February 2021

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『厳粛な歌(Serious Songs)』
Alba ABCD 456 classical

 
ジャン・シベリウス(1865–1957)
 黒いばら(Svarta rosor) Op.36 no.1
 初めてのくちづけ(Den första kyssen) Op.37 no.1
 北の国(Norden) Op.90 no.1
 葦よそよげ(Säv, säv, susa) Op.36 no.4
 静かな街(Die stille Stadt) Op.50 no.5
 不安な胸から(Aus banger Brust) Op.50 no.4
 野原でおとめが歌っている(Im Feld en Mädchen singt) Op.50 no.3
 夢だったのか(Var det en dröm?) Op.37 no.4
 さあ来い、死よ(Kom nu hit, död) Op.60 no.1
ヨハネス・ブラームス(1833–1897)
 4つの厳粛な歌(Vier ernste Gesänge) Op.121
  人間に臨むことは動物にも臨み
  (Denn es gehet dem Menschen wie dem Vieh)
  わたしは改めて、太陽の下に行われる虐げのすべてを見た
  (Ich wandte mich, und sahe an)
  死よ、お前のことを思うのは、なんと苦痛に満ちたことか
  (O Tod, wie bitter bist du)
  たとえ、人々の異言、天使たちの異言を語ろうとも
  (Wenn ich mit Menschen- und mit Engelszungen)
ロベルト・シューマン(1810–1856)
 N. レーナウの6つの詩とレクイエム(8 Gedichte von N. Lenau und Requiem) Op.90
  鍛冶屋の歌(Lied eines Schmiedes)
  私のばら(Mein Rose)
  出会いと別れ(Kommen und Scheiden)
  牛飼いのおとめ(Die Sennin)
  孤独(Einsamkeit)
  重苦しい夕べ(Der schwere Abend)
  レクイエム(Requiem)
トイヴォ・クーラ(1883–1918)
 夜(Yö) Op.22 no.3
 炎を見つめて(Tuijotin tulehen kauan) Op.2 no.2
 森の娘(Sinipiika) Op.23 no.1
 荒れ野の夜(魅せられて)(Heidezauber) Op.24 no.4
 くちづけ(Suutelo) Op.8 no.1
 霜の花(Jääkukkia) Op.24 no.2
  アルットゥ・カタヤ(バリトン)
  パウリーナ・トゥキアイネン(ピアノ) [Piano: Bechstein grand]
  
録音 2019年7月24日–27日 エルベルク教会(ベルリン、ドイツ)
制作 アルットゥ・カタヤ
録音・編集 ローマン・トレケル

 
フィンランドのバリトン歌手、アルットゥ・カタヤ Arttu Kataja(1979–)は、シベリウス・アカデミーでヨルマ・ヒュンニネンたちに学び、2006年にベルリン国立歌劇場のメンバーに加わりました。フィガロ、伯爵、グリエルモ、パパゲーノなどのモーツァルトの諸役、プッチーニ、ヴェルディ、リヒャルト・シュトラウス、ブリテンのオペラのバリトン役を主要なレパートリーとして舞台に立ち、オラトリオや受難曲のコンサートに出演しています。『厳粛な歌』は、カタヤの初めての歌曲アルバムです。シューマンが1850年に作曲したロマンティックな《N. レーナウの6つの詩とレクイエム》と、『旧約聖書』の『伝道の書』『シラ書』と『新訳聖書』の『コリントの信徒への手紙一』をテクストとするブラームスの《4つの厳粛な歌》の「ペア」を核に、フィンランド歌曲の重要なレガシー、シベリウスとトイヴォ・クーラの作品からドイツ語の詩による曲を交えたプログラムで歌っています。共演のピアニスト、パウリーナ・トゥキアイネン Pauliina Tukiainen(1977–)は、母国フィンランドで学んだ後、ハルトムート・ヘルとアンヌ・ル・ボゼックに師事、2017年からザルツブルク・モーツァルテウムで教授として芸術歌曲を教えています。カタヤとトゥキアイネンのコラボレーションは1999年に始まり、2020年/2021年のシーズンからベルリン国立歌劇場で歌曲リサイタルを始める予定です。ベルリンのエルベルク教会でのセッション録音。彼らの友人、歌曲プロデュース歴の長いローマン・トレケル Roman Trekel が録音を担当しました。 
 
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円) 

『クラヴィーア練習曲集 第3部(Clavier Übung III)』
Alba ABCD 461 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) classical

 
『クラヴィーア練習曲集 第3部(Clavier Übung III)』
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685–1750)
 『クラヴィーア練習曲集 第3部(Clavier Übung III)』から
 前奏曲 変ホ長調《聖アン》 BWV.552 no.1
 「これぞ聖なる十戒(Dies sind die heil’gen zehn Gebote)」 BWV.678
 「これぞ聖なる十戒(Dies sind die heil’gen zehn Gebote)」によるフゲッタ BWV.679
 「われらみな唯一なる神を信ず(Wir glauben all’ an einen Gott)」 BWV.680
 「われらみな唯一なる神を信ず(Wir glauben all’ an einen Gott)」によるフゲッタ BWV.681
 「天にいますわれらの父よ(Vater unser im Himmelreich)」 BWV.682
 「天にいますわれらの父よ(Vater unser im Himmelreich)」 BWV.683
 「われらの主キリスト、ヨルダン川に来り(Christ, unser Herr, zum Jordan kam)」 BWV.684
 「われらの主キリスト、ヨルダン川に来り(Christ, unser Herr, zum Jordan kam)」 BWV.685
 「深き苦しみの淵より、われ汝に呼ばわる(Aus tiefer Not, schrei’ ich zu dir)」 BWV.686
 「深き苦しみの淵より、われ汝に呼ばわる(Aus tiefer Not, schrei’ ich zu dir)」 BWV.687
 「われらの救い主なるイエス・キリスト(Jesus Christus unser Heiland)」 BWV.688
 「われらの救い主なるイエス・キリスト(Jesus Christus unser Heiland)」によるフーガ BWV.689
 フーガ 変ホ長調《聖アン》 BWV.552 no.2
  リーサ・アールトラ(オルガン)
 
[Organ: Kangasalan Urkurakentamo 1995, opus 1081]
 
録音 2019年10月14日–15日 ピルッカラ教会(フィンランド)
制作 リーサ・アールトラ
録音 ミカ・コイヴサロ

 
リーサ・アールトラ Liisa Aaltola は、シベリウス・アカデミーで学びました。1990年、オルガンのディプロマを取得、1991年にヘルシンキの大聖堂でデビュー・リサイタルを行いました。フィンランドと海外のマスタークラスを経て、オルガンとチェンバロのソリスト、室内楽奏者として活動しています。タンペレ=ピルッカラ空港のあるピルッカラ教会のオルガニストは1991年から務め、教会の共同音楽監督のひとりとしてバッハのオルガン作品の全曲演奏を5年かけて成し遂げました。バッハの『クラヴィーア練習曲集 第3部(Clavier Übung III)』の抜粋を演奏したアルバムは、シリーズを終えた後、2019年のセッション録音です。《聖アン》の名で知られる《前奏曲とフーガ 変ホ長調》の〈前奏曲〉と〈フーガ〉を両端に置き、教理問答書コラール(ドイツ・オルガンミサ)』の「十戒」「使徒信条」「主の祈り」「洗礼」「告解」「聖餐」をテーマとする12のコラールをはさむ構成のプログラム。アールトラは、全体に速めのテンポをとり、楽器の音色と教会の響きを活かすレジストレーションで演奏しています。ピルッカラ教会のオルガンは、シモ&カピュ・パーヴィライネン建築事務所の設計で教会が竣工した翌年の1995年、オルガン工房「カンガサラ・ウルクラケンタモ」によって建造されました。北ドイツの伝統に沿って設計された、ストップ数20、2段鍵盤とペダルの楽器です。
 
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円) 

『ムジカ・フロレア  - ドヴォルジャーク 交響曲第3番』
ARTA Music F 10260 classical

 
アントニーン・ドヴォルジャーク(1841–1904)
 悲劇的序曲(Tragická ouvertura) 変ロ長調 B.16a(1870)
 交響曲第3番 変ホ長調 Op.10 B.34(1873 rev.1887–89)
 ポロネーズ(Polonéza) 変ホ長調 B.100(1879)
  ムジカ・フロレア マレク・シュトリンツェル(指揮)
 
