March 2025

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『ブクステフーデ オルガン作品全集 第3集』
cpo 555 408-2 2SACD’s hybrid(Multichannel/stereo) early music

 
ディートリク(ディゼリク)・ブクステフーデ(c1637-1707)
[Disc 1]
 前奏曲 イ長調 BuxWV.151
 われらの主キリスト、ヨルダン川に来たれり
 (Christ unser Herr zum Jordan kam) BuxWV.180
 われら汝に感謝す、主イエス・キリストよ
 (Wir danken dir, Herr Jesu Christ, dass du gen Himmel gefahren bist) BuxWV.224
 主イエス・キリスト、われ汝を呼ぶ(Ich ruf zu dir, Herr Jesu Christ) BuxWV.196
 アダムの罪によりすべては失われぬ
 (Durch Adams Fall ist ganz verderbt) BuxWV.183
 トッカータ  ト長調 BuxWV.164
 今ぞ喜べ、愛するキリスト者の仲間たちよ
 (Nun freut euch, lieben Christen g’mein) BuxWV.210
 主よ、御言葉もてわれらを守りたまえ
 (Erhalt uns, Herr, bei deinem Wort) BuxWV.185
 フーガ 変ロ長調 BuxWV.154
 われに来たれと神の子は言いたもう
 (Kommt her zu mir, spricht Gottes Sohn) BuxWV.201
 カンツォーナ ト短調 BuxWV.173
 ああ主よ、あわれなる罪人のわれを罰したもうな
 (Ach Herr, mich armen Sünder) BuxWV.178
 カンツォネッタ ホ短調 BuxWV.169 前奏曲 ホ短調 BuxWV.142
[Disc 2]
 前奏曲 ヘ長調 BuxWV.145
 カンツォネッタ ニ短調 BuxWV.168
 救いはわれらに来たれり(Es ist das Heil uns kommen her) BuxWV.186
 カンツォーナ ト長調 BuxWV.170
 前奏曲 ハ長調 BuxWV.136
 父なる神よ、われらとともにあらせたまえ
 (Gott der Vater wohn uns bei) BuxWV.190
 愚かな口はよき言葉を語る
 (Es spricht der anweisen Mund wohl) BuxWV.187
 前奏曲 イ短調 BuxWV.152
 カンツォーナ ハ長調 BuxWV.166 カンツォネッタ ト長調 BuxWV.172
 前奏曲とフーガ イ短調 BuxWV.153
 主イエス・キリスト、われはことごとく知れり
 (Herr Jesu Christ, ich weiss gar wohl) BuxWV.193
 神もしわれらとともになかりせば(Wär Gott nicht mit uns diese Zeit) BuxWV.222
 天にいますわれらの父よ(Vater unser im Himmelreich) BuxWV.219
 テ・デウム(Te Deum laudamus) BuxWV.218
  フリードヘルム・フランメ(オルガン)
 
[楽器 クリストフ=トロイトマン(1734–37)]
 
録音 2020年7月19日–20日、26日–28日 聖ゲオルク修道院教会(グラウホフ・バイ・ゴスラー、ドイツ)

 
フリードヘルム・フランメ Friedhelm Flamme(1963–)。ヘッセン州のフォルクマルセンで生まれ、デトモルト音楽大学とパーデルボルン大学の音楽学校で学びました。音楽教育、教会音楽、オルガン、指揮、作曲、教育科学、神学を専攻。1991年からハノーファー福音ルター派教会で教会音楽家として働き、ダッセルの聖ラウレンティウス教会のカントルとゲッティンゲン北地区の教会音楽スーパーバイザーも務めました。2006年、デトモルトとパーデルボルンの大学の博士号を取得。オルガニストとしてヨーロッパ各地でコンサート活動を行い、マルセル・デュプレの《十字架への道》《グレゴリオ聖歌》(777 128-2)、カール・ニルセンとルーズ・ランゴーのオルガン作品(777 414-2)などを録音。北ドイツ・バロックのオルガン作品シリーズの録音が進行中です。
 
価格 5,665円(税込価格)(本体価格 5,150円)

『ブクステフーデ オルガン作品全集』
cpo 555 747-2 6SACD’s hybrid (Multichannel/stereo) early music

