March 2023


『ガードナー+ニルセン』
Chandos CHSA 5511 SACD hybrid (Multichannel/stereo) classical
カール・ニルセン(1865–1931)
ヴァイオリン協奏曲 FS61(Op.33)(1911)*
交響曲第4番 FS76(Op.29) 《消しがたきもの(Det uudslukkelige)》(1914–16)
ベルゲン・フィルハーモニック管弦楽団
エドワード・ガードナー(指揮)
ジェームズ・エーネス(ヴァイオリン)*
録音 2022年6月14日–17日 グリーグホール(ベルゲン、ノルウェー)
価格 2,970円(税込価格)(本体価格 2,700円)
『マークス・レオソン』
dB Productions DBCD 208 classical
アストル・ピアソラ(1921–1992)(マークス・レオソン(1970–) 編曲)
真夏の夜の夢(A Midsummer Night’s Dream)
序曲(Overture) 旅(El viaje) センシュエル(Sensuel)
エリック・サティ(1866–1925)(マークス・レオソン(1970–) 編曲)
3つのジムノペディ(3 Gymnopédies)
ゆっくりと悲嘆に暮れ(Lent et douloureux)
ゆっくりと厳粛に(Lent et grave)
グノシエンヌ(Gnossiennes)
第1番 第2番 第4番
伝承曲(マークス・レオソン(1970–) 編曲)
移民の歌(Emigrant song)
ポール・ド・センヌヴィル(1933–)(オリヴィエ・トゥッサン 編曲)
渚のアデリーヌ(Ballade pour Aleline)
エルネスト・ナザレー(1863–1934)(イェルケル・ユーハンソン 編曲)
オデオン(Odéon)
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685–1750)(マークス・レオソン(1970–) 編曲)
無伴奏チェロ組曲第2番 ニ短調 BWV 1008
サランバンド(Saranade) メヌエット I–II(Menuet I–II)
ジグ(Gigue)
アストル・ピアソラ(1921–1992)(マークス・レオソン(1970–) 編曲)
天使のミロンガ(Milonga del Ángel)*
エチュード第3番(《タンゴ・エチュード (Tango-Etudes)》から)*
コンパードレ(伊達男)(Compadre)
アストル・ピアソラ(1921–1992)(エリック・サミュ 編曲)
リベルタンゴ(Ribertango)
アストル・ピアソラ(1921–1992)(マークス・レオソン(1970–) 編曲)
ブエノスアイレスの冬(Invierno Porteño)
(《ブエノスアイレスの四季(Las cuatro estaciones porteñas》から)
マークス・レオソン(マリンバ、ヴィブラフォーン *)
録音 2022年4月25日 Hochschulzentrum am Horn(ヴァイマル、ドイツ)
スウェーデンの打楽器奏者レオソンが「お気に入り曲」を演奏するアルバム。マークス・レオソン Markus Leoson(1970–)は、リンショーピング生まれ。15歳で王立ストックホルム音楽大学に入学を許可され、4年後に卒業しました。1990年に打楽器奏者として王立スウェーデン管弦楽団に入団、1993年からソロ・ティンパニ奏者を務めました。1996年から1997年のシーズン、スウェーデン放送のアーティスト・イン・レジデンスとしてコンサートとラジオ放送の録音を行い、その録音によるアルバム『マレッティアーナ(Malletiana)』(Caprice CAP 21743)も制作されました。現在、ドイツ、ヴァイマルの「Hochschulzentrum am Horn」で教授として教えています。
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)
『幼子イエスにそそぐ20のまなざし』
OUR Recordings 6.2206757 2SACD’s hybrid (5.0 surround/stereo) classical
オリヴィエ・メシアン(1908–1992)
幼子イエスにそそぐ20のまなざし(Vingt Regards sur l’Enfant-Jésus)(1944)
クリストファー・ヒュルディ(ピアノ)
録音 2021年3月1日–18日 救世主教会(Vor Frelsers Kirke)(コペンハーゲン、デンマーク)
制作・録音エンジニア プレーベン・イーヴァン
ミクシング ・マスタリング メテ・ドゥーウ、プレーベン・イーヴァン [DXD(32bit/352.8kHz)録音]
デンマークのピアニスト、クリストファー・ヒュルディ Kristoffer Hyldig(1982–)は、王立デンマーク音楽アカデミーでニクラス・シヴェレーヴとトーヴェ・レンスコウに学び、2010年にアカデミーでデビュー・コンサートを行いました。ソリスト、室内楽奏者としてデンマークの音楽シーンで活動。王立デンマーク管弦楽団の《トゥーランガリラ交響曲》にピアニストとして参加して2009年の EU ピアノ・コンペティションで審査員特別賞に選ばれ、ヤコプ・ゲーゼ・グラント、レオニ・ソニング・スカラシップ、デンマーク音楽批評家アーティスト賞などを受賞しました。彼が参加した「アンサンブル・ノーアリュス Ensemble Nordlys」のメシアンの《時の終わりのための四重奏曲》(Danacord DACOCD 756)が高い評価を獲得、この作品と同じ楽器編成によるアンサンブル「コペンハーゲン・メシアン四重奏団 Messiaen Quartet Copenhagen」を結成してドビュッシーの《ベルガマスク組曲》《チェロソナタ》《ヴァイオリンソナタ》(DACOCD 842)を録音しました。
「止むことなく神に触れ、あらゆるものに触れる音楽」(オリヴィエ・メシアン)という《幼子イエスにそそぐ20のまなざし》は、〈父のまなざし(Regard du Père)〉から〈愛の教会のまなざし(Regard de l'Église d’amour)〉までの20曲で構成された「魔法にかけられたように興味をひく音楽世界」(クリストファー・ヒュルディ)の作品です。ヒュルディは、この音楽の「神秘」の感覚を表現するにあたり、この録音の編集を担当したメテ・ドゥーウ Mette Due から多くを学んだと言います。彼女は、ドラマトゥルクとして経験を積み、デンマーク国立舞台芸術学校で演技と歌を教えています。コペンハーゲン市内にあるバロック様式の救世主教会(Vor Frelsers Kirke)でのセッション録音です。
価格 3,740円(税込価格)(本体価格 3,400円)
『Medan natten sånkte sin Sammet』
