ウェブサイトで過去に紹介した北欧と北欧以外のディスクからピックアップして掲載するページです。

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『憂鬱の影像(The Image of Melancholy)』
BIS SACD 2057 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) early music

 
ビャッテ・アイケ(1972–)
 寂しさ(Savn)(シグネの旋律)
アントニー・ホルボーン(c.1547–1602)
 パヴァーヌ《憂鬱の影像(The Image of Melancholy)》
ジョン・ダウランド(1563–1626)
 悲しみよとどまれ(Sorrow, stay) *
ノルウェー伝承曲(ビャッテ・アイケ(1972–) 編曲)
 ビョルンソンの結婚行進曲(Bjørnsons bruremarsj)
アントニー・ホルボーン(c.1547–1602)
 ガイヤルド《浮気者(Wanton)》
ノルウェー伝承曲(ヨン・バルケ(1955–)、ビャッテ・アイケ(1972–) 編曲)
 イェンディーネの子守歌(Gjendines bådnlåt) */**
ハインリヒ・イグナーツ・フランツ・フォン・ビーバー(1644–1704)
 十字架を担う(Die Kreuztragung)(ソナタ)
ディズリク(ディートリヒ)・ブクステフーデ(c.1637–1707)
 嘆きの歌(Klag-Lied) *
アントニー・ホルボーン(c.1547–1602)
 ガイヤルド《とてもかわいい(Muy linda)》
スロヴァキア伝承曲(ミロシュ・ヴァレント(1960–) 編曲)
 いとしい母さん(Joj Mati) †
スウェーデン伝承曲(ビャッテ・アイケ(1972–) 編曲)
 エヴェルツベリの昔の結婚行進曲(Evertbergs gamla brudmarsch)
ノルウェー伝承曲(ヨン・バルケ(1955–)、ビャッテ・アイケ(1972–) 編曲)
 子守歌(Bånsull) */**
アントニー・ホルボーン(c.1547–1602)
 パヴァーヌ《遺言(Last will and testament)》
Ruaidri Dáll Ó Catháin(c.1570–c.1650)
 どうぞ、お手を(Tabhair dom do Lámh) **
ジョン・ダウランド(1563–1626)
 流れよ、わが涙(Flow, my tears)/昔の涙(Lachrimae antiquae) *
ヨン・バルケ(1955–) 
 シュザンヌを紹介(Introducing Susanne) (「ある日シュザンヌが」による瞑想)**
ヨハン・ゾンマー(1570–1627) 
 パヴァーヌ《シュザンヌを想像する(Devising Susanne)》
ジョン・ダウランド(1563–1626)
 ガイヤルド《スザンナ(Susanna)》
ウィリアム・バード(1540–1623)
 汝、聖なるミューズよ(Ye sacred Muses) *
ニール・ガウ(1727–1807)(ビャッテ・アイケ(1972–) 編曲)
 ふたり目の妻の死を嘆くニール・ガウ(Niel Gow’s lament for the death of his second wife)
  バロックソリステネ ビャッテ・アイケ(芸術監督、ヴァイオリン)
  ベーリト・ノルバッケン・スールセット(ソプラノ)*
  ヨン・バルケ(オルガン、サウンドスケープ)**
  ミロシュ・ヴァレント(ヴィオラ、ヴォーカル †)
 
録音 2011年10月、2012年3月 セルビュ教会(セルビュ、ノルウェー)
制作 マルカム・ブルーノ、ビャッテ・アイケ
録音 ハンス・ペーテル・ロランジュ

 
2005年、ベルゲンに創設された古楽アンサンブル、バロックソリステネ(バロック・ソロイスツ)。バロックヴァイオリンの第一人者のひとり、ビャッテ・アイケ Bjarte Eike が芸術監督を務めるアンサンブルは、ベルゲン国際フェスティヴァル、ストックホルム古楽フェスティヴァル、ロンドンのプロムスなど、ヨーロッパ各地の音楽祭で演奏、デンマークのエスビェアのニューオペラ、デンマーク放送ヴォーカルアンサンブル、ノルウェーのヴェストフォル音楽祭との協力活動を通じ、独自の音楽をアピールしてきました。『憂鬱の影像』は、ヘンデルと彼と同時代の作品を演奏した2012年の『ロンドン・コーリング!(London Calling!)』(SACD1997) につづく BIS 第2作です。
 
「深い森を通り、いつ果てるとも知れない下り坂の泥道を車で行く。時折、右手下に湖が一瞥できる。古い校舎がどこからともなく姿を現す。湖のほとりに、もうひとつ建物がある。どちらもさびれ、悲しげだ。誰かいるのか。音はしない。さわやかな空気。日没。静寂。最初の食事をみんなで一緒に作る。携帯電話は通じず、インターネットが使えるのも一カ所だけだ。かつて教室だったところに輪になって座る。器楽奏者が六人、歌い手がひとり、ひとつに積み重ねた楽譜、おおいのない暖炉に薪が燃える……音。これがシェービグダ。音楽のもつ『憂鬱』のさまざまな姿を探ろうと私が友人たちを誘ってきた場所がここだ」(ビャッテ・アイケ)。
 
アルバムは、アイケの《寂しさ》にはじまり、ホルボーンとダウランドの曲、ノルウェーとスウェーデンとスロヴァキアの伝承曲、17世紀アイルランドの古謡《どうぞ、お手を》を交え、《ふたり目の妻の死を嘆くニール・ガウ》に終わります。ヴァイオリン、ヴィオラ、リュート、テオルボ、バロックギター、チェロ、ヴィオリーネ、オルガン、チェンバロのアンサンブル。ノルウェー音楽アカデミーを2005年に卒業し、ノルウェーとヨーロッパのアンサンブルとオーケストラに客演をつづけるソプラノ歌手、ベーリト・ノルバッケン・スールセット Berit Norbakken Solset がソロを歌い、ピアニスト、作曲家としてノルウェーのジャズシーンを中心に活躍するヨン・バルケ Jon Balke がオルガンとアルバムの「サウンドスケープ(音風景)」を担当しました。
 
ビャッテ・アイケは、シェービグダに近いセルビュの教会で行われた録音セッションとポストプロダクションの共同制作も担い、「ライヴ・ミュージシャン」の立場から「音楽の生まれる瞬間」の再現を願い、ポストプロダクションの段階で、異なるテークのミックス、ソロ楽器のダビング、ミュージシャンがそれぞれに感じ考えた「憂鬱」を反映した自由な即興による録音を加えるといった手法を取り入れたと言います。「場所と音楽とプロジェクトに関係した音楽家たちと響き合った、私の個人的『憂鬱の影像』」が描きあげられました。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『ダイアモンド(Diamonds)- 男声合唱のための20世紀の傑作』
BIS CD 1233 contemporary/classical 

 
フランシス・プーランク(1899–1963)
 アッシジの聖フランチェスコの4つの小さな祈り
 (Quatre petites prières de Saint François d’Assise)(1948)
ダリユス・ミヨー(1892–1974)
 詩篇121番「主の家に行こう」(Psaume 121)(1921)
ダニエル・ベルツ(1943–)
 夜明けの風(Gryningsvind)(1976)
ヴェルヨ・トルミス(1930–)
 古代の海の歌(Muistse mere laulud)(1979)
トイヴォ・クーラ(1883–1918)
 夕べの雲(Iltapilviä) Op.27a–5(1914)
カミーユ・サン=サーンス(1835–1921)
 サルタレッロ(Saltarelle) Op.74(1885)
リヒァルト・シュトラウス(1864–1949)
 3つの男声合唱曲(Drei Männerchöre) AV123(1935)
 – 第2曲 夢の光(Traumlicht)
ランドル・トンプソン(1899–1984)
 タランテッラ(Tarantella)(1937)(男声合唱とピアノのための)
間宮芳生(1929–)
 コンポジション第6:2(Composition for Chorus No.6:2)(1968)
オイゲン・スホニュ(1908–1993)
 スロヴェニアの歌(Slovenská pieseň(1973)
ヤロスラフ・クジチカ(1882–1969)
 明けの明星の歌(Zornička) Op.28
 – 明けの明星は空高く(Vysoko zornička)
  ブラティスラヴァの粗末な家(Prešporská kasána)
  黒い瞳の恋人のいる男は(Kdo má pocernú galánk)
アンデシュ・ヒルボリ(1954–)
 muo:aa:yiy::oum(1983 rev.2000)(男声合唱のための)
  オルフェイ・ドレンガル(OD)
  ローベット・スンド(指揮)
  フォルケ・アリーン(指揮、ピアノ)
 
録音 2002年3月、10月 スウェーデン放送第2スタジオ(ストックホルム)
制作・録音エンジニア トーレ・ブリンクマン、イェンス・ブラウン 

 
「1853年10月30日、古い大学の街、ウプサラの小さなレストランに、男声四重唱の歌を歌うために13人の学生のグループが集まった。この集いを楽しんだ彼らは、再会を決め、それをきっかけにオルフェイ・ドレンガルが結成された。普段はイニシャルをとった『OD』と呼ばれるオルフェイ・ドレンガルの名は、彼らが集まりの最初にかならず歌う歌、スウェーデンを代表する音楽作家のひとり、カール・ミーケル・ベルマンの《聴け、オルフェウスのしもべよ(Hör I Orphei Drängar)》の第1節からとられた」(フランク・ヘードマン Frank Hedman、Swedish Society Discofil SCD1009 ブックレット)
 
スウェーデンを代表する男声合唱団のひとつ「オルフェイ・ドレンガル(Orphei Drängar)」 (OD)は、1853年の創設以来、一貫して、男声合唱による音楽表現を広げることを目標に活動してきました。1880年代にはすでに国外へのツアーを行うまでに成長。1910年に作曲家、ヒューゴ・アルヴェーン Hugo Alfvén(1872-1960) が指揮者に指名されてからは、彼の献身的な努力が実り、OD は、伝統的な男声合唱団の枠を越え、アルヴェーン自身が 「ヴォーカルオーケストラ(vokalorkester)」と呼ぶほどの大きな表現力を備えたグループに育ちました。彼は、1947年に指揮者の地位を退くまで、OD のために曲を書き、スウェーデン民謡の編曲を行いました。そうした作品は、今では、OD だけでなく、スウェーデンと世界各国の男声合唱団のスタンダード・レパートリー曲として歌われています。
 