 
ディートリク(ディゼリク)・ブクステフーデ(c1637-1707)
オルガン作品全集 第1集
[Disc 1]
 前奏曲、フーガとシャコンヌ ハ長調 BuxWV.137
 今ぞわれら聖霊に願いたてまつる(Nun bitten wir den heiligen Geist) BuxWV.208
 今ぞわれら聖霊に願いたてまつる(Nun bitten wir den heiligen Geist) BuxWV.209
 わが魂よ、今ぞ主をたたえよ(Nun lob mein Seel’ den Herren) BuxWV.213
 わが愛しき神に(Auf meinen lieben Gott) BuxWV.179
 シャコンヌ ホ短調 BuxWV.160
 われらの救い主、イエス・キリスト(Jesus Christus, unser Heiland) BuxWV.198
 前奏曲 ト短調 BuxWV.163
 汝の御子によりてのみわれ汝に感謝す
 (Ich dank dir schon durch deinen Sohn) BuxWV.195
 第1旋法のマニフィカト(Magnificat Primi Toni) BuxWV.204
 第9旋法のマニフィカト(Magnificat noni toni) BuxWV.205
 前奏曲 へ長調 BuxWV.144
 ああ神そして主よ(Ach Gott und Herr) BuxWV.177
 われ汝に感謝す、愛する主よ(Ich dank dir, lieber Herre) BuxWV.194
 前奏曲とフーガ ト長調 BuxWV.147
 前奏曲とフーガ 嬰へ短調 BuxWV.146
[Disc 2]
 トッカータ ニ短調 BuxWV.155 安らぎもてわれは逝く BuxWV.76
 前奏曲とフーガ ニ短調 BuxWV.140 パッサカリア ニ短調 BuxWV.161
 トッカータ へ長調 BuxWV.157 トッカータ へ長調 BuxWV.157
 天にいますわれらの父よ(Vater unser im Himmelreich) BuxWV.207
 カンツォネッタ イ短調 BuxWV.225 カンツォネッタ ハ長調 BuxWV.167
 われらが神はかたき砦(Ein fest Burg ist unser Gott) BuxWV.184
 フーガ ハ長調 BuxWV.174
 カンツォーナ(フーガ)ト長調 BuxWV.175
 おお、祝福されし光なる三位一体(O Lux beata, Trinitas) BuxWV.216(断片)
 前奏曲 ホ短調 BuxWV.143
 人は幸せに生きんとするや(Mensch, wiltu leben seliglich) BuxWV.206
 前奏曲とフーガ ホ長調 BuxWV.141
オルガン作品全集 第2集
[Disc 1]
 前奏曲 ハ長調 BuxWV.138
 いざ来たれ、異教徒の救い主よ(Nun komm, der heiden Heiland) BuxWV.211
 第1旋法のマニフィカト(Magnificat Primi Toni) BuxWV.203
 御子はベツレヘムに生まれたもう(Puer natus in Bethlehem) BuxWV.217
 前奏曲とフーガ ト短調 BuxWV.149
 かくも喜びに満てる日(Der Tag der ist so freudenreich) BuxWV.182
 イエス・キリスト、汝はたたえられよ(Gelobt seist du, Jesu Christ) BuxWV.189
 イエス・キリスト、汝はたたえられよ(Gelobt seist du, Jesu Christ) BuxWV.188
 汝らキリスト者よ、こぞりて神をたたえよ
 (Lobt Gott, ihr Christen allzugleich) BuxWV.202
 甘き喜びのうちに(In dulci Jubilo) BuxWV.197
 甘き喜びのうちに(In dulci Jubilo) BuxWV.197
 前奏曲とフーガ ト長調 BuxWV.162
 神のひとり子なる主キリスト(Herr Christ, der einig Gottes Sohn) BuxWV.191
 神のひとり子なる主キリスト(Herr Christ, der einig Gottes Sohn) BuxWV.192
 前奏曲とフーガ ニ長調 BuxWV.139
 暁の星のいと美しきかな(Wie schön leuchtet der Morgenstern) BuxWV.223
