July 2022
『幸いなるかな(Tuvayhun) 』
2L 2L 171SABD Blu-ray Disc Audio + SACD Hybrid contemporary/classical
キム・アンドレ・アルネセン(1980–)
幸いなるかな(Tuvayhun) –
傷ついた世界のための至福の教え(Beautiitudes for a Wounded World)(2018)
心の貧しい人々は(The Poor in Spirit)
わたしは貧しい(I am Poor)
憐れみ深い人々は(The Merciful)
四十日四十夜を(Forty Days and Forty Nights)
平和を実現する人々は(The Peacemakers)
平和とはなにか(What is Peace?)
柔和な人々は(The Meek) レイチェルの歌(Rachel’s Song)
心の清い人々は(The Pure in Heart)
神の顔は(The Face of God)
祝福:わたしは望む(Blessings: I Hope)
悲しむ人々は(Those Who Mourn) 百合の歌(Song for Lily)
義に飢え渇く人々は(Those Who Hunger and Thirst for Righteousness)
正義の歌(Song for Justice)
義のために迫害される人々は(Those Who Are Persecuted for Righteousness)
わたしの手をとりなさい(Hold My Hand)
あなたがたは世の光である(You are the Light)
ニーダロス大聖堂少女合唱団 トロンハイム・ソロイスツ
ヒシュティ・フューケ(ヴォーカル)
ムハンマド・アル=マジャブ(ヴォーカル)
ハンス・フレードリク・ヤコブセン(フルート)
ハンス=クリスチャン・ショス・ソーレンセン(ツィンバロン)
ルース・ポター(ハープ)
エスペン・オールベルグ(打楽器)
カール・ホーコン・ヴォーデラン(打楽器)
オーラ・リンドセット(コンサートマスター)
アニタ・ブレーヴィク(指揮)
録音 2020年11月、2021年2月 ニーダロス大聖堂(トロンハイム、ノルウェー)
制作・バランスエンジニアリング・編集・ミクシング ・マスタリング モッテン・リンドベルグ
[DXD (24bit/352.8kHz) 録音]
[Disc 1: SACD hybrid (5.1 multichannel DSD/2.0 stereo DSD) RedBook PCM: MQA CD][Disc 2: Blu-ray: 5.1 DTS HD-MA (24bit/192kHz), 7.1.4. Auro-3D (96kHz), 7.1.4. Dolby Atmos (48kHz), 2.0 LPCM (24bit/192kHz), mShuttle: MQA + FLAC + MP3 Region: ABC worldwide]
現代合唱音楽の作曲家としてもっとも作品が演奏されているひとり、ノルウェーのキム・アンドレ・アルネセンの新作アルバム。
キム・アンドレ・アルネセン Kim André Arnesen は、トロンハイムのノルウェー工科自然科学大学(NTNU)の音楽学部で学び、合唱音楽作家としての名声と人気を確立しました。彼の作品はすでに、50カ国以上で歌われ、《レクイエム》《聖霊ミサ曲》といった大作が、ニューヨークとワシントンで初演されました。
《幸いなるかな(Tuvayhun)》というアラム語の曲名をもつ作品は、マンハッタン少女合唱団と芸術監督ミシェル・オースタリー Michelle Oesterle の委嘱を受け、2018年に作曲されました。「環境危機、大量移民、地球規模のパンデミック、政治的二極化、所得不平等の拡大、権威主義体制の興隆、前例のない社会変化といったことで傷ついている世界」と「それにもかかわらず、よく見れば世界は美しい」をテーマに作曲され、「傷ついた世界のための至福の教え(Beautiitudes for a Wounded World)」の副題がつけられました。『マタイによる福音書』の「山上の説教」(第5章)の8つの「至福の教え」と、アメリカの詩人チャールズ・アンソニー・シルヴェストリ Charles Anthony Silvestri(1965–)が書いた、それぞれの教えが現実の世界にどう当てはまるかを例示する歌詞による〈わたしは貧しい〉以下の8曲、合唱団の少女たちがそれぞれの祈りをさまざまな言語で唱える〈祝福:わたしの望み〉、そして、『マタイによる福音書』(第5章14節)『ヨハネによる福音書』(第12章36節)『フィリピの信徒への手紙』(第2章15節)をテクストにした〈あなたがたは世の光である〉で構成。古い時代と現代、聖と俗の間の「リミナル・スペース」(現実空間と異空間の狭間)を交流する音楽が、少女合唱とヴォーカル・ソロ、弦楽オーケストラと器楽奏者によって演奏されます。
NTNU で学んだジャズ・シンガーでソングライターのヒシュティ・フューケ Kirsti Huke と、シリア出身、ベルゲンで学びながら、古典的スタイルのアラブとスーフィの音楽を演奏するグループ「Sharqant」で歌うムハンマド・アル=マジャブ Mohannmed Al=Majzoub のヴォーカル・ソロ。ジャンルを超えて活動する器楽奏者たちが参加。モッテン・リンドベルグ Morten Lindberg のプロデュースによりニーダロス大聖堂で録音セッションが行われました。
価格 4,675円(税込価格)(本体価格 4,250円)
Pure Audio Blu-ray ディスクと SACD ハイブリッドディスクをセットにしたアルバムです。Pure Audio Blu–ray ディスクにはインデックスを除き映像は収録されていません。SACD ハイブリッドディスクはSACDブレーヤーとCDプレーヤーで再生できますが、Pure Audio Blu-ray ディスクはCDやDVDのプレーヤーでは再生できないので、Blu–ray プレーヤーもしくは Blu–ray 対応のPCをお使いください。
『ブリッジ、ブリテン、ドビュッシー』
Alpha ALPHA 550 classical
フランク・ブリッジ(1879–1941)
チェロソナタ ニ短調 H.125(1913–17)
クロード・ドビュッシー(1862–1918)
チェロソナタ L.135(1915)
レオシュ・ヤナーチェク(1854–1928)
おとぎ話(Pohádka)(1910 rev.1923)
ベンジャミン・ブリテン(1913–1976)
チェロソナタ Op.65(1961)
トルルス・モルク(チェロ) ホーヴァル・ギムセ(ピアノ)
録音 2021年6月 ソフィエンベルグ教会(オスロ、ノルウェー)
トルルス・モルク Truls Mørk とホーヴァル・ギムセ Håvard Gimse の共演による新録音。「20世紀」という時代を映す「チェロソナタ」を3曲、演奏しています。
フランク・ブリッジ Frank Bridge の《ソナタ》は、第1次世界大戦前の1913年から戦争中の1917年にかけて作曲された作品です。2つの楽章で構成され、第2楽章は、戦争の虚しさと世界全般の状態への強い絶望を表に出した音楽と言われます。ドビュッシー Claude Debussy の作品も大戦中の1915年、7月から8月に書かれました。「Lent, sostenuto e molto risoluto(ゆっくり、音を保ってきっぱりと)」の〈プロローグ(Prologue)〉、「Modérément animé(ほどよく快活に)」の〈セレナード(Sérénade)〉、「Animé, léger et nerveux(生き生きと、軽く、興奮しやすく)」の〈終曲(Final)〉の3楽章の作品です。
ブリテン Benjamin Britten の《ソナタ》は、1960年9月のロイヤル・フェスティヴァル・ホールのコンサートでショスタコーヴィチの《チェロ協奏曲第1番》のイギリス初演を弾いたソ連のチェリスト、ロストロポーヴィチの委嘱で作曲されました。〈Dialogo(対話)〉〈Scherzo-Pizzicato(スケルツォ-ピッツィカート)〉〈Elegia(エレジー)〉〈Marcia(行進曲)〉〈Moto perpetuo(無窮動)〉の5楽章で書かれています。ヤナーチェク Leoš Janáček の《おとぎ話》は、ロシアの作家ヴァシーリー・ジュコーフスキーの詩に基づいて作曲されたチェロとピアノのための作品です。
価格 2,860円(税込価格)(本体価格 2,600円)
『Mozart Grétry 1773(モーツァルトとグレトリ 1773年)』
Aparté AP 293 classical
