April 2025


『Please accept a Sunset』
Dacapo 8.224764 contemporary
エーリク・ホイスゴー(1954–)
Essays(エッセイ)(2016-22)(ソプラノとシンフォニエッタのための)
Vand(水) Støv(埃) Tid(時) Spejl(鏡)
Venezia(ヴェネツィア)
Udstilingsbillede(展覧会の絵)(2008)(シンフォニエッタのための)*
Please accept a Sunset(どうぞ日没を受け入れて)(2023–24)
(ソプラノとシンフォニエッタのための)
フレゼリケ・カンプマン(ソプラノ)
アテラス・シンフォニエッタ ロベール・フサール(指揮)
デンマーク・チェンバープレーヤーズ * ジャン・トレル(指揮)*
録音 2024年10月6日–7日 コンサートキアケン(Koncertkirken)(コペンハーゲン)、2011年11月1日 マリーエンルスト国民高等学校(Højskolen Marienlust)(ヴェガルーセ、デンマーク)*
制作・録音エンジニア・ミクシング・マスタリング トーステン・イェセン、プレーベン・イーヴァン *
エーリク・ホイスゴー Erik Højsgaard の音楽はどれも、夢でも見ているような響きをもっています。あらゆるものが、現実とわたしたちの現実の記憶の間の空間を動いている。抒情的で雰囲気的で親しみやすい、そして同時に細部と作曲の技巧面にも最善の注意がはらわれる。彼の音楽語法は、アルバン・ベルクが管弦楽曲で見せる芸術的手腕にも比べられてきました。
《Essays(エッセイ)》は、ホイスゴーのもっとも美しいとされる作品のひとつです。ヨシフ・ブロツキー Joseph Brodsky(1940–1996)がヴェネツィアについて書いた『水の迷宮の夢(Watermark)』からインスピレーションを得て作曲されました。第3曲〈Tid〉はゲオルク・トラークル、第5曲〈Venezia〉はトラークル、フリードリヒ・リュッケルト、アルフレッド・ド・ミュッセ、J・P・ヤコブセン、エミリ・ディキンソンたちの引用で構成した歌詞が使われています。
《Udstilingsbillede(展覧会の絵)》は、デンマークの画家L・A・リング L. A. Ring(1854–1933)の象徴主義の絵画を音楽に投影した作品。《Please accept a Sunset(どうぞ日没を受け入れて)》では、エミリ・ディキンソンを中心にシャルル・ボードレール、オーレ・サーヴィ、ゴスタウ・モンク=ペータセン、パトリツィア・カヴァッリ、モーリス・メーテルランクをはじめとする作家たちの作品の断片を綴り合わせた歌詞が歌われます。夢のような響きの音風景に作られた作品です。
『シモン・ステーン=アナセン』
Dacapo 8.224769 contemporary
シモン・ステーン=アナセン(1976–)
Chambered Music(2007)(12の楽器とサンプラーのための)*
Amid(2004)(フルート、クラリネット、ピアノ、ギター、打楽器、
ヴァイオリンとチェロのための)*
Besides(2003)(増幅ピアノ、ピッコロ、ヴァイオリンと
dampened string trio のための)**
Praesens(2001)(シンフォニエッタのための)**
オスロ・シンフォニエッタ 宗像礼(指揮)
録音 2014年2月 *、2016年3月 ** ヘニ・オンスタ芸術センター(バールム、ノルウェー)
制作・録音エンジニア・ミクシング・マスタリング ショーン・ルイス
デンマークの作曲家シモン・ステーン=アナセン Simon Steen-Andersen は、ベルリンを拠点に活動しています。分野をまたがったアプローチと大胆な作風で知られ、オペラ《Don Giovanni(ドン・ジョヴァンニ)》(2023)《TRIO》(2019)、《ピアノ協奏曲》(2014)といった映画とダンスに関わる作品を多く手がけてきました。
トロンボーンのソロを含む、いくつかの部屋に区切られた(chambered)音楽とサウンドがどう響くかというアイデアを集合した《Chambered Music》。数枚の紙を厚紙にこすりつけたり、ピアノのキーボードをクレジットカードで弾くといったサウンドも使った《Praesens》(存在)。「現代音楽」を根幹から再定義するステーン=アナセンの「署名」といえる作品が演奏されます。
『シューベルト ソナタとピアノ作品』
Danacord DACOCD 575-580 6CDR’s classical
フランツ・シューベルト(1797–1828)
ピアノソナタ第4番 イ短調 D.537(1817)
ピアノソナタ第7番 変ホ長調 D.568(1807)
ピアノソナタ第16番 イ短調 D.845(1825)
ピアノソナタ第9番 ロ長調 D.575(1817)
ピアノソナタ第17番 ニ長調 D.850(1825)《ガシュタイナー(Gasteiner)》
ピアノソナタ第14番 イ短調 D.784(1823)
ピアノソナタ第18番 ト長調 D.894(1826)《幻想(Fantasie)》
ピアノソナタ第13番 イ長調 D.664(1819)
ピアノソナタ第19番 ハ短調 D.958(1828)
ピアノソナタ第20番 イ長調 D.959(1828)
ピアノソナタ第21番 変ロ長調 D.960(1828)
4つの即興曲(Vier Impromptus) D.899(1827)
4つの即興曲(Vier Impromptus) D.935(1827)
3つのピアノ曲(3 Klavierstücke) D.946(1828)
