December 2022
『ユグドラシル(Yggdrasil)』
2L 2L 170SABD Blu-ray Audio Disc + SACD hybrid contemporary/classical
ヘンニング・ソンメッロ(1952–)
牡鹿(Hirtir)
アンデシュ・エーデンロート(1963–)
樹の歌(Tree Song)
マリアンネ・ライダシュダッテル・エーリクセン(1971–)
今、女が世界に樹を植える(No plantar)
エルルン・ユースタ(1965–)
母に捧げる三つの詩(Tre vers til mor)
クリスティーン・ドンキン(1976–)
円(Sirkel)
エリック・ウィリアム・バーナム(1979–)
ユグドラシル(Yggdrasil)
ハリングダール民謡(ラグナル・ラスムセン(1966–) 編曲)
天の砦を知っている(Eg veit i himmerik ei borg)
トリュグヴェ・ブロスケ(1973–)
ラタトスクル(Ratakoskr)
松下耕(1951–)(アイヌ伝承の旋律と詩)
カムイ(Kamuy)
ミア・マカロフ(1970–)
詩編9番(Psalm 9)
エリック・ウィリアム・バーナム(1979–)
満天の星(Heaven Full of Stars)
カントゥス
トーヴェ・ラムロ=ユースタ(指揮)
録音 2018年–2021年 ラーデモーエン教会(トロンハイム、ノルウェー)
制作・バランスエンジニア・編集・ミクシング・マスタリング モッテン・リンドベルグ
[DXD(24bit/352.8kHz)録音]
[Disc 1: SACD hybrid (5.1 multichannel DSD/2.0 stereo DSD) RedBook PCM: MQA CD][Disc 2: Blu-ray: 2.0 LPCM (192kHz/24bit), 5.1 DTS HD-MA (192kHz/24bit), 7.1.4. Auro-3D (96kHz), 9.1.4. Dolby Atmos (48kHz), mShuttle: MQA + FLAC + MP3 Region: ABC worldwide]
『Spes - 希望』(2L 110SABD)が話題を呼んだノルウェーの女声合唱団「カントゥス Cantus」の新作『イグドラシル』。北欧神話の「世界樹」をテーマに作られました。豊かに茂り複雑に絡み合うトネリコの木からインスピレーションを得て作曲された多様な音楽語法と表現の作品が歌われます。
ヘンニング・ソンメッロ Henning Sommerro(1952–)の《牡鹿》は、古代北欧語の詩集『エッダ』の「グリームニルの歌(Grímnismál)」の一節をテクストに作曲された作品です。「四頭の牡鹿もいて、彼らは首をうしろにまげ、樹の皮から若芽をむしって食べている……」。ザ・リアル・グループのメンバーだったアンデシュ・エーデンロート Anders Edenroth(1963–)の《樹の歌》は、神話の「樹」を現代の気候変動になぞらえて作詞作曲されました。マリアンネ・ライダシュダッテル・エーリクセン Marianne Reidarsdatter Eriksen(1971–)は、第二次世界大戦で荒廃した土地に樹を植える女の姿に希望を見るハルディス・モーレン・ヴェソース(1907–1995)の詩に作曲。美しいメロディで知られるシンガーソングライター、エルルン・ユースタ Ellrun Ystad(1965–)の《母に捧げる三つの詩》もヴェソースの詩に作曲されました。
クリスティーン・ドンキン Christine Donkin(1976–)は、カントゥスのメンバーが、合唱に対する挑戦的な姿勢が刺激的だと言っているカナダの作曲家です。世界樹を語る《円》は、カントゥスが彼女から求められて歌詞を書いた作品です。アメリカのエリック・ウィリアム・バーナム Eric William Barnum(1979–)は、2曲。スウェーデンの詩人ヴィクトル・リュードベリ(1828–1895)の詩に作曲された《ユグドラシル》とアメリカのサラ・ディーズデール(1884–1933)の詩による《満天の星》。ラグナル・ラスムセン Ragnar Rasmussen(1966–)の《天の砦を知っている》は、ノルウェー民謡をアレンジした作品です。トリュグヴェ・ブロスケ Trygve Brøske(1973–)の《ラタトスクル》は、鷲のことばを運ぶためにユグドラシルの上をかけまわるリスを描いたアリス・メージャー(1949–)の詩に作曲されました。