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756–1791)
交響曲第25番 ト短調 K.183
アンドレ=エルネスト=モデスト・グレトリ(1741–1813)
歌劇《セファールとプロクリス(Céphale et Procris, ou L'Amour conjugal)》(1773)組曲
ヴォフルガング・アマデウス・モーツァルト(1756–1791)
劇付随音楽《エジプト王タモス(Thamos, König in Ägypten)》 K.345/336a - 組曲
オルケステル・ノルド マッティン・ヴォールベルグ(指揮)
録音 2021年11月 セルビュ教会(セルビュ、ノルウェー)
「オルケステル・ノルド Orkester Nord」は、2009年にチェリストのマッティン・ヴォールベルグ Martin Wåhlberg とエーリク・スカンケ・ホースオイエン Erik Skanke Høsøien により「トロンハイム・バロック Trondheim Barokk」として創設されたノルウェーの古楽器アンサンブルです。ルーアン、トロンハイム、パリの音楽院で現代とバロックのチェロを学び、多分野に渡る知識と造詣の深いヴォールベルグの下、後期ルネサンスから18世紀後期の古典音楽をレパートリーに2018年から現在の名前で活動を続けています。彼らがフランスの Aparté レーベルに録音したグレトリのコミック・オペラ《青ひげラウール》(AP 214)とアウグスティン・プフレーガーの『キリストの生涯と受難』(AP 249)は、作品の希少さとともに、音楽の姿を正しく伝えようとする演奏と録音が高く評価されました。
新しいアルバムはモーツァルトとグレトリが「1773年」に書いた音楽によるプログラム。17歳だったモーツァルトがザルツブルクで作曲した「Strum und Drang(疾風怒濤)」の性格をもつ《交響曲 ト短調》と、彼がゲーブラー男爵トビアス・フィリップの劇『エジプト王タモス』の上演のために1773年から書き始めたとされる付随音楽。ベルギーのリエージュで生まれ、1767年からパリで活動したグレトリ André-Ernest-Modeste Grétry(1741–1813)は、当時31歳。ギリシャ神話を題材にした歌劇(英雄的バレエ)《セファールとプロクリス、または夫婦愛(Céphale et Procris, ou L'Amour conjugal)》は、1773年12月30日にヴェルサイユ宮殿で初演された作品です。
価格 2,695円(税込価格)(本体価格 2,450円)
『相乗効果(synergy)』
BIS SACD 2339 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) classical
ゲオルク・フィリップ・テレマン(1681–1767)
協奏曲 ホ短調 TWV 52: e 1(リコーダー、フルート、弦楽とチェンバロのための)*
カミーユ・サン=サーンス(1835–1921)
タランテッラ(Tarantelle) Op.6(フルート、クラリネットと管弦楽のための)**
フランツ・ドップラー(1821–1883)
(アンドラーシュ・アドリアン(1944–)編曲)
協奏曲 ニ短調(2つのフルートと管弦楽のための)***
エイトル・ヴィラ=ロボス(1887–1959)
バキアナ・ブラジレイラ第6番(Bachianas Brasileiras No.6)(1938)
(フルートとファゴットのための)†
ハン・ゼバスティアン・バッハ(1685–1750)
(グスタフ・マーラー(1860–1911)編曲)
J. S. バッハの管弦楽作品による組曲
(フルート・ソロ、弦楽と通奏低音(チェンバロ、オルガン)のための)††
序曲(《管弦楽組曲第2番 ロ短調 BWV 1067》から)
ロンドー - パディヌリー - ロンドー
(《管弦楽組曲第2番 ロ短調 BWV 1067》から)
アリア(《管弦楽組曲第3番 ニ長調 BWV 1068》から)
ガヴォット I & II(《管弦楽組曲第3番 ニ長調 BWV 1068》から)
パディヌリー(アンコール)
シャロン・ベザリー(フルート) ミカラ・ペトリ(リコーダー)
マイケル・コリンズ(クラリネット)
ヴァルター・アウアー(フルート)
ブラム・ファン・サムベーク(ファゴット)
ビョーン・イェーヴェット(チェンバロ、オルガン)
スウェーデン室内管弦楽団
ウルバン・スヴェンソン(指揮)* マイケル・コリンズ(指揮)**
トマス・ダウスゴー(指揮)***
録音 2021年8月 */**/††、2017年6月 *** オレブルー・コンサートホール(オレブルー、スウェーデン)、2021年10月†、2022年3月24日(オルガン・パート) ユーシュホルム礼拝堂(ユーシュホルム、スウェーデン)
エグゼクティヴ・プロデューサー ローベット・フォン・バール
BIS Records を主宰するローベット・フォン・バール Robert von Bahr の夫人、シャロン・ベザリー Sharon Bezaly の50枚目のアルバム。デンマークのリコーダー奏者ミカラ・ペトリ Michala Petri、イギリスのクラリネット奏者で指揮者のマイケル・コリンズ Michael Collins、ウィーン・フィルハーモニーの首席フルート奏者のヴァルター・アウアー Walter Auer、カレヴィ・アホとファーゲルルンドの協奏曲を手始めに BIS Records にユニークなアルバムを録音してきたオランダ出身のファゴット奏者ブラム・ファン・サムベークをゲストに迎え、テレマン、サン=サーンス、ドップラー、ヴィラ=ロボスの協奏曲とデュオ曲を演奏。彼らとの共演から生まれる「相乗効果」をテーマに制作されました。
マーラーが編曲した《J. S. バッハの管弦楽作品による組曲》は、《管弦楽組曲第2番》と《管弦楽組曲》のもっともよく知られるページ(楽章)を「4楽章」構成に再編成した「華麗」(ゴージャス)な作品です。
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)
『シンフォニエッタ』
BIS SACD 2601 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) classical
フランシス・プーランク(1899–1963)
シンフォニエッタ(Sinfonietta) FP 141(1947)
セルゲイ・プロコフィエフ(1891–1953)
シンフォニエッタ(Sinfonietta) Op.5/48(1909 rev.1914/1929)
ベンジャミン・ブリテン(1913–1976)
シンフォニエッタ(Sinfonietta) Op.1(1932 rev.1936)(室内管弦楽のための)
ラハティ交響楽団 ディーマ・スロボデニューク(指揮)
録音 2021年1月4日–9日 シベリウスホール(ラハティ、フィンランド)
制作 マリオン・シュヴェーベル
録音エンジニア インゴー・ペトリ
「シンフォニエッタ」。演奏時間や楽器編成といった「規模」が通常の「交響曲」より小さく、より軽い取り組み方で書かれた管弦楽曲。フィンランドのラハティ交響楽団と2016年秋のシーズンから首席指揮者を務めるロシア生まれのスロボデニューク Dima Slovodeniouk(1975–)の新しいアルバムでは20世紀に書かれたシンフォニエッタの「名作」が3曲、演奏されます。
プーランクの《シンフォニエッタ》は、1947年、現在の「BBC Radio 3」の前身、1946年に放送が始められた「BBC Third Programme」の一周年を記念する作品として BBC から委嘱を受けて作曲されました。「アレグロ・コン・フオコ」「モルト・ヴィヴァーチェ」「アンダンテ・カンタービレ」「たいへん速く、とても陽気に(Très vite et tr!ès gai)」の4楽章で書かれた、軽い気分とダンスのリズムにあふれ、風刺味を効かせた音楽です。
プロコフィエフの作品は、1909年に作曲され、彼が指揮を学んだニコライ・チェレプニンに献呈されました。チェレプニンが指揮してサンクトペテルブルク音楽院で初演された後、プロコフィエフは1915年に最初の改訂の手を入れ、1929年に再度の改訂を行いました。スロボデニュークは「Op.5/48」として出版された二度目の改訂版で演奏しています。「アレグロ・ジョコーゾ」「アンダンテ」「間奏曲:ヴィヴァーチェ」「スケルツォ:アレグロ・リゾルート」「アレグロ・ジョコーゾ」の5楽章の作品です。
