ウェブサイトで過去に紹介した北欧と北欧以外のディスクからピックアップして掲載するページです。

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『あり得べき諸都市』
2L 2L 083SABD Pure Audio Bluray + SACD hybrid (5.1 surround/stereo) contemporary/classical

 
アイヴィン・ビューエネ(1973–)
 あり得べき諸都市(まちまち)/本質を衝く風景
 (Possible Cities/Essential Landscapes)
  あり得べき諸都市(Possible Cities)(2005)(9つの楽器のための)(断片)
  配列図式(Grid)(9つの楽器のための)
  あり得べき諸都市(Possible Cities)(2005)(9つの楽器のための)
  廃墟のある風景(Landscape with Ruins)(2006)(ピアノ三重奏のための)
  超牧歌的な研究/夜の小品/ミニチュアの風景
  (Ultrabucolic Studies/Night Piece/Miniature Landscape)(2006)
  (フルート、クラリネット、ヴァイオリン、チェロ、コントラバスと
   打楽器のための)
  モルト・フルイード(Molto fluido)(きわめてなめらかに)(2007)
  (クラリネットと弦楽三重奏のための)
  静物(Nature morte)(2008)(フルート、バスクラリネット、
   ヴィブラフォーン、ピアノ(+ eBow) と弦楽四重奏のための)
  チカーダ・アンサンブル クリスチャン・エッゲン(指揮)
 
録音 2010年4月、12月 ヘニ・オンスタ芸術センター(バールム、ノルウェー)
制作・録音 モッテン・リンドベルグ
 
[DXD(24bit/352.8kHz) 録音]
[Disc 1: SACD hybrid(5.1 multichannel DSD/2.0 stereo DSD)][Disc 2: Blu-ray: 5.1 DTS HDMA (24bit/192kHz), 2.0 LPCM  (24bit/192kHz), mShuttle: FLAC 96kHZ + MP3 Region: ABC worldwide]

 
《あり得べき諸都市(まちまち)/本質を衝く風景》は、アイヴィン・ビューエネ Eivind Buene(1973–)がチカーダ Cikada とアンサンブル・アンテルコンタンポラン Ensemble Intercontemporain からそれぞれ委嘱を受け、2005年から2009年の間に作曲した6曲の室内楽とアンサンブル作品の集成です。「都市の中を移動することは新しい音楽を聴くことによく似ていると常に私は思っている。大都会を歩くと、見も知らぬ通りがあり、暗い路地に入ったと思うと突然明るい広場に出る」(ビューエネ)。「物語が姿を現し、増殖し、消えていく」。そうした都市の風景を音として聴けるものとする。作曲者ビューエネは、この連作によってそのことを試みています。
 
ビューエネの思索とイマジネーションと創造の背景にあるのが、イタリアの作家、イタロ・カルヴィーノ Italo Calvino(1923–1985)の『見えない都市(Le città invisibili/Invisible Cities)』です。マルコ・ポーロがフビライ汗にさまざまな空想都市について報告するという形式をとった、都市論とも現代文明批判とも考えられる小説。作曲者スコートゥンは、「都市を歩く」聴き手のための「旅行案内」として、第9章と、連作のタイトルが採られた第4章と第8章から英訳文を一節ずつブックレトに引用しています。「『時おり、その方の声が遥か遠くから聞こえて来るように思われることがあるが、それでいながらこの身は目に見えぬくせして目くらますばかりの現在に囚われておるのだ……』」(第9章)(米川良夫・訳 河出文庫版)。連作としての初演は、2009年11月14日、オスロ。1989年創設、2005年に NOMUS(北欧音楽委員会) 賞を受けた、固定メンバー10人のアンサンブル、チカーダ Cikada をクリスチャン・エッゲン Christian Eggen(1957–)が指揮しました。
 
このアルバムの録音セッションは、初演の翌年、オスロ・フィヨルドを望むヘニ・オンスタ芸術センター Henie Onstad Kunstsenter で行われました。24bit/352.8kHz の DXD 録音です。映画を楽しむための Blu–ray プレーヤーが手元にあるなら、それをオーディオ装置につないでみてください。"24bit/192kHz" の録音により、作曲者と演奏者の意図する「都市の風景」が、より鮮やかに、よりリアルに見えてくるでしょう。
 
作曲者のビューエネは、『見えない都市』の言葉をもうひとつ、ノーツの最後に引用しています。「物語を支配するものは声ではございません、耳でございます」(第9章)(米川良夫・訳)
 
価格 4,675円(税込価格)(本体価格 4,250円)
 

Pure Audio Blu-ray ディスクと SACD ハイブリッドディスクをセットにしたアルバムです。Pure Audio Blu–ray ディスクにはインデックスを除き映像は収録されていません。SACD ハイブリッドディスクはSACDブレーヤーとCDプレーヤーで再生できますが、Pure Audio Blu-ray ディスクはCDやDVDのプレーヤーでは再生できないので、Blu–ray プレーヤーもしくは Blu–ray 対応のPCをお使いください。

『Garland(花輪)』
Aurora ACD 5085 contemporary/classical

 
アイヴィン・ビューエネ(1973–)
 Garland(For Matthew Locke)(花輪(マシュー・ロックのために))(2007)
 Langsam und schmachtend(ゆるやかに、思い悩むように)(2003)(弦楽のための)
 Palimpsest(パリンプセスト)(2004)(シンフォニエッタのための)
 Stilleben(静物)(2006)(弦楽オーケストラのための)
  ノルウェー室内管弦楽団 テリエ・トンネセン(指揮)
 
録音 2016年2月15日–20日 ヤール教会(ベールム、ノルウェー)
制作 ヨルン・ペーデシェン
録音 アルネ・アクセルベルグ

 
ノルウェー室内管弦楽団 Det Norske Kammerorkester は、1977年、優れた器楽奏者を集めたプロジェクト・オーケストラとして設立されました。アイオナ・ブラウン、ライフ・オーヴェ・アンスネス、イザベル・ファン・クーレンたちが芸術監督や客演コンサートマスターに招かれ、創設者のテリエ・トンネセン Terje Tønnesen(1955–)が現在、音楽監督を務めています。
 
『Garland(花輪)』は、2017年のノルウェー室内管弦楽団の創設40周年を記念するアルバムです。「高校で音楽を学んでいた17歳の時、第1回ウルティマ・フェスティヴァルでノルウェー室内管弦楽団の演奏する『現代』音楽を聴き、これこそやりたい音楽だと思った」と語る、アイヴィン・ビューエネ Eivind Buene(1973–)の作品が4曲、演奏されます。ビューエネは、3つの小説とエッセイ集を発表した著述家としても活動、彼の音楽ではしばしば、文学やその他の芸術作品がイメージされ、あるいは素材に採られます。その代表的な作品のひとつ、イタロ・カルヴィーノの『見えない都市』を背景にもつ《あり得べき諸都市(まちまち)/本質を衝く風景》(2L 083SABD)が、2012年のスペルマン賞(ノルウェー・グラミー賞)を受賞しています。
 
バーミンガム・コンテンポラリーミュージック・グループの委嘱による《Garland(花輪)》は、「マシュー・ロックのために(For Matthew Locke)」の副題をもち、イギリス・バロック期の作曲家ロックの《4声のコンソート(Consorts of Fower Parts)》の3曲の序奏部に基づいて作曲されました。ヌーヴェル・アンサンブル・モデルンが初演した《Palimpsest(パリンプセスト)》(元の字句を消して別の字句を上書きした羊皮紙の写本)は「レイヤーを重ねた構造」をもつ作品。《Langsam und schmachtend(ゆるやかに、思い悩むように)》は、ワーグナーの《トリスタンとイゾルデ》の第1幕前奏曲、冒頭の一分間の音楽による「幻覚」。アメリカの作家ドン・デリーロの小説『ボディ・アーティスト(The Body Artist)』を読んでいた時、主人公のボディ・アーティスト「ローレン・ハートケのために(For Lauren Hartke)」作曲した《Stilleben(静物)》。モーツァルトのピアノ協奏曲第17番の「アンダンテ」の旋律が最後に姿をみせます。この2曲はノルウェー室内管弦楽団の委嘱で作曲された作品です。
 
税込価格 2,750円(本体価格 2,500円)

『Inside the Rainbow』
Phono Suecia PSCD 42 jazz

 
モニカ・ドミニク(1940–)
 Kärleken(愛)
  モニカ・ドミニク・カルテット
   モニカ・ドミニク(ピアノ)
   ヨアキム・ミルデル(テナーサックス)
   パレ・ダニエルソン(ベース) リーロイ・ロウ(ドラム)
 [録音 1988年9月20日 スウェーデン放送第9スタジオ(ストックホルム)]
 Inside the Rainbow *
  Red Orange Yellow Green Blue Lilac
  モニカ・ドミニク・ビッグバンド
 [録音 1988年5月25日–26日 アトランティス・スタジオ
  (Atlantis Studios)(ストックホルム)]
 Tillägnan(献呈)(ラーシュ・フォシェル 作詞)**
  モニカ・ドミニク(ピアノ)
  ザ・リアル・グループ
 [録音 1988年10月12日 プロデューサー協会(Producenterna)スタジオ
  (ストックホルム)]
 Blues Local Nine
  モニカ・ドミニク・カルテット
   モニカ・ドミニク(ハモンドオルガン)
   ヨアキム・ミルデル(テナーサックス)
   パレ・ダニエルソン(ベース) リーロイ・ロウ(ドラム)
 [録音 1988年9月21日 スウェーデン放送第9スタジオ(ストックホルム)]
 Vem kan segla förutan vind?(風がなくて誰が船を出せるだろう)
 (伝承曲:モニカ・ドミニク 編曲)
  モニカ・ドミニク・トリオ
   モニカ・ドミニク(ピアノ) パレ・ダニエルソン(ベース)
   リーロイ・ロウ(ドラム)
 [録音 1988年9月20日 スウェーデン放送第9スタジオ(ストックホルム)]
 
