ウェブサイトで過去に紹介した北欧と北欧以外のディスクからピックアップして掲載するページです。

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『エドヴァルド・グリーグ合唱団 グリーグを歌う』
Chandos CHSA 5232 SACD hybrid (Multichannel/stereo) classical

 
エドヴァルド・グリーグ(1843–1907)
 4つの詩篇(Fire Salmer fritt efter gamle norske Kirkemelodier) Op.74(1906)
 (混声合唱とバリトン独唱のための)*
  美しきかな神の子よ(Hvad est du dog skjøn)
  神の子は安らぎを与え給えり(Guds søn har gjordt mig fri)
  イエス・キリストはよみがえり給えり(Jesus Christus er opfaren)
  天つみ国に(I Himmelen)
オーレ・ブル(1810–1880)(ポール・ロビンソン 編曲 arr.2014)†
 セーテルの娘の日曜日(Sæterjentens Søndag)(c.1850)
 (混声合唱とアルト独唱のための)
ノルウェー伝承曲(ポール・ロビンソン 編曲 arr.2014)
 夜更けて床についた(Jeg lagde mig saa sildig)(混声合唱のための)†
アガーテ・バッケル・グロンダール(1847-1907)
(ポール・ロビンソン 編曲 arr.2015)
 夜は静まり(Aftnen er stille) Op.3 no.1(1870–73)
 (混声合唱、ソプラノとバリトン独唱のための)†
デイヴィッド・ラング(1957–)
 最後の春(Last Spring)(2015)(室内合唱または8声の独唱のための)**
エドヴァルド・グリーグ(1843–1907)
 アヴェ・マリス・ステッラ(Ave Maris Stella) EG150(1893 arr.1899)
 (8部の混声合唱のための)**
エドヴァルド・グリーグ(1843–1907)
(ジョナサン・ラスボーン(1957–)編曲 arr.2014)
 組曲《ホルベアの時代から(Fra Holbergs tid)》 Op.40(1885)
 (8部の混声合唱のための)†
  エドヴァルド・グリーグ合唱団
  ホーコン・マッティ・スクレーデ(指揮)*/**
  ポール・ロビンソン(音楽監督)†
  アウドゥン・イーヴェシェン(バリトン)*
  トゥーリド・モーベルグ(アルト)
  ヒルデ・ヴェスレモイ・ハーゲン(ソプラノ)
  オルヤン・ハットヴァイト(バリトン)
 
録音 2018年6月11日–14日 ベルゲン大聖堂(ベルゲン、ノルウェー)
制作 エイドリアン・ピーコック
録音 ラルフ・カズンズ
録音助手 グンナル・ヘルライフ・ニルセン(ノルウェー放送 NRK)
 

ヴォーカルアンサンブル「エドヴァルド・グリーグ合唱団 Edvard Grieg Kor」は、グリーグ博物館「トロールハウゲン」のレジデント・アカペラアンサンブルとしてベルゲンに創設されました。メンバーは8人。ベルゲン・フィルハーモニックと定期的に共演、高い評価を受けたベルリオーズの《レクイエム》(CHSA 5219)やヤナーチェクの《グラゴールミサ》(CHSA 5165)の録音にも参加しています。ベルゲン国立歌劇場合唱団に核となるアンサンブルとして参加。サイモン・ラトルとベルリン・フィルハーモニーの《グレの歌》や《戦争レクイエム》など海外のコンサートにも出演してきました。エドヴァルド・グリーグ合唱団が単独で録音する最初のアルバム。混声合唱のオリジナル曲と新しい編曲、作曲によるプログラムが組まれています。
 
《ノルウェー伝承宗教歌の自由な編曲による4つの詩篇》は、ピアノのための《スロッテル》(Op.72)とともに、「ノルウェー伝承の音楽を『芸術音楽』に再生する」という志をグリーグが実現させた最後の大作。聖母マリアを賛美する《アヴェ・マリス・ステッラ》(めでたし海の星)は、カトリックの伝統に沿って歌曲として書いた作品をグリーグ自身が8部の混声合唱用に編曲した作品です。
 
弦楽オーケストラの音楽として親しまれている《ホルベアの時代から》(前奏曲、サラバンド、ガヴォット、アリア、リゴドン)は、イギリスのジョナサン・ラスボーン Jonathan Rathbone がエドヴァルド・グリーグ合唱団のためヴォーカル作品に編曲しました。スヴェンセンによるヴァイオリンと管弦楽のための編曲で知られるオーレ・ブル Ole Bull の《セーテルの娘の日曜日》。ノルウェー民謡を代表する一曲、グリーグも男声合唱の曲にした(Op.30 no.1)《夜更けて床についた》。バッケル・グロンダール Backer Grøndahl の《5つの歌》の第1曲〈夜は静まり〉。この3曲は、2015年にエドヴァルド・グリーグ合唱団に加わったイギリスのテノール歌手、ポール・ロビンソン Paul Robinson の編曲で歌われます。
 
アメリカの作曲家デイヴィッド・ラング David Lang の《最後の春》は、グリーグがヴィニエの詩に作曲した歌曲《春(Våren)》(Op.33 no.2)の曲とテクストを素材にした作品です。エドヴァルド・グリーグ合唱団のために書かれ、この曲の作曲中に急逝したアメリカのキュレーター、マリオン・”キッピー”・ボウルトン・ストラウドを追悼する作品とされました。
 
価格 2,750円(税込価格)(本体価格 2,500円)

『Wolfgang on My Mind』
Phono Suecia PSCD 176 jazz

 
『Wolfgang on My Mind』
ゲオルグ・リーデル(1934–)
 四季(Årstiderna)
  冬-春-夏(Vinter–Vår–Sommar) 秋(Höst)
 コーダ(Coda) ユーハン・ペッテル(Johan Petter)
  スウェーデン放送ジャズグループ
   クラース・ルーセンダール(フルート・ソロ)
   ヤン・ユーハンソン(ピアノ・ソロ)
   ヤン・アッラン(トランペット・ソロ)
   レッナールト・オーベリ(テナーサックス・ソロ)
   エギル・ユーハンセン(ドラム・ソロ)
   ルーネ・グスタフソン(ギター・ソロ)
   アルネ・ドムネールス(アルトサックス・ソロ)
  録音 1967年12月5日、1968年5月13日、2月12日 スウェーデン放送
   (ストックホルム)第2スタジオ
  制作 インゲ・ダール、ボッセ・ブルーベリ
  録音 グンナル・シーグルドソン、ヨーテ・ニルソン
 わが心のヴォルフガング(Wolfgang on My Mind)*
  スウェーデン放送ジャズグループ
   ボボ・ステーンソン(ピアノ・ソロ)
   ニルス・ランドグレーン(トロンボーン・ソロ)
   アンデシュ・シェルベリ(ドラム・ソロ) 
   ベンクト・スタルク(パーカッション・ソロ)
   ユーハン・アレニウス(アルトサックス・ソロ)
  録音 1991年12月15日 スウェーデン放送(ストックホルム)
   第2スタジオ
  制作 ボッセ・ブルーベリ
  録音 ベンクト・ニュークヴィスト

 
チェコ出身のベーシスト、ゲオルグ・リーデル Georg Riedel(1934–)。バリトンサックス奏者ラーシュ・グッリンと共演してプロ・ミュージシャンとしてのスタートを切った後、アルネ・ドムネールスのバンドに参加しました。独学で作曲法を会得し、ジャズとミュージカルの分野でスウェーデンを代表する作曲家として活躍しています。《長靴下のピッピ(Pippi Langstrump)》を初めとする、児童文学作家アストリッド・リンドグレーンとの共同作業による音楽やミュージカル《はだしの生活(Barfotaliv)》(Caprice CAP 22024)などで一般に広く名前が知られています。
 