[Disc 2]
 トッカータ ヘ長調 BuxWV.156
 来たれ聖霊、主なる神(Komm, heilger Geist, Herre Gott) BuxWV.199
 来たれ聖霊、主なる神(Komm, heilger Geist, Herre Gott) BuxWV.200
 シャコンヌ ハ短調 BuxWV.159
 前奏曲 ト短調 BuxWV.148
 恵み深き主に向かって感謝せよ
 (Danket dem Herrn, den er ist sehr freuindlich) BuxWV.181
 われは神より離れず(Von Gott will  ich nicht lassen) BuxWV.220
 われは神より離れず(Von Gott will  ich nicht lassen) BuxWV.221
 前奏曲 イ短調 BuxWV.158
 わが魂よ、今ぞ主をたたえよ(Nun lob mein Seel’ den Herren) BuxWV.212
 わが魂よ、今ぞ主をたたえよ(Nun lob mein Seel’ den Herren) BuxWV.214
 わが魂よ、今ぞ主をたたえよ(Nun lob mein Seel’ den Herren) BuxWV.215
 トッカータ ト長調 BuxWV.165 カンツォネッタ ト長調 BuxWV.171
 前奏曲とフーガ ト短調 BuxWV.150
オルガン作品全集 第3集
ディートリク(ディゼリク)・ブクステフーデ(c1637-1707)
[Disc 1]
 前奏曲 イ長調 BuxWV.151
 われらの主キリスト、ヨルダン川に来たれり
 (Christ unser Herr zum Jordan kam) BuxWV.180
 われら汝に感謝す、主イエス・キリストよ
 (Wir danken dir, Herr Jesu Christ, dass du gen Himmel gefahren bist) BuxWV.224
 主イエス・キリスト、われ汝を呼ぶ(Ich ruf zu dir, Herr Jesu Christ) BuxWV.196
 アダムの罪によりすべては失われぬ
 (Durch Adams Fall ist ganz verderbt) BuxWV.183
 トッカータ  ト長調 BuxWV.164
 今ぞ喜べ、愛するキリスト者の仲間たちよ
 (Nun freut euch, lieben Christen g’mein) BuxWV.210
 主よ、御言葉もてわれらを守りたまえ
 (Erhalt uns, Herr, bei deinem Wort) BuxWV.185
 フーガ 変ロ長調 BuxWV.154
 われに来たれと神の子は言いたもう
 (Kommt her zu mir, spricht Gottes Sohn) BuxWV.201
 カンツォーナ ト短調 BuxWV.173
 ああ主よ、あわれなる罪人のわれを罰したもうな
 (Ach Herr, mich armen Sünder) BuxWV.178
 カンツォネッタ ホ短調 BuxWV.169 前奏曲 ホ短調 BuxWV.142
[Disc 2]
 前奏曲 ヘ長調 BuxWV.145
 カンツォネッタ ニ短調 BuxWV.168
 救いはわれらに来たれり(Es ist das Heil uns kommen her) BuxWV.186
 カンツォーナ ト長調 BuxWV.170
 前奏曲 ハ長調 BuxWV.136
 父なる神よ、われらとともにあらせたまえ
 (Gott der Vater wohn uns bei) BuxWV.190
 愚かな口はよき言葉を語る
 (Es spricht der anweisen Mund wohl) BuxWV.187
 前奏曲 イ短調 BuxWV.152
 カンツォーナ ハ長調 BuxWV.166 カンツォネッタ ト長調 BuxWV.172
 前奏曲とフーガ イ短調 BuxWV.153
 主イエス・キリスト、われはことごとく知れり
 (Herr Jesu Christ, ich weiss gar wohl) BuxWV.193
 神もしわれらとともになかりせば(Wär Gott nicht mit uns diese Zeit) BuxWV.222
 天にいますわれらの父よ(Vater unser im Himmelreich) BuxWV.219
 テ・デウム(Te Deum laudamus) BuxWV.218
  フリードヘルム・フランメ(オルガン)
 