制作 ホーカン・エルムクヴィスト
録音エンジニア イアン・シーダホルム、* ヤンネ・ハンソン、** ミッケ・ニルソン
編集 アン・マリーエ・ベルフラーゲ

 
スウェーデン著作権協会(STIM)が、スウェーデンの音楽シーンで活動する音楽家をプロモートする「ポートレート」アルバム。ピアニストで作曲家のモニカ・ドミニクのアルバムが制作されました。
 
モニカ・ドミニク(旧姓 ダニエルソン) Monica Dominique は1940年生まれ。ストックホルムのアドルフ・フレードリク音楽学校と王立ストックホルム音楽大学で学び、主にジャズの分野で活動しています。1970年代の初期にグループ「Solar Plexus」で演奏、女優としてもデビューしました。ピアニストで作曲家のカール=アクセル・ドミニク Carl-Axel Dominique が夫、ベーシストのパレ・ダニエルソン Palle Danielsson が弟です。
 
『Inside the Rainbow』は、彼女にとって最初のソロ・アルバムです。《Kärleken》と《Blues Local Nine》ではカルテット、伝承曲をアレンジした《Vem kan segla förutan vind?》はトリオ、《Inside the Rainbow》はビッグバンドと、彼女のリーダーとしての実力がうかがえるナンバーです。ザ・リアル・グループと彼女が共演した《Tillägnan》は、作家ラーシュ・フォシェル Lars Forssell(1928–2007)が作詞。「一度聴いたら忘れられない」メロディは、広く愛され、この後、スウェーデンの結婚式に欠かせないとまで言われる人気曲になりました。
 
税込価格 2,695円(本体価格 2,450円)

『雪のかけら(Fjon)』
Losen Records LOS 153-2 jazz

 
『雪のかけら(Fjon)』
 Achille(アシル)(Rune Klakegg) Slapback(Rune Klakegg)
 Din meg(私はあなたのもの)(Rune Klakegg)
 Blue Club(Rune Klakegg)
 Moon River(ムーン・リバー)(Henry Mancini/Johnny Mercer)*
 Det er noe muffens her(なにか怪しいものがここに)(Rune Klakegg)
 Fjon(雪のかけら)(Rune Klakegg)
  シーエン・ジャズオーケストラ
   グットルム・グットルムセン(アルトサックス、フルート)
   アンドレ・カッセン(ソプラノサックス、テナーサックス)
   ヨン・オイスタイン・ロースラン(テナーサックス)
   リーネ・ビョルノル・ロースラン(クラリネット、バスクラリネット)
   フィン・アルネ・ダール・ハンセン(リード・トランペット)
   トマス・ユーハンソン(トランペット)
   マグネ・ルートレ(リード・トロンボーン)
   ベネディクテ・フォレッグ・ホル(トロンボーン)
   オースゲイル・グロング(バストロンボーン)
   ソンドレ・ストールダーレン(ギター)
   ルネ・クラーケグ(ピアノ)
   ヤン・オラヴ・レンヴォーグ(ベース)
   アウドゥン・クライヴェ(ドラム)
  ゲスト・ミュージシャン
   ロブ・ウェアリング(ヴィブラフォーン)
   ニーナ・グロムスタ(ヴォーカル)*
 
録音 2016年1月21日–23日 レインボースタジオ(オスロ)
制作 ルネ・クラーケグ、ヤン・オラヴ・レンヴォーグ
録音エンジニア ヤン・エーリク・コングスハウグ

 
ピアニスト、作曲家、アレンジャー。ルネ・クラーケグ Rune Klakegg(1955–)は、バンドリーダー、サイド・ミュージシャン、音楽教師、ライター、ジャズ雑誌「Jazznytt(ニュージャズ)」の編集者としても活動し、ノルウェーのジャズ・シーンに40年以上にわたり大きな足跡を残してきました。2006年、彼は、オスロの南西約130キロ、生まれ故郷の町シーエン Skien(1814年までは “Scheen”)に本拠を移し、新たな活動を始めました。そのひとつ、彼が創設に関わり芸術監督を務めるシーエン・ジャズオーケストラ Scheen Jazzorkester は、2015年、60歳を迎える彼のために「ルネのラウンド(Runes runde)」と題するコンサートを企画。14人の音楽家で演奏するために編曲した自作曲、新作、スタンダードナンバーが演奏されました。『雪のかけら』は、このコンサートで演奏したナンバーを彼らがオスロのレインボースタジオにもちこみベテランの録音技師ヤン・エーリク・コングスハウグ Jan Erik Kongshaug の手に委ねて生まれたアルバムです。
 
フランスの作曲家ドビュッシーのミドルネームを曲名にとり、クラシカル音楽の印象主義を想わせるピアノに始まる《アシル》、「ピアニストの復讐」のつもりで「ピアノが主役」となるよう旧作を編曲し直した《なにか怪しいものがここに》。このプロジェクトにはヴィブラフォーン奏者のロブ・ウェアリング Rob Waring がゲスト参加。ヘンリー・マンシーニとジョニー・マーサーが映画『ティファニーで朝食を』のために書いた《ムーン・リバー》は、クラーケグがトロンハイムのグループ、ソイル Søyr のために手がけた編曲をもうひとりのゲスト、女性ヴォーカルのニーナ・グロムスタ Nina Gromstad が素敵な気分の歌に歌います。
 
税込価格 2,365円(本体価格 2,150円)

『Some Place Called Where』
Losen Records LOS 187-2 jazz

 
『Some Place Called Where』
 Portrait(Charles Mingus)
 Some Other Time(Leonard Bernstein/Adolph Green/Betty Comden)
 Like a Lover(Dori Caymmi/Nelson Motta/Marilyn & Alan Bergman)
 Soul Eyes(Mal Waldron) Little Waltz(Ron Carter)
 Some Place Called Where(Wayne Shorter/Dianne Reeves/R. Cummings)
 Autumn Nocturne(Josef Myrow/Kim Gannon)
 Fresh Air(Kirk Lighsey/Marilena Paradisi) *
  マリレーナ・パラディージ(ヴォーカル)
  カーク・ライトシー(ピアノ、フルート *)
 
録音 2017年5月 Studio Extra Beat(ローマ、イタリア)
制作 マリネーラ・パラディージ
録音エンジニア クライヴ・シンプソン

 
イタリアのヴォーカリスト、マリレーナ・パラディージ Marilena Paradisi と、1937年、デトロイト生まれのピアニスト、カーク・ライトシー Kirk Lightsey のデュオ・アルバム。チャーリー・ミンガスの《Portrait》、レナード・バーンスタインのミュージカル『On the Town』(映画化邦題『踊る大紐育』)から《Some Other Time》、ネルソン・モッタ作詞、ドリ・カミーイ作曲のボサノバ曲にアラン&マリリン・バーグマン夫妻が英語歌詞をつけた《Like a Lover》(「朝の太陽は恋人のように ゆるやかに昇り、目覚めの口づけをする……」)、マル・ウォルドロン作詞、作曲のバラード《Soul Eyes》、ロン・カーターの《Little Waltz》、なだらかに上り下りするシンプルな旋律とともに、どこともしれない世界が広がっていく、ウェイン・ショーターの《Some Place Called Where(Someplace Called “Where”)》、「去年の秋の恋」をしのぶジョーセフ・マイローとキム・ギャノンの《Autumn Nocturne》。作曲家としても活動、ジャズ、即興、コンテンポラリー・クラシックスと幅広い分野で「人の声」のもつ可能性を探る試みをつづけるパラディージが、サニー・スティットやチェット・ベイカーとの録音、デクスター・ゴードンとのツアーに参加したピアニストの共演で歌う「スタンダード」ナンバー。ふたりが共作したナンバー、ライトシーのリリカルなフルート・ソロが「さわやかな空気」を演出する《Fresh Air》でアルバムを閉じます。
 
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)

『UP』
Losen Records LOS 225-2 jazz

 
『UP』
 Wonderland(Alessandro Sgobbio) Ucronia(Emiliano Vernizzi)
 Disco Gagarin(Emiliano Vernizzi)
 The Earth’s Shape(Emiliano Vernizzi)*
 Danza di Kuwa(Emiliano Vernizzi)
 Marthyrlied(Alessandro Sgobbio)
 Gorod Malinov(Alessandro Sgobbio)
 La Rentrée(Alessandro Sgobbio)
 Sultans of Swing(Mark Knopfler)
  Pericopes+1
   エミリアーノ・ヴェルニッツィ
   (テナーサックス、エレクトロニクス)
   アレッサンドロ・スゴッビオ
   (ピアノ、フェンダーローズ、エレクトロニクス)
   ニック・ワイト(ドラム)
  ストリング・セクション *
   アンナ・アポロニオ(ヴァイオリン)
   ジュリア・ポンタロロ(ヴァイオリン)
   マルゲリータ・コッシオ(ヴィオラ)
   アンドレア・ムスト(チェロ)
 