録音 2020年10月29日 Kulturní centrum Na Chrupavce(リーベズニツェ、チェコ)(ライヴ録音)
録音監督 ヤン・スヴェイコフスキー
バランス・エンジニア アレシュ・ドヴォルジャーク

 
チェコの ARTA Music がリリースする、マレク・シュトリンツェル Marek Štryncl(1974–)と彼が1992年に創設したピリオド楽器オーケストラ「ムジカ・フロレア(Musica Florea)」によるドヴォルジャークの交響曲・管弦楽曲シリーズ第7作。《悲劇的序曲》は、1870年、彼の最初の歌劇《アルフレッド(Alfred)》の序曲として書かれた作品です。1881年、単独の曲として演奏されることを見越して改訂の手が加えられ、この曲名がつけられたものの、コンサートでの演奏は実現せず、ドヴォルジャークの死後、1905年になって初演されました。彼の作品の中でもっともワーグナーの影響が強い作品と言われます。交響曲第3番は、「アレグロ」のふたつの楽章が、「葬送行進曲」を思わせる部分をもつ「アダージョ」の楽章を挟む、3楽章の作品です。合唱と管弦楽のための《賛歌「白山の後継者たち」》で成功を収めた後、1873年の4月から7月にかけて作曲され、1889年の再演に向けて大幅に改訂されました。《ポロネーズ》は、《スラヴ舞曲》第1集の1年半後、プラハで開かれる舞踏会のために委嘱を受けて書かれた作品です。「ロマンティックな時代の楽器の助けを借り、私たち、聴き手と演奏者がみな、ロマンティックな音楽の真にロマンティックな演奏に立ち返ろうとする試み」(マレク・シュトリンツェル)により、「派手に装飾する」スタイルとは違う、ドヴォルジャークの時代を想像させる音楽が実現しました。レ・シエクルとロトの近代と19世紀フランス音楽のシリーズと同じセンスの感じられる演奏です。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)
 
[既リリース・ディスク]
 
ARTA Music F10180 2CD’s
 交響曲第7番 ニ短調 Op.70 B.141 交響曲第8番 ト長調 Op.88 B.163
 歌劇《ヴァンダ》 Op.25 B.55 - 序曲
 プラハ・ワルツ ポルカ「プラハの学生たちへ」 Op.53a/1 B.114
 
価格 3,630円(税込価格)(本体価格 3,300円)
 
ARTA Music F 10215
 交響曲第1番 ハ短調 B.9 夜想曲 ロ長調 Op.40
ARTA Music F 10245
 交響曲第5番 へ長調 Op.76 B.34 演奏会序曲《オセロ》 Op.93 B.174
ARTA Music F 10220
 交響曲第2番 変ロ長調 Op.4 B.12
ARTA Music F 10235
 交響曲第4番 ニ短調 Op.13 B.41 演奏会序曲《わが祖国》Op.62 B.125a
ARTA Music F 10230
 交響曲第9番 ホ短調 Op.95 B.178《新世界から》 賛歌「白山の後継者たち」 Op.30 B.27/102/134 
 
価格 各 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『And the sun darkened(そして太陽は光を失った)
BIS SACD 2277 SACD hybrid (5.0 surround/stereo)  early music/classical

 
『And the sun darkened(そして太陽は光を失った)- Music for Passiontide(受難節の音楽) 』
ロワゼ・コンペール(c.1445–1518)
 モテット《勝利した十字架(Crux triumphans)》
ジョスカン・デ・プレ(c.1450/1455–1521)
 モテット《御身は貧しき者の隠れ家(Tu pauperum refugium)》
アンドルー・スミス(1970–)
 詩編55番(Salme 55)
アドリアン・ヴィラールト(c.1490–1562)
 天にましますわれらの父よ(Pater noster)– アヴェ・マリア(Ave Maria)
キリルス・クレーク(1889–1962)
 詩編22番(Taaveti laul 22/Psalm 22)
ロワゼ・コンペール(c.1445–1518)
 モテット集《十字架の聖務日課(Officium de Cruce)》
ピエール・ド・ラ・リュー(c.1452–1518)
 おお、救いのいけにえよ(O salutaris hostia)
  ニューヨーク・ポリフォニー
   ジェフリー・ウィリアムズ(カウンタテナー)
   スティーヴン・カルディコット・ウィルソン(テノール)
   クリストファー・ダイラン・ハーバート(バリトン)
   クレイグ・フィリップス(バス)
 
録音 2018年6月 プリンストン・アビー(プリンストン、ニュージャージー州)
制作・録音 イェンス・ブラウン

 
「ニューヨーク・ポリフォニー New York Polyphony」は、ジェフリー・ウィリアムズ  Geoffrey Williams、スティーヴン・カルディコット・ウィルソン Steven Caldicott Wilson、クリストファー・ダイラン・ハーバート Christopher Dylan Herbert、クレイグ・フィリップス Craig Philips の4人が2006年に結成。顧みられることの少ないルネサンスと中世の作品をレパートリーに活動をつづけ、室内ヴォーカルアンサンブルとして真っ先に挙げられるグループのひとつとしての地位を確立してきました。CD録音も継続的に行い、2012年の『endBeginning - フランドル楽派のポリフォニー音楽』(BIS SA-1949)をはじめとする5枚のアルバムを BIS Records からリリース。ルネサンス期スペインの作品を歌った『哀歌(Lamentationes)』(BIS SA-2407)は、イギリスの音楽誌が主宰する「グラモフォン賞」の「アーリーミュージック部門」の「2020年最優秀アルバム」に選ばれ、アメリカの「Fanfare」からは「内面の光に照らされたかのような輝かしい演奏。このうえ何が望めるのか、わからない…」と評されました。
 
『And the sun darkened(そして太陽は光を失った) 』は、ニューヨーク・ポリフォニーの6作目のアルバムです。
「受難節」をテーマに「古い音楽と新しい音楽の交差するところを探る」という彼らの活動に沿った新旧7つの作品を取り上げています。フランス北部、アルトワのロワゼ・コンペール Loyset Compère(c.1445–1518)の作品が2曲。中世後期の宗教詩に作曲したモテット《勝利した十字架》と、彼がミラノ公ガレアッツォ・マリア・スフォルツァの宮廷に滞在した1470年代に書いたとされる、『フィリピの信徒への手紙』(2節)『聖金曜日のアンティフォン』、14世紀の賛美歌『Pater sapientia(父の英知)』がテクストの《十字架の聖務日課》。ジョスカン・デ・プレ Josquin Des Prez(c.1450/1455–1521)の祈りのモテット《御身は貧しき者の隠れ家(汝、貧しき者の憩いよ)》。
 
アンドルー・スミス Andrew Smith(1970–)は、イギリスに生まれ、ノルウェーを本拠に作曲家、歌手、著作家として活動しています。《詩編55番》(「神よ、わたしの祈りに耳を向けてください。嘆き求めるわたしから隠れないでください」)(新共同訳)は、ヴェストフォル音楽祭で上演される劇『Notes for a Requiem(レクイエムのための記録)』のために委嘱を受けて作曲した音楽を改作した「アカペラ男声四重唱曲」です。フランドルのアドリアン・ヴィラールト Adrian Willaert(c.1490–1562)がグレゴリオ聖歌の旋律も引用して書いた《天にましますわれらの父よ – アヴェ・マリア》。エストニアの作曲家、合唱指揮者のキリルス・クレーク Cyrillus Kreek(1889–1962)の《詩編22番》(「わたしの神よ、わたしの神よ なぜわたしをお見捨てになるのか」)は、彼が『詩編』をテクストに作曲した、国際的に知られる作品のひとつ。フランドル楽派のピエール・ド・ラ・リュー Pierre de la Rue(c.1452–1518)の《おお、救いのいけにえよ》は、聖トマス・アクィナスの賛美歌『Verbum supernum prodiens(天上の御言葉)』に作曲された輝かしい作品です。イェンス・ブラウン Jens Braun が制作と録音を担当。『哀歌』と同じ2018年6月のセッション期間中に録音されました。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

女性のためのアルバム(Album für die Frau)
BIS SACD 2473 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) classical 