映画のための音楽を書き直した《四季》。アメリカの振付師アルヴィン・エイリーのバレエのために予定されながら実現せず、独立した曲となった《コーダ》。息子の名を曲名とする《ユーハン・ペッテル》。モーツァルトの《ジュピター》交響曲、終楽章の4音の主題をモチーフに始まる大曲《わが心のヴォルフガング》。スウェーデンのジャズシーンで活躍したプレーヤーたちが参加したスウェーデン放送ジャズグループが、リーデルの音楽をダイナミックに、色彩豊かに演奏しています。
 
価格 2,750円(税込価格)(本体価格 2,500円)

『ベートーヴェン』
2L 2L 007 classical

 
ルートヴィヒ・ファン・ベートーヴェン(1770-1827)
 チェロソナタ第1番 ヘ長調 Op.5 no.1
 チェロソナタ第3番 イ長調 Op.69
 チェロソナタ第5番 ニ長調 Op.102 no.2
  ビョルン・ソールム(チェロ)
  クリスティン・フォスハイム(フォルテピアノ)
 
[楽器 Cello: Domenicus Montagnana, 1740/Fortepiano: Paul McNulty restored by Edwin Beunk, after Walter, 1790(Op.5)/Alois Graf, 1825 Vienna (Op.69/Op.102)
 
録音 2001年6月18日–22日 ノルウェー国立音楽大学 レヴィンホール(オスロ)
制作 モッテン・リンドベルグ
バランスエンジニア ハンス・ペーテル・ロランジュ

 
ノルウェーのチェリスト、ビョルン・ソールムの初めてのソロ・アルバム。ベートーヴェンが異なる時期に作曲した3つのソナタによるプログラムです。《第1番 ヘ長調》(1796年)《第3番 イ長調》(1807-08年)《第5番 ニ長調》(1815年)。ベートーヴェンの作曲の推移と内面の軌跡をたどり、「楽聖ベートーヴェン」という劇画的な身振りではなく、作曲者の思索のあとを探りつつ、演奏者自身が作品から感じたことを聴き手に語る。内省的なアプローチを根底におきながら、第3番の終楽章のアレグロ・ヴィヴァーチェの部分では、チェロとフォルテピアノがスリリングに絡みをみせます。
 
ビョルン・ソールム Bjørn Solum(1957–)はオスロ・フィルハーモニック管弦楽団の副首席チェロ奏者。マグヌス・ヘーグダール、レヴィ・ヒンダル、フランス・ヘルメション、ウィリアム・プリースに師事。1980年にオスロでデビューコンサートを行い、ノルウェー放送管弦楽団と契約。ノルウェー室内管弦楽団の創設にも助力しました。1989年からオスロ・フィルハーモニックで演奏しながら。バラット=ドゥーエ音楽学校とノルウェー国立音楽大学で教えています。
 
フォルテピアノを弾くクリスティン・フォスハイム Kristin Fossheim(1963–)はリサイタル活動のほか、国立音楽大学で伴奏者を務め、ソリストとしてノルウェー国内のオーケストラと共演しています。インゲル・ヨハンネ・オプダール、キング・ボズワース、イェンス・ハーラル・ブラトリ、リヴ・グラーセル、ホーコン・アウストボーに師事しました。
 適度の距離をとった等身大のチェロとフォルテピアノが目の前に浮かぶ録音。アルバム制作のすべてに北欧センスが感じられるディスクです。
 
価格 3,025円(税込価格)(本体価格 2,750円)

『ベートーヴェン Vol.II』
2L 2L 079SACD SACD hybrid (5.1 surround/stereo) classical

 
ルートヴィヒ・ファン・ベートーヴェン(1770–1827)
 チェロソナタ第2番 ト短調 Op.5 no.2
 ホルンソナタ ヘ長調 Op.17
 チェロソナタ第4番 ハ長調 Op.102 no.1
  ビョルン・ソールム(チェロ)
  スタイナル・グランモ・ニルセン(ナチュラルホルン)
  クリスティン・フォスハイム(フォルテピアノ)
 
[楽器 Cello: Domenicus Montagnana, 1740/Natural horn: Andreas Jungwirth, 1991, after Marcel Auguste Raoux, 1820/Fortepiano: Paul McNulty restored by Edwin Beunk, after Walter, 1790/Alois Graf, 1825 Vienna (Op.102)]
 
録音 2010年6月28日–7月2日 ノルウェー国立音楽大学 レヴィンホール(オスロ)
制作・バランスエンジニア モッテン・リンドベルグ
録音エンジニア ビアトリス・ヨハンネセン

 
第1番、第3番、第5番の第1集(2L 007)につづくソールムとフォスハイムのデュオによるベートーヴェンのチェロソナタ集。ベートーヴェンが英雄的スタイルのモデルしたとも言われるヘンデルの《ユダス・マカベウス》に関連した主題をもつ「アダージョ・ソステヌート・エ・エスプレッシヴォ」に始まる《第2番》。ベートーヴェンに学んだピアニストのチェルニーが第1楽章「アンダンテ–アレグロ・ヴィヴァーチェ」の音楽を「愛情と悲しさをもって演奏されねばならない」とベートーヴェンの追想録に記した《第4番》。ベートーヴェン自身が後にチェロ用に編曲したヘ長調のソナタは、原曲どおりナチュラルホルンとピアノによる演奏です。
 
チェロのビョルン・ソールム Bjørn Solum(1957–)は、1989年からオスロ・フィルハーモニック管弦楽団副首席チェロ奏者。ノルウェー室内管弦楽団の創設メンバーのひとりです。室内楽の活動も行い、2003年にはトルルス・モルクの招待を受け、スタヴァンゲルで行われた国際室内楽フェスティヴァルに参加しました。
 
スタイナル・グランモ・ニルセン Steinar Granmo Nilsen は、1999年からノルウェー軍音楽隊のホルン奏者を務めています。トロンハイム音楽院からフライブルクの州立音楽大学に進みアイフォー・ジェイムズに師事、ノルウェー国立音楽大学でフロイディス・レー・ヴェクレに室内楽とソロ演奏を学びました。バロック期から今日までの音楽がレパートリー。室内楽とソロの活動をしながら母校でナチュラルホルンを教えています。彼のナチュラルホルンの音が、ベートーヴェンの時代、森に響く狩の角笛をしのばせます。
 
フォルテピアノを弾くクリスティン・フォスハイム Kristin Fossheim(1963–)は、1996年からノルウェー国立音楽大学ーで教え、リヴ・グラーセルの後任として学内のコンサートシリーズでアーリーミュージックのコンサートに出演しています。第1集の3曲も含めた6曲を簡潔に解説したブックレットのライナーノーツ(英語、ノルウェー語)は、彼女が執筆しました。
 
録音セッションは国立音楽大学のレヴィンホールで行われました。チェロとフォルテピアノのデュオ、ナチュラルホルンの吹く颯爽とした主題に始まり、チェルニーが「優雅で輝かしい作品」と呼んだホルンとフォルテピアノの音楽を 2L のモッテン・リンドベルグ Morten Lindberg が自然な音色とバランスに収録しています。
 
価格 3,630円(税込価格)(本体価格 3,300円)

『マタイ受難曲』
Harmonia Mundi HMM 902691 3CD’s early music

 
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685–1750)
 マタイ受難曲(Mattäus-Passion) BWV.244
  ピグマリオン
  ラファエル・ピション(指揮)
  ユリアン・プレガルディエン(テノール、福音史家)
  ザビーヌ・ドゥビエル(ソプラノ1、ピラトの妻)
  ルシール・リシャルドー(アルト1、召使1)
  レイノウド・ファン・メヘレン(テノール1)
  ステファーヌ・ドゥグー(バス1、イエス)
  ハナ・ブラシコヴァー(ソプラノ2)
  ティム・ミード(アルト2、証人1)
  エミリアーノ・ゴンザレス=トロ(テノール2、証人2)
  クリスチャン・イムラー(バス2、カイアファス、ピラト)
  ラジオ・フランス女声合唱
  
