March 2025
『ドイツ・レクイエム』
BIS SACD 2720 2SACD’s hybrid (5.0 surround/stereo) classical
[Disc 1]
ヨハネス・ブラームス(1833–1897)
ドイツ・レクイエム(Ein deutsches Requiem) Op.45
悲しむ人々は、幸いである(Selig sind, die da Leid tragen)
人は皆、草のようで(Denn alles Fleisch, es ist wie Gras)
教えてください、主よ、わたしの行く末を(Herr, lehre doch mich)
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685–1750)(トマス・コルネリウス 編曲)
ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 BWV.1041
- アンダンテ(ヴァイオリンとオルガンのための)
ジュゼッペ・タルティーニ(1692–1770)(トマス・コルネリウス 編曲)
ヴァイオリン協奏曲 変ロ長調 D 120
- アンダンテ(ヴァイオリンとオルガンのための)
ロベルト・シューマン(1810–1856)(ヨーゼフ・ヨアヒム(1831–1907)、トマス・コルネリウス 編曲)
小さな子供と大きな子供のための12の4手のピアノ小品
(12 Klavierstücke für kleine und große Kinder) Op.85(1849)
- 夕べの歌(Abendlied)(ヴァイオリンとオルガンのための)
ヨハネス・ブラームス(1833–1897)
ドイツ・レクイエム(Ein deutsches Requiem) Op.45
万軍の主よ、あなたのいますところは
(Wie lieblich sing deine Wohnungen)
わたしたちはこの地上に永続する都を持っておらず
(Denn wir haben hie keine bleibende Statt)
今から後、主に結ばれて死ぬ人は幸いである(Selig sind die Toten)
[Disc 2]
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685–1750)
マタイ受難曲(Mattäus-Passion) BWV.244
- 憐れみたまえ、我が神よ(Erbarme dich, mein Gott)
ジョージ・フレデリック・ヘンデル(1685–1759)
(W・A・モーツァルト(1756–1791) 編曲)
メサイア(Der Messias) K.572
見よ、世の罪を取り除く神の子羊だ(Kommt her und seht das Lamm)
わたしは知っている、わたしを贖う方は生きておられ
(Ich weiß, daß mein Erlöser lebt)
ハレルヤ(Halleluja)
ケート・リンジー(メゾソプラノ)
ヨハン・クリスティンソン(バリトン)
ヴェロニカ・エーベルレ(ヴァイオリン)
トマス・コルネリウス(オルガン)
クラングフェルヴァルトゥング合唱団
カペラ・ヴォカーレ・ブランケネーゼ 聖ニコライ聖歌隊
コンパーニャ・ヴォカーレ・ハンブルク
ハンブルク・フランツ・シューベルト合唱団
聖ペテロ・ハンブルク・バッハ合唱団 フォルクスドルフ青少年聖歌隊
カンティコ室内合唱団 ヴォーカルアンサンブル・コンソナンツ
ハンブルク・フィルハーモニー管弦楽団
ケント・ナガノ(指揮)
録音 2022年8月27日–28日 エルプフィルハーモニー・ハンブルク 大ホール(ハンブルク)(ライヴ録音)
ケント・ナガノ Kent Nagano は、2015年/2016年のシーズンからハンブルク市の音楽総監督を務め、ハンブルク州立歌劇場とハンブルク・フィルハーモニー管弦楽団を首席指揮者として指揮してきました。『ドイツ・レクイエム』のこのアルバムは、2022年8月に行われた祝祭的イベント・コンサートをライヴ収録して制作されました。
ブラームスの《ドイツ・レクイエム》は、1868年4月10日、ブレーメンで初演されました。このコンサートでは、ブラームス自身の指揮で最初の3章が演奏され、次にヨーゼフ・ヨアヒムのソロで小品を3曲。その後、まだ作曲されていなかった第5章「今は、あなたがたも、悲しんでいる(Ihr habt nun Traurigkeit)」(「新共同訳」による)をのぞく、《ドイツ・レクイエム》の残り3つの章、そして、バッハの《マタイ受難曲》の「憐れみたまえ、我が神よ」とモーツァルトがオーケストレーションしたヘンデルの《メサイア》の3曲が演奏されました。
ケント・ナガノとハンブルクの音楽家たちによるコンサートは、ブレーメンの初演を再現する企画として行われました。ヨアヒムが弾いた3つの小品は、オルガニストのトマス・コルネリウス Thomas Cornelius によるヴァイオリンとオルガン版が演奏されます。
『ラウタヴァーラ』
cpo 555 559-2 classical
エイノユハニ・ラウタヴァーラ(1928–2016)
ヴァイオリン協奏曲(1977)*
Sérénade pour mon amour(愛する人へのセレナード)(2016)
(ヴァイオリンと管弦楽のための)*
秋の庭(Autumn gardens)(1999)(管弦楽のための)
トゥルク・フィルハーモニック管弦楽団
アリ・ラシライネン(指揮)
ウルフ・ヴァリーン(ヴァイオリン)*
録音 2022年3月3日5日、10月26日–29日 * トゥルク・コンサートホール(トゥルク、フィンランド)
cpo レーベルにシベリウスの《クッレルヴォ》をはじめとする作品を数多く録音してきたアリ・ラシライネン Ari Rasilainen と、トゥルク・フィルハーモニック管弦楽団によるラウタヴァーラ Einojuhani Rautavaara の管弦楽作品。
《ヴァイオリン協奏曲》は、ロマンティックなテクスチュアから、点描を思わせる色彩パレットまで、ラウタヴァーラの多面的な作曲スタイルを示す作品のひとつです。「ミラン・クンデラは、シンフォニック音楽を境界のない世界を通る旅になぞらえた。同じように、この作品のソロ・ヴァイオリンも旅する途中でたえず、新しい眺めに出会い、新しい状況に出くわす」(ラウタヴァーラ)。「トランクィッロ」「エネルジーコ」の2つの楽章で書かれ、ヴァイオリンのソロには高い技巧性と抒情的な歌謡性が求められます。1977年の作曲。8月のヘルシンキ・フェスティヴァルで初演されました。
〈Sérénade pour mon amour(愛する人へのセレナード)〉は、 ヒラリー・ハーンのために作曲された《Deux Sérénades(2つのセレナード)》の第1曲です。
《秋の庭》は、スコットランド室内管弦楽団の委嘱を受け「育つにまかせた、有機的な『英国の庭園』」をイメージして作られました。室内オペラ《太陽の家(Auringon talo)》から曲名をとり、「ポエティコ」「トランクィッロ」「ジョコーゾ・エ・レッジェーロ」の3つの部分で書かれています。
『Ylg, hof, Udjat』
LAWO Classics LWC 1369 contemporary/classical
カシュテン・ブルースタ(1959–)
Ylg(ユルグ)(1990)(ピッコロ、2つのフルートと管弦楽のための協奏曲)
hof(ホフ)(2015)(ティンパニと管弦楽のための協奏曲)
Udjat(ウジャト)(2005)
(ユーフォニアム、エレクトロニクスと管弦楽のための協奏曲)
ノルウェー放送管弦楽団 インガル・ベルグビュー(指揮)
アンネ・カリーネ・ハウゲ(ピッコロ)
トロン・マグネ・ブレッカ(フルート)
トム・オッタル・アンドレーアセン(フルート)
ルーネ・ハルヴォシェン(ティンパニ)
ゲイル・ダーヴィドセン(ユーフォニアム)
[DXD(24bit/352.8kHz)録音]
カシュテン・ブルースタ Karsten Brustad は、音楽大学でクラシカルギターを学び、作曲法を個人指導で身につけました。合唱の作品から管弦楽、室内アンサンブル、器楽の作品と幅広く作曲、エレクトロアコースティックやテレビと劇場の視覚芸術の作品も手がけています。
ブルースタの3つの協奏曲。ピッコロ、2つのフルートと管弦楽のための《Ylg》は、ノルウェー放送管弦楽団の共同首席フルート奏者アンネ・カリーネ・ハウゲ Anne Karine Hauge がノルウェー・アーツカウンシルの支援を受けてブルースタに委嘱した作品です。北欧神話と『古エッダ』で語られる世界樹ユグドラシルの根元の泉フヴェルゲルミルに流れこむ川のひとつ「Ylg(ユルグ)」を曲名にとり、爆発的、リズムカルな動きのエネエルギーと、神秘的な瞑想性の雰囲気を合わせもつ音楽に作られています。
「可能性、思慮分別、寺院」の古ノルド語の「hof(ホフ)」曲名とする「ティンパニと管弦楽のための協奏曲」は、オーケストラの前に置かれた5個のティンパニの壮大な響きが、「古い寺院」のある風景を連想させる音楽です。ノルウェー・アーツカウンシルの支援による、ノルウェー放送管弦楽団の首席ティンパニ奏者 ルーネ・ハルヴォシェン Rune Halvorsen の委嘱作です、
「ホルスの目」《Udjat》。ノルウェー北部トロムソの大学と音楽大学で教えるユーフォニアム奏者ゲイル・ダーヴィドセン Geir Davidsen とトロムソ交響楽団が作曲家たちによる基金の支援を得て委嘱。エレクトロニクスを応用し、ユーフォニアムという楽器の音と新たな演奏技術を追求して音楽宇宙を広げることをめざした作品です。
『Janus』
LAWO Classics LWC 1378 contemporary/classical
クヌート・ヴォーゲ(1961–) フルートのための作品集
ヤヌス(Janus)(2022)(フルートと管弦楽のための)
Tapt slag(負けた争い)(エレジー)(1994)(フルート、ヴォイス、打楽器のための)
Part 1 Part 2 Part 3
メドゥーサ(Medusa)(2023)(フルート・ソロのための)
Part 1
Får eg likna deg(あなたをなぞらえるとすれば)(2006 rev.2023)
(フルート・ソロのための)
エレクトラ II(Electra II)(2005)(フルートとエレクトロニクスのための)
インゲラ・オイエン(フルート)
ベルゲン・フィルハーモニック管弦楽団 BIT20 アンサンブル
インガル・ベルグビュー(指揮)
オーウェン・ウィーヴァー(打楽器)
ハンネ・ブラムネス(ヴィイス)
トーロルフ・テューエスタ(サウンドデザイン)
録音 グリーグホール(ベルゲン、ノルウェー)
制作 ヴェーガル・ランドース
録音エンジニア トマス・ヴォルデン [DXD(24bit/352.8kHz)録音]
ローマ神話の「ヤヌス」は、反対の方向を向く2つの顔をもち、門と出入り口を司り、終わりと始まりの神でもありました。片方は未来を、もう片方は過去を見る。ベルゲン在住の作曲家クヌート・ヴォーゲ Kunt Vaage は、ベルゲン・フィルハーモニックのフルート奏者インゲラ・オイエン Ingela Øien との40年以上にわたるコラボレーションの姿を示すアルバムのタイトルにこの神の名をつけました。
