ウェブサイトで過去に紹介した北欧と北欧以外のディスクからピックアップして掲載するページです。

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『瞑想(Meditatio)』
BIS SACD 2200 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) contemporary/classical

 
ジェイムズ・マクミラン(1959–)
 子供の祈り(A Child’s Prayer)
ジョン・タヴナー(1944–2013)
 子羊(The Lamb)
フーギ・グヴズムンソン(1977–)
 休息(Hvíld)
ヨウン・レイフス(1899–1968)
 レクイエム(Requiem)(愛しい娘に捧げる哀歌)
モーテン・ローリゼン(1943–)
 光より生まれし光よ(O nata lux)
エリック・ウィテカー(1970–)
 黄金の光(Lux aurumque)
ソルケトル・シーグルビョルンソン(1938–2013)
 今、太陽が沈む(Nú hverfur sól í haf)
シーグルズル・セーヴァルソン(1963–)
 主よ、今こそあなたは(Nunc Dimittis)
エリクス・エシェンヴァルズ(1977–)
 おお、救いのいけにえよ(O salutaris hostia)
アンナ・ソルヴァルスドウッティル(1977–)
 お聞きください、天の高みにいます神よ(Heyr þú oss himnum á)
ソルケトル・シーグルビョルンソン(1938–2013)
 お聞きください、天の創り主よ(Heyr, himna smiður)
ホルズル・アウスケルソン(1953–)
 休息(Hvíld)
フレイザル・インギ・ソルステインソン(1978–)
 主よ、今こそあなたは(Nunc Dimittis)
アルヴォ・ペルト(1935–)
 主よ、今こそあなたは(Nunc Dimittis)
  レイキャヴィーク・スコラ・カントルム
  ホルズル・アウスケルソン(指揮)
 
録音 2015年10月 ハトルグリーム教会(レイキャヴィーク、アイスランド)
制作・録音 イェンス・ブラウン

 
11月の第1日曜日、アイスランドの首都レイキャヴィークのハトルグリーム教会では、11月1日の「諸聖人の祝日(万聖節)」と11月2日の「死者の日(万霊節)」が、ひとつの祝日として祝われます。この教会を活動の本拠とする合唱団、1996年に合唱指揮者ホルズル・アウスケルソン Hörður Áskelsson が創設したレイキャヴィーク・スコラ・カントルム(スコラ・カントルム室内合唱団) Schola Cantorum Reykjavicensis の新しいアルバム『瞑想』では、この行事で歌われる合唱作品から、死別の深い悲しみを希望と慰めととらえた、20世紀と21世紀の曲を集めたプログラムが組まれました。
 
1996年、スコットランドの町ダンブレインの小学校で起きた無差別殺傷事件で犠牲になった生徒と先生を悼むマクミラン James MacMillan の《子供の祈り》。ウィリアム・ブレイクの詩によるタヴナー John Tavener の《子羊》。アメリカのローリゼン Morten Lauridsen が、1977年、母の死に際して作曲した《永遠の光(ルクス・エテルナ)》の第3曲〈光より生まれし光よ〉。アメリカ合唱界をリードするもうひとり、ウィテカー Eric Whitacre が、キリストの誕生を詠んだエドワード・エッシュの詩のラテン語訳に作曲した《黄金の光》。聖トマス・アクィナスが聖体拝領式のために書いた聖歌からテクストを採った、ラトビア、エシェンヴァルズの《おお、救いのいけにえよ》。ペルトの代表作のひとつ、『ルカによる福音書』(第2章29節–32節)に基づく《主よ、今こそあなたは》。
 
「平行五度」が特徴的なアイスランドの曲も、ハトルグリーム教会の行事に欠かせないレパートリーです。「タンポポは眠る、野に美しく……」とアイスランドのヨウナス・ハトルグリームソンが詠んだ伝承詩にテクストを求め、水の事故で失くした娘リーヴをしのんだヨウン・レイフスの《レクイエム(愛しい娘に捧げる哀歌)》。アイスランドの古い旋律に基づくアンナ・ソルヴァルスドウッティル Anna Þorvaldsdóttir の《お聞きください、天の高みにいます神よ》。ホルズル・アウスケルソン Hörður Áskelsson とフーギ・グヴズムンソン Hugi Guðmundsson の《休息》は、スノルリ・ヒャルタルソンの同じ詩に作曲されました--「静寂の湖がおおい隠す 山越えの私の道を 静けさのうちに 夜の暗がりのうちに……」。
 
スコラ・カントルムのバス・パートを歌うシーグルズル・セーヴァルソン Sigurður Sævarsson とフレイザル・インギ・ソルステインソン Hreiðar Ingi Þorsteinsson の曲も歌われます。ペルトの曲と同じテクストによる《主よ、今こそあなたは》。フレイザル・インギの作品は、アイスランド現代音楽の先駆者のひとり、このアルバムの《今、太陽が沈む》と《お聞きください、天の創り主よ》の作曲者ソルケトル・シーグルビョルンソン þorkell Sigurbjörnsson を追悼するため作曲されました。マクミラン、ウィテカー、エシェンヴァルズ、インギ、ペルトの曲では、スコラ・カントルムのメンバーが独唱と重唱を担当。録音セッションは、広い空間をもつハトルグリーム教会で行われました。ブックレットに英語、アイスランド語、ラテン語の歌詞が、英語対訳と合わせて掲載されています
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『グリーグの合唱音楽』
BIS SACD1661 SACD hybrid (Multichannel/stereo) classical

 
エドヴァルド・グリーグ(1843–1907)
 ルンダーネで(Ved Rondane) Op.33 no.9
 (トールライフ・オーモット(1909–2003)編曲(第2節))
 夜更けて床についた(寝過ごしてしまった)
 (Jeg lagde mig så sildig) Op.30 no.1
 2つの宗教的合唱曲(To religiøse kor)
  青ざめ、しおれて(若い花嫁の棺のそばで)
  (Blegnet, segnet!(Ved en ung hustrus båre)) Op.39 no.5
  アヴェ・マリス・ステッラ(Ave Maris Stella) EG 150
 マルグレーテの子守歌(Margretes vuggesang) Op.15 no.1
 (トロン・クヴェルノ(1945–)編曲)
 働きものの馬のためのおやすみの歌(Kveld–sang for Blakken) Op.61 no.5
 陸地望見(故郷への帰還)(Landkjenning) Op.31
 春(Våren) Op.33 no.2(グレーテ・ペーデシェン(1960–)(第1節)、
  トマス・ベック(1899–1963)(第2節) 編曲)
 民謡の調子で(I folketonestil)(〈昔むかし(Det var engang)〉 Op.71 no.1 による)
 (グレーテ・ペーデシェン(1960–)編曲)
 4つの詩篇(4 Salmer fritt efter gamle norske Kirkemelodier) Op.74
  天つみ国に
  (天国の父なる神のもとに行けたなら、どんなに幸せだろう)
  (I Himmelen)
  イエス・キリストはよみがえり給えり
  (イエス・キリストは蘇りたまう)
  (Jesus Christus er opfaren)
  神の子は安らぎを与え給えり(神の子はわれを解き放ちたまう)
  (Guds søn har gjordt mig fri)
  美しきかな神の子よ(何と美しい面立ちの神の子よ)
  (Hvad est du dog skjøn)
   ノルウェー・ソリスト合唱団 グレーテ・ペーデシェン(指揮)
   トリーネ・ヴィルスベルグ・ルン(ソプラノ・ソロ)
   ボルド・ブラトリ(バス・ソロ)
   アウドゥン・イーヴェシェン(テノール・ソロ)
   ヤンネ・ベルグルン(ソプラノ・ソロ)
   ベーリト・ノルバッケン・ソールセット(ソプラノ・ソロ)
   コーレ・ノールストーガ(ハルモニウム)
   シリエ・マリーエ・アスケル・ヨンセン(デスカント)
 
録音 2006年11月 リス教会(オスロ、ノルウェー)
制作・録音エンジニア ハンス・キプファー

 
ノルウェー・ソリスト合唱団(Det Norske Solistkor)は、1950年。ノルウェー・ソリスト協会により創設されました。クヌート・ニューステット Kunt Nystedt(1915–2014)が初代指揮者を務め、40年後の1990年、グレーテ・ペーデシェン Gredt Pedersen(1960–)に引き継ぎました。プロのソリストとしての訓練を受けた26人の歌手で構成されたアンサンブルは、ノルウェーと北欧で最高レベルの歌唱と表現の技術を誇り、長年にわたる豊かな歴史を築いてきました。
 
エドヴァルド・グリーグ Edvard Grieg の合唱音楽を歌ったこのアルバムは、ノルウェー・ソリスト合唱団の BIS Records への初めての録音です。グリーグの歌曲を代表する《A・O・ヴィニエの詩による12の歌》の中でももっとも美しい旋律で書かれた〈ルンダーネで〉と〈春〉、ノルウェーでもっともよく知られた民謡のひとつをグリーグが男声合唱曲に作った〈夜更けて床についた(寝過ごしてしまった)〉、ビョルンスチェーネ・ビョルンソンの詩による《陸地望見(故郷への帰還)》、《子供の歌》から〈働きものの馬のためのおやすみの歌〉。このプログラムの《民謡の調子で》は、ペーデシェンが《抒情小曲集 第10集》の〈昔むかし〉に基づいて作った作品です。「ノルウェー伝承宗教歌による自由な編曲」の副題をもつ《4つの詩篇》は、民俗音楽を芸術音楽に再生するというグリーグの意志と望みから作られた作品のひとつ。ペーデシェンとノルウェー・ソリスト合唱団は、この作品を「美しい合唱音楽」にとどまらない、大地に根ざした原曲の「魂」を映す音楽として表現しています。〈天つみ国に〉〈イエス・キリストはよみがえり給えり〉〈神の子は安らぎを与え給えり〉〈美しきかな神の子よ〉と、出版譜の曲順を逆にして歌われます。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『ゴロヴィンの音楽(Golovinmusiken)』
BIS SACD 2355 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) classical

 
ユーハン・ヘルミク・ルーマン(1694-1758)
 ゴロヴィン伯爵の祝宴のための音楽(Festmusik till Greve Golovin)(1728)
  ホール・バロック ダン・ラウリン(リコーダー、指揮)
 
録音 2017年11月 ショーナルプ教会(ホール、スウェーデン)
制作・録音 ファビアン・フランク

 
ユーハン・ヘルミク・ルーマン Johann Helmich Roman(1694-1758)は、フレーデリク一世の時代、宮廷の楽士長を務め、スウェーデン音楽の最初の重要な作曲家として歴史に名前を残しました。ストックホルム生まれ。父ユーハンから最初の音楽教育を受け、1711年に宮廷楽団のヴァイオリニストに就任。1715年から1721年までをロンドンで過ごし、ヘンデルのオーケストラでヴァイオリン奏者を務めました。帰国後、副楽士長に就任。スウェーデン音楽の新時代を開いていきました。
 
《ゴロヴィン伯爵の祝宴のための音楽》は、彼の代表作のひとつ《ドロットニングホルムの音楽》(1744)に先立って作曲された作品です。ロシア公使ゴロヴィン伯爵が、1728年、ピョートル二世のロシア皇帝即位を祝う宴会のためルーマンに作曲を依頼。『ロシア公使ゴロヴィン伯爵主催の祝宴のための音楽(Musique satt til en Festin hos Ryska Ministren Gref Gollowin)』と記された、「アレグロ」と「序曲」に始まり、ジグ、ブレ、メヌエット、ルール、ガヴォットといった舞曲、アリア、シンフォニア、ホーンパイプ、シチリアーノなど45曲の極めてモダンなバロック様式の音楽が作られました。
 