録音 2021年4月 フィルハルモニー・ド・パリ ピエール・ブーレーズ・ホール(パリ、フランス)

 
合唱と器楽のアンサンブル「ピグマリオン Pygmalion」は、2006年、パリ国立高等音楽舞踊学校の学生だったラファエル・ピション Raphaël Pichon によって創設されました。ピリオド楽器で演奏するバロック音楽をレパートリーに活動し、「古典」を内面から見つめなおした「新しい衣装」の作品が聴き手にあらためて音楽の喜びをもたらしてきました。『マタイ受難曲』は、『聖母マリアの夕べの祈り』(HMM 932710)や『レクイエム』(HMM 902729)に先立つ録音です。全編が「導入-受難への準備-園の場面-大祭司の場面-ピラトの場面-埋葬-エピローグ」と場面わけされ、「叙事詩」にも似た劇として示されます。
 
価格 4,785円(税込価格)(本体価格 4,350円)

『ホルムボー ギター作品集』
dacapo 8.226143 classical

 
ヴァウン・ホルムボー(1909–1996)
 ギターのためのソロ作品と室内楽作品集
 ギターソナタ第1番 Op.141(1979)
 ギターソナタ第2番 Op.142(1979)
 5つの間奏曲(Intermezzi) Op.149(1981)(ギターソロのための)
 二重協奏曲(Duo Concertato)Op.167(1986)
 (ヴァイオリンとギターのための)
 ギターソロのための5つの小品
 《よもやま話(Parlare del più e del meno)》Op.176(1988)
 歌と踊り(Canto e Danza) Op.191(1992)
 (リコーダーとギターのための) *
 7つのフォークバラード(7 Folk Ballads)(1983)
 (リコーダーとギターのための) *
  イェスパー・シーヴェベク(ギター)
  ヨハネス・スー・ハンセン(ヴァイオリン)
  ボレテ・ローズ(リコーダー) [* 初録音]
 
録音 2011年3月、7月、2012年2月 王立デンマーク音楽大学コンサートホール(コペンハーゲン)
制作 クラウス・ドゥーウ
録音エンジニア マーク・フォード
マスタリング プレーベン・イーヴァン

 
20世紀デンマークを代表する作曲家のひとり、ヴァウン・ホルムボー Vagn Holmboe(1909–1996)は、交響曲、シンフォニア、弦楽四重奏曲、合唱のための《リベル・カンティコルム(歌の本)》など、広いジャンルに多くの作品を手がけました。ギターのための音楽を彼が初めて作ったのは作曲活動に入ってから半世紀経ったころでした。古い伝統をもつ楽器に魅せられたホルムボーは、2曲のソナタを書き、つづいてギターソロの小品、ヴァイオリンやその他の楽器とのデュエットを作曲しました。
 
このアルバムでは彼のギター・レパートリーから7作品が演奏されます。イェスパー・シーヴェベク Jesper Sivebæk は、オーゼンセの音楽アカデミーでヤーアン・ビャアスレウに学んだ後、スウェーデンのマルメ音楽大学のペール=オーロフ・ヨンソンのソロイストクラスに入りました。このホルムボー作品集は、ポウル・ルーザスの作品(8.226542)(2008)に次ぐアルバムです。同じデンマークのプレーヤー、ヴァイオリンのヨハネス・スー・ハンセン Johannes Søe Hansen とリコーダーのボレテ・ローズ Bolette Roed が共演しています。プログラムの最後に演奏される《7つのフォークバラード》は、イギリス、イスラエル、フランスとウクライナの民謡をホルムボーがギターとリコーダーのデュエットのために編曲した作品です。この曲と《歌と踊り》は初めて録音で紹介されます。
 
価格 2,200円(税込価格)(本体価格 2,000円)

『カフカの審判』
dacapo 8.226042–43 2CD's contemporary/classical

 
ポウル・ルーザス(1949–)
 歌劇《カフカの審判(Proces Kafka/Kafka's Trial)》(2005)
  ヨニー・ヴァン・ハル(テノール、ヨーゼフ・K)
  マリアネ・ラアホルム(アルト、モンターク嬢/グレータ・ブロッホ/
   レーニ)
  ゲアト・ヘニング=イェンセン(テノール、監査官/書記/
   ティトレッリ)
  ミケール・クリステンセン(テノール、副支配人/
   ビジネスマン・ブロック)
  ボー・アンカー・ハンセン(バリトン、支配人/フルト弁護士)
  ギセラ・スティレ(ソプラノ、ビュルストナー嬢/
   フェリーチェ・バウアー)
  ヨハン・ロイター(バリトン、審問官/アルベルト叔父)
  ハンス・ラヴェツ(バス、フランツ看守)
  アナス・ヤコブソン(バス、ヴィレム看守)
  ハネ・フィシャー(メッツォソプラノ、洗濯女/せむし)
  オーレ・ヘゼゴー(テノール、むち打ち役/司祭)
  王立デンマーク・オペラ合唱団
  王立デンマーク管弦楽団
  トマス・スナゴー(指揮)
 
録音 2005年3月、4月4日、4月9日 コペンハーゲン・オペラハウス(ライヴ)
制作 ヘンリク・スライボー
録音エンジニア ペーター・ボー・ニルセン

 
マーガレット・アトウッドの小説をオペラ化した《侍女の物語》が欧米で絶賛されたポウル・ルーザス Poul Ruders(1949–)とポール・ベントリー Paul Bentley による新作。ベントリーがフランツ・カフカの小説『審判(Prozess)』を基に台本を執筆。「理由もなく逮捕、告発され、裁判にかけられた銀行員」の物語に、カフカがふたりの女性(グレータ・ブロッホとフェリーチェ・バウアー)と交わした手紙のエピソードを重ね、悲劇と喜劇の混在する展開の早い作品に作りました。ルーザスの曲は、《侍女の物語》のクールな音世界とは違った響きをもち、躍動感のある軽快なテンポの音楽を基本にポイントとなる個所では引用や伝統的アリアの形式も使われます。ルーザスは「モダニストのアルバン・ベルクでさえ、安っぽいトリックを次から次へと使っている」と語り、「オペラに娯楽性は欠かせない」という考えを明確に示しました。コペンハーゲン・オペラハウスの新築こけら落としシーズンのための委嘱作。カーアン・ホフマン Karen Hoffmann の翻訳によるデンマーク語歌詞で歌われます。
 
価格 3,740円(税込価格)(本体価格 3,400円)

『String against String』
dacapo 8.226044 contemporary/classical

 
ソンライフ・ラスムセン(1961–) 弦楽器のための作品集
 弦楽四重奏曲第1番(1989)
 弦楽四重奏曲第2番 《Sunshine and Shadows(陽光と影)》(2001)
  シェラン弦楽四重奏団
 グラーヴェ、カーステン・ホイダル追悼(Grave – in Memoriam Karsten Hoydal)(1990)
 (クラリネット、弦楽と打楽器のための)
 ヴァイオリン協奏曲第1番 《Songs of Seasons(四季の歌)》(2004)
  オストロボスニア室内管弦楽団
  ユハ・カンガス(指揮)
 Echoes of the Past(過去の余韻)(1992)(ヴァイオリン独奏のための)
  ヨン・ストゥールゴールズ(ヴァイオリン)  
 
録音 2007年2月21日–22日 ブランスホイ教会(コペンハーゲン、デンマーク)(四重奏曲)、2006年5月2日–4日 スネルマンホール(コッコラ、フィンランド)
制作・録音エンジニア プレーベン・イーヴァン