タイトル曲の《ヤヌス》は、C管フルート、アルトフルート、バスフルートを持ち替えて演奏するソリストと管弦楽の協奏曲として書かれました。ジャジーなリズムとインパルスもある音風景の作品です。ハンネ・ブラムネス Hanne Bramnes の詩に基づく《Tapt slag(負けた争い)》。ギリシャ神話の怪物を曲名にした《メドゥーサ》と《Får eg likna deg(あなたをなぞらえるとすれば)》は、フルート・ソロ曲。ギリシャ悲劇による《エレクトラ II》は、「増幅」フルートとエレクトロニクスのために作られ、『multiMORF』(LWC 1345)のトーロルフ・テューエスタ Thorolf Thuestad がサウンドデザインを担当しています。
『Echoes of Latvia(ラトビアのこだま)』
Skani SKANI 169 classical
ルツィーヤ・ガルータ(1902–1977)
Daina(ダイナ)(1949)(ヴァイオリンとピアノのための)
レナーテ・スティヴリニャ(1985–)
Viļņi nāk un viļņi iet(波は寄せ、引いてゆく)(2024)
(ヴァイオリンとピアノのための)
ルツィーヤ・ガルータ(1902–1977)
Dramatisks moments. Regret(劇的な瞬間.後悔)(1931)
(ヴァイオリンとピアノのための)
アンナ・ヴェイスマネ(1976–)
The Target(2013/2018)(ヴァイオリン・ソロのための)
ルツィーヤ・ガルータ(1902–1977)
Rudenī(秋に)(1925)(ヴァイオリンとピアノのための)
ルタ・パイデレ(1977–)
Lines(2014)(ヴァイオリンとピアノのための)
ルツィーヤ・ガルータ(1902–1977)
Lūgšana(祈り)(1923)(ヴァイオリンとピアノのための)
サビーネ・チェズベレ(1985–)
Cita Balss(他の声)(2024)(ヴァイオリンとピアノのための)
ルツィーヤ・ガルータ(1902–1977)
Largo e Andante Religioso(ラルゴ・エ・アンダンテ・レリジョーゾ)(1939)
(ヴァイオリンとピアノのための)
ダッツェ・アペラーネ(1953–)
Fantāzija variācijās(変奏による幻想曲)(1993)
(ヴァイオリン・ソロのための)
セルガ・メンツェ(1953–)
Starp ezeru un jūru(湖と海の間に)(2024)
(ヴァイオリンとピアノのための)
ラウラ・ザリニャ(ヴァイオリン)
アグネセ・エグリニャ(ピアノ)
録音 2024年9月4日–6日 ラトビア放送第1スタジオ(リガ、ラトビア)
制作・録音エンジニア・編集・ミクシング・マスタリング ヴァリス・クルミンシュ
ラトビアのヴァイオリニスト、ラウラ・ザリニャ Laura Zariņa とピアニスト、アグネセ・エグリニャ Agnese Egliņa の共演。ルツィーヤ・ガルータ Lūcija Garūta の小品を中心にした、ザリニャの委嘱した3曲を含む、現代ラトビアの女性作曲家の作品集です。ガルータは、ラトビア音楽院でピアノと作曲を学び、パリでコルトーとイシドール・フィリップにピアノ、ポール・デュカスに作曲を学びました。幸せや自身の経験を表現した彼女の音楽は、「ラトビア」に深く根差し、さまざまな時代を反映しています。
『ヴィルニス・シュミードベルグス』
Skani SKANI 170 classical
ヴィルニス・シュミードベルグス(1944–)
トリオ・ソナタ(1989)(フルート、ヴァイオリンとピアノのための)
ピアノのための変奏曲(1972)
ヴィオラ・ソナタ(1978)
ヴァイオリン・ソナタ第1番(1987)
哀悼の踊り(Raudu deja/Lamenting Dance)(2005 rev.2023)
(フルート、ヴァイオリンとピアノのための)
マグダレーナ・ゲカ(ヴァイオリン)
イヴェタ・ツァーリテ(ピアノ) イロナ・メイヤ(フルート)
録音 2024年8月 グレート・アンバー・コンサートホール(リエパーヤ、ラトビア)
制作・録音エンジニア・編集・ミクシング・マスタリング ヤーニス・ストラウメ
ラトビアの作曲家ヴィルニス・シュミードベルグスの室内楽作品集。ヴァイオリニストのマグダレーナ・ゲカ Magdalena Geka はドイツのクラシカル音楽賞「Opus Klassik」にノミネートされたことがあり、ピアニストのイヴェタ・ツァーリテ Iveta Cālite とフルーティストのイロナ・メイヤ Ilona Meija は、彼女とこれまでにも共演してきたミュージシャンです。
ヴィルニス・シュミードベルグス Vilnis Šmīdbergs は、ペーテリス・ヴァスクス、ロムアルズ・カルソンス、マイヤ・エインフェルデ、マールティンシュ・ブラウンス、ゲオルグス・ペレーツィスと同時代に属する作曲家です。14歳の時にヴェントスピルス音楽学校に入学し、3年間、合唱指揮のクラスに加わった後、ヅィンタルス・クリャヴィンシュに音楽理論、カールリス・テンネに作曲を学びました。兵役のため学業を中断したラトビア国立音楽院(現、ラトビア音楽アカデミー)に戻った1970年からアードルフス・スクルテのクラスで学び、1975年に卒業しました。歌曲と合唱曲、室内楽曲と器楽曲、交響曲と協奏曲を含む管弦楽曲、シンフォニックバンドの曲を中心に作品を発表。和声の追求、人間の価値の確認、キリスト教の信仰に沿った霊性の重要視、伝統と歴史といったことを主題にとった、実直な作風の作曲家です。すべて世界初録音の曲によるコレクション。
『Gothica(ゴシック)』
Proprius PRCD 2092 classical
サラ・ヴェンネルベリ=ロイター(1875–1959)
前奏曲とフーガ ニ短調(Preludium och fuga d-moll)*
エミール・シェーグレーン(1853–1918)
葬送前奏曲(Prélude funèbre)*
グスタフ・マンケル(1812–1880)
ソナタ第7番 ヘ短調 - 第3楽章「アレグレット」*
クラース・ヴィルヘルム・レンダール(1948–1926)
序奏とフーガ 変ホ長調(Introduktion och fuga Ess-dur)
ロマンス - 間奏曲(Romanze - Intermezzo)*
エルフリーダ・アンドレー(1841–1929)
カンティレーナ(Cantilena)*
賛美歌の旋律による即興曲(Improvisation över psalmmelodi)*
メロディ(Melodi)
イェオリ・ヴィルヘルム・ヘインツェ(1849–1895)
幻想曲とフーガ ニ短調(Fantasi och fuga d-moll)
フランス・ベールヴァルド(1796–1868)
サンフォニー・セリユーズ(Sinfonie sérieuse) ト短調(1842)
- 第2楽章「アダージョ・マエストーゾ」*
イェオリ・ヴィルヘルム・ヘインツェ(1849–1895)
3楽章の組曲(Suite i 3 satser)*
後奏曲(Postludium) 祈り(Prière) 終曲(Final)
ヤン・H・ボリエソン(オルガン)
[Organ: Åkerman Organ, 1871] [* 世界初録音]
録音 ウプサラ大聖堂(ウプサラ、スウェーデン)
制作
録音エンジニア
ヤン・H・ボリエソン Jan H. Börjesson(1969–)は、1987年から1992年にかけて、ヨーテボリ音楽学校でルーネ・ヴォールベリ、ハンス・ダーヴィドソン、ジャック・ファン・オールトメルセンたちに学びました。スウェーデン、ヨーロッパ各国とアメリカで演奏し、スウェーデンのいろいろなオルガンを弾いた7枚のCDを録音しました。楽器のコンサルタントとしても活動、スウェーデンの大聖堂や教会などのオルガンの修復と新設に関わってきました。2000年から2016年までヨーテボリの聖パウロ教会、2016年から2024年までカルマル大聖堂のオルガニスト。2024年からストックホルム近郊のストレングネス大聖堂でオルガニストを務めています。
『Gothica(ゴシック)』と題したアルバムで彼は、スウェーデン各地のアーカイヴで見つけた、20世紀への変わり目のスウェーデンの豊かな音楽を象徴する作品を集めたプログラムを演奏しています。エルフリーダ・アンドレー Elfrida Andrée、イェオリ・ヴィルヘルム・ヘインツェ Georg Wilhelm Heintze、クラース・ヴィルヘルム・レンダール Claes Wilhelm Rendahl をはじめとする、オルガニストでもあった人たちを含む作曲家による曲はいずれも、挑戦的でありながら、気持ちを鼓舞させる実質のある作品です。
ウプサラ大聖堂の復元と改修を終えたオーケルマン・オルガンを弾いた初めての録音です。
『イェオリ・グリヤス、ホセ、トゥリーナ、デ・ファリャを弾く』
Proprius PRCD 2101 classical
ホアキン・トゥリーナ(1882–1949)
ファンダンギーリョ(Fandanguillo) Op.36(1925)
セビリャーナ(Sevilliana) Op.29(1923)
ソナタ ニ短調 Op.61(1932)
アレグロ(Allegro) アンダンテ(Andante)
アレグロ・ヴィーヴォ(Allegro vivo)
颯(はやて)(Ráfaga) Op.53(1930)
タレガ礼讃(Homenaja a Tarrega) Op.69(1932)
ガロティン(Garotin) ソレアレス(Solerares)
アントニオ・ホセ(1902–1936)
ギターのためのソナタ(Sonata para guitarra)(1933)
アレグロ・モデラート(Allegro moderato)
メヌエット(Minueto)
パヴァーナ・トリステ(悲しいパヴァーヌ):レント
(Pavana triste: Lento)
終曲:アレグロ・コン・ブリオ(Final: Allegro con bro)
マヌエル・デ・ファリャ(1876–1946)
ドビュッシーの墓碑銘のための讃歌
(Homenaje pour "Le Tombeau de Claude Debussy”) G.56
イェオリ・グリヤス(ギター)
[楽器 Guitar: Per Hallgren, Sweden]
録音 2023年2月16日、17日 ニレント・スタジオ(コッレレード、スウェーデン)
制作・録音エンジニア・編集・マスタリング ヨアール・ハルグレーン
スウェーデンのギタリスト、イェオリ・グリヤス Georg Gulyás の『ヴィラ=ロボスを弾く』(PRCD 2094)につづく Proprius Records の8作目のアルバム。20世紀初頭スペインの作曲家3人のソロ・ギター曲を弾いています。
ホアキン・トゥリーナ Joaquin Turina(1882–1949)は、セビーリャ生まれ。マドリードで学んだ後、パリのスコラ・カントールムでヴァンサン・ダンディに師事し、アルベニスやデ・ファリャのサークルに加わりました。アンダルシアのフラメンコ・スタイルの《ファンダンギーリョ》。燃えるようなダンス《セビリャーナ》。古典的なソナタ様式の《ソナタ ニ短調》。表現的メロディの《颯(はやて)》。《タレガ礼讃》は、アストゥーリアス地方のダンス・スタイルによる〈ガロティン〉とアンダルシア最南部のスタイルの〈ソレアレス〉の2曲。トゥリーナのギターのための全作品です。