ブリテンの《シンフォニエッタ》は、1932年、彼が王立音楽大学の学生だった18歳の時の作品です。1933年にロンドンの「バレエ・クラブ」で初演が行われ、「Op.1」として出版。ブリテンが作曲を学んだフランク・ブリッジに献呈されました。作品は、最初、木管五重奏と弦楽五重奏によるアンサンブルの曲として書かれ、1936年に2つのホルンと小編成の弦楽オーケストラの「室内管弦楽」版が作られました。「ポコ・プレスト・アド・アジタート」「変奏、アンダンテ・レント」「タランテッラ」の3楽章。1937年にブリテンがアメリカ合衆曲に向けて出発する前、友人の W. H. オーデンがこの曲のミニチュア・スコアの見返しに彼の詩『Danse Macabre(死の舞踏)』の最初の一節「It’s farewell to the drawing-room’s civilised cry(客間で発せられる教養高い叫び声に別れを告げる)」を書き入れ、ブリテンを感激させたというエピソードがあります。
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)
『Secret Charm(ひそかな魅力)』
Coviello Classics COV 92207 classical
ジュゼッペ・タルティーニ(1692–1770)
ヴァイオリンと通奏低音のための6つのソナタ Op.6(pub.c.1748)
- ソナタ ト長調
サンジェルマン伯爵(c.1710–1784)
ヴァイオリンのための7つのソロ・ソナタ(pub.1758) - 第3番 ハ短調
2つのヴァイオリンとチェンバロまたはチェロの通奏低音のための6つのソナタ(pub.1750)
- 第1番 へ長調
ジュゼッペ・タルティーニ(1692–1770)
ヴァイオリンと通奏低音のための6つのソナタ Op.2(pub.1743)
- 第1番 ト短調
サンジェルマン伯爵(c.1710–c.1784)
ヴァイオリンのための7つのソロ・ソナタ(pub.1758) - 第1番 へ長調
モイツァ・ガル(ヴァイオリン)
アンサンブル・アド・フォンテス
アンネ・シモーネ・エーバハルト(リコーダー)
ブルーノ・フルタード・ゴサルベス(チェロ)
トマス・ライニンガー(チェンバロ)
録音 2021年7月12日–15日 ゲオルク教会(ヴァイル・アム・ライン、ドイツ)
18世紀ヨーロッパの冒険家、サンジェルマン伯爵 Le Comte de Saint Germain(c.1691/c.1710–1784)は、科学、錬金術、芸術と幅広く興味をもち、ヨーロッパの上流階級で名声を得たと言われます。作曲家としての彼は、ヴァイオリンのための「ソロ・ソナタ」、2つのヴァイオリンと通奏低音のための「トリオ・ソナタ」、イギリス歌曲とイタリア・アリアといった作品を手がけました。スロヴェニア生まれ、スイスを拠点に活動するモイツァ・ガル Mojca Gal とアンサンブル・アド・フォンテス Ensemble Ad Fontes のこのアルバムでは、サンジェルマン伯爵の3つの作品が、タルティーニ Giuseppe Tartini(1692–1770)のソナタ2曲とともに演奏されます。1758年にロンドンの「ジョン・ウォルシュ John Walsh」が出版した《ヴァイオリンのための7つのソロ・ソナタ》の《第3番 ハ短調》と《第1番 へ長調》、「ジョン・ウォルシュ」が1750年に出版した《トリオ・ソナタ》の《第1番 へ長調》。タルティーニは、1748年ごろにパリのルクレール夫人が出版した《6つのソナタ》 Op.6 の《ト長調》と、1743年にアムステルダムの「Le Cene」が「Op.2」として出版された《6つのソナタ》の《第1番 ト短調》という「ひそやかな魅力」のプログラム。
価格 2,750円(税込価格)(本体価格 2,500円)
『リフレクション(Reflections)』
dB Productions DBCD 203 classical
アーロン・コープランド(1900–1990)
《アパラチアの春(Appalachian Spring)》組曲(1945)
ジョージ・ガーシュウィン(1898–1937)
(イアン・ファリントン(1977–) 編曲)
「アイ・ガット・リズム」変奏曲(Variations on “I Got Rhythm”)(1933–34)*
《ユータンミューラの歌》によるリフレクション
(Reflections on “Visa från Utanmyra”)
伝承曲/ヤン・ユーハンソン(1931–1968)
ユータンミューラの歌(Visa från Utanmyra)*
マグヌス・リンドグレーン(1974–) リフレクション(Reflection)
リーナ・ニューベリ(1970–) リフレクション(Reflection)**
アンドレーア・タッロディ(1981–) リフレクション(Reflection)
アンデシュ・ニルソン(1954–) O solitudo silens(物言わぬ孤独よ)
エミリア・アムペル(1981–) Till Reser Anna(レーセル・アンナに)
スヴァンテ・ヘンリソン(1963–)
O Tysta Bolero från Utanmyra(ユータンミューラの静かなボレロよ)
アーロン・コープランド(1900–1990)
《アパラチアの春(Appalachian Spring)》組曲(終結の原稿)
Doppio movimento Moderato(Like a prayer)
ヴェステロース・シンフォニエッタ
サイモン・クロフォード=フィリップス(指揮、ピアノ *)
リーナ・ニューベリ(ヴォーカル)**
録音 2021年6月7日–11日 ヴェステロース・コンサートホール(ヴェステロース、スウェーデン)
ストックホルムの西、メーラレン湖畔のヴェステロース Vesterås は、ヴァイキングの時代に歴史をさかのぼり、司教座のある都市として古くから栄えました。現在は主に工業都市として知られ、一方、スポーツと文化活動も盛んに行われています。「ヴェステロース・シンフォニエッタ Vesterås Sinfonietta」は、ヴェステロースのあるヴェストマンランド地方の自治体が主宰、支援する「ヴェストマンランドの音楽(Västmanlandsmusiken)」のグループのひとつ。2017年からイギリスのサイモン・クロフォード=フィリップス Simon Crawford-Phillips が常任指揮者を務め、積極的なコンサートと録音の活動を行っています。『Reflections』と題したアウバムでは、コープランドとガーシュウィンの曲、そして、伝承曲《ユータンミューラの歌》による7曲のプログラムが演奏されます。
ダーラナ地方、シリヤン湖のソレローン島のユータンミューラ村にちなむ名をもつ《ユータンミューラの歌》は『スウェーデン歌集(Svanska låtar)』に収められ、アルネ・ドムネールス、モニカ・セッテルルンドといったジャズ・ミュージシャンたちが演奏し歌ったことから広く知られるようになりました。このプログラムの「リフレクション」は、ジャズ・ピアニストのヤン・ユーハンソン Jan Johansson が編曲したもっとも親しまれている曲と、現代スウェーデンの音楽家たちの「内省」による曲で作られています。テナーサックスとフルートのプレーヤー、バンドリーダーとしても活動するマグヌス・リンドグレーン Magnus Lindgren、スウェーデンの「歌姫」のひとり、リーナ・ニューベリ Lina Nyberg、ニッケルハルパ奏者のエミリカ・アムペル Emilia Amper、ジャンルを超えて活動するベース奏者のスヴァンテ・ヘンリソン Svante Henryson。音楽シーンを彩る音楽家たちです。
コープランドの《アパラチアの春》は、管弦楽の編成が小さい「1945年版」の組曲による演奏。アルバムの最後に第7曲と第8曲の「異稿」による演奏が収録されています。
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)
『Il Mondo al roverscio(逆さまな世界)』
Harmonia Mundi HMM 902688 early music/classical
アントニオ・ヴィヴァルディ(1678–1741)
協奏曲 ニ長調 RV 562
《聖ロレンツォの祝日のために(Per la Solennità di San Lorenzo)》
(ヴァイオリン、2つのオーボエ、2つのホルン、弦楽と通奏低音のための)
フルート協奏曲 ホ短調 RV 432
協奏曲 ハ長調 RV 556
《聖ロレンツォの祝日のために(Per la Solennità di San Lorenzo)》(mid 1720’s)
協奏曲 ヘ長調 RV 571
(ヴァイオリン、2つのオーボエ、2つのホルン、チェロとファゴットのための)
ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲 ト短調 RV 576
