ウェブサイトで過去に紹介した北欧と北欧以外のディスクからピックアップして掲載するページです。

『KIND』
2L 2L 076SABD Pure Audio Blu-ray + SACD hybrid (5.0 surround/stereo)  contemporary/classical

 
『KIND』
民謡(フランク・ハーヴロイ(1969–)編曲)
 おやすみ坊や(Sov, sov, liten gut)
 テレマルクの子守歌(Bånsull fra Telemark)
ヤーコ・マンテュヤルヴィ(1963–)
 Die Stimme des Kindes(子供の声)
オステルダーレン民謡(フランク・ハーヴロイ(1969–) 編曲)
 子守歌(Bånsull) おねむり坊や(Bysjan, bysjan lite bån)
ペア・ヌアゴー(1932–)
 Wie ein Kind(子供のように) 
  Wiigen-Lied(子守歌) Frühlings-Lied(春の歌)
  Trauermarsch mit einem Unglücksfall(不幸なできごとのある葬送の行進)
ヴォス民謡(フランク・ハーヴロイ(1969–) 編曲)
 おやすみ坊や(Bia, bia lite bån)
テレマルク民謡(フランク・ハーヴロイ(1969–) 編曲)
 おねむり坊や(Bie, bie lite bån)
マルクス・パウス(1979–)
 The Stolen Child(さらわれた子ども)
 (ソプラノ、アルト、混声合唱と弦楽四重奏のための)
  アンサンブル96 シェティル・アルメンニング(指揮)
  ニーダロス弦楽四重奏団
 
録音 2010年1月 ウラニエンボルグ教会(オスロ、ノルウェー)
制作・録音 モッテン・リンドベルグ
共同制作 フランク・ハーヴロイ
 
[DXD (24bit/352.8kHz) 録音]
[Disc 1: Bluray: 5.0 DTS-HD MA (24bit/192kHz)/ 2.0 LPCM (24bit/192kHz)]
[Disc 2: SACD hybrid (5.0 surround 2.8224 Mbit/s/ch/2.0 stereo 2.8224 Mbit/s/ch/CD 2.0 stereo (16 bit/44.1 kHz)]

 
アンサンブル96(Ensemble 96)はオスロの室内合唱団です。ノルウェー・アーツカウンシル Norsk Kulturråd の財政支援を受け、現代の音楽に焦点を当てた演奏活動を行っています。『KIND』は、ヴォルフガング・プラッゲの《恩寵の道(Líknarbraut)》(2L 9)とグラミー賞の最優秀合唱部門と最優秀サラウンドサウンド・アルバム部門にノミネートされた『不滅のニューステット(Immportal Nystedt)』(2L 29)につづく 2L の第3作アルバムです。
 
“kind" は、「子供らしさ、無邪気さ」「幼稚さ」と、言語によって異なる意味をもち、その概念から「慰め」「友情」「親切心」の意味も派生します。このアルバムの副題は当初、「子供について、大人のための」が予定されていました。プログラムを構成するのは、作曲者、編曲者としても活動するバリトン歌手、Nordic Voices のメンバーでもあるフランク・ハーヴロイ Frank Havrøy(1969–)が編曲したノルウェーのフィヨルドと谷と高原に歌い継がれてきた子守歌と、北欧の3人の作曲家が「子供」をテーマに書いた作品です。《Pseudo-Yoike(擬似ヨイク)(ヨイクに似せて)》や《4つのシェイクスピアの歌》で知られるフィンランドのヤーコ・マンテュヤルヴィ Jaakko Mäntyjärvi(1963–)が、オーストリアの詩人レーナウ Nikolaus Lenau(1802–1850)の詩に作曲した《Die Stimme des Kindes(子供の声)》。デンマークのヌアゴー Per Nørgård(1932–)がスイスの芸術家ヴェルフリ Adolf Wölfli(1864–1930)の詩に作曲した《Wie ein Kind(子供のように)》は、各国の合唱団のレパトリーとして定着した曲集です。
 
ノルウェーのマルクス・パウス Marcus Paus(1979–)は、作曲家とギタリストとして活動しています。《The Stolen Child(さらわれた子ども)》は、アンサンブル96の委嘱により合唱と弦楽四重奏のために作曲されました。「スルースの森の岩だらけの高地が 湖に沈むところ 草の茂る島があり 羽ばたくアオサギに 眠けまなこのミズネズミたちも目を覚ます 俺ら妖精はそこに イチゴの詰まった 盗んだ真っ赤なさくらんぼでいっぱいの大桶を隠しておいた おいで人間の子どもよ! 水辺の荒れ地に 妖精と手に手を取って この世はおまえにはわからないほど悲しみに満ちている……」。アイルランドの詩人、W・B・イェーツ(1865–1939)の詩『さらわれた子ども(The Stolen Child)』がテクストです。
 
シェティル・アルメンニング Kjetil Almenning(1979–)は、ノルウェー国立音楽大学とストックホルム王立音楽大学で学び、2001年から2005年までヴォーカルアンサンブル「ギンヌンガガップ Ginnungagap」の指揮者を務めました。『われら龍の飛びゆく先を知らず(We Know Not Where the Dragons Fly)』(Simax PSC1248) が代表的録音です。2007年から2010年にかけてアンサンブル96を指揮、2009年8月にベルゲン大聖堂のカントルに就任しました。
 
「今日」の合唱音楽の「教科書」とも呼べるアルバム。録音セッションは、先の2枚のアルバムと同じオスロのウラニエンボルグ教会 Uranienborg kirke で行われました。1886年に建てられたネオゴシック様式のこの教会は、プロデューサー、モッテン・リンドベルグの気に入りの録音場所のひとつです。
 
価格 4,290円(税込価格)(本体価格 3,900円)
 

このアルバムは、5.0 DTS-HD MA (24bit/192kHz) と 2.0 LPCM (24bit/192kHz) の Pure Audio Bluray ディスクと SACD ハイブリッドディスク (5.0 surround/stereo) のセットです。Pure Audio Blu-ray ディスクにはインデックスを除き映像は収録されていません。CDやDVDのプレーヤーでは再生できないので、Blu-ray プレーヤーもしくは Blu-ray 対応のPCで再生してください。

ヘレーナ・ムンクテルの音楽』
BIS SACD 2204 SACD hybrid (5.0 surround/stereo)  classical  

 
ヘレーナ・ムンクテル(1852–1919)
 ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 Op.21(1905)
 10の歌曲(Dix Mélodies)(声とピアノのための)
  セレナード(Sérénade) 森の奥深く(Dans le lointain des bois)
  五月の夜、聞こえてくるもの(Ce qu’entendent les nuits)
  ゆりかごから(D’un berceau) カンティレーナ(Cantilène)
  魅惑(Fascination) 最後の子守歌(La dernière berceuse)
  愛の流浪者(Exil d’amour) あなたが望むなら(Si tu le voulais)
  誠実な心(Fidélité)
 小三重奏曲(Kleines Trio)(ピアノ、ヴァイオリンとチェロのための)
 ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 Op.21
 - スケルツォ・ブルスコ(Scherzo Brusco)(初稿)
  トビアス・リングボリ(ヴァイオリン)
  ソフィ・アスプルンド(ソプラノ)
  クリスティーナ・ヴィニアルスキ(チェロ)
  ペーテル・フリース・ユーハンソン(ピアノ)
 
[楽器: Violin: Niccolò Gagliano/Cello: Italian, Anon., probably mid-18th Century/Piano: Fazioli F278 concert grand]
 
録音 2019年9月(ソナタ、三重奏曲)、11月(歌曲) イレスタ教会(オールスンツブルー、スウェーデン)
制作・録音 インゴー・ペトリ

 
ヘレーナ・ムンクテル Helena Munktell(1852–1919)は、スウェーデンのダーラナ地方、グリュークスブーに生まれました。ストックホルム音楽院(現、王立ストックホルム音楽大学)で、ライプツィヒ音楽院に留学したルードヴィーグ・ノルマンたちに学び、ウィーンのユリウス・エプシュタイン、パリのバンジャマン・ゴダールとヴァンサン・ダンディに師事。1885年にスウェーデンで作曲家としてデビューしました。交響的絵画《砕ける波》や《ダーラナ組曲》などの管弦楽曲、室内楽曲、歌曲、オペラを中心に作品を発表。ダンディが委員長を務めていたパリの国民音楽協会(SNM)と、王立スウェーデン音楽アカデミーの会員に選ばれ、1918年には女性作曲家としてただひとり、スウェーデン作曲家協会の共同創設者に名を連ねました。
 
BIS レーベルが初めて制作するムンクテルの作品集。彼女の代表作とされている《10の歌曲》と2つの室内楽曲が収録されています。《ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調》は、循環形式と和声の書法などから、セザール・フランクのイ長調のソナタからインスピレーションを得て書かれたとされる4楽章の作品です。1905年の秋にストックホルムでフランクのソナタと同じコンサートで初演された後、第2楽章〈スケルツォ・ブルスコ〉の58小節が作曲者の手で削除され、フランスで出版されました。このアルバムの最後に追加収録された〈スケルツォ・ブルスコ〉は、初演時の初稿による演奏です。《小三重奏曲》は、作曲年の記載がなく、ドイツ語の曲名がつけられたことから、パリ留学の前、ストックホルムで作曲されたと考えられている作品です。
 
《10の歌曲》は、なかば私的な集まりや公のコンサートで歌われて好評を博した歌をパリの著名な出版者、アルフォンス・ルデュックが曲集として1900年に出版した作品です。ムンクテルの友人サークルの詩人、アメデ=ランデリ・エティシュ Amédée-Landély Hettich(1856–1937)が、ダニエル・ファルストレムやエマ・スパッレたちのスウェーデン語の詩をフランス語に訳してテクストにした7曲、エティシュ自身の詩による《ゆりかごから》と《あなたが望むなら》。ムンクテルの作曲したコミックオペラ《フィレンツェにて(I Firenze)》の〈カンティレーナ〉は、アルマン・シルヴェストル Armand Silvestre(1837–1901)によるフランス語訳がテクストに使われています。
 