 
デンマーク自治領フェロー諸島の作曲家、ソンライフ・ラスムセン Sunleif Rasmussen は、交響曲第1番 《海洋の日々(Oceanic Days)》で北欧音楽委員会(NOMUS)賞を受賞(2002年)、国際的な注目を集めました。民俗音楽、エレクトロ=アクースティック音楽、スペクトラルミュージック、ジャズ、伝統のクラシカル音楽。ラスムセンの作品ではさまざまな要素が複雑に絡み合っています。交響曲第1番とサクソフォーン協奏曲《光に向かって(Dem Licht entgegen)》(6.220506)に次ぐ作品集。響き、形式、自然、歴史をキーワードとする、"弦" のための5つの作品。暗い海、砂丘、ハマムギ、吹き荒れる風といったフェロー諸島の自然がイメージされるかもしれません。
 
価格 1,485円(税込価格)(本体価格 1,350円)

『海洋の日々』
Dacapo 6.220506 SACD hybrid (Surround/stereo) contemporary/classical 

 
ソンライフ・ラスムセン(1961–)
 交響曲第1番《海洋の日々(Oceanic Days)》(1995–97)
 サクソフォーン協奏曲 《光に向かって(Dem Licht entgegen)》(2001)
  デンマーク国立放送交響楽団 ハンヌ・リントゥ(指揮)
  シャネト・バラン(サクソフォーン)
 
録音 2003年5月5日–8日 デンマーク放送(DR)コンサートホール(コペンハーゲン)
制作 プレーベン・イーヴァン
録音エンジニア ヤン・オルロプ

 
ソンライフ・ラスムセンは、デンマークの自治領、フェロー諸島の作曲家です。彼の生まれた漁村では打ち寄せる波が岸壁にあたって砕け、この地の作曲家に抑えきれないほどのインスピーレーションを与えつづけてきました。こうした自然を背景に生まれた彼の交響曲第1番《海洋の日々》が2002年の「NOMUS(北欧音楽委員会)賞」を受賞したことにより、フェロー諸島の今日の音楽は一躍注目されることになりました。
 
ソンライフ・ラスムセン Sunleif Rasmussen は、1961年、サンドイ島のサンドゥール村で生まれました。ノルウェーに留学後、首都トースハウンで音楽教師とジャズ・ピアニストして働き、1990年からコペンハーゲンの王立デンマーク音楽アカデミーでイプ・ヌアホルムに作曲、イーヴァル・フロウンベアに電子音楽を学びました。このころトリスタン・ミュライユに代表される「スペクトル音楽」に出会い、数年間は、ピアノとエフェクトプロセッサーのための《Som den gyldne sol(黄金色の太陽のように)》やオーケストラとソプラノのための《Landið(この土地)》といった作品を書いています。
 
交響曲第1番《海洋の日々(Oceanic Days)》は、フェロー諸島の「The Nordic House(ノルディックハウス)」の委嘱により1995年から1997年にかけて作曲されました。「トランクィッロ」「ラルゴ」「カンタービレ」の3楽章で書かれ、フェロー諸島の詩人でオールラウンドの芸術家、ヴィリアム・ハイネセン(1900–1991)の詩が副題にとられています。4人の打楽器奏者とシンセサイザーを交えた大編成の管弦楽が「自然」「海」といった作品の背景をうかがわせる音楽です。2000年、アイスランド交響楽団がノルディックハウスで初演しました。このアルバムの音源は、ハンヌ・リントゥ指揮デンマーク国立放送交響楽団のセッション録音です。
 
サクソフォーン協奏曲 《光に向かって(Dem Licht entgegen)》は、賛美歌《Som den gyldne sol frembryder(黄金色の太陽が突然姿をあらわすように)》を素材にした作品です。「アジタート」「カンタービレ」の楽章のあと、エコーエフェクトが彩色する第3楽章を経て、バロック協奏曲風の「アレグロ・コン・ブリオ」の楽章で終わります。ソリストのシャネト・バラン Jeanette Balland(1968–)は、王立デンマーク音楽アカデミーのソリストクラスでオーウ・ヴォスとクリステル・ユーンソンに学び、1998年にデビュー・コンサートを行いました。
 
価格 1,485円(税込価格)(本体価格 1,350円)

『地球、新たに』
Dacapo 8.226175 contemporary/classical

 
ソンライフ・ラスムセン(1961–)
 交響曲第2番《地球、新たに(The Earth Anew)》(2015)
  ボー・スコウフス(バリトン)
  シンディア・シーデン(ソプラノ)
  ヘルシンキ・アカデミー男声合唱団
  ムントラ・ムシカンテル
  ヘルシンキ・フィルハーモニック管弦楽団
  ヨン・ストゥールゴールズ(指揮)
 
録音 2015年9月12日、14日 ヘルシンキ・ミュージックセンター、コンサートホール(ヘルシンキ)
制作・編集 セッポ・シーララ
録音エンジニア エンノ・マエメツ

 
ソンライフ・ラスムセン Sunleif Rasmussen は、1961年、デンマーク自治領フェロー諸島の生まれ。一時期ノルウェーに住み、現在はコペンハーゲンとフェロー諸島を行き来しながら活動しています。交響曲第1番《海洋の日々》(6.220506)で2000年度北欧委員会(NOMUS)賞を受け、北欧を代表する作曲家のひとりに数えられています。
 
《地球、新たに》の副題をもつ第2番の交響曲は、2015年のシベリウス生誕150周年を記念するコンサートのためヘルシンキ・フィルハーモニックとフェロー諸島のノルディック・ハウスから共同委嘱を受けて作曲されました。シベリウスがフィンランドの叙事詩集『カレヴァラ』により《クッレルヴォ》を作曲したことに倣い、ラスムセンは、古代北欧歌謡集『エッダ』のアイスランド語の詩をテクストに採り、北欧神話に語られる世界樹(生命の樹)「ユグドラシル(Yggdrasill)」に基づく「生活環」を音楽に描きました。
 
「ユグドラシルという名の梣(とねりこ)の大樹が立っているのを、わたしは知っている。その高い樹は白い霧に濡れている……」(『エッダ』谷口幸男 訳。新潮社版 P.10)と合唱が歌い始め、泡立ち脈打つ音が光と闇の交差を描く第1楽章、「無」ともいえる静謐な音風景に世界の原始の状態が示される第2楽章、ラタトスクという名のリスが梣を駆けのぼり、さまざまな音が行き交う第3楽章、「太陽が暗くなり、大地が海に沈む」情景につづき「新たな世界」が現れる第4楽章。4つの楽章を通じ、バリトン、ソプラノ、男声合唱が『エッダ』の「巫女の予言(Völuspá)」「ギュルヴィたぶらかし(Gylfaginning)」「グリームニルの歌(Grímnismál)」の詩を歌います。
 
デンマークのバリトン歌手ボー・スコウフス Bo Skovhus、アメリカのソプラノ歌手シンディア・シーデン Cyndia Sieden、ヘルシンキ・アカデミー男声合唱団 Akademiska Sångföreningen とムントラ・ムシカンテル Muntra Musikanter(愉快な音楽家たち)、ヨン・ストゥールゴールズ John Storgårds 指揮のヘルシンキ・フィルハーモニック管弦楽団。ラスムセンの新しい交響曲は、初演後、フィンランドのスウェーデン語系新聞から「きわめて洗練された、オーケストレーションが印象に残る……人を惹きつける、魅力ある旋律とリズム、魅惑的な響きの音楽」と評されました。
 
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)

『ブルーな日々のための音楽(Music for blue days) 』
LAWO Classics LWC 1039 classical/contemporary

 
エルランド・フォン・コック(1910-2009)
 テューバ協奏曲(1978)(テューバと弦楽オーケストラのための)
レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958)
 バステューバ協奏曲(1954)
トシュタイン・オーゴール=ニルセン(1964-)
 テューバ協奏曲《フェンリルの叫び(The Cry of Fenrir)》
 ブルーな日々のための音楽(Music for Blue Days)
 (テューバとハープのための)
  アイリク・イェルデヴィーク(テューバ)
  プレヴェン・フィルハーモニック管弦楽団
  ビョルン・ブライスタイン(指揮)
  アンネケ・ホドネット(ハープ)
 
