February 2025

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『Music in Crisis』
Caprice CAP 22073 2 Vinyl LP’s electro-acoustics

 
『Music in Crisis』
ロバータ・セテルズ(1929–2014)
[Disc 1]
 Landscape with 3 Tape-Recorders and…
 Scenario
 Isolation! Meinhof in Memoriam
 P1 - Information?
[Disc 2]
 P4
 Landskap
 Ménagerie
 Sequences

 
ロバータ・セテルズ Roberta Settels(1929–2014)は、アメリカの作曲家でインダストリアル・デザイナーでした。ジュリアード音楽院で作曲を学び、1970年代から1980年代にストックホルムのEMS(Elektronmusikstudion)で電子音楽を作曲しました。ピエール・ブーレーズと特にヤニス・クセナキスの下で作曲の研究を続けるためパリの IRCAM に応募。自身の住むパリにスタジオを作り、このアルバムに収録されている作品のいくつかをここで作曲しました。
 
最初のディスクに収録された《Isolation》もその一作。ドイツ赤軍を共同で創設し、数多くの銀行強盗や爆弾テロ事件を起こして逮捕され、裁判中の1976年に獄死したウルリケ・マインホフを追悼するこの曲は、レコード・リリースする予定だった Caprice レーベルが、作品の極左過激的テーマを嫌い、撤回。そのため ”Music in Crisis” と名付けた彼女のプラーベート・レーベルからリリースされました。このアルバムの作品はすべて、彼女所有のアナログ録音によるオリジナル・テープを使い、作品の特徴を正しく保持することに努め、リマスタリングが行われました。
 
価格 6,160円(税込価格)(本体価格 5,600円)

『エルフリーダ・アンドレー』
cpo 555 589-2 classical

 
エルフリーダ・アンドレー(1841–1929)
 フリチョフ組曲(Fritiof Suite)(1909)
  前奏曲(Förspel)
  インゲボリの嘆き(Ingeborgs klagen)
  リング王の頌歌(Rings drapa)
  フリチョフの熱愛(Fritiofs svärmeri)
  フリチョフの船旅(Fritiofs färd på havet)
 交響曲第1番 ハ長調(1868)
  ノルショーピング交響楽団
  ヘルマン・ボイマー(指揮)
 
録音 2022年8月29日–9月1日 ルイ・ド・イェール・コンサートホール(ノルショーピング、スウェーデン)

 
エルフリーダ・アンドレー Elfrida Andrée は、1841年、ゴトランドのヴィスビューで生まれました。王立スウェーデン音楽アカデミー(現、王立ストックホルム音楽大学)でルードヴィーグ・ノルマンに作曲を学び、デンマークのニルス・W・ゲーゼに短期間、器楽法を教わりました。1867年、7人の男性オルガニストを相手にオーディションを勝ち抜け、ヨーテボリ大聖堂のオルガニストに就任。1929年に没するまでヨーテボリにとどまりました。室内楽曲のほかスウェーデンの女性作曲家として初めて管弦楽曲を手がけ、オーケストラの指揮にも才能を発揮したと言われます。音楽家として活動するかたわら、急進的リベラリズムで知られるヨーテボリの女性運動に参加したこともよく知られています。1879年、王立スウェーデン音楽アカデミーの会員に選ばれました。
 
《交響曲第1番 ハ長調》は1868年の作品です。「アレグロ」、「アレグロ・コン・スピリト」の〈間奏曲(Intermezzo)〉、「アンダンテ」、「アレグロ・モルト」の〈終曲(Finale)〉の4楽章。1869年1月24日、ストックホルムのクングスガータンにある Mindre Teatern(Smaller Theatre)で初演され、アンドレー自身の低い評価とは別に、聴衆と批評家からは好意的に受け止められました。交響曲は、1879年にイ短調の第2番(Sterling CDS 1016-2)を作曲しています。
 