ピアノソナタ第6番 ホ短調 D.566(1817)
ピアノソナタ第15番 ハ長調 D.840(1825)《レリーク(Relique)》
ピアノソナタ第11番 ヘ短調 D.625(1818)
ヨン・ダムゴー(ピアノ)
録音 1998年、2002年、2024年2月
制作・録音エンジニア クラウス・ビューリト
デンマークのピアニスト、ヨン・ダムゴー John Damgaard は、1941年生まれ。イーストマン音楽学校と、王立デンマーク音楽アカデミーのゲオルク・ヴァシャヘーリのクラスで学び、後にロンドンでイローナ・カボス、イタリアでヴィルヘルム・ケンプに師事しました。王立デンマーク音楽アカデミーの助教授、オーフス王立音楽アカデミーの教授を務め、東京の武蔵野音楽大学とメルボルンのオーストラリア国立音楽アカデミーで客員教授として教えました。
ダムゴーがもっとも大切にしているという作曲家のひとりが、フランツ・シューベルトです。「シューベルトにとっては、自身の経験したことを楽曲にするのが、きわめて自然なことだった。水の流れ、狩の風景、疾走する馬、かみなり、そして、彼がなによりも大切に思っていた、歩くこと……」と語り、シューベルトのピアノ音楽の「グラデーション」を美しく、内面的に表現しました。
Danacord Records のセットは、1999年にリリースされ「American Record Guide」の年間最優秀レコードに選ばれた『シューベルトの完成されたピアノソナタ全集』(Classico CLASSCD 245-49 5CD's)と2010年リリースの『即興曲と未完成のソナタ全集』(CLASSCD 481 2CD's)に、2024年の《3つのピアノ曲》(Danacord DACOCD 980)を加えて作られました。
高品質メディア(Sony DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-Rによるリリースです。プレーヤー/トランスポートの機種によってはCD-Rの読み取り、再生ができないことがあります。再生対応のメディアを機器の取扱説明書でご確認ください。
『Nattboksblad(ナイトブックのページ)』
Footprint Records FR 117 contemporary/classical
マッティン・オーサンデル(1987–)
Aftonport til evigheten(永遠への夕べの戸口)
(ペール・ラーゲルクヴィストの詩)
Min längtan är inte min
Det blir vackert där du går
Aftonport til evigheten
ウルリカ・エマニュエルソン(1965–)
Nattboksblad(ナイトブックのページ)
(《Dans på kraterns rand(クレーターの縁で踊る)》第4曲)
(トゥーマス・トランストローメルの詩)
ペール・グンナル・ペッテション(1954–)
Aftonbön(夕べの祈り)(カーリン・ボイエの詩)
Aftonland(夕べの国)(ペール・ラーゲルクヴィストの詩)
Allt är så underligt fjärten idag
Det är om aftonen man bryter upp
En gång skall du vara en av dem
Den döde
ソフィア・テリーン
Nattens röda sol(夜の赤い太陽)
ヘレーナ・ムンクテル(1852–1919)
Sensitiva(ユーハン・ニューボムの詩)
Konvalj(スズラン)(ユーハン・ニューボムの詩)
Majkväll(五月の夕べ)
(《スカンディナヴィアの詩による3つの合唱曲
(Trois choeurs sur de poésies scandinavves)》第1曲)
(オスカル・レヴェッティンの詩)
エルフリーダ・アンドレー(1841–1929)
Lika(同じように)(ヴィクトル・エマニュエル・オーマンの詩)
En ängel genom rummet går(天使が部屋を通り過ぎてゆく)
(テードル・イェッレシュテットの詩)
Serenad(セレナード)(作者不詳の詩)
エミール・スンドベリ
Önskenatt(望みごとの夜)(カーリン・ボイエの詩)
パライストラ・ヴォーカルアサンブル
セシリア・マッティン=ロフ(指揮)
録音 2021年5月14日–15日 ロンマ教会(ロンマ、スウェーデン)
制作・ミクシング・マスタリング ペール・ショーステーン
「パライストラ・ヴォーカルアサンブル Palaestra vokalensemble」は、ルンド大学で合唱のディレクターを務めるセシリア・マッティン=ロフ Cecilia Martin-Löf(1974–)のプロジェクトです。ソリストとしての訓練を受けた8人から24人の歌手で編成され、大学のミュージックセンター「パライストラ・エ・オデウム Paleastra et Odeum」で行われるイベントなどで活動しています。アルバム『Nattboksblad(ナイトブックのページ)』は、マッティン=ロフがウルリカ・エマニュエルソン Ulrika Emanuelsson の《Nattboksblad》に出会ったことからアイデアが生まれ、「夜」をテーマに作られました。
『Nothing to Declare』
Footprint Records FR 139 jazz
『Nothing to Declare』
Open(Mickael Godée)
Nothing to Declare(Mickael Godée)
Rideau de douche(Mickael Godée)
Soli(Mickael Godée)