Ladybird 79556872 jazz
『Medan natten sånkte sin Sammet – Jenny Almsenius sjunger Povel Ramel』
Underbart är kort(素晴らしいことは短い)
Droppen från New Orleans(ニューオーリンズのしずく)
Blås på det onda(悪いものにひと吹き)
Fåglarna har fel(鳥は間違っている)
Det bästa och det sämsta(最良と再悪)
Varför är Louise så blyg?(なぜルイーセは恥ずかしがり屋なのか)
Den sista jäntan(最後の少女)
Följ mej bortåt vägen(道の向こう側でついておいで)
Den allra bästa musiken(このうえない音楽は)
イェンニ・アルムセニウス(ヴォーカル、ハーモニカ)
ダニエル・ティリング(ピアノ)
ユーハン・ベンクトソン(ベース)
ファビアン・リース・リンドブラード(ドラム、ヴォーカル)
ユーナス・クヌートソン(サクソフォーン)
録音・制作・録音エンジニア (後報)
「歌の国」と呼ばれるスウェーデンでは、中世から現代までそれぞれの時代に、吟遊詩人やシンガーソングライターと呼ばれる音楽家たちが活躍して人々に親しまれました。『フレードマンの手紙』と『フレードマンの歌』で知られるカール・ミーケル・ベルマン Carl Michael Bellman(1740–1795)やエーヴェット・トーブ Evert Taube(1890–1976)といった人たちの歌は、今も、人々の生活の中で歌い継がれています。
ポーヴェル・ラメル Povel Ramel もそうした人気音楽家のひとりです。1922年にストックホルムで生まれ、2007年にリディンゲで没するまで、レビュー作家、作曲家、ピアニスト、シンガー、コメディアン、俳優として多彩に活動、気の利いた歌詞や悲痛な歌詞に遊び心をまじえた曲をつけ、親しまれました。
『Medan natten sånkte sin Sammet』(夜のビロードがおりている間に)と題したこのアルバムではシンガーソングライターのイェンニ・アルムセニウス Jenny Almsenius(1984–)が、ラメルの歌を9曲歌っています。《Underbart är kort(素晴らしいことは短い)》は、モニカ・セッテルルンド、コルネリス・ヴレスヴィーク、ヨハンナ・グリュスネル、ザ・リアル・グループたちに歌われ、《Den sista jäntan(最後の少女)》もセッテルルンドの愛唱歌のひとつでした。イェンニ・アルムセニウスはヨーテボリ生まれのヴァールベリ育ち。ポップ、ショー・ミュージック、ブルースをミックスした歌をスウェーデン語で歌い、2018年にコルネリス・ヴレスヴィーク協会が若いソングライターに贈るレコード賞の最初の受賞者に選ばれました。2023年4月12日のストックホルムのファっシングでのコンサートを皮切りに8月まで、このアルバムのリリース・ツアーが予定されています。
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)
『In the Spirit of Toots』
Prophone PCD 319 jazz
『In the Spirit of Toots』
Days of Wine and roses(Henry Mancini/Johnny Mercer)
Waltz for Sonny(Toots Thielemans)
Sultry Serenade(Duke Ellington)
Midnight Cowboy(John Barry)
Sophisticated Lady(Duke Ellington)
Empoli(Filip Jers)
Toots blues no.442(Filip Jers)
For My Lady(Toots Thielemans)
Dansen på Sunnanö(Evert Taube)
Lite grann från ovan(Lasse Dahlquist)
Vem kan segla förutan vind(Traditional)
Bluesette(Toots Thielemans)
Hard to Say Goodbye(Toots Thielemans)
Jätten Jorms sång(Toots Thielemans)
フィリップ・イェーシュ(ハーモニカ)
カール・バッゲ・トリオ
カール・バッゲ(ピアノ)
マッティン・ホーペル(ベース)
クリス・モントゴメリ(ドラム)
編曲 フィリップ・イェーシュ、カール・バッゲ・トリオ
録音 2022年12月13日 アトランティス・スタジオ(Atlantis Studio)(ストックホルム)
制作 フィリップ・イェーシュ
録音エンジニア カッレ・グスタフソン
ミクシング ニクラス・リンドストレム
フィリップ・イェーシュ Filip Jers(1986–)は、18歳の時、2005年にドイツのトッシンゲンで行わた国際ハーモニカ・フェスティヴァルに出場してワールド・チャンピオンに選ばれました。以来、録音セッションに参加したりハーモニカを教えたりと、フリーランスのミュージシャンとして活動、ヨーロッパとアメリカ、日本、カナダなど30カ国をツアーで訪れました。2011年、初のハーモニカ奏者として学んだ王立ストックホルム音楽大学のジャズ科修士課程を修了して修士号を取得しました。ジャズ、ブルース、フォークとトラッド、ポップ、クラシカルとさまざまなジャンルを行き来する作曲と即興をこよなく愛していると言い、ヤン・ルンドグレーン、ヤン・アッラン、ゲオルク・リーデルたちスウェーデンを代表するミュージシャンと共演を重ねてきました。
カール・バッゲ・トリオ Carl Bagge Trio と共演した『In the Spirit of Toots』は、「トゥーツの精神で」のタイトルの示すとおり、スウェーデンでも愛されたベルギーのハーモニカ奏者、トゥーツ・シールマンス Toots Thielemans(1922–2016)へのトリビュート・アルバムとして作られました。ヘンリー・マンシーニとジョニー・マーサーの《酒とバラの日々》、デューク・エリントン、ジョン・バリーの《真夜中のカウボーイ》、シンガー・ソングライターのエーヴェット・トーブの《Dansen på Sunnanö(スンナノのダンス)》、ラッセ・ダールクヴィストの《Lite grann från ovan(上からちょっとだけ)》、伝承曲《Vem kan segla förutan vind(風がなくて誰が船を出せるだろう)》、トゥーツ・シールマンスの《Jätten Jorms sång(イェッテン・ヨルムの歌)》など5曲にイェーシュの自作を加えたプログラムで演奏されます。