ヴァイオリン協奏曲 イ長調 RV 344
2つのオーボエのための協奏曲 イ短調 RV 536
協奏曲 ヘ長調 RV 572
《プロテウス、あるいは逆さまの世界(Il Proteo ò il mondo al rovverscio)》
アマンディーヌ・ベイエ(ヴァイオリン、指揮)
リ・インコーニティ
エレオノーラ・ビチェビチ(トラヴェルソ、リコーダー)
マニュエル・グラナティエロ(トラヴェルソ・ソロ RV 432)
ネヴェン・ルサージュ(オーボエ・ソロ RV 576)
ガブリエル・ピドゥ(オーボエ)
ロベルタ・クリスティ(クラリネット)
ルノー・ギィ=ルソー(クラリネット)
アレハンドロ・ペレス=マラン(ファゴット)
テオ・スカネク(ホルン) シリル・ヴィトコク(ホルン)
川久保洋子(ヴァイオリン) フラヴィオ・ロスコ(ヴァイオリン)
ヴァディム・マカレンコ(ヴァイオリン)
アルバ・ロカ(ヴァイオリン)
カティア・ヴィエル(ヴァイオリン)
エレナ・ズマノヴァ(ヴァイオリン)
マルタ・マラモ(ヴィオラ)
リカルド・ジル・サンチェス(ヴィオラ)
レベカ・フェリ(チェロ) カルラ・ロヴィロサ(チェロ)
バルドメロ・バルシエラ(ヴィオローネ)
フランチェスコ・ロマノ(テオルボ、バロックギター)
アンナ・フォンタナ(チェンバロ、オルガン)
クレマン・ロスコ(ティンパニ)
録音 2021年4月 スペイン
エクサンプロバンスに生まれたアマンディーヌ・ベイエ Amandine Beyer(1974–)は、パリ国立高等音楽・舞踏大学で学び、バーゼル・スコラ・カントルムでキアラ・バンチーニの指導の下、1999年にソリスト・ディプロマを取得しました。バンチーニの「アンサンブル 415」をはじめとする古楽アンサンブルで経験を積み、2006年に「リ・インコーニティ Gli Incogniti」(名もなき者たち)」を創設。フランス古楽界の新時代の担い手のひとりと言われます。
『Il mondo al rovverscio(逆さまの世界)』と題した新しいアルバムでは、ヴィヴァルディが作曲した「複数楽器のための曲」を中心にした「もはや交響曲ともいえる」規模の協奏曲を演奏しています。タイトル曲の《プロテウス、あるいは逆さまの世界》は、1720年代の中頃に書かれたとされる作品です。ヴァイオリン・ソロとチェロ・ソロ、2つのフルート、2つのオーボエ、チェンバロ、弦楽と通奏低音の編成。「ヴィヴァルディの複数楽器の協奏曲を代表する輝かしい作品でありながら、残念なことに、今日もっともなおざりにされている作品のひとつ」と、イタリアの指揮者フェデリーコ・マリア・サルデッリが語ったと言われる作品です。同時代に作曲されたと考えられている《協奏曲 ハ長調 RV 556》は《聖ロレンツォの祝日のために》の副題をもつ作品のひとつ。2つのフルート、2つのオーボエ、ファゴット、弦楽と通奏低音に、当時まだ新しかったクラリネットを2つ、さらにティンパニが加えられています。
価格 3,300円(税込価格)(本体価格 3,000円)
『Loudmouthed Beauty(大声でしゃべる美しさ)- バストロンボーンのためのコンサート・ピース』
LAWO Classics LWC 1242 contemporary/classical
ベンテ・ライクネス・トーシェン(1980–)
Lush darkness - glaring light(濃密な暗闇 - まぶしい光)
(バストロンボーン・ソロのための)
エルンスト・ザクセ(1810–1849)
トロンボーン協奏曲 ヘ長調(バストロンボーンとオルガンのための)
アンリ・トマジ(1901–1971)
Être ou ne pas être(生きてとどまるか、消えてなくなるか)
(バストロンボーンと3つのトロンボーンのための)*
トシュタイン・オーゴール=ニルセン(1964–)
The Daughters of Erda(エルダの娘たち)
Urd(ウルド)(2001)(バストロンボーンのための)
Skuld(スクルド)(2001)(テナートロンボーン・ソロのための)**
Verdande(ヴェルダンデ)(2002)
(トロンボーンとバストロンボーンのための)**
ヤン・サンドストレム(1954–)
ロッタに捧ぐ歌(Sång till Lotta)(バストロンボーンとハープのための)
チャールズ・スモール(1927–2017)
会話(Conversation)(テナートロンボーンとバストロンボーンのための)***
アレクセイ・レベデフ(1924–1993)
バストロンボーン協奏曲第1番(バストロンボーンとピアノによる)
クレア・ファー(バストロンボーン)
スヴェッレ・リーセ(トロンボーン)**
ペッテル・ヴィンルート(トロンボーン)***
シセル・ヴァルスタ(ハープ)
インゲル=リーセ・ウーシュルード(オルガン)
シーグスタイン・フォルゲルー(ピアノ)
ノルウェー・トロンボーン・アンサンブル *
録音 2021年5月28日、8月30日、9月6日 ノルウェー放送(NRK)コンサートホール(オスロ、ノルウェー)
ノルウェー放送管弦楽団のバストロンボーン奏者、クレア・ファー Clare Farr のリサイタル・アルバム。
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)
『Violent Tenderness(乱暴な優しさ)』
LAWO Classics LWC 1240 contemporary/classical
ペール・アルネ・グロルヴィーゲン(1963–)
乱暴な優しさ(Violent Tendeerness)
(弦楽四重奏とバンドネオンのための)
筋肉質のタンゴ(Tango musculaso)
ゆっくりしたミロンガ(Milonga lenta)
グルーヴィなミロンガ(スケルツォ) (Groovy Milonga (Scherzo))
Kykelipi(シュケリピ)(ピアノ、チェロ、バリトンとバンドネオンのための)
(ヤン・エーリク・ヴォルの詩)
世界の道(Verdens veier)
単語テスト(自己掘削)(Ordprøven (Selvdigger))
気をつけて(Ta vare) ポルノ詩(Pornodiktet)
詩人と世界(Poeten og verden) 文化週間(Kulturke)
GNORE民謡(GNOREkvadet)*
Polaco(ポラコ)(弦楽四重奏とバンドネオンのための)
前奏曲(エネルジーコ)(Prélude (Energico)) 時(Czas (Time))
ポルスカ(ファンデンのポルスダンス)(Polska(Fandens Polsdans))
葬送のタンゴ(ショパンによる)(Tango funèbre (d’après Chopin))
ペール・アルネ・グロルヴィーゲン(バンドネオン)
ディオティマ四重奏団
ユン=ペン・チャオ(ヴァイオリン)
コンスタンス・ロンザッティ(ヴァイオリン)
フランク・シュヴァリエ(ヴィオラ)
ピエール・モルレ(チェロ)
GLO2020
ベルント・オーラ・ヴォールングホーレン(バリトン、lurk*)
クリスチャン・イーレ・ハドラン(ピアノ)
オイヴィン・ギムセ(チェロ)
録音 2020年8月3日–4日、マヌーリ・スタジオ(パリ)、2020年9月26日–27日 ソフィエンベルグ教会(オスロ)(Kykelipi)
制作 ダヴィド・アルチュニアン、ヴェーガル・ランドース(Kykelipi)
録音エンジニアリング オリヴィエ・マヌーリ、トマス・ヴォルデン(Kykelipi)
ノルウェーのバンドネオン奏者で作曲家のペール・アルネ・グロルヴィーゲン Per Arne Glorvigen の3つの作品。彼が「Tango(タンゴ)」と「Angst(不安)」を組み合わせて「tangst」と呼ぶ、バンドネオンの加わった室内楽のための音楽です。ド・ラクロの小説『危険な関係』からインスピレーションを得て「撞着語法(オクシモロン)」によるタイトルをつけた《Violent Tenderness(乱暴な優しさ)》と、アルゼンチン・タンゴのシンガー、ロベルト・ゴジェネチェのニックネームで「ポーランドの」を曲名にした《Polaco(ポラコ)》の2曲は、世界的に活動するフランスのディオティマ四重奏団との共演。
《Kykelipi(シュケリピ)》は、グロルヴィーゲンがハイスクールの時代に知り、「いかめしく真面目でロマンティックなものとばかり思っていた『詩』に対する見方から解き放ってくれた」と言うヤン・エーリク・ヴォル Jan Erik Vold の1969年の詩集『Kykelipi』から採った詩に作曲したピアノ、チェロ、バリトンとバンドネオンのための歌曲集。終曲〈GNORE民謡〉では、長さ約2mの柳の棒の一端に靴をくくりつけて共鳴箱を叩いて演奏する「lurk」という珍しいリズム楽器(ノルウェーの音楽グループ「Vømmøl Spellmannslag」が開発)が用いられています。グロルヴィーゲンが2020年に結成、サーリアホ、シューベルト、ピアソラやバッハの作品を演奏してきた気鋭のアンサンブル 「GLO2020」による録音です。