Mainroad Flower(Mickael Godée)
Jag vet en…(Mickael Godée)
Till barnet(Mickael Godée)
Dream(Mickael Godée)
A Time to Remember(Mickael Godée)
ミーケル・ゴデー(ソプラノ・サクソフォーン)
アメーリエ・エヴマルク(ヴァイオリン)
アニー・グンナション(ヴァイオリン)
レーオ・ロヴセーン(ヴィオラ)
アクセル・ヴィルボリ(チェロ)
録音 2024年2月19日 Spinroad Studios(リンドーメ、スウェーデン)
制作・ミクシング ペール・ショーステーン
ミーケル・ゴデー Mickael Godée(1957–)は北欧ジャズのバックボーンのひとりとして、ヨーテボリを拠点にミュージシャンと作曲家として活動しています。彼のリリカルなソプラノサックスは、「エングラスペル(Änglaspel)」「コルポ(Corpo)」「ミーケル・ゴデー-イヴ・ブーヴァンス・カルテット」といったグループの音楽を彩ってきました。アルバム『Nothing to Declare』(申告するものなし)では、ゴデーがソプラノサックスと弦楽四重奏のために「クラシカル音楽」のタッチを加えて書いた9曲が演奏されます。
『Te Deum(テ・デウム)』
nosag CD 233 classical
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685–1750)
トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調 BWV.564
ジャンヌ・ドメッシュー(1921–1968)
テ・デウム(Te Deum) Op.11(1957-58)
エマ・ルー・ディーマー(1927–)
クンバヤ(Kum bah Yah)(《オルガンのための8つの聖歌前奏曲》から)
エッベ・シェーニグ(1909–2000)
スウェーデン賛美歌248番による変奏曲
(Variationer över svensk psalm 248 “Tryggare kan ingen vara”)
ステファン・セーヴステーン(1955–)
冬のオルガン(Vinterorgel)*
Ditt tempel är mörkt Det dagas ånyo Nu höves ej lövens lösa lek
Drag an registren Tungt trampar Eol Du höga orgverk
En enda ton En fimbulnatt Jag vill höra i fastlagskoral
Av musikanter ett brokigt band
セザール・フランク(1822–1890)
終曲(Final) Op.21
マリア・セーヴステーン(オルガン)
ラーシュ・イェットネル(朗読)*
[楽器 Läktarorgeln: A. Magnusson, 1973/Kororgeln: Walter Thür, 2004]
録音 2016年10月16日–17日 クロステル教会(Klosters kyrka)(エスキルスチュナ、スウェーデン)
制作
録音エンジニア オルヴィング・ヘッレブルー
聖歌「Te Deum(神よ、神よ、あなたをたたえて歌う)」をタイトルにしたアルバムは、クロステル教会のオルガニスト、マリア・セーヴステーン Maria Säfsten(1968–)が、創り主、そして「楽器の女王」オルガンを賛美するため制作されました。フランスのオルガニストで作曲家のジャンヌ・ドメッシュー jeanne Demessieux の《テ・デウム》。アメリカの作曲家エマ・ルー・ディーマー Emma Lou Diemer がアフリカ系アメリカのスピリチュアルを基に作曲した《クンバヤ(Kum bah Yah)》(主よ、ここに来てください)。スウェーデンのエッベ・シェーニグ Ebbe König の《スウェーデン賛美歌248番による変奏曲》。ステファン・セーヴステーン Stefan Säfsten の《冬のオルガン》は、クロステル教会のクワイアオルガン設置から10年、ノーベル文学賞受賞者エーリク・アクセル・カールフェルト Erik Axel Karlfeldt(1864–1931)生誕150年の2014年に作曲された作品です。カールフェルトの『冬のオルガン』のラーシュ・イェットネル Lars Hjertner による朗読につづき、詩を映すセーヴステーンの曲が演奏されるスタイルで作られています。
『N Lago(N・ラーゴ)』
nosag CD 248 classical
ラウラ・ネッツェル(1839–1927) ピアノ音楽
ピアノ協奏曲 Op.84 *
6つの小品(Six Morceaux) Op.57(クラース・ガッゲ 校訂)
前奏曲(Prélude) スケルツォ(Scherzo) ガヴォット(Gavotte)
オーバード(Aubade) ゆるやかなワルツ(Valse lente)
ユモレスク(Humoresque)
ピアノソナタ 変ホ長調 Op.27
メヌエット Op.49
ステファン・リンドグレーン(ピアノ)
ヘルシングボリ交響楽団 * ダーヴィト・ニーマン(指揮)*
録音 2021年10月21日–22日 ヘルシングボリ・コンサートホール(ヘルシングボリ)*、2023年4月8日–9日 イェヴレ・コンサートホール(イェヴレ、スウェーデン)
制作 パトリク・ホーカンソン *、ミーケル・エングストレム
録音エンジニア パトリク・ホーカンソン