《フリチョフ組曲》は、ストックホルムの新しい歌劇場の1898年の柿落としに上演される作品のコンペティション応募作として作曲された歌劇《フリチョフのサガ(Fritiofs saga)》に基づく管弦楽曲です。セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlöf がエサイアス・テグネール Esaias Tegnér(1782–1846)の叙事詩を基に執筆した台本に作曲した作品です。コンペティションでは破れたものの、1909年、全3幕の音楽から選んだ5曲の「組曲」を作り、彼女自身が指揮して初演しました。
 
価格 2,860円(税込価格)(本体価格 2,600円)

『ニッケルハルパ(La Nyckelharpa)』
Ocora C 561177 traditional

 
『ニッケルハルパ(La Nyckelharpa)』
 Polska etter Jämt Pelle(イェムト・ペレによるポルスカ)
 Maria Nyckelpiga(てんとう虫マリア)
 En fot i graven(片足を墓に)
 Brudmarsch av Skellet(シェレットの結婚行進曲)
 Kalesh’n(無蓋馬車)
 Alex’ Julpolska(アレックスのクリスマスポルスカ)
 Flygvalsen(飛行ワルツ)
 Polska etter Alfred Nilsson(アルフレード・ニルソンによるポルスカ)
 Kadrilj(カドリーユ)
 Andante funèbre/Björnlåten(葬送アンダンテ/熊の歌)
 Polska etter Karl Linblad(カール・リンブラードによるポルスカ)
 Jag ska läre dig(わたしが教えよう)
 Trollfägel’n(トロルの鳥)
 Marsch etter Troskari Mats(トゥーシュカリ・マッツによる行進曲)
 Polska frå Haverö(ハーヴェローのポルスカ)
 Polska etter Alfred Nilsson(アルフレード・ニルソンによるポルスカ)
 Polska etter Alfred Nilsson(アルフレード・ニルソンによるポルスカ)
 Skogarbetare visan(森林官のバラード)
 Marsch frå Överklinten(オーヴェルクリンテンの行進曲)
 Polska etter Emil Carlstedt(エミール・カールステットによるポルスカ)
 Björnposka(熊のポルスカ)
 Visa frå Härjedalen(ヘリエダーレンのバラード)
  ダニエル・ペッテション(ニッケルハルパ、コントラバスハルパ)
  シェシュティ・ストービ(歌)
  マリア・ヨンソン(ヴァイオリン、カントン・ダモーレ)
  オーロフ・ミスイェルド(ヴィオラ)
 
録音 2003年1月 ラジオ・フランス

 
ラジオ・フランス Radio France が制作したワールドミュージック・シリーズの再リリース。ノルウェーの「ランゲライク」(C 561145)と「歌とハリングフェレ」(C 561157)につづく一枚は、スウェーデンの「ニッケルハルパ」。名手のダニエル・ペッテション Daniel Pettersson が、メロディ弦と共鳴弦とドローン弦をそなえた一般的なニッケルハルパと共鳴弦をもたないコントラバスハルパを弾き、シェシュティ・ストービ Kersti Ståbi の歌、マリア・ヨンソン Maria Jonson のヴァイオリンとカントン・ダモーレ、オーロフ・ミスイェルド Olof Misgeld のヴィオラと共演した2003年録音のアルバムです。
 
価格 2,860円(税込価格)(本体価格 2,600円)