BIS は、このアルバムの録音にスウェーデンのベテランと若手の優れた音楽家を起用しました。ヴァイオリニスト、コンサートとオペラの指揮者として活動、ムンクテルの管弦楽作品集(Sterling)を含む約20枚のディスクを録音しているトビアス・リングボリ Tobias Ringborg。2019年のバーバラ・ハンニガン率いる《放蕩児の遍歴》のツアーでアン・トルーラブ役を歌い、12月のノーベル賞授賞式コンサートに出演したソプラノのソフィ・アスプルンド Sophie Asplund。ザグレブ音楽アカデミーのヴァルター・デシュパリとスウェーデンのトゥールレイフ・テデーンに学び、室内楽のチェリストとして活動するクリスティーナ・ヴィニアルスキ Kristina Winiarski。アンデシュ・シールストレム、マッツ・ヴィードルンド、イタリアのコンスタンティン・ボジーノに学び、スウェーデン放送 P2 のアーティスト・イン・レジデンスを務めるピアニスト、ペーテル・フリース・ユーハンソン Peter Friis Johansson。彼が音楽財団の監督を務めているイレスタ教会でのセッション録音。「スウェーデン・ロマンティシズム」の香るアルバムです。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『風は思いのままに吹く(Der Wind bläset wo er will)』
Dacapo 8.226586 contemporary/classical 

 
トマス・エーヤフェルト・オーレセン(1969–)
 風は思いのままに吹く(Der Wind bläset wo er will)(2011)
 (管弦楽のための)
 チェロ協奏曲《わが母の思い出に(Til minde om min mor)》
 (2014 rev.2016)
  ヨハンネス・モーザー(チェロ)
  デンマーク国立交響楽団 オットー・タウスク(指揮) [世界初録音]
 
録音 2019年8月5日–7日(風)、2017年11月9日–10日(チェロ協奏曲) DR(デンマーク放送)コンサートホール(コペンハーゲン)
制作・編集・マスタリング ベルンハルト・ギュトラー
録音 ミケル・ニューマン(風)、ヤン・オルロプ(チェロ協奏曲)

 
デンマークのチェリストで作曲家、トマス・エーヤフェルト・オーレセン Thomas Agerfeldt Olesen(1969–)の『ドリアン・グレイの肖像』(2.110415 DVD)『Tonkraftwerk』(8.226509)につづく Dacapo レーベルのアルバム第3作。「人生について、生きていることについて」語った、それぞれに独自の世界をもつ2曲の管弦楽作品が演奏されます。《風は思いのままに吹く》は、5つの部分からなる一楽章の作品です。『ヨハネによる福音書』の一節「風は思いのままに吹く。あなたはその音を聞いても、それがどこから来て、どこへ行くかを知らない。霊から生まれた者もそのとおりである」(3章8節)(新共同訳)から曲名を採り、オーケストラの楽器を「フィールド・レコーディングのような自然の音」のように使った音楽です。《チェロ協奏曲》も一楽章で書かれています。「ある種のロンド……私にとって母がそうだったように、いつでも戻ることのできる場所を望んでいるような……」。彼と家族が病床にあった母親の世話をしていた日々に作曲されました。技巧と表現力、ニュアンス豊かな響き、作品への共感といった多くのことの求められる音楽です。ドイツ系カナダのチェリスト、ヨハンネス・モーザー Johannsu Moser がソリストに起用され、オランダのオットー・タウスク Otto Tausk 指揮のデンマーク国立交響楽団と共演しています。 
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円) 

『静かな美(A Quiet Beauty)』
LAWO Classics LWC 1203 classical  

 
ヨハン・クヴァンダール(1919–1999)
 3つのクリスマスの賛美歌(Tre Julesalmer)(1946)*
  信心深い羊飼いに(Til hyrder fromme)
  もっとも美しいバラ(Den yndigste rose)
  羊飼いたちは夜を見つめ(De hyrder stiffer i natten ut)
 「暁の光がこの地を照らす」によるコラール前奏曲
 (Koralforspill over “Ljoset yver landet dagna”)(1956)
 Benedicam Dominum(どのようなときも、わたしは主をたたえ)
  Op.17(1957)*
 オルガンのためのトッカータ(Toccata for orgel) Op.5 no.3(1958)
 四旬節のための瞑想(Meditasjon for fastetiden)(1961)
 わたしは光として世に来た(Jeg er kommet som et lys til verden)(1963)*
 主よ、御もとに身を寄せます(Til deg herre, tar jeg min tilflukt)
  Op.26 no.1(1966)*
 O Domine Deus(おお、神なる主よ) Op.26 no.2(1966)*
 伝承歌「庇護を求める場所があるのは」によるパルティータ
 (Partita over folketone “Hvor er det godt å lande”) Op.36(1971)
 前奏曲(Preludium)(1977)
 オルガンのための幻想曲(Fantasia for orgel) Op.83(1996)
 2つの宗教的な歌(To reljiøse sanger)(1965)*
  夕べの賛美歌(Kveldsalme) 朝の歌(Morgonsong)
  リーナ・ヨンソン(ソプラノ)*
  アルンフィン・トビーアセン(オルガン)
 
録音 2019年3月14日–16日 救世主教会(ハウゲスン、ノルウェー)
制作 ヴェーガル・ランドース
録音 トマス・ヴォルデン  [DXD(24bit/352.8kHz)録音]

 
ヨハン・クヴァンダール Johan Kvandal は、作曲家、教会音楽家として20世紀ノルウェー音楽界に存在感を示したひとり。彼は、簡潔なネオクラシカルの様式と、父ダーヴィド・モンラード・ヨハンセンのロマンティックな作風とノルウェー民謡に基づく創作スタイルを結びつけた、独自の魅力ある作品を生み出したことで知られます。このアルバムは、彼のキャリアに捧げるトリビュートとして制作されました。彼がオスロのヴォーレレンガ教会のオルガニストを務めた1959年から1974年までの作品を中心に、その後の重要な2曲が演奏されます。《前奏曲》は、1977年の『ノルウェー・オルガン本』のための作品として、即興を基に作曲されました。《オルガンのための幻想曲》は、クヴァンダールが亡くなる3年前の作品。「現代」の不協和音と、伝承の音楽から得たインスピレーションを併せもった音楽です。
 
オルガニストのアルンフィン・トビーアセン Arnfinn Tobiassen は、ロンドンの王立音楽アカデミーで学びました。ノルウェー南部、カルモイ島のアヴァルスネスにある歴史的な聖オラヴ教会のオルガニストを務めています。2015年から2019年までノルウェー・オルガン・フェスティヴァルの芸術監督。トロン・H. F. クヴェルノのポートレート・アルバム『クレド』(LWC 1091)を LAWO Classics に録音しています。ノルウェーのソプラノ、リーナ・ヨンソン Lina Johnson は、2011年にコペンハーゲンの王立デンマーク歌劇場にデビュー、翌年、ノルウェー国立歌劇場で初めて歌いました。バッハの受難曲、ヘンデルの《メサイア》、オルフの《カルミナ・ブラーナ》などをレパートリーにコンサートにも出演しています。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『In Motion』
BIS SACD 2529 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) classical/contemporary 

 
フランツ・シューベルト(1797–1828)(ジュリアン・アズクール 編曲)
 四重奏断章(Quarttettsatz) ハ短調 D.703(弦楽四重奏曲第12番) *
マシュー・ハインドソン(1968–)
 マラリンガ(Maralinga)(2009/11)
 (ソロ・ヴァイオリンと弦楽オーケストラのための)**
ルイジ・ボッケリーニ(1743–1805)(ジュリアン・アズクール 編曲)
 マドリードの通りの夜の音楽(Musica notturna delle strade di Madrid)*
アルトゥーロ・コラレス(1973–)
 Señores, les voy a contar…(殿方よ、あなたがたに話そう…)(2010)***
ガレス・ファー(1968–)(ジュリアン・アズクール 編曲)
 Mondo Rondo(モンド・ロンド)(1997)•
  ユナイテッド・ストリングズ・オブ・ヨーロッパ
  アマーリア・ホール(ヴァイオリン)** 
  ジュリアン・アズクール(ディレクター、コンサートマスター)*
  フランク・フォンクベルト(指揮)**/***
 
録音 2020年3月 セント・シラス教会(ケンティッシュ・タウン 、ロンドン、イングランド) 
制作 マシュー・ベネット
録音 デーヴ・ローウェル 

 
近年、弦楽オーケストラの水準は、めざましい向上を遂げてきたといわれます。楽譜を響きのある音にする技術、なによりも重要な、楽譜の奥にある「作曲家の音楽」を表現する技術をもったアンサンブルが多く現れ、世界の音楽シーンを豊かなものにしています。BIS レーベルは、こうした優れたグループの紹介に努め、カメラータ・ノルディカ、ムシカ・ヴィテ、オストロボスニア室内管弦楽団、オーストラリア室内管弦楽団、アムステルダム・シンフォニエッタといったアンサンブルのアルバムを積極的にリリースしてきました。BIS が新しく紹介する「ユナイテッド・ストリングズ・オブ・ヨーロッパ(United Strings of Europe)」(USE)は、ロンドンに本拠を置くアンサンブルです。ヨーロッパ連合とスイスの若いプロフェッショナルたちが音楽と文化の協力を最高度の水準で促進することを目標に集まり、「独創的なプログラムと『高度な技術による表現豊かな』演奏」(「ザ・タイムズ」)といった賛辞をすでに得ています。リーダーは、レバノン系イギリスのヴァイオリニスト、ジュリアン・アズクール Julian Azkoul。彼は、スウェーデンのカメラータ・ノルディカの客演ディレクターのほか、各国のオーケストラに客演しています。副指揮者のフランク・フォンクベルト Franck Fontcouberte は、打楽器奏者から転向、デーヴィッド・ロバートソン、ピエール・ブーレーズたちに指揮法を学びました。
 