ラウラ・ネッツェル Laura Netzel(1839–1927)。フィンランドのランタサルミで生まれ、1歳の時にストックホルムに移住しました。女性作曲家への偏見の残っていた時代、「N・ラーゴ(N. Lago)」のペンネームで作品を発表し、スウェーデンでもっとも国際的に認められた作曲家のひとりとして、とりわけドイツとベルギーとフランスで人気を博しました。ステファン・リンドグレーン Stefan Lindgren のアルバムでは、彼女の4つのピアノ作品が演奏されます。
《ピアノ協奏曲》は、「アレグロ・モデラート」「レント」「終曲:アレグロ・ヴィーヴォ』の4つの楽章で書かれた、彼女のもっとも規模の大きい、ロマンティックな作品です。手書きによる版がいくつか、しかも不完全な状態でしか残されていなかったため、「スウェーデン音楽遺産」のクラース・ガッゲ Klas Gagge による校訂版が作られました。この校訂版を基に第3楽章の終結に向けて欠けた部分をペーテル・フリース・ユーハンソンが補筆して演奏、録音(BIS SA-2576)しています。
ベルリンのジムロックが1896年に出版した《6つの小品》。《ピアノソナタ 変ホ長調》は、「アレグロ・モデラート」「レント」「テンポ・ディ・メルエット」「アレグロ・ノン・トロッポ」の伝統的な構成で作曲され、ヴィルトゥオーゾ・ピアニストのアントン・ドーア Anton Door(1833–1919)に献呈されました。1894年にパリのアメル社から出版され、《メヌエット》は、1891年にコペンハーゲンのヴィルヘルム・ハンセンが出版しています。
『ハンス・クリスチャン・アーヴィク』
Orchid Classics ORC 100380 classical
マックス・ブルッフ(1838–1920)
ヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調 Op.26
エルッキ=スヴェン・トゥール(1959–)
ヴァイオリン協奏曲第2番《Angel’s Share(天使の分け前)》(2018)
ハンス・クリスチャン・アーヴィク(ヴァイオリン)
オーゼンセ交響楽団
ジェマ・ニュー(指揮)
録音 2024年1月22日–26日 オーゼンセ・コンサートホール「カール・ニルセン・ホール」(オーゼンセ、デンマーク)
エストニアのヴァイオリニスト、ハンス・クリスチャン・アーヴィク Hans Christian Aavik は、2022年のカール・ニルセン国際コンペティションとウーゼドム・フェスティヴァルで第1位を獲得。「Gramophone」誌から「注目すべきアーティスト」と呼ばれました。
1998年、タリン生まれ。2017年にドイツに渡り、フランクフルト音楽舞台芸術大学でエーリク・シューマンとアンゲリカ・メルクレに学びました。母国エストニアでは、2024年のパルヌ音楽フェスティヴァルでブルッフの《ヴァイオリン協奏曲第1番》をエストニア祝祭管弦楽団の共演で演奏するなど、ソリストと室内楽奏者としての地位を確立。モーツァルトの5曲のヴァイオリン協奏曲をタリン室内管弦楽団と、ベートーヴェンの協奏曲をエストニア国立交響楽団と共演しました。ウィグモア・ホール、ケルン・ドイツ放送室内楽ホール、ケルン・フィルハーモニーのコンサートが決まり、タベア・ツィンマーマンのヴィオラと共演するモーツァルトの《協奏交響曲》、クリスチャンサン交響楽団に客演するモーツァルトの《ヴァイオリン協奏曲第5番》、エルッキ=スヴェン・トゥール Erkki-Sven Tüür の《ヴァイオリン協奏曲第2番》などが2024/25年のシーズンの演目に含まれています。
ブルッフとトゥールの協奏曲を演奏したこのアルバムは、カール・ニルセン・コンペティションの行われたオーゼンセのホールでセッションが行われました。オーゼンセ交響楽団をニュージーランド交響楽団の首席指揮者ジェマ・ニュー Gemma New が指揮しています。
『If the Fates allow(運命が許すなら)』
BIS SACD 2734 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) early music
ヘンリー・パーセル(c.1659–1695)
わたしは恋する、恋せねばならぬ(I Love and I Must) Z.382
束の間の音楽(Musick for a While)
(劇付随音楽《オイディプス(Oedipus)》 Z.583 第2曲)
われに告げよ、あわれみ深き天使よ(Tell me, some pitying angel) Z.196
クリストファー・シンプソン(c.1605–1669)
ディヴィジョンニ長調(《The Division Viol》から)
ヘンリー・パーセル(c.1659–1695)
なんと悲しきわが運命(What a Sad Fate) Z.428
音楽が愛の糧であるならば(If music be the food of love)(第3稿) Z.379c
運命の時は足早にやってっくる(The Fatal Hour Comes on) Z.421
恋するものたちの心配事(The cares of lovers)
(《アテナイのティモン(Timon of Athens)》 Z.632 第10曲)
恋の病から逃れようとしても(I attempt from Love’s sickness)
(《インドの女王(The Indian Queen)》 Z.630 第3幕から)
ジョン・エクルズ(1668–1735)
絶えず不安に苛まれ(Restless in Thought)
(《She ventures, and he wins》(1695) から)
ジョン・ブロウ(1649–1708)
