年に『愛の岸辺(Kærlighetens strand)』と題したムンク展が開催されることを知り、ムンクの作品を音楽と結びつけることを考えました。ムンクの絵画に基づく音楽のコンサートを美術館で行う。美術館のスペースは限られており、ヴァイオリンのソロによるコンサートがよさそうだ。エーリクソンからアイデアを聞かされたクラッゲルードが興味を示し、プロジェクトがスタートしました。
 
スイスのファビアン・ミュラー Fabian Müller、アメリカのアーロン・ジェイ・カーニス Aaron Jay Kenis、イギリスのピーター・シーボーン Peter Seabourne、ノルウェーのマルクス・パウス Marcus Paus、フランスのローラン・プティジラール Lauent Pethitgirard……。ムンクの絵画に自由に想像をめぐらせ、ムンクを生んだノルウェーの優れた音楽家のための作品を作る。委嘱を打診された15人の作曲家からは「熱い」返事が寄せられたといいます。2010年6月5日、ムンクの絵が展示された美術館の一室に60席が設けられ、クラッゲルードが1744年製ガルネリ・デル・ジェスを弾いて『ムンク組曲』を初演しました。
 
その後も『ムンク組曲』は、オスロの国立美術館でのコンサートをはじめ、さまざまな機会に演奏されてきました。ホールのコンサートは、プロジェクターで映し出されたムンクの絵を背にクラッゲルードが演奏するスタイルで行われます。この Simax のアルバムは、210×152×42ミリの大きさの黒マット仕上げの紙パッケージに、ムンクの絵を表に、作曲者と作品の紹介を裏に印刷したポストカードが15枚、CDと一緒に収められ、『ムンク組曲』コンサートを自宅で疑似体験できるよう工夫されています。
 
アルバムの録音セッションは、2012年の12月、オスロのレインボー・スタジオで行われました。ショーン・ルイス Sean Lewis がプロデュースと編集にあたり、クラッゲルードが信頼を寄せるヤン・エーリク・コングスハウグ Jan Erik Kongshaug がバランス・エンジニアリングを担当しました。
 アルバム『ムンク組曲』は、ネット配信はなく、CDアルバムとして限定リリースされます。ノルウェーを代表する芸術家のひとり、クラッゲルードのディスコグラフィを栄誉とともに美しく飾るアルバムの誕生です。
 
価格 2,695円(税込価格)(本体価格 2,450円)

『深き淵より(De Profundis)』
BIS SACD 2053 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) contemporary/classical 

 
『深き淵より(De Profundis)』
エストニアの賛美歌(グンナル・イーデンスタム(1961–) 編曲)
 おおキリストよ、汝は光なり(Oh Kristus valgus oled sa)
 (男声合唱とオルガンのための)
キリルス・クレーク(1889–1962)
 ダヴィデの詩編137番(Taaveti laul nr.137)
ルネ・エースペレ(1955–)
 栄化(Glorificatio)(ソプラノ、男声合唱とオルガンのための)*
アンドレス・レムバ(1968–)
 グローリア(Gloria)
アウグスト・セーデルマン(1832–1876)(エイナル・ラルフ(1888–1971) 編曲)
 キリエ(Kyrie) * ドミネ(Domine)
スヴェン=ダーヴィド・サンドストレム(1942–)
 サンクトゥス(Sanctus)
ジェルジュ・オルバーン(1947–)
 忍び寄る悪魔(Daemon irrepit callidus)
エドヴァルド・グリーグ(1843–1907)
 アヴェ・マリス・ステッラ(Ave Maris Stella)
ニルス=エーリク・フォウグステット(1910–1961)
 夜のマドンナ(Nattlig Madonna)
フランツ・クサヴァー・ビーブル(1906–2001)
 アヴェ・マリア(主の天使)(Ave Maria(Angelus Domini))
 (7部の男声合唱のための)**
ダリユス・ミヨー(1892–1974)
 詩編121番(Psaume 121)
ジョアッキーノ・ロッシーニ(1792–1868)
 祈り(Preghiera)
ボブ・チルコット(1955–)
 ニュートンの『アメージング・グレース』(Newton’s Amazing Grace)
ジャン・ラングレ(1907–1991)
 詩編150番「主を賛美せよ」(Psalm 150 “Praise the Lord“) W.57
 (3人の男声(TTB) とオルガンのための)
アルヴォ・ペルト(1935–)
 深き淵より(De Profundis)
 (男声合唱、オルガンと打楽器(任意)のための)†
  オルフェイ・ドレンガル男声合唱団
  セシーリア・リューディンゲル・アリーン(指揮)
  アンドリュー・カニング(オルガン) エリーン・ロムブー(ソプラノ)*
  ウッレ・エングルンド(テノール)** エーリク・ハートマン(バス)**
  マグヌス・エイナション(打楽器)†
 