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)
『ネゼ=セガン+シベリウス』
ATMA Classique ACD 2 2454 classical
ジャン・シベリウス(1865–1957)
交響曲第3番 ハ長調 Op.52(1907)
交響曲第4番 イ短調 Op.63(1911)
モントリオール・メトロポリタン管弦楽団
ヤニック・ネゼ=セガン(指揮)
録音 2021年6月(第3番)、2022年2月(第4番)
モントリオール・メトロポリタン管弦楽団とモントリオールで生まれ、2000年から芸術監督・首席指揮者を務めるヤニック・ネゼ=セガン Yannick Nézet-Séguin(1975–)によるシベリウス交響曲のシリーズ第2作。最初のアルバム(ACD2 2452)では、ロシア帝国支配下に作曲したロマンティックな作風をとどめる《第1番》、新しいアルバムでは《第3番》と《第4番》が取り上げられました。英雄的色彩のナショナル・ロマンティシズムに別れを告げ、「交響曲」の生まれたベートーヴェンたちの古典時代の様式と精神に立ち返ることで「真の交響曲とは何か」の問いに答えた《第3番》。ロマンティシズムとの決別を推し進め、内面の世界と北欧の自然の威容を表現した、現代フィンランドの作曲家カレヴィ・アホが「不毛で生命のない霊的風景を後に残す、耳ざわりな不協和音とともに衰弱していく」と語る幕切れの《第4番》。
価格 2,090円(税込価格)(本体価格 1,900円)
『ロシア四重奏曲』
BIS SACD 2588 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) classical
ヨーゼフ・ハイドン(1732–1809)
弦楽四重奏曲第37番 ロ短調 Hob.III:37
弦楽四重奏曲第38番 変ホ長調《ジョーク》 Hob.III:38
弦楽四重奏曲第39番 ハ長調《鳥》 Hob.III:39
キアロスクーロ四重奏団
アリーナ・イブラギモヴァ(ヴァイオリン)
パブロ・エルナン=ベネディ(ヴァイオリン)
エミリ・ホーンルンド(ヴィオラ)
クレール・チリオン(チェロ)
[楽器 Violin: Anselmo Bellosio c.1780/Violin: Andrea Amati 1570/Viola: Willems, c.1700/Cello: Carlo Tononi 1720]
録音 2021年10月26日–29日 ユーディ・メニューイン音楽学校 メニューイン・ホール(サリー、イングランド)
制作 アンドルー・キーナー
録音エンジニア オスカー・トレス
キアロスクーロ四重奏団 Chiaroscuro Quartet のモーツァルトの『プロイセン王四重奏曲』(BIS SA-2558)につづく新作は、ハイドン・アルバムの第5作。ハイドンが1781年の夏と秋にかけて作った『ロシア五重奏曲』の名で呼ばれる Op.33 のセットの最初の3曲を演奏しています。ロシア大公パウルに献呈されたこの曲集の多くは、その年のクリスマスに大公夫人マリア・フョードロヴナのウィーンの居宅で演奏されました。
ハイドンとモーツァルトの関係は弦楽四重奏曲というジャンルでも切り離せなかったことが知られています。モーツァルトは、『ミラノ四重奏曲』と呼ばれる6曲(K.155–160)を書いた翌年の1773年に初めてハイドンを訪問、ハイドンの「Op.17」の6曲と「Op.20」の『太陽四重奏曲』に接しました。彼がこの後に作曲した『ウィーン四重奏曲』(K.168–173)には、それまでの作品にくらべ対位法が多用され、ハイドンの影響が明らかだと言われています。そして、10年近くこのジャンルを手がけていなかったモーツァルトは、ハイドンの「Op.33」の『ロシア四重奏曲』をきっかけに再び情熱にかられ、1782年から1785年にかけて、ト長調(K.387)からハ長調(K.465)までの6曲を作曲。ハイドンに献呈したことから『ハイドン四重奏曲』と呼ばれています。
キアロスクーロ四重奏団の『プロイセン王四重奏曲』と同じアンドルー・キーナー Andrew Keener(1954–)のプロダクションによるアルバムです。
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)
『レ・シエクル+ドビュッシー』
Harmonia Mundi HMM 905369 classical[再リリース]
クロード・ドビュッシー(1862–1918)
管弦楽組曲第1番(Premiere suite d’orchestre)(1882)
祭(Fête) バレエ(Ballet) 夢(Rêve)
行列とバッカナール(Cortège et Bacchanale)
3つの交響的スケッチ《海(La mer)》
レ・シエクル フランソワ=グザヴィエ・ロト(指揮)
録音 2012年2月2日 シテ・ド・ラ・ミュジーク(パリ)(組曲)、4月13日 聖チェチーリア音楽院(ローマ)(ともにライヴ録音)
2013年に Actes Sud レーベルからリリースされた「レ・シエクル」とロトのデビュっシー(ASM 10)が、新たにリマスタリングして再リリースされます。
《管弦楽組曲第1番》は、ドビュッシーがパリ音楽院の学生だった1882年に作曲を始めたとされる作品です。存在は知られていたものの、この曲の楽譜は長らく、紛失したものとされてきました。そして2008年、4手のピアノ版と管弦楽の手稿譜が発見され、話題になりました。しかし、ピアノ版は完全だったものの、管弦楽譜は不完全で、特に第3曲の〈夢〉はすっかり欠落していました。そのため「シテ・ド・ラ・ミュジーク」が作曲家フィリップ・マヌリ Philippe Manouri(1952–)に依頼、マヌリは存在する素材を使って作品を補筆完成させました。2012年2月2月、レ・シエクルにより世界初演。マスネ、サン=サーンス、ビゼーの音楽を想わせるフレージングがあり、後のドビュッシーの音楽に特徴的な夜の官能と神秘の響きも聞こえるという作品。この演奏は初演コンサートのライヴ録音です。
《海》は、1905年10月にシュヴィヤール指揮のコンセール・ラムルー管弦楽団によって初演されました。レ・シエクルは、当時のフランスの楽器を使い、演奏スタイルを遵守することで、ドビュッシーの「はるかな響き」を再現してみせます。ローマの聖チェチーリア音楽院で行われたコンサートの演奏です。
価格 2,970円(税込価格)(本体価格 2,700円)
『Inner View』
NXN Recordings NXN 2010 jazz
『Inner View』
Biom I: Løvtrær Biom II: Barskog Biom III: Tundra Bidevind
Bismaksprøve Bismaskvals Bibringeren Bi litt!