録音 2019年7月 アルテスオーノ録音スタジオ(Artesuono Recording Studios)(カヴァリッコ、ウーディネ、イタリア)
制作 Pericopes+1
録音エンジニア ステファノ・アメリオ

 
「Pericopes+1」は、ピアニストのアレッサンドロ・スゴッビオ Alessandro Sgobbio とサクソフォーン奏者のエミリアーノ・ヴェルニッツィ Emiliano Vernizzi が始め、2012年にアメリカのドラマー、ニック・ワイト Nick Wight を加えて再スタートしたプロジェクトです。『These Human Beings』(2015)『Legacy』(2018)のアルバムを制作。ヨーロッパ・ジャズ界の「新しい世代に属する」(Jazz ’N’ More – Switzerland)「独創的、興味あるスタイル」(Concerto – Austria)のクロスジャンル・バンドと評されてきました。『UP』は、彼らのアルバム第3作。「みんながいつも手元のスマートフォンを見ている社会に残された希望。頭を上げ、視点を増やし、前向きな変化を生むためのヒント。芸術家と文明が生き残るために前を向き、上を向く」というコンセプトを基に「UP」のアルバム・タイトルがつけられました。スゴッビオとヴェルニッツィのオリジナル作品が4曲ずつ、マーク・ノップラーの《Sultans of Swing》が最後に演奏されます。力を抜き、ゆったりと演奏を楽しむ。ニューヨーク、パリ、ミラノと、離れて住む三人がイタリアのカヴァリッコのスタジオに集まってセッションを行いました。
 
税込価格 2,365円(本体価格 2,150円)

『《ハウス・オブ・カード》交響曲(House of Cards Symphony)』
BIS SACD2299 2SACD’s hybrid (5.0 surround/stereo) contemporary/classical

 
ジェフ・ビール(1963–)
[Disc 1]
 《ハウス・オブ・カード》交響曲(House of Cards Symphony)*
  Forward March(フォワード・マーチ) Betrayal(裏切り)
  New Deal(新たな取引) Clair Underwood(クレア・アンダウッド)
  Russia(ロシア) Portrait of a Marriage(結婚の肖像)
  Power(権力) Dignity(威厳) Puppet Master(人形使い)
  Making History(歴史作り)
[Disc 2]
 《ハウス・オブ・カード》幻想曲(House of Cards Fantasy)
  (フルートと管弦楽のための)**
 シックス・シクスティーン(Six Sixteen)
 (ギターと室内管弦楽のための)***
 頌歌(Canticle)(弦楽オーケストラのための)†
 フルートと管弦楽のための協奏曲(Concerto for Flute and Orchestra)††
  ジョーン・ビール(ソプラノ)*
  ジェフ・ビール(フリューゲルホルン)(即興)*
  ヘンリー・ビール(ベースギター)*/††
  ヨアキム・ルンドストレム(ギター)*
  マッティン・オッラリード(ドラムキット)*
  フレードリク・インゴー(ピアノ)*
  エーリク・モンソン(ピアノ)*
  シャロン・べザリー(フルート)**/††
  ジェイソン・ヴィオー(ギター)***
  ヘンリク・ユン・ペーテシェン(ヴァイオリン・ソロ)†
  ノルショーピング交響楽団 ジェフ・ビール(指揮)
 
録音 2017年6月 ルイ・ド・イェール・コンサートホール(ノルショーピング、スウェーデン)
制作 トーレ・ブリンクマン
録音 ファビアン・フランク

 
「ひとりの下院議員が、彼に劣らず狡猾な妻と手を携え、裏切り者たちへの復讐を進めていく」(IMDb)。ケヴィン・スペイシー主演の Netflix テレビ・シリーズ『House of Cards』(邦題『ハウス・オブ・カード 野望の階段』)は、2013年から2018年まで6シーズン、66のエピソードが制作されました。「ポリティカル・スリラー」のドラマは人気を集め、テレビを変えたとまでいわれる評価を獲得しました。このシリーズの音楽は、ロサンジェルスを本拠にテレビの分野を中心に活躍するジェフ・ビール Jeff Beal(1963–)が担当。シリーズのクリエーター、ボー・ウィリモン Beau Willimon は、急展開するドラマの中で移ろう人々の心理を各エピソードの全体像を見据えながら「独自の声」で表現した音楽がシリーズに欠かせない要素だったと語っています。
 
《ハウス・オブ・カード》交響曲は、シリーズの音楽を約83分の管弦楽曲とした作品です。ワシントンのジョン・F・ケネディ・センター、マイアミ、オランダ、デンマーク、イェルサレムで行われた「『ハウス・オブ・カード』イン・コンサート」を基に創られました。作曲者ビールは、〈Forward March(フォワード・マーチ)〉から〈Making History(歴史作り)〉まで10の楽章を、時系列によらず、アンダウッド家を取りまくドラマの情緒的、劇的な流れに沿って配置。サウンドトラックの演奏に使われたエレクトリックベース、ギター、フリューゲルホルンといった楽器とソプラノの声を残しながらフルオーケストラのためのオーケストレーションを行なっています。《ハウス・オブ・カード》幻想曲は、メインタイトル、フランクとクレアの「愛と策略」のテーマ、フランク・アンダウッドの人形使いのモチーフを素材に使い、「シャロン・べザリー・フォン・バールのため」に《フルート協奏曲》のアンコールとして作られた小品です。
 
《シックス・シクスティーン》は、ギターと室内オーケストラのための「急-緩-急」3楽章の作品。曲名は、室内楽のために書かれた原曲の「弦の数」(ギターの6本、弦楽四重奏の楽器の弦の数4本の4倍)からとられ、「白日夢」や「記憶の感覚」のストーリーをイメージした、時刻(午前6時16分)、部屋番号、番地、特別の日なども示しています。「クラシカル・ギタリストのエリート」のひとり、アメリカのジェイソン・ヴィオー Jason Vieaux(1973–)がソロを弾いています。弦楽オーケストラのための《頌歌》は、憧れや大きな喪失といった気分を歌った「ショートストーリー」あるいは「祈り」の音楽です。《フルート協奏曲》は、2015年6月、北欧の夏の太陽に照らされたストックホルム港で作曲者のビールがシャロン・べザリーとコーヒーを飲みながら雑談していていて浮かんだアイデアにより作曲されました。「テスラを運転しながらアクセル性能の良さを見せびらかすべザリーとフルートを吹くべザリー」のイメージされた「喜び、活力、リズムにあふれた協奏曲」。ミネソタ管弦楽団の『American Voices(アメリカの声)』と題するコンサートで、べザリーのソロ、オスモ・ヴァンスカの指揮で初演されました。
 
『ハウス・オブ・カード』に熱中したという BIS レーベルのオーナー、ローベット・フォン・バールのたっての願いで制作されたアルバムです。
 
[プロフィール]
 
ジェフ・ビール Jeff Beal は、1963年、カリフォルニアのヘイワード生まれ。サンフランシスコのベイエリアでトランペットを習いながら育ち、70年代ジャズ、クラシカル、ロック、ポップと幅広いジャンルに熱中。高校時代からビッグバンドやオーケストラのために作曲を始め、イーストマン音楽学校に進んでからはクリストファー・ラウス、レイバーン・ライト、ビル・ドビンズたちに学びました。ニューヨークとサンフランシスコでジャズの録音と作曲を経験した後、ロサンジェルスに移り、エド・ハリス監督・主演の『Pollock』(邦題『ポロック 2人だけのアトリエ)』)(2000)の音楽が World Soundtrack Awards の「Discovery of the Year」にノミネートされ、彼の映画音楽作家としての活動が始まりました。『Monk』(2002)第1シーズンの主題歌でエミー賞を初めて受賞。共和制ローマの最後の日々を描いた『Rome(ローマ)』(2005)のテーマとスコアもノミネートされています。トム・セレック制作・主演の「ジェッシー(ジェッシィ)・ストーン」シリーズは、ロバート・B・パーカーの小説に基づく第1作『Stone Cold』(原作邦題『影に潜む』)から全作品のスコアを担当。マサチューセッツの港町の雰囲気と登場する人たちの内面を静かな音楽で表現したスコアが作品の高い評価に寄与、第9作『Jesse Stone: Lost in Paradise』(2015)のスコアがエミー賞にノミネートされました。『House of Cards』は、第32章と第63章のスコアが2015年と2017年のエミー賞を獲得しています。
 
価格 5,500円(税込価格)(本体価格 5,000円)

『ギター協奏曲』
Ondine ODE 1219–2 contemporary/classical

 
キンモ・ハコラ(1958–)
 ギター協奏曲(2008)
細川俊夫(1955–)
 旅 IX - 目覚め -(Voyage IX ‘Awakening’)(2007)
 (ギター、弦楽、打楽器のための)
 開花 II(Blossoming II)(2011)(室内管弦楽のための)
  ティモ・コルホネン(ギター)
  オウル交響楽団
  サントゥ=マティアス・ロウヴァリ(指揮)
 