モートラックのグラウンド(Mortlack’s Ground)
ヘンリー・パーセル(c.1659–1695)
音楽が愛の糧であるならば(If music be the food of love)(第1稿) Z.379a
ダニエル・パーセル(c.1664–1717)
モルペウス、汝やさしき夢の神よ(Morpheus, thou gentle God)
ヘンリー・パーセル(c.1659–1695)
おお孤独よ(Oh solitude) Z.406
ヘレン・チャールストン(メゾソプラノ)
サウンズ・バロック
ジョナサン・マンソン(バス・ヴィオール)
ウィリアム・カーター(エオルボ、バロック・ギター)
ジュリアン・パーキンズ(チェンバロ、オルガン)
録音 2022年2月1日–3日 諸聖人教会(イースト・フィンクリー、ロンドン、イングランド)
「パーセルと同時代の作曲家たちによる音楽」。イギリスのメゾソプラノ歌手、ヘレン・チャールストンが「サウンズ・バロック Sound Baroque」と共演したリサイタル・アルバムです。
ヘレン・チャールストン Helen Charlston は、2018年のロンドン・ヘンデル歌唱コンペティションで第1位を獲得、2021年から2023年の「BBC ニュージェネレーション・アーティスト」のひとりに選ばれました。サンフランシスコのフィルハーモニア・バロック管弦楽団、ベルリン古楽アカデミー、ロンドンのガブリエリ・コンソート、スコットランドのドゥネディン・コンソートなど、イギリスと世界のクラシカル音楽シーンの最前線で活動しています。2022年に「BBC プロムス」デビュー、ウィグモア・ホールでリサイタルを行いました。チェリス・ヴィオール・コンソートの『ウィリアム・バードの名誉 』(BIS SACD 2663)でソロを歌い、パーセルの《ダイドーとイニーアス》(Pentatone PTC 5187032)(第1の魔女)、ジュリアン・パーキンズ Julian Perkins の指揮したウェルドンの《パリスの審判》(AAM Records AAM 46)(ジュノー)の録音にも参加しています。
『States of Mind』
LAWO Classics LWC 1413 contemporary/world
ハルプレート・バンサル(1980–)
States of Mind Otherwise(2019)
Light
Lotus(2024)
ハルプレート・バンサル・トリオ
ハルプレート・バンサル(ヴァイオリン)
アンドレーアス・ブラトリ(タブラ、パーカッション、ヴォイス)
ヴォイチェフ・プロハースカ
(ピアノ、プリペアドピアノ、ハルモニウム)
チカーダ
制作・編集 ヴェーガル・ランドース
録音エンジニア・マスタリング トマス・ヴォルデン [DXD(24bit/352.8kHz)録音]
ハルプレート・バンサル Harpreet Bansal は、インド伝統の音楽「ラーガ」をベースにオスロで活動するアーティストです。2022年に『Parvat(山)』(LWC 1233)をリリース。ラーガ、ジャズ、クラシカル音楽というジャンルの枠にとらわれない独自の音楽が注目されました。新作のアルバムでも彼女は、今の世界のルールと制約を壊し、個性的なやり方で音楽的、地理的な境界を越えてみせます。2019年の《States of Mind Otherwise》(精神状態が違って)、COVID-19 パンデミックの2021年に初演した《Light》(光)、2024年の《Lotus》(蓮)。3つの作品は、異なる局面と異なる考え方で作られました。バンサルが打楽器奏者アンドレーアス・ブラトリ Andreas Bratlie と前作に参加したチェコのピアニスト、ヴォイチェフ・プロハースカ Vojtech Prochazka と組んだトリオ。オスロの現代音楽グループ「チカーダ Cikada」が参加しています。
『Folk’s Music(人びとの音楽)』
Louth Contemporary Music LCMS 2302 contemporary/classical
カサンドラ・ミラー(1976–)
The City, Full of People(街は、人でいっぱいdけ)(2023)
(16声の混声合唱のための)
ローレンス・クレイン(1961–)
弦楽四重奏曲第2番(2023)
リンダ・キャトリン・スミス(1957–)
Folio(フォリオ)(2023)(16声の混声合唱のための)
アイルランド室内合唱団
ポール・ヒリヤー(指揮)
エスポジート四重奏団 *
ミア・クーパー(ヴァイオリン) アンナ・カシェル(ヴァオリン)
ヨアヒム・レーヴァー(ヴィオラ) ウィリアム・バット(チェロ)
録音 2023年6月17日 ダブリン・シティ大学 オール・ハロウズ・チャペル(ダブリン、アイルランド)、2023年9月11日 アイルランド聖ペテロ教会(ドロヘダ、アイルランド)*
制作 アレクサンダー・ヴァン・インゲン
録音エンジニア アレクサンダー・ヴァン・インゲン、デーヴ・ローウェル *
ラウス現代音楽協会(Louth Contemporary Music Society)のイーモン・クウィンが、2023年のミッドサマー・フェスティヴァルのために委嘱した作品のアルバム。ポール・ヒリヤーとアイルランド室内合唱団が初演した合唱曲が2曲。トマス・タリスの哀調の教会音楽の記憶をとどめる、16世紀の「こだま」がつつむ、ロンドン在住のカナダの実験音楽作曲家カサンドラ・ミラー Cassandra Miller の《The City, Full of People(街は、人でいっぱい)》。エミリ・ディキンソンが手近の紙に書き留めた詩の世界につながる、半透明な、なにかを見つけようとでもするような不思議さをもったリンダ・キャトリン・スミス Linda Catlin Smith の《Folio(フォリオ)》。エスポジート四重奏団の演奏による、「簡素で基礎的な素材を新しい構造と文脈に使い、新鮮な美しさをめざす」と言うイギリスのローレンス・クレイン Laurence Crane の《弦楽四重奏曲第2番》。
