ウェブサイトで過去に紹介した北欧と北欧以外のディスクからピックアップして掲載するページです。

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『クリスチャン四世の宮廷の宗教音楽(Sacred Music from the Court of Christian IV)』
Kontrapunkt 32100 early music 

 
作者不詳
 In laudem Regii fontis(王の噴水を讃えて)(クロンボー城のモテット第1番)
 5声のミサ曲(Missa a 5)
ジョン・ダウランド(1563-1623)
 力強き神よ(Thou mighty God)
モーウンス・ペーザセン(c.1585-1623)
 『魂の牧場(Pratum Spirituale)』から
  5声のミサ曲(Missa quinque vocum)
  天にまします父よ(Fader vor udi himmerig)
  今われらは聖霊に祈りを捧げる(Nu bede vi den helligaand)
  主を讃えよう(Jeg vil mig Herren love)
  モテット「目をあげて、あなたを仰ぎます(Ad te levavi oculos meos)」
  アルス・ノーヴァ ボー・ホルテン(指揮)
 
録音 1991年 カステレット要塞教会(コペンハーゲン)

 
「アルス・ノーヴァ Ars Nova」は、1979年、ボー・ホルテン Bo Holten(1948–)によってコペンハーゲンに創設されたヴォーカル・グループ。ピエール・ド・ラ・リューの《レクイエム》とジアチェス・デ・ヴェルトの「モテット」(32001)、トマス・タリスの宗教作品(32003)、ド・ラ・リューの《武器をもつ男》とニコラ・ゴンベールの「モテット」(32008)、ゴンベールの宗教作品(32038)、ジョスカン・デプレの《祝福されしおとめのミサ》と「モテット」(32110)といったアルバムがデンマークの Kontrapunkt レーベルからリリースされました。
 
『クリスチャン四世の宮廷の宗教音楽』は、1991年に録音されたアルバムです。デンマーク音楽史にとって重要な時代のひとつ、国民的英雄でもあるクリスチャン四世が在位した1588年から1648年までの時代を中心に宮廷と教会で演奏された宗教曲の代表的作品が収められています。作者不詳の《In laudem Regii fontis(王の噴水を讃えて)》は、1583年、クリスチャンの父、フレゼリク二世により再建中だったクロンボー城の前庭に王の噴水が作られたことを祝って書かれたモテットのひとつです。コペンハーゲンの王立図書館の「1590年」のコレクションに収められている作者不詳の《5声のミサ曲》は、「Christianus 4. Rex」と書かれ、べルギーのブリュージュからデンマークに渡り王宮楽団のリーダーを務めたグレゴリウス・トレウー Gregorius Trehou(c.1550–c.1619)が若い国王のために書いた可能性があるといわれています。ダウランドは、1596年から1606年までクリスチャン四世に仕え、デンマークの音楽に大きな影響を与えました。このアルバムでは、1612年出版の『A Pilgrim’s Solace(巡礼の慰め)』に収められた3声のための《強き神よ》が演奏されます。
 
モーウンス・ペーザセン Mogens Pedersøn(c.1585-1623)は、ヴェネツィアのジョヴァンニ・ガブリエーリとイギリスで学び、1618年から没する1623年まで、国王の楽団で副楽士長を務めました。クリスチャン四世の宮廷きっての国際人と言われ、デンマーク音楽の発展に大きく貢献しました。ペーザセンの代表作『魂の牧場』は、彼が王の名代として教会のための書いた音楽を集め、1620年に出版されました。《5声のミサ曲》、《天にまします父よ》をはじめとするデンマーク語のテクストによるルター派の賛美歌、ラテン語のレスポンソリウム、「目をあげて、あなたを仰ぎます」など3曲のモテットを収録。信じられない額の金を美術と音楽につぎこんだというクリスチャン四世の宮廷にいたら……。時を超えた「音」を楽しむアルバムです。
 
価格 2,750円(税込価格)(本体価格 2,500円) 

『ディートリク・ブクステフーデ』
Kontrapunkt 32069 early music/classical  

 
ディートリク・ブクステフーデ(c.1637–1707) チェンバロの音楽
 組曲 ハ長調 BuxWV.230 組曲 ホ短調 BuxWV.235
 前奏曲 ト短調 BuxWV.163 組曲 ト短調 BuxWV.241
 組曲 イ長調 BuxWV.243
 リュリのアリア『ロフィリス(Rofilis)』による変奏曲 Bux.WV248
 アリア『ラ・カプリッチョーザ(La capricciosa)』による32の変奏曲
  BuxWV250
  ラース・ウルリク・モーテンセン(チェンバロ)
 
録音 1991年2月 フレゼリクスデール城(ヴィーロム、デンマーク)
制作 ラース・ウルリク・モーテンセン
録音 フィン・カウフマナス

 
ブクステフーデ Dietrich Buxtehude の家族は、当時デンマーク領だったホルステン(ホルスタイン)の出身。ディートリクが生まれたのは、デンマーク王国の支配下にあったスウェーデンのヘルシングボリとされています。父ヨハネスが聖オーライ教会のオルガニストを務めていたヘルシングウーアで幼少時代を過ごした後、コペンハーゲンでヨハン・ローランス(ロレンツ)に学び、ハンブルクのハインリヒ・シャイデマンとマッティアス・ヴェクマンに師事したとも言われます。1958年にヘルシングボリの聖マリア教会のオルガニストに就任。ヘルシングウーアのオルガニストだった1660年から1668年の間に神聖協奏曲《わがために正義の門を開け(Aperite mihi portas justitiae)》(BuxWV.7)など初期の重要な作品を作曲しています。1668年、リューベックの聖マリア教会のオルガニストと教会の業務を担当するヴェルクマイスターに任命され、1707年に没するまでこの教会に仕えました。オルガン曲、室内楽作品、声楽作品とともにブクステフーデの重要なジャンルのひとつ、チェンバロのための作品は、18の組曲と6曲の変奏曲が残されています。「コンチェルト・コペンハーゲン(CoCo)」の芸術監督を務め、J・S・バッハのチェンバロ協奏曲(cpo)を録音したラース・ウルリク・モーテンセン Lars Ulrik Mortensen(1955–)のブクステフーデの作品集は、1989年から1900年にかけてロンドン・バロックのチェンバロ奏者を務めた後、1991年の録音です。
 
価格 2,750円(税込価格)(本体価格 2,500円) 

『黄金の音符(Note d'oro)』
BIS SACD 2462 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) early music

 
ヤン・アントニーン・ロジー(c.1650–1721)
 組曲 イ短調
  前奏曲 アルマンド クラント/ドゥブル アリア ガヴォット カプリース
 組曲 へ長調
  序曲 アルマンド クラント サラバンド メヌエット ジグ
 組曲 ト長調
  アルマンド クラント/ドゥブル アリア メヌエット I & II ジグ
 組曲 ニ短調
  前奏曲 アルマンド クラント サラバンド ジグ ブレー メヌエット
  ジグ
 組曲 ト短調
  ガヴォット クラント サラバンド メヌエット ロンドー
 メヌエット ハ長調
 組曲 変ロ長調
  アルマンド クラント サラバンド ジグ
 シャコンヌ へ長調
  ヤコブ・リンドベリ(リュート)
 
[楽器 Sixtus Rauwolf, Augsburg C.1590]
  
録音 2018年9月 レンナ教会(ノルテリエ、スウェーデン)
制作 ユーハン・リンドベリ
録音 マッティアス・スピツバルト

 
スウェーデンのリュート奏者、ヤコブ・リンドベリ Jakob Lindberg は、ルネサンスとバロックを中心とするリュート音楽の分野で今日、もっとも幅広いレパートリーをもち、深い知性に支えられた情感豊かな音楽が高い評価を獲得、人気を集めてきました。ブリテンの《ジョン・ダウランドによる夜の曲》をリュートで演奏した『夜の曲 - ダウランドからブリテンまで』(BIS SA 2082)につづくアルバム。「ロジー伯爵」として知られるヤン・アントニーン・ロジーの作品から4つの組曲、《メヌエット》《シャコンヌ》が演奏されます。「ロージンタール伯爵」ヤン・アントニーン・ロジー Jan Antonín Losy(c.1650–1721)(ヨハン・アントン・ロジー・フォン・ロージンタール)は、ボヘミアの貴族の家に生まれました。幼少のころアカツィウス・カジミル・ヒュルゼからリュートを教わり、興味が芽生えたと言われます。プラハのシャルル・フェルディナント大学で哲学を専攻。博士号を取得した後、ヨーロッパを旅して回りました。ロジーは、フランスとイタリアのリュート音楽を研究、ボヘミアでもっとも優れたリュート奏者、作曲家として名を馳せました。彼はドイツのリュート奏者ヴァイスにも影響を与えたと言われます。1721年にロジーがプラハで亡くなった後、ヴァイスは《ロジー伯爵の死を悼むトンボー》を書き、彼を追悼しています。リンドベリが『ヴァイス - リュート音楽 第2集』(BIS-1534)で演奏した作品です。ロジーは主に、舞曲による「組曲」を作曲。フランスの「自由奔放な様式(Style brisé)」とイタリアの「カンタービレ」のスタイルを結合した、膨大で創造性の高い作品の手稿譜が、チェコをはじめとする各国のアーカイヴで保存されています。2018年9月、ノルテリエのレンナ教会での録音。リンドベリは、バロック期ドイツとフランスの音楽を演奏した『シクストゥス・ラウヴォルフのリュート』(BIS SA 2265)と同じ、1590年頃にアウグスブルクで製作された7コースあるいは8コースの楽器を弾いています。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『いまだ残る美しいもの(The Beauty That Still Remains)』
2L 2L 157 SABD Pure Audio Blu-ray + SACD hybrid(5.0 surround/stereo) contemporary/classical 