この作品は、王立音楽アカデミー制作のスウェーデン音楽アンソロジーに22曲の抜粋が収められ、今回、ピリオド楽器アンサンブル「ホール・バロック Höör Barock」とリコーダー奏者ダン・ラウリン Dan Laurin により初めて全曲が録音されます。使われた楽譜は、ルーマンの手稿譜と、イングマル・ベンクトソン Ingmar Bengtsson とラーシュ・フリデーン Lars Frydén 校訂編纂の出版譜。楽器指定が確かでないため、宮廷楽団の記録から推定した編成を元に各楽章の性格と全体の姿、そしてホール・バロックの編成を考慮して、リコーダー属とオーボエ・ダ・カッチャなどオーボエ属の楽器、ファゴット、コントラバスを加えた弦楽五重奏、チェンバロ、マンドラとバロックギターのアンサンブルにより演奏されます。ホールのショーナルプ教会でのセッション録音。ブックレット裏表紙に、祝宴の行われた伯爵の公邸「Bååtska Palatset」が遠景に描かれた18世紀初頭の作とされる絵が使われています。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『マニフィカト(Magnificat)』
2L 2L 106SABD Blu-ray Audio Disc + SACD hybrid contemporary/classical

 
キム・アンドレ・アルネセン(1980–)
 マニフィカト(Magnificat)
アーロン・ジェイ・カーニス(1960–)
 天上の音楽(Musica Celestis)(弦楽オーケストラのための)
オーラ・ヤイロ(1978–)
 ツンドラ(Tundra)
 普遍者の歌(Song of the Universal)
  ニーダロス大聖堂少女合唱団 トロンハイム・ソロイスツ
  リーセ・グランデン・ベルグ(ソプラノ)
  セシーリェ・エルトソース・オーヴェルライン(ソプラノ)
  マグネ・H・ドローゲン(オルガン)
  マリア・ネス(ピアノ) オーラ・ヤイロ(ピアノ)
  エルセ・ボネスロンニング(ソプラノ)
  オイヴィン・ギムセ(芸術監督) アニタ・ブレーヴィク(指揮)
 
録音 2013年5月、2014年1月、5月 ニーダロス大聖堂(トロンハイム、ノルウェー)
制作・バランスエンジニアリング モッテン・リンドベルグ
録音エンジニアリング ビアトリス・ヨハンネセン
 
[DXD (24bit/352.8kHz) 録音]
[Disc 1: SACD hybrid DXD (5.1 surround 2.8224 Mbit/s/ch, 2.0 stereo 2.8224 Mbit/s/ch)/CD 2.0 stereo (16 bit/44.1 kHz)]
[Disc 2: Blu-ray: 5.1 DTS HD-MA (24bit/192kHz), Dolby Atmos (24bit/48kHz), 9.1 Auro-3D (26bit/96kHz), 2.0 LPCM  (24bit/192kHz), mShuttle: FLAC + MP3 Region: ABC worldwide]

 
天使ガブリエルが乙女マリアの元に遣わされ、彼女が神の子の母となることを告げた。『聖書』のこの秘蹟を讃える「マリアの賛歌」をテクストにした聖歌『マニフィカト』をタイトルに採ったアルバムは、「バラの窓」で知られるトロンハイムのニーダロス大聖堂の少女合唱団 Nidarosdomens jentekor と、グラミー賞にノミネートされた『ディヴェルティメンティ』(2L 50SABD)のトロンハイム・ソロイスツ TrondheimSolistene の協同で制作されました。
 
《マニフィカト》を作曲したキム・アンドレ・アルネセン Kim André Arnesen(1980–)は、トロンハイム生まれ。トロンハイム音楽院に学び、アカペラ合唱曲と合唱と管弦楽のための大規模な作品を中心とする作曲活動を行っています。2014年、ノルウェー作曲家協会の会員に選ばれました。《マニフィカト》は、ニーダロス大聖堂少女合唱団と、1992年の創設から合唱団を指揮する芸術監督アニタ・ブレーヴィク Anita Brevik の委嘱による作品です。〈わたしの魂は主をあがめ(Magnificat anima mea)〉〈今から後、いつの世の人も(Ecce enim)〉〈力ある方が、わたしに偉大なことを(Quia fecit)〉〈その憐れみは(Et misericordia)〉〈主はその腕で力を振るい(Fecit potentiam)〉〈その僕イスラエルを(Suscepit Israel)〉〈栄光は父と子と聖霊に(Gloria Patri)〉(「新共同訳」による)の7つの部分から構成され、合唱、オルガンと弦楽オーケストラに、曲によってソプラノとピアノが加わります。『ルカによる福音書』(1章 46節–56節)の「マリアの賛歌」を「病める人、貧しい人のための祈り、もがく人々の助けと希望の歌」とすることを意図したと、作曲者アルネセンが語っています。
 
アメリカのアーロン・ジェイ・カーニス Aaron Jay Kernis(1960–)は、ニューヨーク・シティに住み、コネティカット州のイェール大学音楽学部で教えています。彼の世代を代表する作曲家のひとりとみなされ、ミネソタ管弦楽団の音楽顧問も務めました。《天上の音楽》は、カーニスのスタイルが「新しい透明性と雄弁な感情表現を手に入れた」とされる1990年に作曲された、ロマンティシズムとルネサンスの時代、そしてヒルデガルト・フォン・ビンゲンの和声、ラテンのリズム、ジャズとラップの要素と、幅広い音楽語法を使い、シンプルなメロディによる変奏を展開させた作品です。
 
オーラ・ヤイロ Ola Gjeilo(1978–)は、ノルウェーのピアニスト、作曲家です。2001年にアメリカに渡ってジュリアード音楽学校で作曲を学び、ニューヨーク・シティを本拠に活動を行っています。ピアノ曲と合唱曲が作曲の主なジャンルです。簡素な旋律にコード進行を織り交ぜたスタイルから生まれる美しく新鮮な音楽は広く支持され、《サンクトゥス(Sanctus)》《慈しみと愛のあるところ(Ubi Caritas)》といった作品は、各国の合唱団により歌われています。アリゾナ州のフェニックス合唱団(Phoenix Chorale)の《北極光(Northern Lights)》やワシントン州のセントラル・ワシントン大学室内合唱団(CWU Chamber Choir)の《魂の輝く夜(Luminous Night of the Soul)》は委嘱による代表的な作品です。
 
このアルバムで演奏される《ツンドラ》は、弦楽オーケストラをともなう合唱のために作曲されました。《魂の輝く夜》《茫洋たる永遠の空を渡り(Across the Vast, Eternal Sky)》をはじめとするヤイロの曲で共同作業してきた詩人、チャールズ・アンソニー・シルヴェストリ Charles Anthony Silvestri(1965–)の歌詞。ヤイロは、彼心の故郷とする「祖国ノルウェーの一地方」、彼の父の育ったところに近いハルダンゲル高原の写真を数枚シルヴェストリに見せ、「ツンドラ」を曲名とすることを提案したと言います。「見渡すかぎり、くたびれ、天候にさらされた 聖なる広がり 緑と白とグラナイトグレーの」。ソプラノのソロとヤイロの弾くピアノが音楽を彩ります。
 
《普遍者の歌(Song of the Universal)》も合唱と弦楽オーケストラのための作品です。「大きく、温かく、鼓動する心臓というプリズムを通した、気おくれすることのない楽観主義、あふれるほどの豊かさ、より深い、私たちの人間性への揺るぎない確信」と、ヤイロが愛でてやまないという詩人のひとり、ホイットマンの詩からテクストが採られました。「さあと『詩神(ミューズ)』が言った、どんな詩人も歌った例(ためし)のない歌をどうかわたしに歌っておくれ、どうかわたしに普遍者の歌を」(ウォルト・ホイットマン『草の葉』酒本雅之 訳(岩波文庫版)による)。音楽家と詩人の想いが大聖堂の空間にこだまします。
 
トロンハイム・ソロイスツの芸術監督、チェリストのオイヴィン・ギムセ Øyvind Gimse(1968–)。ニーダロス大聖堂とヴォル・フルー教会(聖母教会)のカントルを務めるオルガニストのマグネ・H・ドローゲン Magne H. Draagen(1974–)。ソプラノのリーセ・グランデン・ベルグ Lise Granden Berg と、大聖堂少女合唱団の首席版奏者のピアニスト、マリア・ネス Maria Næss は、トロンハイム音楽院の出身です。
 
録音セッションは、ノルウェーの守護聖人、聖オラヴゆかりの大聖堂で行われ、5.1 surround に「高さ」成分の 4 channel を加えた 9.1 channel で録音されました。Auro-decoder を搭載した機器で再生する 9.1 Auro-3D のフォーマットが、オリジナルをミックスダウンした 5.1 DTS-HD MA、Dolby Atmos、2.0 LPCM とともに Pure Audio Blu-ray ディスクに収められています。5.1 surround DSD と 2.0 stereo DSD の SACD hybrid のディスクとの「コンボ」仕様のアルバムです。
 
価格 4,675円(税込価格)(本体価格 4,250円)
 

Pure Audio Blu-ray ディスクと SACD ハイブリッドディスクをセットにしたアルバムです。Pure Audio Blu–ray ディスクにはインデックスを除き映像は収録されていません。SACD ハイブリッドディスクはSACDブレーヤーとCDプレーヤーで再生できますが、Pure Audio Blu-ray ディスクはCDやDVDのプレーヤーでは再生できないので、Blu–ray プレーヤーもしくは Blu–ray 対応のPCをお使いください。

『現代人のためのミサ曲(Mass for Modern Man)』
2L 2L 136SABD Blu-ray Audio Disc + SACD hybrid contemporary/classical 

 
ストーレ・クライベルグ(1958–)
 現代人のためのミサ曲(Mass for Modern Man)
 (2人の独唱者、合唱と管弦楽のための)
  マーリ・エーリクスモーエン(ソプラノ)
  ヨハンネス・ヴァイセル(バリトン)
  トロンハイム・ヴォーカルアンサンブル トロンハイム交響楽団
  アイヴィン・グッルベルグ・イェンセン(指揮)
 
録音 2016年8月 オラヴホール(トロンハイム、ノルウェー)
制作・バランスエンジニアリング モッテン・リンドベルグ
録音 ビアトリス・ヨハンネセン
 
[DXD(24bit/352.8kHz)録音]
[Disc 1: SACD hybrid DXD (5.1 surround 2.8224 Mbit/s/ch, 2.0 stereo 2.8224 Mbit/s/ch)/CD 2.0 stereo (16 bit/44.1 kHz)]
[Disc 2: Blu-ray: 5.1 DTS HD-MA (24bit/192kHz), Dolby Atmos (24bit/48kHz), 9.1 Auro-3D (26bit/96kHz), 2.0 LPCM  (24bit/192kHz), mShuttle MP3 + MQA Region: ABC worldwide]

 
ストーレ・クライベルグ Ståle Kleiberg は、今日のノルウェーを代表する作曲家のひとり。トロンハイムに住み、ノルウェー工科自然科学大学(NTNU)の音楽学部の教授を務めながら、幅広いジャンルに作品を発表しています。《現代人のためのミサ曲》は、アメリカ同時多発テロ事件の犠牲者追悼の式典で初演された《ナチ迫害の犠牲者のためのレクイエム》(Simax PSC 1257)やグラミー賞の最優秀オペラ録音賞にノミネートされた《ダビデとバト・シェバ》(2L 084SABD)により国際的にも知られる彼の声楽と管弦楽のための最新の作品です。
 