『われらがイエスの四肢(Membra Jesu Nostri)』
RecArt RECART 0065 early music
ディートリク・ブクステフーデ(c1637-1707)
カンタータ「われらがイエスの四肢(Membra Jesu Nostri)」 BuxWV.75
足について:見よ、良い知らせを伝え(Ad pedes: Ecce super montes)
膝について:抱いて運ばれ、膝の上であやされる
(Ad genus: Ad ubera portabimini)
手について:あなたの胸にあるこの傷はどうしたのか
(Ad manus: Quid sunt plagae istae)
脇腹について:恋人よ、美しい人よ さあ、立って出ておいで
(Ad latus: Surge amica mea)
胸について:生まれたばかりの乳飲み子のように
(Ad pectus: Sicut modo geniti infantes)
心について:あなたはわたしの心をときめかす
(Ad cor: Vulnerasti cor meum)
顔について:あなたの僕(しもべ)に御頭の光を注ぎ
(Ad faciem: Illustra faciem tuam)
マジェナ・ミハウォフスカ(ソプラノ)
マルタ・クリシャク(ソプラノ)
ピオトル・オレフ(カウンターテナー)
カロル・コズウォフスキ(テノール)
マチェイ・ストラブジンスキ(バスバリトン)
アルテ・デイ・スオナトーリ
ジェロナ・グラ大学室内合唱団「カントゥス・フマヌス」
バルトウォミェイ・スタンコヴィアク(指揮)
録音 2024年10月2日–6日日 ポーランド
ディートリク(ディートリヒ)・ブクステフーデ Dietrich Buxtehude(c1637-1707)は、クリスチャン四世の宮廷に仕えたモーウンス・ペーザスン(c.1858–1623)につづき、デンマークでもっとも尊敬される音楽家でした。カンタータ「われらがイエスの四肢」は、『聖書』の『ナホム書』や『詩編』をテクストにした「協奏曲-アリア」スタイルの7つのカンタータの連作として作られ、スウェーデン宮廷の楽士長グスタフ・デューベン Gustaf Düben(c.1628–1690)に献呈されました。彼の代表作のひとつとして録音も多く、ヨーテボリ・バロックとマグヌス・シェルソンによる録音(Proprius PRCD 2095)がリリースされたばかりです。1993年に設立されたポーランドのピリオド楽器アンサンブル「アルテ・デイ・スオナトーリ Arte dei Nuonatori」は、C・P・E・バッハのシンフォニアやファンタジアを集めた『instrumental theatre of affects』(BIS SA-2459)や『高貴なリコーダー協奏曲』(Dacapo 6.220630)といったアルバムを録音しています。
『The White Birds(白い鳥)』
Skani SKANI 171 contemporary/classical
グンデガ・シュミテ(1977–)
白い鳥(Baltie putni)(2023–24)(弦楽三重奏のための)
ペーテリス・ヴァスクス(1946–)
Castillo interior(内なる城)(2013 rev.2021)(弦楽三重奏のための)
グンダリス・ポネ(1932–1994)
葬送のグラン・デュオ(Gran duo funebre)(1987)
(ヴィオラとチェロのための)
ターリヴァルディス・ケニンシュ(1919– 2008)
弦楽三重奏曲(1989)
バルティア弦楽三重奏団
パウラ・シューマネ(ヴァイオリン)
イェヴゲニヤ・フロロヴァ(ヴィオラ)
アンナ・ヴェセロヴァ(チェロ)
録音 2024年8月、9月 グレート・アンバー・コンサートホール(リエパーヤ、ラトビア)
制作・録音エンジニア・編集・ミクシング・マスタリング ヤーニス・ストラウメ
「バルティア Baltia」(バルト)と名づけた若い弦楽三重奏団は、マザー・メジョトネ城とペーテリス・ヴァスクス基金のコラボレーションによるシリーズの2022年シーズンのオープニングで演奏して、「年間最優秀コンサート」にノミネートされました。パウラ・シューマネ Paula Šūmane のヴァイオリン、イェヴゲニヤ・フロロヴァ Jevgēnija Frolova のヴィオラ、アンナ・ヴェセロヴァ Anna Veselova のチェロ。ラトビア放送の番組やコンサートでモーツァルトやベートーヴェンを中心にしたレパートリーで演奏活動を行っています。『The White Birds(白い鳥)』は、彼女たちのデビューアルバムです。
グンデガ・シュミテ Gundega Šmite がバルティアに献呈した《白い鳥》は、〈オオハクチョウ(Paugurknabja gulbji)〉〈シラコバト(Gredzenūbeles)〉〈カモメ(Kaijas)〉〈シュバシコウ(Baltie stārķi)〉という、バルト地方に生息する鳥を特徴的に描いた作品です。
ペーテリス・ヴァスクス Pēteris Vasks がスペインの神秘家アビラの聖テレサ(1515–1582)を偲んで作曲したヴァイオリンとチェロのための《Castillo interior(内なる城)》は、作曲者自身の編曲した弦楽三重奏版による演奏。アメリカでの生活と活動が長かったグンダリス・ポネ Gundaris Pone の《葬送のグラン・デュオ》は、「死」を悲劇として嘆くのではなく、「大きな最後の問い」とみなすラトビア人の考え方に沿ったといわれる作品です。