アンデシュ・ロンネ・グロンセット(サクソフォーン)
Multiverse(マルティヴァース)
ヘイデン・パウエル(トランペット)
エスペン・ベルグ(ピアノ)
アウドゥン・エリングセン(ベース)
アイナル・スケーヴィング(ドラム)
デイヴィッド・スキナー(ホーナー・ピアネット、クラヴィネット)
録音 (不明)
ノルウェーのジャズ・シーンで注目されているアンデシュ・ロンネ・グロンセット Anders Lønne Grønseth(1979–)と、彼のバンド「Multiverse(マルティヴァース)」の『Outer View』(NXN 2009)につづくアルバム第4作。「Multiverse」は、ヘイデン・パウエル Hayden Powell のトランペット、エスペン・ベルグ Espen Berg のピアノ、アウドゥン・エリングセン Audun Ellingsenb のベース、アイナル・スケーヴィング Einar Skeving のドラムに、”electro-mechanical” の「ホーナー・ピアネット Hohner pianet」とクラヴィネットを弾くデイヴィッド・スキナー David Skinner を加えた “extended’ で演奏、作曲とインプロヴィゼーションを対比させながら「混沌」の世界を展開するという前作のスタイルを推し進めるアルバムとして作られました。
価格 2,695円(税込価格)(本体価格 2,450円)
『クリスチャン・スヴァルヴァール』
Ladybird 79556870 pop/classical
『クリスチャン・スヴァルヴァール』
Anthem(Benny Andersson)*
I Let the Music Speak(Benny Andersson)**
I Wonder(Benny Andersson)**
Money, Money, Money(Benny Andersson)**
Stockholm by Night(Benny Andersson)
Someone Else’s Story(Benny Andersson)*
Chess(Benny Andersson)*
Ett Herrans underverk(Benny Andersson)***
Flickornas Rum(Benny Andersson)
Intermezzo No.1(Benny Andersson)**
Vilar glad, i din famn(Benny Andersson)
You and I(Benny Andersson)*
クリスチャン・スヴァルヴァール(ヴァイオリン)
ロンドン・フィルハーモニック管弦楽団
アンデシュ・ベリルンド(指揮)
[ミュージカル『Chess(チェス)』から */ABBA のレパートリーから **/ミュージカル『Kristina från Duvemåla(ドゥヴェモーラのクリスティーナ)』から ***]
録音 2022年9月7日–8日 ヘンリー・ウッド・ホール(ロンドン、イングランド)
制作 ユーハン・ランドクヴィスト
録音エンジニア デーヴ・ローウェル
スウェーデンのヴァイオリニスト、クリスチャン・スヴァルヴァール Christian Svarfvar(1982–)は、王立ストックホルム音楽大学を卒業後、ニューヨークのジュリアード音楽院でロバート・マンに学びました。2005年に修了。ストックホルム・コンサートホールとヨーロッパ・コンサートホール機構の2008年の「Rising Star」に選ばれました。グリーグの3つのヴァイオリン・ソナタ(Sterling CDA 1684-2)で録音デビュー。ローランド・ペンティネンと共演した2016年の『夢のあとに』(BIS SA-2183)が、スウェーデンを代表する新聞「Dagens Nyheter」から「最優秀アルバム」に選ばれるなど、各国で高評価を獲得しました。ロンドン・フィルハーモニック管弦楽団と共演したブルッフの《ヴァイオリン協奏曲第1番》とステーンハンマルの《2つの感傷的なロマンス》(Rubicon Classics RCD 1033)、J・S・バッハの曲をスウェーデンの作曲家ユーハン・ウッレーンが「再作曲」した『無限のバッハ』(RCD 1053)も注目され、話題を呼びました。
「The Symphonic Touch of Benny Andersson」のサブタイトルをつけた新作は、スウェーデンのスーパーグループ「ABBA」のメンバーのひとり、ベニー・アンデション Benny Andersson とのコラボレーション・アルバムです。世界を熱狂させた《Money, Money, Mone》などの ABBA のナンバー、ティム・ライスの台本に作曲した『Chess(チェス)』と ABBA のビョーン・ウルヴェウス Björn Ulvæus とコラボレートした『Kristina från Duvemåla(ドゥヴェモーラのクリスティーナ)』の2つのミュージカルから選んだナンバーの12曲。アンデシュ・ベリルンド Anders Berglund が編曲、フル編成のロンドン・フィルハーモニック管弦楽団を指揮して共演しています。
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)
『モーツァルト+ヴィトマン』
Myrios Classics MYR 031 classical/contemporary
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756–1791)
クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581
イェルク・ヴィトマン(1973–)
クラリネット五重奏曲
イェルク・ヴィトマン(クラリネット)
ハーゲン四重奏団
ルーカス・ハーゲン(第1ヴァイオリン)
ライナー・シュミット(第2ヴァイオリン)
ヴェロニカ・ハーゲン(ヴィオラ)
クレメンス・ハーゲン(チェロ)
録音 2019年2月23日–26日 ゼンデザール(ブレーメン、ドイツ)
「ザルツブルクで私たちが共演したブラームスの五重奏曲が特別な経験だったため、ただ録音しておかねばならない、とにかくやるしかないと思った」(イェルク・ヴィトマン)というブラームスの《クラリネット五重奏曲》(Myrios Classics MYR 007)につづく、ヴィトマンとハーゲン四重奏団のコラボレーション。