録音 2012年10月22日–25日 マデトヤ・ホール(オウル、フィンランド)
制作 セッポ・シーララ
録音エンジニア・マスタリング エンノ・マエメツ

 
フィンランドのギタリスト、ティモ・コルホネン Timo Korhohen(1964–)のために書かれた2つのギター協奏曲を中心とするアルバム。
 
キンモ・ハコラ Kimmo Hakola は、コスモポリタン性が強く、さまざまなスタイルの音楽を融合して目の覚めるような音風景を創る作曲家として知られます。《ギター協奏曲》は、アラブ人、ユダヤ人、ジプシー、キリスト教徒が共に平穏に暮らしていた中世アンダルシアを念頭に置き、書かれました。「アレグロ・ブリランテ」の第1楽章、スペイン系ユダヤのラディーノ語の歌《Adio Querida》に因み〈Adio〉と題した「アモローソ」の第2楽章、アンダルシアのどこかにある架空のユダヤ人街の夢姿を表す「ゲットー」の副題をつけた「アレグロ、クワジ・カデンツァ」の第3楽章。テューバを含まない2管の管楽器、弦楽合奏、ハープ、ティンパニ、そして、グロッケンシュピール、ヴィブラフォーン、マリンバ、テューブラーベル、ペルー発祥の体鳴楽器カホンなど多種の楽器を楽器を演奏する2群の打楽器という編成の作品です。コルホネンがマデトヤ財団の支援を受けて委嘱。2008年4月10日、ヘルシンキ、フランク・オッル指揮ヘルシンキ・フィルハーモニックと共演して初演しました。
 
細川俊夫もコスモポリタン性をもった作曲家とみなされているひとりです。《旅 IX - 目覚め -》は、カメラータ・アテネとトゥルク・フィルハーモニックから共同委嘱され、1997年に彼が始めた「旅(Voyage)」シリーズの9番目の作品として書かれました。ギターを「蓮の花」に、弦楽オーケストラを「水(池)」に見立て、「花と自分はひとつ……花の歌は、わたしの歌。花の目覚めは、わたしの自然浄化、わたしの自我の目覚め」(細川俊夫)とした音楽です。コルホネンが、2007年9月の「第50回 ワルシャワの秋音楽祭」でクリストファー・ウォレン=グリーン指揮「カメラータ・アテネ」の共演で初演しました。室内管弦楽のための《開花 II》も「蓮の花」のイメージされた作品です。「時の止まったところのひとつの気分」。エディンバラ国際フェスティヴァル協会の委嘱で作曲され、2011年8月21日、ロビン・ティチアーティ指揮スコットランド室内管弦楽団によって初演されました。
 
2012年10月、マデトヤ・ホールでのセッション録音。タピオラ・シンフォニエッタの「アーティスト・イン・アソシエーション」を務め、タンペレ・フィルハーモニックの次期首席指揮者に指名されたサントゥ=マティアス・ロウヴァリ Santtu-Matias Rouvali(1965–)とオウル交響楽団の演奏です。
 
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)

『ステーンハンマル』
Naxos 8.572186 classical

 
ヴィルヘルム・ステーンハンマル(1871–1927)
 セレナード(Serenad) ヘ長調 Op.31(1911–13 rev.1919)
  序曲(Ouvertura) カンツォネッタ(Canzonetta)
  スケルツォ(Scherzo) 夜想曲(Notturno) 終曲(Finale)
 フロレスとブランセフロール(Florez och Blanzeflor) Op.3(1891)
 (バリトンと管弦楽のための)
 イタケー(Ithaka) Op.21(1904)(バリトンと管弦楽のための)
 交響的カンタータ《歌(Sången)》 Op.44(1921)
 - 間奏曲(Mellanspel)
 前奏曲とブレー(Prelude and Bourrée)(1891)(管弦楽のための)
  カール=マグヌス・フレードリクソン(バリトン)
  イェヴレ交響楽団 ハンヌ・コイヴラ(指揮)
 
録音 2008年10月20日–24日 イェヴレ・コンサートホール(Gävle Konserthus)(イェヴレ、スウェーデン)
制作・録音 ショーン・ルイス

 
スウェーデン音楽史上もっとも重要な音楽家のひとり、ヴィルヘルム・ステーンハンマル Wilhelm Stenhammar のよく知られた作品とあまり知られていない作品で構成したアルバム。
 
管弦楽のための《セレナード》は、ステーンハンマルが「憧れの地」イタリアに休暇で滞在していた1907年にアイデアを得たという作品です。1911年ごろから作曲が始められ、1913年に完成しました。翌1914年1月30日、彼が王立スウェーデン管弦楽団を指揮して初演したものの、それほどの成功を収めなかったため、1919年に「メヌエットのテンポで」の第2楽章をカットした改訂稿が作られました。〈序曲〉、「ワルツのテンポで、少し静かに」の〈カンツォネッタ〉と〈スケルツォ〉と「少し遅めのアンダンテ」の〈夜想曲〉がつづけて演奏され、「控えめなテンポ」の〈終曲〉。1920年3月3日、ヨーテボリで初演。北欧の夏を特徴づける「白夜」の気分を描いた古典的な作品として、ステーンハンマルの最良の作品のひとつに挙げられています。
 
《フロレスとブランセフロール》は、19世紀後期スウェーデンを代表する詩人のひとり、オスカル・レヴェッティン Oscar Levertin(1862–1906)の詩にステーンハンマルが作曲した作品のひとつです。フロワールとブランシュフロールというふたりの孤児にまつわる12世紀プロヴァンスの物語詩に基づいてレヴェッティンが書いた詩をステーンハンマルは「夢のような」音楽で表現。彼の最初の成功作と言われます。《イタケー》もレヴェッティンの詩によるバラードです。ホメロスの叙事詩『オデュッセイア』に描かれる故国イタケーをめざすオデュッセウスの航海に望郷の思いと「人生」の旅が重ねられ、ダイナミックな音楽として表現されます。この2曲は、2004年に若くして宮廷歌手の称号を授与されたバリトン歌手、カール=マグヌス・フレードリクソン Karl-Magnus Fredriksson(1968–)のソロで演奏されます。
 
ステーンハンマルが「愛するスウェーデン」を音楽で語った交響的カンタータ《歌》から、彼の書いたもっとも美しい旋律のひとつ〈間奏曲〉。1891年の10月から12月にかけて作曲された《前奏曲とブレー》は、まったくといっていいほど知られていなかった作品です。「アンダンテ・モデラート」の「前奏曲」と「アレグロ」の「ブレー」。ストックホルムのスウェーデン音楽図書館に手稿譜が保存されており、このアルバムの録音が初演だろうと言われています。2013年9月5日。イェヴレ交響楽団がダーヴィド・ビョークマンの指揮でコンサート初演しました。
 
指揮者のハンヌ・コイヴラ Hannu Koivura(1960–)は、ヘルシンキのシベリウス・アカデミーでトランペットと指揮を学びました。イェヴレ交響楽団、デンマーク放送シンフォニエッタ、オーショッタ・シンフォニック・ウィンドアンサンブル、現代音楽の「室内アンサンブルN」と幅広いジャンルのアンサンブルを指揮。ヤンネ・メルタネンがソロを弾いたショパンの2曲のピアノ協奏曲(Alba ABCD 247)が、代表的録音として評価され、親しまれています。
 
価格 1,925円(税込価格)(本体価格 1,750円)

『レウヴスタ・ブリュークの音楽秘宝(The Musical Treasures of Leufsta Bruk) 第3集』
BIS SACD2354 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) classical

 
『スウェーデン賛美歌本(Den svenska psalmboken)』(1695)の5つの賛美歌
 あなたを信頼します、愛する主よ(På dig jag hoppas, Herre kär)*
 キリストよ、あなたは私たちの贖い主(Jesu du är vår salighet)*
 天からの聖霊は(Ande ifrån ovan)*
 おお神よ、私たちの心は救われました(O Gud, det är en hjärtans tröst)
 かくも美しく甘美な(Så skön och ljuvlig är)
F・I・ド・ブーク(?–?)
 ソナタ第5番 ト短調
コンラート・フリードリヒ・フルレブッシュ(1691–1765)
 カンタータ第1番
ヒンリク・フィリップ・ヨンセン(1716/17–1779)
 1757年復活祭当日の教会音楽(Kyrko-Musique på Påsk-Dagen 1757)
ピエール=アレクサンドル・モンシニー(1729–1817)
 アリエッタ「どんなに微細なことにでも(Jusque dans la moindre chose)」
作者不詳
 アリア「こよなく美しき太陽よ(Wacka sol)」*
 あなたを信頼します、愛する主よ(På dig jag hoppas, Herre kär)*
  イーリン・ロムブ(ソプラノ)
  Rebaroque
   マリア・リンダール(ヴァイオリン、芸術監督)
   エリーアス・ガメルゴード(ヴァイオリン)
   ダニエル・ホルスト(チェロ)
   ユーナス・ドミニク(コントラバス)
   ペーテル・ロンネルベリ(オルガン) 
 
編曲 ユーナス・ドミニク(*)
録音 2018年2月 ローヴスタブリューク教会(ローヴスタブリューク、スウェーデン)
制作・録音 ファビアン・フランク

 
ストックホルムの北西、中世からの大学都市ウプサラに近いレウヴスタ・ブリューク Leufsta Bruk(ローヴスタブリューク Lövstabruk)は、17世紀から18世紀、鉄鋼業で栄えました。町の発展に貢献したひとり、ベルギー生まれの資本家ルイ・ド・イェールは楽譜マニアとしても知られ、その膨大な楽譜コレクションは音楽史の貴重な遺産とみなされてきました。このコレクションを「コンサート」スタイルのアルバムに作る BIS レーベルのシリーズ。ドロットニングホルム・バロックアンサンブルとニルス=エーリク・スパルフによる第1集(BIS-1526)、第2集(BIS-1975)に続き、バロックアンサンブル「Rebaroque」とソプラノのイーリン・ロムブの共演した第3集がリリースされます。
 