ターリヴァルディス・ケニンシュ Tālivaldis Ķeniņš は、もっとも名を知られるラトビア作曲家のひとり。ラトビアに生まれ、フランスで学んだあと、カナダに移住しました。彼の作品は、現代の技法もとりいれたネオロマンティックなスタイルによる交響曲を中心にカナダでしばしば演奏され、ラトビア国立交響楽団による全曲の録音も行われました。《弦楽三重奏曲》は、第二次世界大戦中にラトビアを離れた彼が、初めて祖国を訪れた1989年に作曲されました。彼の室内楽曲の傑作のひとつとみなされています。
『Wild Geese』
Stunt Records STUCD 25012 jazz
『Wild Geese』
If Only Empty as Sky The Call of Wild Geese Far and Near
Life’s Long Sleep Winter Deepens in a Mountain Home
I Know That’s the Moon’s Light Winter Night
Morning Stars to Melt Time on My Pillow Only the Moon
ニア・ザ・ポンド
ユーセフィーン・クロンホルム(ヴォーカル、パーカッション)
カーク・クナフキー(コルネット)
ベント・クラウセン(ヴィブラフォーン、ドラム、パーカッション)
トミー・アンデション(ベース、ストリングズ編曲)
レナ・ファンクハウザー(ヴィオラ)
マルタ・ポトゥルスカ(ヴィオラ)
メリッサ・コールマン(チェロ)
スウェーデンのユーセフィーン・クロンホルム Josefine Cronholm がアメリカのカーク・クナフキー Kirk Knuffke とスウェーデンのトミー・アンデション Tommy Andersson と推進する、大陸を越えた友情と文化交流を探求するプロジェクト。2021年にリリースした『Near the Pond』(STUCD 20112)では、スウェーデン系アメリカの詩人、カール・サンドバーグ Carl Sandburg(1878–1967)の著作からインスピレーションを得た歌とインプロヴィゼーションによるプログラムを組み、サンドバーグの高い音楽性を反映した音楽が、ユニークな輝きを放っていました。ファーストアルバムのタイトルをグループ名にとった新しいアルバム『Wild Geese』では、日本の西行(西行法師)の和歌の英訳をテクストに使い、ジャズ、フォーク、即興音楽を背景にミニマル・ミュージックや複雑なリズムなどを融合させたサウンドの音楽を展開しています。
『What Ties Us Together Will Keep Us Apart』
Stunt Records STUCD 25022 jazz
『What Ties Us Together Will Keep Us Apart』
Look Inside Only the Dream Ordinary People Waterfalls
Shame Understanding Scream It out Passed Down
Calling the Grievers Daddy and the Gone Next Time
It Ain’t Pretty
キラ・スコウ(ヴォーカル)
シラス・ティングレフ(ギター、ベース、ドラム、キーボード、
バッキングヴォーカル、パーカッション)
アナス・クリステンセン(ベース、ピアノ)
マリーア・マーティネ・イェーイト(ストリングズ)
ゲスト
ネッド・ファーム(サクソフォーン、フルート)
アナス・トランテムラー(シンセベース)
ルー・エシャレ(バッキングヴォーカル)
『My Heart Is a Mountain』(STUCD 23022)をはじめとするアルバムを作ってきたデンマークのシンガー・ソングライター、キラ・スコウ Kra Skov の新作。父の闘病生活や友人デニス、薬物で亡くなった妹のことなど、ドラマティックでリアルな話がインスピレーションとなって生まれたアルバムです。デンマーク放送から「家族」をテーマにした2025年4月放送予定のドラマ『Genarations』のスコアと曲を依頼されていたことと重なり、さまざまに想像を膨らませながら作られました。
『Manouche』
Stunt Records STUCD 25042 jazz
『Manouche』
After You’ve Gone Begin the Beguine Beijinhos Mr. Tom
Embraceable You Indifference Dream of You Sheik of Araby
Panique Festival 48 Tiger Rag
ジャコモ・スミス(クラリネット)
モーゼス・ローゼンベーグ(ギター)
レミ・オズワルド(リズム・ギター)
ウィリアム・ブルナード(ベース)
イタリア生まれニューヨーク育ちのクラリネット・プレーヤー、ジャコモ・スミス Giacomo Smith が、ジャンゴ・ラインハルト・スタイルのギタリスト、ブルックリン生まれのモーゼス・ローゼンベーグ Mozes Rosenberg をフィーチャーして作った「マヌーシュ・ジャズ(ジプシー・ジャズ)」アルバム。
『Dear Alex』
Stunt Records STUCD 25112 jazz
『Dear Alex』
Danny Boy Somewhere over the Rainbow Smile