 
女性のためのアルバム(Album für die Frau)- シューマン夫妻の歌曲による情景』
ロベルト・シューマン(1810–1856)、クララ・シューマン(1819–1896)*
「プロローグ」
 ゆっくりと、表情豊かに弾く
 (Langsam und mit Ausdruck zu spielen) Op.68 no.21
 美しいがために私を愛するのなら(Liebst du um Schönheit) Op.12 no.2 *
「あの人に会ってから」
 あの人に会ってから(Seit ich ihn gesehen) Op.42 no.1
 おお、歓喜よ(O Lust, o Lust) Op.23 no.6
 民謡(Volksliedchen) Op.51 no.2
 愛の魔法(Liebeszauber) Op.13 no.3 *
「誰よりも素晴らしい彼」
 誰よりも素晴らしい彼(Er, der Herrlichste von allen) Op.42 no.2
 ある明るい朝(An einem lichten Morgen) Op.23 no.3 *
 なぜ他の人にたずねるのか(Warum willst du andre fragen?) Op.12 no.3 *
 恋の歌(Liebesiied) Op.51 no.5
「私にはわからない、信じられない」
 私にはわからない、信じられない
 (Ich kann’s nicht fassen, nicht glauben) Op.42 no.3
 裏切られた恋(Verratene Liebe) Op.40 no.5
 もの言わぬはすの花(Die stille Lotubslume) Op.13 no.6 *
「指につけた指輪よ」
 指につけた指輪よ(Du Ring an meinem Finger) Op.42 no.4
 月は静かに昇った(Der Mond kommt still gegangen) Op.13 no.4 *
 母さん、母さん(花嫁の歌 I)
 (Mutter! Mutter! (Lieder der Braut I)) Op.25 no.11
 あの人の胸に私を寄りかからせて(花嫁の歌 II)
 (Lass mich ihn am Busen hangen(Lieder der Braut II)) Op.25 no.12
 満足(Glückes genug) Op.19 no.5
「手伝ってよ、妹たち」
 手伝ってよ、妹たち(Helft mir, ihr Schwestern) op.42 no.5
 はすの花(Die Lotosblume) Op.25 no.7
 あらしの夜の楽しみ(Lust der Strumnacht) Op.35 no.1
「やさしい友よ、あなたの眼差しは」
 やさしい友よ、あなたの眼差しは(Süsser Freund, du blickest) Op.42 no.6
 ハイランド地方の人たちの別れ(Hochländers Abschied) Op.25 no.10
 眠りの精(Der Sandmann) Op.79 no.12
 眠る子供(Kind im Einschlummern) Op.15 no.12
「わたしの心に、わたしの胸に」
 わたしの心に、わたしの胸に
 (An meinem Herzen, an meinem Brust) Op.42 no.7
 木馬の騎士(Ritter vom Steckenpferd) Op.15 no.9
 あなたの顔は(Dein Angesicht) Op.127 no.2
 おとめの憂い(Mädchen-Schwermut) Op.142 no.3
「今、あなたは初めてわたしを悲しませた」
 今、あなたは初めてわたしを悲しませた
 (Nun hast du mir den ersten Schmerz getan) Op.42 no.8
 レクイエム(Requiem) Op.90 no.7
「後奏曲」
 冬の時 I(Winterzeit I) Op.68 no.38
  キャロリン・サンプソン(ソプラノ)
  ジョーセフ・ミドルトン(ピアノ)
 
録音 2018年8月 St George’s Bristol(ブリストル、イングランド)
制作・録音 イェンス・ブラウン

 
『狂気のなかの正気』(BIS SA-1353)と『コントラスト - 歌に作られたイギリスの詩』(BIS SA-2413)の2枚の「コンセプト・アルバム」をリリースしたイギリスのソプラノ、キャロリン・サンプソン Carolyn Sampson とピアニスト、ジョーセフ・ミドルトン Joseph Middleton のデュオの新作。連作歌曲集《女の愛と生涯(Frauenliebe und -leben》(Op.42)を核に、ロベルトとクララの歌曲とピアノ曲を散りばめたプログラムにより「シューマン夫妻の情景」を描いてみせます。ロベルトは《子供のためのアルバム(Album für die Jugend)》 Op.68(ピアノのための)、《子供の情景(Kinderszenen)》 Op.19(ピアノのための)、《ミルテの花(Myrthen)》 Op.25、《12の詩(12 Gedichte)》 Op.35、《5つのリート(5 Lieder)》 Op.40、《女の愛と生涯(Frauenliebe und -leben》 Op.42、《リートと歌 第2集(Lieder und Gesänge 2)》 Op.51、《子供のための歌のアルバム(Liederalbum für die Jugend)》 Op.79、《5つのリートと歌(5 Lieder und Gesänge)》 Op.127、《4つの歌(4 Gesänge)》 Op.142、《N. レーナウの6つの詩とレクイエム(8 Gedichte von N. Lenau und Requiem)》 Op.90、クララは《3つの詩(3 Gedichte)》 Op.12、《6つの歌曲(6 Lieder)》 Op.13、《ユグンデによる6つの歌(6 Lieder aus Jucunde)》 Op.23 の曲が選ばれています。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『ミカエル・ジャレル』
BIS SACD 2482 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) contemporary/classical  

 
ミカエル・ジャレル(1958–)
 緊急対応(Émegences-Résurgences)(2016)
 (ヴィオラと管弦楽のための協奏曲)
 …大空は今なお、とても澄み渡っているのに、急に不安がこみあげてくる…
 (...Le ciel, tout à l'heure encore si limpide, soudain se trouble horriblement…)(2009)
 (管弦楽のための)
 4つの印象(4 Eindrücke)(2019)(ヴァイオリンと管弦楽のための協奏曲)
  タベア・ツィンマーマン(ヴィオラ)
  ルノー・カピュソン(ヴァイオリン)
  フランス国立ロワール管弦楽団 パスカル・ロフェ(指揮)
 
録音 2019年7月(緊急対応、大空は)、12月(印象) コンヴェンション・センター(アンジェ、フランス)
制作 トーレ・ブリンクマン

 
スイスの作曲家ミカエル・ジャレル Michael Jarrell(1958–)の管弦楽のための作品集。ジャレルは、サントリーホール国際作曲家委嘱シリーズの2019年の「テーマ作曲家」に選ばれ、サントリー・ホールディングス、フランス国立ロワール管弦楽団、ケルンギュルツェニヒ管弦楽団の共同委嘱による《4つの印象》を作曲。2019年8月30日、ルノー・カピュソンのソロ、ロフェ指揮の東京交響楽団により初演されました。ジャレルは、この「ヴァイオリンと管弦楽のための協奏曲」をカピュソンの「一種の肖像画」として作曲、作品を彼に献呈しています。2019年のフェスティヴァルでは、スイス・ロマンド管弦楽団の委嘱で作曲された《…大空は今なお、とても澄み渡っているのに、急に不安がこみあげてくる…》も、東京交響楽団とロフェの指揮で日本初演されました。《緊急対応》は、アンリ・ミショーの絵画からインスピレーションを得たという「ヴィオラと管弦楽のための協奏曲」です。フランス国立ロワール管弦楽団、ユタ交響楽団、コンツェルトハウス・ベルリン、スイス・ロマンド管弦楽団、ウィーン交響楽団、ウィーン・コンツェルトハウスから共同委嘱され、2016年10月、ストラスブールの音楽祭で初演。タベア・ツィンマーマンに献呈されました。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『スペイン(Spain)』
BIS SACD 2565 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) classical  