松下耕(1962–)は、指揮者のトーヴェ・ラムロ=ユースタ Tove Ramlo-Ystad と長年の友情で結ばれる音楽家のひとり。「アイヌ伝承の旋律と詩」による《カムイ》をこのアルバムに寄せています。フィンランドのミア・マカロフ Mia Makaroff(1970–)の《詩編9番》は、パレスチナの詩人マフムード・ダルウィーシュ Mahmoud Darwish(1941–2008)の詩がテクストです。イスラエルに占領された祖国を離れねばならない、その悲しみと祖国への愛を歌った作品です。
録音セッションは、トロンハイムのラーデモーエン教会で2018年から2021年にかけて5回に分けて行われました。アルバム《幸いなるかな》(2L 171SABD)が「第65回グラミー賞」(2023)の「ベスト・イマーシヴ」と「ベスト・エンジアド」のアルバム部門にノミネートされたモッテン・リンドベルグ Morten Lindberg のプロダクションによる録音です。
価格 4,675円(税込価格)(本体価格 4,250円)
Pure Audio Blu-ray ディスクと SACD ハイブリッドディスクをセットにしたアルバムです。Pure Audio Blu–ray ディスクにはインデックスを除き映像は収録されていません。SACD ハイブリッドディスクはSACDブレーヤーとCDプレーヤーで再生できますが、Pure Audio Blu-ray ディスクはCDやDVDのプレーヤーでは再生できないので、Blu–ray プレーヤーもしくは Blu–ray 対応のPCをお使いください。
『J・S・バッハ フルート作品集 第1集』
Alba ABCD 469 classical
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685–1750)
フルートと通奏低音のためのソナタ ホ短調 BWV 1034
フルートと通奏低音のためのソナタ ホ長調 BWV 1035
パルティータ イ短調 BWV 1013(ソロ・フルートのための)
フルートとオブリガート・キーボードのためのソナタ ト短調 BWV 1020
フルートとオブリガート・キーボードのためのソナタ 変ホ長調 BWV 1031
サミ・ユンノネン(フルート)
マルック・マキネン(オルガン)
[楽器 Flute: Muramatsu 24-carat handmade/Organ: Kangasalan Urkurakentamo 1990]
録音 2015年10月28日–11月4日、2016年4月11日–14日 ナーンタリ教会(ナーンタリ、フィンランド)
制作 サミ・ユンノネン
録音エンジニア・編集・マスタリング ミカ・コイヴサロ
バロック時代の室内楽と器楽の作品は、演奏のたびに異なる楽器が使われ、楽譜が再利用されることも行われていたました。バッハの「フルート・ソナタ」は、本来は木製のトラヴェルソ・フルートで演奏され、チェンバロとヴィオール、あるいはその他の低音楽器が共演していたとされます。フィンランドのサミ・ユンノネンとマルック・マキネンのこのアルバムは、24カラット・ゴールドのフルートと、現代フルートに合わせてチューニングしたナーンタリ教会の17世紀オランダ様式のオルガンで演奏されます。
サミ・ユンノネン Sami Junnonen(1977–)は、ヘルシンキのシベリウス・アカデミー、リヨン国立高等音楽舞踊学校、王立デンマーク音楽アカデミーで学びました。2012年、ヘルシンキ・ミュージックセンターでデビュー・リサイタルを行い、2018年、テキサス州のヒューストン交響楽団でソロ・デビューしました。アイスランド交響楽団などの首席フルート奏者を経験。フィンランドのピルッカンマーでフルート・アカデミーを創設、芸術監督を務めています。
マルック・マキネン Markku Mäkinen(1973–)は、シベリウス・アカデミーのオッリ・ポルトハムに学び、オルガン演奏のディプロマを取得。修士号も持っています。2002年からシベリウス・アカデミーで教え、2007年から2016年までエストニアの教会音楽国際夏季アカデミーの芸術監督を務めました。