1951年にエーリク・エーリクソン Eric Ericson(1918–2013)が指揮者に就任。新しい曲を積極的にレパートリーに取り入れることで、OD の一層の成長に貢献しました。1991年には、1986年からエーリクソンと共同で芸術監督と指揮者を務めていたローベット・スンド Robert Sund(1942–)が単独で指揮者、1996年からフォルケ・アリーン Folke Alin(1960–)が副指揮者を務めるようになりました。スンドは、エーリクソンの方針を受け継ぎ、彼が指揮して録音したヤン・サンドストレム Jan Sandström(1954–)の《カオ・ヤイの歌う猿(The Singing Apes of Khao Yai)》は、実験的な作品にもかかわらず世界的な評判をとりました。
 
『ダイアモンド』は、2003年、創立150周年を記念するアルバムとしてリリースされました。OD の存在理由と将来への道を示すため、彼らの伝統のレパートリーを避け、20世紀の作品を中心とするプログラムが組まれました。作曲者の国籍もさまざまです。フランスのプーランク、ミヨー、サン=サーンスがフランス、エストニアのトルミス、フィンランドのトイヴォ・クーラ、ドイツのリヒァルト・シュトラウス、アメリカのランドル・トンプソン、日本の間宮芳生、スロヴァキアのスホニュ、チェコのクジチカ。スウェーデンからは、ダニエル・ベルツ Daniel Börtz(1943–)の《夜明けの風》(OD の委嘱作)と、アンデシュ・ヒルボリ Anders Hillborg(1954–)の《muo:aa:yiy::oum》が選ばれています。
 
これらの曲を歌うには高度の技術が要求されます。ベルツの曲では、16声という密度の高い和声にもかかわらず高い透明度が求められ、クーラ Toivo Kuula の《夕べの雲(Iltapilviä)》では、一日の終わりに 「死」が重ね合わされる最後の部分でセカンドベースは、「フィンランド人のバス」を想定した、低い変ロ(B-flat)の音を歌わねばなりません。最大の難曲はヒルボリの曲。音声学の記号を曲名とするこの作品では、声は楽器の役割を担わされ、テクスチュアの微細な変化、響きの固定、動的なリズムといった要素が絡み合います。それらが高い完成度で歌われたとき、聴き手は、この複雑な音楽が響かせようとする世界の美しさに気づかせられます。この曲は、混声合唱が最初に作曲され、エーリクソンと OD の委嘱により男声合唱版が作られました。アルヴェーンの時代に OD がレパートリーに加えたクジチカの《明けの明星の歌》の1曲、恋する者の想いを託す〈明けの明星は空高く〉の柔らかい響きには、技巧と感性の融合を見ることができます。
 
常に新しいことを求めるという、OD がもっとも大切に考えている伝統が続くかぎり、彼らが歌う「男声合唱」のしなやかで、厚い響きの魅力が失せることはない。男声合唱の深い魅力を示したアルバムです。
 
追記 「Orphei Dränga」が「The Sons of Orpheus」と英語に訳されることについて OD で歌っている友人からコメントをコメントを受け取りました。それによると、団名を正確に英訳することは何度か試みられたものの、結論が出ず、現在は、翻訳するのをやめ、通常、英語のテクストでは「The Orphei Drängar Choir」とするとのことでした。「The Sons of Orpheus」(オルフェウスの息子たち) は公式名称ではないということです。今のスウェーデン語では “farmhand”(作男、下男)を意味する "dräng"("därngar" は複数形)は、かつては “servant”(しもべ)程度の意味だったようです。
 
価格 2,805円(税込価格)(本体価格 2,550円) 

『OD アルヴェーンを歌う(OD Sings Alfvén)』
BIS CD 633 classical

 
ヒューゴ・アルヴェーン(1872–1960)(作曲・編曲)
 聴け、オルフェウスのしもべたちよ(Hör, I Orphei Drängar)
 海辺の夜明け(Gryning vid havet)(1933) 
 蝶々(Papillon)(1936)
 グスタフ・フレーディングの葬儀(Gustaf Frödings jordafärd) Op.29
 子守歌(Berceuse)(1940)* ロスラーゲンの春(Roslagsvår)
 スウェーデンの旗(Sveriges flagga)(1916)
 ぼくの恋する人(Min kära)
 セレナード「リンダギュル」(Serenad "Lindagull")*
 夜(Natt)* 夕べ(Aftonen)(1942) 子守歌(Vaggvisa)(1933)
 わが心を汝(な) が御手に(Saa tag mit Hjerte) Op.54 *
 静寂の時に(I stilla timmar)(1940)*
 夏の香り(Sommardofter) Op.8 no.2 *
 君は静けき憩い(Du är stilla ro) Op.28 no.4 *
 君に想いこがれて(Jag längter dig) Op.28 no.5 *
 森は眠る(Skogen sover) Op.28 no.6 * 
 月の薄明かりの中に(I månans skimmer)
 (アウグスト・セーデルマン(1832–1876) 曲)
 試練(Prövningen)* 喜びの花(Glädjens blomster)
 ヴェルムランドの歌(Värmlandsvisan)*
 オクスベリ行進曲(Oxbergsmarschen)
 ダーラナ娘と踊ろう(Kulldansen) まぬけども(Trindskallarna)
 羊飼いの少年の歌(Vallgossens visa)*
 アンデシュは元気のいい作男(Anders, han var en hurtiger dräng)
 娘は踊りの輪に入る(Och jungfrun hon går i ringen)
 ふたりだけの牧場で(Uti vår hage) 気分(Stemning)(1938)
  オルフェイ・ドレンガル(OD) ローベット・スンド(指揮)
  クレース=ホーカン・アーンシェー(テノール)*
  フォルケ・アリーン(ピアノ)
 
録音 1993年2月6日–7日、9月4日–5日 ウプサラ大学ホール(ウプサラ、スウェーデン)
制作・録音エンジニアリング ローベット・フォン・バール

 
《夏至祭の夜明かし》など3つの《スウェーデン・ラプソディ》で国際的に知られる作曲家のアルヴェーン Hugo Alfvén は、スウェーデン国内では指揮者としての活動でも広く親しまれていました。『アルヴェーン、自作を指揮する(Alfvén conducts Alfvén)』(Phono Suecia PSCD 109)をはじめとする現存する録音に彼の指揮者としての能力と見識が示されています。アルヴェーンは、合唱の指揮も幅広く行い、1853年にウプサラに創設された男声合唱団「オルフェイ・ドレンガル(Orphei Drängar)(OD)」の指揮者を彼が務めた1910年から1948年は、団のもっとも輝かしい歴史のページとして刻まれています。
 
『OD アルヴェーンを歌う』と題したアルバムでは、アルヴェーンゆかりの作品が、テノールのクレース=ホーカン・アーンシェー Claes-Håkan Ahnsjö の歌う歌曲を交えたプログラムで歌われます。指揮者のローベット・スンド Robert Sund は、王立ストックホルム音楽大学で合唱指揮を学び、OD でバス・パートを歌いながら、アルヴェーンの後継者エーリク・エーリクソンを補佐。エーリクソンの引退後、OD の指揮者を務めながら各地の合唱団を指揮しています。
 
価格 2,805円(税込価格)(本体価格 2,550円)

『クリスマスの歌(Christmas Songs)』
BIS CD 1833 classical 

 
ペール=エーリク・モレウス(1950–)(ローベット・スンド(1942–) 編曲)
 コッポンゲン(Koppången)
カール・ニルセン(1865–1931)(ローベット・スンド(1942–) 編曲)
 語るもふしぎな(Forunderligt at sige)
グスタフ・ヌードクヴィスト(1886–1949)
 クリスマス、輝くクリスマス(Jul, jul strålande jul)
セリム・パルムグレン(1878–1951)
 ホサナ(Hosiannah!)
イングヴァル・リードホルム(1921–2017)
(ペール=ヘンニング・オールソン 編曲)
 マリアの子守歌(Madonnans vaggvisa)
伝承曲(スタファン・リンドベリ 編曲)
 ヴィットショヴレの歌(Vittskövlevisan)
 ウールストのスタファンの歌(Staffansvisa från Orust)
ヤン・ピータスソン・スヴェーリンク(1562–1621)
(チャニング・ルフェーヴル(1895–1967) 編曲)
 今日キリストは生まれたもう(Hodie Christus natus est)
ジョージ・フレドリック・ヘンデル(1685–1759)
(アンデシュ・ホーグステット 編曲)
 主は羊飼いのごとくその群れを養い(He Shall Feed His Flock)
エリック・ウィテカー(1970–)
 金色の光(Lux aurumque)
フランツ・グルーバー(1787–1863)
(ローベット・スンド(1942–) 編曲)
 きよしこの夜(Stille Nacht)
ニコライ・ゴロワノフ(1891–1953)
 まさにふさわしい(Dostóyno yest)
ミヒャエル・プレトーリウス(1571–1621)(ペール=ヘンニング・オールソン 編曲)
 一輪のばらが咲いた(Es ist ein Ros entsprungen)
ローウェル・メーソン(1792–1872)(アンデシュ・ホーグステット 編曲)
 もろびとこぞりて(Joy to the World)(instrumental)
ラルフ・ブレイン(1914–1995)(ローベット・スンド(1942–) 編曲)
 ハヴ・ユアセルフ・ア・メリー・リトル・クリスマス
 (Have Yourself a Merry Little Christmas)
メル・トーメ(1925–1999)/ロバート・ウェルズ(1922–1998)
(アンデシュ・ホーグステット 編曲)
 クリスマスの歌(The Christmas Song "Merry Christmas to You")
フェリクス・メンデルスゾーン(1809–1847)
(アンデシュ・ホーグステット 編曲)
 天にはさかえ(Hark! the herald angels sing)
伝承曲(ペール=ヘンニング・オルソン 編曲)
 よろこべ友よ、おそれなく(God Rest You Merry, Gentlemen)
ジョン・ガードナー(1917–)
(カーリン・オルドグレーン、アンドレーアス・ハンソン 編曲)
  明日は僕の踊りの日(Tomorrow shall be my dancing day)
  オルフェイ・ドレンガル(OD)
  セシーリア・リューディンゲル・アリーン(指揮)
  イーダ・ファルク・ヴィンランド(ソプラノ)
  リンネ金管五重奏団 ウプサラ室内管弦楽団員
 
録音 2009年2月 ウプサラ大学ホール(ウプサラ、スウェーデン)
制作・録音エンジニアリング マルティン・ナゴルニ

 
ローベット・スンドの後を継いで「オルフェイ・ドレンガル(Orphei Drängar)」の監督を務めるセシーリア・リューディンゲル・アリーンと OD による最初の録音。セシーリア・リューディンゲル・アリーン Cecilia Rydinger Alin(1961–)は、スウェーデンのヴェステロースに生まれ、王立ストックホルム音楽大学で学びました。1994年から1998年まで「ヴェルムランドの音楽」の首席指揮者を務め、ストックホルムの王立歌劇場、ヨーテボリの大劇場、ノルランド歌劇場で指揮。1988年から2009年までウプサラ大学合唱団(Allmänna Sången)を指揮した後、2008年に OD の指揮者に就任しました。
 
スカンディナヴィアと世界のクリスマスソングが、アカペラ男声合唱のほか、ソプラノ・ソロ、金管と弦楽のアンサンブルを交えながら歌われます。OD は、スンド指揮の『OD とクリスマス音楽を(Christmas Music wit OD)』(BIS-533)、リューディンゲル・アリーンは、ウプサラ大学合唱団を指揮して録音した『キャンドルライトのキャロル(Candelight Carols)』(BIS-NL-5028)に次ぐクリスマス・アルバムです。愉しいクリスマスをあなたに!
 