「通常ミサ」のラテン語のテクストを合唱が歌う〈キリエ・エレイソン〉〈グローリア〉〈クレド〉〈サンクトゥス、ベネティクトゥス〉〈アニュス・デイ〉の5つの部分と、イギリスの詩人、ジェシカ・ゴードン Jessica Gordon がクライベルグから依頼されて書いた詩をソプラノとバリトンが歌う「祖国の喪失 - 難民(Loss of a Homeland – The Refugee)」「子供の喪失(Loss of a Child)」「信頼と未来への希望の喪失(Loss of Faith and Hope for the Future)」の3つの部分から構成。ミュンヘン大聖堂聖歌隊(Münchener Dommusik)の委嘱により作曲、2015年にトロンハイムのニーダロス大聖堂とミュンヘン大聖堂で演奏されました。
 
ソプラノのマーリ・エーリクスモーエン Mari Eriksmown、バリトンのヨハンネス・ヴァイセル Johannes Weisser、指揮のアイヴィン・グッルベルグ・イェンセン Eivind Gullberg Jensen(1972–)。初演の音楽家たちの参加する録音セッションは、2016年8月、トロンハイムのオラヴホールで行われ、2L のモッテン・リンドベルグが制作を担当しています。
 
価格 4,675円(税込価格)(本体価格 4,250円)
 

Pure Audio Blu-ray ディスクと SACD ハイブリッドディスクをセットにしたアルバムです。Pure Audio Blu–ray ディスクにはインデックスを除き映像は収録されていません。SACD ハイブリッドディスクはSACDブレーヤーとCDプレーヤーで再生できますが、Pure Audio Blu-ray ディスクはCDやDVDのプレーヤーでは再生できないので、Blu–ray プレーヤーもしくは Blu–ray 対応のPCをお使いください。SACD ディスクの CD 層は MQA-CD 仕様になっており、MQA デコーダーを搭載した機器を使用すればハイレゾ・スペックの音を聴くことができます。

『北国の音色(Northern Timbre)』
2L 2L 138SABD Blu-ray Audio Disc + SACD hybrid classical 

 
エドヴァルド・グリーグ(1843–1907)
 ヴァイオリン・ソナタ第3番 ハ短調 Op.45(1886-87)
ジャン・シベリウス(1865–1957)
 5つの田園舞曲(5 Danses champêtres) Op.106(1925)
 (ヴァイオリンとピアノのための)
カール・ニルセン(1865–1931)
 ヴァイオリン・ソナタ第1番 イ長調 FS20(Op.9)(1895)
  ラグンヒル・ヘムシング(ヴァイオリン)
  トール・エスペン・アスポース(ピアノ)
 
録音 2016年5月 ソフィエンベルグ教会(オスロ、ノルウェー)
制作・バランスエンジニアリング モッテン・リンドベルグ
録音 ビアトリス・ヨハンネセン
 
[DXD(24bit/352.8kHz)録音]
[Disc 1: SACD hybrid DXD (5.1 surround 2.8224 Mbit/s/ch, 2.0 stereo 2.8224 Mbit/s/ch)/CD 2.0 stereo (16 bit/44.1 kHz)]
[Disc 2: Blu-ray: 5.1 DTS HD-MA (24bit/192kHz), Dolby Atmos (24bit/48kHz), 9.1 Auro-3D (26bit/96kHz), 2.0 LPCM  (24bit/192kHz), mShuttle MP3 + MQA Region: ABC worldwide]

 
ノルウェーのヴァイオリニスト、ラグンヒル・ヘムシング Ragnhild Hemsing(1988–)は、民謡の故郷として知られるヴァルドレスの生まれ。オスロのバラット=ドゥーエ音楽学校で学び、ウィーンのボリス・クシュニールに師事しました。2011年にリリースされた最初のソロアルバム『YR』(Simax PSC 1315)では、グリーグのソナタ第1番、トゥーレセン、スパッレ・オールセン、ハルダンゲル地方の伝承曲をヴァイオリンとハリングフェレで弾きわけ、「スペルマン賞」にノミネートされました。ピアニストのトール・エスペン・アスポース Tor Espen Aspaas(1971–)は、オスロの国立音楽アカデミーでリヴ・グラーセルとイェンス・ハーラル・ブラトリに学び、ソロピアニスト、オスロのアカデミーの教授として活動。メディアから賞賛されたデュカスのピアノ作品全集(PSC 1177)やベートーヴェン、シェーンベルク、ヴェーベルン、ベルクの作品によるコンセプトアルバム『鏡のカノン(Mirror Canon)』(2L 49SACD)でも知られています。ヘムシングとアスポースの共演は、アルバム『YR』の録音をきっかけに始まりました。2013年にボンで行われたベートーヴェン・フェスティヴァルでデュオとしてデビュー。それぞれの主宰するフェスティヴァルやプロジェクトへの客演や共演を続けています。
 
新しいデュオ・アルバムのタイトルは『北国の音色』。エドヴァルド・グリーグ、ジャン・シベリウス、カール・ニルセン。たがいに敬愛し、それぞれの国と民族の要素をより広いヨーロッパの伝統を結びつけ「北欧の音」を創りあげた作曲家たち。彼らの音楽から「個人的に私たちが気に入っていて、どこにいようと『北の国の音』を感じることのできる」3つの作品を演奏しています。
 
価格 4,675円(税込価格)(本体価格 4,250円)
 

Pure Audio Blu-ray ディスクと SACD ハイブリッドディスクをセットにしたアルバムです。Pure Audio Blu–ray ディスクにはインデックスを除き映像は収録されていません。SACD ハイブリッドディスクはSACDブレーヤーとCDプレーヤーで再生できますが、Pure Audio Blu-ray ディスクはCDやDVDのプレーヤーでは再生できないので、Blu–ray プレーヤーもしくは Blu–ray 対応のPCをお使いください。SACD ディスクの CD 層は MQA-CD 仕様になっており、MQA デコーダーを搭載した機器を使用すればハイレゾ・スペックの音を聴くことができます。

『天と地の接するところ(Himmelrand)- 「ノルウェー教会新賛美歌集」の音楽』
2L 2L 126SABD Blu-ray Audio Disc + SACD hybrid early music/contemporary/classical

 
インゲル=リーセ・ウルスルード(1963–)
 イェルサレム(Jerusalem, Jerusalem)(オルガン即興)
チャールズ・ヒューバート・ヘイスティングズ・パリー(1848–1918)
(ジョージ・トマス・タルベン=ボール(1896–1987)編曲)
 イェルサレム(Jerusalem, Jerusalem)
スンモーレ伝承賛美歌(ヘンニング・ソンメッロ(1952–)編曲)
 イエスとともに私は旅立つ(Med Jesus vil eg fara)
ヨハン・アナスタシウス・フライリングハウゼン(1670–1739)/マリアンネ・ライダシュダッテル・エーリクセン(1971–)
 雨よ来れ、平安よ来れ、慰めよ来れ(Kom regn. Kom fred. Kom trøst)
ヘンリク・オーデゴール(1955–)
 神よ、あなたはどこに。どこへ行けばあなたに?
 (Kvar er du, Gud? Kvar finn vi deg?)
インゲル=リーセ・ウルスルード(1963–)
 神よ、われらの誇りが砕けますように(Gud, la vårt hovmod briste)
 (オルガン即興)
ヨハン・エーブラハム・ペーター・シュルス(1747–1800)(マックス・レーガー(1873–1916)編曲)
 神よ、われらの誇りが砕けますように(Gud, la vårt hovmod briste)
リカルド・ノルドローク(1842–1866)(ラスムス・トーロプ(1977–)編曲)
 われらこの国を愛す(Ja, vi elsker dette landet)
オーゲ・サムエルセン(1915–1987)(マグナル・オーム(1952–)編曲)
 イエスよ、すべてを満たすお方(O Jesus, du som fyller alt i alle)
ヴァルドレス伝承賛美歌(トロン・ハンス・ファルネル・クヴェルノ(1945–)編曲)
 見よ、太陽の美しい光と輝きを(Se, solens skjønne lys og prakt)
オルヤン・マトレ(1979–)
 天と地の接するところ、陽の光が広がる(Der sola renn i himmelrand)
インゲル=リーセ・ウルスルード(1963–)
 日の出の祝福(Solrenning sæle)(オルガン即興)
リーフィルケ伝承賛美歌(オーラ・ヤイロ(1978–)編曲)
 日の出の祝福(Solrenning sæle)
カール・ニルセン(1865–1931)(ポウル・ヘルムト(1879–1919)編曲)
 深まる秋に年の終わりが(Dypt heller året)
トロン・ハンス・ファルネル・クヴェルノ(1945–)
 あなたの御手に、優しい父よ(I dine hender, Fader blid)
  ウラニエンボルグ・ヴォーカルアンサンブル
  エリサベト・ホルテ(指揮)
  インゲル=リーセ・ウルスルード(オルガン)
 
録音 2015年10月 ウラニエンボルグ教会(オスロ、ノルウェー)
制作・バランスエンジニアリング モッテン・リンドベルグ
録音エンジニアリング ビアトリス・ヨハンネセン
 
[DXD(24bit/352.8kHz)録音]
[Disc 1: SACD hybrid DXD (5.1 surround 2.8224 Mbit/s/ch, 2.0 stereo 2.8224 Mbit/s/ch)/CD 2.0 stereo (16 bit/44.1 kHz)]
[Disc 2: Blu-ray: 5.1 DTS HD-MA (24bit/192kHz), Dolby Atmos (24bit/48kHz), 9.1 Auro-3D (26bit/96kHz), 2.0 LPCM  (24bit/192kHz), mShuttle MP3 + MQA Region: ABC worldwide]

 
2013年からノルウェーの教会では新しく作られた『ノルウェー教会新賛美歌集』が用いられるようになりました。この歌集は、伝統の賛美歌を残しつつ、現代の言葉による歌詞と新しい旋律とハーモニーなど新しい要素を採り入れるよう編纂が行われ、新しい賛美歌を採用するとともに、歌い継がれてきた賛美歌に新しい衣装をまとわせ、新たな命を吹き込むことに成功しました。デンマークのラスムス・トーロプ Rasmus Thaarup が編曲を手がけたリカルド・ノルドローク Rikard Nordraak 作曲のノルウェー国歌《われらこの国を愛す》は、その一例です。
 
ウラニエンボルグ・ヴォーカルアンサンブル Uranienborg Vokalensenble のアルバム『天と地の接するところ』では、この『ノルウェー教会新賛美歌集』の曲と、マリアンネ・ライダシュダッテル・エーリクセン Marianne Reidarsdatter Eriksen、オーラ・ヤイロ Ola Gjeilo、オルヤン・マトレ Ørjan Matre が新しく編曲あるいは作曲した賛美歌が3曲、歌われます。芸術監督エリサベト・ホルテ Elisabeth Holte の指揮。かつてのメンバー、ソプラノのマティルダ・ステルビュー Matilda Sterby がソリストとして参加し、ウラニエンボルグ教会のオルガニストを務めるインゲル=リーセ・ウルスルード Inger-Lise Ulsrud(1963–)が、パリーの《イェルサレム》、J・A・P・シュルスの《神よ、われらの誇りが砕けますように》、伝承賛美歌《日の出の祝福》による即興を演奏しています。アルバム制作は、テレマルクの谷に響くこだまからインスピレーションを得た作品やフィンランドとデンマークの歌を集めた『歌(Song)』(2L 095SABD)と同じ、この教会の響きをこよなく愛するというモッテン・リンドベルグ Morten Lindberg の担当です。
 