録音 2011年9月、2012年4月

 
 アイリク・イェルデヴィーク Eirik Gjerdevik は、ノルウェーのテューバ奏者。ロンドン交響楽団やフィリップ・ジョーンズ・ブラスアンサンブルのメンバーとして活躍したジョン・フレッチャー John Fletcher(1941-1987)の下で学び、1996年からベルゲンのノルウェー軍西部音楽隊 Forsvarets musikkorps vestlandet(FMKV)に所属して演奏活動を行っています。
 彼がソリストとして録音したテューバのための作品集。エルランド・フォン・コック Erland von Koch の協奏曲は、ミケール・リンがオーレ・シュミット指揮のスウェーデン放送交響楽団と共演して1978年に初演した作品。録音で紹介されるのは初めてです。ヴォーン・ウィリアムズの協奏曲は、イェルデヴィークが教わったフレッチャーがアンドレ・プレヴィン指揮ロンドン交響楽団と共演した録音(RCA)が今もスタンダードのひとつと言われます。トシュタイン・オーゴール=ニルセン Torstein Aagaard-Nilsen はノルウェーの作曲家。《フェンリルの叫び》の副題がつけられた協奏曲は、北欧神話に登場する狼の姿をした怪物フェンリルが主役。テューバよりも力強い語り手を知らない、と作曲者は語っています。3曲の協奏曲は、イェルヴィークが2010年に客演したブルガリアのプレヴェン・フィルハーモニック管弦楽団をビョルン・ブライスタイン Bjørn Breistein が指揮して共演。《ブルーな日々のための音楽》は、テューバとハープのデュオ曲です。テューバとハープ、憂鬱な日々をどんな風に過ごすというんでしょうか……。
LAWO Classics LWC 1039 『ブルーな日々のための音楽(Music for blue days) 』
エルランド・フォン・コック(1910-2009)
 テューバ協奏曲(1978)(テューバと弦楽オーケストラのための)
レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958)
 バステューバ協奏曲(1954)
トシュタイン・オーゴール=ニルセン(1964-)
 テューバ協奏曲《フェンリルの叫び(The Cry of Fenrir)》
 ブルーな日々のための音楽(Music for Blue Days)(テューバとハープのための)
  アイリク・イェルデヴィーク(テューバ)
  プレヴェン・フィルハーモニック管弦楽団
  ビョルン・ブライスタイン(指揮)
  アンネケ・ホドネット(ハープ)
 
録音 2011年9月、2012年4月
 
アイリク・イェルデヴィーク Eirik Gjerdevik は、ノルウェーのテューバ奏者。ロンドン交響楽団やフィリップ・ジョーンズ・ブラスアンサンブルのメンバーとして活躍したジョン・フレッチャー John Fletcher(1941-1987)の下で学び、1996年からベルゲンのノルウェー軍西部音楽隊 Forsvarets musikkorps vestlandet(FMKV)に所属して演奏活動を行っています。
 
彼がソリストとして録音したテューバのための作品集。エルランド・フォン・コック Erland von Koch の協奏曲は、ミケール・リンがオーレ・シュミット指揮のスウェーデン放送交響楽団と共演して1978年に初演した作品。録音で紹介されるのは初めてです。ヴォーン・ウィリアムズの協奏曲は、イェルデヴィークが教わったフレッチャーがアンドレ・プレヴィン指揮ロンドン交響楽団と共演した録音(RCA)が今もスタンダードのひとつと言われます。トシュタイン・オーゴール=ニルセン Torstein Aagaard-Nilsen はノルウェーの作曲家。《フェンリルの叫び》の副題がつけられた協奏曲は、北欧神話に登場する狼の姿をした怪物フェンリルが主役。テューバよりも力強い語り手を知らない、と作曲者は語っています。3曲の協奏曲は、イェルヴィークが2010年に客演したブルガリアのプレヴェン・フィルハーモニック管弦楽団をビョルン・ブライスタイン Bjørn Breistein が指揮して共演。《ブルーな日々のための音楽》は、テューバとハープのデュオ曲です。テューバとハープ、憂鬱な日々をどんな風に過ごすというんでしょう……。
 
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)

『生命の惑星の歌(Songs from the Planet of Life)』
Aurora ACD 5093 contemporary/classical

 
ヘルゲ・イーベルグ(1954–)
 生命の惑星の歌(Songs from the Planet of Life)
 (管弦楽、5人のソリスト、朗読のための合奏協奏曲)
  エリセ・ボートネス(ヴァイオリン)
  クリスチャン・イーレ・ハドラン(ピアノ)
  マリアンネ・ベアーテ・シェラン(メゾソプラノ)
  フランク・ハーヴロイ(バリトン)
  トム・オッタル・アンドレーアセン(アルトフルート)
  リウ・ティエガン(朗読) シセル・エンドレーセン(朗読)
  イングリ・ブライエ・ニュフース(ピアノ・ソロ)
  ビョルン・ローケン(ゴング、クリスタル・サウンドボウル、
   クリスタル・サウンドピラミッド)
  ノルウェー放送管弦楽団 カイ・グリンデ・ミューラン(指揮)
 
録音 2018年3月19日–20日、5月7日–9日 NRK 大スタジオ(オスロ)
録音(北京語朗読) 首都師範大学音楽学院、中央戯劇学院(北京)
録音(打楽器、英語朗読) Urban Sound Studios(オスロ)
制作 ハルドル・クローグ、ヘルゲ・イーベルグ
録音エンジニア オイスタイン・ハルヴォシェン、テリエ・へレム

 
ヘルゲ・イーベルグの《生命の惑星の歌》は、「唐詩を素材に使い、現在の生態学的状況に光をあてる」をコンセプトに作られた作品です。マーラーの《大地の歌》のテクストに採られたのと同じ詩の原詩と英訳詩を使い、ヴァイオリン、ピアノ、メゾソプラノとバリトン、アルトフルートの加わる「管弦楽、5人のソリスト、朗読のための合奏協奏曲」のスタイルで書かれた9つの楽章で構成されています。〈前奏曲(Prelude)〉(王維「送別」)、Part 1 と Part 2 に分かれた〈悲歌の話(Tale of Sorrowful Song)〉(李白「悲歌行」)、道化と楽士たちの〈パレード(Parade)〉、〈大宴会(The Great Banquet)〉(李白「宴陶家亭子」)、〈蓮の踊り(Lotus Dance)〉(李白「採蓮曲」)、〈長い秋の夜(Long Autumn Night)〉(銭起「效古秋月長」)、〈生が夢に過ぎぬなら(If Life Were Just a Dream)〉(李白「春日酔起言志」)、〈告別(Adieux)〉(王維「山中送別」)。各楽章は、中国国家大劇院で活躍した俳優のリウ・ティエガン Liu Tiegang とヴォーカル・アーティストのシセル・エンドレーセン Sidsel Endresen による原詩と英訳詩の朗読に始まり、ソリストが「ソロ」あるいは「アンサンブル」で合奏する音楽が続きます。この作品は、2011年の「ウルティマ現代音楽祭」のためにノルウェー室内管弦楽団の委嘱で作られ、初演に接したノルウェーの新聞「Aftenposten」は「われわれの忘れることのできない夜になった」という賛辞を呈し「グスタフ・マーラーの象徴的芸術作品にインスパイアされた新たな『大地の歌』」と呼びました。
 
このアルバムの録音セッションは、2018年、ノルウェー放送のオスロの大スタジオで行われました。オスロ・フィルハーモニックの第1コンサートマスター、ヴァイオリニストのエリセ・ボートネス Elise Båtnes、ピアニストのクリスチャン・イーレ・ハドラン Christian Ihre Hadland、メゾソプラノのマリアンネ・ベアーテ・シェラン Marianne Beate Kielland、バリトンのフランク・ハーヴロイ Frank Havrøy、オスロ・フィルハーモニックのフルート奏者、トム・オッタル・アンドレーアセン Tom Ottar Andreassen が、カイ・グリンデ・ミューラン Kai Grinde Myrann(1987–)指揮のノルウェー放送管弦楽団と共演。別録音の北京語朗読と英語朗読を加えてアルバムに作られました。作曲者イーベルグの寄せたノーツ『気象危機に脅かされ(In the shadow of a climate crisis)』(「春の草は翌年も緑になるだろうか(Spring grass green again next year?)」)がブックレットに掲載されています。
 