 
マルクス・パウス(1979–)
 いまだ残る美しいもの(The Beauty That Still Remains)(2015)
 (『アンネ・フランクの日記』による)*
  プロローグ:親愛なるキティ(Prologue: Dearest Kitty)
  世界は一変した I(The World Transformed I)
  カデンツァ I(Cadenza I) 虚しい日々(Empty Days)
  カデンツァ II(Cadenza II)
  砲火のイライラへの処方箋(Prescription for Gunfire Jitters)
  アンネのポートレート(A Portrait of Anne)
  恋の予感(Intimations of Love) カデンツァ III(Cadenza III)
  世界は一変した II(The World Transformed II)
  エピローグ:いまだ残る美しいもの
  (Epilogue: The Beauty That Still Remains)
マヤ・S・K・ラトシェ(1973–)
 アシロス(Asylos)(2013)
 (オースネ・リンネストー、シモーヌ・ヴェイユによる)**
  すべての人は(Et hvert menneske) 人の柱(Menneskesøyle)
  避難所 - 愛は心の眼(Ly - Kjærlgheten er sjelens blikk)
  見かけだおし(Ista est speciosa) Stolleken
  祈り(Bønn) むずかしい理解(Den vanskelige forståelsen)
  熊は眠っている?(Sover bjørnen?) 輪 - 後光(Ring - Aureola)
  幼少期のまま(Like fra den tidlige barndom)
  ノルウェー少女合唱団 アンネ・カーリン・スンダール=アスク(指揮)
  フローデ・ハルトリ(アコーディオン)*
  ノラ・アレクサンドラ・リンデマン・カトラ(ソプラノ)*/**
  マリアンネ・ベアーテ・シェラン(メゾソプラノ)**
  アマーリ・アイケネス・ランデン(ソプラノ)**
  セルマ・アウレリア・ホルト(ソプラノ)**
  スコラ・サンクテ・スンニヴェ **
  アンネ・クライヴセット(グレゴリオ指揮)**
 
録音 2018年4月、2019年3月 ウラニエンボルグ教会(オスロ)
制作・バランスエンジニアリング モッテン・リンドベルグ
録音技術 ビアトリス・ヨハンネセン *
 
[DXD(24bit/352.8kHz)録音]
[Blu-ray: 5.0 DTS-HD MA(24bit/192kHz), 7.0.4. Dolby Atmos(48kHz), 2.0 LPCM (24bit/192kHz),  7.0.4. Auro-3D(96kHz), mShuttle: MQA + MP3 Region ABC]
[SACD hybrid(5.0 surround DSD/2.0 stereo DSD)/CD 2.0 stereo(16bit/44.1kHz)/MQA-CD]

 
『人々の心の調べ(Folketoner)』(2L 144 SACD)を録音したノルウェー少女合唱団 Det Norske Jentekor と指揮者スンダール=アスク Anne Karin Sundal-Ask(1973–)の新作アルバム。ノルウェーの作曲家による「人間の尊厳は不可侵」をテーマとする2つの作品を演奏しています。《いまだ残る美しいもの(The Beauty That Still Remains)》は、イェーツの詩による《さらわれた子供(The Stolen Child)》(2L 76 SABD)で知られるマルクス・パウス Marcus Paus が、ノルウェー少女合唱団の委嘱を受け、『アンネ・フランクの日記』をテクストに作曲した作品です。この作品にはアコーディオンも使われ、アンネ・フランクの日記の醸す親しさと内面の思いを表す役割を担っています。第二次世界大戦が終わりヨーロッパが占領から解放された1945年から70年の2015年に作曲、初演されました。
 
《アシロス(Asylos)》を作曲したマヤ・ソールヴェイ・シェルストルプ・ラトシェ Maja Solveig Kjelsrup Markje は、作曲家、歌手、キーボード奏者、ヴァイオリニスト、作曲家と多彩な活動を続け、彼女を中心にした『そして歌う…(And sing…)』(2L 124 SABD)を 2L レーベルからリリースしています。「害されない」「神聖不可侵」を意味するギリシア語のタイトルとする《アシロス》は、ノルウェーの作家オースネ・リンネストー Aasne Linnestå(1963–)とのコラボレーションで作曲。フランスの哲学者シモーヌ・ヴェイユ Simone Weil(1909–1943)の著作からもテクストがとられました。トロンハイムの音楽祭「オラヴ祝祭日(Olavfestdagene)」が、ノルウェー少女合唱団、スコラ・サンクテ・スンニヴェ、マリアンネ・ベアーテ・シェラン Marianne Beate Kielland のため委嘱。ノルウェーの女性参政権獲得の100年を記念する2013年の音楽祭で初演された後、さまざまな機会に演奏されています。「グレゴリオ聖歌」の部分を歌うスコラ・サンクテ・スンニヴェ Schola Sanctae Sunnivae は、『聖母マリアの生誕(In Nativitate Beatae Mariae Virginis)』(2L 69 SACD)と『指の黄金(Fingergull)』(2L 114 SACD)を録音したトロンハイムの女声ヴォーカルアンサンブルです。
 
価格 4,675円(税込価格)(本体価格 4,250円)
 

Pure Audio Blu-ray ディスクと SACD ハイブリッドディスクをセットにしたアルバムです。Pure Audio Blu–ray ディスクにはインデックスを除き映像は収録されていません。SACD ハイブリッドディスクはSACDブレーヤーとCDプレーヤーで再生できますが、Pure Audio Blu-ray ディスクはCDやDVDのプレーヤーでは再生できないので、Blu–ray プレーヤーもしくは Blu–ray 対応のPCをお使いください。SACD ディスクの CD 層は MQA-CD 仕様になっており、MQA デコーダーを搭載した機器を使用すればハイレゾ・スペックの音を聴くことができます。

『歓喜(Fryd)』
2L 2L 158 SABD Pure Audio Blu–ray+SACD hybrid (5.1 surround/stereo) traditional/contemporary/classical 

 
テレマルク民謡(アイヴィン・グローヴェン(1901–1977)による)
 愛らしいこのクリスマスの時に(I denne søde juletid)
ラーシュ・ソロース(1887–1976)(ハンネ・ベーヴェルフィヨルド 編曲)
 静かな村は光に輝き(Det lyser i stille grender)
ヴク民謡(トリュグヴェ・ブロスケ(1973–)編曲)
 この地上に大いなる喜びを(På jorden fryd og glede)
フランツ・グルーバー(1787–1863)(オッド・ヨハン・オーヴェロイ(1961–)編曲)
 聖しこの夜(Glade jul)
フランク・ハーヴロイ(1969–)
 サンクタ・マリア(Sankta Maria)
フランク・ハーヴロイ(1969–)
 おやすみ坊や(Sov, sov liten gut)
トリュグヴェ・ブロスケ(1973–)
 クリスマスの宵(Julekveld)
キム・アンドレ・アルネセン(1980–)
 めでたし天の后(Ave Regina Caelorum)
ヤコブ・ゲアハード・マイデル(1778–1857)
 なんと美しい青空(Dejlig er den himmel blå)
スルナダール民謡(トリュグヴェ・ブロスケ(1973–)編曲)
 さあ鐘よ鳴れ(Kling no klokka)
ユンニ・ブークサスプ(1972–)(トリュグヴェ・ブロスケ(1973–)編曲)
 さあ、すべての鐘よ鳴れ(No kime' alle klokkun')
スウェーデン民謡(イードゥン・ヴィンスポル 編曲)
 幸せを運ぶクリスマスよ(O jul med din glede)
オーラ・ヤイロ(1978–)
 北極光(Northern Lights)
マックス・レーガー(1873–1916)(トリュグヴェ・ブロスケ(1973–)編曲)
 マリアの子守歌(Marias voggesong)
  カントゥス
  トーヴェ・ラムロ=ユースタ(指揮)
  ユンニ・ブークサスプ(ヴォーカル、ツィター)
  トリュグヴェ・ブロスケ(アップライト・ピアノ、オルガン、ハルモニウム)
  ベンディク・ルンド・ホーンスフース(シターン、ギター)
  マグネ・ヴェストルム(ベース)
 
録音 2018年1月、2019年1月、5月 ラーデモーエン教会(トロンハイム、ノルウェー)
制作・バランスエンジニアリング モッテン・リンドベルグ
 
[DXD(24bit/352.8kHz)録音]
[Blu-ray: 5.1 DTS-HD MA(24bit/192kHz), 7.1.4. Auro-3D(96kHz), 7.1.4. Dolby Atmos(48kHz), 2.0 LPCM (24bit/192kHz), mShuttle: MQA + FLAC + MP3 Region ABC]
[SACD hybrid(5.1 surround DSD/2.0 stereo DSD), MQA CD]

 
長く暗い夜のつづく冬、北の国が一日だけ光にあふれるクリスマス。子供たちが待ちわびるこの季節に向けてノルウェーの家々では母親が、いろんな準備に追われます。ディズニーの映画『アナと雪の女王』のオープニングの《ヴェリィ》を歌った女声合唱団「カントゥス」(Cantus)は、そうした「ノルウェーの母」とベツレヘムの馬小屋に生まれた「神の子の母」マリアに捧げる「ノルウェーのクリスマス」アルバムを作りました。歌われるのは、テレマルク、ヴェルダールのヴク、スルナダールの民謡、現代ノルウェーのフランク・ハーヴロイ Frank Havrøy の《サンクタ・マリア》と《おやすみ坊や》、キム・アンドレ・アルネセン Kim André Arnesen の《めでたし天の后》、オーラ・ヤイロ Ola Gjeilo の《北極光》。グルーバーの《聖しこの夜》はインゲマン B. S. Ingemann の詩、スェーデン民謡の《幸せを運ぶクリスマスよ》とレーガーの《マリアの子守歌》はノルウェー語の歌詞で歌われます。このプロジェクトには、フォークシンガーのユンニ・ブークサスプ Unni Boksasp とトロンハイムの作曲家トリュグヴェ・ブロスケ Trygve Brøske が参加。古くから伝わりながらあまり知られていない民謡に手を加えるとともに、カントゥスのための新しい曲を作りました。1986年の創設時からカントゥスを指導してきたトーヴェ・ラムロ=ユースタ Tove Ramlo-Ystad の指揮。アカペラの曲の他、いくつかの曲ではブークサスプのヴォーカルとツィター、ブロスケのキーボード楽器、ベンディク・ルンド・ホーンスフース Bendik Lund Haanshus のシターンとギター、マグネ・ヴェストルム Magne Vestrum のベースが加わります。トロンハイムのラーデモーエン教会 Lademoen kirke で録音が行われ、「イマーシブオーディオ」のパイオニアのひとり、モッテン・リンドベルグ Morten Lindberg がプロデュースとエンジニアリングを担当しました。
 