この第1集に収められたフルートとオブリガート・キーボードのための《ソナタ ト短調》(BWV 1020)と《ソナタ 変ホ長調》(BWV 1031)は、『バッハ作品目録』に収録されているものの、フルートと通奏低音のための《ソナタ ホ短調》などの作品とはスタイルが異なることから、多くの研究者からC・P・E・バッハあるいは同時代の人の手になる作品とみなされています。
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)
『Diagonal Music』
Alba ABCD 513 contemporary/classical
ブリッタ・ビューストレム(1977–)
Diagonal Musik(対角線の音楽)(2017)
(ヴァイオリン、ホルンとプリペアド・ピアノのための)
A Walk to Brahms(ブラームスへの散歩)(2019)
(ヴァイオリン、ホルンとピアノのための)
ヨハネス・ブラームス(1833–1897)
ホルン三重奏曲 変ホ長調 Op.40
2つの歌(Zwei Gesänge) Op.91(ヴィオラ、ホルンとピアノによる)
秘めたるあこがれ(Gestllte Sehnsucht)
聖なる子守歌(Geistliches Wiegenlied)
マーリン・ブルーマン(ヴァイオリン、ヴィオラ)
クリストファー・パークス(ホルン)
サイモン・クロフォード=フィリップス(ピアノ)
録音 2019年6月 ベールヴァルド・ホール(ストックホルム、スウェーデン)
制作・録音エンジニア・編集 マリオン・シュヴェーベル
マーリン・ブルーマン Malin Broman のヴァイオリン、クリストファー・パークス Christopher Parkes のホルン、サイモン・クロフォード=フィリップス Simon Crawford-Phillips のピアノ。スウェーデン放送交響楽団のコンサートマスター、首席ホルン奏者、客演指揮者のトリオによるアルバムです。
プログラムは、ブラームスの室内楽曲の最高傑作のひとつ《ホルン三重奏曲》を核に、スウェーデンのビューストレムが彼らの委嘱で作曲した《対角線の音楽》、彼女がこのアルバムのために書いた《ブラームスへの散歩》、ブラームスがアルト、ホルンとピアノのために書いた《2つの歌》が「エピローグ」としてヴィオラ、ホルンとピアノにより演奏されます。
ブリッタ・ビューストレム Britta Byström(1977–)の《対角線の音楽》は、スウェーデンのモダニスト画家、ウッレ・ベルトリング Olle Bærtling(1911–1981)の幾何学的図形の絵画からインスピレーションを得たという三重奏曲です。「きわめて明るい人工的色彩の三角形で構成されている。三角形の線は徐々に近寄りあいながら、ごく稀にしか交わらない。交わる点はフレームの外にあるように見える」。《対角線の音楽》は、ベルトリングが「オープン・フォーム」と呼んだこの概念を12の短い楽章に作った作品です。「音の対角線」とでもいえる効果を出すため、ヴァイオリンとホルンの音に似せて「プリペア」したピアノが演奏に使われます。
ビューストレムは、ひとつの作品から次の作品への「橋渡し」の小品として、目指す作品の素材を引用する『Walks(散歩)』シリーズを作曲してきました。デュオから大編成のオーケストラまで、これまでに20曲ほどが作られ、シューベルト、ブルックナー、シュトラウスの3つの曲が、コントラバス奏者リック・ストーティンの『Back to StockHome』(BIS SA-2379)で演奏されています。
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)
『Jam Pot(ジャムポット)- ピアノとソプラノのための作品』
Alba ABCD 518 contemporary/classical
イラリ・ラークソ(1952–)
Villa(ヴィラ)(2007)(ピアノのための4つの小品)
Presto(プレスト) In three tones(三音で)
Kuka huntua huiskuttaa?(誰がヴェールを振っているのか?)