プログラムの最初は、町の教会や領主館で歌われた賛美歌を代表する5曲。アントワープのオルガニスト、ヨアネス・ド・ブークと同一人物だろうと推測されている生没年不詳のF・I・ド・ブーク F. I. De Boeck は、レウヴスタ・ブリュークのコレクションに2つのキーボード曲集の出版譜が所属されています。《クラヴィチェンバロまたはオルガンのための6つの組曲》の〈第5番 ト短調〉は4楽章の作品。オルガンによる演奏です。ドイツ生まれのコンラート・フリードリヒ・フルレブッシュ Conrad Friedrich Hurlebusch(1691–1765)は、フレードリク一世の招きで1723年から1725年までスウェーデンに滞在しました。《独唱と通奏低音の2つのカンタータ》の第1番は、「あなたは去っていくのですか、愛しい人…どうぞ行ってください、恩知らずの人(Tu parti idolo mio?…Vanne ingrata)」と「だが、私は戸惑っています…ああ、私を憐れんでください(Ma folle!…Deh! Muovetevi a pietà)」の2つのレチタティーヴォとアリアの作品です。ヒンリク(ヘンリク)・フィリップ・ヨンセン Hinrich(Henrik) Philip Johnsen(1716/17–1779)もドイツ生まれ。1743年にスウェーデンに渡り、1779年、ストックホルムで没しました。《1757年復活祭当日の教会音楽》は、「グラーヴェ」「アレグロ」「信仰の創始者また完成者であるイエスを見つめながら(Låt oss se på Jesum)」(「ヘブライ人への手紙」12章2節)「御救いを喜び歌う声が(Man sjunger med glädje om seger)」(「詩編118番」15節–18節)「退出の音楽(Till utgång)」の5曲です。ド・イェール家と同じ社会階級に属するフランスの作曲家ピエール=アレクサンドル・モンシニー Pierre-Alexandre Monsigny(1729–1817)のコミックオペラ《On ne s’avise jamais de tout》のアリエッタの後、手稿譜の残る作者不詳のアリアとアルバム最初の賛美歌「あなたを信頼します、愛する主よ」が歌われます。
 
イーリン・ロムブ Elin Rombo は、スウェーデンの宮廷歌手。ストックホルム・オペラ大学在学中に王立スウェーデン歌劇場にデビュー。ベルリン、フランクフルト、オランダ、パリの歌劇場の舞台に立ち、各国のオーケストラと共演しています。モダン・バロックアンサンブル「Rebaroque」は、1998年にストックホルム・バロック管弦楽団として1998年に創設。マリア・リンダール Maria Lindal がコンサートマスターと芸術監督を務め、聖ヤコブ室内合唱団やスウェーデン放送合唱団とのコラボレーションをはじめ、さまざまな活動と試みを行っています。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『無限(Infinity)』
Naxos 8.573788 CDR contemporary/classical

 
キム・アンドレ・アルネセン(1980–) 合唱作品集
 Even When He Is Silent(たとえ沈黙していようと神を)(2011)
 (20世紀作者不詳の詩)
 Flight Song(飛翔の歌)(2014)(ユアン・テイト(1968–)の詩)*
 おお聖なる饗宴(O sacrum convivium)(2014)†
 Child of Song(歌の子供)(2014)(ユアン・テイト(1968–)の詩)
 The Gift I’ll Leave You(あなたに残す私からの贈り物)(2014)
 (ユアン・テイト(1968–)の詩)*†
 おねむり、幼いイエスよ(Dormi, Jesu)(2012)
 Making or Breaking(作るか壊すか)(2015)
 (デイヴィッド・ロバーツ(1942–)の詩)**†
 Cradle Hymn(ゆりかごの賛歌)(2010)*
 The Lamb(子羊)(2015)(ウィリアム・ブレイク(1757–1827)の詩)
 Pie Jesu(ピエ・イエズ)(慈悲深き主イエスよ)(2013)*†
 Infinity(無限)(2016)(デイヴィッド・ロバーツ(1942–)の詩)†
 There We Shall Rest(われらはそこで休み)(2015)
 (ヒッポのアウグスティヌス(354–430)の詩)†
  カントライ ジョエル・リンセマ(指揮)
  アリシア・リグズビー(ピアノ)*
  ジョン・ガンサー(ソプラノサックス)** [† 世界初録音]
 
録音 2016年5月20日–27日 ファースト・プリマス・コングリゲーショナル教会(デンヴァー、コロラド州)
制作・編集 ブラントン・オルスポー
録音エンジニア ジョン・ニュートン

 
キム・アンドレ・アルネセン Kim André Arnesen は、ニーダロス大聖堂少女合唱団の委嘱作《マニフィカト》(2L 106SABD)をはじめとする作品で高い人気を獲得してきたノルウェーの作曲家。1980年、トロンハイム生まれ。10歳の時に大聖堂の少年合唱団に加わり、トロンハイム音楽院で学びました。バロック音楽、ポップミュージックとさまざまなジャンルとスタイルを取り入れ、アカペラ合唱曲と合唱と管弦楽のための大規模な作品を中心とする作曲活動を行っています。
 
アルネセンの近作を特集したアルバム。「カントライ Kantorei」(歌い手たち)は、コロラド州、デンヴァーを本拠とする合唱団です。1997年にアカペラ合唱曲の幅広いレパートリーを歌うことのできるアンサンブルをめざして結成されました。芸術監督のジョエル・リンセマ Joel Rinsema は、1992年、フェニックス合唱団 Phoenix Chorale にテノール歌手として加わり、プレジデント、CEO と副指揮者を務めた後、2014年にカントライに移りました。《The Gift I’ll Leave You》《Making or Breaking》《Infinity》《Making or Breaking》《There We Shall Rest》はカントライとジョエル・リンセマのための委嘱作です
 
価格 1,925円(税込価格)(本体価格 1,750円)
 

高品質メディア(Sony DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-Rによるリリースです。プレーヤー/トランスポートの機種によってはCD-Rの読み取り、再生ができないことがあります。再生対応のメディアを機器の取扱説明書でご確認ください。

『Some Place Called Where』
Losen Records LOS 187-2 jazz

 
『Some Place Called Where』
 Portrait(Charles Mingus)
 Some Other Time(Leonard Bernstein/Adolph Green/Betty Comden)
 Like a Lover(Dori Caymmi/Nelson Motta/Marilyn & Alan Bergman) 
 Soul Eyes(Mal Waldron) Little Waltz(Ron Carter)
 Some Place Called Where(Wayne Shorter/Dianne Reeves/R. Cummings)
 Autumn Nocturne(Josef Myrow/Kim Gannon)
 Fresh Air(Kirk Lighsey/Marilena Paradisi) *
  マリレーナ・パラディージ(ヴォーカル)
  カーク・ライトシー(ピアノ、フルート *)
 
録音 2017年5月 Studio Extra Beat(ローマ、イタリア)
制作 マリネーラ・パラディージ
録音エンジニア クライヴ・シンプソン

 
イタリアのヴォーカリスト、マリレーナ・パラディージ Marilena Paradisi と、1937年、デトロイト生まれのピアニスト、カーク・ライトシー Kirk Lightsey のデュオ・アルバム。チャーリー・ミンガスの《Portrait》、レナード・バーンスタインのミュージカル『On the Town』(映画化邦題『踊る大紐育』)から《Some Other Time》、ネルソン・モッタ作詞、ドリ・カミーイ作曲のボサノバ曲にアラン&マリリン・バーグマン夫妻が英語歌詞をつけた《Like a Lover》(「朝の太陽は恋人のように ゆるやかに昇り、目覚めの口づけをする……」)、マル・ウォルドロン作詞、作曲のバラード《Soul Eyes》、ロン・カーターの《Little Waltz》、なだらかに上り下りするシンプルな旋律とともに、どこともしれない世界が広がっていく、ウェイン・ショーターの《Some Place Called Where(Someplace Called “Where”)》、「去年の秋の恋」をしのぶジョーセフ・マイローとキム・ギャノンの《Autumn Nocturne》。作曲家としても活動、ジャズ、即興、コンテンポラリー・クラシックスと幅広い分野で「人の声」のもつ可能性を探る試みをつづけるパラディージが、サニー・スティットやチェット・ベイカーとの録音、デクスター・ゴードンとのツアーに参加したピアニストの共演で歌う「スタンダード」ナンバー。ふたりが共作したナンバー、ライトシーのリリカルなフルート・ソロが「さわやかな空気」を演出する《Fresh Air》でアルバムを閉じます。
 
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)

『コッコネン ピアノ作品集』
Alba ABCD 127 classical

 
ヨーナス・コッコネン(1921–1996)
 5つのバガテル(Viisi bagatellia)(1969)
 レリジョーゾ(Religioso)(1956)
 ソナティナ(Sonatina)(1953)
 2つの小前奏曲(Kaksi pientä preludia)(1943)
 組曲《ピエラヴェシ(Pielavesi)》(1939)
 即興曲(Impromptu)(1938)
  ヤンネ・メルタネン(ピアノ)
 
録音 1997年?