価格 4,675円(税込価格)(本体価格 4,250円)
 

Audio Blu-ray ディスクと SACD ハイブリッドディスクをセットにしたアルバムです。Pure Audio Blu–ray ディスクにはインデックスを除き映像は収録されていません。SACD ハイブリッドディスクはSACDブレーヤーとCDプレーヤーで再生できますが、Pure Audio Blu-ray ディスクはCDやDVDのプレーヤーでは再生できないので、Blu–ray プレーヤーもしくは Blu–ray 対応のPCをお使いください。

『エミール・ハートマンの室内楽』
Dacapo 8.226183 classical  

 
エミール・ハートマン(1836–1898)
 ピアノ五重奏曲 ト短調(1865)
 弦楽四重奏曲 イ短調 Op.14(c.1872–75)
 弦楽四重奏曲 ハ短調 Op.37
 アンダンテとアレグロ イ短調 Op.12(ヴァイオリンとピアノのための)*
  エリサベト・ソイテン・スナイダー(ヴァイオリン)*
  ニコラ・デュポン(ヴァイオリン)
  トニー・ナイス(ヴィオラ)
  ユストゥス・グリム(チェロ)
  ダニエル・ブルーメンタール(ピアノ)*
  
録音 2018年12月3日–8日 クシシュトフ・ペンデレツキ・ヨーロッパ音楽センター(ルスワビツェ、ポーランド)
制作・録音 ヴィゴ・マンゴ

 
エミール・ハートマン Emil Hartmann は、1836年、コペンハーゲンの音楽家の家系に生まれました。ドイツから移住した曽祖父ヨーハン・エルンストは作曲家、ヴァイオリニスト、祖父アウゴスト・ヴィルヘルムは、ヴァイオリニスト、オルガニストとして活動。父のヨハン・ペーター・エミーリウス(J・P・E)は、作曲家、オルガニストとして、クーラウ、ニルス・W・ゲーゼ、ヴァイセたちとともに「デンマーク文化の黄金時代」を彩った音楽家としてデンマーク音楽の歴史に名を刻んでいます。エミールは、父の下で学び、1858年、《受難の賛美歌(Passionssalme)》が聖母教会で演奏され、作曲家としてデビューしました。翌年、第2幕の音楽をアウゴスト・ヴィンディングと共作したブルノンヴィルのバレエ《山小屋》の初演の後、ライプツィヒに留学。パリに渡り、1861年、聖ヨハネ教会のオルガニストに就くため帰国しました。管弦楽、室内楽曲、声楽曲、オルガン曲、劇場のための音楽、声楽曲と広いジャンルに作曲、グルンドヴィのテクストに作曲した復活祭の賛美歌《茜色の春の太陽のように》は人気を集め、今も広く歌われています。エミールの音楽は、Danacord レーベルの『父と子の作曲家 第1集』(DACOCD 508)で《ヘルゲランの戦士たち》序曲、代表作のひとつ交響詩《ヘーコン・ヤール》、チェロ協奏曲の3作が父ハートマンの作品とともに紹介され、《ヘーコン・ヤール》を含む管弦楽作品(8.226041)、ヴァイオリン協奏曲など3つの協奏曲(6.220511)、カトリーネ・ペネロプの弾くピアノ作品全曲録音(Danacord DACOCD 744–745)、歌曲集(DACOCD 712–713)などのアルバムが制作されました。
 
Dacapo レーベル制作の室内楽アルバムには、ロマンティックな音楽に対する彼の天賦の才能が発揮された4つの作品が収められています。チェロの短いレチタティーヴォに始まる《ピアノ五重奏曲》。人好きのする、優しい《弦楽四重奏曲 イ短調》。怒りをあらわにした、劇的な《弦楽四重奏曲 ハ短調》。「幻想曲」の気分の《アンダンテとアレグロ》。ヴァイオリンのエリサベト・ソイテン・スナイダー Elisabeth Zeuthen Schneider は、王立デンマーク音楽アカデミーでミラン・ヴィテクとエンドレ・ヴォルフに学び、王立デンマーク管弦楽団とデンマーク国立交響楽団のアシスタント・コンサートマスターを経験、ソリストとして共演してきました。J・P・E・ハートマンのヴァイオリンとピアノのための作品全集(8.224021–22)をはじめとする多くのアルバムを録音しています。ニコラ・デュポン Nicolas Dupont とトニー・ナイス Tony Nys はベルギー、ユストゥス・グリム Justus Grimm はドイツ出身。ダニエル・ブルメンタール Daniel Blumenthal は、ドイツ生まれのアメリカのピアニスト。ソリスト、室内楽奏者として国際的に活躍、80を超すCD録音を行ってきました。4曲すべて初録音の作品です。 
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『捕食の踊り(Predatory Dances)』
Daphne DAPHNE 1031 contemporary/classical 

 
アルベット・シュネルツェル(1972–) 室内楽作品集
 捕食の踊り(Predatory Dances)(2003)
 (ヴァイオリン、チェロとピアノのための)
 悪魔と踊る(Dance with the Devil)(2000)(ピアノのための)
 凍りついた景色(Frozen Landscape(2002)(チェロとピアノのための)
 レクイエム(Requiem)(2004)(ソプラノとピアノのための)
 孤独(Solitude)(1999)(チェロ独奏のための)
 嘆き(Lamento)
 (ふたつ目の傘に入った言うことをきかない子どもたちのために)(2004)
 (ヴァイオリン、クラリネットとプリペアドピアノのための)
 ヴォルフガングが踊っている!(Wolfgang is Dancing!)(2002)
 (ヴァイオリン、クラリネットとチェロのための)
  トビアス・リングボリ(ヴァイオリン)
  クレース・グンナション(チェロ) ペール・ルンドベリ(ピアノ)
  スタファン・モッテンソン(クラリネット)
  スサンナ・アンデション(ソプラノ) フランシスカ・スクーグ(ピアノ)
 
録音 2007年4月4日–5日 ルーセンベリホール(マルメ)、2008年9月10日–12日 スウェーデン放送(ストックホルム) 第2スタジオ
制作 ビョーン・ウッデーン
録音 ビョーン・ヌレーン、ビョーン・ウッデーン

 
アルベット・シュネルツェル Albert Schnelzer(1972–)。マルメ音楽大学で作曲を学び、ロンドンの王立音楽カレッジでは作曲法と指揮法を修めました。出世作となったのは、ラジオ・フランスの委嘱により作曲した《Predatory Dances(捕食の踊り)》。ダイナミックな音楽が国際的に認められ、スウェーデンの若い世代でもっとも広く注目を集める作曲家のひとりにみなされるようになりました。シュネルツェルにとって音楽創造とは、「現代音楽にふさわしい」あり方に専念することではなく、もっとも自分らしい表現を求めること。躍動する音楽、抒情的な音楽、シュネルツェルの作品は常に、はっきりした姿と形をもっています。
 
「フランツ・リストとアイアン・メイデンを交配させた」と評されたヴィルトゥオーゾ曲《悪魔と踊る(Dance wih the Devil)》、三重奏曲の《ヴォルフガングが踊っている(Wolfgang is Dancing!)》。踊りは彼の作品の重要な要素のひとつです。《レクイエム》は、フィンランド系スウェーデンの詩人エーディト・セーデルグラーン Edith Södergran(1892–1923) の詩『痛み(その1)(Smärtan I)』『愛(Kärlek)』『痛み(その2)(Smärtan II)』『ばら(Rosen)』『痛み(その3)(Smärtan III)』をテクストに作曲され、家族とともにスウェーデンに移住しながら生活スタイルの違いが原因で父親に殺されたクルド人の女性に捧げられました。トビアス・リングボリ Tobias Ringborg、クレース・グンナション Claes Gunnarsson、ペール・ルンドベリ Per Lundberg、スタファン・モッテンソン Staffan Mårtensson、スサンナ・アンデション Susanna Andersson、フランシスカ・スクーグ Francisca Skoogh。現代スウェーデンの若い世代のミュージシャンが録音に参加しました。
 
価格 2,695円(税込価格)(本体価格 2,450円) 

『ピエ・カンツィオーネス(Piae Cnationes)』
Alia Vox AV 9932 early music

 
『ピエ・カンツィオーネス(Piae Cnationes)』
 Divinum mysterium(聖なる秘儀)
 Iucundare iugiter a 3(あなた方はともに喜ばなくてはならない)(3声の)
 Iucundare iugiter a 4(あなた方はともに喜ばなくてはならない)(4声の)
 Congaudeat turba fidelium(信じる者はすべてともに喜べ)
 Angelus emittitur(天使は放たれる) Paranymphus adiens(天使が訪れた)
 Laus Virginis Nati sonat(聖処女の御子への賛美の声高らかに)
 Personent hodie(今日、子供たちの声が)
 Zachæus arboris ascendit(ザアカイは木に登った)
 Verbum caro factus est(言葉は肉となり)(ハープ・ソロによる)
 In dulci iubilo(甘き喜びのうちに)
 Tempus adest floridum(花咲く季節になった)
 Psallat fidelis concio(信じる者たちの集まりに)(ハープ・ソロによる)
 Psallat scholarum concio(歓びの歌を声高く歌え)
 O quam mundum(何という幸せ)
 Ramus virens olivarum(オリーブの緑の枝) Dies est læticiæ(喜びの日)
 Gaudete(喜べ)(ハープ・ソロによる)
 Cedit hiems eminus(冬の力が薄れる)
 Omnis mundus iucundetur(世界中に喜びを)
 Iesu dulcis memoria(イエスの優しき思い出)
 Resonet in laudibus(賛美の声を響かせよ)
 Puer natus in Bethlehem(御子はベツレヘムに生まれたもう)
  ユートピア室内合唱団 アンドルー・ローレンス=キング(指揮、ハープ)
 