「アントニオ・ホセ」として知られるアントニオ・ホセ・マルティネス・パラシオス Antonio José Martínez Palacios(1902–1936)は、ブルゴスで生まれました。モーリス・ラヴェルに学び、フランス印象主義の影響を受けたスタイルによる作品を手掛けました。1933年の《ギターのためのソナタ》は、彼がスペイン内戦中の1936年にファランヘ党員に銃殺された後、1980年に再発見されて以来、クラシカル・ギター奏者のレパートリになりました。〈悲しみのパヴァーヌ〉の第3楽章が、奥深い印象を残します。
マヌエル・デ・ファリャ Manuel de Falla(1876–1946)の《ドビュッシーの墓碑銘のための讃歌》は、親交のあったドビュッシーを追悼する『クロード・ドビュッシーのトンボー』に寄せた、彼の唯一のギター作品です。
『サロメ』
Chandos CHSA 5356 2SACD’s hybrid (Multichannel/stereo) classical
リヒャルト・シュトラウス(1864–1949)
歌劇《サロメ(Salome)》 Op.54 TRV 215(1903–05)
マーリン・ビューストレム(ソプラノ、サロメ)
ゲルハルト・ジーゲル(テノール、ヘロデ)
カタリーナ・ダライマン(メゾソプラノ、ヘロディアス)
ヨハン・ロイター(バスバリトン、ヨカナーン)
ブロール・マグヌス・トーデネス(テノール、ナラポート)
ベルゲン・フィルハーモニック管弦楽団
エドワード・ガードナー(指揮)
録音 2022年8月14日 アッシャー・ホール(エディンバラ、スコットランド)(ライヴ)
制作・録音エンジニア フィリップ・ホブズ
『ゲーテ歌曲集』
LAWO Classics LWC 1355 classical
フランツ・シューベルト(1797–1828)
テューレの王(Der König in Thule) D.367
『ヴィルヘルム・マイスター』からの歌(Gesänge aus ‘Wilhelm Meister’)
ミニョンと竪琴弾き「ただあこがれを知る者だけが」
(Mignon und der Harfner ”Nur wer die Sehnsucht kennt”)
ミニョンの歌 I「私には言わせないで」
(Lied der Mignon I “Hiss mich nicht reden”)
ミニョンの歌 II「大人になるまでこのままに」
(Lied der Mignon II “So lasst mich shceinen”)
ミニョンの歌「君よ知るや南の国」
(Mignons Gesang “Kennst du das Land?”) D.321
ミニョンに(An Mignon) D.161
さすらい人の夜の歌 I
(Wanderers Nachtlied I “Der du von dem Himmel bist”) D.224
ガニュメート(Ganymed) D.544
さすらい人の夜の歌「山々に憩いあり」
(Wanderers Nachtlied “Uber allen Gipfeln it Ruh”) D.768
ズライカ I(Suleika I) D.720
ズライカ II(Suleika II) D.717
恋人のそばに(Nähe des Geliebten) D.162
歓迎と別れ(Willkommen und Abschied) D.767
最初の喪失(Erster Verlust) D.226
海の静けさ(Meeres Stille) D.216
人間の限界(Grenzen der Menschheit) D.716
マリアンネ・ベアーテ・シェラン(メゾソプラノ)
ニルス・アンデシュ・モッテンセン(ピアノ)
録音 2022年6月7日–10日 ソフィエンベルグ教会(オスロ)
制作・編集 ヴェーガル・ランドース
録音エンジニア・マスタリング トマス・ヴォルデン
[DXD(24bit/352.8kHz)録音]
ノルウェーのメゾソプラノ、マリアンネ・ベアーテ・シェラン Marianne Beate Kielland とピアニストのニルス・アンデシュ・モッテンセン Nils Anders Mortensen のコラボレーション最新作。ヨハン・ヴォルフガング・ゲーテの詩に孤高の音楽家フランツ・シューベルトが作曲した歌曲はすべて、芸術エネルギーと魅力にあふれ、ドイツ・ロマンティシズムのもっとも偉大な遺産のひとつとみなされています。シェランとモッテンセンは、《ミニョンの歌》《さすらい人の夜の歌》《ガニュメート》《海の静けさ》といった歌の世界を洞察し、深い内面性を聴き手に経験させます。
『レポ・スメラ』
Ondine ODE 1449-2 classical
レポ・スメラ(1950–2000)
交響曲第1番(1981)
交響曲第6番(2000)
エストニア国立交響楽団
オラリ・エルツ(指揮)
録音 2023年8月22日–25日 エストニア・コンサートホール(タリン、エストニア)
レポ・スメラ Lepo Sumera(1950–2000)は、アルヴォ・ペルトの次の世代に属する作曲家のひとり。遊びと苦しみ、ショーとドラマという、新表現主義の語法で知られます。対照的サウンドイメージ、思考の自由な流れ、調的和声と旋法的和声、サウンドフィールドの技法、交響的ドラマトゥルギーとミニマリスト的反復の結合といったスタイルにより、管弦楽曲、室内楽曲、合唱曲、歌曲、電子音楽の作品を発表。親しみやすい作風による映画音楽も手がけました。交響曲は6曲。ペルトとショスタコーヴィチの姿をうかがわせる《第1番》。《第6番》は、静謐と大音響という、スメラの「対照パターン」が特徴的な作品です。
『冬の旅』
OUR Recordings 8.226928 classical
フランツ・シューベルト(1797–1828)
歌曲集《冬の旅(Winterreise)》 D.911
ヤコプ・ブロク・イェスパセン(バスバリトン)
シャロン・プルシャンスキ(フォルテピアノ)
[楽器 Fortepiano: Robert Brown, 2015, after Jakob Bertsche, Vienna, c.1810-15]
録音 2023年10月25日–28日 ドロテーア・ポルシェ・ホール(ザルツブルク、オーストリア)
制作・録音エンジニア・ミクシング カレル・ヴァルター
編集 エラム・ローテム
デンマークのバスバリトン歌手ヤコプ・ブロク・イェスパセンとイスラエルの鍵盤楽器奏者シャロン・プルシャンスキのコラボレーションによる《冬の旅》。
イェスパセン Jakob Bloch Jespersen は、2004年に王立デンマーク音楽アカデミーのディプロマを取得したあと、2007年までオペラ・アカデミーで学びました。2006年に王立デンマーク劇場で舞台デビュー。パーセルの《妖精の女王》、モーツァルトの《ドン・ジョヴァンニ》、ヴェルディの《ラ・トラヴィアータ》と《ファルスタッフ》、カール・ニルセンの《仮面舞踏会》、プッチーニの《トスカ》と《ラ・ボエーム》の王立デンマーク劇場、ノルウェー国立歌劇場、エスビェア・ニューオペラ、オペラ・ヘーゼランに出演しました。コンサート歌手としてコンチェルト・コペンハーゲン、シアター・オブ・ヴォイセズ、「ノイエ・ムジーク・ベルリン」といったアンサンブルと共演。2013年に音楽批評家アーティスト賞、2020年にアクセル・シュッツ賞を受賞。デンマーク作曲家協会の音楽賞も受賞しています。
プルシャンスキ Sharon Prushansky(1987–)は、テルアヴィヴのブッフマン=メータ音楽学校でフォルテピアノ、ピアノとオルガン、バーゼルのスコラ・カントルムでチェンバロ、オルガンとフォルテピアノを学びました。スイス在住。
『秋分(Autumn Equinox)』
BIS SACD 2090 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) contemporary/classical
セバスチャン・ファーゲルルンド(1972–)
八重奏曲《秋分(Autumn Equinox)》(2016)
Arcantio(2023)(コントラバスと室内管弦楽のための協奏曲)*
Sky II(2009 rev.2023)(アンサンブルのための)
ラップランド室内管弦楽団
ヨン・ストゥールゴールズ(指揮)*
ニーク・デ・フロート(コントラバス)*
録音 2023年11月16日–22日 コルンディ文化の家(文化ホール)(ロヴァニエミ、フィンランド)
BIS Records は、『海洋』(BIS SA-2324)『テラル』(BIS SA-2639)など、フィンランドの作曲家セバスチャン・ファーゲルルンド Sebastian Fagerlund の作品を継続してリリースしてきました。
《秋分》は、彼のオペラ《秋のソナタ(Höstsonaten)》のライトモティーフを主な素材に、クラリネット、ファゴット、2つのヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスというシューベルトの《八重奏曲》(D.803)と同じ編成で書かれた作品です。デルフト室内楽フェスティヴァルの委嘱書かれ、2017年8月6日に初演されました。
《Arcantio》は、ラップランド室内管弦楽団の委嘱により、ニーク・デ・フロート Niek de Groot のために「コントラバスと室内管弦楽のための協奏曲」として作られた作品です。コントラバスの低域の旋律から始まる一連の変奏曲で構成。時にはヴィルトゥオーゾ、時には忘我の境をさまよっている瞑想者のソリストが絶えずオーケストラを新しい状況に導いてゆく。はるか遠い昔から届いたように感じる音楽の雰囲気を念頭に置いて作曲されました。2023年11月16日、デ・フロートのソロ、ヨン・ストゥールゴールズ John Storgårds の指揮で初演されました。
《Sky II》は、バロックアンサンブルのための《Sky》を現代楽器で演奏するよう改訂して作られました。フルート、クラリネット、チェンバロ、ギター、2つのヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス。半透明のハーモニーをベースに、踊りに似たリズムとミニマリストの連続性を結合し音楽表現と原のような風景を思わせる音楽です。
『シューベルトの四季(Schubert’s Four Seasons)』
BIS SACD 2703 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) classical
フランツ・シューベルト(1797–1828)
あこがれ(Sehnsucht) D.879 冬の夕べ(Der Winterabend) D.938
老いの歌(Geisengesang) D.778 春の想い(Frühlingsglaube) D.686
夜咲きすみれ(Nachtviolen) D.752
岩の上の羊飼い(Der Hirt auf de Felsen) D.965 *
五月の夜(Die Mainacht) D.194
五月への私の挨拶(Mein Gruss an den Mai) D.305
春に(Im Frühling) D.882