『In Motion』(動いている)は、ユナイテッド・ストリングズ・オブ・ヨーロッパのデビュー・アルバムです。シューベルトの《四重奏断章》は、第2楽章をスケッチしたところで作曲が放棄されたため、「アレグロ・アッサイ」の楽章が単独の曲として出版されました。シューベルトの円熟期を告げる、劇的、表現的な音楽です。オーストラリアのマシュー・ハインドソン Matthew Hindson(1968–)の《マラリンガ》は、イギリスが大気中核実験を行い、アボリジニとオーストラリア軍兵士に放射線被害を与えた、現地の言葉で「雷」を意味する場所を曲名にした音楽です。このアルバムでは、ウェリントン管弦楽団のリーダー、ニュージーランドのアマーリア・ホール Amalia Hall がソリストを務め、オーストラリア室内管弦楽団の委嘱による「ソロ・ヴァイオリンと弦楽オーケストラ」の版を演奏しています。
 
ボッケリーニの《マドリードの通りの夜の音楽》は、彼の数少ない標題音楽のひとつ。弦楽五重奏のために作曲され、〈アヴェ・マリアの鐘(La campane de l’Ave Maria)〉〈兵士たちの太鼓(Il tamburo dei Soldati)〉〈盲目の物乞いたちのメヌエット(Minuetto dei Ciechi)〉〈ロザリオ(Il Rosario)〉〈流しの歌手たちのパッサカリア(Passa Calle)〉〈太鼓(ll tamburo)〉〈マドリードの夜の帰営ラッパ(La Ritirata di Madrid)〉の7曲で構成。アズクールの編曲では第1曲と第2曲、第5曲と第6曲がつづけて演奏されます。
 
アルトゥーロ・コラレス(1973–)は、エルサルバドル出身。作曲家、指揮者としてスイスで活動しています。《Señores, les voy a contar…(殿方よ、あなたがたに話そう…)》は、母国エルサルバドルの人々が伝えるさまざまな物語、神話、伝説、伝承歌を思い描きながら作られたという、約5分の小品です。《Mondo Rondo(モンド・ロンド)》は、ニュージーランドの作曲家ガレス・ファー(1968–)のもっとも演奏されることの多い作品に挙げられています。〈Mondo Rondo(モンド・ロンド)〉〈Mumbo Jumbo(マンボ・ジャンボ)〉〈Mambo Rambo(マンボ・ランボ)〉の短い3曲の中に、エキゾティックなメロディと打楽器的なファンキーなリズムを組み合わせ、独特の音世界を作り上げた作品です。この作品とシューベルト、ボッケリーニの曲は、アズクールが「今日の」発想で取り組んだ、弦楽オーケストラのための編曲で演奏されます。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『ロマンティシズム時代のホルン(The Horn in Romanticisms)』
2L 2L 162SABD Pure Audio Blu-ray + SACD hybrid (5.0 surround/stereo) classical  

 
ポール・デュカス(1865–1935)
 ヴィラネル(田園詩)(Villanelle)(1906)(ホルンとピアノのための)
シャルル・グノー(1818–1893)
 アンダンテ(Andante)
 (《ピストン・ホルンとピアノのための6つのメロディ》(1839)から)
カミーユ・サン=サーンス(1835–1921)
 ロマンス(Romance) Op.36(1874)
エマニュエル・シャブリエ(1841–1894)
 ラルゲット(Larghetto)(1875)
カール・チェルニー(1791–1857)
 アンダンテ・エ・ポラッカ(Andante e Polacca)(1848)
フランツ・シュトラウス(1822–1905)
 夜想曲(Nocturno) Op.7(1864)
ロベルト・シューマン(1810–1856)
 アダージョとアレグロ(Adagio und Allegro) Op.70(1849)
リヒャルト・シュトラウス(1864–1949)
 アンダンテ(Andante)(1888)
  スタイナル・グランモ・ニルセン(ヒストリカル・ホルン)
  クリスティン・フォスハイム(フォルテピアノ)
 
[楽器 Horn: Marcel-Auguste Raoux, horn with piston valves (sauterelle), Paris 1836(Dukas/Gounod)/Marcel-Auguste Raoux, natural horn, Paris 1836(Saint-Saëns/Chabrier)/Fam. Lausmann, natural horn, Bohemia c.1800(Czerny)/Leopold Uhlmann, Vienna horn, Vienna c.1900(F. Strauss/Schumann/R. Strauss)(All the horns are copies made by Andreas Jungwirth, Freishcling, Plank am Kamp, Austria)/Fortepiano: Ernst Irmler, Leipzig 1850–1860, restored in 2019 by Sigmund Berg]
 
録音 2019年6月 ソフィエンベルグ教会(オスロ、ノルウェー)
制作・バランスエンジニアリング モッテン・リンドベルグ
 
[DXD(24bit/352.8kHz)録音]
[Disc 1: Blu-ray: 5.0 DTS-HD MA(24bit/192kHz), 7.0.4. Auro-3D(96kHz), 7.0.4. Dolby Atmos(48kHz), 2.0 LPCM (24bit/192kHz), mShuttle: MQA + FLAC + MP3 Region ABC]
[Disc 2: SACD hybrid(5.0 multichannel DSD/2.0 stereo DSD)]

 
「ホルンの音は、ロマンティック音楽の作曲家たちにとって、荒れ狂うような強い感情を典型的に示すものだった。ロベルト・シューマンは、ホルンはオーケストラの魂だと語ったといわれ、詩人たちは、ホルンの音を魂の憧れの象徴とみなした。そして、ホルン奏者にとっては、バルブの発明に明らかなようにホルンが新しい技術による実験と変化に直面したため、ロマンティシズムのほとんどの時代を通じてホルンそのものの魂が問題になった……」。第62回グラミー賞「最優秀イマーシブオーディオ・アルバム」を受賞したモッテン・リンドベルグ Morten Lindbeg の制作した新しいアルバム『ロマンティシズム時代のホルン』。『初期ロマンティシズムのホルンソナタ』(2L 113SABD)を録音したナチュラルホルンの名手、ノルウェーのスタイナル・グランモ・ニルセン Steinar Granmo Nilsen の 2L レーベル第3作です。このアルバムでは、ロマンティシズム時代の作曲家たちがホルンのために作った作品が、それぞれの作曲家ゆかりの楽器で演奏されます。デュカスの《ヴィラネル》とグノーの《アンダンテ》は、マルセル=オギュスト・ラウーが1836年に製作したピストン・バルブ付きホルン、サン=サーンスの《ロマンス》とシャブリエの《ラルゲット》はラウーのナチュラル・ホルン、チェルニーの《アンダンテ・エ・ポラッカ》はボヘミアのラウマン製作のナチュラル・ホルン、フランツ・シュトラウスとシューマンとリヒャルト・シュトラウスの曲はレーオポルト・ウールマンが1900年頃に作ったウィーン・ホルン。いずれも、ニルセンの前のアルバムと同じアンドレーアス・ユングヴィルトの製作したコピー楽器です。ホルンという楽器の進化を探り具体的な姿に示してゆく試み。前作と同じ、ノルウェー音楽アカデミーでフォルテピアノを担当するクリスティン・フォスハイム Kristin Fossheim(1963–)が共演。オスロのソフィエンベルグ教会で録音セッションが行われました。
 
 
価格 4,290円(税込価格)(本体価格 3,900円) 
 

Pure Audio Blu-ray ディスクと SACD ハイブリッドディスクをセットにしたアルバムです。Pure Audio Blu–ray ディスクにはインデックスを除き映像は収録されていません。SACD ハイブリッドディスクはSACDブレーヤーとCDプレーヤーで再生できますが、Pure Audio Blu-ray ディスクはCDやDVDのプレーヤーでは再生できないので、Blu–ray プレーヤーもしくは Blu–ray 対応のPCをお使いください。

Amavi(私は愛した)
BIS SACD 2503 SACD hybrid (5.0 surround/stereo)  classical  

 
マイケル・イースト(1580–1648) ヴィオールと声のための音楽
 Desperavi(私は絶望した)
 アンセム「ダビデは、アブサロムが殺されたと聞き(When David heard)」
 (『サムエル記下』)*/**
 Peccavi(私は罪を犯しました)
 わたしの罪に御顔を向けず(Turn thy face)(『詩編51番』)*/**
 御救いの喜びを再びわたしに味わわせ
 (O give me the comfort of thy help again)(『詩編51番』)*/**
 Vidi(私は見た)
 マドリガル「Hence stars too dim of light(星の光が弱すぎて)」
 (作者不詳の詩)*
 Penitet(私は飲んだ)
 マドリガル「Farewell sweet wood s(さようなら優しい森)」
 (作者不詳の詩)*
 Credidi(私は信じた)
 O Lord of whom I do depend(おお主よ、あなたを信頼しています)
 (ジョン・マーカントの詩)*
 Vixi(私は生きた)
 Life tell me(人生よ教えてくれ)(イタリアの詩の作者不詳訳)*
 Triumphavi(私は勝利した)
 すべての民よ、手を打ち鳴らせ(O clap your hands)(『詩編47番』)*
 神は歓呼の中を上られる(God is gone up)(『詩編47番』)*
 Amavi(私は愛した)
 マドリガル「When I lament(わたしが嘆くと)」(作者不詳の詩)*
ジル・ジャーマン(1959–)
 Now are my thoughts at peace(心穏やかに思うこと)
 (サー・ヘンリー・ウォットンの詩)*
  フィエリ・コンソート *
   ハナ・イーリー ルシンダ・コックス ヘレン・チャールストン
   ナンシー・コール ジョッシュ・クーター トム・ケリー
   ベン・マッキー
  チェリス・ヴィオール・コンソート
   イブラヒム・アジズ(トレブル・ヴィオール)
   アリソン・キンダー(トレブル・ヴィオール、テナー・ヴィオール)
   ケイト・コンウェイ(テナー・ヴィオール)
   サム・スタドレン(テナー・ヴィオール、バス・ヴィオール)
   ジェニファー・ブロック(バス・ヴィオール)
   エミリ・アシュトン(テナー・ヴィオール)**
 