録音 2017年5月26日–28日、8月11日–13日 リーヒマキ守備隊教会(リーヒマキ、フィンランド)
制作・録音 マッツ・リルハンヌス

 
『ピエ・カンツィオーネス』は、ヨーロッパ聖歌を集めて16世紀に編纂されたフィンランド最古の楽譜集。「ユートピア室内合唱団(Utopia Chamber Choir )」は、2001年に設立されたフィンランドのヴォーカルアンサンブルです。メンバーは16人。バス・セクションのミカエル・マーサロ Mikael Maasalo が芸術監督を務め、イギリスのアンドルー・ローレンス=キング Andrew Lawrence-King、アントニー・ルーリー、エヴリン・タブ、アーポ・ハッキネン、ニルス・シュヴェケンディーク、ロバート・ヘリングワース、デンマークの作曲家ペア・ヌアゴーたちを客演指揮者に迎えてさまざまなプロジェクトを行ってきました。このアルバムでは、ハープの他、プサルタリー、カンテレ、ライアーを弓で弾くヨウヒッカ、ポジティフオルガン、アコーディオン、ハーディ・ガーディ、鳥笛、鐘と鈴、打楽器を加え、当時の人々が「聖と俗」の垣根を超えて音楽を楽しんだ様子を再現することを試みています。
 
価格 2,695円(税込価格)(本体価格 2,450円)

『ピーター・グライムズ』
Chandos CHSA 5250 2SACD’s hybrid (Multichannel/stereo) classical 

 
ベンジャミン・ブリテン(1913–1976)
 歌劇《ピーター・グライムズ(Peter Grimes)》 Op.33
  スチュアート・スケルトン(テノール、ピーター・グライムズ)
  エリン・ウォール(ソプラノ、エレン・オーフォード)
  サミュエル・ウィンター(少年、グライムズの徒弟)
  ロデリック・ウィリアムズ(バリトン、バルストロード船長)
  スーザン・ビクリー(メゾソプラノ、アーンティー)
  ハンナ・フサール(ソプラノ、第1の姪)
  ヴィベケ・クリステンセン(ソプラノ、第2の姪)
  ロバート・マリー(テノール、ボブ・ボールズ)
  ニール・デイヴィス(バスバリトン、スワロー判事)
  カスリーン・ウィン=ロジャーズ(メゾソプラノ、セドリー夫人)
  ジェイムズ・ギルクリスト(テノール、牧師ホレース・アダムズ)
  マーカス・ファーンズワース(バリトン、ネッド・キーン)
  バーナビー・レイ(バス、ホブソン)
  ベルゲン・フィルハーモニック合唱団 エドヴァルド・グリーグ合唱団
  コレギウム・ムジクム合唱団 王立ノーザン音楽大学合唱団
  ベルゲン・フィルハーモニック管弦楽団
  エドワード・ガードナー(指揮)
 
録音 2019年11月25日–27日、10月24日 グリーグホール(ベルゲン、ノルウェー)

 
ベルゲン・フィルハーモニック管弦楽団は、2019年9月、エドワード・ガードナー Edward Gardner(1974–)との契約を再度更新、ガードナーが2023年まで首席指揮者を務めることが決まりました。ベルゲン・フィルハーモニックとガードナーのシェーンベルクの《グレの歌》(CHAN 5172)とベルリオーズの《レクイエム》(CHSA 5219)につづいた大曲は、ブリテンの《ピーター・グライムズ》です。
 
演奏会形式によるこのオペラは、ベルゲン国際フェスティヴァル、ベルゲン国立オペラとベルゲン・フィルハーモニックの共同制作により、2017年5月のベルゲン国際フェスティヴァルで上演され、同年8月、エディンバラ国際フェスティヴァルでも取り上げられました。この公演は、「The Scotsman」「The Times」「The Guardian」といった新聞、雑誌「The Spectator」などのメディアに取り上げられ、高い評価を獲得しています。
 
Chandos のアルバムは、2019年11月21日から始まったベルゲン国立オペラの再演を機に、同じグリーグホールでセッションを行なって録音されました。主役を歌うオーストラリアのテノール、スチュアート・スケルトン Stuart Skelton(1968–)は、2009年、イングランド・ナショナル・オペラ(ENO)で歌ったピーター・グライムズ役でオリビエ賞にノミネートされ、2014年にも同じ役で ENO の舞台に立ちました。初演者のピーター・ピアーズ、コリン・デイヴィスの録音(Philips)のジョン・ヴィッカーズといった歌手を継ぐ「グライムズ歌い」のひとりとみなされています。退役船長のロデリック・ウィリアムズ Roderick Williams、牧師ホレース・アダムズのジェイムズ・ギルクリスト James Gilchrist たちは2017年につづく出演。エレン・オーフォード歌うソプラノにエリン・ウォール Erin Wall、アーンティー役のメゾソプラノにスーザン・ビクリー Susan Bickley が新たに起用されています。 
 
価格 5,940円(税込価格)(本体価格 5,400円)

『ドミートリー・ショスタコーヴィチ』
Intim Musik IMCD 103 classical 

 
ドミートリー・ショスタコーヴィチ(1906–1975)
 チェロソナタ ニ短調 作品40
  ダニエル・ブレンドゥルフ(チェロ)
  フランシスカ・スクーグ(ピアノ)
 ピアノ五重奏曲 ト短調 作品57
  フランシスカ・スクーグ(ピアノ)
  Z四重奏団 
   マッツ・セッテルクヴィスト(ヴァイオリン)
   ウルリカ・ヤンソン(ヴァイオリン)
   パスカル・シッフェルト(ヴィオラ)
   ダニエル・ブレンドゥルフ(チェロ)
 
録音 2005年10月30日 イシドル・スタジオ(ヒュアレード、スウェーデン)(ソナタ)、2006年1月30日 スウェーデン放送第2スタジオ(ストックホルム)
制作 マッツ・ロンディン、ヤン・ユーハンソン
録音 マッツ・ロンディン(ソナタ)、トゥルビョーン・サミュエルソン

 
スウェーデンの音楽家たちによるショスタコーヴィチ。共産党の新聞プラウダの批判を受け上演禁止となったオペラ《ムツェンスク郡のマクベス夫人》(1930–32)とモダニズムの色調をもつ交響曲第4番(1935–36)の間に位置するチェロソナタと、「前奏曲とフーガ」に始まる、古典のスタイルに似せた簡潔で深いピアノ五重奏曲。
 
チェリストのダニエル・ブレンドゥルフ Daniel Blendulf(1981–)はストックホルム生まれ。トゥールレイフ・テデーンとハインリヒ・シフに学び、フランス・ヘルメション、ボリス・ペルガメンシコフ、ピーター・ウィスペルウェイ、ヤン=エーリク・グスタフソンのマスタークラスやレッスンに参加しました。現在、ソロイスト、室内楽奏者として活動しています。Z四重奏団にも参加するフランシスカ・スクーグ Francisca Skoogh(1973–)は、ロムアルド・ステルン、パスカル・ドヴォイヨン、ボフーミラ・イェドリコヴァー、ハンス・ポールソン、ドミニク・メルレに師事、1998年にソロイスト賞を受賞し、スウェーデンを代表するピアニストのひとりとして活躍しています。ティノ・フィエルドリのヴァイオリン、エーリク・リングのヴィオラと共演したショスタコーヴィチのソナタ(IMCD 102)につづいて録音した《チェロソナタ》は、前作と同じ時期にチェリストのマッツ・ロンディンが所有するイシドル・スタジオ Isidor Studio で録音されました。
 
Z四重奏団(Zkvartetten)は、ソロイスト、室内楽奏者として長い活動するマッツ・セッテルクヴィスト Mats Zetterqvist(1954–)の主宰するグループです。2003年の発足。ウルリカ・ヤンソン Ulrika Jansson は、スウェーデン放送交響楽団コンサートマスター。パスカル・シッフェルト Pacal Siffert は、ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニックの首席ヴィオラ奏者を務めるスイス生まれのプレーヤーです。ヤンソンとともにヨーロッパ室内管弦楽団(CEO)のメンバーでもあります。チェロはダニエル・ブレンドゥルフが担当しています。Z四重奏団は、古典から現代までの作品をレパートリーに、国際的な活動も始まりました。ショスタコーヴィチの室内楽作品が、均整の取れた、心からの音楽として聞こえるアルバムです。
 
価格 2,695円(税込価格)(本体価格 2,450円) 

『田園交響曲』
Harmonia Mundi HMM 902425 classical 

 
ユスティン・ハインリヒ・クネヒト(1752–1817)
 自然の音楽による描写、あるいは大交響曲(Le Portrait musical de la nature)
ルートヴィヒ・ファン・ベートーヴェン(1770–1827)
 交響曲第6番 ヘ長調 Op.68 《田園(Pastoral)》
  ベルリン古楽アカデミー
  ベルンハルト・フォルク(コンサートマスター)
 