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)
『ルードヴィグ・ヌールマン』
Ondine ODE 1391-2 classical
ルードヴィグ・ヌールマン(1831–1885)
演奏会序曲(Konsertouvertyre) 変ホ長調 Op.21(1856)
葬送行進曲《アウグスト・セーデルマンの思い出に》
(Till August Södermans Minne, Sorgmarsch) Op.46(1876)
《アントニーとクレオパトラ(Antonius och Cleopatra)》序曲 Op.57(1881)
交響曲第3番 ニ短調 Op.58(1881)
オウル交響楽団 ユハンネス・グスタフソン(指揮)
録音 2021年5月27日-31日 オウル音楽センター「マデトヤ・ホール」(オウル、フィンランド)
ルードヴィグ・ヌールマン Ludvig Norman は、19世紀スウェーデン、ベールヴァルドとステーンハンマルやアルヴェーンをつなぐ位置にある作曲家とみなされています。1831年8月28日にストックホルムで生まれ、14歳のころからピアニストと即興音楽家として活動、ピアノの小品や歌曲の作曲も始めました。1848年5月からライプツィヒ音楽院に留学、ユリウス・リーツに作曲、モーリツ・ハウプトマンに対位法、イグナーツ・モーシャレスにピアノを学びました。ライプツィヒでは音楽界の重要な人たちと出会う機会にめぐまれ、彼の音楽を評価したロベルト・シューマンが紹介した Kistner からはいくつかの作品が出版されました。1852年に帰国。1858年からスウェーデン音楽アカデミーの音楽院(現、ストックホルム王立音楽大学)で作曲、管弦楽法、スコア・リーディングを教え、1860年に「ニュー・ハーモニー協会(Nya Harmoniska Sällskapet)の設立を主導。王立歌劇場の指揮者としても大きな成功を収めました。ヌールマンは「音楽協会」の設立にも深く関わり、最初のコンサートではヘンデルの《メサイア》が彼の指揮で演奏されました。1885年3月、54歳で没しました。
ヌールマンの作曲家としての人気と当時の評価は指揮者としての名声ほどではなかったといわれ、その理由として「北欧」の色彩に乏しい「大陸的」なスタイルが指摘されています。ユハンネス・グスタフソン Johannes Gustaffsson とフィンランドのオウル交響楽団によるこの管弦楽作品集では、「スウェーデン音楽アンソロジー」シリーズの一枚(Musica Sveciae MSCD 512)に収録されていた《演奏会序曲》と《アントニーとクレオパトラ》序曲の他、2つの作品が紹介されます。
《交響曲第3番 ニ短調》は、「アレグロ・アパッショーナート・マ・ノン・トロッポ・プレスト」「アンダンテ・カンタービレ」「アレグロ・モルト・コモード」「アレグロ・モルト」の4楽章の作品です。変ホ長調の《第2番》(MSCD 512)より暗い内容でありながら、洗練された作曲技法による、一層優美な音楽に作られています。1885年3月、ヌールマンの追悼コンサートで初演されました。《アウグスト・セーデルマンの思い出に》は、王立歌劇場の同僚作曲家、43歳で亡くなったセーデルマン August Söderman(1832–1876)を追悼する作品です。
《演奏会序曲 変ホ長調》は、優美な形式と生きる歓びの表現を融合させた作品。1857年にストックホルム歌劇場で王立管弦楽団により初演されました。《アントニーとクレオパトラ》序曲は、1881年、王立劇場でシェイクスピアの劇がスウェーデン初演にされた際、ヌールマンが作曲した作品です。特定のプログラムはないものの、劇の内容に沿い、「力強いアントニー、美しいクレオパトラ、戦いの合図、戦場のアントニー、クレオパトラが死んだという間違った知らせを受けて自刃するアントニー」と、劇的に展開していきます。
価格 2,585円(税込価格) (本体価格 2,350円)
『Baroque Concertos with Recorder(リコーダーをともなうバロック協奏曲)』
Proprius PRCD 2091 early music/classical
アントニオ・ヴィヴァルディ(1678–1741)
ソロ協奏曲 ハ長調 RV 446
ジョヴァンニ・バッティスタ・サンマルティーニ(1695–1750)
リコーダー協奏曲 へ長調
ブノワ・ベルナルディ(1660–1732)/ジュゼッペ・トレッリ(1658–1709)
協奏曲第4番 ニ長調 *
(ベルナルディ氏とトレッリ氏の《小フルート、2つのヴァイオリン、
ヴィオラと通奏低音のための5声の協奏曲集》から)
ジョージ・フレデリック・ヘンデル(1685–1759)
トリオソナタ ロ短調 Op.2 no.1 HWV 386
ユーハン・ヘルミク・ルーマン(1694-1758)
フルート協奏曲 ト長調 BeRI 54
フランチェスコ・ガスパリーニ(1661–1727)
フルート協奏曲 イ短調 *
ブノワ・ベルナルディ(1660–1732)/ジュゼッペ・トレッリ(1658–1709)
協奏曲第3番 ニ長調 *
協奏曲第2番 イ長調 •
(ベルナルディ氏とトレッリ氏の《小フルート、2つのヴァイオリン、
ヴィオラと通奏低音のための5声の協奏曲集》から)
エメリ・ルース(リコーダー) ホール・バロック [* 初録音]
録音 2021年6月 エースレーヴ教会(エースレーヴ、スコーネ、スウェーデン)
制作・録音エンジニアリング・マスタリング トーレ・ブリンクマン(Take5 Music Production)
編集 セリム・ムラード
スウェーデンの南部、スコーネ県の小さな村ホール(Höör)では2012年から毎年、この村を本拠とする古楽アンサンブル「ホール・バロック」によるバロック音楽祭が開催されています。彼らは一年を通した室内楽シリーズも行なっていて、プレーヤーの数と楽器編成はプロジェクトによって変わるものの、この地域を拠点に活動するスウェーデンとデンマークの古楽器音楽家による中心メンバーは固定されています。ホール・バロックは積極的な録音活動も知られ、ダン・ラウリン夫妻共演による『テレマン、コレッリ、バッハ』(BIS SA 2235)につづくルーマンの《ゴロヴィン伯爵の祝宴のための音楽》(BIS SA 2355)で2020年のスウェーデン・グラミー賞を受賞。モンテヴェルディの歌劇《オルフェオ》の全曲録音(BIS SA 2519)にルンドのバロック・アンサンブルとともに起用されました。
リコーダー奏者のエメリ・ルース Emelie Roos は、ホール・バロックの中心メンバーのひとりとして、これらの録音にも参加。最初のアルバムでは、コレッリの「2つのリコーダー」の《協奏曲第4番 ニ長調》と《協奏曲第8番 ト短調》でダン・ラウリンと一緒にソロを受け持ちました。
エメリ・ルースとホール・バロックの新しいアルバムでは、ルンド大学のアカデミー管弦楽団が所蔵する3つのコレクションの2つと、ストックホルムの王立スウェーデン音楽アカデミーのコレクションから採った作品が演奏されます。これらの楽譜コレクションには、ルンドやカールスハムンのオルガニストだった父クリスチャン・ヴェンステル Christian Wenster d.ä.(1704–1779)、ルンド大学の音楽監督を務めた、カールスクルーナとウプサラのオルガニスト、ハインリク・クリストフ・エンゲルハルト Heinrich Christoph Engelhardt(1694–1765)、そして、ヘンデルの下でヴァイオリンを弾きストックホルムの宮廷楽士長を務めたルーマンも関わり、アルバムの副題「スウェーデン・コレクションの宝」の示す、当時のもっとも新しい音楽を含む膨大な数の作品が収められました。
ヴィヴァルディ、サンマルティーニ、ベルナルディとコレッリ、ヘンデル。「自由に想像を羽ばたかせ、ずっと忘れられていた音楽を今わたしたちが歩いている通りに響かせる喜び」とエメリが語るコレクションです。
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)
『サーガ(Sagas)』
Salamandre SALAM 004 classical
ジャン・シベリウス(1865–1957)
メロドラマ《嫉妬の夜(Svartsjukans nätter)》 JS125(1893)
(朗読(フランス語)、ヴァイオリン、チェロとピアノのための)
メロドラマ《孤独なシュプール(Ett ensamt skidspår)》 JS77b(1925 rev.1948)