羊飼いの嘆きの歌(Schäfers Klagelied) D.121
ます(Die Forelle) D.550 野ばら(Heidenröslein) D.257
ばら(Die Rose) D.745 夏の夜(Die Sommernacht) D.289b
秋(Herbst) D.945
秋の夜の月に寄せる(An den Mond in einer Herbstnacht) D.614
収穫の歌(Erntelied) D.434 秋の歌(Herbst) D.502
戸外にて(Im Freien) D.880 憩いなき愛(Rastlose Liebe) D.138
キャロリン・サンプソン(ソプラノ)
ジョーセフ・ミドルトン(ピアノ)
マイケル・コリンズ(クラリネット)*
録音 2024年2月25日–28日 ワイアストーン・コンサートホール(モンマス、イングランド)
キャロリン・サンプソン Carolyn Sampson とジョーセフ・ミドルトン Joseph Middleton の『楽園』(BIS SA-2573)につづくシューベルト・リサイタル。「窓ガラスは凍りつき、風は強く吹く、夜の空は澄みきって青い…」と冬を語るザイドルの詩による《あこがれ》に始まり、ゲーテの詩をテクストにした《憩いなき愛》で終わる、シューベルトがそれぞれの季節に託した想いを洞察するプログラム。
『Violino òver Cornetto』
BIS SACD 2726 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) early music
ダリオ・カステッロ(c.1602–1631)
ソナタ第4番(1629)
ジョヴァンニ・レグレンツィ(1626–1690)
ラ・ストラソルダ(La Strasolda)
ジュゼッペ・スカラーニ(1628–1641)
ソナタ第6番(2つのソプラニーノのための《レ、ミ、ファ、ソ、ラ》に基づく)
ジローラモ・フレスコバルディ(1583–1643)
ヴァイオリンとスピネットのためのトッカータ(1628)*
ジョヴァンニ・バッティスタ・ブオナメンテ(c.1595–1642)
2声のソナタ第4番(1636)
エルコーレ・パスクィーニ(c.1560–1619)
トッカータ第1番
セラフィーノ・パッタ(c.1580–1619)
フランス風のカンツォン《ランプニャーナ(La Lampugnana)》(1613)
タルクィニオ・メールラ(1594/5–1665)
めんどり(La Gallina)(2声のカンツォン)(1657)
ジュゼッペ・ジャンベルティ(c.1600–1662/64)
カッコー(Cucù)
マルコ・ウッチェリーニ(c.1603–1680)
3声のアリア「エメンフロディーテ『雄鶏とカッコウが一緒になる時、
美しいコンサートが生まれる』
(L’Emenfrodito “maritati insieme la Gallina, e’l Cucco fanno un bel concerto”)(1642)
ガブリエーレ・ウスペル・スポンガ(1609–1632)
リチェルカーレ第8番(1585)
シンフォニア(1614)(2つのヴァイオリンのための)
ピアージョ・マリーニ(1594–1663)
ソナタ第5番(1626)(2つのヴァイオリンとコルネットのための)
ジョヴァンニ・バッティスタ・ブオナメンテ(c.1595–1642)
《カヴァレット・ツォッポ》に基づくソナタ第10番
(Sonata Decima sopra “Cavaletto zoppo”)(1626)*
セイチェント・ストラヴァガンテ
ダーヴィド・ブルッティ(コルネット、ミュート・コルネット)
ニコラ・ラモン(オルガン、チェンバロ)
ロセッラ・クローチェ(バロック・ヴァオリン)
ニコラ・ガンドルフ(オルガン)*
録音 2023年2月13日–15日 Casatico de Marcarina(マントヴァ)、3月16日–18日 Studio Rosso, Zanotto Strumenti, Trebaseleghe(パドヴァ、イタリア)
古楽器アンサンブル「セイチェント・ストラヴァガンテ Seicento Stravagante」(贅沢な17世紀)は、2018年、コルネット奏者ダーヴィド・ブルッティ David Brutti と鍵盤楽器奏者ニコラ・ラモン Nicola Lamon により創設されました。コルネットとオーセンティックなオルガンによる古い響きを再発見することをめざし、ルネサンスと初期バロックの時代にイタリアの宮廷と大聖堂で演奏された音楽をレパートリーに活動しています。『コルネットと鍵盤楽器のための音楽』(BIS SA-2526)に次ぐ BIS Records のアルバム。
『ヴィラ=ロボス ギター・ソロ作品全集』
BIS SACD 2735 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) classical
エイトル・ヴィラ=ロボス(1887–1959)
12の練習曲(Douze études) W 235(1928)
ブラジル民謡組曲(Suite populaire brésilienne) W 020(1923-28 rev.1948)
マズルカ=ショーロ(Mazurka-Chôro)
ショティッシュ=ショーロ(Schottisch-Chôro)
ワルツ=ショーロ(Valsa-Chôro)
ガヴォット=ショーロ(Gavotta-Chôro)
ショリーニョ(Chôrinho)
ワルツ=ショーロ(Valsa-Chôro)(c.1920)
ショーロ第1番 W 161(1920)
演奏会ワルツ第2番(Valsa Conceerto No.2) W 009(1904)
(デボラ・ハラースによる完全版)
5つの前奏曲(5 Préludes) W 419(1940)
前奏曲第1番 ホ短調《抒情的な旋律(Melodia lírica)》
前奏曲第2番 ホ長調《カパドシアの旋律(Melodia capadócia)》
前奏曲第3番 イ短調《バッハへのオマージュ(Homenagem a Bach)》
前奏曲第4番 ホ短調《ブラジルのインディオへのオマージュ
(Homenagem ao índio brasileiro)》
前奏曲第5番 ニ長調《社会生活へのオマージュ(Homenagem à Vida Social)》
フランツ・ハラース(ギター)
[楽器 Guitar: Hermann Haser I, 1936, Model Miguel Llobet]
録音 2024年1月15日–18日 ドイツ福音主義十字架教会(ミュンヘン、ドイツ)
ドイツのギタリスト、フランツ・ハラース Franz Halász は、前のアルバム『ギターの声(La voz de la guitarra)』(BIS SA-2725)でスペインの作曲家フェデリコ・モレーノ・トローバの作品を演奏しました。新作はブラジルのエイトル・ヴィラ=ロボス Heitor Villa-Lobos のギター・ソロの作品。《12の練習曲》《ブラジル民謡組曲》《5つの前奏曲》といった現代ギタリストがレパートリーにしている曲と、1928年に見つかった、1920年ごろの作とされる《ワルツ=ショーロ》、そしてフランツの夫人デボラ・ハラースが完全な形にした《演奏会ワルツ第2番》を含んだプログラムです。
『hommages(オマージュ)』
BIS SACD 2739 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) contemporary/classical
ドブリンカ・タバコヴァ(1980–)
オルガヌム・ライト(Organum Light)(2014)
オスバルド・ゴリホフ(1960–)
ラスト・ラウンド(Last Round)(1996)
イーゴリ・ストラヴィンスキー(1882–1971)(ジュリアン・アズクール 編曲)
バレエ《ミューズを率いるアポロ(Apollon Musagète)》
オッリ・ムストネン(1967–)
九重奏曲II(Noneetto II)(2000)
アポテオーシス(Apothoesis)(2022)(4つのチェロのための)
ユナイテッド・ストリングズ・オブ・ヨーロッパ
ジュリアン・アズクール(ディレクター)
録音 2024年1月29日–2月2日 セント・シラス教会(ケンティッシュ・タウン、ロンドン)
「ユナイテッド・ストリングズ・オブ・ヨーロッパ United Strings of Europe」(USE)とリーダーのジュリアン・アズクール Julian Azkoul は、前作の『Through the Night(夜もすがら)』(BIS SA-2589)をはじめ、それぞれにコンセプトをもったアルバムを作ってきました。
第5作は「オマージュ」がテーマです。BBC コンサート・オーケストラのレジデントを務めたことのあるドブリンカ・タバコヴァ Dobrinka Tabakova の作曲した《オルガヌム・ライト》は、アインシュタインの光量子仮説(theory of quantum light)からインスピレーションを得たという作品。オスバルド・ゴリホフ Osvaldo Glijov の「ピアソラ」のアルゼンチンへのオマージュ《ラスト・ラウンド》。ムストネンの《九重奏曲II》は、タピオラ・シンフォニエッタがタンペレホールの10周年を記念して委嘱した弦楽オーケストラのための4楽章の作品。《アポテオーシス》は、「パブロ・カザルス追悼(in memoriam Pablo Casals)」の副題をもち、2022年9月23日、ドイツ、タウヌスのクロンベルグで行われた「カザルス・フォーラム」で初演されました。
『ルードヴィーグ・ノルマン』
dB Productions DBCD 217 classical
ルードヴィーグ・ノルマン(1831–1885)
ピアノ四重奏曲 ホ短調 Op.10
人生の時代(Lifvets åldrar) Op.51(ピアノのための6つの性格的小品)
幼少時代(Barnaåldern)
青年の熱情(Ynglingens svärmeri)
乙女の夢(Ungmöns dröm)
男の人生の重み(Lifvets allvar hos mannen)
ゆりかごに寄り添う母(Modern vid vaggan)
人生の終点に着いて(Vid lefnadsmålet)
ピアノ六重奏曲 イ短調 Op.29
和田記代(ピアノ)
ヘンリク・ペッテション(ヴァイオリン)
ソフィ・スンネシュタム(ヴァイオリン)
ニコラス・シャードロウ(ヴィオラ)
クラス・ガッゲ(チェロ)
ヴァールル・パウルソン(コントラバス)
録音 2024年3月28日–30日、8月31日、9月1日 ストックホルム・コンサートホール(スウェーデン)
ルードヴィーグ・ノルマン Ludvig Norman は、1831年、ストックホルム生まれ。ヴィルヘルミーナ・ユーセフソン、テオドール・シュタイン、ヤン・ファン・ブームにピアノ、アードルフ・フレードリク・リンドブラードに音楽理論を学びました。1848年からライプツィヒに留学。ユーリウス・リーツに作曲、イグナーツ・モシェレスにピアノを師事します。帰国後、ストックホルムで作曲家、指揮者、ピアニスト、批評家として活動。1861年から1865年まで王立歌劇場の首席指揮者を務め、水準の高いプロダクションに貢献しました。進歩的な作曲技法と確かな形式センスによる交響曲や室内楽曲を手がけ、ロマンティシズム時代スウェーデンの重要な作曲家のひとりとして名を残しました。1857年、王立スウェーデン音楽アカデミーの会員に選ばれました。