録音 2019年6月 テルデックス・スタジオ・ベルリン Teldex Studio Berlin(ドイツ)
芸術監督 マルティン・ザウアー
録音 ルネ・メラー

 
Harmonia Mundi レーベルの「ベートーヴェン生誕250年」を記念するアルバム。バロックオーケストラ「ベルリン古楽アカデミー Akademie für Alte Musik Berlin」による交響曲第6番がリリースされます。録音に際し、ベルリン古楽アカデミーのメンバーは、ベートーヴェンがウィーンで演奏したことのある会場をくまなく訪ねてまわり、音響を研究しています。そうした小さなホールの響きを考慮した結果、弦楽器の数を少なくした編成の録音が行われました。オーケストラ全体の編成は、ベートーヴェン当時の演奏会の詳細な記録や絵画も残っていないため、当時の劇場年鑑の記録が参考にされています。オーケストラのレイアウトにも工夫が凝らされ、聴衆から見て左側に弦楽器、右側に管楽器、トロンボーンとトランペットとティンパニの少し後ろにコントラバスを置くという配置がとられました。これにより、指揮者を置かない演奏に必要な奏者間のコンタクトが容易になったと言われています。
 
クネヒト Justin Heinrich Knecht の《自然の音楽による描写、あるいは大交響曲》は、ベートーヴェンの《田園》が初演される(1808年12月)の30年近く前、1780年にト長調の調性で書かれた作品です。第1楽章〈美しい風景。太陽が輝き、風が穏やかにそよぎ、谷を小川のせせらぎが流れ、鳥がさえずり、山からも美しい清水が注ぎ、羊飼いが笛を奏で、羊たちが戯れ羊飼いの娘たちが甘い声で歌う。(Eine schöne Gegend, in der die Sonne scheint, die zarten Zephirwinde wehen, die Bächlein das Tal durchellen, die Vögel zwitschern, ein Gebirgsbach herabplätschert, der Hirte flötet, die Schafe hüpfen und die Schäferin ihre liebliche Stimme ertönen lässt.)〉第2楽章〈突然空が曇り、あらゆる土地が苦しみおびえ、黒い雲が湧きおこり、風がうねり、雷が鳴り、嵐が少しずつ近づいてくる。(Der Himmel verdunkelt sich schnell, die ganze Umgebung atmet mühsam und erschrickt, die dunklen Wolken türmen sich, die Winde fangen an zu heulen, der Donner grollt und das Gewitter nähert sich langsam.)〉第3楽章〈激しい風と打ちつけるような雨の嵐がものすごい勢力になる。こずえがざわめき、土砂降りの雨がものすごい音で打ちつける。(Das Gewitter, begleitet von sausenden Winden und mächtigen Regensüssen, die Wipfel der Bäume rauschen und der Bergstrom wälzt seine Wasser mit entsetzlichem Lärm.)〉第4楽章〈嵐が少しずつおさまり、雲が切れ、空が明るくなってくる。(Das Gewitter verzieht sich langsam, die Wolken zerstreuen sich und der Himmel hellt sich auf.)〉第5楽章〈自然は喜び、天に向かって、創造主である神への大いなる感謝を表し、甘やかな喜びの歌を歌う。(Die Natur ist von Freude erfüllt, erhebt ihre Stimme gen Himmel und dankt dem Schöpfer mit lieblichen, angenehmen Gesängen.)〉。当時行われていたという、自然を音楽で模倣する試みのひとつとされる作品です。
 
価格 3,300円(税込価格)(本体価格 3,000円)

『聖なるヴェール(The Sacred Veil)』
Signum Classics SIGCD 630 contemoporary/classical

 
エリック・ウィテカー(1970–)
 聖なるヴェール(The Sacred Veil)(2018)
 (混声合唱、ソロ・チェロとピアノのための)
  The Veil Opens In a Dark and Distant Year Home Magnetic Poetry
  Whenever There Is Birth I’m Afraid I Am Here Delicious Times
  One Last Breath Dear Friends You Rise, I Fall Child of Wonder
   ロサンジェルス・マスター・コラール
   グラント・ガーション(芸術監督)
   リサ・エドワーズ(ピアノ) ジェフリー・ジーグラー(チェロ)
 
録音 2020年1月13日–14日 チャップマン大学 Musco Center for the Arts(オレンジ郡、カリフォルニア)

 
《聖なるヴェール》は、アメリカの芸術家ふたり、《Sleep(眠り)》《Lux Aurumque(黄金の光)》《Leonardo Dreams of His Flying Machine(レオナルドは飛行機を作る夢を見る)》などの合唱曲で国際的にも人気の高い作曲家エリック・ウィテカー Eric Whitacre(1970–)と、詩人で作詞家のチャールズ・アンソニー・シルヴェストリ Charles Anthony Silvestri(1965–)のコラボレーションによるもっとも新しい作品です。生きること、愛すること、失うことがテーマ。ウィテカーとシルヴェストリが共同で手がけたテクストは、大部分をシルヴェストリが書き、2005年に二人の小さな子を残し36歳で亡くなった、シルヴェストリの妻ジュリーの言葉を彼女のブログから引用、終曲の〈Child of Wonder〉はウィテカーが執筆し、交際の始まりから喪失の悲しみへの慰めを探すまでの普遍性のあるストーリが作られました。グラント・ガーションが芸術監督を務めるロサンジェルス・マスター・コラール、オーストラリアのモナーシュ舞台芸術大学 Monash Acadeny of Performing Arts – MLIVE、オランダ放送合唱団の”NTR Zaterdag Matinee” の共同委嘱で作曲され、2019年2月16日と17日、ロサンジェルスのウォルト・ディズニー・コンサートホールでウィテカーの指揮で初演されました。ウィテカーとシルヴェストリの約23分のインタビューがアルバムの最終トラックに収録されています。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『白鳥の歌』
Preiser Records PR 90828 classical 

 
フランツ・シューベルト(1797–1828) 『白鳥の歌』
 鳩の使い(Die Taubenpost) D. 965a
 ルートヴィヒ・レルシュタープの詩による歌曲 D.957 nos.1–5
  愛の使い(Liebesbotschaft) 兵士の予感(Kriegers Ahnung)
  春の憧れ(Frühlingssehnsucht) セレナーデ(Ständchen)
  住処(Aufenthalt)
 秋(Herbst) D.945
 ルートヴィヒ・レルシュタープの詩による歌曲 D.957 nos.6–7
  遠い国で(In der Ferne) 別れ(Abschied)
 流れの上で(Auf dem Strom) D.744 *
 ハイリンリヒ・ハイネの詩による歌曲 D.957 nos.6-13
  アトラス(Der Atlas) 彼女の絵姿(Ihr Bild)
  漁師の娘(Das Fischermädchen) 街(Die Stadt)
  海辺にて(Am Meer) 影法師(Der Doppelgänger)
 白鳥の歌(Schwanengesang) D.943
  ヴォルフガング・ホルツマイアー(バリトン)
  チャールズ・スペンサー(ピアノ)
  フリードリヒ・クラインハプル(チェロ)*
 
[楽器 Piano: Bösendorfer Imperial,1922/Cello: Giovanni Battista Guadagnini, Piacenza, 1743, ex. Zweygaberg]
 
録音 2011年6月 TONAL audiofile productions(ウィーン)

 
オーストリアのバリトン歌手、ヴォルフガング・ホルツマイアー Wolfgang Holzmair(1952–)の『白鳥の歌』の二度目の録音。1994年1月にウィーンのコンツェルトハウスで録音された最初のアルバム(Philips 442 460-2)は、イモジェン・クーパーがピアノを弾き、新しいアルバムは、イギリスのピアニスト、チャールズ・スペンサー Charles Spencer(1955–)の共演で、2011年6月、ウィーンのスタジオ「TONAL」で録音されました。
 
『白鳥の歌(Schwanengesang)』と題した歌曲集は、作曲者のシューベルトが亡くなった翌年の1829年、音楽家でもあったトビアス・ハスリンガーによりウィーンで出版されました。収録された作品は、ルートヴィヒ・レルシュタープ Ludwig Rellstab の詩による7つの歌曲(D.957 nos.1-7)、ハイリンリヒ・ハイネ Heinrich Heine の詩による6つの歌曲(D.957 nos.6-13)、ザイドル Johann Gabriel Seidl の詩に作曲した《鳩の使い》(D. 965a)。1828年に作曲された14曲です。この曲集は、《美しい水車屋の娘》や《冬の旅》と違い、シューベルト自身が「歌曲集」として編纂した作品でないため、歌手によって曲の選択や曲順で歌われることが行われ、前作は、この『白鳥の歌』に、テーマの共通する、同じ時期に作曲された7曲を加えるというプロブラムで作られていました。
 
ホルツマイアーとスペンサーは、新しいアルバムをいくつかの工夫を凝らした「リサイタル」スタイルのアルバムとして作りました。コンセプトは「果てしなき憧れ」。《鳩の使い》につづき、レルシュタープの詩による歌曲と、同じくレルシュタープの詩に作曲した、ピアノとチェロ共演の《流れの上で》までが前半。後半は、ハイネの詩による6曲の後、《鳩の使い》を「アンコール」としてもう一度歌う前作とは異なり、ヨハン・クリソストモス・ゼンの詩による《白鳥の歌》で閉じるプログラムです。「『詩人の恋』のハイネ」とは表現内容も気分も大きく違う作品の後、この《白鳥の歌》が、「果てしなき憧れ」の余韻として響きます。「憧れというもの」を知るホルツマイアーの歌と、その音楽に共感を寄せるスペンサーのピアノ。美しいアルバムです。
 
[廃盤]

『リコーダーとフルートの協奏曲』
BIS CD 911 classical

 
ヴァウン・ホルムボー(1909–1996)
 リコーダー、弦楽、チェレスタとヴィブラフォーンのための協奏曲
  Op.122 M276(1974)
 フルート協奏曲第1番 Op.126 M279(1975–76)
 フルート協奏曲第2番 Op.147 M307(1981–82)
  ダン・ラウリン(ソプラノ・リコーダー、アルト・リコーダー、
   ソプラニーノ・リコーダー)
  アネ・ビスゴー(チェレスタ)
  イェスパー・ミゲルセン(ヴィブラフォーン)
  マヌエラ・ヴィースラー(フルート)
  オルボー交響楽団 オーウェイン・アーウェル・ヒューズ(指揮)
 