価格 2,805円(税込価格)(本体価格 2,550円)

『フォーク・クリスマス(Folkjul)- スウェーデンのフォーク・クリスマス』
BIS-NL CD 5031 traditional/classical 

 
グンナル・イーデンスタム(1961–)
 イントロ(Intro)
伝承曲
 主の道をととのえよ(Bereden väg för Herran)
 今日、御子が生まれた(Ett barn är fött)
 この日ひととなり(Personent hodie)
 エッサイの根より(一輪のばらが咲いた)(Det är en ros utsprungen)
ヤコブ・ルニャール(1540–1599)
 なんじキリストの花嫁よ喜べ(Gläd dig du Kristi brud)
伝承曲
 スタファンの挨拶の歌(Staffans hälsningssång)
 スタファンの歌(Staffansvisa)
 スタファンのハリング(Staffan Halling)
 乙女が今日、幼な子を生んだ(En jungfru födde ett barn idag)
フランツ・グルーバー(1787–1863)
 聖しこの夜(Stilla natt)
ソフィア・カールソン(1975–)
 地に平和を(Fri på jord) 
伝承曲
 グリンス・ハンスの《宴のポルスカ》(Grins Hans' Jässpôdspolska)
 われらが救い主来たれり(Världens Frälsare)
 来たれ、エマヌエル(Veni Immanuel)
  ソフィア・カールソン(ヴォーカル)
  エンマ・ヘーデリーン(ヴォーカル)
  リサ・リュードベリ(ヴァイオリン)
  グンナル・イーデンスタム(オルガン)
  聖ヤコブ室内合唱団 ギャリー・グレイデン(指揮)

 
スウェーデンの人々が歌い継いできたクリスマスの歌をオルガニストのグンナル・イーデンスタム Gunnar Idenstam(1961–)が編曲。『Welcome Christmas』(Proprius PRCD9138)やスティーヴ・ドブロゴスの《ミサ曲》《レクイエム》《先頃ライラックが前庭に咲いたとき》の聖ヤコブ室内合唱団とギャリー・グレイデン Gary Graden(1955–)を中心にフォークシンガーのソフィア・カールソン Sofia Karlsson とエンマ・ヘーデリーン Emma Härdelin、ソフィアのバンドでも演奏するリサ・リュードベリ Lisa Rydberg がセッションに参加しています。
 
価格 2,805円(税込価格)(本体価格 2,550円)

『フォーク・クリスマス II(Folkjul II)』
BIS SACD2334 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) traditional/classical  

 
バスク伝承曲(スウェーデン語歌詞:エーヴァ・ノルベリ=ハーグベリ)
 天使ガブリエルが訪れ(Från himmelen kom ängeln Gabriel)
 (ガブリエルのみ告げ)
フィリップ・ニコライ(1556–1608)(スウェーデン語歌詞:J・O・ヴァリーン)
 ようこそ、美しい朝の時間よ(Var hälstad sköna morgonstund)
14世紀のキャロル
 甘き喜びのうちに(もろびと声あげ)(In dulci jubilo)
伝承曲
 マールングの物乞い歌(Tiggarvisa från Malung)
ヴィクトル・ガブリエルソン
 ヴィクトル・ガブリエルソンのポルスカ(Polska av Viktor Gabrielsson)
アリス・テグネール(1864–1943)
 神の天使たちが歌っている(Nu sjunga Guds änglar)
サンドラ・マットルール
 コーヒーのガンガル(En gangar till kaffet)(ヴァイオリンとオルガンのための)
伝承曲
 星がひとつ明るく輝き(Det lyser en stjärna)
エミ・シェーレル(1858–1925)
 たくさんのキャンドルに灯がともった(Nu tändas tusen juleljus)
グンナル・イーデンスタム(1961–)
 クリスティーネのポルスカ(Christines polska)(ヴァイオリンとオルガンのための)
伝承曲/『アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳』
 スタファンの歌(Staffansvisa)/ミュゼット(Musette)
伝承曲
 スタファンのハリング(その2)(Staffans Halling II)
中世クリスマスの賛美歌
 星がひとつ空を横切っていった( En stjärna gick på himlen fram)
伝承曲
 祝福された日(Den signade dag)
ソフィア・サンデーン(1973–)
 すべてあの明るい星に(Allt vid den ljusa stjärna)
マッツ・ヴァルマン
 ポルスカ《クリスマスの朝(Julottan)》(ヴァイオリンとオルガンのための)
マルティン・ルター(1483–1546)(スウェーデン語歌詞:J・O・ヴァリーン)
 高き天より(Från humlens höjd)
  ウルリカ・ブーデーン(ヴォーカル、リコーダー)
  サンドラ・マットルール(ヴァイオリン)
  グンナル・イーデンスタム(オルガン)
  聖ヤコブ室内合唱団 ギャリー・グレイデン(指揮)
 
録音 2017年6月 エーリク・エーリクソン・ホール(ストックホルム)
制作・録音 クリスチャン・スタルケ

 
フォークミュージシャンのイーデンスタム Gunnar Idenstam(1961–)がストックホルムの聖ヤコブ室内合唱団とコラボレートした『スウェーデンのフォーク・クリスマス(Folkjul)』(BIS-5031)の第2作。2007年にリリースされた最初のアルバムは、イーデンスタムがシールナの教会の聖歌隊やイギリスの大聖堂のオルガンと出会った思い出をインスピレーションに創り上げた「ユニークなクリスマス」が、フォークミュージックが身近なスウェーデンの人たちから広く愛されたといわれます。第2作も前作と同じスタイルのアルバムとして作られました。バスクの伝承曲をスウェーデン語で歌う《天使ガブリエルが訪れ(ガブリエルのみ告げ)》。「スタファン(聖ステファノ)」を歌った《マールングの物乞い歌》《スタファンの歌》《スタファンのハリング(その2)》。ダーラナ地方エルヴダーレンのヴィクトル・ガブリエルソン Victor Gabrielsson の「ポルスカ」は、合唱、ヴォーカル・ソロ、リコーダー、ヴァイオリン、オルガンが共演。サンドラ・マットルール Sandra Marteleur が友人の結婚式のコーヒータイムでに演奏するために作り、プレゼントした《コーヒーのガンガル》(歩き歌)、イーデンスタムの《クリスティーネのポルスカ》、ダーラナ地方サクスダーレンのフォークミュージシャン、マッツ・ヴァルマン Mats Wallman の《クリスマスの朝》の3曲は、ヴァイオリンとオルガンのデュオで演奏されます。美しいメロディの《すべてあの明るい星に》は、イーデンスタムの友人でレークサンドの歌手、フォークミュージシャンのソフィア・サンデーン Sofia Sandén が伝承の詩に作曲しました。ウルリカ・ブーデーン Urlika Bodén は、スウェーデン北東部、ヘルグム生まれのフォークミュージシャン。フィラデルフィア出身のギャリー(ゲーリー)・グレイデン Gary Graden(1955–)は、王立ストックホルム音楽大学でエーリク・エーリクソンに学び、1984年から聖ヤコブ室内合唱団の芸術監督を務めています。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『音楽帳(Nodebog) ― 18世紀ノルウェーのポピュラー曲集』
2L 2L 088SABD Blu-ray Audio Disc + SACD hybrid (5.1 surround/stereo) traditional/classical 

 
『音楽帳(Nodebog)』
 前奏曲(Preludium) ラ・ロヴィスのエール(Air La Lovis)
 イギリス舞曲(Engelsk Dants) 焦茶色の上衣(En sortebrun Trøje)
 騎士の舞曲(Chavalier Dantz) 前奏曲(Prelude)
 キューピッドよ、さらば(Cupido faar wähl)
 愛のパスピエと王のパスピエ(Paspie d'Amour et Paspie Royal)
 イギリス田園舞曲(Engelsk Contra Dantz) 街の歌(Garsenhauer)
 イギリス舞曲 1(Engelsk Dantz 1) イギリス舞曲 2(Engelsk Dantz 2)
 ブラゲルネス行進曲(Bragnæs March) 行進曲(March)
 サラバンド(Sarrabande) サラス 1(Sarres 1) サラス 2(Sarres 2)
 ハリング(Hallingen) ラ・ファブリ(La Fabrit)
 ラ・フォリア(Viole de Span) パスピエ(Paspie)
 アリア「気まぐれな世界のことを」(Arie: Om Verdens Ustadighed)
 われらが森で(Dans nos bois) リゴドン(Rigadon)
 アリア「空に雲が立ち込め」(Arie: Et end Himlen fuld af Skyer)
 愛しき征服者(Amable veincoeur) メヌエット第7番(Menuet No.7)
 メヌエット(Menuet) 2つのハリング(2 Hallinger)
 イギリス舞曲(Engelsk Dantz)
  ハンス・オラヴ・ゴーシェット(リコーダー、バロックフルート、横笛)
  カトリーネ・ボトネル=ビー(ソプラノ)
  エリザベス・ゲーヴァー(バロックヴァイオリン)
  ヴェーガル・ルン(バロックギター、テオルボ)
  ラーシュ・ヘンリク・ヨハンセン(チェンバロ)
  アンドレ・リスレヴァン(ヴィオラダガンバ)
  シェル・トーレ・インネルヴィーク(太鼓)
  ホーコン・モルク・ステーネ(打楽器)
 