Maestoso(マエストーゾ)
Jam Pot(ジャムポット)(2022)(クリス・ソルトの6つの詩)
(女性歌手、ピアニストと詩人のための)*
The Gap between My Fingers(わたしの指と指の隔たり)
Survival(生存) The Family Jam Pot(家族のジャムポット)
Villanelle(ヴィラネル) The Kiss(くちづけ) The Coda(コーダ)
Beyond(向こうに)(2016/22)(ピアノのための)
Writing These Poems(こうした詩を書いて)
(クリス・ソルトの4つの詩)(女声とピアノのための)
Writing These Poems(こうした詩を書いて)
Punctuation(パンクチュエーション)
At the Casa de Rebolfe(カーサ・デ・レボルフェにて)
It Landed on My Page and I Killed It with the Penguin Book of
Contemporary British Poetry
(私のページに止まったからペンギン版『現代英国詩』で叩いて死なせた)
From behind the Wallpaper(壁紙の向こうから)(2020)
(ピアノのための)
En tiedä milloin jäät ovat lähteneet
(いつ氷が消えてしまったか、私は知らない)(2021)
Isä on kuollut(父が死んだ)
Kuljemme ketjussa(鎖となって、歩く)
Lähdössä(旅立ちのとき) Anemone nemorosa(ウッド・アネモネ)
Olen laulanut(私は歌った)
ピア・フロイント(ソプラノ、シュプレッヒシュティンメ *)
アンア・ラークソ(ピアノ、シュプレッヒシュティンメ *)
クリス・ソルト(シュプレッヒシュティンメ *)
録音 2022年2月14日–18日 クーサーホール(クーサンコスキ、フィンランド)
制作 トゥイヤ・ハッキラ
録音エンジニア ヴァリストテレス・スタジオ(Varistoteles Studiot)
1960年代の後期、フィンランドの音楽シーンでモダニズムが脇に追いやられ、「古かったもの」に新しい道を求める人たちが台頭してきました。モダニズムの流れを嫌い、教えることに専念していたエイナル・エングルンドが作曲に復帰。ジャズやフォークミュージックの要素をコンテンポラリー・ミュージックに融合させる手法の作曲家や「自由調性」を重視する作曲家が演奏者と聴衆から注目されるようになりました。1952年生まれのイラリ・ラークソ Ilari Laakso もそうした作曲家のひとりです。
『Jam Pot(ジャムポット)』と題したアルバムには、「家族と親族、演奏者との関わり」という共通点をもつ3つの歌曲集と3つのピアノ曲が収録されています。作曲家マルティン・ヴェゲリウスが建て、現在、音楽関係者のレクリエーションと仕事の場として使われている「ヴィラ・ヴィーカン」に由来する《ヴィラ》。イギリスの詩人クリス・ソルト Chrys Salt の詩による《ジャムポット》と《こうした詩を書いて》。「隠れていて、ほとんど聞こえない」と「目に見えて、騒々しい」という生活の2つの状態による《向こうに》。「ヨウコ・トロネン教授を追悼」する《壁紙の向こうから》。「最後の歌曲 - リトヴァ・パルッシネンの詩による女声とピアノのための歌(Canzoni Domestici – Laulusarja naisäänelle ja pianolle Ritva Pärssisen runoihin)」《いつ氷が消えてしまったか、私は知らない》は、ラークソの姉妹、2021年に病気で亡くなったリトヴァ・パルッシネン Ritva Pärssinen が「家族」を詠んだ詩に作曲されました。
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)
『サン=サーンス』
BIS CD 2489 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) classical
カミーユ・サン=サーンス(1835–1921)
ヴァイオリン・ソナタ第1番 ニ短調 Op.75(1885)
ヴァイオリン・ソナタ第2番 変ホ長調 Op.102(1886)
幻想曲(Fantaisie) イ長調 Op.124(1907)
(ヴァイオリンとハープのための)
カミーユ・サン=サーンス(1835–1921)(スティーヴン・フィツパトリック 編曲)
子守歌(Berceuse) 変ロ長調 Op.38(1871)
(ヴァイオリンとハープのための)