ヴィトマン Jörg Widmann の《クラリネット五重奏曲》は、2009年にハーゲン四重奏団から依頼された作品です。作曲に着手して17小節まで書いたところで「音楽の歴史……突然、重荷に見えてきた」という理由から先に進めず、2017年になってやっと完成されました。「静寂」をベースにした長大な「アダージョ」の作品には、ブラームスとモーツァルトの五重奏曲の断片もモチーフと主題の素材として使われています。
マドリードの「Centro Nacional de Difusión Musical」、アムステルダムの「Muziekgebouw」、「Strijkkwartet Biennale Amsterdam(アムステルダム弦楽四重奏ビエンナーレ)」、スイスの「LuganoMusica」、カーネギーホール、「Cité de la Musique Paris(シテ・ド・ラ・ミュジーク・パリ)」、「Stiftung Mozarteum Salzburg,(ザルツブルク・モーツァルテウム財団)」、「Philharmonie Essen(フィルハルモニー・エッセン)」、ウィグモアホールの共同委嘱作。2018年1月27日、ヴィトマンとハーゲン四重奏団によりマドリードで初演されました。
ハーゲン四重奏団によるモーツァルトの五重奏曲は、これが3回目のCD録音です。最初がザビーネ・マイヤーと共演した1986年6月のロッケンハウス音楽祭のライヴ録音(Philips 434 032-2)、次が、その翌年、エドゥアルト・ブルンナーの共演によるスタジオ録音(DG 419 600-2)。ともにアネッテ・ビクが第2ヴァイオリンを弾いていたころの演奏です。第2ヴァイオリンがライナー・シュミットに替わってからは、2000年のザルツブルク・モーツァルト週間のステージを収録した映像(Medici Aarts/Euroaarts 2072318)をのぞき、今回が初めてです。
価格 2,970円(税込価格)(本体価格 2,700円)
『メルケル・メルケシュ』
Ondine ODE 1418-2 classical
H・メルケル・メルケシュ(1882–1961)
ケルメス(La Kermesse)(1920)(ルーベンスの絵画による交響詩)
交響詩《エレジー(Élégie)》 Op.15(1919)
交響曲 ニ短調 Op.19(1925)
イェヴレ交響楽団 ハイメ・マルティン(指揮)
録音 2022年6月13日–16日(交響曲)、12月17日–18日 イェヴレ・コンサートホール(イェヴレ、スウェーデン)
20世紀前期スウェーデン音楽アンソロジー「Musica Sveciae Modern Classics」で紹介された作曲家のひとり、メルケル・メルケシュの管弦楽作品集。
H・メルケル・メルケシュ H. Melcher Melchers(1882–1961)は、ストックホルム生まれ。1903年に音楽教師の資格を得てストックホルム音楽院を卒業、ユーハン・リンドグレーンの下で対位法と作曲法を学びつづけました。1905年にパリに旅行し、ピアノ教師として生計を立てながら、1908年から1912年までの間、パリ音楽院でジョルジュ・コサードの対位法のクラスで学びました。パリで知り合った音楽家たちと交流し、1916年に創設された芸術家協会「Lyre et Palette」で「音楽監督」を務めました。このグループには、マティス、ドラン、モディリアーニ、ピカソたち画家、アポリネールやサンドラールといった文学者、作曲家ではサティ、オネゲル、ミヨー、プーランクが参加していました。帰国後は、ストックホルム音楽院(王立ストックホルム音楽大学)で和声法を教え、ドイツ音楽の影響の強かった当時の音楽シーンの表舞台から離れたところで作品を作りました。1929年にストックホルムで開催された「国際現代音楽協会(ISCM)」のコンサートで演奏された《ヴァイオリン・ソナタ》(Phono Suecia PSCD 705)が代表作に挙げられています。
このディスクで演奏される、ルーベンスの『ケルメス、または村の婚礼(La kermesse ou Noce de village)』による《ケルメス》と母クリスティーヌを亡くした後に書いた《エレジー》の交響詩は、特にフランス音楽の影響の濃い作品。《交響曲 ニ短調》は、「アレグロ・モデラート」「アンダンテ・モルト・ソステヌー」「アレグロ・モルト・ブリランテ・エド・エネルジーコ」の3楽章の構成。1926年のストックホルム・コンサートホールの柿落としコンサート・シリーズで初演されました。イェヴレ交響楽団とハイメ・マルティンによる演奏は、マッツ・ロンディン指揮ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニック管弦楽団(PSCD 717)に次ぐ録音。《ケルメス》と《エレジー》は初録音の作品です。
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)
『I Watch You Sleep』
Stunt Records STUCD 23012 jazz
『I Watch You Sleep』
I Watch You Sleep(Claire Martin)
Autumn in New York(Vernon Duke)
It’s Only a Paper Moon(Harold Arlin/Yip Harburg/Billy Rose)
For Ev’ry Man There’s a Woman – It Was Written in The Stars
(Harold Arlen/Leo Robin)
Round About
I’ll Always Leave the Door a Little Open(Richard Rodney Bennett/
Johnny Mandel/Franklin Roosevelt Underwood)**
I Wish I’d Met You(Richard Rodney Bennett/Johnny Mandel/
Franklin Roosevelt Underwood)**
Don’t Play Games with Love ** Goodbye for Now(P.O.D.)