[楽器 Treble viol: Kazuya Sato, Japan 2006/Treble viol: Robert Eyland, England 1988/Tenor viol: Michael Metcalfe, England 1984/Tenor viol: Kazuya Sato, Japan 2007/Tenor viol: Joe Lotito, England 2012/Bass viol: Jane Julier, England 2017/Bass viol: Renate Fink, Germany 2007]
 
録音 2018年8月 ガートン・カレッジ・チャペル(ケンブリッジ、イングランド)
制作 マシュー・ベネット
録音 デイヴ・ラウル(ローウェル)

 
16世紀と17世紀初頭のイギリスでは、ヴィオールのコンソートがもてはやされ、作曲を手がけるイギリスの音楽家たちはこのレパートリーのための音楽を最優先に作曲していったと言われます。マイケル・イースト Michael East(c.1580–1648)も、そのひとりです。ケンブリッジ大学の音楽学士号を取得、イーリー大聖堂とスタフォードシャーのリッチフィールド大聖堂で作曲家、オルガニスト、聖歌隊指揮者として働きました。彼の作曲したヴィオールと声楽のための音楽は7巻の曲集として出版され、当時もっとも多く作品が出版された作曲家のひとりでした。代表作とされる『5声のファンタジー(ファンシー)』にアンセムとマドリガルをちりばめた構成によるイーストの作品集『Amavi(私は愛した) 』。プログラムの中心、〈Desperavi(私は絶望した)〉〈Peccavi(私は罪を犯しました)〉などラテン語の曲名がつけられた8曲の《5つのヴィオールのためのファンタジア(ファンシー)》は、この録音のちょうど400年前、1618年に出版された『第4巻』に収録され、極めて高い評価を受けました。声楽のためのアンセムとマドリガルは、同じ曲集と1610年のコレクションの曲が選ばれた他、トマス・モーリーが1601年に編纂した『オリアーナの勝利』に収録されたマドリガル「Hence stars too dim of light(星の光が弱すぎて)」が加えられています。
 
「フィエリ・コンソート(Fieri Consort)」は、2012年の創設されたイギリスのヴォーカルグループです。16世紀と17世紀のイタリア音楽を主なレパートリーとし、アカペラ作品と古楽器をともなう作品を指揮者を置かずに歌います。2017年のヨーク・アーリーミュージック・フェスティヴァルで「ケンブリッジ賞」を受賞しました。「チェリス・ヴィオール・コンソート(Chelys Consort of Viols)」(チェリス・コンソート・オブ・ヴァイオルズ)は、イギリスを代表するプレーヤーを集めて結成されたアンサンブルです。BBC Radio 3 に出演。クリストファー・シンプソンのエアとディヴィジョンを演奏した『Ayres & Graces』(BIS-2153)ダウランドと彼の時代の作曲家の作品を集めた『心地よき憂鬱(A Pleasing Melancholy)』(BIS SA-2283)を BIS レーベルに録音しています。チェリスは、2019年、『心地よき憂鬱』で共演した「デーム・エマ・カークビー」の70歳誕生日を祝って開催されたウィグモア・ホールのコンサートにフィエリ・コンソートとともに出演しました。
 
このアルバムの最後、イギリスの作曲家でジャズ・ピアニストのジル・ジャーマン Jill Jarman(1959–)が、マイケル・イーストと同時代の詩人サー・ヘンリー・ウォットン Sir Henry Wotton(1568–1639)をテクストに作曲した新作《Now are my thoughts at peace(心穏やかに思うこと)》が演奏されます。 
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『彷徨いながら不思議に思う(I wonder as I wander)』
BIS SACD 2475 SACD hybrid (5.0 surround/stere)  classical 

 
ベンジャミン・ブリテン(1913–1976)(編曲)
 彷徨いながら不思議に思う(I wonder as I wander)
 なぐさめる人もなく(There’s None to Soothe)
 (《民謡編集第3集『イギリスの歌」》から)
フランツ・シューベルト(1797–1828)
 さすらい人(Der Wanderer) D.489 さすらい人(Der Wanderer) D.649 
 ドナウ川の上で(Auf der Donau) D.553 戸外にて(Im Freien) D.880
 夕星(Abendstern) D.806
ルートヴィヒ・ファン・ベートーヴェン(1770–1827)
 アデライーデ(Adelaide) Op.46 五月の歌(Maigesang) Op.52 no.4
 歌曲集《遥かなる恋人に(An die ferne Geliebte)》Op.98
グスタフ・マーラー(1860–1911)
 シュトラスブルクの砦に(Zu Straßburg auf der Schanz)
 死んだ鼓手(Revelge) 原光(Urlicht)
ベンジャミン・ブリテン(1913–1976)(編曲)
 真夜中に(At the Mid Hour of Night)
 (《民謡編集第4集『アイルランドの歌」》から)
 夏のなごりのバラ(庭の千草)(The Last Rose of Summer)
 (《民謡編集第4集『アイルランドの歌」》から)
 Sail on, Sail on(《民謡編集第4集『アイルランドの歌」》から)
  ジェームズ・ニュービー(バリトン)
  ジョーセフ・ミドルトン(ピアノ)
 
[Piano: Steinway D]
 
録音 2019年10月 ポットンホール(ウェスルトン、サフォーク、イングランド)
制作 ロバート・サフ
録音 ジェフリー・ジン

 
イギリスのバリトン歌手、ジェームズ・ニュービー James Newby(1993–)の BIS レーベル第1作『彷徨いながら不思議に思う』。「遠くにあって、欲しいと願うものを、いつ終わるともなく求めつづける」ことをコンセプトに作られたアルバムです。「この空の下を彷徨いながら不思議に思う、どうしてわれらの救い主イエスは死ぬためにやって来たのか。あなたや私のような貧しい者や普通の者は、この空の下を彷徨いながら不思議に思う……」。ジョン・ジェイコブ・ナイルズの歌を編曲したこの作品などブリテンの5曲が「ブックエンド」の役割を担い、シューベルト、ベートーヴェン、マーラーの曲を挟む構成です。シューベルトがシュミットとシュレーゲルの詩に曲をつけた2つの《さすらい人》。アロイス・ヤイテレスの詩にベートーヴェンが作曲した《遥かなる恋人に》。戦いで殺された鼓手が恋する人の家の前を通って死の世界に向かう、『子供の不思議な角笛』の作者不詳の詩によるマーラーの《死んだ鼓手》。「メッセージを伝える」ことに秀でた歌手として知られる彼のもっとも得意とするレパートリーによるプログラムです。ジェームズ・ニュービーは、2016年のキャサリン・フェリア賞をはじめとする受賞歴をもち、2018年から2020年の「BBC New Generation Artist」にも選ばれました。ジョーセフ・ミドルトン Joseph Middleton は、室内楽と歌曲のピアニストとして人気を集め、トマス・アレン、フェリシティ・ロット、クリストファー・モルトマン、ヴォルフガング・ホルツマイアーたちと共演。キャロリン・サンプソンがイギリスの詩による歌曲を歌った『コントラスト』(BIS SA 2413)も高い評価を獲得しました。
 
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『アーチ形の天空の下で(under the arching heavens)』
BIS SACD 2592 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) contemporary/classical  

 
アレックス・フリーマン(1972–)
 Under the Arching Heavens: A Requiem
 (アーチ形の天空の下で:レクイエム)(2018)(混声合唱のための)
  第1章〈Sydämeni laulu(心の歌)〉(アレクシス・キヴィ)
  第2章〈Requiem æternam(神よ、彼らに永遠の安らぎを与え)〉
  第3章〈Sequence: Dies iræ(続唱:怒りの日)〉
  〈Thrushes(ツグミ)〉(ジーグフリード・サスーン)
  〈Sequence: Rex tremendæ(続唱:恐るべきみついの大王よ)〉
  〈Fientliga stjärnor(敵意ある星)〉(エーディト・セーデルグラン)
  〈Sequence: Inter overs(続唱:羊の群のなかに席を与え〉
  第4章〈Sanctus(聖なるかな)〉
  第5章〈MIkä lienee se lintu ollut?(あれはどの鳥だったのだろうか)〉
  (ヴィルヨ・カヤヴァ)
  第6章〈Agnus Dei(神の子羊)〉
  第7章〈O Years and Graves!(おお歳月よ墓穴よ)〉
  (ウォルト・ホイットマン「死んだわが子を悲しげに見つめながら
   (Pensive on her Dead Gazing)」)
 A Wilderness of Sea(海の原野)(2016)(混声合唱のための)
  ヘルシンキ室内合唱団 ニルス・シュヴェケンディーク(指揮)
  
録音 2016年10月(Wilderness)、2018年6月(Under) ニュー・パヴィリオン Uusi paviljonki(カウスティネン、フィンランド)
制作・録音 マルック・ヴェイヨンスオ(Wilderness)、ハンス・キプファー(Under)