 
第二次世界大戦後、フィンランドには新しい世代の作曲家が多く姿を見せはじめました。エイナル・エングルンド(1916– 1999)、ヨーナス・コッコネン(1921–1996)、エイノユハニ・ラウタヴァーラ(1928–2016)、ウスコ・メリライネン(1930–2004)、アウリス・サッリネン(1935–)、パーヴォ・ヘイニネン(1938–2022j)たち。フィンランド音楽に新しい風を吹かせたアーレ・メリカント(1893–1958)やフィンランド・モダニズムの「偉大なボス」のエーリク・ベリマン(1911–2006)につづく彼らの登場によって、フィンランドの音楽シーンは一気に活性化しました。
 
コッコネン Joonas Kokkonen は、この時期もっとも重要な作曲家のひとりというだけでなく、国際的にもよく知られていました。1968年から1988年まで「TEOSTO」(フィンランド著作権協会)の会長、1965年から1971年までフィンランド作曲家協会の会長、1959年から1963年までシベリウス・アカデミーの作曲科の教授など、創作のかたわら、要職を務めました。
 
コッコネンは、ネオクラシカルな作風から出発し、「十二音技法」の時期を経て、自由な調性によるネオロマンティックなスタイルに移っていきました。彼は、音楽の重心と構造を重視。小さな素材を簡潔でひきしまった全体に作り上げていくスタイルは、コッコネンの音楽の魅力のひとつに挙げられています。彼の作品は、4つの交響曲、《弦楽オーケストラのための音楽》《…durch einem Spiegel(…一枚の鏡越しに)》などの管弦楽曲、《チェロ協奏曲》、弦楽四重奏曲(3曲)、《木管五重奏曲》《ピアノ五重奏曲》といった室内楽曲、オルガンのための《ルクス・エテルナ》、《レクイエム》《ラウダティオ・ドミニ》、メゾソプラノとピアノのための歌曲集《Sub Rosa》など。彼は自己批判が強く、発表する作品は多くが高く評価されました。1975年に完成した《最後の誘惑》は、彼の代表作というだけでなく、フィンランドを代表する歌劇のひとつとみなされています。
 
コッコネンは、初等学校の生徒だったころ、即興で作った曲を書き留めることから作曲を始め、1938年から1939年にかけて、真剣に作曲に向き合いました。《即興曲》と組曲《ピエラヴェシ》が、シベリウス・アカデミーのイルマリ・ハンニカイネンのピアノ・クラスで学ぶ前の、この時期を代表する作品です。友人カレヴィ・コスキのために書いた《即興曲》は、3つの部分に分かれ、自由調性の傾向が示されています。《ピエラヴェシ》は、〈前奏曲(Preludietto)〉〈夜想曲(Nocturne)〉〈雨(Sade)〉〈夕暮れの雲(Iltapilviä)〉〈朝の風(Aamutuuli)〉の5曲の組曲として作られた、コッコネンが夏を過ごしたサマーハウスの自然からインスピレーションを得た作品です。
 
《2つの小前奏曲》は、フィンランドがソ連と戦った継続戦争中の1943年のクリスマスごろ、下士官だったコッコネンが新妻に捧げるためカレリアのラトヴァで作曲した作品です。「アレグロ・カプリッチョーゾ」と「アンダンティーノ・センプリーチェ」。コッコネン自身のコンサートのために作曲した3楽章の《ソナティナ》。静かで厳かな気分の《レリジョーゾ》。
 
《5つのバガテル》は、バロック期のフーガの影を感じさせる〈前奏曲(Praembulum)〉、カンタービレの〈間奏曲(Intermezzo)〉、鳥がガラス窓に衝突して死んだという子供のころの記憶を刻んだ〈鳥たち(Aves)〉、弔いの気分の〈エレジアーコ(Elegiaco)〉、トゥースラ湖畔にコッコネン邸にある古く大きな白樺の〈木々(Arbores)〉。ヤルヴェンパーに自邸を建てる際、コッコネンは、作曲と建築の「構造」に関して一致した考えをもっていた建築家アルヴァル・アールトに設計を依頼。アールトは、この白樺の樹を中心にして設計をまとめたと言われます。
 
ピアニストのヤンネ・メルタネン Janne Mertanen(1967–)は、ヨエンスー生まれ。12歳からサカリ・ヴィルッポネにピアノを教わり、ヨエンスー音楽大学でナッティ・ハーパサロに学びました。シベリウス・アカデミーではエーリク・T・タヴァッシェルナとドミートリー・バシュキロフのクラスに入り、卒業後、イタリアのイモラ国際ピアノアカデミーでラザール・ベルマンに学びました
 
このアルバムの《即興曲》と《ピエラヴェシ》の2曲は、長年、演奏が許されておらず、コッコネンが、メルタネンの弾くショパンを聴き、やっと許可を出したといういきさつがあります。
 
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)

『ショパン 2つのピアノ協奏曲』
Alba ABCD247 classical

 
フレデリク・ショパン(1810–1849)
 ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 作品21
 ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 作品11
  ヤンネ・メルタネン(ピアノ)
  ヨエンスー市管弦楽団 ハンヌ・コイヴラ(指揮)
 
録音 2007年1月15日–18日、23日–25日 カレリアホール(ヨエンスー、フィンランド)
制作 ラウラ・ヘイキンヘイモ
録音エンジニア ヘイッキ・サヴォライネン

 
10のマズルカと前奏曲などのリサイタル・アルバム(ABCD 138)、2005年、ワルシャワのフレデリク・ショパン・ディスク・グランプリ受賞した夜想曲集の第1集(ABCD 160)と第2集(ABCD190)。上品で美しいピアノの音、デリケートなカンタービレ。ヤンネ・メルタネン Janne Mertanen(1967–)が Alba に録音した3枚のショパン・アルバムは、静かな人気を呼びました。詩的でロマンティックな第2番の協奏曲。透明感のある音で響かせることがむずかしいと言われる第1番。メルタネンのピアノの音は、ほんとうに美しく、また、ダイナミック。情に溺れず、音楽の姿形がクリアにわかる演奏です。ハンヌ・コイヴラ Hannu Koivula(1960–)は、「カンマルアンサンブルN」を指揮したスウェーデンの作品など現代の音楽も得意とし、幅広い活動をつづけています。ヨエンスー市管弦楽団を指揮したこのショパンも、メルタネンのソロに共感を寄せた演奏です。
 
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)

『夜の海辺にて(Yö meren rannalla)』
Alba ABCD 436 classical

 
ヘイノ・カスキ(1885–1957) ソロ・ピアノのための作品集
 夜の海辺にて(Yö meren rannalla) Op.34 no.1
 ばら園の乙女(Das Mädchen im Rosengarten/Tyttö ruusutarhassa) Op.24 no.1 
 前奏曲 変ト長調(Preludi Ges-duuri) Op.7 no.1
 山のトロルのセレナード(Vuorenpeikkojen iltasoitto) Op.15 no.1
 森の静けさ(Waldesstille) Op.25 no.2
 流行り歌(Chanson populaire) Op.27 no.3
 夏の夜(Kesäyö) Op.38 no.1 牧歌(Idyll) Op.10 no.4
 前奏曲 ハ長調(Preludi C-duuri) Op.46 no.1
 詩(Poem) Op.46 no.2 夢の姿(Unikuva/Traumbild) Op.27 no.1
 ブルレスケ(Burleske) Op.32 no.3
 ヴェネツィアの夕べ(Ilta Venetsiassa) Op.15 no.2
 前奏曲 ロ短調《パンカコスキ急流(激流)(Pankakoski)》 Op.48 no.1
 子守歌(Berceuse) Op.17 no.3
 泉のほとりのニンフたち(Keijukainen lähteellä) Op.19 no.2
 秋の朝(Herbstmorgen/Syysaamu) Op.21 no.2
 無言歌(Lied ohne Worte) Op.24 no.2
 夕べの気分(lltatunnelma) Op.14 no.3
 悲しい歌(Chanson triste) Op.32 no.4
  ヤンネ・メルタネン(ピアノ) [Piano: Steinway & Sons D371281]
 
録音 2018年11月2日–3日 ヘルシンキ
制作・録音エンジニア ヘイッキ・サヴォライネン

 
オスカル・メリカントと同じようにピアノの小品で人気を集めことでフィンランド音楽史に名を残すカスキのソロ・ピアノ作品集。ヘイノ・カスキ Heino Kaski は、1885年、ピエリスヤルヴィ(リエクサ)の教会音楽家の子に生まれました。ヘルシンキでイルマリ・クローンに音楽理論、エルッキ・メラルティンに作曲を学び、ベルリンのパウル・ユオンの下で4年間、作曲の勉強を続けました。ピアノの小品の他に、ヴァイオリン、チェロ、フルートのためのソナタなどの室内楽や歌曲を作曲しています。「印象主義風のデリカシーを感じさせる和声がごく稀にみられるものの、基本のスタイルはナショナル・ロマンティシズム」(キンモ・コルホネン)。カスキは、100曲近いピアノの小品を書き、《ばら園の乙女》《夢の姿》《夕べの気分》《森の静けさ》など、その多くに音楽の内容を示唆する曲名がつけられています。
 
フィンランドのピアニスト、ヤンネ・メルタネン Janne Mertanen(1967–)のアルバムには、彼が以前に録音したことのある《夜の海辺にて》のほか、カスキのピアノ音楽を代表する作品が全部で20曲収められています。ロマンティックな《前奏曲 変ト長調》、グリーグを思わせるともいわれる爽やかさのある《山のトロルのセレナード》。前奏曲《パンカコスキ急流(激流)》は、フィンランドでもっとも壮大な急流のひとつ「パンカコスキ急流」を「トレモロ、アルペッジョ、分散和音、パッセージワークにより、典型的にロマンティックな情景に描いた」作品です。ショパンの《夜想曲》(ABCD 160, ABCD 190)と2つのピアノ協奏曲(ABCD 247)、コッコネン(ABCD 127)やサティの作品(ABCD 115)などのアルバムを録音したメルタネンが、抑えがたい気持ちをピアノに託したカスキの世界に聴き手を誘います。
 