Idaho In Another Way
Den milde dag er lys og lang(穏やかな日は明るく長く)
Moon River Moppin’ and Bpppin’ Den blå anamone(青いアネモネ)
When You Wish upon a Star
ステファン・パスボー(ドラム)
フレズリク・ロンディン(テナーサックス)
カーステン・デール(ピアノ)
デンマークのドラマー、ステファン・パスボー Stefan Pasborg は、1974年にコペンハーゲンで生まれ、3歳の時、両親の親友のアレクス・リールからドラムセットをプレゼントされ、ドラムの最初の手ほどきも受けました。ジャズとロックのドラマーとしてデンマークの音楽シーンを象徴する存在だったリール Alex Riel(1940–2024)は、ビル・エヴァンズ、ベン・ウェブスター、デクスター・ゴードン、マイケル・ブレッカー、ケニー・ドルー、ニルス=ヘニング・オアステズ・ペーザセンたちとの共演が語り草となっています。パスボーがテナーサックスのフレズリク・ロンディン Fredrik Lundin とピアノのカーステン・デール Carsten Dahl との共演による『Dear Alex』は、2024年6月9日に亡くなったアレクス・リールに捧げる追悼のアルバムとして作られました。
『Vivaldi in the North(北国のヴィヴァルディ)』
Proprius PRCD 2102 early music
アントニオ・ヴィヴァルディ(1678–1741)
歌劇《ファルナーチェ(Il Farnace)》- シンフォニア(Sinfonia) RV 711-D
アレグロ(Allegro) アンダンテ(Andante) アレグロ(Allegro)
フルート協奏曲 ニ短調 RV 431a《ムガール大帝(Il Gran Mogol)》*
アレグロ・ノン・モルト(Allegro non molto)
ラルゲット(Larghetto) アレグロ(Allegro)
ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 RV 230 **
(《調和の霊感(L’Estro Armonico)》 Op.3 no.9)
アレグロ(Allegro) ラルゲット(Larghetto)
アレグロ・アッサイ(Allegro assai)
マンドリン協奏曲 ハ長調 RV 425 ***
アレグロ(Allegro) ラルゴ(Largo) アレグロ(Allegro)
リコーダー協奏曲 ハ長調 RV 441 *
アレグロ・ノン・モルト(Allegro non molto) ラルゴ(Largo)
アレグロ(Allegro)
弦楽のための協奏曲 ト短調 RV 156
アレグロ(Allegro) アダージョ(Adagio) アレグロ(Allegro)
ヴァイオリン協奏曲 ト長調 RV 301 **
(《ラ・ストラヴァガンツァ(La Stravaganza)》 Op4 no.3)
アレグロ(Allegro) ラルゴ(Largo)
アレグロ・アッサイ(Allegro assai)
弦楽のためのシンフォニア(Sinfonia) ロ短調 RV 168
アレグロ(Allegro) アンダンテ(Andante) アレグロ(Allegro)
ホール・バロック
エメリ・ルース(リコーダー)
ハンナ・ティベル(ヴァイオリン)
ドヒョ・ソル(マンドリン)
録音 2024年6月 ボルルンダ教会(Borlunda kyrka)(エスレーヴ、スウェーデン)
制作・録音エンジニア・マスタリング トーレ・ブリンクマン
古楽アンサンブル「ホール・バロック Höör Barock」は、スウェーデン南部の小さな自治体で活動をつづけ、「スコーネの誇り」と言われています。『リコーダーをともなうバロック協奏曲』(Proprius PRCD 2091)をはじめとするアルバムは、「巧く考えられ、様式に自信のある、晴れやかな演奏」(「Gramophone」)「作りものだったり不自然だったりすることがまったくなく、ひたすら、自然に演奏することを楽しんでいる」(「OPUS」)と評されてきました。2020年にはダン・ラウリンの指揮した『ゴロヴィン伯爵の祝宴のための音楽』(BIS SA-2355)が「スウェーデン・グラミー賞」の最優秀クラシカル・アルバムに選ばれています。
『Meeting with Bach(バッハとの出会い)』(PRCD 2098)につづく Proprius Records の新作は『北国のヴィヴァルディ』。「地中海」気質のアントニオ・ヴィヴァルディの多彩なシンフォニアと協奏曲を「北欧」の感覚で演奏したアルバムです。ヴィヴァルディは、北欧とも縁のある作曲家として、バロック期から現代まで北欧諸国で演奏されてきました。現存する唯一の手稿譜がルンド大学の図書館に残されている《ヴァイオリン協奏曲 ト長調 》と《弦楽のためのシンフォニア ロ短調》など、ホール・バロックがもっとも重要なレパートリーのひとつにしています。
このプログラムに含まれている「フルート協奏曲」《ムガール大帝》は、21世紀になって楽譜が発見され、これまでフラウト・トラヴェルソで演奏されてきました。リコーダーによる録音は、このアルバムが初めてです。
リコーダー奏者エメリ・ルース Emelie Roos、バロック・ヴァイオリン奏者ハンナ・ティベル Hannah Tibell、リュート奏者ドヒョ・ソル Dohyo Sol がソリスト。『リコーダーをともなうバロック協奏曲』のトーレ・ブリンクマンThore Brinkmann がプロデュースとエンジニアリングを担当しました。