 
シュヴェケンディーク Nils Schweckendiek が芸術監督を務めるヘルシンキ室内合唱団は、意欲的なプログラムのアルバムを定期的に作ってきました。『報告(Reports)- ハーパネンの合唱作品』(BIS CD 2452)とラウタヴァーラの《ヴィジリア》(BIS SA 2422)につづく新作ではフィンランドの作曲家アレックス・フリーマンのアカペラ混声合唱作品を取り上げています。《Under the Arching Heavens: A Requiem(アーチ形の天空の下で:レクイエム)》は、1918年のフィンランド内戦の終結100年を記念する音楽としてシュヴェケンディークとヘルシンキ室内合唱団から委嘱を受けて作曲されました。フリーマンは、『レクイエム』の典礼文に加え、フィンランドのアレクシス・キヴィ、エーディト・セーデルグラン、ヴィルヨ・カヤヴァ、イギリスのジーグフリード・サスーン、アメリカのホイットマンの詩をテクストに採り、内戦の続くシリアとイエメンの惨たらしい姿をイメージしながら筆を進めた、と語っています。
 
《A Wilderness of Sea(海の原野)》は、「人間という存在に共通する『水とはかなさ』を語った」シェイクスピアの作品からテクストが採られました。『テンペスト(The Tempest)』の「水底深く父は眠る(Full fathom five thy father lies)」と「あの音楽はどこから?(Where should this music be?)」、ソネット64番「いまは埋もれ朽ちはてたいにしえの時代の(When I have seen by Time’s fell hand defaced)」、『間違いの喜劇(A Comedy of Errors)』の「おれはこの世にとっては一滴の水のようなもの(I to the world am like a drop of water)」。2016年、シュヴェケンディーク指揮ヘルシンキ室内合唱団が、ヘルシンキのテンペリアウリキオ教会で初演しました。
 
アレックス・フリーマン Alex Freeman(1972–)は、ノースカロライナ州ローリーの育ち。イーストマン音楽学校からジュリアード音楽院の博士課程に進み、「シベリウスの第4交響曲の第1楽章;スケッチ研究とスタイル分析」をテーマとする博士論文を書くため、ヘルシンキのシベリウス・アカデミーに留学。その後、フィンランドに帰化。家族とともにフィンランドに住み、作曲家として活動しています。
 
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『エレジー(Elegy)』
Danacord DACOCD 731 classical

 
ボー・ホルテン(1948–)
 北欧組曲(Norisk Suite) 第1部 *
アンドレ・プレヴィン(1929–2019)
 ヴォカリーズ(Vocalise)(ソプラノ、チェロとピアノのための)**
セルゲイ・ラフマニノフ(1873–1943)
 ヴォカリーズ(Vocalise) Op.34 no.14
 (ソプラノ・ソロ、チェロ、ピアノと混声合唱のための)
ガブリエル・フォーレ(1845–1924)
 エレジー(Élégie) Op.24(混声合唱とピアノのための)†
ボー・ホルテン(1948–)
 北欧組曲(Norisk Suite) 第2部
ヴィク・ネース(1936–2013)
 オリーヴの園(Jardin des Olives)(《3つの哀歌(3 complaintes)》から)†
レオシュ・ヤナーチェク(1854–1928)
 娘オルガの死に寄せるエレジー(Elegie na smrt dcery Olgy)††
ハーバート・ハウエルズ(1892–1983)
 Take Him, Earth, for Cherishing(大地よ、彼を手に取り、慈しんでください)
セルゲイ・ラフマニノフ(1873–1943)
 ヴォカリーズ(Vocalise) Op.34 no.14(チェロとピアノのための)
エドワード・エルガー(1857–1934)
 Go, Song of Mine(行け、わが歌よ)
ボー・ホルテン(1948–)
 ローマ悲歌(Römische Elegie)
  フランダース放送合唱団 ボー・ホルテン(指揮)
  リュク・トーテン(チェロ) ステファーヌ・ド・メイ(ピアノ)
  エファ・グーディー・ファルケンバッハ(ソプラノ・ソロ)*
  ヒルデ・フェンケン(ソプラノ・ソロ)**
  サラ・ファン・モル(ソプラノ・ソロ)***
  フィリップ・スーヴァジー(バリトン・ソロ)†
  イヴァン・ゴーセンス(テノール・ソロ)††
 
録音 2010年6月20日–25日 イエズス会教会(ヘフェルレー、ベルギー)
制作総指揮 Alain de Ley
録音 Manuel Mohino

   
デンマークのボー・ホルテン Bo Holten(1948–)は、コペンハーゲン大学で音楽学、王立デンマーク音楽アカデミーでファゴットを学んだ後、数年間、音楽教師とコペンハーゲンの新聞の批評家として活動しました。1979年にヴォーカルアンサンブル「アルス・ノーヴァ」を創設。指揮者と作曲家としてさまざまに活動しながら、コペンハーゲンとデンマークの音楽生活に中心的役割を担いました。1996年にヴォーカルアンサンブル「ムシカ・フィクタ」を設立。1990年から2006年までBBCシンガーズの客演指揮者、2008年から2011年までブリュッセルのフランダース放送合唱団の首席指揮者を務めました。彼がフランダース放送合唱団と録音した自作の合唱作品集『ヴィーナスの輪』(Dacapo 8.226062)は、ホルテンの作品の多彩なスタイルを示し、高い評価を獲得しています。
 
フランダース放送合唱団を指揮した新しいアルバムでは、さまざまな作曲家たちの「悲しい気分」を描いた歌を中心に演奏。合唱作品の合間にアンドレ・プレヴィンのソプラノとチェロとピアノのための《ヴォカリーズ》とラフマニノフのチェロとピアノの《ヴォカリーズ》を挟むプログラム構成を取っています。チェロのリュク・トーテン Luc Tooten はブリュッセル・フィルハーモニックの首席チェロ奏者。ピアニストのステファーヌ・ド・メイ Stéphane De May は、リエージュとロッテルダムの音楽院で教えながらソリストと室内楽奏者として活動。ふたりは「トリオ・ポルティチ」でも一緒に演奏しています。独唱は、フランダース放送合唱団の歌手たちが担当。ヒルデ・フェンケン Hilde Venken とサラ・ファン・モル Sarah van Mol は、『ヴィーナスの輪』でもソロを歌っていました。
 
 
価格 2,695円(税込価格)(本体価格 2,450円)

『北欧コネクション(Nordic Connections)』
Daphne DAPHNE 1065 classical 

 
ヨースタ・ニューストレム(1890–1966)
 ヴィオラ協奏曲《フランスへのオマージュ(Hommage à la France)》
 (1940)
ルードヴィーグ・ノルマン(1831–1885)
 ヴィオラとピアノのためのソナタ ト短調 Op.32
エドヴァルド・グリーグ(1843–1907)(ヨーラン・フロースト 編曲)
 ヴィオラとピアノのためのソナタ ハ短調 Op.45
 (原曲:ヴァイオリン・ソナタ第3番 ハ短調 Op.45)
  ヨーラン・フロースト(ヴィオラ)
  オスカル・エークべり(ピアノ)
  スウェーデン室内管弦楽団 クレメンス・シュルト(指揮)
 
録音 2018年10月4日(ライヴ)(協奏曲)、2019年8月30日–9月1日(ソナタ) オレブルー・コンサートホール(オレブルー、スウェーデン)
制作・編集 ビョーン・ウッデーン
録音 トゥルビョーン・サミュエルソン(協奏曲)、モーリス・モガール(ソナタ)

 
スウェーデンのヴィオラ奏者、ヨーラン・フローストのデビュー・アルバム。フロースト Göran Fröst は、2011年から2014年までBBCウェールズ・ナショナル管弦楽団の首席ヴィオラ奏者を務め、2016年にスウェーデン室内管弦楽団の首席ヴィオラ奏者に就任しました。めざましい活動をするスウェーデンの現代音楽グループ「室内アンサンブルN(KammarensembleN)」に所属。作曲家、編曲者としても活動しています。デビューアルバムのプログラムは、3曲。20世紀スウェーデンを代表する作曲家のひとり、ヨースタ・ニューストレム Gösta Nystroem(1890–1966)のヴィオラ協奏曲《フランスへのオマージュ(Hommage à la France)》は、第二次世界大戦が始まってまもない1940年に作曲されました。「(レント・モルト・トランクィッロの)緩徐楽章は、北欧メランコリーにみちた、スウェーデンの作曲家がヴィオラのために書いたもっとも美しい曲のひとつ」と、フローストが語る音楽です。ルードヴィーグ・ノルマン Ludvig Norman(1831–1885)は、19世紀スウェーデンのロマンティシズム時代に幅広いジャンルの作曲を手がけ、交響曲第2番(Musica Sveciae MSCD 512)、ピアノ四重奏曲と弦楽四重奏曲(MSCD 518)、《森の歌》などの歌曲集(MSCD 525)といったアルバムが「スウェーデン音楽アンソロジー」に収められました。《ヴィオラとピアノのためのソナタ ト短調》は、初録音の作品です。「アレグロ・アパッショナート」「アンダンテ・カンタービレ」「スケルツォ-アレグロ・フェローチェ」「終曲-アレグロ・モデラート」の4楽章。ノルマンと、著名なヴァイオリニストだったヴィルマ・ネルダの結婚生活が破綻、妻が家を出た後に書かれた作品です。グリーグ Edvard Grieg(1843–1907)の《ヴァイオリンソナタ第3番 ハ短調》は、ノルマンのソナタと「ちょっとしたつながり(コネクション)」のある作品です。1886年夏から1887年暮れの間に書かれ、ライプツィヒでの初演の後、デンマークで演奏して大きな成功を収めました。「愛すべき作品」と語るフロースト自身が「ヴィオラとピアノ」のために編曲した版による演奏です。
 
価格 2,695円(税込価格)(本体価格 2,450円)

『シェティル・ヴォスレフ ピアノ協奏曲』
Simax PSC 1375 contemporary/classical 

 
シェティル・ヴォスレフ(1939–)
 ピアノ協奏曲(1992)*
 夢の劇(Ein Traumspiel)(2009)(管弦楽のための)**
 バラバ(Barabbas)(2004)(管弦楽のための)†
  ライフ・オーヴェ・アンスネス(ピアノ)*
  ベルゲン・フィルハーモニック管弦楽団
  エドワード・ガードナー(指揮)*
  アイヴィン・グッルベリ・イェンセン(指揮)**
  フアンホ・メナ(指揮)†
 