 
『スペイン(Spain)』
レヒーノ・サインス・デ・ラ・マーサ(1896–1981)
 ロンデーニャ(Rondeña)
 瞑想曲(Meditación)(《神の辺境(La Frontera de Dios)》から)
 ソレア(Soleá)
エンリケ・グラナドス(1867–1916)(ミゲル・リョベート(1878–1938)編曲)
 ゴヤの女(La maja de Goya)
 (《昔風のスペイン歌曲集(Tonadillas en estilo antiguo)》から)
ルイス・デ・ミラン(c.1500–c.1561)
 6つのパヴァーヌ(6 Pavanas)
 (音楽本《マエストロ(El Maestro)》(1536)から)
フェルナンド・ソル(1778–1839)
 「マルボロー」の主題による序奏と変奏曲
  (Introduction and Variations on ‘Malbroug’)Op.28
マヌエル・デ・ファリャ(1876–1946)
 クロード・ドビュッシーの墓碑銘のための賛歌
 (Homenaje, pour le tombeau de Claude Debussy)
マヌエル・デ・ファリャ(1876–1946)(フランツ・ハラース(1964–)編曲)
 粉屋の踊り(Danza del molinero)
 (バレエ《三角帽子(El sombrero de tres picos)》から) 
フェデリコ・モレーノ・トローバ(1891–1982)
 トリハ(Torija)(《スペインの城(Castilos de España)》から)
フランシスコ・タレガ(1852–1909)
 涙(Lágrima) アランブラの思い出(Recuerdos de la Alhambra)
イサーク・アルベニス(1860–1909)(フランツ・ハラース(1964–)編曲)
 グラナダ(Granada)
 (《スペイン組曲(Suite española)第1集》 Op.47 から)
 カタルーニャ・カプリッチョ(Capricho catalán)
 (《スペイン(España)》 Op.165 から)
 カディス(Cádiz)(《スペイン組曲(Suite española)第1集》 Op.47 から)
ホアキン・トゥリーナ(1882–1949)
 幻想曲《セビーリャ風》(Fantasía “Sevillana”) Op.27
 ギターソナタ Op.61
  フランツ・ハラース(ギター)
 
[楽器 Guitar: Matthias Danmann, Spruce-Cypress 2019/Strings: Hannabach Custom-Made Exclusive ]
 
録音 2020年8月、11月 十字架教会 アルベルト・レンプ・ホール(シュヴァービング、ミュンヘン)
制作 デボラ・ハラース
録音・ミクシング ミケーレ・ガッジャ
編集 フランツ・ハラース

 
1922年6月、グラナダのアランブラ宮殿(アルハンブラ宮殿)で文化祭「カンテ・ホンド(El concurso del cante jondo)」が開催されました。マヌエル・デ・ファリャとフェデリコ・ガルシーア・ロルカが中心となって組織したこの催しは、フラメンコ芸術を都会の影響で軽薄にねじ曲げられることから守り、純粋な姿で保存することにあったと言われます。当時29歳で国際的なキャリアをスタートさせたばかりのアンドレス・セゴビアが、ファリャの《クロード・ドビュッシーの墓碑銘のための賛歌》を弾いてフェスティヴァルが始まり、過去と現在、そして将来を見すえたスペインのギター音楽が、2日間に渡って演奏されました。ドイツのギタリスト、フランツ・ハラース Franz Halász(1964–)は、『J. S. バッハ《リュート組曲》』(BIS SA-2285)につづくソロ・アルバムで、このフェスティヴァルを念頭におき、16世紀から20世紀スペインを代表する多彩なギター作品のプログラムを演奏しています。サインス・デ・ラ・マーサ、グラナドス、ミラン、ソル、ファリャ、トローバ、タレガ、アルベニス。トゥリーナの《ギターソナタ》は、スペイン自治協会所蔵の現存する最古の複写手稿譜を使って演奏した初めての録音です。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『キット・アームストロング ワーグナー、リスト、モーツァルトを弾く』
C Major 75 6604 (Blu-ray)/75 6508 (DVD) classical 

 
リヒャルト・ワーグナー(1813–1883)
 M.W. 夫人のアルバムのためのソナタ 変イ長調
 (Eine Sonate für das Album von Frau M.W.) WWV.85
フランツ・リスト(1811–1886)
 泉のほとりで(Au bord d’une source)(《巡礼の年 第1年:スイス》から)
 ペトラルカのソネット第123番(Sonetto 123 del Petrarca)
 (《巡礼の年 第2年:イタリア》から)
 エステ荘の糸杉に寄せて-葬送歌(第2)(Aux cyprés de la Villa d’Este)
 (《巡礼の年 第3年》から)
 エステ荘の噴水(Les jeux d’eaux à la Villa d’Este)
 (《巡礼の年 第3年》から)
 ピアノソナタ ロ短調 S.178
ヴァルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756–1791)
 幻想曲 ハ短調 K.475
フランツ・リスト(1811–1886)
 モーツァルトの『アヴェ・ヴェルム・コルプス』の編曲
 (Transcription from Mozart’s “Ave serum corpus”) S.461a
ヴァルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756–1791)
 組曲 ハ長調 K.399(385i)- アルマンド(Allemande)
  キット・アームストロング(ピアノ)
 
[Piano: Ed. Steingrraeber 200(1890)/Steingraeber & Söhne E-272]
 
収録 2019年7月24日 バイロイト辺境伯歌劇場(バイロイト、ドイツ)(ライヴ)
ビデオ制作 ハルトムート・ベンダー
ビデオ監督 ベルンハルト・フライシャー
撮影監督 ギュンター・オイリンガー
録音エンジニア ミヒャエラ・ヴィースベク
 
[Blu-ray: 16:9, 1080i HD, DTS-HD MA 5.0/PCM 2.0, Region All, BD50, 95min]
[DVD: 16:9, NTSC,  DTS 5.0/PCM 2.0, Region All, DVD9, 95min]

 
アメリカのピアニストで作曲家、キット・アームストロング Kit Armstrong は、1992年、イギリス人と台湾人を両親にロサンジェルスに生まれました。子供のころから、音楽、言語、生物学、物理学、数学、化学とさまざまな分野に興味を示し、非凡な少年とも呼ばれたと言います。8歳の時、ロングビーチ・バッハ・フェスティヴァルのオーケストラと共演してピアニストとしてデビュー。以来、音楽的成熟と若々しい大胆さをあわせもった別格の演奏を聴かせる、知性の輝くピアニストと、ニューヨーク・タイムズから賞賛されるなど、着実にキャリアを積み重ねてきました。2013年からは、パリに買った教会を本拠に、地域の人々と交流しながら演奏や作曲の活動を行なっています。
 
2019年7月24日、バイロイトの辺境伯歌劇場で行われたコンサートで彼は、ワーグナー、リスト、モーツァルトの作品を演奏しています。ワーグナーが、1853年、彼の「ミューズ」マティルデ・ヴェーゼンドンクのために書いた、一楽章の《ソナタ 変イ長調》。リストの曲は、《ラ・カンパネラ》のようなショーピースで植えつけられるネガティヴなイメージの「リスト」から遠く離れた、外面と内面の美しさをもった作品が選ばれていまう。「組曲」か「ソナタ」を思わせる有機的つながりで演奏されるリストの《巡礼の年》から採った4曲。シューベルトと深いところで繋がっていると言われるリストが、ダイナミックな響きと自然に生まれる推進力をもった劇的なエピソードと内省的抒情のページで綴る《ソナタ ロ短調》。アンダンテ・ソステヌートの主題が瑞々しい印象を残します。モーツァルトは、同じ調性のソナタと一緒に出版された、より自由で大胆、即興的な《幻想曲 ハ短調》。リストの《モーツァルトの『アヴェ・ヴェルム・コルプス』の編曲》をはさみ、未完の《組曲 ハ長調》から〈アルマンド〉。「ずっと忘れられていた音世界への旅」と呼べるプログラムです。
 
このコンサートでは、異なる2台のピアノが演奏に使われました。バイロイトのピアノ工房「Steingraeber & Söhne」の製造した現代のコンサート・グランド「Model E-272」がリストの《ソナタ》以降の後半。前半のプログラムは、リストの所有していた楽器と同等の1890年製「Ed. Steingrraeber 200」で演奏されました。
 
 
価格 Blu-ray: 5,720円(税込価格)(本体価格 5,200円) DVD:  4,180円(税込価格)(本体価格 3,800円)
 

『チャベス、コープランド』
Dutton Epoch Historic CDLX 7366 SACD hybrid (Multichannel/stereo) classical 

 
カルロス・チャベス(1899–1978)
 バレエ《ピラミッド(Pirámide)》(1968)
 (管弦楽、混声合唱、録音テープのための)
  第3幕「要素:風、水、地、火」 第4幕「全員の踊り」
 バレエ《4つの太陽(Los cuatro soles/The Four Suns)》(1925)
 (ソプラノと室内管弦楽のための)
  アンブロージアン・シンガーズ ジョン・マッカーシー(合唱指揮)
  ロンドン交響楽団 カルロス・チャベス(指揮)
 [Columbia M 32685/MQ 32685(1974)]
アーロン・コープランド(1900–1990)
 バレエ《アパラチアの春(Appalachian Spring)》(1944)
 (13人の奏者のための)
 [Columbia M 32736/MQ 32736(1974)]
[Bonus track(SACD layer のみ)(2 channel stereo)]
 『コープランド《アパラチアの春》リハーサル風景(Copland Rehearses Appalachian Spring)』
  コロンビア室内管弦楽団 アーロン・コープランド(指揮)
 [Columbia EP BTS34]
 