Early to Bed I Never Went Away(Richard Rodney Bennett)
Let’s Go and Live in the Country(Richard Rodney Bennett)
Not Exactly Paris(Nancy laMott)
My Ship(Kurt Weill/Ira Gershwin)*
I Wonder What Became of Me(Harold Arlin/Johnny Mercer)†
It Was Written in the Stars(Harold Arlin/Johnny Mercer) †
クレア・マーティン(ヴォーカル)
ロブ・バロン(ピアノ) マット・スケルトン(ドラム)
ジェレミー・ブラウン(ベース)
ライアン・キグリー(フリューゲルホルン)
ロイヤル・フィルハーモニック管弦楽団
スコット・ダン(指揮、ピアノ †)
編曲・オーケストレーション スコット・ダン、スコット・ダン&リチャード・ロドニー・ベネット *、ロブ・バロン&スコット・ダン **
録音 2022年8月24日–25日 ブラックヒース・コンサートホール(ロンドン、イングランド)
2018年の「ベスト・ヴォーカリスト賞」をはじめ「英国ジャズ賞(Brtiish Jazz Awards)を8回受賞したイギリスのジャズ・ヴォーカリスト、クレア・マーティン Claire Martin の Stunt Records 第3作。イギリスの作曲家、ミュージシャンのリチャード・ロドニー・ベネット Richad Rodney Bennett(1936–2012)へのトリビュート・アルバムとして作られ、2012年からハリウッド・ボウル管弦楽団のアソシエイト・コンダクターを務め、ピアニストでもあるアメリカのスコット・ダン Scott Dunn が、ロイヤル・フィルハーモニック管弦楽団を指揮して共演しています。
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)
『12の初演作品(12 Premieres)』
Alba ABCD 519 1-2 2CD’s contemporary/classical
[Disc 1]
セシーリア・ダムストレム(1988–)
Epitaph(墓碑銘)(2018)
イラリ・ラークソ(1952–)
Häivä(におい)(2017)
マティルダ・セッパラ(1993–)
Inner(内部の)(ピアノとエレクトロニクスのための)
ペトリ・ニエミネン(1965–)
Aleppo2017(アレッポ2017)
ローペ・マエンパー(1990–)
Kolloidi(コロイド)(2018)
パーヴォ・コルピヤーッコ(1977–)
Last Night It Was Visited By Laura Palmer
(昨夜、ローラ・パーマーが訪ねてきた)
[Disc 2]
ヤンネ・サルメンカンガス(1984–)
Fractum(裂け目)
トゥオマス・トゥラリアゴ(1979–)
Somber(薄暗い)(2017)
ミンナ・レイノネン(1977–)
Rememoro(私は覚えている)(2018)
ヘンリ・ソッカ(1989–)
Völjy(オイル)(2018)
ヤミ・キアント(1991–)
Häviöjuhlat(喪失祝い)(2019)
ヨンネ・ヴァルトネン(1976–)
14.4k Handshake(14.4k ハンドシェイク)
ヴィッレ・ハウタカンガス(ピアノ)
[楽器 Piano: Steinway D/Yamaha C3 Silent]
ライヴ・エレクトロニクス テロ・コスキ
ディジタル・ピアノサウンド ヨンネ・ヴァルトネン
録音 2021年7月24日–28日 タンペレホール、小ホール(タンペレ、フィンランド)
制作・録音エンジニア・編集・マスタリング マルック・ヴェイヨンスオ
『12の初演作品(12 Premieres)』は、フィンランドのピアニスト、ヴィッレ・ハウタカンガス Ville Hautakangas(1978–)によって企画されたプロジェクトです。彼が、フィンランド文化財団のピルカンマー行政区基金を受け、5分程度の演奏時間の曲を12人の作曲家に委嘱、寄せられた作品を2019年から2021年にかけて3回のコンサートで演奏しました。委嘱を受けた作曲家のほとんどはタンペレ応用科学大学(TAMK)や前身の学校で学んだということで繋がり、何人かはヨウニ・カイパイネンのクラスの学生だったという共通点をもっています。
12の作品は、広い音のレンジ、ダイナミックスの大きさ、ポリフォニー、クラスターにみられるような音の塊による表現の可能性など、ピアノの特徴を活かし、さまざまなスタイルで書かれています。セシーリア・ダムストレム Cecilia Damström の《Epitaph(墓碑銘)》は、彼女の師であり友人だったヨウニ・カイパイネン(1956–2015)を追悼した作品。イラリ・ラークソ Ilari Laakso の《Häivä(におい)》は、スペインの港町カディスの大聖堂前広場からインスピレーションを得て作曲されました。ピアノの「内部の音」をエレクトロニクスによって増幅、拡大して「マジックボックス」の中心を探ったマティルダ・セッパラ Matilda Seppälä の《Inner(内部の)》。ペトリ・ニエミネン Petri Nieminen が、戦争の苦痛と怒りに対して感情が昂ったまま書いた《Aleppo2017(アレッポ2017)》。ローペ・マエンパー Roope Mäenpää が「木と森の間の不思議な作用」に触発されたという《Kolloidi(コロイド)》。パーヴォ・コルピヤーッコ Paave Korpijaakko の《Last Night It Was Visited By Laura Palmer(昨夜、ローラ・パーマーが訪ねてきた)》は、デイヴィッド・リンチ監督の『ツイン・ピークス』の「夢想のロジック」がインスピレーションになった作品です。