録音 2019年8月15日–16日 *、2011年4月14日–15日(ライヴ)**、2013年3月21日–22日(ライヴ)† グリーグホール(ベルゲン、ノルウェー)
制作 ヨルン・ペーデシェン *、アーリル・エーリクスタ **/†
録音 グンナル・ヘルライフ・ニルセン

 
シェティル・ヴォスレフ Ketil Hvoslef は、ベルゲンに生まれ、ベルゲンのグリーグ・アカデミーで長年教えた多作の作曲家です。ヴォスレフの80歳を記念するアルバム。ローガラン県のカルモイで生まれ、グリーグ・アカデミーのイジー・フリンカに学んだピアニスト、ライフ・オーヴェ・アンスネス Leif Ove Andsnes(1970–)のソロ、ヴォスレフと緊密な関係をつづけるベルゲン・フィルハーモニックの演奏で制作されました。
 
アンスネスがソロを弾く《ピアノ協奏曲》は、モーツァルトの《2台のピアノのための協奏曲》を聴いたヴォスレフが、「ならんで演奏する、まったく同じ音の楽器」から「エコー協奏曲」のアイデアを得て作曲に着手したという作品です。作曲を委嘱したスタヴァンゲル交響楽団の1993年シーズンの幕開けに、アンスネスのソロ、アレクサンドル・ドミトリーエフの指揮で初演されました。アンスネスが、ベルゲン・フィルハーモニックの1995年4月のコンサートで演奏した際にヴォスレフが「マニアックとも言えるほど極度の正確さに依存したこの作品をアンスネスほど上手く演奏できる人を見つけることはできなかっただろう」と語っています。2019年8月、首席指揮者エドワード・ガードナー Edward Gardner の指揮で行われたセッションの録音です。
 
管弦楽のための《夢の劇》は、北ドイツ放送交響楽団(現 NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団)の首席指揮者に就任したアイヴィン・グッルベリ・イェンセン Eivind Gullberg Jensen が最初のコンサートで指揮するためにヴォスレフに委嘱して作曲されました。ヒンドゥー教のインドラ神の娘が地上に降りてくるエピソードをスウェーデンの劇作家アウグスト・ストリンドベリが劇に作った『夢の劇(Ett drömspel)』に基づき、ストリンドベリの「時間と空間の存在しない、脈絡のない夢の形をまねた」という言葉を念頭に置きながら作曲したという作品です。2011年5月、グッルベリ・イェンセンがベルゲン・フィルハーモニックを指揮したコンサートのライヴ録音で収録されています。
 
「歌手のいない歌劇」として作られた管弦楽作品《バラバ》は、ヴォスレフの同名の歌劇に基づく作品です。イエス・キリストに代わって釈放された盗賊バラバの物語を第1幕「獄舎(The Jail)」第2幕「ピラトの宮殿の近くで(Near Pilate’s Palace)」第3幕「受難の陰で(In the shadow of Calvary)」で構成され、指揮台の上方に設置されたディスプレイに歌劇の台本の抜粋を表示しながら演奏されます。2008年から2013年までベルゲン・フィルハーモニックの第1客演指揮者を務めたスペインのフアンホ・メナ Juanjo Mena(1965–)の指揮。2013年5月、グリーグホールのコンサートのライヴ録音です。

 

 
価格 2,695円(税込価格)(本体価格 2,450円)

『スウェーデン管弦楽愛好曲集 第2集』
Naxos 8.553715 classical 

 
ラーシュ=エーリク・ラーション(1908–1986) 
 抒情的幻想曲(Lyrisk fantasi)Op.54
グンナル・ド・フルメリ(1908–1987)
 田園組曲(Pastoralsvit) Op.13B
 (フルート、弦楽オーケストラとハープのための)
カール=ビリエル・ブルムダール(1916–1968)
 アダージョ(Adagio)
 (劇付随音楽《ヴァルプルギスの夜(Vaknatten)》から)(1945)
ラーシュ=エーリク・ラーション(1908–1986)
 小セレナード(Liten serenad) Op.12
クット・アッテルベリ(1887–1974)
 組曲第3番 嬰ハ短調 Op.19 no.1
 (ヴァイオリン、ヴィオラと弦楽オーケストラのための)
ラーシュ=エーリク・ラーション(1908–1986)
 アダージョ(Adagio) Op.48
テューレ・ラングストレム(1884–1947)
 ディヴェルティメント・エレジアーコ(Divertimento elegiaco)(1918)
  スウェーデン室内管弦楽団
  ペッテル・スンドクヴィスト(指揮)
  サラ・リンドロフ(フルート)
  サラ・トルーベク(ヴァイオリン)
  ユハンナ・ペーション(ヴィオラ)
 
録音 1995年11月9日、11日 オレブルー・コンサートホール(オレブルー、スウェーデン)
制作 ポール・マイアズ
録音 トゥールビョーン・サミュエルソン

 
20世紀スウェーデン音楽の豊潤なタペストリーの象徴ともいえる5人の作曲家たち。ラーシュ=エーリク・ラーション Lars–Erik Larsson(1908–1986)は、もっとも人々の心を掴んだスウェーデンの作曲家のひとりに挙げられています。第二次世界大戦が始まりデンマークとノルウェーにドイツ軍が進駐した際、スウェーデン放送で働いていた彼は、詩人のヤルマル・グッルベリと共同で作った抒情組曲《姿を変えた神》を放送、占領下の人々を勇気づけました。このアルバムでは、出版社の創立75周年を記念して作曲された《抒情的幻想曲》と作曲の背景が知られていない《アダージョ》という、ラーションの作品では演奏される機会の少ない2曲、そして、彼にとって「アイドル」だったモーツァルトに近づいたとされる《小セレナード》が演奏されます。グンナル・ド・フルメリ Gunnar de Frumerie(1908–1987)もラーションと同時代に活躍した作曲家のひとりです。バロックの時代を思わせるような古風なスタイルとロマンティックな雰囲気をあわせもった音楽で親しまれました。フルートとピアノのための《田園組曲》は、作曲者自身の手でフルート、弦楽オーケストラとハープの作品に編曲され、愛好曲のひとつとして室内オーケストラがレパートリーにしています。
 
カール=ビリエル・ブルムダール Karl-Birger Blomdahl(1916–1968)は、第二次世界大戦後、それまでの新古典的なスタイルからより現代的な音楽語法による表現を求めて作られた、いわゆる「月曜グループ」のひとり。交響曲第3番《ファセット(切子面)》、バレエ 《シーシュポス》、宇宙空間を舞台にしたオペラ《アニアーラ》といった作品は、スウェーデン音楽の貴重な遺産とされています。《アダージョ》は、ヘルゲ・オーケルイェルムの劇『ヴァルプルギスの夜(Vaknatten)』のために書いた音楽による「組曲」の最初と最後に演奏される作品です。クット・アッテルベリ Kurt Atterberg(1887–1974)は、電気技師として特許登記局で働きながら、スウェーデン著作権協会と音楽情報センターの創設に主導的な役割を果たすなど、スウェーデンの音楽生活で積極的な活動を続けました。イギリスのコロンビア蓄音機が主宰したシューベルト没後100年の作曲コンペティションで第1位に選ばれて国際的に知られる《ドル交響曲》の他、交響曲第3番 《西海岸の描画(Västkustbilder)》と《組曲第3番》が、代表作とみなされています。〈前奏曲〉〈パントマイム〉〈幻影〉の3曲で構成されるこの組曲は、1918年にストックホルムで上演されたメーテルランクの劇『修道女ベアトリス』のために書いた音楽を基に作られた「ヴァイオリン、ヴィオラと弦楽オーケストラ」のための作品です。
 
テューレ・ラングストレム Ture Rangström(1884–1947)は、200を超える数の歌曲の作曲家として知られ、4つの交響曲、オペラ、劇付随音楽と、幅広いジャンルに作曲しました。《ディヴェルティメント・エレジアーコ》は、彼が心酔していたE・T・A・ホフマンの芸術からインスピレーションを得たとされる、暗い気分の作品です。1918年12月19日、カール・ニルセンの指揮でヨーテボリで初演されました。
 
スウェーデン室内管弦楽団は、オレブルー市に本拠を置くアンサンブルです。1995年にオレブルー室内管弦楽団から現在の名称に変えて活動しています。このアルバムをはじめとする Naxos が企画したスウェーデン室内管弦楽団によるスウェーデン音楽のシリーズに起用されたペッテル・スンドクヴィスト Petter Sundkvist(1964–)は、当時、首席客演指揮者としてこのオーケストラを指揮していました。ユーセフ・マッティン・クラウスのシンフォニアなどを体系的に録音した5枚のアルバムは、国際的にも高い評価を獲得、クラウスの音楽の代表的録音に挙げられています。
 
価格 1,210円(税込価格)(本体価格 1,000円)

『Time Is a Restless Thief(時は、休むことのない泥棒)』
Losen Records LOS 241-2 jazz 

 
『Time Is a Restless Thief(時は、休むことのない泥棒)』
 Leave Me Here(Nina Pedersen)*  Shaky Waters(Nina Pedersen)†
 I Didn’t See It Coming(Nina Pedersen) Carousel(Nina Pedersen)**
 Pale Was the Colour of My Heart(Nina Pedersen)**
 The River Knows(Nina Pedersen)
 Time Is a Restless Thief(Nina Pedersen)†
 Throwback(Nina Pedersen)** Sunflower(Nina Pedersen)
  ニーナ・ペーデシェン(ヴォーカル)
  ピエルパオロ・プリンチパート(ピアノ、フェンダー・ローズ)
  マルコ・ロッド(ベース)
  ジャンパオロ・スカトッツァ(ドラム、エレクトロニクス)
  パオロ・インアレッラ(フルート *、サクソフォーン **)
  弦楽四重奏 †
   レオナルド・スピネディ(第1ヴァイオリン)
   ファビオラ・ガウディオ(第2ヴァイオリン)
   モリアン・タッデイ(ヴィオラ)
   エミリア・スルゴッカ(チェロ)
 