録音 1973年3月14日–18日 アビーロード・スタジオ 第1(ロンドン)(チャベス)、1973年5月9日–11日 コロンビア30番街スタジオ C(ニューヨーク)
制作 ポール・マイアズ(チャベス)、アンドルー・カズディン(コープランド)
録音 ロバート・グーチ、ロイ・エマソン、マイク・ロス・トレヴァー(チャベス)、スタン・トンケル、レイモンド・ムーア、ミルトン・チェリン(コープランド)
リマスタリング マイケル・J・ダットン

 
イギリスの録音技師マイケル・J・ダットン Michael J. Dutton のレーベル Dutton は、1993年から活動を始め、トマス・イェンセンの指揮したカール・ニルセンの管弦楽作品など、SP と LP 時代の「歴史的録音」を良好な音質に復刻、CDリリースして音楽ファンに名前を知られていました。1997年にはライトミュージックを扱う Vocalion レーベルを作り、1999年からは20世紀イギリスのクラシカル音楽の未録音作品を中心とするオリジナル録音を制作、リリースする「Epoch 」シリーズを始めました。このシリーズのカテゴリー「Dutton Epoch Historic SACD」は、Sony Classical が所有する RCA と CBS Columbia の「Quadraphonic(4チャンネル)」録音を正式ライセンスを得て SACD リリースためにスタート。メキシコのチャベスと彼の親友、アメリカのコープランドの管弦楽作品を収めたこのアルバムは、2019年にリリースされた一枚です。
 
チャベス Carlos Chávez の《4つの太陽》は、メキシコの北部からアメリカ西海岸の南部にかけて住んだとされるナワ族に伝わる3つの先史時代の神話に基づくバレエとして作曲されました。洪水で終わる「第1の時代、または水の太陽」、氷と風の嵐で滅びる「第2の時代、または風の太陽」、火と溶岩に襲われる「第3の時代、または火の太陽」、人間が今生きる「第4の時代、または地の太陽」。チャベスは、過去の文明のドラマや先住民族の残した建造物と彫刻を通じて伝承の世界に思いをめぐらせて作曲。1930年にメキシコ交響楽団により初演された後、1951年に初めてバレエとして上演されました。《ピラミッド》は、チャベス自身の考えたストーリーによる4幕の「幻想のバレエ」として作られました。アステカの神と女神を擬人化した「風、水、地、火」を様式化して描いた第3幕。原始人の戦い、火の発見、ピラミッドに象徴される建築の進歩を描き、すべての時と場所の男女が一緒になって踊る第4幕「全員の踊り」。伝統的スタイルに新しい語法も交えた管弦楽、混声合唱、録音テープのための作品です。
 
《アパラチアの春》は、コープランドがエリザベス・スプレイグ・クーリッジ基金から委嘱を受け、マーサ・グレアムのための「アメリカをテーマ」とするバレエとして書かれた作品です。1944年10月30日、ワシントンのアメリカ議会図書館でマーサ・グレアムにより初演され、同年、管弦楽のための組曲が作られました。組曲は、1945年10月4日、委嘱者のアルトゥール・ロジンスキとニューヨーク・フィルハーモニックが初演。この作品でコープランドは、1945年のピューリツァー賞を受賞しています。
 
このアルバムに収録されたコープランドの指揮による《アパラチアの春》は、13人の奏者のための「オリジナル」稿で演奏した最初の録音です。この作品には、コープランド自身による「4つの版」があり、この作品の人気を高めた「管弦楽のための組曲」がもっとも一般的に使われ、録音も数多く制作されてきました。コープランド自身、ボストン交響楽団(RCA)とロンドン交響楽団(CBS Columbia)を指揮してこの組曲版を録音しています。アメリカ議会図書館のスペースに合わせて作曲したオリジナルの「13人の奏者によるバレエ全曲」については、「広く親しまれている組曲に比べると響きが薄いのではないか」という考えから、改めて取り上げることにためらいがあったと言います。しかし、友人の勧めを受けてカリフォルニアで演奏した「オリジナル・バレエ」に対する聴衆の反応が良かったことから、この録音が企画されました。「より個人的で、より心に触れると言ってもよさそうな音のように私には聴こえる」(コープランド)。この版は、マーサ・グレアムのダンスに触発され、「よりシンプルなアメリカの価値観に戻る」ことを意図したという《アパラチアの春》の最良の姿という考えも多くみられます。オリジナルによる演奏は、この録音の後、ヒュー・ウルフとセントポール室内管弦楽団による録音(Teldec)が、コープランドの没した1990年の翌年にリリースされました。
 
チャベス、コープランドとも、マイケル・J・ダットンのリマスタリングにより、ロンドンとニューヨーク・シティのセッションで録音された音源が、誇張や不自然さを感じさせない「正当な」姿に蘇りました。ディスクの「Bonus track」(SACD layer のみ)には『コープランド《アパラチアの春》リハーサル風景』(2 channel stereo)が収録されています。
 
「Dutton Epoch Historic SACD」のカタログには『マイケル・ティルソン・トマス、カルミナ・ブラーナを指揮する』(2CDLX 7369)、エーリヒ・ラインスドルフが指揮したコルンゴルトのオペラ《死の都》(2CDLX 7376)といった貴重な録音が含まれています。「Vocalion」の「Quadraphonic SACD」では、スティーヴン・ソンドハイムの『A Little Night Music』のオリジナル・ブロードウェイ・キャスト録音(CDLK 4626)、バーナード・ハーマンの古典的フィルム・スコアを集めた『Citizen Cane(市民ケーン)』(CDLK 4620)、チャールズ・ゲアハートとナショナル・フィルハーモニック管弦楽団が「エロル・フリン映画」のスコアを演奏した『Captain Blood(海賊ブラッド)』(CDLK 4633)といった「古典的」アルバムの他、LP リリースされアメリカでベストセラーになった冨田勲の『ラヴェル(Ravel)-ダフニスとクロエ』(CDSML 8554)と『火の鳥(Firebird)』(CDSML 8558)も復刻されました。ミュージカル『コーラスライン』のオリジナル・キャスト録音(CDLX 4640)とソンドハイムの『Campany(カンパニー)』が、近日リリースされる予定です。
 
価格 2,695円(税込価格)(本体価格 2,450円)

『七つの言葉とイエスの四肢(Septem Verba & Membra Jesu Nostri)』
Harmonia Mundi HMM 902350 2CD’s classical 

 
ディートリク・ブクステフーデ(c1637-1707)
 カンタータ「われらがイエスの四肢(Membra Jesu Nostri)」 BuxWV.75
 嘆きの歌:それでもなお死は逃れられないのか(Klag-Lied)」
  (カンタータ「安らぎと喜びもてわれは逝く(Mit Fried und Freud)」 BuxWV.76 から)
 安らぎと喜びもてわれは逝く(Mit Fried und Freud)
 (カンタータ「安らぎと喜びもてわれは逝く(Mit Fried und Freud)」 BuxWV.76 から)
ハインリヒ・シュッツ(1585–1672)
 われを憐れみたまえ、おお主なる神よ(Erbarm dich mein, o Herre Gott) SWV.447
 十字架上のキリストの最後の七つの言葉(Die sieben Worte Jesu Christi am Kreuz) SWV.478
リューデット・ディークマン(c.1640–1717)
 嘆きの歌、または葬送音楽(Lamentu eller En Sorge-Music)(1685)
ディートリク・ブクステフーデ(c1637-1707)
 カンタータ「心よりわれ汝を愛す、おお主よ(Herzlich lieb hab ich dich, o Herr)」 BuxWV.41
  アンサンブル・コレスポンダンス
  セバスティアン・ドセ(指揮、通奏低音)
 
録音 2020年8月、9月 アベイ・オ・ダム(サント、フランス)