価格 4,675円(税込価格)(本体価格 4,250円)
 

Pure Audio Blu-ray ディスクと SACD ハイブリッドディスクをセットにしたアルバムです。Pure Audio Blu–ray ディスクにはインデックスを除き映像は収録されていません。SACD ハイブリッドディスクはSACDブレーヤーとCDプレーヤーで再生できますが、Pure Audio Blu-ray ディスクはCDやDVDのプレーヤーでは再生できないので、Blu–ray プレーヤーもしくは Blu–ray 対応のPCをお使いください。SACD ディスクの CD 層は MQA-CD 仕様になっており、MQA デコーダーを搭載した機器を使用すればハイレゾ・スペックの音を聴くことができます。

『天の砦(Himmelborgen)』
2L 2L149 SABD Blu-ray Audio Disc + SACD hybrid classical/contemporary 

 
サミュエル・セバスチャン・ウェズリー(1810–1876)
 いとも尊き(Guds kirkes grunnvoll ene)
マルクス・パウス(1979–)
 怒りの日、その日は(Vreidedagen, han skal renna)
チャールズ・ヘンリー・パーデイ(1799–1885)
 やさしき道しるべの光よ(Lei, milde ljos)
クリスチャン・シンディング(1856–1941)
 唯一の御名はイエス(Jesus, det eneste) 
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685–1750)
 ああ、血にぬれ傷ついた頭よ(O hode, høyt forhånet)
 (オルガン・ソロのための)
ハンス・レーオ・ハスラー(bap.1564–1612)
 ああ、血にぬれ傷ついた頭よ(O hode, høyt forhånet)
ヨハネス・ブラームス(1833–1897)
 ああ、血にぬれ傷ついた頭よ(O hode, høyt forhånet)
 (オルガン・ソロのための)
マリアンネ・ライダシュダッテル・エーリクセン(1971–)
 そして、この肉と心が朽ち果て(And when this flesh and heart shall fail)
 (アメージング・グレース)
グレゴリオ聖歌
 あなたの御手に、主なる神よ(I dine hender, Herre Gud)
コーレ・ノールストーガ(1954–)
 わたしの目が、労苦に疲れ(Når mitt øye trett av møyre)
 (オルガン即興)
エリサベト・ホルテ(編曲)
 わたしの目が、労苦に疲れ(Når mitt øye trett av møyre)
ヘンリク・オーデゴール(1955–)
 おお、イエスの深き愛よ(Å, for djup i Jesu kjærleik)
エギル・ホーヴラン(1924–2013)
 父がわたしを遣わされたように(Slik som min Fader sendte meg)
ビョルン・モッテン・クリストフェシェン(1976–)
 暁の歌(Dagvise)
トロン・ハンス・ファルネル・クヴェルノ(1945–)
 あなたにお会いします、主イエスよ(Vi skal se deg, Herre Jesus)
  ウラニエンボルグ・ヴォーカルアンサンブル
  エリサベト・ホルテ(指揮)
  コーレ・ノールストーガ(オルガン)
 
録音 2018年5月、6月 ウラニエンボルグ教会 (オスロ、ノルウェー)
制作・バランスエンジニアリング モッテン・リンドベルグ
録音 ビーアトリス・ヨハンネセン
 
[DXD(24bit/352.8kHz)録音]
[Disc 1: SACD hybrid DXD (5.1 surround 2.8224 Mbit/s/ch, 2.0 stereo 2.8224 Mbit/s/ch)/CD 2.0 stereo (16 bit/44.1 kHz)]
[Disc 2: Blu-ray: 5.1 DTS HD-MA (24bit/192kHz), 7.1.4 Dolby Atmos (24bit/48kHz), 7.1.4 Auro-3D (26bit/96kHz), 2.0 LPCM  (24bit/192kHz), mShuttle MP3 + MQA Region: ABC worldwide]

 
ウラニエンボルグ・ヴォーカルアンサンブル Uranienborg Vokalensemble は、オスロのウラニエンボルグ教会を本拠に活動する合唱団のひとつ。日曜礼拝に参加、詩と音楽というふたつの芸術形式の融合した伝統の賛美歌を歌い継ぐとともに新しい伝統を作ることにも力を注いできました。新しいアルバム『天の砦』は、『ノルウェー教会新賛美歌集』の曲を中心に歌った2016年の『天と地の接するところ』(2L 126SABD)に続く2作目の賛美歌集。最初のアルバムに倣い、『新賛美歌集』の曲に加え、ノルウェーの3人の作曲家、マルクス・パウス Marcus Paus、マリアンネ・ライダシュダッテル・エーリクセン Marianne Reidarsdatter Eriksen、ビョルン・モッテン・クリストフェシェン Bjørn Morten Christophersen が『新賛美歌集』の曲に基づいて書いた作品が歌われます。ブロアセン Hans Adolph Brorsen の《わたしの目が、労苦に疲れ》は、コーレ・ノールストーガ Kåre Nordstoga のオルガン即興と、ウラニエンボルグ・ヴォーカルアンサンブルの指揮者、エリサベト・ホルテ Elisabeth Holte の新しい編曲による歌唱の2つのバージョンで収録されました。
 
価格 4,675円(税込価格)(本体価格 4,250円)
 

Pure Audio Blu-ray ディスクと SACD ハイブリッドディスクをセットにしたアルバムです。Pure Audio Blu–ray ディスクにはインデックスを除き映像は収録されていません。SACD ハイブリッドディスクはSACDブレーヤーとCDプレーヤーで再生できますが、Pure Audio Blu-ray ディスクはCDやDVDのプレーヤーでは再生できないので、Blu–ray プレーヤーもしくは Blu–ray 対応のPCをお使いください。SACD ディスクの CD 層は MQA-CD 仕様になっており、MQA デコーダーを搭載した機器を使用すればハイレゾ・スペックの音を聴くことができます。

『ヴェネリティ(Veneliti)』
2L 2L 153SABD Blu-ray Audio Disc + SACD hybrid traditional/contemporary

 
オルヤン・マトレ(1979–)(編曲)
オルヤン・マトレ(1979–)
 前奏曲(Forspill)
ベーリト・オプハイム(1967–)(アグネス・ビューエン・ガルノース(1946–)が、テレマルク県ヴィニェのブリタ・ブラトラン(1910–1975)から伝えられた曲による)
 ヴェネリティ(Veneliti)
ヘルガ・グンネス(スルダールのオースヒル・ヴェトルフースが、スキョル、ヴェストレのエーノク・オールセン・ヴェストレの形式で作った曲による)
 美しく長い休息を知っている(Jeg vet en hvile)
ベーリト・オプハイム(1967–)(ハリングダール県ヘムセダールのアルネ・アンデルダールによる)
 ルステマンのスロット(Rustemannlåtten)(スプリンガル)
ユンニ・ローヴリ(ソグンのヴィーグダール、ラグナル・ヴィーグダール(1913–1991)による)
 私を元に戻してください、神よ(Und mig, gud)
オルヤン・マトレ(1979–)
 間奏曲(Mellomspill)
ベーリト・オプハイム(1967–)(ヴォッセストランのアンデシュ・A・ヨルダーレンによる)/オルヤン・マトレ(1979–)
 主の友ら(Herrens venner)
アスラク・ブレッケ(テレマルク県ヴィニェ)/ヴィーダル・スクレーデ(ワルツ作曲)
 ストーレ・ストルリ(Ståle Storli)
ヒシュテン・ブローテン・ベルグ(クヌート・ヨンソン・ヘッディ(1857–1938)による)
 最高の土地(Bestelanden)
ヘルガ・グンネス(スルダールのオースヒル・ヴェトルフースが、スルダールのニルス・モーの形式で作った曲による)
 おお、わが愛しのシーグリ(Å, kjæra mi Sigrid)
オルヤン・マトレ(1979–)
 後奏曲(Etterspill)
ユンニ・ローヴリ(ラグナル・ヴィーグダールによる)
 今、日の光が(Nu dagens lys)
  オスロ室内合唱団 ホーコン・ダニエル・ニューステット(指揮)
 
録音 2017年6月、10月、11月 リス教会(オスロ)
制作・バランスエンジニアリング モッテン・リンドベルグ
録音エンジニアリング ビアトリス・ヨハンネセン、イェルムン・スコーグ
 
[DXD(24bit/352.8kHz)録音]
[Disc 1: SACD hybrid DXD (5.1 surround 2.8224 Mbit/s/ch, 2.0 stereo 2.8224 Mbit/s/ch)/CD 2.0 stereo (16 bit/44.1 kHz)]
[Disc 2: Blu-ray: 5.1 DTS HD-MA (24bit/192kHz), 5.0.4 Dolby Atmos (24bit/48kHz), 5.0.4 Auro-3D (26bit/96kHz), 2.0 LPCM  (24bit/192kHz), mShuttle MP3 + FLAC + MQA Region: ABC worldwide]

 
オルヤン・マトレ Ørjan Matre は、ノルウェー国立音楽大学で学び、「独自の声」の際立った作曲家としてノルウェーの音楽シーンで活動をつづけています。彼が10年以上にわたり共同作業を行なってきたオスロ室内合唱団とのコラボレーションによる『ヴェネリティ』。このアルバムのため彼は、合唱団が伝統のレパートリーとするノルウェー民謡に新たに編曲。憧れの心を歌う賛美歌、神秘的な民話、ほろ苦い恋の歌を、本質の部分を変えることなく、彼自身の解釈で新しい命を吹きこみました。山の王に誘われて山の洞窟に入り、魔法の飲み物を飲まされる娘を歌う中世のバラード《ヴェネリティ》。死者を送る集まりで歌われてきた《美しく長い休息を知っている》。ハリングダールの「スプリンガル」《ルステマンのスロット》。死の床にある若者が歌詞を書いたといわれ、オスロ室内合唱団のメンバーがフォーク歌手のユンニ・ローヴリから直接教わった《私を元に戻してください、神よ》。天国で愛する人たちと再会する願いを歌う《主の友ら》。アスラク・ブレッケの古い録音に基づく《ストーレ・ストルリ》。フィドルと口琴で演奏されるメロディにポール=ヘルゲ・ハウゲン Paal-Helge Haugen(1945–)が歌詞をつけた《最高の土地》。テレマルクから山を越えスルダールへと歌われていった恋の歌《おお、わが愛しのシーグリ》。夕べの歌《今、日の光が》。
 
オスロ室内合唱団 Oslo Kammerkor は、1984年、グレーテ・ペーデシェンにより創設、ソンドレ・ブラトラン、ヒシュテン・ブローテン・ベルグ、ユンニ・ローヴリといったノルウェーを代表するフォーク・ミュージシャンたちと共演してきました。2005年からホーコン・ダニエル・ニューステットが指揮者と音楽監督を務めています。指揮者のニューステット Håkon Daniel Nystedt(1980–)は、ノルウェー国立音楽大学と王立デンマーク音楽アカデミーで学び、スカンディナヴィアのオーケストラを指揮、《フィガロの結婚》や《子供と呪文》などのオペラも手がけています。『ヴェネリティ』は、「イマーシブオーディオ」のパイオニアのひとり、モッテン・リンドベルグ Morten Lindberg が制作。オスロのリス教会で録音セッションが行われました。
 
価格 4,675円(税込価格)(本体価格 4,250円)
 