編曲(弦楽四重奏) マルコ・ティーソ
録音 2019年9月16日、17日 エクストラビート録音スタジオ(Extrabeat Recording Studio)(ローマ、イタリア)
ミクシング・マスタリング 2019年11月–12月
制作 ニーナ・ペーデシェン
録音・ミクシング・マスタリング クライヴ・シンプソン

 
ニーナ・ペーデシェン Nina Pedersen は、ノルウェー南岸の町で生まれ、1990年からイタリアを本拠にシンガー・ソングライターとして活動。現在は、4年間の予定でポルトガルのリスボンに移り、活動を続けています。新しいアルバム『Time Is a Restless Thief』は、『Eyes Wide Open』(LOS184-2)に続く Losen Records の第2作、彼女のソロ・アルバムの第4作です。《Leave Me Here》(わたしを置いていって)から《Sunflower》(ひまわり)まで、彼女の作詞、作曲した9曲でまとめられました。温かく、色彩的、好奇心をそそる歌作り。彼女の作るメロディと歌詞には、まだ見つけていない何かを探っているかのような不思議な感じがあり、それに聴き手は興味をそそられます。アルバム・タイトル曲の《Time Is a Restless Thief》(時は、休むことのない泥棒)は、COVID-19 が世界を変えるずっと以前に彼女が作詞、作曲した作品です。時は、私たちの生活に入りこみ、私たちの未来を奪いとってゆく……。この歌を彼女は、あまりに短い夢しか見ることのできなかったすべての人たちに捧げています。前のアルバムには、ノルウェーのヴォーカリスト、カーリン・クローグからメッセージが寄せられていました。「ニーナの暗く熟成した声で表情豊かに歌われる、お話を語るメロディアスな歌……とってもコンテンポラリーな感覚の素晴らしいバンド……」。新しいアルバムも同じテーマとスタイルで作られ、同じプレーヤーたちが参加してセッションが行われました。タイトル曲と《Shaky Waters》(揺れる海)は、マルコ・ティーソ Marco Tiso が編曲を担当した弦楽四重奏を加えて演奏されます。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『Elegy of Skies(空のエレジー)』
Losen Records LOS 247-2 jazz 

 
『Elegy of Skies(空のエレジー)』
 An Amorphic Balloon(Sverre Gjørvad)
 Elegy of Skies(Sverre Gjørvad) Rein(Sverre Gjørvad)
 Fire(Sverre Gjørvad) The Wife Waltzes Too(Sverre Gjørvad)
 Islands and Mountains(Sverre Gjørvad) Strive(Sverre Gjørvad)
 Mercy(Paddy McAloon)*
 Elegy of Skies 2(in memoriam)(Sverre Gjørvad)
  スヴェッレ・ヨルヴァ(ドラム、ヴォイス)
  ヘルボルグ・ルンベルグ(ピアノ、ハーモニウム、太鼓)
  ダーグ・オクスタ(ベース、太鼓)
  クリスチャン・スヴァーレスタ・オルスタ
  (エレクトリックギター、アコースティックギター、太鼓)
  ヨアキム・ミルデル(テナーサックス)*
 
録音 2020年7月1日–3日 シュステン・スタジオ(Kysten Studio)(トロムソ、ノルウェー)、2020年8月11日 Break My Heart Studio(ストックホルム、スウェーデン)(テナーサックス)
制作 スヴェッレ・ヨルヴァ
録音・ミクシング クリスチャン・スヴァーレスタ・オルスタ
録音(テナーサックス) マグヌス・フリュクベリ
マスタリング モッテン・ルン

 
テレマルク生まれのドラマー、スヴェッレ・ヨルヴァ Sverre Gjørvad(1966–)のアルバム第4作『Egely of Skies』。前作の『Voi River』(LOS216-2)につづき、彼が住み、活動の本拠とする北極圏ノルウェーのさまざまなことを音楽で語ってゆくアルバムです。《An Amorphic Balloon》(形のはっきりしない風船)。眠っているときに浮かんだメロディを急いで電話に吹き込み、翌朝、楽譜に書きおこしたという《Elegy of Skies》(空のエレジー)。ノルウェーの作曲家ダーヴィド・モンラード・ヨハンセンが書いたピアノ曲《トナカイ(Rendsyr/Reindeer)》をイメージして作られた《Rein》(手綱)。おどけた3つのメロディーの《Fire》(火)。《The Wife Waltzes Too》(かみさんもワルツを踊る)は「素敵な思い出」。悲しい《Islands and Mountains》(島と山々)は、もうひとつの思い出。なにかに憧れる歌《Strive》(努力する)。《Mercy》は、スヴェッレの気に入りの作曲家のひとり、パディ・マカロンが「プリファブ・スプラウト Prefab Sprout」のアルバム『Jordan: The Comeback』(1990)で歌った曲。ヘルボルグ・ルンベルグ Herborg Rundberg が、レスタディウス派ルター派教会の集会を思い起こさせるハーモニウムを弾き、スウェーデンを代表するサックス・プレーヤー、ヨアキム・ミルデル Joachim Milder がストックホルムで録音したソロがミックスされています。《Elegy of Skies 2(in memoriam)》は、ヨルヴァの個人的な哀歌。ルンボルグ、ベースのダーグ・オクスタ Dag Okstad、ギターのクリスチャン・オルスタ Kristian Olstad は、前のアルバムにも参加した、トロムソ大学の修士課程で学んだトロムソ在住の音楽家たちです。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『…and…  - 中世の音楽とペルト…その先にあるもの』
Naxos 8.574281 contemporary/classical  

 
キャロライン・ショー(1982–)
 And the Swallow(そしてつばめは)(『旧約聖書』『詩編84番』)
作者不詳
 Venite a laudare(来たりて讃えよ)(『Laude di Cortona』)
ジュリア・ウルフ(1958–)
 Guard My Tongue(舌を悪から、唇を偽りの言葉から遠ざけ)(2009)
 (『旧約聖書』『詩編34番』)
作者不詳
 Cristo e nato(キリストは生まれた)(『Laude di Cortona』)
 Lauda novella sia cantata(新たな賛美ようたわれよ)
 (『Laude di Cortona』)
アルヴォ・ペルト(1935–)
 Drei Hirtenkinder aus Fátima(ファティマの三人の羊飼いの子供たち)(2014)(『旧約聖書』『詩編8番』)
 Kleine Litanei(小さな連祷)(2015)
 Virgencita(ビルヘンシータ)(2012)
作者不詳
 Oi me, lasso, è freddo lo mio core(ああ、かわいそうに、私の心は冷たい)
 (『Laude di Cortona』)
 Altissima luce(もっとも崇高な光)(『Laude di Cortona』)
 Sia Laudato San Francesco(聖フランチェスコは讃えられん)
 (『Laude di Cortona』)
アルヴォ・ペルト(1935–)
 Habitare fratres in unum(見よ、兄弟が共に座っている)(2012)
 (『旧約聖書』『詩編133番』)
 Alleluia tropus(アレルヤ・トロプス)(2008)
 Ja ma kuulsin hääle…(And I heard a voice…)
 (また、わたしは天から告げる声を聞いた)(2017)
 (『新約聖書』『ヨハネの黙示録』)
  アルス・ノーヴァ・コペンハーゲン ポール・ヒリアー(指揮)
 
録音 2019年1月26日27日、6月24日、2020年1月8日 ガーニソン教会(コペンハーゲン)

 
デンマークのヴォーカルアンサンブル「アルス・ノーヴァ・コペンハーゲン」と首席指揮者ポール・ヒリアー Paul Hillier の新作。1917年にポルトガルで起きた「ファティマの奇跡」をインスピレーションに作曲された『詩編8番』(「天に輝くあなたの威光を讃えます 幼子、乳飲み子の口によって…」)による《Drei Hirtenkinder aus Fátima(ファティマの三人の羊飼いの子供たち)》など、アルヴォ・ペルトの宗教的作品、アメリカの二人の作曲家、キャロライン・ショー Caroline Shaw とジュリア・ウルフ Julia Wolfe が『詩編』をテクストに作曲した作品、13世紀に中部トスカーナ地方で作られた『コルトーナのラウダ集(Laude di Cortona)』の作者不詳の曲。「明確な調性が生まれる前の音楽と、緩やかに調整が崩壊した後の音楽」の相似性と「800年の時を隔てた作品の作り出す音世界を示す」ことをコンセプトにしたプログラムが組まれています。ヴァイオリニスト、歌手、作曲家のキャロライン・ショーは、ライス大学、イェール大学、プリンストン大学で学び、2013年、アカペラ作品《8声のためのパルティータ》でピューリツァー賞を最年少で受賞しました。幅広い歌唱技術を使った音楽で知られ、『詩編84番』(「あなたのいますところは、どれほど愛されていることでしょう…」)による《And the Swallow(そしてつばめは)》は、秋の雨を思わせるフレーズで終わる、印象的な作品です。
 
価格 1,210円(税込価格)(本体価格 1,100円)

『聖ルカ受難曲(St. Luke Passion)』
Daphne DAPHNE1066 2CD’s contemporary/classical  

 
ロルフ・マッティンソン(1956–)
 聖ルカ受難曲(St. Luke Passion)(2012
 (合唱、器楽アンサンブル、ソプラノ、バスとナレーターのための)
  リサ・ラーション(ソプラノ、福音史家)
  ペーテル・ブーマン(バス、イエス)
  マーク・レヴェングッド(ナレーター)
  ヴェクショー大聖堂オラトリオ合唱団・器楽アンサンブル
  ステーン=インゲ・ペッテション(指揮)
 