(朗読(フランス語)、弦楽とハープのための)
メロドラマ《伯爵夫人の肖像(Grevinnans konterfej)》 JS88(1906)
(弦楽オーケストラのための)
メロドラマ《森の精(Skogsrået)》Op.15(1894)
(朗読(フランス語)、ピアノ、2つのホルンと弦楽のための)
音詩《ある伝説(En saga)》Op.9(1892)(七重奏のための)
(グレゴリー・M・バレット 編曲)
ああ、もしあなたが見てしまっていたら(O, om du sett) JS141(1888)(弦楽三重奏のための)
(ヴァンサン・フィギュリ(1962–)編曲)
メロドラマ《伯爵夫人の肖像(Grevinnans konterfej)》 JS88(1906)
(朗読と弦楽オーケストラのための)
メロドラマ《孤独なシュプール(Ett ensamt skidspår)》 JS77b(1925 rev.1948)
(朗読(スウェーデン語)、弦楽とハープのための)
アンサンブル・カリオペ
ヴァンサン・フィギュリ(朗読) 秦茂子(ソプラノ)
録音 2020年12月14日–16日、2021年3月22日
アンサンブル・カリオペ Ensemble Calliopée は、1999年に創設されたフランスの室内楽グループ。カリーヌ・ルティエク Karine Lethiec が芸術監督。プログラムによって2人から10人程度と編成を変え、室内楽の古典的名作から今日の音楽まで、常に新しいレパートリーを探る活動を行なっています。
シベリウスが作曲した「メロドラマ」を特集したアルバム『サーガ』。《嫉妬の夜》《森の精》《伯爵夫人の肖像》はフランス語、《孤独なシュプール》はフランス語とオリジナルのスウェーデン語による朗読の2つの録音で収録。管弦楽のための音詩《ある伝説(エン・サーガ)》は、クラリネット奏者のグレゴリー・M・バレット Gregory M. Barrrett が1892年の「初稿」を基に編曲したフルート、クラリネット、2つのヴァイオリン、ヴィオラ、チェロとコントラバスのための「七重奏版」、朗読とピアノのための《ああ、もしあなたが見てしまっていたら》 は、ヴァンサン・フィギュリ Vincent Figuri(1962–)が編曲した「弦楽三重奏」の版による演奏です。
価格 2,255円(税込価格)(本体価格 2,050円)
『Et in terra…(この地に…)』
Swedish Society Discofil SCD 1186 contemporary/classical
レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ(1872–1958)
ミサ曲 ト短調(1920–21)(二重合唱と独唱者のための)
シェル・ペルデル(1954–)
虐げられた人々を解放せよ(Befria de förtryckta!)(2017)
パウラ・アフ・マルムボリ・ウォード(1962–)
畑に宝が隠されているように(Som in skatt)(福音書のモテット)
スタファン・イースベク(1955–)
小ミサ曲(Missa Brevis)
エミール・ローベリ(1985–)
グローリア(Gloria)(ブー・エーイェビュー 詩)
ダーヴィド・オーベリ(1980–)
聖体拝領唱《3つの聖餐式モテット》
(Communio. Tre nattvardsmotetter)(ブー・エーイェビュー 詩)
ものみながあなたに目を注いで(Allas ögon) 来たれ!(Kom!)
命のパン(Livets bröd)
スンドビューベリ・ヴォーカルアンサンブル
リカルド・リンドベリ・カールソン(指揮)
録音 2020年10月16日–18日 スンドビューベリ教会(スンドビューベリ、スウェーデン)
制作・録音エンジニアリング・マスタリング トーレ・ブリンクマン(Take5 Music Production)
「スンドビューベリ・ヴォーカルアンサンブル Vokalensemblen Sundbyberg」は、ストックホルムの衛星都市のひとつ、スンドビューベリ市に2008年に設立されました。スウェーデン教会の地元教区での活動の一翼を担い、委嘱あるいは共同作業という方法をとりながら現代スウェーデンの作曲家たちの新しい宗教的内容の合唱作品を広めることを主な目的としています。創設者のリカルド・リンドべり・カールソン Rikard Lindberg Karlsson は、ストックホルム王立音楽大学でアンデシュ・エビューたちに学び、修士号を取得。新しい世代の指揮者のひとりと目されています。「ダンデリード・ヴォーカルアンサンブル」の名でリリースした、アリス・テグネールとグスタフ・ヌードクヴィストの宗教歌による『歌え、われらの歌を』(BIS SA 2237)がデビュー・アルバムです。
新しいアルバムのタイトルの「Et in terra」には通常、「pax」という言葉が続きます。ラテン語の「平和」。「私たちは、第一次世界大戦の惨事を語ったエーリヒ・マリア・レマルクの小説『西部戦線異状なし』に心を向けた。終戦から100年以上が経ちながら、あの戦争が引き起こしたことの感覚は今日も残っている」。
このアルバムは、そうしたコンセプトから、イギリスのヴォーン・ウィリアムズが大戦後の1920年から1921にかけて書いた《ミサ曲 ト短調》に始まり、スウェーデンの作曲家5人の作品がつづくプログラムで作られました。シェル・ペルデル Kjell Perder が「人類を愛し、弱者の側に立つことを公言する」《虐げられた人々を解放せよ》。『マタイによる福音書』の「『天の国』のたとえ」(第13章44節)をテクストにしたパウラ・アフ・マルムボリ・ウォード Paula af Malmborg Ward の《畑に宝が隠されているように》。スタファン・イースベク Staffan Isbäck が「ハーモニーや響きよりもメロディを出発点にした」と言う、〈キリエ〉〈グローリア〉〈クレド〉〈サンクトゥス〉〈アニュス・デイ〉の《小ミサ曲》。ブー・エーイェビュー Bo Ejeby の詩をテクストに「素直な喜びと、命の贈り物への感謝」を示したエミール・ローベリ Emil Råberg の《グローリア》。「バラの主日」の福音朗読のテクストとグレゴリオ聖歌の《アニュス・デイ》の旋律による〈来たれ!〉を中心にしたダーヴィド・オーベリ David Äberg の《3つの聖餐式モテット》。スンドビューベリ・ヴォーカルアンサンブルの「友人」たちが、力強い表現と美しい響きによって、それぞれの信念と心を示した5つの作品です。
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)
『Jazz at the Berlin Philharmonic XII: Sketches of Miles』
ACT Music ACT 9948-2 2CD’s jazz
『Jazz at the Berlin Philharmonic XII: Sketches of Miles』
[Disc 1]
Pinocchio/Milestones(Wayne Shorter/Miles Davis)
Footprints(Wayne Shorter)
My Funny Valentine(Richard Rodgers) So What(Miles Davis)†
[Disc 2]
Miles Ahead Suite
(arr. Magnus Lindgren, based on the music from the album “Miles Ahead” (1957)
by Kurt Weill, John Carisi, Léo Deliebes, Dave Brubeck, Miles Davis
& Gil Evans, Ahmad Jamal, Bobby Troup & Leah Worth
and Jack Elliott & Harold Spina)
Sketches of Spain suite
(arr. Hans Ek, based on the music from the album “Sketches of Spain (1960)
by Joaquin Rodrigo, Manuel de Falla, Gil Evans and traditional)
Porgy and Bess Suite
(Co. arr. Magnus Lindgren and Hans Ek, based on the music from the album “Porgy and Bess” (1958)
by George Gershwin and Gil Evans)
All Blues
(Milles Davis, head arr. Magnus Lindgren until end:
New Rhumba by Ahmad Jamal from the Miles Ahead Suite)††
シオ・クロッカー・カルテット
シオ・クロッカー(トランペット、リーダー)
ダニー・グリセット(ピアノ)
ジョシュア・ギンズバーグ(ベース)
グレゴリー・ハチンソン(ドラム)
マグヌス・リンドグレーン(テナーサックス†、フルート††、指揮)
ベルリン・フィルハーモニー団員
ミヒャエル・ハーゼル(フルート)
エゴール・エゴルキン(フルート)
マティク・クーダー(クラリネット)*
アンラジュ・ゴロブ(クラリネット)
マンフレート・プライス(クラリネット)
マルクス・ヴァイトマン(ファゴット)
アンドレイ・ズスト(ホルン) サラ・ウィリス(ホルン)
マルク・ウルリヒ(トランペット)*
オラフ・オット(トロンボーン)
トマス・リヒター(トロンボーン)*
スーザン・ツィーグラー(トロンボーン)*
ペーテル・カーニャ(テューバ)**
(* ゲスト、** ベルリン・フィルハーモニー、カラヤン=アカデミー)
録音 2021年11月27日 ベルリン・フィルハーモニー(ライヴ録音)
制作・キュレーション シギ・ロッホ
録音・ミクシング・マスタリング クラウス・ショイアマン
マイルズ・デイヴィス Miles Davis(1926–1991)没後30年を記念してベルリン・フィルハーモニーのホールで行われたコンサートのライヴ。Disc 1 は、シオ・クロッカー・カルテット Theo Crocker Quartet にマグヌス・リンドグレーン Magnus Lindgren をゲストに迎えた演奏。Disc 2 は、さらにベルリン・フィルハーモニーのメンバーも加わり、『Miles Ahead』『Sketches of Spain』『Porgy and Bess』といったアルバムの曲をリンドグレーンとハンス・エーク Hans Ek が分担して編曲した「組曲」を演奏しています・
価格 3,135円(税込価格)(本体価格 2,850円)
『Jazz at the Berlin Philharmonic XIII: Celebrating Mingus 100』
ACT Music ACT 9955-2 jazz
『Jazz at the Berlin Philharmonic XIII: Celebrating Mingus 100』
Jelly Roll(Charles Mingus) Fables of Faubus(Charles Mingus)
Goodbye Pork Pie Hat(Charles Mingus/Camille Bertault)
Boogie Stop Shuffle(Charles Mingus)
Self-Portrait in Three Colors(Charles Mingus/Camille Bertault)
Better Git It in Your Soul(Charles Mingus)
マグヌス・リンドグレーン(バリトン・サクソフォーン、
バス・クラリネット、リーダー)
ゲオルク・ブラインシュミット(ベース、リーダー)
トニー・ラカトス(テナー・サクソフォーン)
ヤーコプ・マンツ(アルト・サクソフォーン)
マティアス・シュリーフル(トランペット)
シャノン・バーネット(トロンボーン)
グレゴリー・ハチンソン(ドラム) ダニー・グリセット(ピアノ)
カミーユ・ベルトー(ヴォーカル)
編曲 マグヌス・リンドグレーン、ゲオルク・ブラインシュミット(Jelly, Boogie)
録音 2022年4月13日 ベルリン・フィルハーモニー「室内楽ホール」(ライヴ録音)
録音・ミクシング・マスタリング クラウス・ショイアマン
チャールズ・ミンガス Charles Mingus(1922–1979)の生誕100年を記念、ACT Music のシギ・ロッホ Siggi Loch のキュレーションで2022年4月13日に「ベルリン・フィルハーモニー」で行われたコンサートのライヴ。スウェーデンを代表する木管楽器プレーヤーでバンドリーダーのひとり、マグヌス・リンドグレーン Magnus Lindgren と、オーストリアのベーシスト、ゲオルク・ブラインシュミット Georg Breinschmid が、リーダーとアレンジャーを務めました。ミンガスの作曲した8つのナンバーが演奏され、《Coodbye Pork Pie Hat》と《Self-Portrait in Three Colors》は、フランスのジャズシンガー、カミーユ・ベルトー Camille Bertault が自身の書いたフランス語の歌詞で歌っています。
価格 2,860円(税込価格)(本体価格 2,600円)
『Between You and Me』
Prophone PCD 278 jazz
『Between You and Me』
Abyss(Lovisa Jennerval)
Make the detour divine(Lovisa Jennervall)
Time for us(Lovisa Jennervall) Epilog(Lovisa Jennervall)
Note to self(Lovisa Jennervall/Anna Söyland)
Give it time (In retrospect)(Lovisa Jennervall)
For a moment or two(Lovisa Jennervall)
Opening endlessly(Lovisa Jennervall)
Allt som börjar måste ha ett slut(始めあるものは必ず終わりあり)
(Lovisa Jennervall)
ロヴィーサ・イェンネルヴァル(ヴォーカル)
イマ・バエサ・ビルイン(ピアノ)
アウグスト・エーリクソン(ベース)
マグヌス・ユーナソン(ドラム)
サミュエル・ムントリン(テナーサックス、バスクラリネット、
アコーディオン)
リンネア・ヨンソン(トランペット)
録音 2021年6月19日–20日 アトランティス・スタジオ(ストックホルム、スウェーデン)
制作 イサベラ・ルンドグレーン
録音エンジニア ニクラス・リンドストレム
ミクシング・エンジニア ポール・スヴェンネ
マスタリング・エンジニア トマス・エーベリエル
スウェーデンのジャズ・ヴォーカリスト、ロヴィーサ・イェンネルヴァル Lovisa Jennervall は、聴く者をたちまち虜にする、温もりのある本物の声の持ち主と言われています。彼女は、ヴェステルノルランドのヘルネサンドとヨーテボリで子供時代と青春期を音楽に囲まれて過ごし、2015年春、ニューヨークでジャズへの愛を大きく育みました。帰国後まもなく、ヨーテボリで「ロヴォーサ・イェンネルヴァル・カルテット」を結成。2016年秋、ストックホルム王立音楽大学(KMH)に入学、最初の学年でプロジェクト「ロヴィーサ・イェンネルヴァル・ウィンドアンサンブル」を立ち上げ、作曲と編曲を担当しました。KMH では「エラス・カペル」を結成、「アメリカン・ソングブック」を中心にしたプログラムを歌った『Longing(あこがれ)』(Propone PCD 216)と『What’s It All About?』(PCD 266)の2枚のアルバムが、ジャズ・ファンの間で話題を呼びました。
Prophone Records の最新作『Between You and Me』は、ロヴィーサが発表するもっとも個人的な色彩の濃いアルバムだと言います。アンナ・ソイランド Anna Söyland の詩に作曲した《Note to self》以外の歌はすべてロヴィーサが作詞、作曲。「痛みをかかえた旅」を聴き手とともに歩み、そのあとにやってくるものに思いを巡らせる……。イマ・バエサ・ビルイン Ima Baeza Bilgin のピアノ、アウグスト・エーリクソン August Eriksson のベース、マグヌス・ユーナソン Magnus Jonasson のドラム、サミュエル・ムントリン Samuel Muntlin のテナーサックスとアコーディオン。『Fragments of Spring(春のかけら)』(PCD 293)をリリースした、KMH 出身のトランペッター、リンネア・ヨンソン Linnea Jonsson もセッションに参加。シンガーソングライターのイサベラ・ルンドグレーン Isabella Lundgren がプロデューサーとしてロヴィーサを助けました。2021年6月、ABBA の録音で名を知られるストックホルムの「アトランティス・スタジオ Atlantis Studio」でのセッション録音です。
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)
『Heart in Hand』