Pure Audio Blu-ray ディスクと SACD ハイブリッドディスクをセットにしたアルバムです。Pure Audio Blu–ray ディスクにはインデックスを除き映像は収録されていません。SACD ハイブリッドディスクはSACDブレーヤーとCDプレーヤーで再生できますが、Pure Audio Blu-ray ディスクはCDやDVDのプレーヤーでは再生できないので、Blu–ray プレーヤーもしくは Blu–ray 対応のPCをお使いください。SACD ディスクの CD 層は MQA-CD 仕様になっており、MQA デコーダーを搭載した機器を使用すればハイレゾ・スペックの音を聴くことができます。

『気管(Trachea)』
2L 2L 154SABD Blu-ray Audio Disc + SACD hybrid contemporary/classical

 
ビョルン・コーレ・オッデ(1990–)
 スニッラ・パテア(Snilla Patea)(2016)(ヴァイオリンと合唱のための)
マッティン・オーデゴール(1985–)
 気管(Trachea)(2018)(4つのホルン、二重合唱と独唱のための)
ストーレ・クライベルグ(1958–)
 宇宙のものすべて(Alt i universet)(1988)(合唱のための)
ビョルン・モッテン・クリストフェシェン(1976–)
 カシワの木とかげろう(Oak and Mayfly)(2014)(合唱のための)
カーリン・レーンクヴィスト(1958–)
 目を閉じれば平和の夢が見える(When i Close My Eyes, I Dream of Peace)(2016)
フロイ・オーグレ(1977–)
 グローリア(Gloria)(2014)(サクソフォーンと合唱のための)
  スコラ・カントールム
  トーネ・ビアンカ・スパッレ・ダール(指揮)
  ビョルン・コーレ・オッデ(ヴァイオリン)
  マリー・ソールム・グラン(ホルン)
  ニクラス・セバスチャン・グレンヴィーク(ホルン)
  ダニエル・ヴァイセト・シェレスヴィーク(ホルン)
  ユリウス・プラネヴィチュス(ホルン)
  フロイ・オーグレ(サクソフォーン)
 
録音 2016年12月(オッデ)、2018年11月(オーデゴール、クライベルグ)、2015年12月(クリストフェシェン、レーンクヴィスト)、2014年8月(オーグレ) ウラニエンボルグ教会(オスロ)
制作・バランスエンジニアリング モッテン・リンドベルグ
録音エンジニアリング ビアトリス・ヨハンネセン
 
[DXD(24bit/352.8kHz)録音]
[Disc 1: SACD hybrid DXD (5.1 surround 2.8224 Mbit/s/ch, 2.0 stereo 2.8224 Mbit/s/ch)/CD 2.0 stereo (16 bit/44.1 kHz)]
[Disc 2: Blu-ray: 5.0 DTS HD-MA (24bit/192kHz), 7.0.4 Dolby Atmos (24bit/48kHz), 7.0.4 Auro-3D (26bit/96kHz), 2.0 LPCM  (24bit/192kHz), mShuttle MP3 + MQA Region: ABC worldwide]

 
『聖母讃歌』(2L 095SABD)『拝謁』(2L 61SACD)をリリースしたオスロの室内合唱団「スコラ・カントールム」とトーネ・ビアンカ・スパッレ・ダール Tone Bianca Sparre Dahl の新作。「気管。ここで人の息は精製され、こよなく美しい、力強く、優しい芸術へと変貌する。声という原始の楽器による歌により、われわれの感情にどれほどの深みがあるかを測ることができる」。このアルバムでは、フォークとジャズからインスピレーションを得た作品から現代的な作品まで、独自の音楽風景をもつ「今」の合唱作品が6曲歌われます。
 
ハリングフェレとフィドルのプレーヤー、フォーク・ミュージシャンのビョルン・コーレ・オッデ Bjørn Kåre Odde の《スニッラ・パテア》は、踊るためではなく聴くための「フォーク」として、民俗音楽の要素と技法を取り入れて書かれた「ヴァイオリンと合唱」の作品。マッティン・オーデゴール Martin Ødegaard の《気管》では、合唱と4つのホルンが聴き手を囲むよう配置され、歌詞をもたない「歌」と楽器の音が「空間」を行き交う作品に作られています。
 
ストーレ・クライベルグ Ståle Kleiberg の《宇宙のものすべて》は、マスタイン・メーレン Stein Mehren(1935–2017)の詩集『Corona(コロナ)』の2つの詩をテクストにした2楽章の作品。スコラ・カントールムのテノール、ビョルン・モッテン・クリストフェシェン Bjørn Morten Christophersen は、作曲家としても活動。『拝謁』の《この家の主は》やオスロ・フィルハーモニック・ブラスの『金管の織物』(2L 143SABD)に示される明快で多彩な表現力が高く評価されています。《カシワの木とかげろう》は、H・C・アンデルセンの『年とったカシワの木の最後の夢(Det gamle egetræs sidste drøm/The Last Dream of the Old Oak)』に基づき、スコラ・カントールムの50周年記念の委嘱策として作られました。
 
スウェーデンのカーリン・レーンクヴィスト Karin Rehnqvist の曲は、バルカン戦争に巻きこまれたクロアチアの11歳の少年が口にしたという言葉「目を閉じれば平和の夢が見える」を歌詞とした、彼女が「平和のプロジェクト」と呼ぶ作品です。「英語だけで(Just in English)」と「12の言語で(In twelve tongues)」の2部に分かれ、前半はスウェーデンの民俗音楽、後半はそれぞれの国の音楽を反映させた音楽で書かれています。フロイ・オーグレ Frøy Aagre は、リーダーアルバム『Cycle of Silence』(ACT 9491)など、ジャズのプレーヤーとして知られます。《グローリア》は、「天のいと高きところには神に栄光あれ」と歌う合唱を彼女のサクソフォンが美しく紡いでゆくスタイルの作品です。
 
価格 4,675円(税込価格)(本体価格 4,250円)
 

Pure Audio Blu-ray ディスクと SACD ハイブリッドディスクをセットにしたアルバムです。Pure Audio Blu–ray ディスクにはインデックスを除き映像は収録されていません。SACD ハイブリッドディスクはSACDブレーヤーとCDプレーヤーで再生できますが、Pure Audio Blu-ray ディスクはCDやDVDのプレーヤーでは再生できないので、Blu–ray プレーヤーもしくは Blu–ray 対応のPCをお使いください。SACD ディスクの CD 層は MQA-CD 仕様になっており、MQA デコーダーを搭載した機器を使用すればハイレゾ・スペックの音を聴くことができます。

『パリ・リサイタル(Paris Recital)- 2つのギターのための音楽』
Simax PSC 1361 classical 

 
ピエール・プティ(1922–2000)
 トッカータ(Toccata)
ホアキン・ロドリーゴ(1901–1999)
 トナディーリャ(Tonadilla)(1959)
アンドレ・ジョリヴェ(1905–1974)
 2つのギターのためのセレナード(Sérénade pour deux guitares)(1956)
マリオ・カステルヌオーヴォ=テデスコ(1895–1968)
 前奏曲とフーガ第4番 ホ長調(Prélude et fugue no.4 en mi majeur)
  Op.199 no.4(1962)
 ソナタ・カノニカ(Sonata canonica) Op.196(1961)
ピエール・プティ(1922–2000)
 タランテラ(Tarentelle)
  スタイン=エーリク・オールセン(ギター)
  エギル・ハウグラン(ギター)
 
[楽器 José Ramirez(1967/1970)]
 
録音 2017年11月16日–18日、2018年3月1日–3日 ランドース教会(ベルゲン、ノルウェー)
制作 サイモン・キルン
録音 アルネ・アクセルベルグ

 
1950年代から1960年代のパリ、ギタリストで作曲家のイダ・プレスティとアレクサンドル・ラゴヤのギター・デュオは、フランスのギター音楽の中心的存在だったといわれます。彼らのコラボレーションは、エネルギーと興趣にあふれ、音楽コミュニティでも注目され、多くの新作が彼らのために作られました。ノルウェーのスタイン=エーリク・オールセン Stein–Erik Olsen(1953–)とエギル・ハウグラン Egil Haugland(1959–)の『パリ・リサイタル』では、プレスティとラゴヤに献呈された作品が6曲演奏されます。
 
ナディア・ブーランジェに学んだピエール・プティの《トッカータ》と《タランテラ》。劇の幕間に演奏する短い音楽劇が起源とされるスペインの「トナディーリャ」を曲名にとったロドリーゴの3楽章の作品。〈Preludio e Canzona(前奏曲とカンツォーナ)〉〈Allegro trépidante(揺れるアレグロ)〉〈Andante malinconico(メランコリー・アンダンテ)〉〈Con Allegria(喜びとともに)〉の4曲からなるジョリヴェの《2つのギターのためのセレナード》。カステルヌオーヴォ=テデスコは《平均律ギター曲集(Les Guitares bien tempérées)》(2つのギターのための24の前奏曲とフーガ)の第4番とリリカルでちょっとユーモラスな《ソナタ・カノニカ》。「傑作という他ない。紛れもなく、これまでにギター・デュオのために書かれた最良の作品」(オールセン)。
 
ラゴヤにも学んだオールセンは、2009年にプレスティの『2つのギターのための作品全集』(PSC 1289)を、ラゴヤの門下だったフランスのオリヴィエ・シャサンとのデュオで録音。その際、プレスティとラゴヤのレパートリーに興味を持ったことから、このアルバムが生まれました。共演のハウグランは、ギター製作のエクスパートとして知られ、ベルゲンのグリーグ・アカデミーで准教授としてギターの演奏と製作を教えています。制作のサイモン・キルン Simon Kiln は、ロンドンのアビー・ロード・スタジオでプロデューサー、編集者として経験を積みました。アルネ・アクセルベルグ Arne Akselberg が録音を担当。オールセンとハウグランのギターの語らいを、みずみずしい音にとらえています。
 
価格 2,750円(税込価格)(本体価格 2,500円)

『ゴルトベルク変奏曲+トペリウス変奏曲(Goldberg Variations + Topelius Variarions)』
Simax PSC 1353 classical 

 
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685–1750)(ヘンニング・クラッゲルード(1973–)、ベルント・シーメン・ルンド 編曲)
 ゴルトベルク変奏曲(Goldberg-Variationen) BWV.988
 (弦楽オーケストラのための)
ヘンニング・クラッゲルード(1973–)
 トペリウス変奏曲(Topelius-variasjoner)(2017)
 (弦楽オーケストラのための)
  ヘンニング・クラッゲルード(ヴァイオリン)
  アークティック・フィルハーモニック室内管弦楽団
 
録音 2017年11月27日–12月1日 エルヴェルホイ教会(トロムソ、ノルウェー)
制作 ショーン・ルイス
録音 アルネ・アクセルベルグ

 
ヘンニング・クラッゲルード Henning Kraggerud(1973–)と彼が芸術監督を務めるアークティック・フィルハーモニック室内管弦楽団の新作。前のアルバム『四季の合間に』(Simax PSC 1356)では、ヴィヴァルディの『四季』とクラッゲルードの自作を交互に演奏し「新しい音楽空間」を実現してみせました。新しいアルバムは、新しい編曲によるバッハの《ゴルトベルク変奏曲》の室内管弦楽版とクラッゲルードの作曲した変奏曲が組み合わされています。「音楽は常に物語を語ります。それは《ゴルトベルク変奏曲》のような絶対音楽でも言えることです。演奏とは物語を語ることと定義できます」(ヘンニング・クラッゲルード)。
 