[プロフィール]
ヘルゲ・イーベルグ Helge Iberg(1954–)。ノルウェーの作曲家、ピアニスト、著作家。オスロ大学で音楽学、思想史、宗教学、オラヴ・アントン・トンメセンとラグナル・ソーデルリンの下で作曲を学びました。ノルウェーのオーケストラの委嘱による管弦楽のための音楽を中心にコンテンポラリー・ミュージックとジャズの間を自由に行き来するスタイルの作品を発表しています。「エドヴァルド賞」と「スペルマン賞」にノミネートされ「イタリア賞」の最優秀作品賞に選ばれた1990年の歌劇《Det ondes problem(悪の問題)》が代表作。《ロルフ・ヤコブセンの詩による歌》と《Aren’t We All Warriors in OUr Life?》を収録したプロフィール・アルバム『ReHumaniZing』(ACD5052)をノルウェー作曲家協会の Aurora レーベルが制作しています。
 
価格 2,750円(税込価格)(本体価格 2,500円)

『J. P. E. ハートマン ピアノ作品集 第1集』
Danacord DACOCD 874 classical

 
J. P. E. ハートマン(1805–1900)
 H. C. アンデルセンの詩をもつ6つの小品のノヴェレッテ
 (Novellette i 6 småstykker med digt i 6 vers af H. C. Andersen)(1852)
 「Det er en Højtidsfest(祝いの時だ)」へ長調
 「Se, nu er alt istand(ごらん、準備がすべて整い)」ニ長調
 「Den Sang jo klinger, som en Menuet!(メヌエットのような歌が響いている)」イ短調
 「Ja bamle Minder!(そうだ、古い記憶だ!)」ト長調
 「”Idag er Friday!”(「今日は休日だ!」)イ長調
 「De storme bort!(ひどい嵐だ!)」ホ短調
 幻想的小品(Fantasistykke) ト長調(1871)
 幻想的小品(Fantasistykke) ハ長調(1875)
 アルバムのページ(Albumsblad) へ長調(1871)
 アルバムのページ(Albumsblad) 嬰ハ短調(1854)
 H. C. アンデルセンとカール・アンデルセンの詩をもつ4つのピアノの小品
 (4 klaverstykker med digte af H. C. Andersen og Carl Andersen)(1864)
 「Gudfa’er fortæller(おじいさんの話)」ト長調
 「Vikingefruens Drøm(ヴァイキング女の夢)」ホ短調
 「TYS!」へ長調
 「Juletrøst(クリスマスの慰め)」ホ長調
 シェランのリールダンス(Sjællandsk Reel) ニ長調(1860)
 ハンブルクのショッティーシュ(Hamburger Skotsk) へ長調(1841)
 9つの習作とノヴェレッテ(9 Studier og Novelletter) Op.65
  変ロ長調 ニ短調 イ長調 嬰へ短調 ト長調 イ短調 へ長調
  ホ短調 ハ長調
 夕べの気分(Aftenstemning) ハ長調(1869)
 無言歌「郷愁」(Sang uden Ord “Hjemvee”) 嬰へ短調(1847)
 カンツォネッタ(Canzonetta) ホ長調(1840)
 2つのピアノの小品(2 Klaverstykker)(1866)
  ロ短調 変ホ長調
 冬(Vinteren) ホ短調(1847)
 春に(Om Foråret) イ長調(1847)
  トマス・トロンイェム(ピアノ)
 
[楽器 Piano: Steinway Model D]
 
録音 2019年8月–9月 ホルステブロ音楽学校・音楽大学コンサートホール(ホルステブロ、デンマーク)
録音・マスタリング クラウス・ビューリト
編集 トマス・トロンイェム

 
フィニ・ヘンリケスのピアノ音楽(DACOCD 840)を録音したデンマークのピアニスト、トマス・トロンイェム Thomas Tronhjem(1954–)の新しいアルバム。デンマーク文化の黄金時代を代表する作曲家のひとり、J. P. E. ハートマン J. P. E. Hartmann が、シューマンやグリーグのスタイルで書いた小品と小品集。第1集の32曲はすべて世界初録音です。
 
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)

『みんなどこにいたの?(Where Were Ye All?) ~ ブロンテ姉妹の詩を歌う』
Grappa GRCD 4424 jazz/folk

 
テリエ・ヨハンネセン(曲)
エミリー・ブロンテ、アン・ブロンテ、シャーロット・ブロンテ(詩)
 Budding Rose(芽吹くバラ)
 Where Were Ye All?(みんなどこにいたの?) Passion(情熱)
 She Dried Her Tears(彼女は涙を拭った) 
 The Night Is Darkening(夜は暗くなり) Awaking(目覚め)
 True to Myself(私自身に誠実に) Fall Leaves(落葉) 
 Tell Me(わたしに教えて) *
 Lines Composed in a Wood on a Windy Day(風の吹く日に森で書いた詩)
 Happiest When Most Away(遠くはなれた時がいちばん幸せ)
  バディング・ローズ
   リーネ・ホーントヴェト(ヴォーカル、ツィター、フルート、
    テューバ、グロッケンシュピール)
   テリエ・ヨハンネセン(ギター、クワイアチャイム、トランペット、
    マンドリン、ドブロ、ダルシマー、木琴、他)
  モッテン・クヴェニル(キーボード、エロクトロニクス、ピアノ、
   トイピアノ、ハルモニウム、オルガン、チェンバロ、他)
  ニコライ・ヘングスレ・アイレットセン(ベース、ホンキートンク・ピアノ)
  トマス・デュブダール(ヴォーカル) *
  マッティン・ホーントヴェト(パーカッション、ドラムズ、
   ハーモニーヴォーカル、プログラミング)
  アンドレアス・ミョス(スネアドラム、オムニコード、シンバル)
  オラフ・"クネッテン"・カムフィョルド(アップライト・ベース)
  トーベン・スネッケスタ(サクソフォーン、リードトランペット、
   ブリップブロップ)
  ビョルン・ホルム(ハーモニーヴォーカル)
  オッド・ノールストーガ(ハーモニーヴォーカル)
  ユーナス・アラスカ(ハーモニーヴォーカル)
 
録音 2006年-2011年 ノルウェー、ニューヨーク *
制作 マッティン・ホーントヴェト、モッテン・クヴェニル
録音エンジニア マッティン・ホーントヴェト、テリエ・ヨハンネセン、アンドレアス・ミョス、モッテン・クヴェニル、エヴェン・オルメスタ、トマス・デュプダール *

 
『ジェーン・エア』のシャーロット Charlotte Brontë(1816-1855)、『嵐が丘』のエミリー Emily Brontë(1818-1848)、『ワイルドフェル屋敷の人々』のアン Anne Brontë(1820-1849)。イギリスのヴィクトリア時代を彩った姉妹の詩が美しい歌のアルバムに作られました。
 
女性を中心に今も愛好者の多いブロンテ姉妹の詩を歌集に作ったのは、ノルウェーのトランペッターでギタリスト、テリエ・ヨハンネセン Terje Johannesen です。ヨハンネセンは、『Budding Rose(芽吹くバラ)』から『Happiest When Most Away(遠くはなれた時がいちばん幸せ)』まで11の詩を選び、作曲。パーカッションとプログラミングを担当したマッティン・ホーントヴェト Martin Horntveth とキーボード担当のモッテン・クヴェニル Morten Qvenild が共同で編曲を行い、姉妹の詩を幻想的かつ現実的な作品に作り上げました。ソロ・ヴォーカルのリーネ・ホーントヴェト Line Horntveth は、アルバム『A Livingroom Hush』が BBC の2002年最優秀ジャズアルバムに選ばれたノルウェーの実験的ジャズ・バンド「ジャガ・ジャジスト Jaga Jazzist」のヴォーカリストです。9曲目の《Tell Me(わたしに教えて)》はデュエット曲。トマス・デュブダール Thomas Dybdahl がニューヨークの Hotel Beacon で録音したヴォーカルがリーネのヴォーカルに重ねられています。
 