Stunt Records STUCD 22022 jazz
『Heart in Hand』
Sonny Boy Satan Doll Mnemonic Down and Forward Bloom
Barn Dance Agora Child’s Play Color Field Finding Dorian
Johnny Garr Heart in Hand Oh, What a Beautiful Morning
ケニー・ウオリゼン(ドラム、パーカッション、ピアノ、
ヴィブラフォーン)
ネッド・ファーム(テナーサックス、クラリネット、フルート、
ヴァイオリン、パーカッション、ローズ)
ルーネ・ケルセン(ギター)
アナス・クリステンセン(ベース)
録音 2021年8月 Farvemøllen Sudio(ファーヴェムレン・スタジオ)(ノーヴェスト、コペンハーゲン)
追加録音 2021年–2022年
アメリカのマルチ=インストルメンタリスト、ケニー・ウォリゼン Kenny Wollesen(1966–)とネッド・ファーム Ned Ferm(1982–)のふたりは、さまざまなグループのヨーロッパ・ツアーにサイドメンとして参加、共演してきました。COVID-19 のパンデミックが起きる前には、ふたりのアルバムをイタリアで作ることも計画していたと言います。『Heart in Hand』は、そのふたりが初めて Stunt Records で公にコラボレートしたアルバムです。2021年8月、ウォリゼンが、デンマークの有名なジャズ・ワークショップ「Summer Session」を終えたばかりという機会をとらえ、コペンハーゲンの北西「ノーヴェスト」のスタジオでセッションが行われました。
ウォリゼンとファームが作曲と編曲を担当。フォークと「アメリカーナ」からインスピレーションを得た「万華鏡のようなタペストリー」ともみなされる曲と、曲を繋ぐ「間奏」を加えたプログラムによる、ジャンルを超えた音楽領域への深く、感情のこもった「オデッセイ」。この旅には、デンマークのベーシスト、アナス・クリステンセン Anders Christensen とギタリストのルーネ・ケルセン Rune Kjeldsen が加わりました。美と危険が隣り合わせのアメリカ西部を思わせる挑戦的な曲もあれば、ウォリゼンとファームのファンが親しんできた「幅広いストローク」で描かれる曲もあります。作品の核の部分を「ファーヴェムレン・スタジオ」で録音した後、ウォリゼンから送られたいくつかの「間奏」に「木管スペシャリスト」のネッドがレイヤーを追加。共同で制作にあたった「エンジニアリング・プロダクション・ウイザード」のマス・ムルゴー Mads Mølgaard がダビングを行って完成させました。
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)
『Live at the Tivoli Gardens 1996(チボリ公園ライヴ 1996年)』
Stunt Records STUCD 22042 2CD’s jazz
『Live at the Tivoli Gardens 1996(チボリ公園ライヴ 1996年)』
[Disc 1]
Four A Song for Anna Sophia It’s You or No One
I Thought about You What’s New Donna Lee
[Disc 2]
What Is This Thing Called Love All of You Rhythm-a-Ning
It Might as Well Be Spring I’ll Remember April
アラン・ボチンスキ・クインテット
アラン・ボチンスキ(フリューゲルホルン)
ベント・イェーディ(テナーサックス)
ヤコプ・フィシャー(ギター)
イェスパー・ロンゴー(ベース) アレクス・リール(ドラム)
録音 1996年7月6日 チボリ公園ジャズハウス「スロクエフター」(Jazzhus Slukefter)(コペンハーゲン)(ライヴ録音)
アラン・ボチンスキ Allan Botschinsky(1940–2020)は、デンマークでもっとも素晴らしいトランペッターのひとり。早くも1963年に「年間最優秀ジャズ・ミュージシャン(Årets Danske Jazzmusiker)」に選ばれ、1970年代から1980年代にかけて全盛期を迎えました。Stunt Records が今回リリースする『Allan Botschinsky Quintet Live at the Tivoli Gardens 1996』は、ボチンスキ・クインテットがチボリ公園のジャズハウス「スロクエフター」で1996年に行ったコンサートのライヴ録音です。
ベント・イェーディ Bent Jædig のテナーサックス、ヤコプ・フィシャー Jacob Fischer のギター、イェスパー・ロンゴー Jesper Ludgaard のベース、アレクス・リール) Alex Riel のドラム。デンマークの日刊紙「ベアリングスケ」の批評家ケル・フランセンは、この録音を聴き、「スロクエフターの録音は、明快なスタンダード・ジャズとビバップ・タッチを、あらゆる意味で傷なく、新鮮な姿で伝える」と言い、「すべての流れを論理的に、難なく組み立ててゆくボチンスキのフリューゲル、信じられないほどのインスピレーションにみちたイェディクのテナーサックス、安定したパルスの有機的なベースを弾くルンゴー、ダイナミックなドラミングのリール」と、「ベテラン」たちに賛辞を呈しました。
価格 3,740円(税込価格)(本体価格 3,400円)
『Unconditional Love』
Stunt Records STUCD 22052 jazz
『Unconditional Love』
Say(Jakob Dinesen) Unconditional Love(Gary Allen)
Bahoup(Jakob Dinesen) Jaden’s Jam(Jakob Dinesen)
Here Comes Marvin(Jakob Dinesen) Pharoah(Jakob Dinesen)
Melancholia(Jakob Dinesen) Yahya(Jakob Dinesen)
Tyk onsdag/Thick Wednesday(Jakob Dinesen)
ヤコプ・ディーネセン・カルテット
ヤコプ・ディーネセン(テナーサックス)
ヤコプ・アートヴェズ(ギター)
フェリクス・モーセホルム(ベース)
ジェフ・”テイン”・ワッツ(ドラム)
録音 2021年12月 テイン・ホームスタジオ(イーストン、ペンシルヴェニア州)
「卓越したテナーサックス・プレーヤーとして人々から敬愛される、ディーノの名でも知られるヤコプ・ディーネセンのことをよく知らないで、デンマーク・ジャズについて知っていると言ってはいけない」(Stunt Records)。
ヤコプ・ディーネセン Jakob Dinesen は、トマス・ブラクマンの主宰したカルト的レコード・レーベル「ManRec」から1999年にデビューアルバムをリリース。以来、彼の世代を代表するジャズ・ミュージシャンのひとりとして音楽シーンを彩ってきました。ジャズ、ロック、ポップ、ワールド・ミュージックといった多様なジャンルの音楽家とコラボレーションを行い、その「果実」を Stunt Records にアルバムとして残してきました。
新しくリリースされる『Unconditional Love』は、アメリカの伝説的ドラマー、ジェフ・”テイン”・ワッツ Jeff“ Tain” Watts を加えた「カルテット」によるアルバムです。ワッツは、ジョージ・ベンソン、マーサリス兄弟、ベティ・カーター、マッコイ・タイナー、マイケル・ブレッカーをはじめとする大勢の音楽家を「心臓の鼓動とリズムの土台」として支え、ディーネセンにとっても「ヒーロー」のひとり。ディーネセンのプロフェッショナルとしての音楽生活の「愛」と「インスピレーション」の源だったと言います。
アルバムのタイトル曲、ギャリー・アレンの《Unconditional Love》(無条件の愛)以外はディーネセンのオリジナル曲。ギタリストのヤコプ・アートヴェズ Jacob Artved とベーシストのフェリクス・モーセホルム Felix Moseholm という、「信じられない才能とドライブと趣味の良さ」にめぐまれ、20代ですでに「波紋を投じた」デンマークのプレーヤーふたりが参加。ワッツが家族と暮らす、ペンシルヴェニア州イーストンのかつて教会だった建物を改造した「ホーム・スタジオ」で2021年12月の初めにセッションが行われました。
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)