録音 2012年2月 ヤール教会(バールム、ノルウェー)
制作 ヴォルフガング・プラッゲ  録音 ビーアトリス・ヨハンネセン 
 
[DXD(24bit/352.8kHz) 録音]
[Disc 1: SACD hybrid (5.1 multichannel DSD/2.0 stereo DSD)] [Disc 2: Bluray: 5.1 DTS–HD MA (24bit/192kHz), 2.0 LPCM (24bit/192kHz), mShuttle: MP3 + FLAC  Region ABC worldwide]

 
18世紀ノルウェーで演奏され歌われた「愉しみの音楽」と「ディヴェティメント」を集めた「音楽帳」。ノルウェー民俗舞曲のハリング、ポーランドの舞曲、メヌエット、行進曲、イギリスの田園舞曲といった、ノルウェーで愛好された曲とヨーロッパで流行した曲が30曲、『トルエルス・ヨハンネスン・ヴィットの音楽帳(Truels Johannnessøn Hvidts notebok)』『ペーテル・バングの音楽帳(Peter Bangs notebok)』『バルテルーの音楽帳(Balteruds notebok)』『ヤーコブ・メストマッハーの音楽帳(Jacob Mestmachers notebok)』『インゲル・オールの音楽帳(Inger Aalls notebok)』『ヨハンネス・ブルーの「イギリス舞曲集」(Johannes Bruus Nogle engelske dantzer)』といった、ハンザ同盟の時代から栄えたベルゲンや各地で発見された手書きの音楽帳と出版本を基に演奏されています。
 
リコーダー、バロックフルート、軍隊の横笛を演奏する、リーダーのハンス・オラヴ・ゴーシェット Hans Olav Gorset(1952–)は、オスロのノルウェー音楽アカデミーの教授。リコーダー、バロックフルート、演奏慣習を教え、18世紀ノルウェーの音楽帳に記された1100曲の演奏の歴史と慣習をテーマとする論文で博士号を取得しました。彼が録音した中世ノルウェーの音楽やスカンディナヴィアとフランスのバロック期のフルート音楽は広く親しまれており、この「音楽帳」でも「友人たち」の演奏するバロックヴァイオリンやノルウェー伝統の太鼓などの楽器と一緒に18世紀ノルウェーの音楽を楽しく演奏しています。「焦茶色の上衣を新調したの 裏地はメランコリー なぜ悲しんでいるの と尋ねられたら いとしい人が死んだから と答えるでしょう あの人は今 ダニエル親方の庭 そのままずっと土の下 夏がふたたび巡るまで」。この《焦茶色の上衣》をはじめとする4曲の歌とアリアは、カトリーネ・ボトネル=ビー Cathrine Bothner–By のソプラノで歌われます。ブックレットの解説(英語、ノルウェー語) はゴーシェットが執筆。すべての曲の編曲も彼と「友人たち」が行いました。
 
価格 4,675円(税込価格)(本体価格 4,250円)
 

Pure Audio Blu-ray ディスクと SACD ハイブリッドディスクをセットにしたアルバムです。Pure Audio Blu–ray ディスクにはインデックスを除き映像は収録されていません。SACD ハイブリッドディスクはSACDブレーヤーとCDプレーヤーで再生できますが、Pure Audio Blu-ray ディスクはCDやDVDのプレーヤーでは再生できないので、Blu–ray プレーヤーもしくは Blu–ray 対応のPCをお使いください。

『ファッテイン・ヴァーレン』
2L 2L 089SABD Blu-ray Audio Disc + SACD hybrid (5.1 surround/stereo) classical

 
ファッテイン・ヴァーレン(1887–1952)
 弦楽四重奏のための作品集
 弦楽四重奏曲第1番 Op.10(1928–29)
 弦楽四重奏曲第2番 Op.13(1930–31) 弦楽四重奏曲 Op.0(1909)
 ゲーテの3つの詩(Drei Gedichte von Goethe) Op.6(1925–27)
 (ライフ・ハルヴォシェンによるソプラノと弦楽四重奏のための版) *
  シャクンタラー(Sakontola)/百合のように白く(Weiss wie Lilien)/
  ズライカ(Suleika)
  ハンサ四重奏団
   オースタ・ヨルゲンセン(第1ヴァイオリン)
   ヒラリー・フォスター(第2ヴァイオリン)
   ヘルガ・ステーン(ヴィオラ)
   ヴァルテル・ハイム(チェロ)
  ヒルデ・ハーラルセン・スヴェーン(ソプラノ) *
 
録音 2011年2月 ストーレトヴァイト教会(ベルゲン、ノルウェー)
制作 ヨルン・シメンスタ  録音 ビーアトリス・ヨハンネセン
 
[DXD(24bit/352.8kHz) 録音]
[Disc 1: SACD hybrid (5.1 multichannel DSD/2.0 stereo DSD)] [Disc 2: Bluray: 5.1 DTS–HD MA (24bit/192kHz), 2.0 LPCM (24bit/192kHz), mShuttle: MP3 + FLAC  Region ABC worldwide]

 
ファッテイン・ヴァーレン Fartein Valen(1887–1952) は20世紀ノルウェーでもっとも重要な作曲家のひとりです。しかし、後期ロマンティシズムの作風から出発したものの、調性を限界いっぱいまで広げ、その初演がノルウェー音楽史上最大のスキャンダルのひとつとされる1921年の《アヴェ・マリア》(Op.4)を最後に「調性」から離れ、シェーンベルク、ベルク、ヴェーベルンに倣った音楽語法による作曲に移ったため、同時代の他の作曲家たちの陰に隠れてしまい、多くの作品は彼の死後になって初演されるという不運に見舞われました。
 
ヴァーレンは、ノルウェー西海岸の町、スタヴァンゲルに生まれました。宣教師だった父の赴任先、マダガスカルで年少期を過ごし、6歳の時にスタヴァンゲルに戻りました。早くからピアノのレッスンを受け、学生になるころには一級のピアニストと認められ、同じ頃、作曲も始めました。家族の意向から大学では言語学を専攻。そのかたわらカタリーヌス・エリングから個人的に作曲法を教わりました。1909年、クリスチャニア(現、オスロ)の音楽院をオルガン演奏の学位をもって卒業した後、エリングの助言に従いベルリンに渡り、ベルリン音楽大学のマックス・ブルッフとカール・レオポルト・ヴォルフの下で学びました。4つの交響曲、2つの協奏曲、《海辺の墓場》をはじめとする管弦楽のための作品、室内楽曲、ピアノ曲とオルガンのための作品、歌曲と合唱曲。数こそ多くはないものの、表現すべき内容をもった作品群と評価されています。
 
ヴァーレンの作品番号の付けられた2曲の弦楽四重奏曲は、「自分の表現に必要な」音楽語法に移ってからの作品です。1929年に完成した弦楽四重奏曲第1番は、古典的形式とヴァーレンの言う「不協和ポリフォニー(dissonerende polyfoni/dissonant polyphony)」を組み合わせて作曲されています。作曲のモデルとしたJ・S・バッハの対位法を思わせる主題の展開の見られる〈モデラート〉、「歌曲」のような〈アダージョ〉、リズムを際立たせた〈スケルツォ〉、主要主題が繰りかえし現れる〈ロンド〉の4楽章。1932年、ライフ・ハルヴォシェン Leif Halvorsen(1887–1959)が第1ヴァイオリンを弾くノルウェー弦楽四重奏団 Den norske strykekvartett により初演されました。
 
第2番の弦楽四重奏曲も第1番と同様の語法で書かれています。最初の楽章はアンダンテ・コン・モートの〈フーガ〉。「フーガ」から音楽を始めるという発想について、ヴァーレンの伝記を書いたオラヴ・グルヴィンが記しています。「ある夜、オスロのホンノルブリッガ埠頭に彼がひとりで立っていた時、透明な水面に映る星の姿に気づいた。星は煌めき、穏やかに波打つ水面とともに動く」。〈テンポ・ディ・メヌエット、グラツィオーゾ〉の第2楽章、アレグロ・アッサイの〈フィナーレ〉。「星の夜」から生まれた作品の雰囲気は、地球を離れた宇宙を感じさせるとも言われます。
 
作品番号をもたない1909年の弦楽四重奏曲は、この作品がマックス・ブルッフに認められたおかげでベルリン音楽大学への入学を許可されたという、記念の曲です。この曲は4楽章で着想されたものの、作曲の経過が明らかでなく、最初の2つの楽章、〈アンダンテ・ピウ・トスト・アレグレット〉とアレグロ・モルト・ヴィヴァーチェの〈スケルツォ〉の楽譜だけがノルウェー国立図書館に保存されています。1907年に出版されたピアノのための《伝説曲(Legende)》(Op.1) と同じ後期ロマンティシズムの音楽です。
 
歌曲集の《ゲーテの3つの詩》は、長調と短調の調性から離れた後の作品です。〈シャクンタラー〉〈百合のように白く〉〈ズライカ〉。ソプラノとピアノのために書かれた作品をライフ・ハルヴォシェンが弦楽四重奏共演用に編曲し、弦楽四重奏曲第1番を初演したコンサートで演奏しています。
 
ハンサ四重奏団 Hansakvartetten は、ハンザ同盟の時代から栄えた町、ベルゲンのフィルハーモニック管弦楽団のプレーヤーにより1987年に創設されました。現在のメンバーは、オースタ・ヨルゲンセン Åsta Jørgensen、ヒラリー・フォスター Hilary Foster、ヘルガ・ステーン Helga Steen、ヴァルテル・ハイム Walter Heim。弦楽四重奏曲のスタンダード・レパートリー、ベルゲン生まれのグリーグとセーヴェルーの作品、セーヴェルーの子シェティル・ヴォスレフたち、現代ノルウェーの作曲家の作品によるコンサートを定期的に行っています。21世紀になってから、ヴァーレンの伝記を書いた音楽学者のビャルネ・コットセン Bjarne Kortsen とともにヴァーレン作品を紹介するプロジェクトを発足させ、2L のこのアルバムの録音が実現しました。
 