[楽器 Soprano and alto recorders: Takeyama/Sopranino recorder: Yamaha/Flute: Brannan-Cooper, Boston/Alto flute: Prima Sanyo]
 
録音 1997年9月 オルボーホール(オルボー、デンマーク)
制作 ロバート・サフ
録音エンジニア マリオン・シュヴェーベル

 
ヴァウン・ホルムボー Vagn Holmboe は、1909年、デンマーク、東ユランのホーセンスに生まれました。カール・ニルセンの推薦を受けてコペンハーゲンの音楽院に入学、クヌーズ・イェペセンとフィン・フフディングの音楽理論と作曲法のクラスに加わりました。1929年にエルンスト・トッホに学ぶために渡ったベルリンでルーマニアのピアニスト、メタ・マイ。グラーフに出逢い、バルカン半島の音楽に興味をもつようになりました。ルーマニア留学から戻った1934年から母校の音楽院で教え、1939年の作曲コンペティションで得た賞金で入手した北シェランのラムレーセの土地に住宅を建築。牧歌的な自然を思索と創作の場としました。
 
彼は、1996年に没した時すでに、国内、国際的な認識と名声を確かなものにしていました。特に13曲の交響曲と20曲の弦楽四重奏曲は、カール・ニルセン以来、デンマークのこのジャンルのもっとも重要な作品とみなされています。同時に、《2つのヴァイオリンのためのデュオ》や《組曲第1番》(Op.1)といった初期の作品から、彼に教わったペア・ヌアゴーが完成させた《カルテット・セレーノ》(Op.197)まで、ホルムボーの作品リストの中で室内協奏曲を含む協奏曲は、重要な位置を占めています。
 
《リコーダー、弦楽、チェレスタとヴィブラフォーンのための協奏曲》は、1974年にデンマークのリコーダー奏者ミカラ・ペトリのために作曲されました。リコーダーとのバランスを考慮して、弦楽にチェレスタとヴィブラフォーンを加えたグループとの協奏曲として書かれた「合奏協奏曲」の趣をもった作品です。1975年10月18日、 ペトリが、オルヌルヴ・ボイェ・ハンセン指揮オスロ室内管弦楽団の共演で初演しました。この録音では、スウェーデンを代表するリコーダー奏者のひとり、ダン・ラウリン Dan Laurin がソリストに起用されています。
 
《フルート協奏曲第1番》も、リコーダーの協奏曲と同様、ハ管のフルートとアルト・フルートという複数の楽器のために書かれました。正気に満ちたアレグロ、穏やかなアンダンテ、ゆったりした気分からアレグロという、3つの楽章の作品です。ヨーテボリ交響楽団の首席フルート奏者だったジェラール・シャウプのために作曲され、1976年にヨーテボリで初めて演奏された後、1977年12月6日、シャウプのソロ、イェンス・スクレーザー指揮オルボー交響楽団によりデンマーク初演されました。
 
《フルート協奏曲第2番》は、ハンガリー生まれのフルーティスト、アンドラーシュ・アドルヤーンのために1981年から1982年にかけて書かれた作品です。1984年4月10日、アドルヤーンとヨアヴ・タルミ指揮コペンハーゲン・フィルハーモニック管弦楽団によりアレレズで初演されました。この協奏曲では「コントラストと対話」が重視されています。弦楽合奏がフルート・ソロとの主な対話相手となる「速いテンポを守る」第1楽章。「献身的なアンダンテ」の第2楽章。「活き活きとした」アレグロの第3楽章。「ソロ楽器と管弦楽のやりとり、戯れ、多かれ少なかれ見せかけの戦いと競争は、協奏曲というジャンルのごく基本」と、作曲者自身が語っています。この協奏曲は、2010年5月14日、中村めぐみのフルート、秋山和慶指揮の広島交響楽団によって日本初演されました。
 
価格 2,805円(税込価格)(本体価格 2,550円)

『ジャン・アラン』
Simax PSC 1314 2CD’s classical

 
ジャン・アラン(1911–1940) オルガンのための作品全集
 リタニア(Litanies) JA119(Op.79)
 空中庭園(Le Jardin suspendu) JA71(Op.50)
 小品(Petit pièce) JA33
 幻想曲第1番(Première Fantaisie) JA72(Op.51)
 幻想曲第2番(Deuxième Fantaisie) JA117(Op.73)
 オルガン組曲(Suite pour orgue) JA69/70/82(Op.48)
 前奏曲とフーガ(Prélude et Fugue) JA75/57
 アンダンテ(Andante) JA89bis 妄想(Fantasmagorie) JA63
 シトー修道会の聖体奉拳のためのコラール
 (Choral Cistercien pour une Élévation) JA134
 課題提出曲(Chant donné) JA37 哀歌(Lamento) JA14
 ドリア旋法のコラール(Choral Dorien) JA67(Op.47no.1)
 フリギア旋法のコラール(Choral Phrygien) JA68(Op.47 no.2)
 アリア(Aria) JA138
 3つの舞曲(Trois Danses) JA120A(Op.81)
 モノディ(Monodie) JA135
 昔の様式の悲歌(Complainte à la mode ancienne) JA38
 クレマン・ジャヌカンの主題による変奏曲
 (Variations sur un thème de Clément Jannequin) JA118(Op.78)
 賛美歌「輝く創り主」による変奏曲
 (Variations sur l'hymne "Lucis Creator") JA27(Op.28)
 2つの世俗的前奏曲(Deux préludes profanes) JA64/65
 アグニ・ヤヴィシュタのための2つの踊り
 (Deux Danses à Agni Yavishta) JA77/78
 ジュール・ルメートルの詩に(De Jules Lemaître) JA62
 間奏曲(Intermezzo) JA66bis
 戻らなくなった2つの音による子守歌
 (Berceuse sur deux notes qui cornent) JA7bis(Op.2)
 グラーヴェ(Grave) JA32 一風変わった空気(Climat) JA79
 フリギア旋法のバラード(Ballade en mode phrygien) JA9
 終課のための後奏曲(Postlude pour l'office de Complies) JA29
  ラーシュ・ノットゥー・ビルケラン(オルガン)
 [ファーゲルボルグ教会のゴル・オルガン(2007年)]
 
録音 2010年2月18日–20日、4月24日–25日、27日–28日 ファーゲルボルグ教会(オスロ)
制作・録音エンジニア ショーン・ルイス

 
フランスのオルガニスト、作曲家のジャン・アラン Jehan Alain(1911–1940)の生誕から100年の2011年、Simax Records からアランのオルガン作品全集がリリースされます。『ノルウェーのオルガン(Organum Norvegica)』(PSC 1242/PSC 1243/PSC 1244/PSC 1245)、ヴィドールのオルガン交響曲(PSC 1155)、メシアンの初期オルガン作品集(PSC 1170)、グスタフ・メルケルのオルガン作品集(PSC 1273/PSC 1274/PSC 1275/PSC 1276)とつづく、ノルウェーのオルガニストを起用した録音によりオルガン音楽の新たな旅に誘う一連の録音のひとつです。
 
ラーシュ・ノットゥー・ビルケランのまとめたジャン・アランの略歴。「1911年2月3日、サン=ジェルマン=アン=レーに生まれる。1929年–1939年、パリ・コンセルヴァトワールでアンドレ・ブロシュ、マルセル・デュプレ、ポール・デュカースをはじめとする教師につき、和声法、対位法、フーガ、オルガン、即興で第1位を獲得。1935年、マドレーヌ・パヤンと結婚、3人の子をもうける。1936年、《オルガン組曲》により "Amis de l'Orgue"(オルガンの友)作曲賞を受賞。1937年、妹マリー=オディールが山岳事故に遭い死亡。1939年9月、徴兵によりフランス陸軍に入隊。1940年6月20日、ソミュール近郊プティ=ピュイにおいてドイツ軍と銃撃戦を交え、戦死する」。
 
オルガニストのラーシュ・ノットゥー・ビルケラン Lars Notto Birkeland(1969–)はオスロ生まれ。ノルウェー国立音楽大学でハーラル・ヘレスタールにオルガンを学びました。オスロのコーレ・ノールストーガの教えを受けた後、アランの音楽の第一人者、スイスのギ・ボヴェ Guy Bovet(1942–)に師事し、ジャンの妹、マリー=クレール・アランがアラン家のオルガンを使って行ったマスタークラスにも参加しました。1998年、オスロ大聖堂でデビュー・コンサートを行い、現在、オルガニスト、ピアニスト、合唱指揮者、ノルウェー国立オペラのレペティトゥールとして活動しています。2003年からオスロのファーゲルボルグ教会のオルガニストを務め、2007年に設置されたゴル・オルガン Goll organ(ルツェルン、スイス)の選定にも携わりました。2006年から2008年にかけてノルウェー政府から与えられた奨学金によりアランの音楽を集中的に研究したことが、この録音につながりました。
 
 「アランの作品の多くは、真摯で実存主義的なテーマをもっているにもかかわらず、同時に、ばかげたユーモアや自分への皮肉に満ちている」(ビルケラン) 瞑想する音、輝く音、色と影のグラデーション。ギ・ボヴェから伝えられたこと、アランの自筆譜から学んだこと。ゴル・オルガンとファーゲルボルグ教会の響きを最高度に活用しビルケランが表現したジャン・アランの "小宇宙" をプロデュース、録音と編集も担当したのは、イギリス人のショーン・ルイス Sean Lewis です。Simax の他の録音と同様、オーディオ装置をチェックするレファレンスディスクにできるクオリティの録音です。
 
「私の音楽に、それぞれの人が心のうちに抱えた自身の思考を発見してくれることを心より願う」(ジャン・アラン)
 
生誕から100年の2月3日、このアルバムのリリース・コンサートがオスロで行われました。
 
価格 3,520円(税込価格)(本体価格 3,200円)