アルバムのライナーノーツは、BBC のブロードキャスター、フィオナ・トーキントン Fiona Talkington が担当しました。彼女はブロンテ姉妹の作品に特別な思いをもっていて、その詩が歌になったことを知っても、それほど期待していなかったと言います。ところが、バディング・ローズの音楽を聴くや、「子供のころから愛してきた作家たちとその言葉が、私の前に新しい姿で現れた」と、一転、賛辞を呈しています。このアルバムは、ヨハンネセンの「小さな芽吹いたバラ」、娘マリアの思い出に捧げられました。
 
価格 2,750円(税込価格)(本体価格 2,500円)

『ペガサス(Pegasus)』
Prophone PCD121 jazz

 
『ペガサス(Pegasus)』
 Pegasus(ペガサス)(Ale Möller)
 Lanterna(ランタン)(Ale Möller)
 Refug(避難所)(Ale Möller)
 Clarino(クラリーノ)(Ale Möller)
 Crossroads(十字路)(Ale Möller)
 Höstjägaren(秋の狩人)(Ale Möller)
 Poste restante: Kaval(局留め: カヴァル)(Ale Möller)
 Razp Vindskugga(風の影)(Ale Möller)
  ブーヒュースレーン・ビッグバンド
  アーレ・モッレル(クラリーノ、フルート、カヴァル、リュート、他)

 
スウェーデンのミュージシャン、アーレ・モッレル Ale Möller は、さまざまな楽器を演奏し、新しい音楽を求めて世界中を旅してまわることから「探検家」とも呼ばれます。ジャンルを超えて音楽を楽しみたいという彼の願いのひとつ、ジャズオーケストラとのコラボレーションが実現しました。共演するのは、スウェーデンを代表するビッグバンドに挙げられるブーヒュースレーン・ビッグバンド Bohuslän Big Band。ブーヒュースレーン地方に根ざした演奏活動と、スウェーデン音楽情報センターの Phono Suecia レーベルがリリースしたラーシュ・ヤンソンの作品集『The Blue Pearl(青い真珠)』(PSCD 97)やギル・エヴァンズが編曲したガーシュウィンの《ポーギーとベス》を演奏した2002年のコンサートのライヴ録音(Vara Konserthus BBB 20091)などのCD録音で知られます。
 
タイトル曲の《Pegasus》は、”Hymn & Walking Tune"、"Shuffle & Waltz"、"Polska Dance" の3パートから構成。モッレルのクラリーノ、マッツ・オーベリ Mats Öberg のハーモニカ、ウーヴェ・インゲマション Ove Ingemarsson のリコーダー、ニクラス・リュード Niclas Rydh のトロンボーン、ユーハン・ボリストレム Johan Borgström のアルトサックス、サミュエル・オルソン Samuel Olsson のトランペットのソロがフィーチャーされた作品です。アルバムの全9曲をアーレ・モッレルが作曲。モーレル、ハンス・エーク Hans Ek とトロンボーン奏者のクリステル・オーロフソン Christer Olofsson が編曲を担当しました。
 
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)

『The Goldilocks Zone(ゴルディロックスゾーン)』
Losen Records LOS 134-2 jazz

 
『The Goldilocks Zone(ゴルディロックスゾーン)』
 Nardissism(Konkova/Mathisen/Husband)
 Moscow Tears(Konkova) The Goldilocks Zone Suites(Konkova) 
 Forgotten Future(Konkova) Casa de Che(Konkova)
 Matangi(Konkova)
  オルガ・コンコヴァ・トリオ
   オルガ・コンコヴァ(ピアノ、フェンダーローズ)
   ペール・マティセン(ベース)
   ガリー・ハズバンド(ドラムズ、パーカッション)
 
録音 2015年2月 Studio Barxeta(スペイン)
制作 オルガ・コンコヴァ、ペール・マティセン、ゲーリー・ハズバンド
録音エンジニア ダニ・カステラル、シェティル・オーヴェ・グリムスタ(Nardissism)

 
オルガ・コンコヴァ Olga Konkova はモスクワ生まれのピアニスト。ノルウェーのジャズシーンを中心に活躍し、スウェーデン Caprice Records の「即興」シリーズ第4作『Improvisational Four』(CAP 21799)に起用され、ジョニ・ミッチェルの歌を素材にした、クラシック音楽の素養とセンスを活かした即興演奏が注目を集めました。ヴォーカルとパーカッションを加えた『My Voice』(LOS 102-2)、ベヒシュタイン・ピアノを弾いたソロアルバム『Return Journey』(LOS 106-2)につづく Losen Records の第3作は、ふたりの「husband」が彼女のピアノを囲んだトリオの演奏です。
 
実生活の「ご主人」は、アレックス・アクーニャやテリ・リン・キャリントンたちとのコラボレーションで知られる、ノルウェーのベーシスト、ペール・マティセン Per Mathisen。もうひとりの「ハズバンド」は、アラン・ホールズワースのバンドで演奏、ジョン・マクラフリンの The 4th Dimension でキーボードを担当する、ジャンルを超えた活動で知られるイギリスのパーカッション奏者、ガリー(ゲーリー)・ハズバンド Gary Husband です。
 
『ゴルディロックスゾーン』のアルバムタイトルは、「ハビタブルゾーン」とも呼ばれる、生命体が生まれ育つことのできる宇宙の領域を、「芸術」を生む、「人の心の内にある、美しい思考の生まれ育つ場所」の暗喩として、つけられました。三人の音楽家たちの「美しい思考」のコラボレーション。アルバム最初の《Nardissism》は三人が共作し、プログラムのメインとなる、〈The Pillars of Creation(創造の柱)〉〈Havvil〉〈The Retina Nebula(IC4406)〉〈People of Bwiti(ブウィティの民族)〉〈The Goldilocks Zone(ゴルディロックスゾーン)〉〈Kepler 22B(ケプラー22B)〉の6曲で構成される《ゴルディロックスゾーン組曲》をはじめとする曲はコンコヴァが作曲しました。
 
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)

『Sounds of 3』
Losen Records LOS 147-2 jazz

 
『Sounds of 3』
 The C Sharp Man(Per Mathisen) Rabbagast II(Per Mathisen) 
 Maestro H. Sunde(Per Mathisen)
 Kick A♭ Shuffle(Per Mathisen)
 Pavane(パヴァーヌ)(Gabriel Faure)
   Skumringstimen(黄昏のとき)(Per Mathisen)
 Rumbamania(Per Mathisen)
 Travelin’ Man(Per Mathisen/Nils Mathisen)
  ペール・マティセン(エレクトリックベース、アコースティックベース)
  フローデ・アルネス(ギター)
  ヒラルド・ピロート(ドラム、パーカッション)
 