《ゲーテの3つの詩》のソロは、ノルウェーのソプラノ、ヒルデ・ハーラルセン・スヴェーン Hilde Haraldsen Sveen(1965–)がソロを歌います。1994年にベルリン芸術大学を卒業し、ヨーロッパ各地のオペラハウスで歌った後、2001年に《リゴレット》のジルダ役でノルウェー国立オペラにデビューしました。オラトリオとリサイタルでも歌い、現在はベルゲン大学のグリーグ・アカデミーでも教えています。
 
ハンサ四重奏団とスヴェーンの演奏するヴァーレンの音楽に、「20世紀の音楽でこれほど切迫感をもった個性に出会うのは、ずいぶんひさしぶりのことだ」というグレン・グールドの言葉があらためて思い出されます。
 
録音セッションは、2011年2月、ベルゲンのストゥーレトヴァイト教会 Storetveit kirke で行われました。ヨルン・シメンスタ Jørn Simensta がプロデュース、ビーアトリス・ヨハンネセン Beatrice Johannessen がバランス・エンジニアリングを担当しています。24bit/352.8kHz DXD録音。オーディオ装置の存在を忘れさせる、素晴らしい録音です。
 
価格 4,675円(税込価格)(本体価格 4,250円)
 

Pure Audio Blu-ray ディスクと SACD ハイブリッドディスクをセットにしたアルバムです。Pure Audio Blu–ray ディスクにはインデックスを除き映像は収録されていません。SACD ハイブリッドディスクはSACDブレーヤーとCDプレーヤーで再生できますが、Pure Audio Blu-ray ディスクはCDやDVDのプレーヤーでは再生できないので、Blu–ray プレーヤーもしくは Blu–ray 対応のPCをお使いください。

『聖母讃歌(Hymn to the Virgin)』
2L 2L 095SABD Blu-ray Audio Disc + SACD hybrid (5.0 surround/stereo) classical 

 
ベンジャミン・ブリテン(1913–1976)
 聖母讃歌(A Hymn to the Virgin)
フランシス・プーランク(1899–1963)
 サルヴェ・レジナ(Salve Regina)
モーリス・デュリュフレ(1902–1986)
 愛といつくしみのあるところ(Ubi caritas)
エリック・ウィテカー(1970–)
 黄金の光(Lux aurumque)
モーテン・ローリゼン(1943–)
 おお光より生まれし光(O nata lux)
マッティン・オーデゴール(1985–)
 来たれ(Komm)
シェル・モルク・ カールセン(1947–)
 おお大いなる奇跡(O Magnum Mysterium)
アントン・ブルックナー(1824–1896)
 アヴェ・マリア(Ave Maria)
セルゲイ・ラフマニノフ(1873–1943)
 アヴェ・マリア(Bogoróditse Dévo)
アルヴォ・ペルト(1935–)
 アヴェ・マリア(Bogoróditse Dévo)
オーラ・ヤイロ(1978–)
 すべてが美しいお方(Tota pulchra es)
アンドルー・スミス(1970–)
  マリアよ、あなたは美しい(Pulchra es tu Maria)
 スターバト・マーテル(Stabat Mater)
トロン・クヴェルノ(1945–)
 スターバト・マーテル・ドロローザ(悲しみの聖母は)(Stabat Mater Dolorosa)
  スコラ・ カントールム
  トーネ・ビアンカ・スパッレ・ダール(指揮)
 
録音 2011年1月、3月、10月 ガムレ・アーケル教会 (オスロ、ノルウェー)
制作 モッテン・リンドベルグ
録音 モッテン・リンドベルグ、ビーアトリス・ヨハンネセン
 
[DXD(24bit/352.8kHz) 録音]
[Disc 1: SACD hybrid (5.0 multichannel DSD/2.0 stereo DSD)] [Disc 2: Bluray: 5.0 DTS–HD MA (24bit/192kHz), 2.0 LPCM (24bit/192kHz), mShuttle: MP3 + FLAC  Region ABC worldwide]

 
ウィテカー、クリストフェシェン、ローリゼンたち、アメリカと北欧の世俗合唱曲によるアルバム『拝謁(Audiens)』(2L 61 SACD)を録音したオスロの室内合唱団スコラ・カントールム Schola Cantorum が、ブリテン、プーランク、デュリュフレをはじめとする作曲家たちの聖母マリアのための賛美歌を歌ったアルバムを作りました。
 
『聖母讃歌』。黄金の光、天使、御子を描いた、現代アメリカの作家エドワード・エッシュ Edward Esch の詩をチャールズ・アンソニー・シルヴェストリがラテン語に訳した歌詞で歌われるウィテカーの《黄金の光》。ローリゼン Morten Lauridsen の《永遠の光(Lux Aeterna)》の第3曲〈おお光より生まれし光〉。オーデゴール Martin Ødegaard の《来れ》は、J・S・バッハのモテット《来れ、イエスよ来れ(Kom, Jesu, komm)》による「瞑想」です。同じくノルウェーのカールセン Kjell Mørk Karlsen の〈おお大いなる奇跡〉は《クリスマス・オラトリオ》の第1曲として作曲されました。マリアを賛美するカトリックの祈りをテクストにオーラ・ヤイロ Ola Gjeilo が、多彩に変化する曲に作った《すべてが美しいお方》。中世イギリスのアンティフォナに基づくアンドルー・スミス Andrew Smith の《マリアよ、あなたは美しい》。ノルウェー民謡にみられる音型と装飾をもつクヴェルノ Trond Kverno の《スターバト・マーテル・ドロローザ》。
 
「賛美歌は、永遠なるものについて考えをめぐらせる時、その心の高揚が声として発せられるもの」。中世イタリアの神学者トマス・アクィナスの『神学大全』の言葉がライナーノーツに引用されています。スコラ・カントールムは、1964年、作曲家で指揮者のニューステットによりオスロ大学音楽学部に創設されました。彼のあと、2002年からは、ノルウェー音楽アカデミーで教えるトーネ・ビアンカ・スパッレ・ダール Tone Bianca Sparre Dahl が指揮者を務めています。アルバムの録音セッションは、オスロに現存する最古の建築物とされるガムレ・アーケル教会で行われました。
 
価格 4,675円(税込価格)(本体価格 4,250円)
 

Pure Audio Blu-ray ディスクと SACD ハイブリッドディスクをセットにしたアルバムです。Pure Audio Blu–ray ディスクにはインデックスを除き映像は収録されていません。SACD ハイブリッドディスクはSACDブレーヤーとCDプレーヤーで再生できますが、Pure Audio Blu-ray ディスクはCDやDVDのプレーヤーでは再生できないので、Blu–ray プレーヤーもしくは Blu–ray 対応のPCをお使いください。

『歌(Song)』
2L 2L 096SABD Blu-ray Audio Disc + SACD hybrid (5.0 surround/stereo) contemoporary/classical 

 
マリアンネ・ライダシュダッテル・エーリクセン(1971–)
 太陽の呼び声(Sol–lokk)
ゲイル・トヴェイト(1908–1981)(ホーコン・ベルゲ(1954–) 編曲)
 名誉ある出迎え(Vé no velkomne med æra)
ホーコン・ベルゲ(1954–)
 われら歌声高く(No stig vår song)
 祝福の朝なり(Velsignede morgen)
スヴェン=エーリク・ベック(1919–1994)
 春(Våren)
マリアンネ・ライダシュダッテル・エーリクセン(1971–)
 夜明け(Gryande morgon)
アルフレード・ヤンソン(1937–)
 エッバ・リンドクヴィストの3つの詩(Tre dikt av Ebba Lindqvist)
ボー・ホルテン(1948–)
 ヴォカリーズ(Vokalise)
トルビョルン・ デュールード(1974–)
 もうすぐ娘はバラ咲く庭で愛しい人に口づけを
 (Snart kysser hun sin venn i rosenhagen)
ハーラル・グッリクセン(1946–)
 主はわが光、わが救いなり(The Lord is my light and my salvation)
ヤーコ・マンテュヤルヴィ(1963–)
 アヴェ・マリア・ダオスタ(Ave Maria d’Aosta)
ボー・ホルテン(1948–)
 何事にも時があり(Alt har sin tid)
カール・ニルセン(1865–1931)
 わがイエスよ、わが心に(Min Jesus, lat mitt hjarta få)
ノルウェー民謡(ビョルン・アンドル・ドラーゲ(1959–)、オーラ・ブレムネス(1955–) 編曲)
 美しい夕べの歌(En smuk Aftensang)
  ウラニエンボルグ・ヴォーカルアンサンブル
  エリサベト・ホルテ(指揮)
 
録音 2011年10月、11月 ウラニエンボルグ教会 (オスロ、ノルウェー)
制作 モッテン・リンドベルグ
録音 モッテン・リンドベルグ、ビーアトリス・ヨハンネセン
 
[DXD(24bit/352.8kHz) 録音]
[Disc 1: SACD hybrid (5.0 multichannel DSD/2.0 stereo DSD)] [Disc 2: Bluray: 5.0 DTS–HD MA (24bit/192kHz), 2.0 LPCM (24bit/192kHz), mShuttle: MP3 + FLAC  Region ABC worldwide]

 
オスロに編集スタジオをもつ 2L は、グレクス・ヴォーカリス、アンサンブル96、スコラ・カントールムをはじめとするノルウェーの合唱団の個性的なディスクをリリースしてきました。オスロのウラニエンボルグ教会の合唱団のひとつ、ウラニエンボルグ・ヴォーカルアンサンブル Uranienborg Vokalensemble は、さまざまなジャンルと時代の音楽を活気にみちた演奏で聴かせることで名高い合唱団です。
 