ストックホルム在住のピアニスト、和田記代とロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニックの弦楽奏者による室内楽アルバム。「ピアノのための6つの性格的小品」《人生の時代》と《ピアノ六重奏曲 イ短調》は、初めてのCD録音。《ピアノ四重奏曲 ホ短調》は、スウェーデン音楽アンソロジー・シリーズ(Musica Sveciae MSCD 518)に次ぐ録音です。
『ジョナサン・ビス』
Orchid Classics ORC 100375 classical/contemporary
ルートヴィヒ・ファン・ベートーヴェン(1770–1827)
ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 Op.19
ティモ・アンドレス(1985–)
The Blind Banister(2015)(ピアノと室内管弦楽団のための)
Sliding Scale Ringing Weights Coda. Teramente
ジョナサン・ビス(ピアノ)
スウェーデン放送交響楽団
ペッカ・クーシスト(指揮)
録音 2024年9月10日–12日 ベールヴァルドホール(ストックホルム)
ジョナサン・ビス Jonathan Biss(1980–)。インディアナ州ブルーミントンの音楽一家の生まれ。父方の義祖母が、サミュエル・バーバーがセルゲイ・クーセヴィツキーから委嘱された《チェロ協奏曲》を初演したロシアのチェリスト、ラヤー・ガールブゾヴァという家系です。ジョナサンは、インディアナ大学ブルーミントン校ジェイコブズ音楽院のカレン・テイラーとエヴェリン・ブランカートと、カーティス音楽院のレオン・フライシャーの下で学びました。2000年にニューヨークの「92nd Street Y」でリサイタル・デビュー。ロサンジェルスとニューヨークのフィルハーモニック、ボストンとシカゴとサンフランシスコの交響楽団、BBC とロンドンの交響楽団、オスロ・フィルハーモニックなど各国のオーケストラと共演してきました。
ペッカ・クーシスト Pekka Kuusisto 指揮スウェーデン放送交響楽団と共演したアルバムで彼が演奏する《The Blind Banister》は、ジョナサンとセントポール室内管弦楽団の共同プロジェクトの一作です。「Beethoven/5」と名付けたプロジェクトでは、ベートーヴェンの5曲のピアノ協奏曲にインスパイアされた作品を5人の作曲家に委嘱。彼らの新作がベートーヴェンの曲と合わせて演奏されます。
「ピアノ協奏曲第2番」による《The Blind Banister》を作曲したティモ・アンドレス Timo Andres は、ニューヨーク州ブルックリン在住。イェール大学でマーティン・ブレズニック、イングラム・マーシャル、アーロン・ジェイ・カーニスたちに学び、24歳の時、ロサンジェルス・フィルハーモニックとジョン・アダムズの委嘱で作曲し、自身がソロを弾いて共演した《Nightjar》で注目されました。《The Blind Banister》(見ることのできない階段)は、〈Sliding Scale〉〈Ringing Weights〉〈Coda. Teramente〉の3つの部分で書かれた作品です。ニューヨークの聖ルカ管弦楽団も委嘱に参加。2015年にミネソタ州セントポールで初演され、2016年のピューリッツァー賞の最終候補に残りました。
『Métopes(メトープ)- 神話、伝説と物語をピアノで』
Da Vinci Classics C 00998 classical
カロル・シマノフスキ(1882–1937)
メトープ(Métopes) Op.29(1915)
セイレーンの島(L'île des sirènes)
カリュプソー(Calypso)
ナウシカー(Nausicaa)
クロード・ドビュッシー(1862–1918)
(レナード・ボーウィック(1868–1925) 編曲)
牧神の午後への前奏曲(Prélude á l'après-midi d'un faune)(1892–94)
クリストフ・ヴィリバルト・グルック(1714–1787)
(ジョヴァンニ・ズガンバーティ(1841–1914)編曲)
歌劇《オルフェオとエウリディーチェ(Orfeo ed Euridiche)》 Wq.30
-メロディ(Mélodie)(精霊の踊り)
フランツ・リスト(1811–1886)
2つの伝説(Deux Légendes) S.175
- 小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ
(St François d'Assise: La prédication aux oiseaux)
巡礼の年 第1年「スイス」
(Années de pèlerinage première année “Suisse”) S.160
- オーベルマンの谷(Vallée d’Oberman)
フランツ・リスト(1811–1886)/リヒャルト・ワーグナー(1813–1883)
イゾルデの愛の死(Isoldes Liebestod)(楽劇《トリスタンとイゾルデ》から)
ジャン=フィリップ・ラモー(1683–1764)
クラヴサン曲集
(Pièces de Clavecin avec une méthode pour la mécanique des doigts)
- シクロプス(Les Cyclopes)
ジューリア・コンタルド(ピアノ)
録音 2024年9月–10月 DV Studios, Sala Musicale Giardino(クレーマ、イタリア)
録音エンジニア ガブリエーレ・ザネッティ
「神話は、想像力がそれに命を吹き込むために作られた」(アルベール・カミュ)。文化や時代を問わず時を超えた物語を語る神話は、文学や美術や音楽に絶えることなくインスピレーションを与えつづけてきました。このアルバムでは、神話や伝説を題材に作られた曲により、それぞれの物語の感情と象徴性の深さを探っていきます。
シマノフスキが、オデュッセウスが故郷をめざす海路で出会った女性を「音詩」に描いた《メトープ》。マラルメの詩によるドビュッシーの《牧神の午後への前奏曲》のボーウィックによるピアノ編曲。ズガンバーティがピアノ曲にしたグルックの《メロディ》。リストの内面的な曲と《イゾルデの愛の死》のトランスクリプション。ラモーの「一つ目の巨人」〈シクロプス〉も、ギリシャ神話のキャラクターのチェンバロ曲です。
ジューリア・コンタルド Giulia Contaldo は、イタリア、フィレンツェの郊外で生まれ、フィレンツェ音楽院「ルイージ・ケルビーニ」でジョヴァンナ・プレスティアに学びました。王立ノーザン音楽大学(RNCM)のグレアム・スコットとディナ・パラキーナのAPG課程を修了。RNCMの国際アーティスト・ディプロマを取得して、ジュネーヴ州立高等音楽院でリカルド・カストロの下で研究を続けました。エリソ・ヴィルサラーゼの代役としてBBCフィルハーモニックと共演したシューマンのピアノ協奏曲は、BBC Radio 3 でライヴ放送され、「活気のある演奏(a dashing account)」(「ガーディアン」紙)と評されました。ウディーネのヤーコポ・トマディーニ音楽院のピアノ科終身在籍教授。イモジェン・クーパー・ミュージックトラストのスカラーを務めています。
彼女のデビュー・アルバムです。
『レーア・ビリンガー』
Rubicon RCD 1193 classical
ジャン・シベリウス(1865–1957)
ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.47(1903-04 rev.1905)
アルマス・ヤルネフェルト(1869–1958)
子守歌(Berceuse)(1904)
カロル・シマノフスキ(1882–1937)
ヴァイオリン協奏曲第2番 Op.61(1932–33)
レーア・ビリンガー(ヴァイオリン)
ライン州立フィルハーモニー管弦楽団
ベンジャミン・シュウォーツ(指揮)
レーア・ビリンガー Lea Birringer(1986–)。ドイツのヴァイオリニスト。ザルツブルクのモーツァルテウムのイゴール・オジムとウィーンのパヴェル・ヴェルニコフに学びました。14歳の時にベルリン・フィルハーモニーでソロデビュー。ヴュルツブルク音楽大学で教授として教え、ザルツブルク音楽際、MDR 音楽の夏(MDR Musiksommer)、ダヴォス国際音楽祭など各地もフェスティヴァルで演奏しています。
『ブクステフーデ オルガン作品全集 第3集』
cpo 555 408-2 2SACD’s hybrid(Multichannel/stereo) early music
ディートリク(ディゼリク)・ブクステフーデ(c1637-1707)
[Disc 1]
前奏曲 イ長調 BuxWV.151
われらの主キリスト、ヨルダン川に来たれり
(Christ unser Herr zum Jordan kam) BuxWV.180
われら汝に感謝す、主イエス・キリストよ
(Wir danken dir, Herr Jesu Christ, dass du gen Himmel gefahren bist) BuxWV.224
主イエス・キリスト、われ汝を呼ぶ(Ich ruf zu dir, Herr Jesu Christ) BuxWV.196
アダムの罪によりすべては失われぬ
(Durch Adams Fall ist ganz verderbt) BuxWV.183
トッカータ ト長調 BuxWV.164
今ぞ喜べ、愛するキリスト者の仲間たちよ
(Nun freut euch, lieben Christen g’mein) BuxWV.210
主よ、御言葉もてわれらを守りたまえ
(Erhalt uns, Herr, bei deinem Wort) BuxWV.185
フーガ 変ロ長調 BuxWV.154
われに来たれと神の子は言いたもう
(Kommt her zu mir, spricht Gottes Sohn) BuxWV.201
カンツォーナ ト短調 BuxWV.173
ああ主よ、あわれなる罪人のわれを罰したもうな
(Ach Herr, mich armen Sünder) BuxWV.178
カンツォネッタ ホ短調 BuxWV.169 前奏曲 ホ短調 BuxWV.142
[Disc 2]
前奏曲 ヘ長調 BuxWV.145
カンツォネッタ ニ短調 BuxWV.168
救いはわれらに来たれり(Es ist das Heil uns kommen her) BuxWV.186
カンツォーナ ト長調 BuxWV.170
前奏曲 ハ長調 BuxWV.136
父なる神よ、われらとともにあらせたまえ
(Gott der Vater wohn uns bei) BuxWV.190
愚かな口はよき言葉を語る
(Es spricht der anweisen Mund wohl) BuxWV.187
前奏曲 イ短調 BuxWV.152