『1865年』
Harmonia Mundi HMU 807549 SACD hybrid (Multichannel/stereo) traditiional

 
『1865年 - アメリカ南北戦争時代の希望と故郷の歌
 (Songs of Hope and Home from the American Civil War)』
 Weeping, Sad and Lonely(When This Cruel War Is Over)
 (Charles Carroll Sawyer/Henry Tucker)
 Darling Nelly Gray(B. R. Hanby)
 Hard Times Come Again No More(Stephen Foster)
 Sweet Evelina(M/T) Bright Sunny South(trad.)
 The Southern Soldier Boy(Capt. C. W. Alexander/trad.)/Rebel Raid(trad.)
 Tenting on the Old Camp Ground(Walter Kittredge)
 Aura Lea(W. W. Fosdick/George R. Poulton)
 Listen to the Mocking Bird(Alice Hawthorne)
 Camp Chase(trad.) Brother Green(trad.)
 The Faded Coat of Blue(The Nameless Grave)(J. H. McNaughton)
 The Maiden in the Garden(trad.) The True Lover’s Farewell(trad.)
 Home, Sweet Home(John Howard Payne/Henry Bishop)/
  Polly Put the Kettle on(trad.)
 The Picture on the Wall(Henry Clay Work)
 Abide with Me(Henry F. Lyte/William H. Monk)
 Shall We Gather at the River(Robert Lowry)
  アノニマス4
   ルース・リード・カニングハム(ヴォーカル)
   マーシャ・ジェネンスキー(ヴォーカル)
   スーザン・ヘラウアー(ヴォーカル)
   ジャクリーン・ホーナー=クウィアテク(ヴォーカル)    
  ブルース・モルスキー(フィドル、バンジョー、ギター、ヴォーカル)
 
録音 2014年6月 ドルー大学コンサートホール(マディソン、ニュージャージー州)
制作 ロビーナ・G・ヤング
録音 ブラッド・マイケル

 
Harmonia Mundi グループに属する Harmonia Mundi USA は、カリフォルニアのバーバンクに本拠を置き、芸術性と娯楽性がほどよく融合したアルバムを継続して制作してきました。アフリカ系アメリカ人のスピリチュアルを集めたコンスピラーレの『歌え自由を!(Sing Freedom!)』(HMU 807525)、現代アメリカの作曲家、ケヴィン・プッツ(HMU 907580)とロバート・カイア(HMU 807577)の作品集。エストニア・フィルハーモニック合唱団がトルミス、シベリウス、クレーク、ベリマンの曲をポール・ヒリヤーの指揮で歌った『バルト海のルーン(Baltic Runes)』(HMU 807485)も Production USA の制作です。
 
Harmonia Mundi USA の主要アーティスト、アメリカの女性ヴォーカルグループ、アノニマス4 Anonymous 4 はこれまでに20枚を超すアルバムを作ってきました。ヒルデガルトの詩歌、13世紀イングランドの頌歌、アメリカのフォークソングとゴスペル、グループのための新作と、いずれも高い評価を受け、音楽ファンから支持されているアルバムです。ルース・リード・カニングハム Ruth Reid Cunnigham、マーシャ・ジェネンスキー Marsha Genensky、スーザン・ヘラウアー Susan Hellauer、ジャクリーン・ホーナー=クウィアテク Jacqueline Horner-Kwiatek の4人。1986年春にグループを結成。休止の時期を挟み、30年近く活動を続けてきました。そのアノニマス4が2015年から2016年のシーズンを最後に活動をやめることが発表され、最後となるアルバムが制作されました。1861年から1865年にかけての時代、北軍と南軍、双方の兵士や市民の間に広まっていた「希望と故郷の歌」を歌った『1865年』。フィドル奏者のブルース・モルスキーをゲストアーティストに迎えて行う最終ツアーのプログラムによるこのアルバムは、アメリカ南北戦争の終戦150年を記念するとともに、『アメリカの天使(American Angels)』(HMU 907326)と『グローリーランド(Gloryland)』(HMU 907400)とつづいたアノニマス4の「アメリカ三部作」を完結させる一枚でもあります。
 
北軍の歌として書かれ、南北双方で版を重ねた《Weeping, Sad and Lonely(悲しくて、寂しくて、涙を)》から始まるプログラム。つづいて、奴隷制度廃止論者の歌《Darling Nelly Gray》。フォスターの《Hard Times Come Again No More(つらい時代は、二度と来ないでくれ)》。キトレッジ作詞作曲の《Tenting on the Old Camp Ground》はチャールズ・アイヴズが《They Are There》に引用した歌です。
 
「今夜は昔のキャンプ場で夜営だ。疲れた心が元気になる歌を歌ってくれ。故郷を思い、いとしい友人たちを思う歌を。今夜、大勢の心が疲れている。大勢が望んでいる、この戦争が終わることを。大勢の心が、正義を望んでいる、平和の夜明けを見ることを。今夜は夜営だ。かつて布教の集いのあったキャンプ場。……今日、古いキャンプ場で戦ってきた。大勢の戦友がそこに横たわっている。死んでしまったもの、息をひきとろうとしているもの。多くのものが泣いている。大勢の心が、正義を望んでいる、平和の夜明けを見ることを。今夜、死んでゆく。古いキャンプ場で死んでゆく」。
 
春、クロウタドリが柳の枝にとまり歌うという《オーラ・リー》は、エルヴィス・プレスリーの《ラヴ・ミー・テンダー》の原曲です。優しいメロディが愛され、日本のグリークラブでも歌われていました。《ホーム・スウィート・ホーム》は「埴生の宿」の邦題で親しまれています。アイヴズの歌曲《川のほとりで(At the River)》の基になった賛美歌《Shall We Gather at the River》がプログラムの最後です。
 
これら、南北戦争の後も広く歌われている歌を含む20曲は、アカペラの五重唱と四重唱、バンジョー、ギターあるいはフィドルが伴奏するヴォーカル、フィドルのソロと、変化のある編成で歌われ、演奏されます。アノニマス4のメンバーとモルスキーが、各地の図書館の「南北戦争コレクション」に保存されている当時の楽譜や兵士がポケットに入れていた「歌集(Songster)」にあたって、編曲を行いました。フィドルのブルース・モルスキー Bruce Molsky(1955–)は、主にアパラチア地方の音楽のスペシャリストとして知られ、バークリー音楽大学の終身客員教授を務めています。ソロ活動に加え、「スーパーグループ」モザイク Mozaik や、シェトランドのフィドラー、アリ・ベイン Aly Bain とスウェーデンのマルチミュージシャン、アーレ・モッレル Ale Möller(『ペガサス(Pegasus)』Prophone PCD 121)と組んだトリオなどのグループ活動も行っています。制作を担当したロビーナ・G・ヤング Robina G. Young と録音のブラッド・マイケル Brad Michel は『歌え自由を!』のチームです。
 
『1865年』は、オリジナルの英語歌詞、フランス語とドイツ語に翻訳された歌詞、そして当時の図版や写真を多数掲載したブックレットをつけた、デジパック仕様でリリースされます。アメリカ独立戦争の時代から南北戦争の時代にかけての音楽を集めた『シャロンのばら(Rose of Sharon)』(Harmonia Mundi France HMC 902085)や『歌え自由を!』とならんでアメリカ音楽を楽しむための貴重なアンソロジーの一枚になるでしょう。
 
税込価格 3,300円(本体価格 3,000円)

『Stations』
ACT Music ACT 9740-2 jazz 

 
『Stations』
 I Should Run(Ida Sand)
 Stations(Stina Nordenstam & Guy Sigsworth)
 The Mind Is Free(Ida Sand)
 Land of the Humble(Nils Eriksson/Anna Alerstedt)
 Million Miles(Bob Dylan) The Streets of Berlin(Sinne Eeg)
 The Old Country(Nat Adderley/Curtis Lewis)
 The Great City(Curtis Lewis)
 Where the Road Ends(Joel Lyssarides/Nils Landgren)
 Poinciana(Nat Simon/Buddy Bernier)
 Here's to Life(Phyllis Molinary & Arthur Butler)
  ヴィクトリア・トルストイ(ヴォーカル)
  ヨエル・リュサリデス(ピアノ)
  クリステル・ユーンソン(ギター)
  マッティアス・スヴェンソン(ベース)
  ラスムス・シールベリ(ドラム)
  ニルス・ランドグレーン(バッキング・ヴォーカル)
 
録音 2019年5月29日–30日 ニレント・スタジオ(Nilento Studios)(ヨーテボリ、スウェーデン)
制作 ニルス・ランドグレーン
録音 ミーケル・ダールヴィド

 
スウェーデンのヴォーカル、ヴィクトリア・トルストイ Viktoria Tolstoy の『Meet Me at the Movies』(ACT9827-2)に次ぐ新作。スウェーデンのスティーナ・ヌーデンスタム Stina Nordenstam とイギリスのガイ・シグズワース Guy Sigsworth 共作の《Stations》をアルバム・タイトルにとり、時と場所、自分が旅して経験したことをテーマとする11曲を歌っています。スウェーデンのイーダ・サンド Ida Sand とデンマークのシネ・エーイ(シーネ・エイ) Sinne Eeg の曲、ボブ・ディランの《Million Miles》、アーマッド・ジャマルのテーマソング《ポインシアナ》、フィリス・モリナリーとアーサー・バトラーの《Here's to Life(人生に乾杯)》。このアルバムには、トリオ・アルバム『Dreamer(夢を見る人)』(PCD178)と『A Better Place(もっといい場所)』(PCD200)、エレオノール・オーエリュードとのデュオ『Kärlek i vått & torrt(愛はウェットに、愛はドライに)』(PCD209)をリリースした Prophone レーベルのピアニスト、ヨエル・リュサリデス Joel Lyssarides(1991–)が参加。制作を担当したニルス・ランドグレーン Nils Landgren と彼が共作した《Where the Road Ends(道が終わるところ)もプログラムに入っています。
 
価格 3,080円(税込価格)(本体価格 2,800円)