アルバム『歌』。テレマルク地方の谷に響くこだまからインスピレーションを得て、アンサンブルのメンバー、マリアンネ・ライダシュダッテル・エーリクセン Marianne Reidarsdatter Eriksen が作曲したソプラノソロと高声5部のための《太陽の呼び声》。トヴェイト Geirr Tveitt の《ハルダンゲルの100の民謡》組曲第1番の第1曲をホーコン・ベルゲ Håkon Berge が混声合唱のために編曲した〈名誉ある出迎え〉。フィンランドのマンテュヤルヴィ Jaakko Mäntyjärvi のカトリック・ミサ典礼文をテクストとする《アヴェ・マリア・ダオスタ》。『旧約聖書』の『コレヘトの言葉(伝道の書)』に基ずくオーレ・ダルゴー Ole Dalgaard の詩に同じデンマークのボー・ホルテン Bo Holten が作曲した《何事にも時があり》。北部ノルウェーの聖職者で詩人、漁師でもあったペッテル・ダッス Petter Dass(1647–1705)の詩をクヴェーフィヨルドの宗教音楽家ハンス・クリスチャン・ベルゲシェン Hans Christian Bergersen(1835–1924) が歌に作った《美しい夕べの歌》。人間、人間と自然、人間同士、人間と神の関係に焦点を当てた選曲です。呼吸し、鼓動するアカペラの声。指揮は芸術監督のエリサベト・ホルテ Elisabeth Holte です。
 
価格 4,675円(税込価格)(本体価格 4,250円)
 

Pure Audio Blu-ray ディスクと SACD ハイブリッドディスクをセットにしたアルバムです。Pure Audio Blu–ray ディスクにはインデックスを除き映像は収録されていません。SACD ハイブリッドディスクはSACDブレーヤーとCDプレーヤーで再生できますが、Pure Audio Blu-ray ディスクはCDやDVDのプレーヤーでは再生できないので、Blu–ray プレーヤーもしくは Blu–ray 対応のPCをお使いください。

『夜(La Notte)』
Dacapo 8.226045 contemporary/classical 

 
ベント・サーアンセン(1958–) 作品集
 7つの憧憬(Sieben Sehnsüchte)(1999)(ヴァイオリンとピアノのための) *
 赤死病の仮面(The Masque of the Red Death)(1989–90)(ピアノのための)
 ピアノ協奏曲第1番《夜(La Notte)》(1996–98) **
  ロルフ・ハインド(ピアノ)
  デイヴィッド・アルバマン(ヴァイオリン)* BBC交響楽団 **
  ミケール・シュンヴァント(指揮)**
 
録音 2011年3月2日 ポットンホール(サフォーク、イギリス)、2000年4月29日 ロイヤル・フェスティヴァルホール(ロンドン)(協奏曲)
制作 ジェリー・ヘイズ、アン・マッケイ(協奏曲)
録音エンジニア ピーター・ニューブル、サイモン・ハンコック(協奏曲)
マスタリング モーテン・モーウンセン

 
「寡黙かと思えば、執拗に語る。なかば影の中にある、静かな動き。それは遠く色褪せた過去の記憶のよう」。ベント・サーアンセン Bent Sørensen(1958–)の書く音楽について語られた言葉です。新しいアルバム『夜』には、ピアノを中心とするサーアンセンの作品が3曲収録されました。彼の音楽の駆動力のひとつ「憧憬」をテーマとするヴァイオリンとピアノのための《7つの憧憬》。エドガー・アラン・ポーの小説にちなんだ標題音楽ではなく、ヴァイオリン協奏曲《朽ちゆく庭園(Sterbende Gärten)》(1992–93)、クラリネット独奏のための《朽ちゆく庭園の歌(The Songs of the Decaying Garden)》(1992)など、サーアンセンが1990年代の作品のテーマとした「朽ちゆくこと」の暗喩、1989年から1990年にかけて作曲された《赤死病の仮面》。スタッカートのアタック、熱狂させるテンポ。雑多な響きとモチーフが散りばめられ、「近く、遠く、夜空にある無数の惑星と星雲が観ている者を引き寄せ一体化する」感覚を思わせるピアノ協奏曲《夜》。イギリスのピアニスト、ロルフ・ハインド Rolf Hind と、彼のデュオのパートナー、ヴァイオリニストのデイヴィッド・アルバマン David Alberman、ミケール・シュンヴァント Michael Schønwandt の指揮するBBC交響楽団の演奏です。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『ホルムボーの協奏曲』
Dacapo 6.220599 SACD hybrid (Multichannel/stereo) classical

 
ヴァウン・ホルムボー(1919–1996)
 ヴィオラ協奏曲 Op.189(1992)
 管弦楽のための協奏曲(1929)
 ヴァイオリン協奏曲第2番 Op.139(1979)
  ラーシュ・アンデシュ・トムテル(ヴィオラ)
  エーリク・ヘイデ(ヴァイオリン)
  ノルショーピング交響楽団
  ディーマ・スロボデニューク(指揮)
 
録音 2011年6月13日–17日 ルイ・ド・イェール・コンサートホール(ノルショーピング、スウェーデン)
制作・録音 プレーベン・イーヴァン

 
ヴァウン・ホルムボー Vagn Holmboe(1919–1996)の初録音の協奏曲3曲。ヴィオラ協奏曲は、ホルムボーが82歳の時の作品です。無伴奏ヴィオラソナタを初演したイスラエルのヴィオラ奏者、リヴカ・ゴラーニのために書かれ、ユダヤ的な色彩の主題をもっています。活力にみち、ボルムボーがかつてバルカン半島で民俗音楽を集め、それが彼の音楽のルーツとなったことを思い起こさせるといいます。スカンディナヴィアを代表するヴィオラ奏者、ノルウェーのラーシュ・アンデシュ・トムテル Lars Anders Tomter がソロイストです。
 
作品番号をもたない《管弦楽のための協奏曲》は、ホルムボーがフィン・ヘフディングの下で修業をしていたころ、1929年に作曲されました。4年前の1925年にヒンデミットが書いた作品と同じ曲名がつけられているものの、協奏的な形式による合奏協奏曲というよりは、ソナタ形式で書かれた序曲ないし交響曲の冒頭楽章の性格をもった作品です。賛美歌風の主題に始まる音楽は、ホルムボーが尊敬し王立デンマーク音楽アカデミーへ入学を申請した時の試験官、カール・ニルセンに倣ったポリフォニーの使い方に特徴があるとされます。ノールショーピング交響楽団を指揮するディーマ・スロボデニューク Dima Slobodeniouk は、ロシア出身。シベリウス・アカデミーでヨルマ・パヌラに学んでいます。この録音が世界初演です。
 
ホルムボーは、特定のジャンルに集中して作曲することが多いことから、「シリーズ作曲家」と呼ばれています。ひとつの作品が次の作品のアイデアを呼ぶ。1970年代には独奏楽器と協奏曲のための作品が次々に作曲されました。チェロ協奏曲、リコーダー協奏曲、テューバ協奏曲。Op.139 のヴァイオリン協奏曲は、フルート協奏曲第1番のあと、1979年の作曲です。ホルムボーの弦楽四重奏曲全曲(8.207001)を録音したコントラ四重奏団のリーダー、ハンガリー生まれのアントン・コントラ Anton Kontra(1932–)のために書かれました。ベートーヴェンやメンデルスゾーンの協奏曲の伝統を意識しつつ、北欧のスタイルとハンガリーやバルカン半島の民俗音楽を結びつけたというホルムボーの唯一の「協奏曲らしい」ヴァイオリン協奏曲。まだ初演されていない1938年の作品があるため、「第2番」の番号がつけられています。スウェーデンのエーリク・ヘイデ Erik Heide がソロイストに起用されました。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『高貴なリコーダー協奏曲(Royal Recorder Concertos) - 国王フレゼリク四世の宮廷の音楽』
Dacapo 6.220630 SACD hybrid (Multichannel/stereo) classical 

 
クリストフ・グラウプナー(1683–1760)
 序曲 ヘ長調 GWV.447(c.1740)(リコーダー、弦楽と通奏低音のための)
ヨハン・アドルフ・シャイベ(1708–1776)
 4声の協奏曲 変ロ長調(リコーダー、弦楽と通奏低音のための)
ヨハン・ゴットリープ・グラウン(1703–1771)
 二重協奏曲 ハ長調 WILG3(1760)
 (リコーダー、ヴァイオリン、弦楽と通奏低音のための)
クリストフ・グラウプナー(1683–1760)
 協奏曲 ヘ長調 GWV.323(1735–37)(リコーダー、弦楽と通奏低音のための)
作者不詳(『王女シャーロッテ・アメーリの音楽コレクション』(1730) から)(M・プロハスカ 編曲)
 《王女の組曲》ニ短調(リコーダー、弦楽と通奏低音のための)
  ボレテ・ローズ(リコーダー) アルテ・デイ・スオナトーリ
 
録音 2013年3月13日–16日 プシュチナ城博物館 鏡の間(ポーランド)

 
デンマークの歴史上もっとも知的な絶対君主とみなされ、文化とりわけ芸術と建築のパトロンとして知られるフレゼリク四世(1671–1730) の宮廷ではドイツや各国の作曲家の作品が演奏されたことが記録されています。王女シャーロッテ・アメーリのために作らせた舞曲のコレクションに収められた組曲をはじめとするリコーダーのための協奏曲集。ソリストのボレテ・ローズ Bolette Roed(1979–) は、2004年に王立デンマーク音楽アカデミーを卒業し、中世から現代の音楽をレパートリーに演奏活動をしています。さまざまなアンサンブルと共演、コンチェルト・コペンハーゲン、デンマーク国立室内管弦楽団、デンマーク国立交響楽団、王立デンマーク管弦楽団のソリストを務めてきました。『Alpha』(8.226518)、ゴナ・ベアウ作品集『Melos』(8.226526)、ホルムボーのギターのための室内音楽(8.226143) につづく『高貴なリコーダー協奏曲』。1993年に創設されたポーランドのバロックオーケストラ、アルテ・デイ・スオナトーリ Arte dei Suonatori の共演です。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『ラーシュ・ペッテル・ハーゲン』
Aurora ACD5074 contemporary/classical

 
ラーシュ・ペッテル・ハーゲン (1975–)
 ノルウェー・アーカイヴ (Norsk arkiver)(2005)
 (室内オーケストラとエレクトロニクスのための)
 古代遺跡の偉容を前にした芸術家の絶望
 (Kunstnerens fortvilelse foran de antikke fragmenters storhet) (2010)管弦楽のための)
 トヴェイト断片 (Tveitt-fragmenter)(2006)(弦楽オーケストラのための)
 エドヴァルド・グリーグに基づく葬送行進曲 (Sørgemarsj over  Edvard Grieg)(2007)
 (室内アンサンブルとステージ外の管弦楽のための)
 ツァイトブロムに (To Zeitblom)(2011)
 (ハリングフェレと管弦楽のための協奏曲)*
  オスロ・フィルハーモニック管弦楽団 ロルフ・グプタ(指揮)
  イェルムン・ラーシェン(ハリングフェレ)
  ラーシュ・ペッテル・ハーゲン(スピーチ)*
  ヴィーラント・ホーバン(スピーチ)*
 