《ゴルトベルク変奏曲》は、クラッゲルードがアークティック・フィルハーモニック室内管弦楽団のベルント・シーメン・ルンド Bernt Simen Lund と共同で編曲を行なっています。「音符と音程はすべてバッハのもの」を基本に、他の編曲に見られるような音符の追加やパッセージの簡素化は行わず、バッハ自身が修正の手を入れた初稿を参考に作業が進められました。
 
《トペリウス変奏曲》は、クラッゲルードがオストロボスニア室内管弦楽団の委嘱で書いた作品です。エッセイ、詩、童話などを書いたフィンランドのサクリス・トペリウス Zachris Topelius(1818–1898)の時代と作品をインスピレーションにグリーグの《ホルベアの時代から》のスタイルに倣って作曲。気分の異なる2つの主題とその緊張関係で音楽を進める手法で書かれています。
 
価格 2,750円(税込価格)(本体価格 2,500円)

『芸術音楽のハリングフェレ(Hardanger Fiddle in Art Music)』
Simax PSC 1333 classical 

 
ヨハン・ハルヴォシェン(1864–1935)
 劇付随音楽《フォッセグリム(Fossegrimen)》Op.21 から
  フォッセグリム(Fossegrimen)*
  干草小屋のニッセ(Nissene på låven)
  結婚行進曲(Bruremarsj)* ファニトゥレン(Fanitullen)*
  (イングフリ・ブライエ・ニューフース(ピアノリダクション)*)
スヴェン・ニューフース(1932–)
 ハリングフェレ・ソロのための3つの作品
  ロンド(Rondo) 幻想曲第1番(Fantasi no.1)
  幻想曲第2番(Fantasi no.2)
ヨハン・クヴァンダール(1919–1999)
 ハリングフェレと弦楽四重奏のための五重奏曲 Op.50
  オースヒル・ブライエ・ニューフース(ハリングフェレ)
  イングフリ・ブライエ・ニューフース(ピアノ)
  ペール・クリスチャン・スカルスタード(ヴァイオリン)
  ペール・セームン・ビョルクム(ヴァイオリン)
  アンデシュ・レンスヴィーク(ヴィオラ)
  アウドゥン・サンヴィーク(チェロ)
 
録音 2013年5月23日–27日 ヤール教会(バールム、ノルウェー)
制作・録音 ショーン・ルイス

 
オースヒル・ブライエ・ニューフース Åshild Breie Nyhus(1975–)とイングフリ・ブライエ・ニューフース Ingfrid Breie Nyhus(1978–)は、ノルウェー、レーロースのフィドル奏者一家の第4世代の音楽家です。姉オースヒルは、ノルウェー伝統の楽器ハリングフェレ(ハルダンゲル・フィドル)の奏者として、妹イングフリはピアニストとして活動しています。
 
「ハリングフェレの長く重要な歴史に潜む神秘の力と神話の力に再び火をつける」。民族のアイデンティティというべき伝承の音楽をどのように芸術音楽に再生するかという課題に示された解答のひとつ、グリーグのピアノ曲集《スロッテル(ノルウェーの農民の踊り)》(Op.72)を原曲の演奏と合わせて収録したアルバム(PSC 1287)に次ぐ第2作では、ハルヴォシェンとクヴァンダール、そして姉妹の父スヴェンの作品を演奏しています。
 
ハルヴォシェン(ハルヴォルセン) Johan Halvorsen の作品は、フィドル弾きミュラルグーテン(粉挽きの若者)と水の精にまつわる民話を題材にした劇付随音楽《フォッセグリム》(全曲録音:PSC 1207)から「悪魔の踊り」の〈ファニトゥレン〉など4曲。独奏曲の〈干草小屋のニッセ〉以外の曲は、ハリングフェレと管弦楽のための原曲をイングリがピアノ共演のために編曲した版で演奏されます。スヴェン・ニューフース Sven Nyhus の《ハリングフェレ・ソロのための3つの作品》は、1979年から1982年にかけて「芸術音楽のコンサート」のために書かれた作品です。ウィーンの古典音楽を思わせる〈ロンド〉、ハリングフェレの共鳴弦の響きを活かしたニ短調の〈幻想曲第1番〉、速いテンポの「ハリング」に始まる〈幻想曲第2番〉。ヨハン・クヴァンダール Johan Kvandal の《五重奏曲》は、アンダンテの〈聴くための舞曲(Lyarslått)〉とアレグロの〈踊り(Dans)〉の2楽章。北極圏ハーシュタの北ノルウェー・フェスティヴァルから委嘱を受け作曲されました。
 
価格 2,750円(税込価格)(本体価格 2,500円)

『ホルベア変奏(Holberg Variations)』
Simax PSC 1332 classical

 
エドヴァルド・グリーグ(1843–1907)
 組曲《ホルベアの時代から(Fra Holbergs tid)》 Op.40
 (弦楽オーケストラのための)*
  前奏曲(Prelude/Præludium) サラバンド(Sarabande)
  ガヴォット ― ミュゼット(Gavotte – Musette) アリア(Air)
  リゴドン(Rigaudon)
 組曲《ホルベアの時代から(Fra Holbergs tid)》 Op.40
 (ピアノのための)**
  前奏曲(Prelude/Præludium) サラバンド(Sarabande)
  ガヴォット ― ミュゼット(Gavotte – Musette) アリア(Air)
  リゴドン(Rigaudon)
エルレン・スクームスヴォル(1969–)/エドヴァルド・グリーグ(1843–1907)
 スクームスヴォルのホルベア変奏(Skomsvoll’s Holberg Variations)
 (ピアノと弦楽オーケストラのための)†
  Præluderies(プレルデリーズ) Sarabond(サランボンド)
  Gavotterized(ガヴォッテライズド) Airsm(エアズム)
  Rigandarchy(リガンダーシー)
  1B1室内管弦楽団 */† ヤン・ビョーランゲル(リーダー)*/†
  クリスチャン・イーレ・ハドラン(ピアノ)**
  エルレン・スクームスヴォル(ピアノ)†
  
録音 2014年1月2日–5日、2月24日–26日 スタヴァンゲル・コンサートホール(スタヴァンゲル、ノルウェー)
制作・録音 ショーン・ルイス

 
グリーグの組曲《ホルベアの時代から》(《ホルベルグ組曲》)は、啓蒙時代の作家ルズヴィ・ホルベア(ルードヴィグ・ホルベルグ)(1684–1754)の生誕200年にあたる1884年に作曲されました。ホルベアがグリーグと同じベルゲンに生まれたのは、ノルウェーとデンマークが連合王国だったころ、「バロック」と「啓蒙主義」の時代。グリーグのこの作品は「古い様式の組曲」の副題をもち、クープラン、ラモー、J・S・バッハといった「ホルベアの時代」の作曲家たちが書いた舞曲のスタイルと「ノルウェーの音楽家」グリーグの語法が「時代を超えて」結びつけられています。ホルベアの喜劇にちりばめられた機知とユーモアを再現した〈前奏曲〉、古代悲劇の気分を漂わせつつ北欧の抒情が香る〈サラバンド〉、風刺とわずかの皮肉のこめられた優雅なアレグレットの〈ガヴォット〉と民俗楽器ハルダンゲル・フィドルの響きの聞こえるポコ・ピウ・モッソの中間部〈ミュゼット〉、ホルベアの時代を偲び、北国ノルウェーの自然に思いを馳せる〈アリア〉、跳ねるようにステップを踏むアレグロ・コン・ブリオの〈リゴドン〉。まずピアノのための版が作曲され、モニカ・ニッセンによる初演の後、翌1885年、グリーグ自身が弦楽オーケストラのために編曲、みずから初演の指揮を執りました。
 
「ヴィルトゥオーゾ・ピアニスト」グリーグが、技巧と想像力が駆使し、ヨーロッパのピアノ音楽の伝統に沿って書いたピアノ版。「牧草地に放たれ春の日の歓びを満喫する子馬たちのように」弦楽器奏者たちが優雅な主題を演奏する弦楽オーケストラ版。《ホルベアの時代から》は、グリーグの作品群、そしてノルウェーの音楽史のなかでも際立ってユニークな作品です。アルバム『ホルベア変奏』は、2014年のスタヴァンゲル国際室内楽フェスティヴァルと関連して制作されました。弦楽オーケストラ版、ピアノ版、そしてジャズミュージシャンと室内アンサンブルが共演する《スクームスヴォルのホルベア変奏》と、「姿を変えた」3つのバージョンを収録。《ホルベアの時代から》のユニークさと魅力を角度を変えて眺め、「素材」としての可能性も探ります。
 
弦楽オーケストラ版は、スタヴァンゲルの弦楽アンサンブル「1B1」によって演奏されます。ビェルグステ1番地(Bjergsted 1)を本拠とするこのモダン楽器アンサンブルは、スタヴァンゲルが2008年の「ヨーロッパ文化の首都」に選ばれた際、スタヴァンゲル大学で教える音楽家と最優秀の学生たちにスタンヴァンゲル交響楽団のメンバーを加え創設されました。ヤン・ビョーランゲル Jan Bjøranger がリーダー。J・S・バッハとテレマンの協奏曲を演奏した愉しいアルバム(PSC 1326)がデビュー録音です。
 
ピアノ版を担当するクリスチャン・イーレ・ハドラン Christian Ihle Hadland(1983–)はスタヴァンゲル生まれ。イジー・フリンカに学び、2008年にノルウェー・オペラでデビューコンサートを行いました。2006年のノーベル平和賞コンサートでルネー・フレミングと共演、2010年からスタヴァンゲル国際室内楽フェスティヴァルの芸術監督をクラリネット奏者のマッティン・フローストと共同で務めています。ショパンの《即興曲》やシューマンの《森の情景》を弾いた最初のソロアルバム(PSC 1307)は、しなやかなリズムと、テクスチュアの細かいニュアンスを大切にした瑞々しい音楽が高く評価されました。友人のヘンニング・クラッゲルードと共演したシンディングのヴァイオリンとピアノのための作品集(Naxos)も、広く親しまれているアルバムです。
 
《スクームスヴォルのホルベア変奏》は、「プログレッシヴなアンサンブル」を掲げる 1B1 が《ホルベアの時代から》を素材に「即興の遊戯」に挑戦した「作品」です。「recompose(作り直す、組み替える)」「improvise(即興演奏する)」「variation(変奏)」を組み合わせた造語「Recomprimprovariations」(再構築即興変奏)を副題に、作曲家、ピアニスト、指揮者、編曲者としてジャズシーンに活躍するエルレン・スクームスヴォル Erlend Skomsvoll(1969–)が「パイロット」役を担い、1B1 と一緒に「オーケストラの即興」を楽しむという趣向です。「Præluderies(プレルデリーズ)」「Sarabond(サランボンド)」「Gavotterized(ガヴォッテライズド)」「Airsm(エアズム)」「Rigandarchy(リガンダーシー)」と、オリジナルをもじった曲名がつけられました。
 
『ホルベア変奏』の3作品は、2014年2月、8回のセッションで録音されました。『J・S・バッハとテレマンの協奏曲』と同じショーン・ルイス Sean Lewis が制作と録音を担当。作曲家のアスビョルン・スコートゥン Asbjørn Schaathun(1961–)がライナーノーツを執筆しています。
 
価格 2,750円(税込価格)(本体価格 2,500円)