録音 2019年4月12日–14日 ヴェクショー大聖堂(ヴェクショー、スウェーデン)(ライヴ)
制作・録音・編集・マスタリング ベルト・ファン・デア・ヴォルフ

 
ロルフ・マッティンソン Rolf Martiosson(1956–)は、もっとも国際的に知られる現代スウェーデンの作曲家のひとり。管弦楽のための《Open Mind》(DAPHNE1029)は、2010年のストックホルム・フィルハーモニックの日本ツアーでも演奏され、日本で名を知られるきっかけとなりました。《聖ルカ受難曲》は、2011年、スウェーデンの12の合唱団と研究機関「Sensus」の共同委嘱で作曲された作品です。『新約聖書』の『ルカによる福音書』から「バロック受難曲」にならって選んだテクストと、スウェーデンの社会民主主義ジャーナリスト、作家で詩人のヨーラン・グレイデル Göran Greider(1959–)と詩人ラーシュ・ビョルクルンド Lars Bjöklund のテクストで構成。通常の技術水準の合唱、6つの楽器によるアンサンブル、「プロフェッショナル」のソプラノとバス、ナレーターより演奏されます。この作品は、2012年春、委嘱した12の合唱団が各々初演。2020年の春までに70回を超す演奏が重ねられてきました。このアルバムの演奏は、2019年4月にヴェクショー大聖堂で行われたコンサートのライヴ録音です。ソリストのリサ・ラーション Lisa Larsson(1967–)はヨーロッパ各地のオペラハウスやフェスティヴァルで歌い、ペーテル・ブーマン Peter Boman(1965–)はアルヴェーンの《黙示録カンタータ》(Sterling CDS1058-2)などの録音に参加しています。マッティンソンの《聖ルカ受難曲》を、この作品の真の生みの親、ゲルマンス音楽出版(Gehrmans Musikförlag)の前CEOのシェティル・スカルビュー Kettil Skarby に献呈されました。
 
価格 5,280円(税込価格)(本体価格 4,800円)

『エンデニヒの書きつけ(Notes from Endenich)』
Daphne DAPHNE 1067 contemporary/classical 

 
スタファン・ストルム(1964-)
 Unbekanntes Blatt aus Endenicher Zeit
 (エンデニヒ時代の知られていない書きつけ)
  Zum neuen Jahr den ersten Gruß(新年の最初の挨拶)
  Lieber Julie(親愛なるジュリー)
  Wie dank’ ich Dir für Deine Gaben(贈り物をありがとう)
  Aufschwung(飛翔)
  Liebe Clara und Kinder(愛しいクララと子供たち)
ロベルト・シューマン(1810–1856)
 ピアノソナタ第1番 嬰へ短調 Op.11
  フランシスカ・スクーグ(ピアノ)
 
録音 2019年11月30日–12月1日 マルメ音楽大学(マルメ、スウェーデン)
制作 ビョーン・ウッデーン
録音 ショーン・ルイス

 
ショスタコーヴィチの室内楽作品(Intim Musik)や『王室の婚礼のための音楽』(DAPHNE 1039)といったアルバムで知られるピアニスト、フランシスカ・スクーグ Francisca Skoogh(1973–)は、作曲家のスタファン・ストルム Staffan Storm(1964–)と長年にわたり共同作業をつづけてきました。2010年には彼のピアノ作品を集めたアルバム(DAPHNE 1036)をリリース。新作の『エンデニヒの書きつけ(Notes from Endenich)』も、スクーグとストルムが共同で作った「ピアノ・アルバム」です。ロベルト・シューマンの書いた音楽モチーフとテクストの断片を素材とする《Unbekanntes Blatt aus Endenicher Zeit(エンデニヒ時代の知られていない書きつけ)》と、「音楽表現の類まれなパレットを誇らしげに示す」とストルムが語る、シューマンの最初のソナタ。「古典的作品が、私たちの時代にどう生きるかということを掘り下げて理解する」ことをめざし、進められたプロジェクトです。アルバムには、ロベルト・シューマンが生涯の最後を過ごしたエンデニヒに因むタイトルがつけられました。
 
価格 2,695円(税込価格)(本体価格 2,450円)

『Chasing Sunsets(夕陽を追って)』
Oslo Session Recordings OSR 008 jazz  

 
『Chasing Sunsets(夕陽を追って)』
 Chasing Sunsets(Siril Malmedal Hauge)
 The Lovesong(Halvdan Sivertsen)
 Nobody Else But Me(Jerome Kern/Oscar Hammerstein)
 Wake up(Siril Malmedal Hauge)* High Alert(Jacob Young)**
 How Can I Advise You(Jacob Young)
 I Say a Little Prayer(Bart Bacharach/Hal David)
 The Ceiling(Jacob Young)
 Someone to Watch over Me(George Gershwin/Ira Gershwin)
 Time(Siril Malmedal Hauge)
 My Ideal(Richard A. Whiting/Newell Chase/Leo Robin)
 You Are So Beautiful(Billy Preston/Bruce Fisher)
  シリル・マルメダール・ハウゲ(リード・ヴォーカル、
   バッキング・ヴォーカル、フルート **)
  ジェイコブ・ヤング(エレクトリック・ギター、
   アコースティック・ギター、リード・ヴォーカル、ディレー・ギター)
  ゲスト・ミュージシャン
   クヌート・リースネス(テナーサックス)*
   
録音 2020年5月–6月 Fersk Lyd Studios(オスロ)
制作 シーリル・マルメダール・ハウゲ、ジェイコブ・ヤング
録音 イェット・クラウセン

 
アルバム『Last Thing』(OSR003)をリリースしたノルウェーのヴォーカリスト、シリル・マルメダール・ハウゲ Siril Malmedal Hauge と、Oslo Session Recordings を主宰するジェイコブ・ヤング Jacob Young のデュオの新作。ハウゲの巧みな語り口の歌とヤングの美しいギターのコンビネーションを活かした前作にならい、バラードを中心にしたプログラムが組まれています。ノルウェーのシンガー・ソングライター、ハルフダン・シルヴェットソンの《The Lovesong》、ジェローム・カーンとオスカー・ハマースタインの《Nobody Else But Me》、ディオン・ウォーウィックが歌ってヒットしたバート・バカラックとハル・デーヴィッドの《I Say a Little Prayer》(《小さな願い》)、リドリー・スコット監督の映画『Someone to Watch over me』(邦題『誰かに見られてる』)の主題歌に使われ、スティングが都会のムードいっぱいに歌った歌がオープニングに流れたガーシュウィン兄弟の《Someone to Watch over Me》、リチャード・A・ホワイティングとニューウェル・チェース作曲、リーオ・ロビン作詞の《My Ideal》、ビリー・プレストンが自身のアルバムのためにブルース・フィッシャーと共作、ジョー・コッカーのカバー・バージョンも親しまれている《You Are So Beautiful》、そして、ハウゲとヤングのオリジナル曲。ハウゲが作詞、作曲した《Wake up》のセッションには、ビーバップ・スタイルで知られるサックスプレーヤーのクヌート・リースネス Knut Riisnæs が参加、ゆったりした時間の流れるジャズ・アルバムに色彩を加えています。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『アンティ・アウヴィネン 管弦楽作品集』
Ondine ODE 1326-2 contemporary/classical 

 
アンティ・アウヴィネン(1974–)
 Junker Twist(ユンカー・ツイスト)(2015)(管弦楽のための)
 Himmel Punk(ヒンメル・パンク)(2016)(管弦楽のための)
 Turbo Aria(ターボ・アリア)(2017/18)(管弦楽とサンプラーのための)
  フィンランド放送交響楽団 ハンヌ・リントゥ(指揮)
 
録音 2016年6月(JT)、2017年8月(HP)、2018年5月(TA) ミュージックセンター(ヘルシンキ、フィンランド)

 
アンティ・アウヴィネン Antti Auvinen(1974–)は、フィンランドの比較的新しい世代の作曲家のひとり。「音色」と「リズム」に特別な興味をもち、斬新な楽器編成の室内アンサンブルの作品を主に手がけてきました。彼の音楽のについては「モダニストの作曲姿勢をとりながらも、感情面の緊張感を無視することはない」(ヨウコ・ラークサモ)ことが指摘されています。アウヴィネンは、ソングライターと作曲家に代わり作品のロイヤリティを徴収するフィンランドの非営利団体「TEOSTO」が「創造と革新」をプロモートする目的で始めた「Teosto Prize」の2016年の受賞者に選ばれました。《Junker Twist(ユンカー・ツイスト)》は、フィンランド放送交響楽団の委嘱で書かれた、ネオナチ思想の高まりへの危惧が背景にあるという作品です。三管編成の管弦楽に、ウッドブロック、クラベス、竹風鈴などありとあらゆる楽器を演奏する3人の打楽器奏者、ハープ奏者、ピアニストを加えた大編成のオーケストラで演奏。2015年11月25日、ユッカ=ペッカ・サラステが指揮してミュージックセンターで初演されました。宗教的差別に反対を唱えたとされる《Himmel Punk(ヒンメル・パンク)》も、同等の大編成のオーケストラのための作品です。タンペレ・フィルハーモニックの委嘱作。2016年4月の「タンペレ・ビエンナーレ」でヴィッレ・マトヴェイェフの指揮で初演されました。《Turbo Aria(ターボ・アリア)》は、フィンランド放送交響楽団とフィンランド音楽家ユニオンから共同委嘱された作品です。難民危機というテーマが隠されているといわれ、三管編成の管弦楽、4群の打楽器、ハープ、ピアノに、100年前に録音された「アリア」にノイズを加えた「サンプラー」のプレーヤーが加わって演奏されます。2017年11月24日の「フィンランド音楽家ユニオン100周年記念コンサート」でハンヌ・リントゥ指揮のフィンランド放送交響楽団により初演されました。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

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