[楽器 クリストフ=トロイトマン(1734–37)]
 
録音 2018年5月10日–13日(第1集)、2020年7月19日–20日、26日–28日(第2集、第3集) 聖ゲオルク修道院教会(グラウホフ・バイ・ゴスラー、ドイツ)

 
価格 9,625円(税込価格)(本体価格 8,750円)
 

『ペッテション=ベリエル 交響曲全集』
cpo 555 733-2 6CD’s classical [再リリース]

 
ヴィルヘルム・ペッテション=ベリエル(1867–1942)
[Disc 1]
 交響曲第1番 変ロ長調《旗(Banéret)》(1889–90, 1903 rev.1932–33)
 組曲《去年の夏(I somras)》(1903)(管弦楽のための)
  山(Fjället) 湖(Sjön) 荒れ地をこえて(Över heden)
  リスと野鳩(Ekorre och skogsduva) トウヒの林(Granskogen)
  山の小川(Fjällbäcken)
  ザールブリュッケン放送交響楽団 ミハイル・ユロフスキー(指揮)
 [録音 1997年11月18日–19日][999 561-2]
[Disc 2]
 交響曲第2番 《旅は南風に誘われ(Sunnanfärd)》(1910)
 ロマンス(Romans) ニ短調(1915)(ヴァイオリンと管弦楽のための)
 東洋風舞曲(Orientalisk dans)(1890)(管弦楽のための)
 カンタータ《スウェーデンのガルドラル(Sveagaldrar)》(1897)
 - 前奏曲
  ノルショーピング交響楽団 ミハイル・ユロフスキー(指揮)
  ウルフ・ヴァリーン(ヴァイオリン)
 [録音 1998年2月9日–13日][999 564-2]
[Disc 3]
 交響曲第3番 ヘ短調 《ラップランド(Same Ätnam)》(1915)
   組曲《エアリナ(Earina)》(1917)(管弦楽のための)
  祈願(Åkallan) 花を捧ぐ(Blomsteroffret)
  武器の清め(Vapenvigning) 幸運のルーン文字(Lyckorunor)
  吟遊詩人は歌う(Rapsoden sjunger) 
 コミックオペラ《最後の審判の予言者(Domedagsprofeterna)》
 - コラールとフーガ
  ノルショーピング交響楽団 ミハイル・ユロフスキー(指揮)
 [録音 1999年5月3日–7日 ルイ・ド・イェール・コンサートホール
  (ノルショーピング、スウェーデン)] [999 632-2]
[Disc 4]
 交響曲第4番 イ長調《ホルミア(Holmia)》(1929)
 組曲《眠れる森の美女(Törnrossagan)》(1903 orch.1934)
  地主クットは幸運に出会う(Junker Kurt Möter Lyckan)
  王女ルーセンキンドの誕生パーティ
  (Prinsessan Rosenkinds Födelsedagsfest)
  幸運の糸紡ぎ歌(Lyckans Spinnvisa)
  眠れる森の美女の城は眠る(Törnrosslottet Somnar)
  王女エピネー(Prinsessan Epinée)
  皇帝カディガンの宮廷で(Vid Kejsar Cadigans Hov)
  夜の森の飛行(På Flykt Genom Natt Och Skog)
  夜明け(Dagen Gyr)
  眠れる森の美女の城に(Till Törnrosslottet)
  幸福(大団円)(Lyckan(Slutapoteos))
 《フローセの花(Frösöblomster)》組曲第1番(1896 rev.1934)
 (管弦楽のための)
  夏の歌(Sommarsång) フローセの教会で(Vid Frösö Kyrka)
  バラに寄せて(Till Rosorna) お祝い(Gratulation)
  あいさつ(Hälsning)
  ノルショーピング交響楽団 ミハイル・ユロフスキー(指揮)
 [録音 1999年5月31日–6月4日 ルイ・ド・イェール・コンサートホール
  (ノルショーピング、スウェーデン] [999 669-2]
[Disc 5]
 交響曲第5番 《孤独(Solitudo)》(1932–33)
 ヴァイオリン協奏曲(1928)
  ノルショーピング交響楽団 ミハイル・ユロフスキ(指揮)
  ウルフ・ヴァリーン(ヴァイオリン)
 [録音 2003年4月25日–26日 ルイ・ド・イェール・コンサートホール
  (ノルショーピング、スウェーデン] [999 984-2]
[Disc 6]
 ヴァイオリン・ソナタ第1番 ホ短調 Op.1(1887)
 組曲(Suite) Op.15(1896)(ヴァイオリンとピアノのための)
  献呈(Tillegnan) セレナード(Serenata)
  まどろみの歌(Slummersång) たいまつの踊り(Fackeldans)
 カンツォーネ(Canzone)(1889)(ヴァイオリンとピアノのための)
 民謡風の調べ(Visa i Folkton)(ヴァイオリンとピアノのための)
  ウルフ・ヴァリーン(ヴァイオリン) 
  ルーヴェ・デルヴィンゲル(ピアノ)
 [録音 2001年10月9日–11日、2002年1月22日–24日
  スウェーデン放送局(ストックホルム)] [999 703-2]