ヤンネ・サルメンカンガス Janne Salmenkangas は、蜘蛛の巣から音楽の構造のアイデアを得て《Fractum(裂け目)》を作曲。トゥオマス・トゥラリアゴ Tuomas Turriago の「短調のややメランコリックな調性にラテンのリズムとジャズ感覚を織りこんだ」《Somber(薄暗い)》。ミンナ・レイノネンMinna Leinonen が《Rememoro(私は覚えている)》を作曲したのは、記憶喪失になった家族の回想録を書いている時だったといいます。ヘンリ・ソッカ Henri Sokka の「明るく楽しい」《Völjy(オイル)》。ヤミ・キアント Jami Kianto の「矛盾した表現」《Häviöjuhlat(喪失祝い)》。《14.4k Handshake(14.4k ハンドシェイク)》は、作曲者ヨンネ・ヴァルトネン Jonne Valtonen 自身が「ディジタル・ピアノサウンド」を手がけた作品です。
ヴィッレ・ハウタカンガス(1978–)は、ラプアのカウハヤルヴィ生まれ。ピルカンマー応用科学大学とハンス・アイスラー音楽大学ベルリンでマルッティ・ラウディオ、ラウリ・ヴァインマー、ゲオルク・サヴァに学び、リーサ・ポホヨラ、テッポ・コイヴィストたちにも師事しました。2002年からタンペレ・フィルハーモニック管弦楽団で演奏し、タンペレ音楽院とタンペレ応用科学大学に伴奏ピアニストとして勤めています。現代音楽アンサンブル「タンペレロー TampereRaw」に参加、フリーランスの写真家としても活動しています。
価格 4,400円(税込価格)(本体価格 4,000円)
『いとしい君の近くで(Armaan läheisyys)』
Alba NCD 61 classical
エーリク・フォルデル(1917–1981) アカペラ男声合唱作品集
五月の歌(Majsång) 宣戦布告(Krigsförklaring)
静かな神殿の歌が聞こえる(Jag hör som stilla tempelsång)
日がな一日カッコウが歌っている(Göken galer dagen lang)
エレンに寄せて(Till Ellen)*
一編の詩(En visa) 炎が消え(Rökarna slokna)
花咲くアーモンドの木のように(Som ett blommande mandelträd)
夜(Natt)* 尽きない悩みのこと(Av ständig oro)
いとしい君の近くで(Armaan läheisyys)
フランスの恋の歌(Ranskalainen rakkauslaulu)
そうさ俺の畑には六頭の雄牛がいた(Ja härkiä mull’ oli kuus’)
夜想曲(Nocturn) 夏に別れを(Hyvästit kesälle)
いなかの人へ(Till en lantman)**
春といっても身を切るような寒風が吹いていた
(Våren var mest en betande blåst) Op.35b no.2
ロマンス(Romans) モデル(Modellen)
別れについて(Erotessa)*** 愛の小説(Kärleksroman) Op.34 no.1
回転木馬(Hästkarusell) Op.34 n.5 夕べに(Illalla) Op.34 no.8
ブルース(Blues) ルイット・オーラ(Ruit Hora)***
ラウル・ミエヘト マッティ・ヒョッキ(指揮)
トゥオマス・カタヤラ(テノール・ソロ)*
マッティ・トゥルネン(バス・ソロ)**
アールネ・ペルコネン(バリトン・ソロ)***
録音 2020年2月1日–2日、2021年10月9日–10日、2022年10月29日–30日 リーヒマキ守備隊教会(Riihimäen varuskuntakirkko)(リーヒマキ、フィンランド)
制作 ラウラ・ヘイキンヘイモ
録音エンジニア マッティ・ヘイノネン
男声合唱団「ラウル・ミヘヒト Laulu Mielet」(歌う男たち)がマッティ・ヒョッキ Matti Hyokki の指揮でフィンランドの合唱音楽を録音で記録するシリーズ。エルッキ・メラルティンの男声合唱曲の全作品(NCD 60)につづき、エーリク・フォルデルの100曲を超える合唱作品から男声合唱のための25曲を歌ったアルバムが制作されました。
エーリク・フォルデル Erik Fordell(1917–1981)は、スウェーデン系フィンランドの作曲家です。ベンクト・カールソンとアーレ・メリカントに作曲、ユッシ・ヤラスにオーケストラ指揮、レオ・フンテクにオーケストレションを学びました。ヘルシンキの教会音楽学校を卒業後、1940年代、シベリウス・アカデミーで作曲の研究を続けました。フィンランド・モダニズムが主流になる1950年代に登場した世代に属しながら、急進的な作曲家たちの不寛容を嫌い、特定の流派に属さないスタイルで作曲。故郷のオストロボスニア地方のコッコラでミュージック・ショップの経営で生計を立て、指揮者とピアノ教師としての活動を行いながら、44曲の交響曲、ピアノのための5曲をはじめとする協奏曲、室内楽曲、ピアノ曲とオルガン曲、合唱曲と歌曲など、多くの作品を作りました。弦楽オーケストラのために1952年に書いた《民謡の調子で(I folkton)》が、オストロボスニア室内管弦楽団の録音(ABCD 380)など親しまれています。
この男声合唱アルバムでは、ウッレ・ヤーコブソンの詩に作曲した1948年の《五月の歌》から、ノーベル文学賞を受けたジョズエ・カルドゥッチが「ワイン」を詠った詩による1980年の《ルイット・オーラ》まで、スウェーデン語とフィンランド語のテクストに作曲された、初期から晩年までの作品が作曲年順に歌われます。