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)

『モーツァルトより前の初期ホルン協奏曲』
BIS SACD 2315 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) classical

 
クリストフ・フェルスター(1693–1745)
 ホルン協奏曲第1番 変ホ長調
ゲオルク・フィリップ・テレマン(1681–1767)
 ホルン協奏曲 ニ長調 TWV51:D8
ヨハン・バプティスト・ゲオルク・ネルーダ(c.1708–c.1780)
 ホルン協奏曲 変ホ長調
レオポルト・モーツァルト(1719–1787)
 シンフォニア・ダ・カメラ ニ長調
ヨーゼフ・ハイドン(1732–1809)
 ホルン協奏曲第1番 ニ長調 Hob.VIId:3
  アレック・フランク=ゲミル(ホルン)
  スウェーデン室内管弦楽団 ニコラス・マギーガン(指揮)
 
録音 2017年2月 オレブルー・コンサートホール(オレブルー、スウェーデン)

 
アレック・フランク=ゲミル Alec Frank-Gemmill(1985–)は、ロンドンのケンブリッジとベルリンでヒュー・シーナン、ラドヴァン・ヴラトコヴィチ、マリー=ルイーズ・ノイネッカーたちに学びました。2013年にウィグモア・ホールにデビューし、このシーズンのコンサートで3度演奏しました。2014年から2016年の「BBC Radio New Generation Artist」に選ばれ、BBC のオーケストラと共演。スコットランド室内管弦楽団の首席ホルン奏者を10年間務めました。『気高く愁いに沈む楽器』(BIS SA 2228)につづく『モーツァルトより前の初期ホルン協奏曲』は、スコットランド室内管弦楽団の時代の録音です。フェルスター、テレマン、ネルーダ、レオポルト・モーツァルト、ハイドン。ナチュラルホルンの歴史的楽器による古典時代の音楽は、モダン楽器による現代音楽とともにフランク=ゲミルの得意とする、重要なレパートリーです。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『Early & Late』
Dacapo 6.220640 SACD hybrid (Multichannel/stereo) contemporary/classical/traditional

 
デンマーク伝承曲(ガウマン 編曲)
 Two Svabo Polonaises
ルネ・グレロプ(1981–)
 Objets/décalages(2008)
グリーンランド伝承曲(ガウマン 編曲)
 Tornge’s Song
ペレ・グズモンセン=ホルムグレーン(1932–)
 Together or Not(2012)
グリーンランド伝承曲(ガウマン 編曲)
 Qivittoq Song after Jakob Dorph
フェロー諸島伝承曲(ガウマン 編曲)
 Ormurin langi + Regin Smiður
デンマーク伝承曲(ガウマン 編曲)
 スナホーの3つの結婚の小品(Three Bridal Pieces from Sønderho) *
ソンライフ・ラスムセン(1961–)
 Accvire(2008)
フェロー諸島伝承曲(ガウマン 編曲)
 Brestiskvæði
グリーンランド伝承曲(ガウマン 編曲)
 Traditional Song
フェロー諸島伝承曲(ガウマン 編曲)
 Goodnight and farewell
  ガウマン
   ボレテ・ローズ(リコーダー、ティンウィッスル *)
   ルネ・トンスゴー・サーアンセン(ヴァイオリン、ピアノ *)
   アンレーアス・ボーアゴー(アコーディオン、メロデオン *)
  ポウル・ビェアエーアー・クリスチャンセン(ヴァイオリン)*
 
録音 2012年12月3日–5日、2013年4月18日–19日 ガーニソン教会(コペンハー
制作・録音 プレヴェン・イーヴァン

 
「ガウマン Gáman」は、現代のアートミュージックとフォークミュージックを探ることに共通した興味をもつデンマークの若い世代のミュージシャン3人が2007年に結成したアンサンブルです。ボレテ・ローズ Bolette Roed のリコーダー、ルネ・トンスゴー・サーアンセン Rune Tonsgaard Sørensen のヴァイオリン、アドレーアス・ボーアゴー Andreas Borregaard のアコーディオン。ガウマンのデビューアルバム『Early & Late』では、デンマークと自治領のグリーンランドとフェロー諸島の音楽を俯瞰。グリーンランドのドラムダンス、フェロー諸島のチェーンダンス、デンマークのフェヌー島の婚礼の音楽といった中世にルーツをもつ音楽と、デンマークのグズモンセン=ホルムグレーン Gudmundsen-Holmgreen とルネ・グレロプ Rune Glerup、フェローのソンライフ・ラスムセン Sunleif Rasmussen という今日の作曲家の新しい響きの出会いをテーマに作られました。
 
価格 2,475円(税込価格)(本体価格 2,250円)

『dust encapsulated』
Dacapo 8.226578 contemporary

 
ルネ・グレロプ(1981–)
 objets/décalages(2008)
 (リコーダー、ヴァイオリンとアコーディオンのための)*
 dust encapsulated #1(2008–09)
 (打楽器とライヴエレクトロニクスのための)
 dust encapsulated #2(2009)
 (フルート、クラリネット、ヴァイオリン、チェロとピアノのための)
 Sonata in Seven Movements(7楽章のソナタ)(2011)
 (ピアノ・ソロのための)
 Divertimento for sinfonietta
 (シンフォニエッタのためのディヴェルティメント)(2010–11)
  アテラス・シンフォニエッタ・コペンハーゲン
  マティアス・フーリス=ハンセン(打楽器)
  ルネ・グレロプ(エレクトロニクス)
  ネル・ブラムスネス・タイルマン(ピアノ)
  ピエール=アンドレ・ヴァラード(指揮)
  ガウマン *
   ボレテ・ローズ(リコーダー)
   ルネ・トンスゴー・サーアンセン(ヴァイオリン
   アンレーアス・ボーアゴー(アコーディオン)
 
録音 2012年12月 ガーニソン教会(コペンハーゲン)(objets/décalages)、2013年3月19日 王立デンマーク音楽アカデミー(コペンハーゲン)(dust encapsulated #1, Sonata)、2013年4月3日 La Salle Empire Hotel de Paris(モンテカルロ、モナコ)(「Festival Printemps des Arts(芸術の春フェスティヴァル)」ライヴ)(Divertimento)、2013年5月25日 コペンハーゲン・オペラハウス、オーケストラリハーサル室(dust encapsulated #2)
制作・録音エンジニア ミケル・ニューマン

 
ルネ・グレロプ Rune Glerup は、1981年、デンマーク生まれ。ヨーロッパ本土の芸術生活に触れるためベルリンとパリで学びました。帰国後、王立デンマーク音楽アカデミーの修士課程のソリストクラスに参加。ニルス・ロシング=スコウ、ベント・サーアンセン、ハンス・ペーター・ストゥベ・テウレビェアウに作曲とエレクトロアコースティック音楽を学び、パリのIRCAM(フランス国立音響音楽研究所)での研究も続けました。パリではピエール=アンドレ・ヴァラードに指揮法を教わり、2012年から2014年まで、アテラス・シンフォニエッタ・コペンハーゲンの共同芸術監督も務めました。
 
クレロプのアコースティックとエレクトロニックの作品を集めた『dust encapsulated 』は、彼がアテラス・シンフォニエッタの共同芸術監督だったころのアルバムです。作曲者の用意した物語風の流れをもたず、「強力なエネルギー場で結ばれながらも独立した三次元の音のブロックの間を聴き手が動き回ることができるように」作られた5つの小品が収録されています。これらの曲には、「音楽的オブジェ」と考える「サウンド」を、彫刻にも通じる有機体の構造とみなすことに興味をもつというグレロプの個性がそのまま反映されています。デンマークのアンサンブル「ガウマン」がレパートリーとする《objets/décalages》(オブジェとタイムシフト)は、『Early & Late』(6.220640)と同じ録音です。
 
価格 1,485円(税込価格)(本体価格 1,350円)

『フィンランド・カンテレの芸術(The Art of the Finnish Kantele)』
ARC Music EUCD 2573 traditional

 
『フィンランド・カンテレの芸術(The Art of the Finnish Kantele)』
 Joutsenen tanssi(白鳥の踊り) Keinu(ぶらんこ)
 Viulan Polkka(ヴィウラ・ポルカ)
 Riekko Hangella(凍った雪の中、柳が不平を言う)
 Satavuotinen Sakka(100年の澱) Lampaan Ravia(はしゃぐ子羊) 
 Vieraan maan valssi(見知らぬ土地のワルツ)
 Tappelupolkka(戦いのポルカ) Golggo Maanon(11月)
 Kellopolkka(鐘のポルカ) Tiaisen tanssi(小鳥の踊り)
 Valkealan Valssi(ヴァルケアラ・ワルツ)
 Vanha Pelimanni(老ペリマンニ)
 Kaijasjärvess(カイヤスヤルヴィ湖にて)
 Hindenkimu(ポットホール)  Hulda ja Jalmari(フルダとヤルマリ)
 Peltoniemen Hintrekin surumarssi
 (ヒントレク・ペルトニエミの葬送行進曲)
 カドリーユ《Lieto(しあわせ)》(Bonus track)
  マルッティ・ポケラ(カンテレ)
  エーヴァ=レーナ・サリオラ(カンテレ)
  マッティ・コンティオ(カンテレ)
 
録音 IR スタジオ(フィンランド)