カンツォーナ ハ長調 BuxWV.166 カンツォネッタ ト長調 BuxWV.172
前奏曲とフーガ イ短調 BuxWV.153
主イエス・キリスト、われはことごとく知れり
(Herr Jesu Christ, ich weiss gar wohl) BuxWV.193
神もしわれらとともになかりせば(Wär Gott nicht mit uns diese Zeit) BuxWV.222
天にいますわれらの父よ(Vater unser im Himmelreich) BuxWV.219
テ・デウム(Te Deum laudamus) BuxWV.218
フリードヘルム・フランメ(オルガン)
[楽器 クリストフ=トロイトマン(1734–37)]
録音 2020年7月19日–20日、26日–28日 聖ゲオルク修道院教会(グラウホフ・バイ・ゴスラー、ドイツ)
フリードヘルム・フランメ Friedhelm Flamme(1963–)。ヘッセン州のフォルクマルセンで生まれ、デトモルト音楽大学とパーデルボルン大学の音楽学校で学びました。音楽教育、教会音楽、オルガン、指揮、作曲、教育科学、神学を専攻。1991年からハノーファー福音ルター派教会で教会音楽家として働き、ダッセルの聖ラウレンティウス教会のカントルとゲッティンゲン北地区の教会音楽スーパーバイザーも務めました。2006年、デトモルトとパーデルボルンの大学の博士号を取得。オルガニストとしてヨーロッパ各地でコンサート活動を行い、マルセル・デュプレの《十字架への道》《グレゴリオ聖歌》(777 128-2)、カール・ニルセンとルーズ・ランゴーのオルガン作品(777 414-2)などを録音。北ドイツ・バロックのオルガン作品シリーズの録音が進行中です。
『ブクステフーデ オルガン作品全集』
cpo 555 747-2 6SACD’s hybrid (Multichannel/stereo) early music
ディートリク(ディゼリク)・ブクステフーデ(c1637-1707)
オルガン作品全集 第1集
[Disc 1]
前奏曲、フーガとシャコンヌ ハ長調 BuxWV.137
今ぞわれら聖霊に願いたてまつる(Nun bitten wir den heiligen Geist) BuxWV.208
今ぞわれら聖霊に願いたてまつる(Nun bitten wir den heiligen Geist) BuxWV.209
わが魂よ、今ぞ主をたたえよ(Nun lob mein Seel’ den Herren) BuxWV.213
わが愛しき神に(Auf meinen lieben Gott) BuxWV.179
シャコンヌ ホ短調 BuxWV.160
われらの救い主、イエス・キリスト(Jesus Christus, unser Heiland) BuxWV.198
前奏曲 ト短調 BuxWV.163
汝の御子によりてのみわれ汝に感謝す
(Ich dank dir schon durch deinen Sohn) BuxWV.195
第1旋法のマニフィカト(Magnificat Primi Toni) BuxWV.204
第9旋法のマニフィカト(Magnificat noni toni) BuxWV.205
前奏曲 へ長調 BuxWV.144
ああ神そして主よ(Ach Gott und Herr) BuxWV.177
われ汝に感謝す、愛する主よ(Ich dank dir, lieber Herre) BuxWV.194
前奏曲とフーガ ト長調 BuxWV.147
前奏曲とフーガ 嬰へ短調 BuxWV.146
[Disc 2]
トッカータ ニ短調 BuxWV.155 安らぎもてわれは逝く BuxWV.76
前奏曲とフーガ ニ短調 BuxWV.140 パッサカリア ニ短調 BuxWV.161
トッカータ へ長調 BuxWV.157 トッカータ へ長調 BuxWV.157
天にいますわれらの父よ(Vater unser im Himmelreich) BuxWV.207
カンツォネッタ イ短調 BuxWV.225 カンツォネッタ ハ長調 BuxWV.167
われらが神はかたき砦(Ein fest Burg ist unser Gott) BuxWV.184
フーガ ハ長調 BuxWV.174
カンツォーナ(フーガ)ト長調 BuxWV.175
おお、祝福されし光なる三位一体(O Lux beata, Trinitas) BuxWV.216(断片)
前奏曲 ホ短調 BuxWV.143
人は幸せに生きんとするや(Mensch, wiltu leben seliglich) BuxWV.206
前奏曲とフーガ ホ長調 BuxWV.141
オルガン作品全集 第2集
[Disc 3]
前奏曲 ハ長調 BuxWV.138
いざ来たれ、異教徒の救い主よ(Nun komm, der heiden Heiland) BuxWV.211
第1旋法のマニフィカト(Magnificat Primi Toni) BuxWV.203
御子はベツレヘムに生まれたもう(Puer natus in Bethlehem) BuxWV.217
前奏曲とフーガ ト短調 BuxWV.149
かくも喜びに満てる日(Der Tag der ist so freudenreich) BuxWV.182
イエス・キリスト、汝はたたえられよ(Gelobt seist du, Jesu Christ) BuxWV.189
イエス・キリスト、汝はたたえられよ(Gelobt seist du, Jesu Christ) BuxWV.188
汝らキリスト者よ、こぞりて神をたたえよ
(Lobt Gott, ihr Christen allzugleich) BuxWV.202
甘き喜びのうちに(In dulci Jubilo) BuxWV.197
甘き喜びのうちに(In dulci Jubilo) BuxWV.197
前奏曲とフーガ ト長調 BuxWV.162
神のひとり子なる主キリスト(Herr Christ, der einig Gottes Sohn) BuxWV.191
神のひとり子なる主キリスト(Herr Christ, der einig Gottes Sohn) BuxWV.192
前奏曲とフーガ ニ長調 BuxWV.139
暁の星のいと美しきかな(Wie schön leuchtet der Morgenstern) BuxWV.223
[Disc 4]
トッカータ ヘ長調 BuxWV.156
来たれ聖霊、主なる神(Komm, heilger Geist, Herre Gott) BuxWV.199
来たれ聖霊、主なる神(Komm, heilger Geist, Herre Gott) BuxWV.200
シャコンヌ ハ短調 BuxWV.159
前奏曲 ト短調 BuxWV.148
恵み深き主に向かって感謝せよ
(Danket dem Herrn, den er ist sehr freuindlich) BuxWV.181
われは神より離れず(Von Gott will ich nicht lassen) BuxWV.220
われは神より離れず(Von Gott will ich nicht lassen) BuxWV.221
前奏曲 イ短調 BuxWV.158
わが魂よ、今ぞ主をたたえよ(Nun lob mein Seel’ den Herren) BuxWV.212
わが魂よ、今ぞ主をたたえよ(Nun lob mein Seel’ den Herren) BuxWV.214
わが魂よ、今ぞ主をたたえよ(Nun lob mein Seel’ den Herren) BuxWV.215
トッカータ ト長調 BuxWV.165 カンツォネッタ ト長調 BuxWV.171
前奏曲とフーガ ト短調 BuxWV.150
オルガン作品全集 第3集
ディートリク(ディゼリク)・ブクステフーデ(c1637-1707)
[Disc 5]
前奏曲 イ長調 BuxWV.151
われらの主キリスト、ヨルダン川に来たれり
(Christ unser Herr zum Jordan kam) BuxWV.180
われら汝に感謝す、主イエス・キリストよ
(Wir danken dir, Herr Jesu Christ, dass du gen Himmel gefahren bist) BuxWV.224
主イエス・キリスト、われ汝を呼ぶ(Ich ruf zu dir, Herr Jesu Christ) BuxWV.196
アダムの罪によりすべては失われぬ
(Durch Adams Fall ist ganz verderbt) BuxWV.183
トッカータ ト長調 BuxWV.164
今ぞ喜べ、愛するキリスト者の仲間たちよ
(Nun freut euch, lieben Christen g’mein) BuxWV.210
主よ、御言葉もてわれらを守りたまえ
(Erhalt uns, Herr, bei deinem Wort) BuxWV.185
フーガ 変ロ長調 BuxWV.154
われに来たれと神の子は言いたもう
(Kommt her zu mir, spricht Gottes Sohn) BuxWV.201
カンツォーナ ト短調 BuxWV.173
ああ主よ、あわれなる罪人のわれを罰したもうな
(Ach Herr, mich armen Sünder) BuxWV.178
カンツォネッタ ホ短調 BuxWV.169 前奏曲 ホ短調 BuxWV.142
[Disc 6]
前奏曲 ヘ長調 BuxWV.145
カンツォネッタ ニ短調 BuxWV.168
救いはわれらに来たれり(Es ist das Heil uns kommen her) BuxWV.186
カンツォーナ ト長調 BuxWV.170
前奏曲 ハ長調 BuxWV.136
父なる神よ、われらとともにあらせたまえ
(Gott der Vater wohn uns bei) BuxWV.190
愚かな口はよき言葉を語る
(Es spricht der anweisen Mund wohl) BuxWV.187
前奏曲 イ短調 BuxWV.152
カンツォーナ ハ長調 BuxWV.166 カンツォネッタ ト長調 BuxWV.172
前奏曲とフーガ イ短調 BuxWV.153
主イエス・キリスト、われはことごとく知れり
(Herr Jesu Christ, ich weiss gar wohl) BuxWV.193
神もしわれらとともになかりせば(Wär Gott nicht mit uns diese Zeit) BuxWV.222
天にいますわれらの父よ(Vater unser im Himmelreich) BuxWV.219
テ・デウム(Te Deum laudamus) BuxWV.218
フリードヘルム・フランメ(オルガン)
[楽器 クリストフ=トロイトマン(1734–37)]
録音 2018年5月10日–13日(第1集)、2020年7月19日–20日、26日–28日(第2集、第3集) 聖ゲオルク修道院教会(グラウホフ・バイ・ゴスラー、ドイツ)
『ペッテション=ベリエル 交響曲全集』
cpo 555 733-2 6CD’s classical [再リリース]
ヴィルヘルム・ペッテション=ベリエル(1867–1942)
[Disc 1]