録音 2011年8月22日–24日、2013年5月13日 オスロ・コンサートホール
制作 クシシュトフ・ドラーブ
録音 ショーン・ルイス
ライヴ・エレクトロニクス(ノルウェー・アーカイヴ)
 EXPERIMENTALSTUDIO des SWR(フライブルク、ドイツ)
 ライヴ・エレクトロニクス ラインホルト・ブライク
 プログラミング ミヒャエル・アッカー

 
南ドイツの町ドナウエッシンゲンで毎年開催される音楽祭は、「同時代の音楽」のもっとも重要な音楽祭のひとつとして国際的に知られています。初めて行われた1921年にはヒンデミットの弦楽四重奏曲第2番、1925年にはストラヴィンスキーのピアノソナタ、1954年にはブーレーズの《ポリフォニーX》、1960年にはメシアンの《クロノクロミー》と、「新しい音楽」の作曲家たちの作品が初演されてきました。このフェスティヴァルを主催する南西ドイツ放送 (SWR)がノルウェーのラーシュ・ペッテル・ハーゲン Lars Petter Hagen に新作を委嘱したのは、最初が2005年、2度目が2011年です。
 
ノルウェー作曲家協会のレーベル、Aurora の新しいアルバムには、この2つの委嘱作を含む、ハーゲンの管弦楽のための全作品(2013年5月現在)がオスロ・フィルハーモニックによる新録音で収録されました。彼は、ブックレットに掲載された作曲家のアイヴィン・ビューエネ Eivind Buene(1973–)との対話の中でこう語っています。「今のオーケストラはマーラーとシュトラウスのころから変わっておらず、好むと好まざるとにかかわらず、そのこととうまく折り合わねばならない。オーケストラの編成と響きがマーラーの時代と同じなら、マーラーより優れたオーケストラ曲を書くという不可能を受け入れることが、私にとって前提条件となる。マーラーの後、オーケストラの歴史は廃墟となった」。
 
ドナウエッシンゲンで2005年に初演された《ノルウェー・アーカイヴ》は、室内オーケストラとエレクトロニクスのための作品です。〈自然として見るノルウェー性 (Det norske som natur)〉〈6つの賛美歌 (6 Salmer)〉〈メランコリーの劇 (Hørespill om melankoli)〉〈聖トマス調律 (St Tomas Stille)〉〈葬送行進曲 (Sørgemarsjer)〉の5曲が続けて演奏されます。ライヴ・エレクトロニクスは、SWR の EXPERIMENTALSTUDIO(実験スタジオ)の担当です。つづく3つの作品、《古代遺跡の偉容を前にした芸術家の絶望》《トヴェイト断片》《エドヴァルド・グリーグに基づく葬送行進曲》はそれぞれ、オスロ・フィルハーモニック、ノルウェー室内管弦楽団、ベルゲン・フィルハーモニックがノルウェー文化評議会の支援を得て、ハーゲンに委嘱しました。「聴き手」の受ける印象を第一に考えるからか、ハーゲンは作品について明確に語ることを避けています。《ノルウェー・アーカイヴ》と同様にこの3作も、《トヴェイト断片》が火災に遭ったトヴェイト農場の焼け跡から見つかった手稿譜の「断片」を素材としたことに触れた以外、作品の「ヒント」は示されません。
 
2011年の音楽祭で演奏された《ツァイトブロムに》は、ノルウェーの民俗楽器、ハリングフェレ(ハルダンゲルフィドル)とオーケストラのための協奏曲として作曲されました。この作品は途中にハーゲンの英語のスピーチとヴィーラント・ホーバン Wieland Hoban によるドイツ語の通訳が挟まれます。その中でハーゲンは、共鳴弦をもち、独特の「音」を響かせるハリングフェレを使ったことに言及しました。「ハリングフェレはノルウェー民俗音楽の中心にあり、グリーグの《抒情小曲集》の出発点となりました。私がハリングフェレの音楽を使うことを私が選んだのは、グリーグと同じ理由です。音楽的な個性 (Eigenart)と異国趣味 (Exotismus)の感じを出すためです。前回参加したフェスティヴァルでこの戦略が成功を収めたようなので、ふたたびその成功に預かれればと思いました」と、聴衆の笑いを誘っています。
 
オスロ・フィルハーモニックを指揮するロルフ・グプタ Rolf Gupta(1967–)は、作曲家としても活動しています。ハリングフェレのソロを弾くイェルムン・ラーシェン Gjermund Larsen(1981–)は、2011年10月16日、フランソワ=グザヴィエ・ロトが指揮した初演(Neos Music NEOS  11214–16)のソリストです。オーレ・ブル・アカデミーと国立音楽アカデミーに学び、フィドルアンサンブルのマヨルシュトゥーエン(2L 11SACD)のメンバーとして活躍。イェルムン・ラーシェン・トリオとして録音したアルバムや子供のためのアルバムがスペルマン賞(ノルウェー・グラミー賞)にノミネートされ、ジャンルを超えた活動で今日のノルウェーの音楽シーンをリードするひとりとみなされています。
 
価格 2,750円(税込価格)(本体価格 2,500円)

『獰猛なケンタッキーの運命の母たち』
Aurora ACD 5069 contemporary/classical 

 
ヨン・オイヴィン・ネス (1968–) 
 ピアノ協奏曲《強烈な日の光(サンバースト) (Sunburst)》 (2005–07)
 増幅したギターと管弦楽のための協奏曲
 《私の心をカトノサに埋めてくれ (Bury my Heart at Katnosa)》 (2005)
 2つのトロンボーンと2つのアンサンブルのための協奏曲
 《獰猛なケンタッキーの運命の母たち (Fierce Kentucky Mothers of Doom)》(ロングバージョン)(2006)
  マグヌス・ロドガール(ピアノ) トマス・ヒェクスタ(ギター)
  スヴェッレ・リーセ(トロンボーン)
  マリウス・ヘスビュー(トロンボーン)
  ノルウェー放送管弦楽団 トマス・リームル(指揮)
 
録音 2011年3月10日、14日–15日、21日–23日 ノルウェー放送 (NRK) 大スタジオ(オスロ)
制作 ジェフ・マイルズ
録音 テリエ・ヘッレム

 
ヨン・オイヴィン・ネス Jon Øyvind Ness は、今日のノルウェー音楽シーンでもっともユニークな音楽家のひとり。イギリスやアメリカのポピュラーミュージックとポップカルチャーに関心をもち、独自の着想による作品を発表してきました。オスロを本拠とする現代音楽のグループ、アンサンブル・エルンストを共同創設した指揮者トマス・リームルとノルウェー放送管弦楽団の新しいアルバム『獰猛なケンタッキーの運命の母たち』。オスロ・フィルハーモニックが録音したヴァイオリン協奏曲《マッド・キャップ・トゥートリング》とチェロ協奏曲《ウェット・ブラバー・スープ》(Simax PSC 1278)、ノルウェー軍西部音楽隊(ベルゲン)によるクラリネット協奏曲《砂漠から届いた悪い知らせ》(Aurora ACD 5053) とチェロ協奏曲《軌道に乗ったズヴェズドフカ》(ACD 5063) につづき、ネスの協奏曲が3曲紹介されます。
 
2007年に完成したピアノ協奏曲は、ピアニストのロドガールとクリスチャンサン交響楽団の委嘱による作品です。メシアンを連想させる「にぎやかな」音楽でソロピアノが登場し、3台の木琴やピッコロも絡み、雲間から突然現れる「強烈な日の光」のタイトルを映すように、明るく輝かしい響きの音楽が展開します。マグヌス・ロドガール Magnus Loddgard (1979–) は、ノルウェー音楽アカデミーでシーグル・スロッテブレックにピアノ、オーレ・クリスチャン・ルードに指揮を学びました。ベルリンの芸術大学のルッツ・ケーラーにも指揮を教わり、現在、トロンハイムに近い故郷のメルフースの「フョスフェスティヴァル」の監督をはじめ、多彩な活動をしています。
 
《私の心をカトノサに埋めてくれ》は、電気的に音を増幅したギターと管弦楽のために作曲されました。アメリカ先住民と白人の戦争の象徴とされる「ウーンデッド・ニーの虐殺」に題材を採ったディー・ブラウンの著作『わが心をウーンデッド・ニーに埋めてくれ (Bury My Heart at Wounded Knee)』(わが魂を聖地に埋めよ)とバフィ・セント=マリーの同名の歌に、オスロの北にある森を中心とする自然保護区のカトノサ湖の名を重ね、曲名としています。ギタリストのトマス・ヒェクスタ Thomas Kjekstad (1971–) は、ノルウェー国立音楽大学で学び、ラーシュ=エーリク・テル・ユングのヴァイオリンとのデュオ「ツイッター・マシン」としての活動で知られます。この作品は、ヒェクスタとノルウェー放送管弦楽団の委嘱により作曲されました。
 
2つのトロンボーンと2つのアンサンブルのための協奏曲はエンディングの異なるショートバージョンとロングバージョンの2つの版が作られています。ショートバージョンが《獰猛なケンタッキーの母たち》、ロングバージョンが《獰猛なケンタッキーの運命の母たち》と、曲名も少し違っています。このアルバムのロングバージョンは、クエンティン・タランティーノが脚本を書いたバンパイア・ホラー『フロム・ダスク・ティル・ドーン (From Dusk till Dawn)』、ギターとバンジョーが掛け合うブルーグラス《デュエリング・バンジョー》の場面で知られるジョン・ブアマン監督の『脱出 (Deliverance)』、そして、SF/ホラー・ビデオゲーム『DOOM 3(ドゥーム 3)』に影響を受けたと作曲者のネスは語っています。トロンボーンのスヴェッレ・リーセ Sverre Riise はノルウェー放送管弦楽団、マリウス・ヘスビュー Marius Hesby は王立ノルウェー海軍音楽隊のメンバー。2008年の初演のソリストです。
 
3曲すべて、「野蛮な印象主義」の具体化とも言える「ブラックコメディ」です。
 
価格 2,750円(税込価格)(本体価格 2,500円)