『分点(Equinox)』
Simax PSC 1348 contemporary/classical

 
ヘンニング・クラッゲルード(1973–)
 分点(Equinox)
  午後 - ハ調の協奏曲(Afternoon – Concerto in C)
  夕暮れ - 変ホ調の協奏曲(Evening – Concerto in E flat)
  夜 - 嬰へ調の協奏曲(Night – Concerto in F sharp)
  朝 - ハ調の協奏曲(Morning – Concerto in A)
  ハ長調 - 序曲(C major – Overture)
  ヘンニング・クラッゲルード(ヴァイオリン、リーダー)
  アークティック・フィルハーモニック室内管弦楽団
  
録音 2014年6月2日–6日 グロンノーセン教会(トロムソ、ノルウェー)
制作 ショーン・ルイス
録音 アルネ・アクセルベルグ

 
ノルウェーのヘンニング・クラッゲルード Henning Kraggerud は、彼の世代を代表するヴァイオリニストとしてコンサートや各国のオーケストラとの共演をつづけながら、作曲家としても活動しています。Simax Classics が新しいアルバムで紹介する《分点》は、ノルウェーの作家、『ソフィーの世界』で知られるヨースタイン・ゴルデル Jostein Gaarder(1952–)とのコラボレーションから生まれた作品です。
 
「春分」と「秋分」の《分点》。ゴルデルの『カードミステリー(Kabalmystriet/The Solitaire Mystery)』から着想を得た「ヴァイオリンと室内オーケストラのための全調性による24の後奏曲(24 Postludes in All Keys for Violin and Chamber Orchestra)」は、ロンドンのグリニッジ公園からアイスランドのイースフィヨルズルのホルンまで、24のタイムゾーン(時間帯)の「音楽による旅」として作られ、「午後」から「朝」まで、一日の時をタイトルとする6楽章の「協奏曲」4曲と「終曲」の〈序曲〉から構成されています。
 
ハ長調からハ短調の調性をもつ《午後》は「グリニッジ」「プラハ」「アレクサンドリア」「バグダッド」「アラル海」「ジャイプール」、変ホ長調から変ホ短調の《夕暮れ》は「ダッカ」「バイカル湖」「杭州」「京都」「シドニー」「ニューカレドニア」、嬰ヘ長調から嬰ヘ短調の《夜》は「タベウニ島」「メアリーズイグルー」「タヒチ」「ホワイトホース」「サンタバーバラ」「プエルトバジャルタ」、イ長調からイ短調の《朝》は「ニューオーリンズ」「ニューヨークシティ」「マナウス」「フヴァルセー(カコトック)」「フロレス」「ホルン」。それぞれの楽章は、「『意気消沈』や『幻影』の変ホ短調」といった、調性から感じられるとされるイメージを基本に、バロック、シンディングの後期ロマンティシズムやグリーグのナショナルロマンティシズム、バルトークやリヒャルト・シュトラウスをはじめとする作曲家たちさまざまなスタイルも反映しながら、書かれています。
 
《分点》は、クラッゲルードが2012年から芸術監督を務める、北極圏ノルウェー、トロムソのアークティック・フィルハーモニック室内管弦楽団の委嘱により作曲され、2014年の「北極光フェスティヴァル」で初演されました。全曲として、あるいは4つの単独の「協奏曲」としても演奏することができ、2015年夏のリーソール音楽祭ではヨースタイン・ゴルデルみずからナレーターを務めるスタイルで演奏されることになっています。
 
価格 2,750円(税込価格)(本体価格 2,500円)

『SEONVEH』
Simax PSC 1339 contemporary/classical

 
シェティル・ヴォスレフ(1939–)
 ギターのための音楽
 ギター五重奏曲(2004)*
 SEONVEH(2011)(3つのギターのための)**
 フルート、ギターと弦楽オーケストラのための二重協奏曲(1977)†
 6弦のための6つの小品(1966)
  スタイン=エーリク・オールセン(ギター)
  エリセ・ボートネス(ヴァイオリン)*
  ダニエル・ダルノキ(ヴァイオリン)*
  イーダ・ブリューン(ヴィオラ)*
  トールン・スターヴセング(チェロ)*
  エギル・ハウグラン(ギター)**
  ニョル・ヴィンデネス(ギター)**
  グロー・スキプステード・サンヴィーク(フルート)†
  ノルウェー室内管弦楽団
  クリスチャン・エッゲン(指揮)
 
録音 2014年10月1日–4日 ロンメダーレン教会(ベールム)(*/†)、2014年6月9日–11日 ヴァクスダール教会(ヴァクスダール、ノルウェー)
制作 サイモン・キルン(*/†)、アルネ・アクセルベルグ、スタイン=エーリク・オールセン
録音バランス・エンジニアリング アルネ・アクセルベルグ

 
ノルウェーのギタリスト。スタイン=エーリク・オールセン Stein-Erik Olsen(1953–)は、ベルゲンのグリーグ・アカデミーの教授を務め、ソリスト、室内楽奏者として活動しています。『SEONVEH』は、ブローウェル、ヴィラ=ロボス、コシュキンの協奏曲を集めた2014年の『ハバナ、リオ、モスクワ』(PSC 1313)につづく新作。ノルウェーの作曲家ヴォスレフが1966年から2011年にかけて作曲したギターのための音楽が4曲、演奏されます。
 
シェティル・ヴォスレフ Kjetil Hvoslef は、作曲家ハーラル・セーヴェルーを父にベルゲンに生まれました。ベルゲン音楽院でオルガン演奏を修め、ストックホルムのブルムダールとリードホルム、ロンドンのトマス・ライナとアンリ・ラザロフに作曲を学びました。シンプルなものと複雑なものを結ぶことに長け、管弦楽曲と協奏曲、器楽曲、舞台とテレビのための音楽と、特定の作曲技法やスタイルに固執することなく、幅広いジャンルに多くの作品を発表してきました。今日ノルウェーでもっとも尊敬される作曲家のひとり。オールセンは、1973年から1977年にかけて、彼に音楽理論を学びました。
 
「悲しげな歌」「詩」「鳥のさえずり」「マーチ」など、多彩な表情をもつ5つの楽章から構成された《ギター五重奏曲》。ヴォスレフが「作曲者の夢」とまで言うオールセン、ヴィンデネス、ハウグランの「トリオ」のために作曲し、三人の名前のイニシャルを曲名に採った《SEONVEH》は、クラシカルギターの限界に挑んだ色彩的な音楽。「ロマンティックな楽器」フルートとギターの「恋愛」をイメージしたという《二重協奏曲》。ギターという楽器の音色、テクスチュア、表現の可能性を探る〈ヴィヴァーチェ〉〈アダージョ〉〈アンダンティーノ〉〈モデラート〉〈レント〉〈アニマート〉の《6弦のための6つの小品》。
 
ベルゲン大学カレッジで教えるニョル・ヴィンデネス Njål Vindenes(1957–)とエギル・ハウグラン Egil Haugland(1959–)、ベルゲン・フィルハーモニックの首席フルート奏者を務めたグロー・スキプステード・サンヴィーク Gro Schibsted Sandvik(1942–)、オスロ・フィルハーモニックのメンバーたち、第1コンサートマスターのエリセ・ボートネス Elise Båtnes、ダニエル・ダルノキ Daniel Dalnoki とイーダ・ブリューン Ida Bryhn、ソロと室内楽の奏者として活動するチェリストのトールン・スターヴセン Torunn Stavseng、ノルウェー室内管弦楽団とクリスチャン・エッゲン Christian Eggen(1957–)。ノルウェー音楽シーンの第一線で活躍する音楽家たちの共演です。
 
価格 2,750円(税込価格)(本体価格 2,500円)

『Neon Forest Space - asamisimasa オイヴィン・トルヴンの音楽を演奏する』
Aurora ACD 5078 contemporary

 
オイヴィン・トルヴン(1976–)
 Willibald Motor Landscape(ヴィリバルト・モーター・ランドスケープ)(2012)
 Neon Forest Space(ネオン・フォレスト・スペース)(2009)
 Wolf Studies(狼の研究)(2006/2014)
 Plastic Waves(プラスティックの波)(2013)
  asamisimasa
   クリスティーネ・チョーゲシェン
   (クラリネット、ハーモニカ、口笛)
   アンデシュ・フォリスダール
   (エレクトリックギター、アクースティックギター)
   ホーコン・ステーネ(打楽器)
   エレン・ウゲルヴィーク(ピアノ、キーボード)
   ターニャ・オルニング(チェロ)
  トリル・G・ベルグ(トロンボーン)
  カーリン・ヘルクヴィスト(ヴァイオリン)
  オイヴィン・トルヴン
   (ノイズ・ジェネレーター、フィードバック・カセットプレーヤー)
 
録音 レインボースタジオ(オスロ)
制作 ヤン・マッティン・スモルダール
録音 ヤン・エーリク・コングスハウグ、ペール・エスペン・ウーシュフィヨルド
ミクシング インガル・フンスコール

 
オイヴィン・トルヴン Øyvind Torvund は、オスロ・シンフォニエッタのコンポーザー・イン・レジデンス。フォーク、パンク、あるいはバロックのスタイルによるメロディのテーマとアクースティックの室内音楽を、フィールドレコーディングや手製の楽器による「ローファイ」音と組み合わせた、独自性のある作品を手がけてきました。ドナウエッシンゲン、サンフランシスコの「Other Minds」、オスロのウルティマ Ultima をはじめとするコンテンポラリー・ミュージックのフェスティヴァルで作品が取り上げられ、2012年にはアルネ・ヌールハイム作曲家賞を受賞しました。
 
ノルウェー作曲家協会のレーベル Aurora が制作した『Neon Forest Space』は、「前衛音楽とその歴史への情熱と興味を共有する」音楽家が集まり2002年に結成したアンサンブル「asamisimasa」とのコラボレートによるトルヴンのポートレートアルバムです。オスロの街を行き交う車、レーシングカー、ピンボール・マシンの音を収めた録音を交え、クラリネット/バスクラリネット、エレクトリックギター、キーボード、打楽器、チェロとテープのための《Willibald Motor Landscape》。クラリネット、エレクトリックギター、打楽器、チェロがフィルドレコーディングに合わせ、森から聞こえる太古のメロディを模す《Neon Forest Space》。クラリネット/バスクラリネット、トロンボーン、アクースティックギター、2組の打楽器、ヴァイオリン、チェロが、スウェーデンの森で録音された狼の遠吠えとベルリンのアーカイヴの録音と共演する《Wolf Studies(狼の研究)》。ピアノ・ソロ、クラリネット/バスクラリネット、エレクトリックギター、打楽器、チェロのアンサンブルが、ノイズ・ジェネレーター(雑音発生器)とともに、岸に打ちつける「波」を表現する《Plastic Waves(プラスティックの波)》。電気ドリルやおもちゃのレーザーガンといった「楽器」は打楽器のホーコン・ステーネが担当しています。
 
録音が行われたレインボースタジオ RainbowStudio は、1984年にヤン・エーリク・コングスハウグ Jan Erik Kongshaug が作り、2004年、旧スタジオから遠くないところに新しく建てられたスタジオに移りました。新スタジオは、広い空間と先端の機器を備え、もっとも有名なジャズのほか、あらゆるジャンルの音楽の録音セッションに使われています。録音をコングスハウグとペール・エスペン・ウーシュフィヨルド Peer Espen Ursfjord、ミクシングをインガル・フンスコール Ingar Hunskaar が担当しました。「アクースティック楽器に慣れた」オーディオ装置に「適度な刺激」を与えそうな録音です。
 
カナダの漫画家マーク・ベル Marc Bell が制作した、紙製スリーヴジャケットの4面とディスクを飾るカバーアートが、とびきり楽しい「コンテンポラリー・ミュージック」を、そっくりそのまま表現しています。
 