 
マルッティ・ポケラ Martti Pokela、エーヴァ=レーナ・サリオラ Eeva-Leena Sariola、マッティ・コンティオ Matti Kontio。フィンランドを代表するカンテレ奏者3人が、5弦、9弦、36弦のカンテレで弾いた伝承曲と新作のコレクション。ソロとデュオの演奏。編曲も三人が手がけました。Polarvox Music Publishing のライセンスによる制作です。2002年7月10日、カナダ、ケベック州のドラモンドビル世界民族芸能フェスティヴァルで演奏されたカドリーユ《しあわせ》が bonus track として収録されています。
 
価格 2,090円(税込価格)(本体価格 1,900円)

『Northbound』
Losen Records LOS211-2 jazz

 
『Northbound』
 7 Souls(Eivind Austad) Space Oddity(David Bowie)
 Northbound(Eivind Austad) Open Minded(Eivind Austad)
 Beyond the 7th Ward(Eivind Austad) Folk(Eivind Austad)
 Down That Road(Eivind Austad) Faith(Eivind Austad)
  アイヴィン・オースタ・トリオ
   アイヴィン・オースタ(ピアノ)
   マグネ・トールモセーテル(ベース)
   ホーコン・ミョセット・ヨハンセン(ドラム)
 
録音 2018年4月26日–27日 グリーグ・アカデミー グンナル・セーヴィーグ・ホール(ベルゲン、ノルウェー)
制作 トマス・T・ダール
録音 ダーヴィデ・ベルトリーニ

 
「時間と調性の枠の中で曲を作り、三人が一緒になってその歌を探っていく。時間をかけ、異なるアプローチを試みる。この音楽はどこへ向かうのか……わたしは、今、歌の中心、歌の魂にどうやれば最小限のやり方でたどり着けるか、その方法を探ることに夢中だ」。『Northbound(北に向かって)』は、『Moving』(Ozella Music)を2015年にリリースしたベルゲン在住のピアニスト、アイヴィン・オースタ Eivind Austad(1973–)のトリオが、2018年に録音したアルバム第2作。トリオのメンバーは、最初のアルバムと同じ、ベルゲン生まれのベーシスト、マグネ・トールモセーテル Magne Thormodsæter(1973–)と、トロンハイム生まれのドラマー、ホーコン・ミョセット・ヨハンセン Håkon Mjåset Johansen(1975–)。8つのトラックの7曲をオースタが作曲。ジャズと即興音楽、そして、映画音楽、バロック音楽、ECM 的サウンド、ソウルとゴスペルといった、彼のバックグラウンドとなった要素を反映させて作ったといいます。トラック2では、ファースト・アルバムの《Life on Mars(ライフ・オン・マーズ)》につづき、「おとなになって、その凄さがわかった」デヴィッド・ボウイの《スペイス・オディティ》が「オリジナルに近く、ある程度の不協和音を加え、曲の終わりに半音階を使って」演奏されます。ベルゲン大学グリーグ・アカデミーのホールでのセッション録音です。
 
税込価格 2,365円(本体価格 2,150円)

『That Feeling(あの感覚)』
Losen Records LOS248-2 jazz

 
『That Feeling(あの感覚)』
 724 Blues(Eivind Austad) Soul of a Twain(Eivind Austad)
 Basin Street Blues(Spencer Williams)
 Turnaround(Ornette Coleman) Esplanade Drive(Eivind Austad) 
 Someething(George Harrison)
 What a Friend We Have in Jesus(Charles C. Converse)
 That Feeling(Eivind Austad)
  アイヴィン・オースタ・ニューオーリンズ・トリオ
   アイヴィン・オースタ(ピアノ)
   ジェームズ・シングルトン(ベース)
   ジョニー・ヴィダコヴィク(ドラム)
 
録音 2018年2月26日 エスプラネード・スタジオ(Esplanade Studios)(ニューオーリンズ、ルイジアナ州)
ミクシング 2019年10月18日–25日 グリーグ・アカデミー(ベルゲン、ノルウェー)
制作 トマス・T・ダール
共同制作 アイヴィン・オースタ
録音エンジニアリング ジェシー・スナイダー
ミクシング ダーヴィデ・ベルトリーニ
マスタリング モッテン・ルン

 
アイヴィン・オースタ Eivind Austad(1973–)は、ベルゲン在住のピアニストです。幅広いスタイルと表現のピアニストとして活動、ノルウェーのギタリストのニルス・オラヴ・ヨハンセン、歌手のシーグヴァット・ダーグスランたちのほか、サックスプレーヤーのクリス・ポッター、ニューオーリンズのドラマーのシャノン・パウエルといった、スタイルの異なるプレーヤーとも共演してきました。教師としても有能な彼は、ベルゲン大学グリーグ・アカデミーのジャズ科で助教授として教えています。アルバム『That Feeling』(あの感覚)は、ベルゲンのミュージシャンと組んだトリオによる『Northbound(北に向かって)』(LOS 211-2)につづく Losen Records の第2作です。アルバムのテーマは「ニューオーリンズの感覚」を探ること。2014年10月、彼がニューオーリンズを訪れた際、現地で出会ったふたりのミュージシャン、ベーシストのジェームズ・シングルトン James Singleton(1955–)とドラマーのジョニー・ヴィダコヴィク Johnny Vidachovic(1949–)とプレーしたことをきっかけにプロジェクトが始まりました。プロジェクトのスタートから4年後の2018年、ベルゲン大学と大学の GAIMPRO(グリーグ・アカデミー・ジャズ即興音楽研究グループ)の資金援助が決まり、録音が実現しました。セッションは、2018年2月26日、ニューオーリンズの「エスプラネード・スタジオ」でセッションが行われました。ディキシーランド・ジャズバンドのレパートリーのひとつ、スペンサー・ウィリアムズの《Basin Street Blues》、オーネット・コールマンの《Turnaroun》、ビートルズのジョージ・ハリソンが作った《Someething》、賛美歌《What a Friend We Have in Jesus》(邦題《いつくしみ深き》)、そして、ブルースとゴスペルの要素を反映させてオースタが書いたオリジナル曲。ニューオーリンズの通りと街の空気を映した8曲のプログラムです。
 
税込価格 2,365円(本体価格 2,150円)

『Tenging(つながり)』
Losen Records LOS 222-2 jazz

 
『Tenging(つながり)』
 Já i dag(Ingi Bjarni Skúlason) Kannski blús(Ingi Bjarni Skúlason)
 Ballad for My Fearless Friend(Ingi Bjarni Skúlason)
 Á sunnudegi(Ingi Bjarni Skúlason) Tenging(Ingi Bjarni Skúlason) 
 Angurvært(Ingi Bjarni Skúlason) Falin laglína(Ingi Bjarni Skúlason)
 Ekki þjóðlag, ekki jazz(Ingi Bjarni Skúlason)
  インギ・ビャルニ・スクーラソン(ピアノ)
  ヤコブ・エリ・ミューレ(トランペット)
  メリエ・カグ(エレクトリックギター)
  ダニエル・アンデション(ベース)
  トーレ・リョーケルソイ(ドラム)
 
録音 2018年10月 スタジオ・エピデミーン(Studio Epidemin)(ヨーテボリ、スウェーデン)
制作 インギ・ビャルニ・スクーラソン
録音 ユハンネス・ルンドベリ

 
インギ・ビャルニ・スクーラソン Ingi Bjarni Skúlason は、アイスランドのピアニスト、作曲家。ブレーメン、ハンブルク、リレハンメル、ヴィルニュス、コペンハーゲン、レイキャヴィーク、フェロー諸島のジャズ・フェスティヴァルに参加、スタイルやジャンルにこだわらない創作を続けています。
 
新しいアルバム『Tenging(つながり)』は、伝統的なジャズのピアノ・トリオによる2つのアルバムを作った後、さらなる芸術の歩みを進めるため制作されました。スウェーデンのヨーテボリで行ったセッションに彼が「ディレクター、彩色者(カラリスト)、ソリスト」の視点から選んだのは、作曲の修士号の研究を行うために住んだヨーテボリ、コペンハーゲン、オスロで出会った「素晴らしい」プレーヤーたちです。ノルウェーのヤコブ・エリ・ミューレ Jakob Eri Myhre とエストニアのメリエ・カグ Merje Kägu が見せるトランペットのラインとギターの色彩の「音色の相乗効果」、敏感な反応で支えるスウェーデンのダニエル・アンデション Daniel Andersson のベースとノルウェーのトーレ・リョーケルソイ Tore Ljøkelsøy のドラム。人間性と音楽家としての才能を重視して選んだメンバーで演奏するためインギ・ビャルニは、8つの曲を作り、編曲しました。
 
フォーク風のワルツ《Já i dag(そうだ、今日だ)》、ギターとトランペットのメロディが優美な《Kannski blús(たぶんブルース)》、ジャズ・エネルギーの燻る《Ballad for My Fearless Frien(怖いもの知らずの友人のためのバラード)》、インギ・ビャルニのデリケートなピアノの切なげなメロディが印象を残す《Á sunnudegi(日曜日に)》、クインテットの心を美しくひとつにする《Tenging(つながり)》、「カンタービレ」の《Angurvært(苦甘いメランコリー)》、朗々としたベースを中心にみんなが自由にプレーを楽しむ《Falin laglína(隠れたメロディ)》、優しい、ビル・エヴァンズ的な小品《Ekki þjóðlag, ekki jazz(フォークソングでなければジャズでもない)》。
 
 
税込価格 2,365円(本体価格 2,150円)

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