セシリア・シリアクス(ヴァイオリン)
クリスチャン・イーレ・ハドラン(ピアノ)
スティーヴン・フィツパトリック(ハープ)
[楽器 Violin: N. Gagliano, on loan from Järnåker Foundation/Piano: Steinway D/Harp: Lyon & Healy]
録音 2021年5月11日–12日(ソナタ) 王立ストックホルム音楽大学 小ホール(Lilla salen)、2021年8月16日 ストックホルム(スウェーデン)
制作・録音 インゴー・ペトリ(ソナタ)、マリオン・シュヴェーベル
セシリア・シリアクス Cecilia Zilliacus とクリスチャン・イーレ・ハドラン Christian Ihle Hadland のふたりの「スター」の共演によるサン=サーンス。
《ヴァイオリン・ソナタ第1番》は、サン=サーンスがイギリス・ツアーのために作曲した「ピアノとヴァイオリンのためのグランド・デュオ」。1885年10月、サン=サーンスと作曲家オットー・パイニンガーがハダスフィールドで初めて演奏。リーズとロンドンで再演され、1886年1月9日のパリ初演でサン=サーンスと共演したパリ音楽院のマルタン・ピエール・マルシクに献呈されました。「アレグロ・アジタート」と「アダージョ」の第1の部分、「スケルツォの「アレグレット・モデラート」と無窮動の「アレグロ・モルト」の第2の部分で構成。高度な技巧の求められる上品で華麗な音楽のため、サン=サーンスの室内楽を代表する作品のひとつといわれます。
「8回演奏してやっと理解される……きわめて厳粛な室内楽作品」とサン=サーンス自身が語ったという《ヴァイオリン・ソナタ第2番》。彼が休暇で滞在していたイタリアのリヴィエラで作曲、ハープ奏者のクララとヴァイオリニストのマリアンネのアイスラー姉妹に献呈した《幻想曲》。簡素で穏やかな《子守歌》は、友人だった歌手ポーリーヌ・ヴィアルドの息子ポールに献呈された作品。ヴァイオリンとピアノのための原曲をスティーヴン・フィツパトリックがヴァイオリンとハープのために編曲した版で演奏されます。
スティーヴン・フィツパトリック Stephen Fitzpatrick は、北のウェールズ出身。ロンドンの王立音楽大学でマリサ・ローブルズ、ハーグの王立音楽院でエドヴァルト・ヴィツェンブルクに学び、シカゴのサラ・バレンとアムステルダムのエリカ・ヴァーデンブルクに私的に師事しました。ヨーテボリ歌劇場管弦楽団の副首席奏者、スウェーデン放送交響楽団の客演首席ハープ奏者を経て、シュターツカペレ・ベルリンの首席ハープ奏者を務め、室内楽奏者としても活躍しています。
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)
『プロイセン王四重奏曲』
BIS SACD 2558 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) classical
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756–1791)
弦楽四重奏曲第21番 ニ長調 K.575(1789)
弦楽四重奏曲第22番 変ロ長調 K.589(1790)
弦楽四重奏曲第23番 へ長調 K.590(1790)
キアロスクーロ四重奏団
アリーナ・イブラギモヴァ(ヴァイオリン)
パブロ・エルナン=ベネディ(ヴァイオリン)
エミリ・ホーンルンド(ヴィオラ)
クレール・チリオン(チェロ)
[楽器 Violin: Anselmo Bellosio c.1780/Violin: Andrea Amati 1570/Viola: Willems, c.1700/Cello: Carlo Tononi 1720]
録音 2020年11月23日–27日 スネイプ・モルティングズ「ブリテン・スタジオ」(スネイプ、イングランド)
制作 アンドルー・キーナー
録音エンジニア オスカー・トレス
ハイドン、ベートーヴェン、シューベルトの独自の解釈が評価されてきたキアロスクーロ四重奏団 Chiaroscuro Quartet が、「プロイセン王四重奏曲」と呼ばれるモーツァルトが作曲した最後の弦楽四重奏曲を録音しました。モーツァルトが、アマチュアのチェリストでもあったプロイセン王フリードリヒ・ヴィルヘルム二世に献呈するための6曲を予定したものの、「苦労の末に」3曲だけを完成させたという経緯のある曲集です。