 
器楽と声楽のグループ「アンサンブル・コレスポンダンス(Ensemble Correspondances)」は、鍵盤楽器奏者、指揮者のセバスティアン・ドセ Sébastien Daucé により2008年にリヨンで創設されました。17世紀フランスの宗教音楽を主なレパートリーに、著名な作曲家の作品を再発見するなど、コンサートと録音の活動を積極的に行っています。サントの尼僧院、アベイ・オ・ダム(Abbaye aux Dames)でセッション録音されたアルバム『七つの言葉とイエスの四肢』。J.S. バッハ以前のヨーロッパでルター派の宗教音楽発展に寄与したブクステフーデとシュッツ、そして、スウェーデンのディークマンの宗教作品が演奏されます。
 
リューデット・ディークマン Lüdert Dijkman は、1640年から1648年ごろ、ダーラナ地方のヘーデムーラ教区に生まれました。カールスタード大聖堂のオルガニストと音楽教師、ストックホルムのマリア・マグダレーナ教会のオルガニストを務め、1689年、ストックホルム大聖堂のカントルとオルガニストに任命され、1717年に没するまでこの職責を担いました。《嘆きの歌、または葬送音楽(Lamentu eller En Sorge-Music)》は、彼の楽譜の現存する数少ない作品のひとつ。カール十一世とウルリカ・エレオノーラのふたりの息子、1685年の春に亡くなったグスタフ Gustav(1683–1685)とウルリク Ulrik(1684–1685)を悼む音楽として作曲され、1685年7月、ストックホルム王宮のリッダルホルメン教会で行われた葬儀で演奏されました。ソプラノによって歌われる〈Aria〉(アダージョ ホ短調)、「アルト、テノール、バス」の3声の〈Öde-Gudinnornas Swar〉、4つのヴァイオリンの序奏に始まる、4声の〈Aria〉の3つの部分からなる音楽です。この曲は、スウェーデン語のテクストによる最初期の作品とされ、スウェーデン音楽のアンソロジー「Musica Sveciae」の『王宮の音楽(Musik på Tre Kronor)』(MSCD306–307)にもスサンネ・リュデーンたちの演奏で収録されています。 
 
価格 3,740円(税込価格)(本体価格 3,400円) 

『誇り高き歌い手たち(Proud Songsters)』
The Choir of King’s College KGS 0052 classical 

 
『誇り高き歌い手たち(Proud Songsters)- イギリス独唱歌曲集』
ウィリアム・デニス・ブラウン(1888–1915)
 踊り歌うグラティアーナに寄せて(To Gratiana Dancing and Singing)
 (リチャード・ラヴレス(1617–1657)の詩)
アイルランド民謡(ベンジャミン・ブリテン(1913–1976)編曲)
 柳の庭のほとりで(The Salley Gardens)
 (ウイリアム・バトラー・イェイツ(1865–1939)の詩)
レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ(1872–1958)
 リンデン・リー(Linden Lea)(ウィリアム・バーンズ(1801–1886)の詩)
ジェラルド・フィンジ(1901–1958)
 ため息(The Sigh)(《ある若者の訓戒(A Young Man’s Exhortation)》第7曲)
 (トマス・ハーディ(1840–1928)の詩)
シーリア・ハーパー(1945–)
 わたしの恋する人がリンゴをくれた(My love  gave me an apple)
 (シーリア・ハーパー(1945–)の詩)
ロジャー・クィルター(1877–1953)
 照りつける太陽をもう恐れるな(Fear no more the heat o’ the sun)
 (《5つのシェイクスピアの歌(Five Shakespeare Songs)》 Op.23 第1曲)
フランク・ブリッジ(1879–1941)
 夢の中で会いにきてくれたら(Come to me in my dreams)
 (マシュー・アーノルド(1822–1888)の詩)
エリック・ティーマン(1900–1975)
 ただひとり、漂う雲のようにあてもなく歩いた(I wandered lonely as a cloud)
 (ウィリアム・ワーズワース(1770–1850)の詩)
ジョナサン・ダヴ(1959–)
 歌曲集《今夜眠るものはみな(All You Who Sleep Tonight)》
 (ヴィクラム・セス(1952–)の詩)
  神の愛(God’s Love)(第7曲) まもなく私は(Soon)(第12曲)
  今夜眠るものはみな(All You Who Sleep Tonight)(第13曲)
レベッカ・クラーク(1886–1979)
 シールマン(海から来た男)(The Seal Man)
 (ジョン・メイスフィールド(1878–1967)の詩)
アイヴァー・ガーニー(1890–1937)
 父さんと一緒に畑を耕しに行く(I will go with my father a-ploughing)
 (セオサム・マックカスムハウル(ジョーセフ・キャンベル)(1879–1944)の詩)
ジェラルド・フィンジ(1901–1958)
 誇り高き歌い手たち(Proud Songsters)
 (《大地と空気と雨と(Earth and Air and Rain)》第10曲)
 (トマス・ハーディ(1840–1928)の詩)
ハーバート・ハウエルズ(1892–1983)
 ダヴィデ王(King David)(ウォルター・デ・ラ・メア(1873–1956)の詩)
ベンジャミン・ブリテン(1913–1976)
 わたしの愛した女(ひと)は(Since she whom I loves)
 (《ジョン・ダンの神聖なソネット(The Holy Sonnets of John Donne)》第6曲)
ピーター・ウォーロック(1894–1930)
 眠り(Sleep)(ジョン・フレッチャー(1579–1625)の詩)
イアン・ベル(1980–)
 フェステ(さあ来い、死よ)(Feste(Come away, death))
 (ウィリアム・シェイクスピア(c.1564–1616)『十二夜(Twelfth Night)』の歌)
ロジャー・クィルター(1877–1953)
 行け、美しいバラよ(Go, lovely rose)
 (《5つのイギリスの愛の抒情詩(Five English Love Lyrics)》第3曲)
 (エドマンド・ウォラー(1606–1687)の詩)
レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ(1872–1958)
 沈黙の正午(Silent Noon)(《生命の家(The House of Life)》第2曲)
 (ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ(1828–1882)の詩)
  アシュリー・リッチズ(バス・バリトン)
  ティム・ミード(カウンタテナー)
  アンドルー・ステープルズ(テノール)
  マイケル・チャンス(カウンタテナー)
  ジェームズ・ギルクリスト(テノール)
  マーク・ストーン(バリトン)
  ローリー・ボウエン(テノール)
  ローレンス・ザッツォ(カウンタテナー)
  ジェラルド・フィンリー(バス・バリトン)
  サイモン・レパー(ピアノ)
[Bonus]
ランドン・ロナルド(1873–1938)
 おお素晴らしき夜(O lovely night!)
 (エドワード・テシュメイチャー(1876–1940)の詩)
  ジェラルド・フィンリー(バス・バリトン)
  クリストファー・キート(バス) サイモン・レパー(ピアノ)
 
録音 2019年10月29日、2020年2月10日 オール・セインツ教会(イースト・フィンチリー、イングランド)
制作・ミクシング ベンジャミン・シーン
録音 デーヴ・ロウエル
マスタリング サイモン・ギブソン

 
「キングズ・カレッジ King’s College」は、1441年、ケンブリッジ大学のカレッジのひとつとして当時19歳のヘンリー6世によって設立されました。同じ年、カレッジのチャペルで行われる行事のため創設された「ケンブリッジ・キングズ・カレッジ合唱団(Choir of King’s College, Cambridge)」は、以後、カレッジの生活に欠かないグループとして活動をつづけるとともに、ケンブリッジとイギリス、そして世界中の人々に何世紀にもわたって上質の音楽を届けてきました。カレッジの遺産を伝えるため合唱団が2012年に発足させたレコード・レーベルの最新アルバムは、イギリスの「誇る」独唱歌曲のアンソロジーです。ブリテンがアイルランド民謡を編曲した《柳の庭のほとりで(サリーの庭)》、フィンジがトマス・ハーディの詩に作曲した《ため息》と《誇り高き歌い手たち》、ウィリアム・バーンズとロセッティの詩によるヴォーン・ウィリアムズの作品。そして、ヴィクラム・セスの詩をテクストしたジョナサン・ダヴ Jonathan Dove(1959–)の《今夜眠るものはみな(All You Who Sleep Tonight)》の3曲や、シェイクスピアの『十二夜』の道化の歌に曲をつけたイアン・ベル Iain Bell(1980–)の《フェステ》といった近年の作品も歌われています。この企画には、かつてこの合唱団で歌い、プロのソロ歌手として活動する「同窓生」を中心にキングズ・カレッジで学んだアイルランドとアメリカの歌手が参加しました。ジェラルド・フィンリー Gerald Finley が彼の義父、合唱奨学生だったクリストファー・キート Christopher Keyte と一緒にサイモン・レパー Simon Lepper のピアノ共演で歌ったランドン・ロナルドの《おお素晴らしき夜》が「Bonus」としてアルバム最後に収録されています。
 