録音 2013年2月 ベーリンゲ教会(ウプサラ、スウェーデン)
制作・録音 エリーサベト・シェムペル

 
北欧でもっとも古い大学のあるスウェーデンの都市ウプサラ。1853年、この街に男声合唱団のオルフェイ・ドレンガル(OD)が結成され、160年が経ちました。作曲家として知られるアルヴェーン、合唱指揮者のエーリク・エーリクソンとロベルト・スンドの後、2008年からセシーリア・リューディンゲル・アリーン Cecilia Rydinger Alin(1961–) が芸術監督を務め、20歳から55歳まで、約80名の歌手が集まった「ヴォーカル・シンフォニー」は、「オルフェウスの僕(しもべ)たち」として、さらなる深みを目指した活動を続けています。
 
ODのコンサートでは、「カプリース」に代表される愉しいステージとともに、宗教作品もプログラムに取り上げられます。『深き淵より』は、彼らの宗教作品のレパートリーから16曲を選び、「一夜のコンサート」のスタイルに制作したアルバムです。プログラムは、オルガニストのイーデンスタム Gunnar Idenstam が編曲したエストニアの賛美歌に始まり、クレーク Cyrillus Kreek、エースペレ René Eespere、レムバ Andres Lemba と、エストニアの作曲家の美しい作品、躍動する作品がつづいて歌われます。後期ロマンティズム時代スウェーデンのセーデルマン August Söderman のラテン語のミサ曲から2曲。国際的に人気が高く、スウェーデンでもっとも多作の作曲家とされるスヴェン=ダーヴィド・サンドストレム Sven-David Sandström は、近年、バッハの伝統に倣った一連の宗教作品を発表しています。《サンクトゥス》は、ODとリューディンゲル・アリーンのために作曲され、彼らの国内と海外のツアーの曲として定着しました。
 
ルーマニア生まれ、ハンガリーのジェルジュ・オルバーン Geörgy Orbán の《忍び寄る悪魔》は、中世の賛美歌がテクスト。ノルウェーのグリーグは、豊かなハーモニーの優美な音楽で聖母マリアを讃えます。31歳で亡くなったエーディト・セーデルグランの詩を同じフィンランドのフォウグステット Nils-Eric Fougstedt が合唱曲にした《夜のマドンナ》では、聖母マリアと御子イエスの最初のクリスマスの情景が描かれます。フランツ・クサヴァー・ビーブル Franz Xaver Biebl の《アヴェ・マリア》は、バスとテノールのソロをともなう男声合唱が歌う、天使の受胎告知と聖母マリアへの祈り。美しい和声進行の音楽です。
 