交響曲第1番 変ロ長調《旗(Banéret)》(1889–90, 1903 rev.1932–33)
組曲《去年の夏(I somras)》(1903)(管弦楽のための)
山(Fjället) 湖(Sjön) 荒れ地をこえて(Över heden)
リスと野鳩(Ekorre och skogsduva) トウヒの林(Granskogen)
山の小川(Fjällbäcken)
ザールブリュッケン放送交響楽団 ミハイル・ユロフスキー(指揮)
[録音 1997年11月18日–19日][999 561-2]
[Disc 2]
交響曲第2番 《旅は南風に誘われ(Sunnanfärd)》(1910)
ロマンス(Romans) ニ短調(1915)(ヴァイオリンと管弦楽のための)
東洋風舞曲(Orientalisk dans)(1890)(管弦楽のための)
カンタータ《スウェーデンのガルドラル(Sveagaldrar)》(1897)
- 前奏曲
ノルショーピング交響楽団 ミハイル・ユロフスキー(指揮)
ウルフ・ヴァリーン(ヴァイオリン)
[録音 1998年2月9日–13日][999 564-2]
[Disc 3]
交響曲第3番 ヘ短調 《ラップランド(Same Ätnam)》(1915)
組曲《エアリナ(Earina)》(1917)(管弦楽のための)
祈願(Åkallan) 花を捧ぐ(Blomsteroffret)
武器の清め(Vapenvigning) 幸運のルーン文字(Lyckorunor)
吟遊詩人は歌う(Rapsoden sjunger)
コミックオペラ《最後の審判の予言者(Domedagsprofeterna)》
- コラールとフーガ
ノルショーピング交響楽団 ミハイル・ユロフスキー(指揮)
[録音 1999年5月3日–7日 ルイ・ド・イェール・コンサートホール
(ノルショーピング、スウェーデン)] [999 632-2]
[Disc 4]
交響曲第4番 イ長調《ホルミア(Holmia)》(1929)
組曲《眠れる森の美女(Törnrossagan)》(1903 orch.1934)
地主クットは幸運に出会う(Junker Kurt Möter Lyckan)
王女ルーセンキンドの誕生パーティ
(Prinsessan Rosenkinds Födelsedagsfest)
幸運の糸紡ぎ歌(Lyckans Spinnvisa)
眠れる森の美女の城は眠る(Törnrosslottet Somnar)
王女エピネー(Prinsessan Epinée)
皇帝カディガンの宮廷で(Vid Kejsar Cadigans Hov)
夜の森の飛行(På Flykt Genom Natt Och Skog)
夜明け(Dagen Gyr)
眠れる森の美女の城に(Till Törnrosslottet)
幸福(大団円)(Lyckan(Slutapoteos))
《フローセの花(Frösöblomster)》組曲第1番(1896 rev.1934)
(管弦楽のための)
夏の歌(Sommarsång) フローセの教会で(Vid Frösö Kyrka)
バラに寄せて(Till Rosorna) お祝い(Gratulation)
あいさつ(Hälsning)
ノルショーピング交響楽団 ミハイル・ユロフスキー(指揮)
[録音 1999年5月31日–6月4日 ルイ・ド・イェール・コンサートホール
(ノルショーピング、スウェーデン] [999 669-2]
[Disc 5]
交響曲第5番 《孤独(Solitudo)》(1932–33)
ヴァイオリン協奏曲(1928)
ノルショーピング交響楽団 ミハイル・ユロフスキ(指揮)
ウルフ・ヴァリーン(ヴァイオリン)
[録音 2003年4月25日–26日 ルイ・ド・イェール・コンサートホール
(ノルショーピング、スウェーデン] [999 984-2]
[Disc 6]
ヴァイオリン・ソナタ第1番 ホ短調 Op.1(1887)
組曲(Suite) Op.15(1896)(ヴァイオリンとピアノのための)
献呈(Tillegnan) セレナード(Serenata)
まどろみの歌(Slummersång) たいまつの踊り(Fackeldans)
カンツォーネ(Canzone)(1889)(ヴァイオリンとピアノのための)
民謡風の調べ(Visa i Folkton)(ヴァイオリンとピアノのための)
ウルフ・ヴァリーン(ヴァイオリン)
ルーヴェ・デルヴィンゲル(ピアノ)
[録音 2001年10月9日–11日、2002年1月22日–24日
スウェーデン放送局(ストックホルム)] [999 703-2]
19世紀が終わろうとする1880年代と1890年代、スウェーデンは産業革命といわれる変革の時代にあり、社会の変化は文学、美術、音楽といった文化の面にも変化をもたらしました。劇作家のストリンドベリ、ネオロマンティシズム文学のヘイデンスタム、『ニルスのふしぎな旅』のラーゲルレーヴ、詩人フローディングとカールフェルトが姿を現した文学の世界。音楽シーンでは、エミール・シェーグレーンに代表されるロマンティシズムから、新しい時代に移り、民俗音楽からもインスピレーションを得たアルヴェーン、素朴な愛国心を基盤に個人的な色彩の「北欧古典主義」スタイルを確立させたステーンハンマルといった作曲家たちが生まれました。ペッテション=ベリエルもこの時代、文化の多面性を背景に作曲家、そして毒舌と言われながら優れた批評家として活躍しました。
ヴィルヘルム・ペッテション=ベリエル Wilhelm Peterson-Berger は、1867年、オンゲルマンランドのウロンゲルに生まれ、ウーメオ市で学校教育を受けました。ベートーヴェン、グリーグ、セーデルマンの音楽、ノルウェーのイプセンやビョルンソンンの文学に興味をもち、スウェーデン王立音楽アカデミーの音楽院(王立ストックホルム音楽大学)でオルガンと作曲を学びました。
作曲のジャンルは幅広く、「ソンマルハーゲン」と名づけた彼の家のあるヤムトランドに残るルーン石碑に名の刻まれた人物を題材にしたオペラ《アルンリョート》などの舞台作品、カンタータ、ヴァイオリンとピアノの曲、ピアノ曲、歌曲、合唱曲、管弦楽曲を残しました。
cpo のアルバムには、ペッテション=ベリエルの5曲の交響曲、ピアノ曲の編曲を含む管弦楽曲、ヴァイオリン協奏曲とヴァイオリンの小品が、以前リリースされていた録音で収録されています。
交響曲第1番 変ロ長調《旗》は、ドレスデンでエドムント・クレチュマーの下で作曲と管弦楽法の研究を続けていたころ作曲が始められ、より広い世界に出会った若い作曲家が人生に向かい合うにあたり「心に描く考えの旗」を示す副題がつけられました。交響曲第2番 《旅は南風に誘われ》では、北欧の多感な若者の精神的成長と人生観に影響を与える「南欧」への想いが描かれます。〈なぎ(I Stiltje)- 帆船の旅(Seglats)〉〈バラの街(Rosenstaden)- ディオニュソスの行列(Dionyståget)- エロスの神殿で(I Eros tempel)- 饗宴(Symposion)〉〈郷愁(Hemlärngtan)-南風に(För Sunnanvind)〉の3楽章の作品です。
交響曲第3番 ヘ短調 《ラップランド》は、サーミの「ヨイク」のメロディに基づいて書かれ、スウェーデン北部のすばらしい自然と原始の魔術的空気を鮮やかに描いています。「ストックホルム」のラテン名を副題にした交響曲第4番 イ長調《ホルミア》は、古いものと新しいものの交差する街の姿を描いた、愛する街へのオマージュ。ペッテション=ベリエルの最後の交響曲第5番 《孤独》は、理想を追いながらも生涯の終わりに「苦い孤独」を味わう、老いゆく作曲家の「告白」とみなされる作品です。
ペッテション=ベリエルの多彩な作品の中でヴァイオリンの曲はほとんどが、プログラム(標題)をもたない「絶対音楽」として書かれています。《ヴァイオリン協奏曲》は、1912年に着手、1916年から1920年という彼のもっとも創造的な時期に作曲が進められ、1928年に完成されました。「アレグロ・モデラート、マ・アパッショナータ」「アンダンテ・トランクイッロ・エ・カンタービレ」「アレグロ・モデラート、マ・コン・フオコ」の〈終曲〉の3楽章構成です。ヴァイオリンと管弦楽のための《ロマンス》は、陰鬱さと激しさ、穏やかな抒情という、対照的なトーンで書かれ、《ラップランド》の交響曲を作曲するきっかけを与えてくれたカール・ティレーンに献呈された作品です。ベートーヴェンとグリーグの作品からインスピレーションを得ながら、自由な音調の音楽にした《ヴァイオリン・ソナタ第1番》。1896年の《組曲》は〈献呈〉といった「詩」の性格をうかがわせるタイトル4曲で書かれた、彼のもっとも優美な作品のひとつです。
組曲《眠れる森の美女》(茨姫の物語)は、1903年3月にスウェーデン劇場で初演された音楽史譚《幸運(Lyckan)》の音楽を10曲の組曲にした作品です。
ピアノのための音楽は、ペッテション=ベリエルの作品群で大きく重要な位置を占めています。1897年に出版されスウェーデンの人たちが「楽想の詩人」ペッテション=ベリエルを知るきっかけとなった《フローセの花》の第1巻。徒歩旅行に出かけたヤムトランドの高原地方の自然への思いを響き豊かな小品に作った《去年の夏》。自然信仰の儀式と魔法を独自の和声スタイルの小品にした《エアリナ》。ペッテション=ベリエル自身がオーケストレーションを手がけた作品も親しまれ、愛されています。
『Gugge Hedrenius Big Blues Band - Live!』
Opus 3 LP 26075 Vinyl LP jazz
『Gugge Hedrenius Big Blues Band - Live!』
[Side A]
Stoney Lonesome(Hank Crawford)
Angel Eyes(Matt Dennis/Earl K. Brent)
Easy(Gugge Hedrenius)
SBMN Blues(Gugge Hedrenius)
[Side B]
Big Blues Waltz(Gugge Hedrenius)
Big Blues Bernt(Gugge Hedrenius)
Big Blues Samba(Gugge Hedrenius)
Kick Off the Blues - part of.(Gugge Hedrenius)
グッゲ・ヘドレニウス・ビッグ・ブルースバンド
トシュテン・ダンネンベリ(サックス)
ヴォーゲ・フィネール(アルトサックス)
クリス・ホルムストレム(バリトンサックス)
アンデシュ・リンドスクーグ(テナーサックス)
ベルント・ルーセングレーン(テナーサックス)
サド・ジョーンズ(トランペット)
ヤン・アッラン(トランペット)
アメリコ・ベロット(トランペット)
ボッセ・ブルーベリ(トランペット)
ベッティル・ローヴグレーン(トランペット)
ウッレ・リンド(トロンボーン)
ラッセ・オーロフソン(トロンボーン)
イングヴァル・サンドストレム(トロンボーン)
グッゲ・ヘドレニウス(ピアノ)
ゲオルク・リーデル(ベース)
メル・ルイス(ドラム)
ピェトゥル・”イースランド”・オストルンド(ドラム)
サブー・マルティネス(コンガ)
編曲 グッゲ・ヘドレニウス
録音 1975年9月17日 Jarlateatern(ヤルラ劇場)(ストックホルム、スウェーデン)(ライヴ録音)