 
19世紀が終わろうとする1880年代と1890年代、スウェーデンは産業革命といわれる変革の時代にあり、社会の変化は文学、美術、音楽といった文化の面にも変化をもたらしました。劇作家のストリンドベリ、ネオロマンティシズム文学のヘイデンスタム、『ニルスのふしぎな旅』のラーゲルレーヴ、詩人フローディングとカールフェルトが姿を現した文学の世界。音楽シーンでは、エミール・シェーグレーンに代表されるロマンティシズムから、新しい時代に移り、民俗音楽からもインスピレーションを得たアルヴェーン、素朴な愛国心を基盤に個人的な色彩の「北欧古典主義」スタイルを確立させたステーンハンマルといった作曲家たちが生まれました。ペッテション=ベリエルもこの時代、文化の多面性を背景に作曲家、そして毒舌と言われながら優れた批評家として活躍しました。
 
ヴィルヘルム・ペッテション=ベリエル Wilhelm Peterson-Berger は、1867年、オンゲルマンランドのウロンゲルに生まれ、ウーメオ市で学校教育を受けました。ベートーヴェン、グリーグ、セーデルマンの音楽、ノルウェーのイプセンやビョルンソンンの文学に興味をもち、スウェーデン王立音楽アカデミーの音楽院(王立ストックホルム音楽大学)でオルガンと作曲を学びました。
 
作曲のジャンルは幅広く、「ソンマルハーゲン」と名づけた彼の家のあるヤムトランドに残るルーン石碑に名の刻まれた人物を題材にしたオペラ《アルンリョート》などの舞台作品、カンタータ、ヴァイオリンとピアノの曲、ピアノ曲、歌曲、合唱曲、管弦楽曲を残しました。
 
cpo のアルバムには、ペッテション=ベリエルの5曲の交響曲、ピアノ曲の編曲を含む管弦楽曲、ヴァイオリン協奏曲とヴァイオリンの小品が、以前リリースされていた録音で収録されています。
 
交響曲第1番 変ロ長調《旗》は、ドレスデンでエドムント・クレチュマーの下で作曲と管弦楽法の研究を続けていたころ作曲が始められ、より広い世界に出会った若い作曲家が人生に向かい合うにあたり「心に描く考えの旗」を示す副題がつけられました。交響曲第2番 《旅は南風に誘われ》では、北欧の多感な若者の精神的成長と人生観に影響を与える「南欧」への想いが描かれます。〈なぎ(I Stiltje)- 帆船の旅(Seglats)〉〈バラの街(Rosenstaden)- ディオニュソスの行列(Dionyståget)- エロスの神殿で(I Eros tempel)- 饗宴(Symposion)〉〈郷愁(Hemlärngtan)-南風に(För Sunnanvind)〉の3楽章の作品です。
 
交響曲第3番 ヘ短調 《ラップランド》は、サーミの「ヨイク」のメロディに基づいて書かれ、スウェーデン北部のすばらしい自然と原始の魔術的空気を鮮やかに描いています。「ストックホルム」のラテン名を副題にした交響曲第4番 イ長調《ホルミア》は、古いものと新しいものの交差する街の姿を描いた、愛する街へのオマージュ。ペッテション=ベリエルの最後の交響曲第5番 《孤独》は、理想を追いながらも生涯の終わりに「苦い孤独」を味わう、老いゆく作曲家の「告白」とみなされる作品です。
 
ペッテション=ベリエルの多彩な作品の中でヴァイオリンの曲はほとんどが、プログラム(標題)をもたない「絶対音楽」として書かれています。《ヴァイオリン協奏曲》は、1912年に着手、1916年から1920年という彼のもっとも創造的な時期に作曲が進められ、1928年に完成されました。「アレグロ・モデラート、マ・アパッショナータ」「アンダンテ・トランクイッロ・エ・カンタービレ」「アレグロ・モデラート、マ・コン・フオコ」の〈終曲〉の3楽章構成です。ヴァイオリンと管弦楽のための《ロマンス》は、陰鬱さと激しさ、穏やかな抒情という、対照的なトーンで書かれ、《ラップランド》の交響曲を作曲するきっかけを与えてくれたカール・ティレーンに献呈された作品です。ベートーヴェンとグリーグの作品からインスピレーションを得ながら、自由な音調の音楽にした《ヴァイオリン・ソナタ第1番》。1896年の《組曲》は〈献呈〉といった「詩」の性格をうかがわせるタイトル4曲で書かれた、彼のもっとも優美な作品のひとつです。
 