同じ時期に書かれた歌劇《コジ・ファン・トゥッテ》の「地中海的」温かさを室内楽にもちこんだような、美しく流れる旋律が特徴の《ニ長調》。変ロ長調の《ピアノ協奏曲第27番》の「ラルゲット」の楽章を思わせる第2楽章が特に深い印象を残す《変ロ長調》。第27番の協奏曲や《クラリネット協奏曲》に通じる「秋」の気分を漂わせながらも「別れの言葉」とは程遠い、「無窮動」の楽章で曲を閉じる《へ長調》。
キアロスクーロ四重奏団は、16世紀から18世紀の楽器を使い、ハーゲン四重奏団をはじめとする「今」の弦楽四重奏団とは異なる「はるかな響き」の奥深いモーツァルトを聴かせます。「懐かしい」アンドルー・キーナー Andrew Keener(1954–)のプロダクションによるアルバムです。
価格 2,915(税込価格)(本体価格 2,650円)
『カーテンの後ろにいる人形』
BIS CD 2596 contemporary/classical
アミール・マヤル・タフレシプール(1974–)
室内オペラ《カーテンの後ろにいる人形(The Doll behind the Curtain)》(2015)
ヨーナタン・フォン・シュヴァーネンフリューゲル(テノール、メールダード)
シーネ・スネー・ドゥーアホルム(ソプラノ、ビーター)
エレノー・ヴィーマン(メゾソプラノ、母)
ヤコプ・ブロク・イェスパセン(バスバリトン、父)
ペア・バク・ニセン(バス、校長先生)
トマス・ストーム(バリトン、トンボー)
マリーエ・ドライシ(ソプラノ、ジゼル)
アテラス・シンフォニエッタ
カロリーナ・レード(フルート)
ライザ・ギブズ・フォックス(オーボエ)
アナ・クレト(クラリネット)
ニルス・アナス・ヴェステン・ラーセン(ファゴット)
トアビャアン・B・グラム(ホルン)
ティーネ・レーリング(ハープ)
アネ・スー(第1ヴァイオリン)
イディナ・リュツフフト(第2ヴァイオリン)
テーア・ヤーアンセン(ヴィオラ)
キム・バク・ディニセン(チェロ)
アストル・コルタバリア(コントラバス)
アイリク・ハウコース・オーデゴール(指揮)
録音 2020年12月14日 YMCAフェスティヴァルホール(KFUM Festsal)(コペンハーゲン)
制作 アミール・マヤル・タフレシプール、イェスパー・リュツフフト
録音エンジニア トーステン・イェセン
イラン系デンマークの作曲家アミール・マヤル・タフレシプール Amir Mahyar Tafreshipour(1974–)の《カーテンの後ろにいる人形》は、イラン初の現代室内オペラです。
舞台は1930年代のフランスのル・アーブルとテヘラン。2幕の作品です。「イランからの学生、恥ずかしがり屋で内向的な性格のメールダードは、ル・アーブルでリセの課程を終えたばかり。イランに帰る日を待っているころ、ジャンクショップで美しいマネキン人形を見つける。世知に長けた校長から別れ際の説教を聞かされた後、止むに止まれぬ気持ちで、トンボーという名の謎めいた店主と孫娘ジゼルのいる店を訪れ、雪花石膏でできたマネキンを買う……」。
イラン現代文学を代表する作家サーデク・ヘダーヤト Sadeq Hedayat(1903–1951)の同名の短編に基づきイギリスの劇作家ドミニク・パワー Dominic Power(1947–)が英語台本に執筆。2015年8月にロンドンのキングズ・プレースで行われた「テータテート・オペラ・フェスティヴァル(Tête è Tête Opera Festival)」で初演、2020年にコペンハーゲンの王立デンマーク歌劇場で上演されました。
タフレシプールの音楽は、ヨーロッパのモダニズムと東洋の伝統の音楽の間を自在に行き来しながら、「文明の衝突」の中ですべての個人が直面せざるを得ない選択の姿を確実に描いていきます。
メールダードを歌うテノールのヨーナタン・フォン・シュヴァーネンフリューゲル Jonathan von Schwanenflüge や婚約者ビーター役のソプラノのシーネ・スネー・ドゥーアホルム Signe Sneh Durholm をはじめ、王立デンマーク歌劇場の公演と同じキャスト。ノルウェーのアイリク・ハウコース・オーデゴール Eirik Haukaas Ødegaard も同公演の指揮者です。コペンハーゲンのYMCAフェスティヴァルホールでセッション録音されました。
[プロフィール]
アミール・マヤル・タフレシプール Amir Mahyar Tafreshipour(1974–)。イラン系デンマークの作曲家。デンマークのエスビェア音楽アカデミー、ロンドンのトリニティ音楽カレッジとギルドホール音楽演劇学校でピアノと作曲を学び、2016年、ロンドンのブルネル大学の作曲博士課程を修了。2003年、ソロ・ピアノ作品の《Images of Childhood(幼年時代の映像)》でテヘラン大学の新音楽作曲コンペティションで第1位を獲得。各国の主要なアンサンブル、ソリスト、オーケストラからの委嘱が多い。2022年、アングロ・ペルシアン石油会社とイラン在住イギリス人のストーリーに基づくオペラ《The Black Gold》を作曲中。