『J. P. E. ハートマン ピアノ作品集 第6集』
Danacord DACOCD 978 classical

 
J. P. E. ハートマン(1805–1900)
 2つのロンドー・ブリヤン(Deux Rondeaux Brilliants) Op.6/HartW 64(1829)
  第1曲 イ長調「アレグロ・グラツィオーソ」
  第2曲 変ホ長調「アレグロ・ヴィーヴォ」
 6つの歌曲形式の小品(Sechs Tonstücke in Liederform) Op.37/HartW 76(1842)
  第1曲 変ホ長調「アレグロ・アジタート・グラツィオーソ-ソステヌート」
  第2曲 へ長調「モデラート・コン・パッショーネ」
  第3曲 ハ短調「アレグロ・モルト、アッサイ」
  第4曲 変ロ長調「アレグロ・モデラート・ヴィゴローゾ」
  第5曲 イ短調「アレグレット(アレグレット・クワジ・アンダンティーノ)」
  第6曲 交唱(Wechselgesang) 嬰ハ短調「アレグロ・アッサイ・アジタート」
 2つ思いつき(To Indfald) 変イ長調・へ短調 HartW 77(1844)
 行進曲(Marsch)へ長調(?)
 ハウサー広場の思い出 1844年(Minder fra hauserplads, 1844) へ長調
  HartW 46b(1865)
 アルバムのページ第1番(Stambogsblad No.1) へ短調 HartW 121(1878)
 アルバムのページ第2番(Stambogsblad No.2) ト長調 HartW 122(1879)
 アルバムの中に(I en Stambog!) ニ短調 HartW 126(1885)
 アルバムのページ(Stambogsblad) イ短調 HartW 102(1862)
 ピアノソナタ イ短調 Op.80/HartW 119(1876–83)
 ピアノの小品(Klaverstykke) 変ロ長調 HartW 67(1837)
 ピアノの小品(Klaverstykke) ハ短調 HartW 92(1849)
 ゆっくりしたメヌエット(Langsom Menuet) ハ短調 HartW 91(1849)
 ハートマンのための主題と14の変奏
 (Thema med 14 Variationer for Hartmann) ハ長調 HartW 123(1881)
 ヨハン・ペーター・ハートマンのためのピアノの小品
 (Stykker for Johan Peter Hartmann) ハ長調 HarW 124(1881)
 クララとエマのための即興ワルツ
 (Imprompt-Vals til Clara og Emma) へ長調 HartW 112(1862)
 夕べの気分(Aftenstemning)ロ長調 HartW 113(1869)
  トマス・トロンイェム(ピアノ)
 
[楽器 Piano: Hornung & Møller, 1862]
 
録音 2024年春 ホルステブロ音楽学校コンサートホール(ホルステブロ、デンマーク)
録音・マスタリング クラウス・ビューリト
編集 トマス・トロンイェム

 
J. P. E. ハートマン J. P. E. Hartmann は、ニルス・W・ゲーゼとともに18世紀前期の「デンマーク文化の黄金時代」の音楽を彩った、デンマークでもっとも偉大な作曲家のひとりです。彼は、主にオペラとジングシュピール、バレエ、劇付随音楽、メロドラマ、交響曲、演奏会序曲の作曲を手がけ、「私はピアニストではない」と言いながらもピアノのための貴重な作品を残しました。1990年代、コペンハーゲンの王立図書館が彼の全作品の調査と出版のプログラムをスタートさせ、未出版の作品に光が当てられるようになりました。トマス・トロンイェム Thomas Trondjem によるシリーズはそれをきっかけに始まり、この第6集で全曲の録音が完結します。
 
このアルバムでもっとも重要な《ピアノソナタ イ短調》は、「Prissonaten(賞ソナタ)」と呼ばれる《ピアノソナタ ニ短調》から2ヶ月が経たない時期に作曲が始められ、生誕80年の1885年に出版されるまで、紆余曲折を経て完成されました。「アレグレット・パストラーレ」の第3楽章をはじめ、デンマーク・ロマンティシズムのもっとも美しいページが特徴的な作品です。《6つの歌曲形式の小品》はドイツの出版社の依頼で書いた作品。このプログラムには、8歳になる孫ヨハン・ペーターのための《主題と14の変奏》と《ピアノの小品》、娘のクララ・ヴィンディングとエマ・ヴェーゼルのための《即興ワルツ》といった個人的な内容の小品が含まれています。《夕べの気分》は、1869年から1895年まで、4つの異なる出版譜があり、トロンイェムは作曲者の署名入り手稿譜(ロ長調)で演奏しています。
 
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)
 
第1集(DACOCD 874)
第2集(DACOCD 877)
第3集(DACOCD 907)
第4集(DACOCD 950)
第5集(DACOCD 968)

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