『マルクス・パウス』
Aurora ACD 5076 contemporary/classical 

 
マルクス・パウス(1979–)
 葬送音楽(Trauermusik)(チェロ独奏のための)
 4つのメメント・モリ(4 Memento Mori)(ピアノ独奏のための)
 チェロソナタ(Sonate for cello og klavér)(チェロとピアノのための)
  ヨハンネス・マッテンス(チェロ)
  ヨアキム・クヴェツィンスキ(ピアノ)
 
録音 2013年1月7日–9日 ソフィエンベルグ教会(オスロ)
制作 マルクス・パウス
録音 アウドゥン・ストリーペ

 
マルクス・パウス Macus Paus は今日のノルウェー音楽でもっとも人気のある作曲家のひとりです。ノルウェー国立音楽大学を卒業、2003年から2005年にかけてニューヨークのマンハッタン音楽学校に学びました。伝統的なハーモニーとメロディに新しい方向性を与えることに努め、さまざまなジャンル、とりわけ映画のための音楽(フィルムスコア)とオペラの分野で成功を収めています。W・B・イェーツの詩をテクストとする、オスロの室内合唱団、アンサンブル96のための《さらわれた子供》(2L 76SABD)をはじめ委嘱作も多く、多忙な作曲活動を続けています。
 
チェロとピアノのための作品を集めた Aurora のアルバムはパウスの作品だけを集めた最初のアルバムです。《葬送音楽》は、J・S・バッハとマラン・マレの曲を想わせる、チェロ独奏のための作品。ピアノ独奏のための《4つのメメント・モリ(死を想え)》は、パウスが長年に渡り共同作業を行っているヨーテボリ生まれの画家クリストフェル・ロードルンド Christopher Rådlund(1970–)の美術展「Death Passages(死の推移)」の視覚世界を基に作曲されました。チェロとピアノのための《ソナタ》は〈プロローグ〉〈スケルツォⅠ〉〈カデンツァと変奏〉〈スケルツォⅡ〉〈エピローグ〉の5楽章構成。優雅なメロディとスケルツォの「ein musikalischer Spass(音楽の冗談)」的気分が鮮やかな印象を残す作品です。
 
オスロ・フィルハーモニックで演奏し、ソロと室内楽の音楽家としても活動するヨハンネス・マッテンス Johannes Martens(1977–)。ステーン=ノクレベルグ、リヴ・グラーセル、イジー・フリンカに学び、2009年にローベット・レヴィン賞を受けたヨアキム・クヴェツィンスキ Joachim Kwetzisky(1978–)。パウスとふたりの音楽家の友情から生まれた作品集です。
 
価格 2,750円(税込価格)(本体価格 2,500円)

『Enzo』
Prophone PCD 142 jazz

 
『Enzo』
 You Look Good to Me(Seymor Lefco/Clement Wells)
 Full Speed Enzo(Kjell Öhman)
 My One and Only Love(Guy Wood/Robert Mellin)
 Walta–A–Nova(Bengt Hallberg)
 Just Friends(John Klenner/Sam M. Lewis)
 I've Got the World on a String(Harold Arlen/Ted Koehler)
 My Little Anna(Niels–Henning Ørsted–Pedersen)
 Bud Powell(Chick Corea) Compassion(Milt Jackson)
 Three and One(Thad Jones)
  シェル・オーマン(ピアノ)
  ハンス・バッケンルート(ベース)
  ヨッケ・エークベリ(ドラムズ)
 
録音 2013年2月11日–12日 OALスタジオ(ソレントゥナ、ストックホルム)
録音エンジニアリング レッナールト・ストローム
ミクシング シェル・オーマン

 
ピアニスト、オルガニスト、オーケストラリーダーとして活動し、8000を超える録音に参加してきたとも言われるシェル・オーマン Kjell Öhman は、2013年の初春、新たに創設された "Studioräven"(Studio Fox)賞の最初の受賞者に選ばれました。『The Duke』(PCD 123)に次ぐアルバム。ピアノのオーマン、ベースのバッケンルート Hans Backenroth、ドラムズのヨッケ・エークベリ Jocke Ekberg によるトリオで、ベンクト・ハルベリ、ハロルド・アーレン、チック・コリア、ミルト・ジャクソン、サド・ジョーンズたちの曲を演奏しています。「ハートフル」で穏やかなジャズ。
 
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)

『More』
ACT ACT 9533–2 jazz 

 
『More』
 Running(Jacob Karlzon) Nilha(Jacob Karlzon)
 Dirty(Jacob Karlzon) Between Us(Jacob Karlzon)
 Departure(Jacob Karlzon) The Riddle(Nik Kershaw)
 Fool’s Gold(Jacob Karlzon)
 Here to Stay(KoRn: Davis, Shaffer, Silveria, Welch & Arvizu)
 Epiphany(Jacob Karlzon)
 Rhododendron Rites(しゃくなげまつり)(Jacob Karlzon)
  ヤコブ・カールソン・トリオ
   ヤコブ・カールソン
   (ピアノ、キーボード、シンセサイザー、プログラミング)
   ハンス・アンデション(ベース)
   ユーナス・ホルゲション(ドラムズ)
 
録音 2012年4月、5月 ニレント・スタジオ(コッレレード、スウェーデン)
制作 ヤコブ・カールソン、ラーシュ・ニルソン
録音 ラーシュ・ニルソン

 
スウェーデンの2010年度最優秀ジャズ・ミュージシャンに選ばれたヤコブ・カールソン。彼がリーダーを務めるトリオ Jacob Karlzon 3 が、2012年の4月と5月にヨーテボリのニレント・スタジオで行ったセッション録音がリリースされました。「私は音楽をサウンドトラックと同じように作曲し、演奏します。そうすることで雰囲気と感じたことを永続性のある形に表現することができます。私が音楽でとても重要に思っている要素です。子供のころ、ウォークマンをつけて走り回っていると、周りの景色がウォークマンの音楽によって強調されるという経験をし、子供心にもその感覚がとても好きでした」(カールソン、ACT 9533–2 ブックレットから)。《Running》から《Rhododendron Rites(しゃくなげまつり)》までの10曲。『More』のタイトルをもつ新作は、折々の景色を「内なる映画」のための音楽として鮮やかに再生させたアルバムとみなすことができそうです。《The Riddle》と《Here to Stay》をのぞき、カールソンが作曲しました。
 
価格 2,860円(税込価格)(本体価格 2,600円)

『チームワーク (Teamwork)』
ACT ACT 9552-2 jazz 

 
『チームワーク (Teamwork)』
ニルス・ランドグレーン・ファンクユニット(曲・編曲)
 Get Serious Get a Job My Main Thang You Got It Afriquarius
 Green Beans * Rhythm Is Our Business † Living for Love
 Mr Masumoto ** Tracksuit Where the Funk Is At
 Don't Wannit Papa Bull Short Fried Beans
  ニルス・ランドグレン・ファンクユニット
   ニルス・ランドグレン(トロンボーン、ヴォーカル)
   マグナム・コルトレーン・プライス(ベース、ヴォーカル)
   マグヌス・リンドグレーン(木管楽器、ヴォーカル)
   ユーナス・ヴァール(木管楽器、ヴォーカル)
   セバスチャン・シュトゥトニツキ(キーボード、トランペット)
   アンディ・プファイラー(ギター、ヴォーカル)
   ロベルト・イキズ(ドラムズ)
  ゲスト
   ジョー・サンプル(ローズ・ソロ)*
   ウィルトン・フェルダー(テナーサックス・ソロ)**  
   ティル・ブロンネル(トランペット・ソロ) †
 
録音 2013年2月7日–10日 アトランティス・スタジオ(ストックホルム)
録音 ヤンネ・ハンソン

 
当代きってのファンク・ユニットと言われる、スウェーデンの R&B ファンクとジャズのトロンボーン奏者、ニルス・ランドグレーン(ラングレン) Nils Landgren (1056–) の「ファンクユニット」。輝かしいブラスセクション、「エクスタティック」なソロ、ダンスのビート、「クール」なヴォーカル、さらにブルースの味わいとエレガンス……『チームワーク』は「パーティ」の雰囲気のアルバムです。『Licence to Funk』(ACT 9455-2) と『Funk for Life』(ACT 9500-2) からのメンバー、サックス・プレーヤーで作曲家のマグヌス・リンドグレーン Magnus Lindgren ももちろん参加しています。
 
価格 2,860円(税込価格)(本体価格 2,600円)

『ドリームズヴィル(Dreamsville)』
Stunt Records STUCD 13052 jazz

 
『ドリームズヴィル(Dreamsville)』
 Estate(Bruno Martino/Joel E. Siegel)
 On a Clear Day(晴れた日に永遠が見える)(Burton Lane/Alan Jay Lerner)
 Dreamsville(ドリームズヴィル)(Henry Mancini/Jay Livingston, Ray Evans)
 Another Grey Morning(悲しい朝)(James Taylor)
 Don't Let Me Be Lonely(今夜は僕をひとりにしないで)(James Taylor)
 Bad Timing(Bobo Moreno)
 Once Upon A Summertime(Michel Legrand/Johnny Mercer)
 Back Stabbers(裏切り者のテーマ)(Leon Huff/Gene Mcfadden/John Whitehead)
 Love Walked in(George Gershwin/Ira Gershwin)
 Speak Low(Kurt Weill/Ogden Nash)
  ボボ・モレーノ(ヴォーカル)
  オーレ・コク・ハンセン(ピアノ、ローズ)
  ボー・スティフ(ベース) アダム・ナスボーム(ドラムズ)
 
録音 2013年3月5日–6日 STC Studios(コペンハーゲン)

 
デンマークのジャズヴォーカリスト、ボボ・モレーノ Bobo Moreno の新しいアルバム。彼の父、ボー・スティフ Bo Stiff とオーレ・コク・ハンセン Ole Koch Hansen のトリオにアメリカのドラマー、アダム・ナスボーム Adam Nussbaum が参加して録音セッションが行われました。ヘンリー・マンシーニ、ジェイムズ・テイラーの2曲、ミシェル・ルグラン、ガーシュウィン、クルト・ワイル、「裏切り者のテーマ」の邦題で知られるオージェイズのヒット曲《Back Stabbers》、そして自作の《Bad Timing》を歌っています。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

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