録音エンジニア カール=グンナル・フランセーン、ヤン=エーリク・ペーション
アナログマスター・トランスファー ヤン=エーリク・ペーション
マスタリング エーリク・ヌードストレム、ヤン=エーリク・ペーション
[Stereo 33 rpm 180 gram High Quality Vinyl]
グッゲ・ヘドレニウス Gugge Hedrenius は、1938年、マルメ生まれ。スウェーデン・ジャズシーンのディキシーランド・ジャズ・リバイバル・グループで十代から活動し、1959年から1965年にかけてイドリース・スリーマンとボッセ・ブルーベリのバンドでサイドマンとしてピアノを担当しました。1971年に「グッゲ・ヘドレニウス・ビッグ・ブルースバンド Gugge Hedrenius Big Blues Band」を創設。1990年代までストックホルムを中心にコンサートと録音活動をつづけ、1988年にはアメリカ・ツアーを行いました。
グッゲ・ヘドレニウス・ビッグ・ブルースバンドが1975年9月17日にストックホルムのヤルラ劇場で行ったコンサートのライヴ録音。当時のスウェーデン・ジャズを代表するミュージシャンを集めたバンドにアメリカの有名ミュージシャンふたり、サド・ジョーンズ Thad Jones のトランペットとメル・ルイス Mel Lewus のドラムを加えたアンサンブルによる演奏です。ハンク・クロフォードの《Stoney Lonesome》とマット・デニスが作曲した《Angel Eyes》、ヘドレニウスのオリジナル・ナンバー。すべて彼が編曲を手がけ、Opus 3 のヤン=エーリク・ペーション Jan-Eric Persson たちが2年ほど、異なる方法でバンドの演奏をテスト録音したあと、ライヴ収録が行われました。
『ギュンター・ラフェエル オルガン音楽 第1集』
Toccata Classics TOCC 0759 classical
ギュンター・ラフェエル(1903–1960)
フィンランドのコラールによる幻想曲とフーガ
(Fantasie und Fuge über einen finnischen Choral) Op.41 no.1(1939)*
幻想曲(Fantasie) フーガ(Fuge)
フィンランドのコラールによるパルティータ
(Partita über einen finnischen Choral) Op.41 no.2(1939)
コラール(Chorale) トリオ(Trio) ビキニウム(Bicinium)
短調(Minore) カントゥス・フィルムス(定旋律)(Cantus firmus)
パッヘルベル形式(Pachelbel-Form)
コラール(バッソ・オストナート(Choral(Basso ostinato))
フィンランドのコラールによるパッサカリア
(Passacaglia über einen finnischen Choral) Op.41 no.3(1939)*
ヴィッレ・ウルポネン(オルガン) [* 世界初録音]
[楽器 Kangasala organ factory(1931)restored by Veikko Virtanen, 2005]
録音 2024年6月15日、10月14日 聖パウロ教会(ヘルシンキ)
ギュンター・ラフェエル Günter Raphael は、1903年、ベルリン生まれ。シベリウスがベルリンで教わった作曲家アルベルト・ベッカーが祖父という家系でした。アルノルト・メンデルスゾーンに作曲を学び、作曲家、音楽教師、楽譜編集者として働き、5曲の交響曲、狂想曲、6曲の弦楽四重奏曲、ソロやデュオの器楽曲などを作曲しました。「ハーフ・ユダヤ人」だったため、1930年代にナチズムの台頭によって母国ドイツの扉が閉ざされようとしたころ、ヘルシンキの放送局がラジオ番組で彼の作品を取り上げるなど、訪問先のフィンランドから温かく迎えられました。
「フィンランドのコラール」に基づく「オルガン三部作」作品41は、フィンランドに対する彼の感謝の気持ちを表した作品とされる作品です。《幻想曲とフーガ》と、「コラール」「第1変奏-第24変奏」「コラール」による《パッサカリア》という2つの「対位法による大建築」が、バロック様式の《パルティータ》をはさみます。この三部作は、ラファレルがヘルシンキで出会い、彼の《パルティータ》(Op.22 no.1)を1933年にフィンランド初演したスウェーデン系のオルガニスト、エリス・モーテンソン Elis Mårtenson(1890–1957)に献呈されました。
モーテンソンは、ヘルシンキ音楽院が1939年にシベリウス・アカデミーに改組された際、オルガン科の初代教授を務め、1940年9月にヘルシンキのミカエル・アグリコラ教会で作品41を初演したほか、作品57の《オルガン協奏曲》や未出版の作品を初演するなど、ラファエルの作品を積極的に紹介しています。
『Tri vendur blés ho i den høgaste sky』
Losen Records LOS 297-2 jazz
『Tri vendur blés ho i den høgaste sky』
Part I
Subconsciousness
Valivan (The Pioneer)
Stolt Magjit (On ne voit bien qu’avec le coeur)
Maria (Curie)
Maria Magdalena (Held in DisGrace)
Svätá Mária Egyptská (L’essentiel est invisible pour les yeux)
Part II
Trollstemt (Harp Strings)
Part III
Frearlause (Outlaws)
Fastfrossen (Frozen Bounds)
Invisible Changes
Choral of the Shellfish (Selfies)
Kvinnemorderen (Scheherazade)
Gullborgs Fanfare (Fearless Girl)
フリーアンサンブレット
マティルダ・グロース・ヴィッダール(リーダー、
バスクラリネット、ソプラノ・サクソフォーン、
テナー・サクソフォーン、B♭クラリネット・ソロ)
ナイサム・ジャラル(フルート、ヴォイス)
ユンニ・ブークサスプ(ヴォーカル)
クリストフェル・アルベッツ(アルト・サクソフォーン)
ペール・ヴィリ・オーセルード(トランペット、エレクトロニクス)
オイヴィン・ブレッケ(トロンボーン)
ブリット・ペルニッレ・フローホルム(ヴァイオリン、ハリングフェレ)
テレフ・クヴィフテ(キーボード、オルガン、シーフルート、
ラップトップ)
エギル・カルマン(ベース)
クヌート・クヴィフテ・ネスハイム(ドラム、ヴィブラフォーン)
エレン・ブレッケン(ベース)(2018年ツアー)
ミールサイード・ホセイニ・パナー (サントゥール)(2018年ツアー)
録音 2018年–2019年 モルデジャズ(モルデ)、リクスセーネン(オスロ)(ライヴ録音)
制作 マティルダ・グロース・ヴィッダール
ミクシング 2020年–2024年 レインボースタジオ(オスロ)
ミクシング・エンジニア マッティン・アブラハムセン
マスタリング モッテン・ルン
『Tri vendur blés ho i den høgaste sky(一番高い雲の中に3つの風を吹かせた)』。『Notre Dame(ノートルダム)』(LOS 245-2)をリリースしたノルウェーのマティルデ・グロース・ヴィッダール Mathilde Grooss Viddal(1969–)の新作です。ジャズ・シーンとフェスティヴァルでミュージシャンと作曲家として活躍する彼女が、委嘱を受けて制作。2018年の「ヴォッサジャズ Vossajazz」で、彼女の主宰する「フリーアンサンブレット FriEnsemblet」が初めて演奏しました。「夢と恐怖、今日と歴史を通した、自由へのあこがれ、喪失と争い」をテーマにして、文化遺産や文化の出会いの考え方も示されています。
アルバムの曲は、ノルウェー伝承の曲を素材に取り入れて作られました。スンモーレのオーシュコーグの知られていない歌、ノードマルカ/リンゲブのオーラ・J・コルデン、テレマルクのグードルン・G・ノルドルン、エッゲダールのグンヒル・H・ハウゲン、L・M・リンデマンが記譜したテレマルクのオレア・クローゲルといったノルウェー各地のスペルマンたちの曲。ノルウェー国立図書館が集めた1500を超す中世のバラードから選んだ曲も使われています。エレン・ブレッケン Ellen Brekken とイランのサントゥール奏者ミールサイード・ホセイニ・パナー Mirsaeed Hosseiny Panah が加わった2018年の「モルデジャズ Moldejazz」と、2019年の「リクスセーネン Riksscenen」のコンサートのライヴ録音によりアルバムが作られました。
『Waiting for Edo』
Losen Records LOS 315-2 jazz
『Waiting for Edo』
Waiting for Edo(Raf Ferrari)
Segnali dal Futuro(Raf Ferrari)
New Life (dedicated to my son)(Raf Ferrari)
Dancing Edo(Raf Ferrari)
Eight Weeks(Raf Ferrari)
Among Trees(Raf Ferrari)
Astronaut(Raf Ferrari)*
ラフ・フェラーリ(ピアノ)
ヴィート・スターノ(チェロ)
アンドレア・コレッラ(ベース)
クラウディオ・スブロッリ(ドラム)
グエリーノ・ロンドローネ(エレクトリック・ベース)*
録音 2024年7月8日–10日 La Strada Recording Studio(ローマ、イタリア)
制作 ラフ・フェラーリ
録音エンジニア フランチェスコ・ベンナーティ、エンリコ・フルツィ
ミクシング・マスタリング ステファノ・ベコ・ベキーニ
作曲家としても名高いラフ・フェラーリ Raf Ferrari の『Quattro』(LOS 231-2)につづくアルバム『Waiting for Edo』。ヴィート・スターノ Vito Stano のチェロ、クラウディオ・スブロッリ Claudio Sbrolli のドラム、グエリーノ・ロンドローネに代わりアンドレア・コレッラ Andrea Colella のベースというカルテットでセッションが行われました。
コンセプトは「父ラフから子のエドに捧げる旅のログブック」。《Waiting for Edo》(エドを待つ)《Segnali dal Futuro》(未来からのシグナル)《New Life》(新しい生命)《Dancing Edo》(踊るエド)《Eight Weeks》(8週間)《Among Trees》(木々の間に)《Astronaut》(宇宙飛行士)の7つの「ステーション」に分け、「そこはドビュッシーかバリー・ハリス、片方はジェネシスでもう片方はキース・ジャレット」といった、フェラーリが心酔している、あるいは研究した人たちをベースに彼ら、独自の音楽を展開させていきます。最後のトラックでは、前作のロンドローネ Guerino Rondolone がエレクトリック・ベースを弾いています。