組曲《眠れる森の美女》(茨姫の物語)は、1903年3月にスウェーデン劇場で初演された音楽史譚《幸運(Lyckan)》の音楽を10曲の組曲にした作品です。
 
ピアノのための音楽は、ペッテション=ベリエルの作品群で大きく重要な位置を占めています。1897年に出版されスウェーデンの人たちが「楽想の詩人」ペッテション=ベリエルを知るきっかけとなった《フローセの花》の第1巻。徒歩旅行に出かけたヤムトランドの高原地方の自然への思いを響き豊かな小品に作った《去年の夏》。自然信仰の儀式と魔法を独自の和声スタイルの小品にした《エアリナ》。ペッテション=ベリエル自身がオーケストレーションを手がけた作品も親しまれ、愛されています。
 
価格 7,975円(税込価格)(本体価格 7,250円)

『Gugge Hedrenius Big Blues Band - Live!』
Opus 3 LP 26075 Vinyl LP jazz

 
『Gugge Hedrenius Big Blues Band - Live!』
[Side A]
 Stoney Lonesome(Hank Crawford)
 Angel Eyes(Matt Dennis/Earl K. Brent)
 Easy(Gugge Hedrenius)
 SBMN Blues(Gugge Hedrenius)
[Side B]
 Big Blues Waltz(Gugge Hedrenius)
 Big Blues Bernt(Gugge Hedrenius)
 Big Blues Samba(Gugge Hedrenius)
 Kick Off the Blues - part of.(Gugge Hedrenius)
  グッゲ・ヘドレニウス・ビッグ・ブルースバンド
   トシュテン・ダンネンベリ(サックス)
   ヴォーゲ・フィネール(アルトサックス)
   クリス・ホルムストレム(バリトンサックス)
   アンデシュ・リンドスクーグ(テナーサックス)
   ベルント・ルーセングレーン(テナーサックス)
   サド・ジョーンズ(トランペット)
   ヤン・アッラン(トランペット)
   アメリコ・ベロット(トランペット)
   ボッセ・ブルーベリ(トランペット)
   ベッティル・ローヴグレーン(トランペット)
   ウッレ・リンド(トロンボーン)
   ラッセ・オーロフソン(トロンボーン)
   イングヴァル・サンドストレム(トロンボーン)
   グッゲ・ヘドレニウス(ピアノ)
   ゲオルク・リーデル(ベース)
   メル・ルイス(ドラム)
   ピェトゥル・”イースランド”・オストルンド(ドラム)
   サブー・マルティネス(コンガ)
 
編曲 グッゲ・ヘドレニウス
録音 1975年9月17日 Jarlateatern(ヤルラ劇場)(ストックホルム、スウェーデン)(ライヴ録音)
録音エンジニア カール=グンナル・フランセーン、ヤン=エーリク・ペーション
アナログマスター・トランスファー ヤン=エーリク・ペーション
マスタリング エーリク・ヌードストレム、ヤン=エーリク・ペーション
 
[Stereo 33 rpm 180 gram High Quality Vinyl]

 
グッゲ・ヘドレニウス Gugge Hedrenius は、1938年、マルメ生まれ。スウェーデン・ジャズシーンのディキシーランド・ジャズ・リバイバル・グループで十代から活動し、1959年から1965年にかけてイドリース・スリーマンとボッセ・ブルーベリのバンドでサイドマンとしてピアノを担当しました。1971年に「グッゲ・ヘドレニウス・ビッグ・ブルースバンド Gugge Hedrenius Big Blues Band」を創設。1990年代までストックホルムを中心にコンサートと録音活動をつづけ、1988年にはアメリカ・ツアーを行いました。
 
グッゲ・ヘドレニウス・ビッグ・ブルースバンドが1975年9月17日にストックホルムのヤルラ劇場で行ったコンサートのライヴ録音。当時のスウェーデン・ジャズを代表するミュージシャンを集めたバンドにアメリカの有名ミュージシャンふたり、サド・ジョーンズ Thad Jones のトランペットとメル・ルイス Mel Lewus のドラムを加えたアンサンブルによる演奏です。ハンク・クロフォードの《Stoney Lonesome》とマット・デニスが作曲した《Angel Eyes》、ヘドレニウスのオリジナル・ナンバー。すべて彼が編曲を手がけ、Opus 3 のヤン=エーリク・ペーション Jan-Eric Persson たちが2年ほど、異なる方法でバンドの演奏をテスト録音したあと、ライヴ収録が行われました。
 
価格 4,620円(税込価格)(本体価格 4,200円)