『Cæcilie Norby/Portraying』
ACT Music ACT 9911-2 jazz   

 
『Cæcilie Norby/Portraying』
 Andy Warhol(David Bowie)* Life Is Hard(Bob Dylan)*
 Slow Fruit(Cæcilie Norby) Jolene(Dolly Parton)*
 Sittin' in a Window(Anders Blichfeldt/Peter Viskinde/Jens Fredslund/
  Peter Steffen Sørensen/Asger Steenholdt)*
 Have You Ever Seen the Rain(John Fogerty)
 Both Sides Now(Joni Mitchell)
 Bei mir bist du schoen
 (Sholom Secunda/Jacob Jacobs/Sammy Cahn/Saul Chaplin)
 Sugar Mountain(Neil Young)* Big Time(Cæcilie Norby)
 Hvirvelvinden/The Windmills of Your Mind(Michel Legrand)
 Easy Money(Rickie Lee Jones)
 Hearts and Bones(Paul Simon)
 Newborn Broken(Lars Danielsson/Cæcilie Norby)
 Pletfri Solskin/Spotless Sunshine(Lars Pedersen)*
 Halleluja(Leonard Cohen) [* 未発表録音]
  セシーリエ・ノアビュー(ヴォーカル)
  ラーシュ・ダニエルソン(ベース、チェロ、ギター、オルガン)
  カーティス・スタイガーズ(ヴォーカル) 
  レシェク・モジジェル(ピアノ)
  ブッゲ・ヴェッセルトフト(ピアノ、シンセサイザー)
  ウルフ・ヴァケーニウス(ギター)
  マリウス・ネセット(サクソフォーン) グエン・レ(ギター)
  ランディ・ブレッカー(トランペット) リタ・マルコトゥッリ(ピアノ)
  ヒルデグン・オイセト(トランペット)
  ニーコル・ヨーヘントゲン(サクソフォーン)
  ヨン・クリステンセン(ドラム、パーカッション)
  ローベット・メーメト・イーキス(ドラム、パーカッション)
  アントネッリ・オーケストラ 他
 
コンピレーション マルコ・オストロフスキ
マスタリング クラウス・ショイアマン

 
スカンディナヴィアでもっとも魅力的なシンガーのひとり、デンマークのセシーリエ・ノアビュー Cæcilie Norby  の「音楽ポートレート」。デヴィッド・ボウイの《アンディ・ウォホール》、ボブ・ディラン、ドリー・パートン、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバルのジョン・フォガティの《Have You Ever Seen the Rain》(邦題「雨を見たかい」)、ジョニ・ミッチェルの《Both Sides Now》(「青春の光と影」)、ジャズのスタンダード《Bei mir bist du schoen》(「素敵なあなた」)、ニール・ヤング、映画『The Thomas Crown Affair』(「華麗なる賭け」)のミシェル・ルグランの音楽から主題歌《The Windmills of Your Mind》(「風のささやき」)、リッキー・リー・ジョーンズ、ポール・サイモン、ラーシュ・ペーデシェンの《Pletfri Solskin(無垢の陽光)》、レナード・コーエンの《ハレルヤ》、ノアビューの共作を含むオリジナル曲。過去のアルバムから選んだ10曲に ACT Music  に録音した未発表の6曲を加えたコンピレーション・アルバムです。
 
価格 3,080円(税込価格)(本体価格 2,800円)

『Wilderness』
Oslo Session Recordings OSR 006 jazz

 
『Wilderness』 
 The Wait(Øyvind Brække) Wilderness(Øyvind Brække)
 Times of Siberia(Øyvind Brække) Yellowstone(Marte Røyeng)
 Psalm Recylcled(Øyvind Brække) Gaia(Øyvind Brække)
 Flow(Øyvind Brække) Spare(Øyvind Brække)
  オイヴィン・ブレッケ・セクステット
   オイヴィン・ブレッケ(トロンボーン)
   クヌート・リスネス(テナーサックス、ソプラノサックス)
   ベルグムン・ヴォール・スカスリーエン(ヴィオラ)
   ジェイコブ・ヤング(ギター)
   ペール・ザヌッシ(ベース)
   エーリク・ニューランデル(ドラム)
 
録音 2019年9月 Blueberry Fields Studios(オスロ)
制作 ジェイコブ・ヤング
録音 オイスタイン・セヴォーグ 

 

ノルウェーのジャズミュージシャン、オイヴィン・ブレッケ Øyind Brække(1969–)は、トロンハイム音楽院で学び、トロンボーン・プレーヤー、作曲家、アレンジャー、バンドリーダーとして活動してきました。トリグヴェ・サイム、マッツ・アイレットセン、ペール・オッドヴァル・ヨハンセンと共演した ECM のアルバム『The Source』やトロンハイム・ジャズオーケストラなどのアンサンブルの演奏と録音で知られます。チック・コリア、アーリル・アンデシェン、ホーコン・コルンスタ、トーラ・アウゲスタたちと共演しています。『Wilderness(荒れ野)』は、四半世紀にわたってジャズシーンで活動するブレッケが、初めて自分の名前で作るアルバムです。セクステットに参加したプレーヤーは、『Urban Gardening』(OSR004)で彼と共演したクヌート・リスネス Knut Riisnæs(1945–)とジェイコブ・ヤング Jacob Young(1970–)、ジャズと即興音楽でノルウェーを代表するベーシストのひとり、ペール・ザヌッシ Per Zanussi(1977)。ヴィオラ奏者のベルグムン・ヴォール・スカスリーエン Bergmund Waal Skasien(1971–)は、ダンスグループ「ヨー・ストロムグレーン・アンサンブル」や弦楽オーケストラ「トロンハイム・ソロイスツ」ともコラボレーションを行っているプレーヤー。スウェーデン生まれのドラマー、エーリク・ニューランデル Erik Nylander(1981)は、ノルウェーに住み、フリーランスで活動しています。2011年スペルマン賞(ノルウェー・グラミー賞)の最優秀ジャズ・アルバムに選ばれたオーラ・クヴェルンベルグの『Liarbird』をはじめとする録音に参加してきました。2019年9月、オスロのスタジオでのセッション録音。ブレッケの作曲した8曲を6人のプレーヤーが、柔らかい響き、輪郭のはっきりした上質のテクスチュアのアンサンブルで演奏しています。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『Den danske sang…(デンマークの歌)』
Stunt Records STUCD 20012 jazz  

 
『Den danske sang…(デンマークの歌)』
 Rejsen(旅)(Bent Fabricius Bjerre/Caroline Henderson)
 Nyt lys i mørket(暗闇の中の新たな光)(Sebastian)
 Hvorfor er lykken så lunefuld(どうして幸せはこうも気まぐれなのか)
 (Karen Jönsson/Carl Viggo Meincke)
 Der var engang(昔むかし)(Kai Normann Andersen/Viggo Barfoed)
 Hej søster(やあ姉妹(きょうだい))(Trille)
 I aften(今宵)(Karen Jönsson/Børge Müller)
 De evige tre(永遠の三人)
 (Caroline Henderson & Anders Stig Møller/Tove Ditlevsen)
 Gæster(訪ねてきた人たち)(Bent Axen/Jesper Jensen)
 Tit er jeg glad(楽しいときが多くて)(Carl Neilsen/B.S. Ingemann)
 Den største sorg(最大の悲しみ)(Folkevise)
 Længsel efter sverige(スウェーデンが恋しく)(Benny Andersen)
 Nisseloftet(ニッセの屋根裏部屋)
 (Nikolaj Hess, Daniel Franck, Jakob Høyer, August Wanngren)
  キャロライン・ヘンダーソン(ヴォーカル)
  ニコライ・ヘス(ピアノ) ダニエル・フランク(ベース)
  ヤコブ・ホイアー(ドラム) ダウダ・ジョバルテ(コラ)
  グスタフ・ユンググレーン(ギター、クラリネット、コルネット)
  アナス・スティウ・ムラー(シンセサイザー)
  ラスムス・ビレ・ベーンケ(プログラミング)
  カトリーネ・ムフ・エーネヴォルセン(コーラス)
  ペーター・イェンセン ペール・エークダール
  ブダペスト・アート・オーケストラ
  ブダペスト・アート・クワイア
  ペーター・ペジシーク(指揮) 

 
キャロライン・ヘンダーソン(カロリーネ・ヘンデション) Caroline Henderson は、スウェーデンでスウェーデン人の母とアメリカ人の父の間に生まれました。スウェーデン、ニューヨーク、フィラデルフィアとパリで育ち、1983年、しばらくのつもりで訪れたデンマークが彼女の活動の場になりました。1989年、マリア・ブラムセンと一緒にポップグループ「Ray Dee Ohh」に参加。1992年にグループが解散、その3年後にリリースしたアルバム『Cinemataztic』が、デンマーク・ポップの歴史に残るデビューアルバムのひとつに挙げられる成功を収めました。新作の『デンマークの歌』は、人として音楽家としてデンマーク人としての自分が今ある、そのルーツになった歌を見つめなおしたいという思いから作られたアルバムです。キャロラインの作った歌詞にデンマークのベント・ファブリーシュス・ビェアアが曲をつけた《旅》、セバスチャン(クヌーズ・トーベン・クリステンセン)の《暗闇の中の新たな光》とトリレ(トリレ・ボーディル・ニルセン)の《やあ姉妹(きょうだい)》、トーヴェ・ディトレウセンの詩にキャロラインとアナス・スティウ・ムラーが共同で作曲した《永遠の三人》、カール・ニルセンの《20のデンマークの歌》から《楽しいときが多くて》、スウェーデンにルーツをもつ詩人、シンガーソングライターのベニ・アナセンの《スウェーデンが恋しく》、クリスマスが来ると忙しくなる妖精ニッセたちが暮らす《ニッセの屋根裏部屋》。ニコライ・ヘスのピアノ、ダニエル・フランクのベース、ヤコブ・ホイアーのドラム。西アフリカ伝統の弦楽器「コラ」の名手といわれるガンビア出身のダウダ・ジョバルテが参加しています。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

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