「主の家に行こう、と人々が言ったとき、わたしはうれしかった」(詩編122番・新共同訳による)をテクストとするミヨーの曲。ロッシーニ《祈り》はイタリア語による、室内楽の雰囲気をもった作品です。「聖所で 神を賛美せよ……息あるものはこぞって 主を賛美せよ」(新共同訳)。この詩編150番をフランスのオルガニストで作曲家のラングレ Jean Langlais はオルガンをともなう内省的な歌に作りました。イギリスの作曲家チルコット Bob Chilcott の《ニュートンの『アメージング・グレース』》は、南米ガイアナの詩人ジョン・アガード John Agard(1949–) がジョン・ニュートン作詞の《アメージング・グレース》に触発されて書いた詩に曲を書いた2節を《アメージング・グレース》とひとつにした作品です。カナダの男声合唱団コール・レオーニとODが共同委嘱し、ODとリューディンゲル・アリーンに献呈されました
 
「深い淵の底から、主よ、あなたを呼びます」(新共同訳)。さまざまな作曲家にインスピレーションを与えた「詩編130番」をペルトが男声合唱のために書いた作品を歌い、プログラムを閉じます。
 
アルバムの録音セッションは、ウプサラのベーリンゲ教会で行われました。DSD録音。中世に建立され、改修を重ねながらも昔日の面影を残す教会の雰囲気を伝えます。
 
このプログラムでとりわけ美しい2曲、エースペレの《栄化》はエストニア国立男声合唱団(Christophorus CHR77233)、ビーブルの《アヴェ・マリア》はスヴァンホルム・シンガーズ(Svanholm Singers SvS1) の録音がありました。ビーブルの曲は、オリジナルの男声合唱曲の他、作曲者自身が編曲した混声合唱と女声合唱の版があり、今世紀になってからウィンドアンサンブルやオーケストラのための編曲も行われたといいます。ODの録音が加わったことは、両曲が「合唱ファン」の愛好曲にとどまらずジャンルを超えて聴かれる、いい機会になりそうです。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『ピーターと狼・テューバのタビー』
Grong Musikkproduksjon GMP 1222 classical 

 
セルゲイ・プロコフィエフ(1891–1953)
 ピーターと狼(Peter og ulven) Op.67
ジョージ・クラインシンガー(1914–1982)
 テューバのタビー(Tubaen Tubby/Tubby the Tuba)
  ホーコン・ヴェストリ(ナレーション)
  オイヴィン・グロング(テューバ) スタヴァンゲル交響楽団
 
[ナレーション:ノルウェー語]
 
制作 オイヴィン・グロング
録音・ミクシング ・マスタリング アスゲイル・グロング

 
スタヴァンゲルはノルウェー第4の都市。北海油田の基地として知られます。スタヴァンゲル交響楽団は、1938年、1880年代から活動する管弦楽協会をベースに創設されました。1990年代にはドミトリーエフとブリュッヘンのふたりを芸術監督に迎え、今日ではオスロとベルゲンのフィルハーモニック、トロンハイムの交響楽団とともにノルウェーを代表するオーケトラに成長しました。2Lレーベルを主宰するモッテン・リンドベルグが録音を担当したドミトリーエフ指揮のドビュッシーとラヴェルの管弦楽作品集(Victoria VCD 19081)(1993年録音)をはじめ、CD録音も多く、ドミトリーエフとルードの指揮でBISレーベルに録音したノルウェーの作曲家セーヴェルーの交響曲シリーズは国際的にも高い評価を受けました。現在はファビオ・ビオンディとスティーヴン・スローンが芸術監督を務め、2013年秋のシーズンからはベネズエラの若い指揮者クリスチャン・バスケスがスローンに代わり就任することが決まっています。
 