『ギュンター・ラフェエル オルガン音楽 第1集』
Toccata Classics TOCC 0759 classical

 
ギュンター・ラフェエル(1903–1960)
 フィンランドのコラールによる幻想曲とフーガ
 (Fantasie und Fuge über einen finnischen Choral) Op.41 no.1(1939)*
  幻想曲(Fantasie) フーガ(Fuge)
 フィンランドのコラールによるパルティータ
 (Partita über einen finnischen Choral) Op.41 no.2(1939)
  コラール(Chorale) トリオ(Trio) ビキニウム(Bicinium)
  短調(Minore) カントゥス・フィルムス(定旋律)(Cantus firmus)
  パッヘルベル形式(Pachelbel-Form)
  コラール(バッソ・オストナート(Choral(Basso ostinato))
 フィンランドのコラールによるパッサカリア
 (Passacaglia über einen finnischen Choral) Op.41 no.3(1939)*
   ヴィッレ・ウルポネン(オルガン) [* 世界初録音]
 
[楽器 Kangasala organ factory(1931)restored by Veikko Virtanen, 2005]  
 
録音 2024年6月15日、10月14日 聖パウロ教会(ヘルシンキ)

 
ギュンター・ラフェエル Günter Raphael は、1903年、ベルリン生まれ。シベリウスがベルリンで教わった作曲家アルベルト・ベッカーが祖父という家系でした。アルノルト・メンデルスゾーンに作曲を学び、作曲家、音楽教師、楽譜編集者として働き、5曲の交響曲、狂想曲、6曲の弦楽四重奏曲、ソロやデュオの器楽曲などを作曲しました。「ハーフ・ユダヤ人」だったため、1930年代にナチズムの台頭によって母国ドイツの扉が閉ざされようとしたころ、ヘルシンキの放送局がラジオ番組で彼の作品を取り上げるなど、訪問先のフィンランドから温かく迎えられました。
 
「フィンランドのコラール」に基づく「オルガン三部作」作品41は、フィンランドに対する彼の感謝の気持ちを表した作品とされる作品です。《幻想曲とフーガ》と、「コラール」「第1変奏-第24変奏」「コラール」による《パッサカリア》という2つの「対位法による大建築」が、バロック様式の《パルティータ》をはさみます。この三部作は、ラファレルがヘルシンキで出会い、彼の《パルティータ》(Op.22 no.1)を1933年にフィンランド初演したスウェーデン系のオルガニスト、エリス・モーテンソン Elis Mårtenson(1890–1957)に献呈されました。
 
モーテンソンは、ヘルシンキ音楽院が1939年にシベリウス・アカデミーに改組された際、オルガン科の初代教授を務め、1940年9月にヘルシンキのミカエル・アグリコラ教会で作品41を初演したほか、作品57の《オルガン協奏曲》や未出版の作品を初演するなど、ラファエルの作品を積極的に紹介しています。
 
価格 2,200円(税込価格)(本体価格 2,000円)

『Tri vendur blés ho i den høgaste sky』
Losen Records LOS 297-2  jazz

 
『Tri vendur blés ho i den høgaste sky』
Part I
 Subconsciousness
 Valivan (The Pioneer)
 Stolt Magjit (On ne voit bien qu’avec le coeur)
 Maria (Curie)
 Maria Magdalena (Held in DisGrace)
 Svätá Mária Egyptská (L’essentiel est invisible pour les yeux)
Part II
 Trollstemt (Harp Strings)
Part III
 Frearlause (Outlaws)
 Fastfrossen (Frozen Bounds)
 Invisible Changes
 Choral of the Shellfish (Selfies)
 Kvinnemorderen (Scheherazade)
 Gullborgs Fanfare (Fearless Girl)
  フリーアンサンブレット
   マティルダ・グロース・ヴィッダール(リーダー、
    バスクラリネット、ソプラノ・サクソフォーン、
    テナー・サクソフォーン、B♭クラリネット・ソロ)
   ナイサム・ジャラル(フルート、ヴォイス)
   ユンニ・ブークサスプ(ヴォーカル)
   クリストフェル・アルベッツ(アルト・サクソフォーン)
   ペール・ヴィリ・オーセルード(トランペット、エレクトロニクス)
   オイヴィン・ブレッケ(トロンボーン)
   ブリット・ペルニッレ・フローホルム(ヴァイオリン、ハリングフェレ)
   テレフ・クヴィフテ(キーボード、オルガン、シーフルート、
    ラップトップ)
   エギル・カルマン(ベース)
   クヌート・クヴィフテ・ネスハイム(ドラム、ヴィブラフォーン)
   エレン・ブレッケン(ベース)(2018年ツアー)
   ミールサイード・ホセイニ・パナー (サントゥール)(2018年ツアー)
 