価格 2,750円(税込価格)(本体価格 2,500円)

『Polarity(極性)』
2L 2L 145SABD Blu-ray Audio Disc + SACD hybrid jazz

 
『Polarity(極性)』
 Innocence(Hoff) Revamp(Hoff) The Elder(Hoff)
 Polarity(Hoff) Beginning(Hoff) Justice(Hoff)
 Moving(Hoff) Euphoria(Hoff) Within(Hoff) 
 Sacred(Hoff) Pathway(Hoff) Home(Hoff)
  ヤン・グンナル・ホフ(ピアノ)
  アンデシュ・ヨルミン(ベース)
  アウドゥン・クライヴェ(ドラム)
 
録音 2017年9月 ソフィエンベルグ教会(オスロ)
制作・バランスエンジニアリング モッテン・リンドベルグ
録音 ビアトリス・ヨハンネセン
 
[DXD (24bit/352.8kHz) 録音]
[Disc 1: SACD hybrid DXD (5.1 surround 2.8224 Mbit/s/ch, 2.0 stereo 2.8224 Mbit/s/ch)/CD 2.0 stereo (16 bit/44.1 kHz)]
[Disc 2: Blu-ray: 5.1 DTS HD-MA (24bit/192kHz), 7.1.4 Dolby Atmos (24bit/48kHz), 7.1.4 Auro-3D (26bit/96kHz), 2.0 LPCM  (24bit/192kHz), mShuttle MP3 + MQA Region: ABC worldwide]

 
ホフ・アンサンブルにヴォーカリストをゲストに迎えた『静かな冬の夜(Quiet Winter Night)』(2L 087PABD)、ソロアルバムの『生きていること(Living)』(2L 092SABD)と『物語(Stories)』(2L 131SABD)。ピアニスト、作曲家、アレンジャー、バンドリーダーとして活躍するノルウェーのジャズ・ミュージシャン、ヤン・グンナル・ホフ Jan Gunnar Hoff(1958–)の新作は「トリオ」のアルバムです。アンデシュ・ヨルミン Anders Jormin のベース、アウドゥン・クライヴェ Audun Kleive のドラム。スカンディナヴィアでもっとも素晴らしいと彼が語るジャズ・アーティストと共演、アルバムの一作に「固有の姿」を与えることをめざしています。
 
プログラムは、新作と、少し前に書いた曲に。スウェーデンのフォーレ島、映画監督のイングマル・ベルイマンが晩年を過ごした家の書斎で、遠く広がるバルト海を眺めながら作曲したという、伝説の監督へのオマージュ《The Elder(長老)》。即興から作りあげたメロディを展開、アンサンブルのパレットにアナログ・シンセサイザーによる響きを加えた《Polarity(極性)》。家庭の事情に官僚に介入されたことへの感情的な反応を音楽にした《Justice(正義)》。ひどく傷つきやすい感情の状態を出発点とする《Innocence(無邪気)》と《Within(内心は)》。《Within》は『物語』でも演奏されたナンバーです。ベースが弓で弾くメロディがメインの《Sacred(神聖な)》。ピアノとドラムが即興を聞かせる《Euphoria(幸福感)》。暗いメランコリーと解放、対照的な気分を映した《Beginning(始まり)》。一連のコードによる変奏を行った《Pathway(経路)》。クヌート・ハムスンの詩『I ungdommens vår(青春時代に)』に書いた背景音楽によるトリオのためのバラード《Home(家)》。
 
2017年9月、ソフィエンベルグ教会の「かけがえのないアコースティック環境」でセッションが行われ、アコースティック音楽の響きを重視するモッテン・リンドベルグ Morten Lindberg の制作で DXD 録音されました。
 
価格 4,675円(税込価格)(本体価格 4,250円)
 

Pure Audio Blu-ray ディスクと SACD ハイブリッドディスクをセットにしたアルバムです。Pure Audio Blu–ray ディスクにはインデックスを除き映像は収録されていません。SACD ハイブリッドディスクはSACDブレーヤーとCDプレーヤーで再生できますが、Pure Audio Blu-ray ディスクはCDやDVDのプレーヤーでは再生できないので、Blu–ray プレーヤーもしくは Blu–ray 対応のPCをお使いください。SACD ディスクの CD 層は MQA-CD 仕様になっており、MQA デコーダーを搭載した機器を使用すればハイレゾ・スペックの音を聴くことができます。

『Living(生きていること)』
2L 2L 092SABD Blu-ray Audio Disc + SACD hybrid jazz

 
『Living(生きていること)』
 Living(生きていること) Mirror I(鏡 I)
 Mountain High(山の高みへ) Karlygash(つばめ)
 Coming My Way(なにかがやってくる) Mirror II(鏡 II)
 Florence(フィレンツェ) Brytning(争い)
 Fly North(北に向かって) Valse de Décembre(十二月のワルツ)
 Sommernat(夏の夜) Feberdigte(熱狂の詩)
 Å eg veit meg eit land(ヌールランの県歌「おお、私は故郷を知っている」)
 Sacrifice(犠牲)
  ヤン・グンナル・ホフ(ピアノ)
 
録音 2012年8月 ソフィエンベルグ教会 (オスロ、ノルウェー)
制作 モッテン・リンドベルグ
録音 モッテン・リンドベルグ、ビアトリス・ヨハンネセン
 
[DXD (24bit/352.8kHz) 録音]
[Disc 1: SACD hybrid DXD (5.1 surround 2.8224 Mbit/s/ch, 2.0 stereo 2.8224 Mbit/s/ch)/CD 2.0 stereo (16 bit/44.1 kHz)]
[Disc 2: Blu-ray: 5.1 DTS HD-MA (24bit/192kHz), 2.0 LPCM  (24bit/192kHz), mShuttle: MQA + FLAC + MP3 Region: ABC worldwide]

 
ノルウェーのジャズピアニスト、アレンジャー、作曲家。1992年からバンドリーダー、ソロアーティストとして活躍するヤン・グンナル・ホフ Jan Gunnar Hoff の初めてのソロアルバムです。みずからのアイデンティティを求めながら自身の音楽の領域を広げていく。アーティストとしての彼の姿勢とプライドが、「生きていること」のタイトルに反映されています。トロムソのハーシュタで行われた1992年の北部ノルウェー芸術祭のために作曲した組曲に含まれる〈Brytning(争い)〉、実生活に失望を感じていたころ「音楽」によって高いところに向かおうという気持ちから書いた《Mountain High(山の高みへ)》、イタリアへの旅からインスピレーションを得たという《Florence(フィレンツェ)》、ノルウェー北部に生まれたことを誇りに思う《Fly North(北に向かって)》、クヌート・ハムスンの詩に触発された《Sommernat(夏の夜)》と《Feberdigte(熱狂の詩)》。カザフスタンの作曲家アフメト・ジュバノフの曲をアドリブした《つばめ》と、エリアス・ブリクスの賛美詩にアドルフ・トムセンが曲を書いた、北部ノルウェー、ヌールランの県歌「おお、私は故郷を知っている」をのぞき、すべてホフのオリジナル曲です。「冬の歌のようにあなたはそこにいた、なにかがやってくることを静かな物語が語った、はじめて、そしてそれが最後……」。《なにかがやってくる》は、2011年6月のある朝早く、メロディを書いたという作品です。
 
価格 4,675円(税込価格)(本体価格 4,250円)
 

Pure Audio Blu-ray ディスクと SACD ハイブリッドディスクをセットにしたアルバムです。Pure Audio Blu–ray ディスクにはインデックスを除き映像は収録されていません。SACD ハイブリッドディスクはSACDブレーヤーとCDプレーヤーで再生できますが、Pure Audio Blu-ray ディスクはCDやDVDのプレーヤーでは再生できないので、Blu–ray プレーヤーもしくは Blu–ray 対応のPCをお使いください。SACD ディスクの CD 層は MQA-CD 仕様になっており、MQA デコーダーを搭載した機器を使用すればハイレゾ・スペックの音を聴くことができます。

『Folk & Jazz』
Prophone PCD 202 jazz

 
『Folk & Jazz』
 Bodapolskor(ブーダポルスカ)(Trad.)
 Si god afton (och god kväll)(こんにちはとこんばんはの挨拶を)
 (”Svanfeldts visbok 1848”)
 Huldrans sång(フルドラの歌)(Monica Dominique/Lasse Sjöberg)
 Skogsrået(森の精)(Jon Sigurd)
 Visa från Utanmyra(ユータンミューラの歌「おお、もの言わぬ孤独よ」)
 (Trad./Björn Lindroth)
 Polska efter Höök Olle(ホーク・ウッレのポルスカ)
 (Trad. Rättvik/Meta Roos/Jacke Sjödin)
 Fäbodpsalm(夏の牧舎の古い賛美歌)(Oscar Lindberg/Åke Ahrenhill)
 Det goda i livet(人生の善き行い)(Meta Roos/Siv Andersson)
 Var det du/Drömdans(あなただったのか?/夢のダンス)
 (Cornelis Vreeswijk(Var det du)/Otto Francker/
  Sejr Volmer-Sørensen/Ingrid Reutersköld)
 Midsommar uti Dalom(ダロムの夏至祭)(Ingemar Ihils)
 Allt under himmelens fäste(すべて天空のもとに)(Trad. Gotland)
 Visa från Leksand(レクサンドの歌)(Erik Ingels)
  メタ・ルース(ヴォーカル)
  Trio X of Sweden(Trio X)
   レッナールト・シモンソン(ピアノ)
   ペール・V・ユーハンソン(ベース)
   ヨアキム・エークベリ(ドラム)
 
編曲 メタ・ルース、Trio X of Sweden、レッナールト・シモンソン(Fäbodpsalm)
録音 2019年2月7日、8日、13日
制作 Trio X
ミクシング  マッティン・インゲルストレム
マスタリング クラッセ・ペーション

 
スウェーデンのジャズ・ヴォーカリスト、メタ・ルース Wives Margareta “Meta” Roos(1954–)は、「民謡の宝庫」と呼ばれるダーラナ地方、ブーダ(ボダ)の生まれ。16歳の時、ダーラナのダンスバンドで歌ってデビュー、「ニッペ・シュルヴェーン・バンド」との共演で大きな注目を集めました。1980年代には「ローズ・バンド」と共演、中央ヨーロッパでも人気を博しました。1990年代からは映画の歌手としても活動、ウォルト・ディズニーのアニメーション映画『ライオン・キング』(1994)のスウェーデン語版で「サークル・オブ・ライフ(En värld full av liv)」のメインヴォーカルを担当しました。彼女の Prophone レーベルへの初めてのソロ・アルバム『Folk & Jazz』。2018年、ヤン・ユーハンソン賞を受賞したことをきっかけに企画、抒情的スタイルのアルバム『トロイメライ』(PCD 139)と『Atonement(つぐない)』(PCD 171)を Prophone に録音した「Trio X of Sweden」とのコラボレーションとして制作されました。
 
彼女の故郷に伝わる《ブーダポルスカ》、モニカ・セッテルルンドが歌った《フルドラの歌》、オスカル・リンドベリの編曲から広く知られるようになったダーラナ地方のコラール《夏の牧舎の古い賛美歌》、ゴトランドの民謡《すべて天空のもとに》、ジャズ・ミュージシャンたちの愛好曲でもある《レクサンドの歌》。彼女にインスピレーションを与えつづけてきた「スウェーデンの歌」への賞賛とともに、Trio X とのセッションを楽しんで作ったというアルバムです。
 
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)

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