価格 1,980円(税込価格)(本体価格 1,800円)

『ベートーヴェン 交響曲第7番・プロメテウスの創造物』
Harmonia Mundi HMM 902446 2CD's classical 

 
ルートヴィヒ・ファン・ベートーヴェン(1770–1827)
 交響曲第7番 イ長調 Op.92
 バレエ《プロメテウスの創造物(Die Geshöopfe des Prometheus)》 Op.43(全曲)*
  フライブルク・バロックオーケストラ
  ゴットフリート・ファン・デア・ゴルツ(コンサートマスター、指揮 *)
 
録音 2020年2月 コンツェルトハウス・フライブルク(フライブルク=イム=ブライスガウ、ドイツ)
芸術監督・録音 マルティン・ザウアー

 
Harmonia Mundi の「2020/2027 Beethoven」シリーズの新しいアルバム。ゴットフリート・ファン・デア・ゴルツ Gottfried von der Goltz 指揮のフライブルク・バロックオーケストラ Freiburger Barockorchester による交響曲第7番にバレエ《プロメテウスの創造物》の「全曲」を組み合わせてリリースされます。「交響曲」の古典的形式の枠組みの中で、付点のリズムやリズム音型の反復といった、舞踏を思わせるさまざまなリズムの工夫を凝らした第7番。《プロメテウスの創造物》は、イタリアの舞踊家サルヴァトーレ・ヴィガノが振付を担当するバレエの音楽です。「ギリシャ神話、ティーターン神族のひとり、プロメテウスは土塊から男女一体ずつ、ふたつの像を造った。人間となった像をプロメテウスはパルナッソスのアポロとムーサたちの元に届ける」。ベートーヴェンは、序曲、序奏、第1幕と第2幕(16曲)の管弦楽曲を作曲。1801年、ウィーンのブルク劇場で初演されました。ピリオド楽器を使ったこのシリーズの他のアルバムと同様、新しい視点から「ベートーヴェン」を捉えた演奏です。 
 
価格 3,740円(税込価格)(本体価格 3,400円) 

『旅(Journeys)』
Naxos 8.574265 contemporary/classical 

 
『旅(Journeys)- 五大陸のオーケストラ音楽』
ロバート・フォッケンス(1975–)
 Uhambo Olunintsi/Journeys(旅)(2002)
ルビツァ・チェコフスカー(1975–)
 Shadow Scale(シャドウ・スケール)(2005)
ハリー・スタフィラキス(1982–)
 Brittle Fracture(脆性破壊)(2013)
ナラ・ファルーク・マタル(1971–)
 El-Áin/The Evil Eye(邪悪な眼)(2005)
カルロス・サモラ(1968–)
 Sikuris(シクリス)(1999/2009)(室内オーケストラのための)
クリス・ジェンドル(1980–)
 Gravitas(重力)(2010–11)
エイゲリム・セイロヴァ(1987–)
 Pendulum. Evaporation(振子. 蒸発)(2015)*
チェン・ジンジー(1984–)
 of an ethereal symphony(天のシンフォニーの)(2015–16)
ミゲル・デル・アギラ(1957–)
 The Giant Guitar(ジャイアント・ギター) Op.91(2006)
  ノルウェー放送管弦楽団 ミゲル・ハース・ベドジャ(指揮)
  アウドゥン・アンドレ・サンヴィーク(チェロ)*
 
録音 2019年1月31日–2月1日、2018年10月12日、2019年2月28日、3月1日 ノルウェー放送(NRK)大スタジオ(オスロ)
制作・編集 ジェフ・マイルズ
録音 NRK 音楽技術部:オイスタイン・ノルデンゲン、テリエ・ヘレム、ペール・アルネ・フロー

 
ペルー生まれ、アメリカで学んだミゲル・ハース・ベドジャ Muguel Harth-Bedoya(1968–)と彼が首席指揮者を務めるノルウェー放送管弦楽団は、ホロデンコと共演したグリーグとサン=サーンスのピアノ協奏曲(Harmonia Mundi HMU907629)やヒナステラの管弦楽作品(LAWO Classics LWC1182)など一般的なレパートリーの作品を録音する一方、現代ノルウェーの作品を集めた『変奏曲による変奏曲』(Aurora ACD5096)や21世紀南アメリカの作品集『新しい南アメリカの発見』(Harmonia Mundi HMU907670)といった「初録音」作品のアルバムをリリースしてきました。
 
Naxos レーベルの『旅(Journeys)』は、国もスタイルも異なる「五大陸」の作曲家の作品を「ひとつ」に融合するというコンセプトで制作されたアルバムです。南アフリカのアパルトヘイト後の新しい世代の作曲家のひとり、ロバート・フォッケンス Robert Fokkens(1975–)。スロヴァキアのピアニスト、作曲家のルビツァ・チェコフスカー Ľubica Čekovská(1975–)。カナダ生まれ、ニューヨークを拠点とするハリー・スタフィラキス Harry Stafylakis(1982–)。エジプトのナラ・ファルーク・マタル Nahla Farouk Mattar(1971–)。チリのカルロス・サモラ Carlos Zamora(1968–)。ニュージーランドのクリス・ジェンドル Chris Gendall(1980–)。カザフスタンに生まれ、ドイツのハンブルクで活動するエイゲリム・セイロヴァ Aigerim Seilova(1987–)。ウルグァイのミゲル・デル・アギラ Miguel del Águila(1957–)。シンガポールのチェン・ジンジー(チャンギ、チェンイー) Chen Zhangyi(1984–)が「地球を離れた宇宙の動き」を探求する「シンフォニー」の楽章をイメージして作曲した《of an ethereal symphony(天のシンフォニーの)》は、シンガポール交響楽団のドイツとチェコのツアーのための委嘱作。すべて初録音の作品です。 
 
価格 1,760円(税込価格)(本体価格 1,600円)

『カルナヴィチュス 弦楽四重奏曲第1番・第2番』
Ondine ODE 1351-2 classical

 
ユルギス・カルナヴィチュス(1884–1941)
 弦楽四重奏曲第1番 Op.1(1913)
 弦楽四重奏曲第2番 Op.2 no.6(1917)
  ヴィルニュス弦楽四重奏団
   ダリア・クズネコヴァイテ(第1ヴァイオリン)
   アルトゥーラス・シラレ(第2ヴァイオリン)
   クリスティナ・アヌセヴィチューテ(ヴィオラ)
   アウグスティナス・ヴァシリアウスカス(チェロ)
 
録音 2020年5月25日–28日 リトアニア国立フィルハーモニック(ヴィルニュス、リトアニア)

 
ユルギス・カルナヴィチュス Jurgis Karnavičius(1884–1941)は、当時ロシア領だったリトアニアのカウナス生まれ。サンクトペテルブルク音楽院で対位法をリャードフ、管弦楽法をリムスキー=コルサコフ、グラズノフ、シテインベルクに学び、母校で音楽理論を教えた後、1927年に帰国。作曲家として活動をつづけました。このアルバムでは、サンクトペテルブルクの時代に作曲された2曲の弦楽四重奏曲が演奏されます。ナショナル・ロマンティックな色合いの第1番。モダニズムと抒情性をあわせもった第2番。いずれも世界初録音の作品です。
 
価格 2,640円(税込価格)(本体価格 2,400円)

『アレクセイ・スタンチンスキー ピアノ作品集』
Ondine ODE 1383-2 classical

 
アレクセイ・スタンチンスキー(1888–1914)
 ソナタ 変ホ短調(1906) 夜想曲(1907) 3つの前奏曲(1907)
 5つの前奏曲(1907–12) 3つの無言歌(1903)
 マズルカ 変ニ長調(1905) マズルカ 嬰ト短調(1907)
 涙(1906) 変奏曲(1911) 3つの素描(1911–13)
 12の素描 Op.1(1911-13)
  ペーテル・ヤブロンスキ(ピアノ)
 
録音 2020年6月 パラディウム(マルメ、スウェーデン)