録音 2015年10月 Studio Barxela(スペイン)
制作 ペール・マティセン
録音エンジニア ダニ・カステラル

 
ノルウェーのジャズ・ベーシスト。ペール・マティセン Per Mathisen(1969–)は、テリ・リン・キャリントン、ジェリ・アレン、ゲーリー・トマスをはじめとするアメリカのミュージシャンやノルウェーのテリエ・リプダールたちとのコラボレーションで知られ、親しみをこめて「ノルウェーのベース・ヴァイキング」と呼ばれます。夫人のオルガ・コンコヴァと共演した『My Voice』(LOS 102-2)、ガリー(ゲーリー)・ハズバンドが加わったトリオによる『The Goldilocks Zone』(LOS 134-2)などを録音した Losen Records の新作。ノルウェーのロックバンド「Dance with a Stranger」のリーダー、伝説的とまで言われるジャズ・ギタリストのフローデ・アルネス Frode Alnæs(1959–)と、国際的にも知られるキューバのバンド「クリマックス(Klimax)」を率いるドラマーで作曲家のヒラルド・ピロート Girald Piloto がスペインの Studio Barxela に集まってて展開した『Sounds of 3』。「ボルテージの高い『ロッキンジャズ』から、広がる音の描く音楽景色まで……ファンク、ロック、ブルース、ラテン、ポップ、フリーバッグ、クラシカル音楽、中東の香りが、手を取り合い、ジャンルの特定できない音楽にに溶け合っていく…」。作曲家としても忙しいマティセンの作ったオリジナル曲と、フランスのフォーレの《パヴァーヌ》が「グルーヴィな」即興を加えて演奏されます。
 
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)

『Sounds of 3 Edition 2』
Losen Records LOS 213-2 jazz

 
『Sounds of 3 Edition 2』
 The Blues Boy(Per Mathisen) One of a Kind(Ulf Wakenius)
 16 Knödeln(Per Mathisen) The Spin(Per Mathisen)
 Lines for Oscar(Ulf Wakenius) 
 Wrapped Around Your Finger(Sting)
 Invasion(Per Mathisen) What Might Have Been(Mike Stern)
 Alphabet Soup(Gary Husband)
  ペール・マティセン(エレクトリックベース、アコースティックベース)
  ウルフ・ヴァケーニウス(ギター)
  ガリー・ハズバンド(ドラム)
 
録音 2019年1月28日、29日 プロペラ・スタジオ(Propeller Studio)(オスロ)
制作 ペール・マティセン
録音エンジニア ハンス・アンドレーアス・ホルントヴェト・ヤーンセン

 
ノルウェーのベーシスト、ペール・マティセン Per Mathisen(1969–)は、2016年、ノルウェーのギタリスト、フローデ・アルネスとキューバのドラマー、ヒラルド・ピロートの共演した『Sounds of 3』(LOS 147-2)をリリース。冒険心の絶えない、力強く緊迫感のある音楽が好評を得ました。「3人の音」の第2作。セッションに参加したのは、スウェーデンのギタリスト、ウルフ・ヴァケーニウスと、イギリスのドラマー、ガリー(ゲーリー)・ハズバンド。「ワクワクするし、誇らしい」とマティセンが共演を喜ぶプレーヤーたちです。
 
ウルフ・ヴァケーニウス(ワケニウス) Ulf Wakenius(1958–)は、オスカー・ピーターソンの最後のカルテットのプレーヤーとして知られ、レイ・ブラウン・トリオにも参加。自身のバンドを主宰し、スヴェン・アスムセンからイーロ・ランタラまで新旧のプレーヤーたちと共演、スウェーデンを代表するプレーヤーとして活動を続けています。ドラマー、ピアニスト、バンドリーダー、作曲家、アレンジャー、プロデューサーとして活動するハズバンド Gary Husband(1960–)は、ジョン・マクラフリンやビリー・コブハムをはじめとするミュージシャンたちと共演。オルガ・コンコヴァとペール・マティセン夫妻の「オルガ・コンコヴァ・トリオ」の『The Goldilocks Zone』(LOS 134-3)のセッションに参加していました。
 
『Sounds of 3 Edition 2』で演奏されるのは、マティセン、ヴァケーニウス、ハズバンドのオリジナル曲、スティングが「ポリス」として活動した時代の「ポップ・クラシック」《Wrapped Around Your Finger》とマイク・スターンのバラード《What Might Have Been》。「ボルテージの高いジャズ=ロック、チェンバー・ジャズの即興、アップテンポのスウィング、バラード、ブルース、変拍子ジャズ……」。「それぞれの音をもつ3人」がオスロのスタジオに集まり、コンテンポラリー・ミュージックの録音も手がけるホルントヴェト・ヤーンセン Hans Andreas Horntveth Jahnsen のエンジニアリングで2日間のセッションを行いました。
 
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)

『ルードヴィーグ・イルゲンス=イェンセン』
cpo 777 347–2 2CD’s classical

 
ルードヴィーグ・イルゲンス=イェンセン(1894–1969) 管弦楽作品集
[Disc 1]
 主題と変奏(Tema con variazioni)(1925 rev.1934/49)
 パルティータ・シンフォニカ(Partita Sinfonica)(1937 rev.1939)
 アリア(Air)(1920 rev.1959)
 劇音楽《ボードゥアン王の腕輪(Kong Baldvines Armring)》 組曲(1935/1939)
[Disc 2]
 交響曲 ニ短調(Sinfonia in re)(1940-42)
 ロンド・マルツィアーレ(Rondo marziale)(1941)
 パッサカリア(Passacaglia)(1927-28 rev.1934/52)
  トロンハイム交響楽団 アイヴィン・オードラン(指揮)
 
録音 2009年8月 オラヴホール(トロンハイム、ノルウェー)
制作・バランスエンジニア シュテファン・レー

 
イルゲンス=イェンセン Ludvig Irgens–Jensen(1894–1969)は、ノルウェーがドイツ軍の占領から解放された1945年、亡命から帰国したオラヴ皇太子のためオスロの王宮前広場で8000人の合唱団と3000人の男声合唱団が歌った《国王へ》を書き、聖オラヴ没後900年の1930年には「聖オラヴのオラトリオ」劇的交響曲《帰郷(Heimferd)》を作曲しました。伝統的な作風のため、ノルウェーの音楽がモダニズムの流れにあった1960年代から1970年代には軽視されていたものの、その後、2つの世界大戦の間の音楽に再び光を当てる動きが起こると、彼の作品もふたたび注目され、演奏や録音も行われるようになりました。
 
トロンハイム交響楽団と2004年から2010年にかけて首席指揮者とアーティスティック・リーダーを務めたアイヴィン・オードラン Eivind Aadland によるこのアルバムでは、イルゲンス=イェンセンが管弦楽のために書いた代表的作品が演奏されます。
 
北欧伝承の賛美歌に沿った主題をマックス・レーガーのスタイルで変奏した《主題と変奏》。劇音楽《家畜商人》による交響的組曲《パルティータ・シンフォニカ》。歌曲集《日本の春(Japanischer Frühling)》の〈ひとりの友に(An einen Freund)〉を管弦楽曲に作った《アリア》。パレスチナに赴いた十字軍の王シーグルと出会ったエルサレム王ボードゥアン Baudouin(Baldvine)(c.1065–1118 在位 1100–1118)を題材にしたる劇の付随音楽による組曲。
 
《交響曲 ニ短調》は、ナチス・ドイツ軍占領下の暗い気分と作者の信念を反映した3楽章の作品として作曲され、解放後の1945年に初演されました。その後、「アレグロ」と「アンダンテ」の2楽章の作品に変更され、終楽章が《ロンド・マルツィアーレ》の名で単独の作品とされました。《パッサカリア》は、1928年にイギリスのコロムビア蓄音機が主宰した作曲コンペティションで第2位に選ばれた作品です。
 
指揮者のアイヴィン・オードラン Eivind Aadland(1956–)はシベリウス・アカデミーのヨルマ・パヌラに学んだひとり。ヴァイオリニストとしてベルゲン・フィルハーモニック管弦楽団のコンサートマスターを務め、ノルウェーとヨーロッパ各地のオーケストラを客演指揮しています。イメージした音楽を音にする優れた技術をもち、ノルウェー軍音楽隊を指揮したグレインジャー、シュミット、ホルストのウィンドオーケストラ作品集(Simax PSC 1208)は、吹奏楽というジャンルを越え広く愛されている、グリーグの管弦楽曲全集(audite)とならぶ彼の代表的ディスクです。
 
価格 5,500円(税込価格)(本体価格 5,000円)

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