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)
『アルメニアのチェロ協奏曲』
BIS SACD 2648 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) classical
アラム・ハチャトゥリヤン(1903–1978)
チェロ協奏曲 ホ短調(1946)
アルノ・ババジャニヤン(1921–1983)
チェロ協奏曲(1962)
ミシェル・ペトロシヤン(1973–)
チェロ協奏曲《8.4》(2021)
アレクサンドル・シャウシヤン(チェロ)
アルメニア国立フィルハーモニック管弦楽団
エドゥアルド・トプチヤン(指揮)
録音 2022年1月24日–27日、3月19日–20日(ペトロシヤン) アラム・ハチャトゥリヤン・ホール(エレヴァン、アルメニア)
制作・録音エンジニア マルセル・ババザデ
アルメニア三世代の作曲家のチェロ協奏曲。ジョージア(グルジア)でアルメニア一家に生まれたハチャトゥリヤン Aram Khachatrian の《チェロ協奏曲 ホ短調》は、第二次世界大戦後の1946年の作品です。アルメニアとジョージアの民俗的要素を巧みに使い。シンフォニックな規模で書かれています。「ノスタルジーと深い悲劇的感情にあふれ、到達点のないままいつまでも探求をつづける感覚を伝える」(アレクサンドル・シャウシヤン)。ソビエト連邦時代の1962年に作曲されロストロポーヴィチに捧げられたアルノ・ババジャニヤン Arno Babajanian の《チェロ協奏曲》は、緩急緩の3つの部分からなる単一楽章の作品です。異なる性格の3つの旋法パターンをベースにアルメニア民俗音楽と民話に根ざした明確なイントネーションで全体が貫かれています。
ミシェル・ペトロシヤン Michel Petrossian は、1973年、アルメニアの首都エレヴァンの生まれ。パリ国立高等音楽舞踊学校でチェロとギターを学び、2001年に卒業しました。文献学と古言語への興味から、パリ・カトリック大学の古代オリエント言語文明学校とソルボンヌ大学で古代ヘブライ語、古代ギリシャ語、古典アルメニア語などを学んでいます。《8.4》の曲名をつけた「チェロ協奏曲」は、『創世記』の8章4節の「第七の月の十七日に箱舟はアララト山の上に止まった」(新共同訳)をコンセプトにした作品です。アルメニア語で「大アララト山」(5,165m)の〈Massia〉と「小アララト山」(3,925m)の〈Sis〉の「緩急の2つの楽章が切れ目なく演奏され、「8.4」は、それぞれの演奏時間も表しています。第1楽章にはビザンツとアルメニアの典礼音楽が素材に使われ、アララト山の聖性が示されます。この作品は、シャウシヤン Alexander Chaushian とアルメニア国立フィルハーモニック管弦楽団と指揮者エドゥアルド・トプチヤン Eduard Topchjan に献呈されました。
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)
『Symmetria Pario: Creation』
Yarlung YR-84165 contemporary/classical
クラリス・アサド(1978–)
Symmetries
メフメト・サンリコル(1974–)
Seven Sufi Vignettes
馬渕侑子
Evolution of the One
リッキー・ケジ(1981–)
Arambhah
アダム・ナイト・ギルバート(1961–)
Triptych at the Beginning of Time
セシーリア・ダムストレム(1988–)
Cura
ハリソン・バートウィッスル(1934–2022)
Oockooing Bird
ミッシー・マッツォーリ(1980–)
Dissolve, O my Heart(ピアノ・ソロのための)
ハナ・ケンドール(1984–)
Weroon Weroon(ヴァイオリン・ソロのための)
ペッカ・クーシスト(ヴァイオリン)
ヨーナス・アホネン(ピアノ)
録音 2022年8月5日–7日 Samueli Theater at Segerstrom Center for the Arta(コスタメサ、カリフォルニア州)
エグゼクティヴ・プロデューサー ラッセル・ウォード
フィンランドのヴァイオリニスト、ペッカ・クーシスト Pekka Kuusisto(1976–)と、彼も参加したアイヴズの『コンコード・ソナタ』(BIS SA-2249)のピアニスト、ヨーナス・アホネン Joonas Ahonen(1984–)の共演によるアルバム『Symmetria Pario: Creation』。音楽に表現される宇宙の起源、世界の異なる文化のさまざまな創造の物語によって「物事の始まり(beginnings of things)」を探ってみたという企画です。
「創造の物語」を語る9人の作曲家。ブラジルのクラリス・アサド Clarice Assad 、トルコのメフメト・サンリコル Mehmet Sanlikol、日本の馬渕侑子、インドのリッキー・ケジ Ricky Kej、アメリカのアダム・ナイト・ギルバート Adam Knight Gilbert とミッシー・マッツォーリ Missy Mazzoli、フィンランドのセシーリア・ダムストレム Cecilia Damström、イギリスのハリソン・バートウィッスル Harrison Birtwistle とハナ・ケンドール Hannah Kendall と、それぞれに文化的背景をもった音楽家たちです。9曲のうち6曲は、このアルバムのための「世界の創造の瞬間」をイメージした音楽として委嘱されました。
価格 2,750円(税込価格)(本体価格 2,500円)