録音 2018年–2019年 モルデジャズ(モルデ)、リクスセーネン(オスロ)(ライヴ録音)
制作 マティルダ・グロース・ヴィッダール
ミクシング 2020年–2024年 レインボースタジオ(オスロ)
ミクシング・エンジニア マッティン・アブラハムセン
マスタリング モッテン・ルン

 
『Tri vendur blés ho i den høgaste sky(一番高い雲の中に3つの風を吹かせた)』。『Notre Dame(ノートルダム)』(LOS 245-2)をリリースしたノルウェーのマティルデ・グロース・ヴィッダール Mathilde Grooss Viddal(1969–)の新作です。ジャズ・シーンとフェスティヴァルでミュージシャンと作曲家として活躍する彼女が、委嘱を受けて制作。2018年の「ヴォッサジャズ Vossajazz」で、彼女の主宰する「フリーアンサンブレット FriEnsemblet」が初めて演奏しました。「夢と恐怖、今日と歴史を通した、自由へのあこがれ、喪失と争い」をテーマにして、文化遺産や文化の出会いの考え方も示されています。
 
アルバムの曲は、ノルウェー伝承の曲を素材に取り入れて作られました。スンモーレのオーシュコーグの知られていない歌、ノードマルカ/リンゲブのオーラ・J・コルデン、テレマルクのグードルン・G・ノルドルン、エッゲダールのグンヒル・H・ハウゲン、L・M・リンデマンが記譜したテレマルクのオレア・クローゲルといったノルウェー各地のスペルマンたちの曲。ノルウェー国立図書館が集めた1500を超す中世のバラードから選んだ曲も使われています。エレン・ブレッケン Ellen Brekken とイランのサントゥール奏者ミールサイード・ホセイニ・パナー Mirsaeed Hosseiny Panah が加わった2018年の「モルデジャズ Moldejazz」と、2019年の「リクスセーネン Riksscenen」のコンサートのライヴ録音によりアルバムが作られました。
 
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)

『Waiting for Edo』
Losen Records LOS 315-2 jazz

 
『Waiting for Edo』
 Waiting for Edo(Raf Ferrari)
 Segnali dal Futuro(Raf Ferrari)
 New Life (dedicated to my son)(Raf Ferrari)
 Dancing Edo(Raf Ferrari)
 Eight Weeks(Raf Ferrari)
 Among Trees(Raf Ferrari)
 Astronaut(Raf Ferrari)*
  ラフ・フェラーリ(ピアノ)
  ヴィート・スターノ(チェロ)
  アンドレア・コレッラ(ベース)
  クラウディオ・スブロッリ(ドラム)
  グエリーノ・ロンドローネ(エレクトリック・ベース)*
 
録音 2024年7月8日–10日 La Strada Recording Studio(ローマ、イタリア)
制作 ラフ・フェラーリ
録音エンジニア フランチェスコ・ベンナーティ、エンリコ・フルツィ
ミクシング・マスタリング ステファノ・ベコ・ベキーニ

 
作曲家としても名高いラフ・フェラーリ Raf Ferrari の『Quattro』(LOS 231-2)につづくアルバム『Waiting for Edo』。ヴィート・スターノ Vito Stano のチェロ、クラウディオ・スブロッリ Claudio Sbrolli のドラム、グエリーノ・ロンドローネに代わりアンドレア・コレッラ Andrea Colella のベースというカルテットでセッションが行われました。
 
コンセプトは「父ラフから子のエドに捧げる旅のログブック」。《Waiting for Edo》(エドを待つ)《Segnali dal Futuro》(未来からのシグナル)《New Life》(新しい生命)《Dancing Edo》(踊るエド)《Eight Weeks》(8週間)《Among Trees》(木々の間に)《Astronaut》(宇宙飛行士)の7つの「ステーション」に分け、「そこはドビュッシーかバリー・ハリス、片方はジェネシスでもう片方はキース・ジャレット」といった、フェラーリが心酔している、あるいは研究した人たちをベースに彼ら、独自の音楽を展開させていきます。最後のトラックでは、前作のロンドローネ Guerino Rondolone がエレクトリック・ベースを弾いています。
 
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)

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