プロコフィエフの《ピーターと狼》とアメリカの作曲家ジョージ・クラインシンガー George Kleinsinger(1914–1982)の《テューバのタビー》は、スタヴァンゲル交響楽団が積極的に行っている子供と家族のためのコンサートの曲目。《テューバのタビー》は、1941年、真珠湾攻撃から1週間経ったころ、ポール・トリップとジョージ・クラインシンガーの音楽作品が演奏されたコンサートの後、テューバ奏者のひとことから生まれた作品です。「テューバも歌えるんだよ(You know, tubas can sing, too)」。その晩、トリップがストーリーを作り、後日、クラインシンガーがナレーションつきの「音楽物語」に完成させました。この作品は、第二次世界大戦後、たちまち人気を集め、30ヵ国以上の言語による版が作られました。オーケストラのさまざまな楽器をクロースアップして紹介するスタイルが、ブリテンの《青少年のための管弦楽入門》を思わせる作品です。オイヴィン・グロング Øyving Grong がオーケストラの管楽器奏者たちと一緒に自慢げに、楽しそうにテューバを演奏。1977年からソロ・クラリネット奏者を務めるホーコン・ヴェストリ Håkon Vestly(1957–)が、ふたつの音楽物語のナレーションを担当しました。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『最後の春(Last Spring)』
ACT ACT 9526-2 jazz 

 
『最後の春(Last Spring)』
 ブローマン(Blåmann)(Anne Haavie)
 夕べに(Om Kvelden)(Traditional)
 マルギット・ユクセ(Margit Hjukse)(Traditional)
 ステーヴの調べ(Stevtone)(Traditional)
 Hei hu(Traditional)
 寝過ごしてしまった(Jeg lagde meg så silde)(Traditional)
 百合(Lilja)(Øyonn Groven Myhren)
 最後の春(Last Spring)(Edvard Grieg)
 子守歌(Byssan lull)(ビュッサン・リュル)
 最初の歌(Den fyrste song)(Lars Søraas, Sr.)
 イェンディーネの子守歌(Gjendines Bådnlåt)(Traditional)
 マリアはいばらの茂みを行く(Maria durch ein Dornwald ging)(Traditional)
 セーテルの娘の日曜日(Sæterjentens Søndag)(Ole Bull)
 「ラ・フォリア」による即興(Improvisation over La Folia)
 青春に(Til Ungdommen)(Otto Mortensen)
 子守歌(Wiegenlied)(Johannes Brahms)
  ブッゲ・ウェッセルトフト(ピアノ)
  ヘンニング・クラッゲルード
  (ヴァイオリン、ヴィオラ、ヴィオラ・コンコルダ)
 
録音 2011年11月22日–23日 レインボー・スタジオ(オスロ)
制作 シッギ・ロッホ
録音 ヤン・エーリク・コングスハウグ

 
彼の世代を代表するノルウェーのヴァイオリニスト、ヘンニング・クラッゲルード Henning Kraggerud(1973–) と、同じノルウェーのジャズピアニスト、ブッゲ・ヴェッセルトフト Bugge Wesseltoft(1964–) のコラボレーション。ドイツのレーベル、ACTのオーナー、シッギ・ロッホ Siggi Loch が、2011年のはじめ、ババリア・アルプスの麓にあるホテル、エルマウ城 Schloss Elmau で行われたクラッゲルードのコンサートを聴き、実現しました。「毎年12月の初めから1月の終わりまでずっと家の中で流れている」とヘンニングが語る、伝説的クリスマスアルバム『It's Snowing on My Piano』のピアニストとの共演。「いまひとたび 冬が去り 春に道をゆずるのが目に映る ウワミズザクラの咲いていた生け垣に ふたたび花が咲く……」。A・O・ヴィンニェの詩『春(Våren)』による歌曲をグリーグみずから弦楽オーケストラのための編曲した〈最後の春(Siste vår)〉がアルバムのタイトルに選ばれました。「ブローマン、ブローマン、僕の山羊」と少年が歌う、ノルウェーの代表的な民謡に始まり、ブラームスの《子守歌》に終わるプログラム。ヘンニングをはじめノルウェーのヴァイオリニストのレパートリーに欠かせないオーレ・ブルの《セーテルの娘の日曜日》も演奏されます。ふたりのセッションは『It's Snowing on My Piano』と同じオスロのレインボースタジオで2011年11月に行われ、ヤン・エーリク・コングスハウグ Jan Erik Kongshaug が録音を担当しました。クラッゲルードの家でヴェッセルトフトのクリスマスアルバムが流れていない「他の月のために」と企画されたディスクです。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)