 
ペーテル・ヤブロンスキ Peter Jablonski の Ondine 第2作。ロシアの作曲家アレクセイ・スタンチンスキーのピアノ曲を弾いたアルバムです。スタンチンスキ Alexei Stanchinsky(1888–1914)は、ヴラジーミル州オボルスノヴォの裕福な家庭に生まれ、モスクワ音楽院でジリャーエフとタネーエフに師事。作曲家としての将来を期待されながら、父親の急逝を機に精神病を患い、26歳だった1914年秋、自殺とも事故死ともいわれる謎の死を遂げました。現存する曲のほとんどはピアノのための作品です。スクリャービン風の半音階を多用した初期のスタイルから、ムソルグスキーを思わせる全音階を使い、民俗音楽の影響もうかがえる複雑な作風に移っていったと言われます。スタンチンスキーの音楽を代表するとされる作品で構成したプログラム。
 
価格 2,640円(税込価格)(本体価格 2,400円)

『ロウヴァリ+フィルハーモニア』
Signum Classics SIGCD 669 classical

 
セルゲイ・プロコフィエフ Sergei Prokofiev(1891–1953)
 交響曲第5番 変ロ長調 Op.100
  フィルハーモニア管弦楽団
  サントゥ=マティアス・ロウヴァリ(指揮)
 
録音 2020年2月9日 ロイヤル・フェスティヴァルホール(サウスバンク・センター、ロンドン、イングランド)(ライヴ録音)

 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『Jonas Sjøvaag’s Sunday Songs(ヨーナス・ショーヴォーグの日曜の歌)』』
NXN Recordings NXN 2006 jazz 

 
『Jonas Sjøvaag’s Sunday Songs(ヨーナス・ショーヴォーグの日曜の歌)』
 On This Day(Jonas Sjøvaag) A Life That Tip-Toes(Jonas Sjøvaag) 
 Slipping Through(Jonas Sjøvaag) Under Trees(Jonas Sjøvaag) 
 Wade into the Water(Jonas Sjøvaag) Broken Wing(Jonas Sjøvaag)
 Movement of Mass(Jonas Sjøvaag)
 Nobody Hears It but You(Jonas Sjøvaag)
 This Old Place(Jonas Sjøvaag) Hillside Ballad(Jonas Sjøvaag)
 When You’re Smiing(Larry Shay/Mark Fisher/Joe Goodwin)
  ヨーナス・ショーヴォーグ(ヴォーカル、シンセサイザー、ドラム)
  ヒルデ・マリー・シェーシェム(ヴォーカル)
  サラ=ジェーン・サマーズ(フィドル)
  アンドレ・ロライテン(サクソフォーン)
  マティアス・アイク(トランペット)
  シーグル・ホーレ(ベース)
  アンドレーアス・ウルヴォ(ピアノ)
 
録音 Bua Studio & Færder Audio(オスロ)
録音エンジニアリング ヨーナス・ショーヴォーグ、アンドレーアス・ウルヴォ

 
ノルウェーのジャズ・ドラマー、ヨーナス・ショーヴォーグ Jonas Sjøvaag は、1978年、ドイツのミュンヘンに生まれました。10歳でドラム演奏を始め、11歳の時にヴェストフォルのユース・シンフォニーオーケストラでソロ・デビュー。17歳の時、ジャズに重心を置く活動に転向しました。2001年にソロアルバム『Navyelectre 1』を発表。2003年、ピアニストのアンドレーアス・ウルヴォ Andreas Ulvo(1983–)、ベーシストのシーグル・ホーレ Sigurd Hole(1981–)と「エプレ・トリオ(Eple Trio)」を結成、2007年にトリオの最初のアルバム『Made This』(NORCD 0766)をリリースしています。エプレ・トリオの『Ghost』(NXN 2001)につづく NXN Recordings への新しい録音は、ショーヴォーグ名義のソロ・アルバムとして作られました。ヨーナスが、ビリー・ジョエル、ランディ・ニューマン、ランディ・グッドラムたちの歌からインスピレーションを受け、2019年の春から秋にかけてフィレンツェで書いたという10曲のオリジナル・ナンバーと、1928年にラリー・シェイたちが作り、シガー・エリスやルイ・アームストロングの歌で知られる「ティン・パン・アレー」ソング《When You’re Smiing》(君微笑めば)。リリカルな歌で綴ったアルバムです。ヴォーカリストのヒルデ・マリー・シェーシェム Hilde Marie Kjersem、フィドラーのサラ=ジェーン・サマーズ Sarah-Jane Summers、サックスのアンドレ・ロライテン André Roligheten(1985–)、トランペットのマティアス・アイク Mathias Eick(1979–)、エプレ・トリオのメンバーが参加してセッションが行われました。
 
価格 2,695円(税込価格)(本体価格 2,450円)

『Pieces: Generations at Sunrise』
Storyville 101 4335 jazz 

 
『Pieces: Generations at Sunrise』
 Witchi-tai-to(Jim Pepper) Naima(John Coltrane)
 Saudi(Stoebus/Roupé) Pieces(Mikkelborg/Roupé/Langebæk/Barfod)
 Nature Boy(Eden Ahbez)
  Pieces
   パレ・ミケルボー(トランペット、フリューゲルホルン)
   アントン・ランゲベク(ベース)
   ビャルネ・ルーペ(ギター)
   ベンヤミーン・バーフォーズ(パーカッション)
 
録音 2016年10月27日 Jazz Grooves(ネストヴェズ、デンマーク)(ライヴ録音)

 
経験豊かな円熟したトランペッターのパレ・ミケルボー Palle Mikkelborg(1941–)とスウェーデン出身のギタリスト、ビャルネ・ルーペ Bjarne Roupé(1952–)、そして、「ビャルネ・ルーペ・トリオ」でしばらく演奏した、若い、これから自分たちの道を歩んでいくデンマークのベーシスト、アントン・ランゲベク Anton Langebæk とパーカッション奏者のベンヤミーン・バーフォーズ Benjamin Barfod(1989–)。2つの世代が出会った「Pieces」のアルバム『Generations at Sunrise』。美しいギターのイントロと「北欧」の要素をもった音の《Witchi-tai-to》は、ノルウェーのヤン・ガルバレクが ECM Records の初期に録音したアルバムのタイトル曲。「きわめて個人的に演奏」されたコルトレーンの《Naima》。スウェーデンの伝承曲《Saudi》。イーデン・アーベズの美しい「クラシック」《Nature Boy》。デンマークで活動する4人が2016年にネストヴェズの「Jazz Grooves」で行ったコンサートのライヴ録音によるアルバム。 
 
価格 2,420円(税込価格)(本体価格 2,200円)

『Mirrors within』
Storyville 101 4341 jazz 

 
『Mirrors within』
 The Prayers(Dahl/Davidsen/Pasborg)
 Palilalia(Dahl/Davidsen/Pasborg)
 Turning Left(Dahl/Davidsen/Pasborg)
 Old Rag(Dahl/Davidsen/Pasborg)
 A Minor Disgrace(Dahl/Davidsen/Pasborg)
 Coma(Dahl/Davidsen/Pasborg)
 Everything Never Happens to Us(Dahl/Davidsen/Pasborg)
 Falling down down(Carsten Dahl)
 New Rag(Dahl/Davidsen/Pasborg)
 How I Hear Beautiful(Carsten Dahl)
  カーステン・デール・トリニティ
   カーステン・デール(ピアノ)
   ニルス・ボー・デーヴィズセン(ベース)
   ステファン・パスボー(ドラム)

 
デンマークのジャズ・ピアニスト、カーステン・デール(ダール) Carsten Dahl と、彼のグループ「Experience」に参加したベーシストのニルス・ボー・デーヴィズセン Nils Bo Davidsen とドラマーのステファン・パスボー Stefan Pasborg の「カーステン・デール・トリニティ Carsten Dahl Trinity」の『Painting Music』(2019)(ACT9891-2)に続く新作。スタンダード・ナンバーを中心にした前作と異なり、メンバーの即興とオリジナル曲によるプログラムが組まれました。コードチェンジのないワンコードで世界を広げていく《The Prayers》から、デールが作曲したメロディの美しい《How I Hear Beautiful》まで、「組曲」の趣きをもった音楽が、かつてのデールの抽象的世界を離れ、新たな世界を深めながら展開していきます。
 
価格 2,420円(税込価格)(本体価格 2,200円)

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