価格 2,805円(税込価格)(本体価格 2,550円)
『Woven Lights(織られた光)』
BIS CD 2625 contempoary/classical
ヴィート・パルンボ(1972–)
ヴァイオリン協奏曲(2015)
シャコンヌ(Chaconne)(2019–20)
(エレクトリック・ヴァイオリンとエレクトロニクスのための)
Woven Lights(織られた光)
The Glows in the Dark(闇の中の輝き)
フランチェスコ・ドラツィオ(ヴァイオリン、エレクトリック・ヴァイオリン)
ロンドン交響楽団
リー・レイノルズ(指揮)
フランチェスコ・アブレシア(ライヴ・エレクトロニクス)(シャコンヌ)
[楽器 Violin: Giuseppe Guarneri, Cremona 1711/Electric 5-string violin from Alter Ego (2007)/Electronics: Csound, Cycling ’74 MaxMSP]
録音 2016年9月17日 アビーロード・スタジオ 第1スタジオ(ロンドン、イングランド)、2021年1月19日–20日 モーラ・ディ・バーリ(イタリア)(シャコンヌ)
制作 アンドレア・ボッカドーロ、フランチェスコ・アブレシア(シャコンヌ)
録音エンジニア ルイス・ジョーンズ、フランチェスコ・アブレシア(シャコンヌ)
イタリアの作曲家ヴィート・パルンボ Vito Palumbo は、シエナのキジアーナ音楽院を卒業、ローマのサンタ・チェチーリア国立アカデミアの大学院でアツィオ・コルギに学びました。特別奨学生としてルチアーノ・ベリオに師事。ポストモダンの実験的作品からキャリアをスタートさせ、高評価を獲得するとともに数々の賞を受けました。室内楽の作品、イタロ・カルヴィーノの『木のぼり男爵』によるオペラ=モノローグ《Sinforosa》やエミリ・ディキンソンの詩に基づく室内オペラ《Comuni-canti》といった声楽作品を発表。近年は、大編成の管弦楽作品やソロ楽器とオーケストラの協奏曲などを数多く手がけ、RAI国立交響楽団、ロンドン交響楽団、スウェーデンのヤヴレ交響楽団によって演奏されています。パルンボは天文学に関心を寄せ、「無限の宇宙エネルギーにくらべれば、われわれは小さな孤立する点でしかない」ことを示すように、単一の長大な楽章の内に抽象的な「コア・サウンド」を見出すことに狙いを定めていると言われます。
このアルバムには、イタリアのバーリ生まれのヴァイオリニスト、フランチェスコ・ドラツィオ Francesco D’Orazio のソロによるパルンボのヴァイオリン作品が2曲、収録されています。《ヴァイオリン協奏曲》は、単一楽章で書かれた演奏時間約31分の作品です。「ベルクの名残」(ヴィート・パルンボ)のある「ほろ苦いリリシズム」の音楽。「『無』に始まり『無』に帰る」循環構造のスタイルがとられています。ロンドン交響楽団がリー・レイノルズ LeeRaynolds の指揮で共演しています。
《シャコンヌ》は、パルンボが緻密で正確な作曲技術とともに師コルギから受け継いだ、作曲の中心に音楽的「歴史の記憶」を置くという考えが、「過去の余韻」を思い起こさせる曲名に反映されています。〈Woven Lights(織られた光)〉と〈The Glows in the Dark(闇の中の輝き)〉の2楽章で書かれ、5弦エレクトリック・ヴァイオリンとエレクトロニクスにより演奏されます。バーリのニコロ・ピッチンニ音楽院で作曲と電子音楽を学んだフランチェスコ・アブレシア Francesco Abbrescia がライヴ・エレクトロニクスを担当しています。
2010年に「イタリア音楽評論家協会」の最優秀ソリストに授与されるアッビアーティ賞(Premio Abbiati)を受賞したドラツィオの初めての BIS 録音です。
価格 2,805円(税込価格)(本体価格 2,550円)
『ペーパームーン(Paper Moon)』
BIS SACD 2636 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) classical
マノス・ハジダキス(1925-1994) ギターのための歌曲の編曲
(ローラン・ディアンス(1955–2016)*、オレスティス・カランパリキス(1981–) 編曲)
Paper Moon(ペーパームーン)
The Urchins down in the Meadow(草地の浮浪児たち)
Hymettus(ヒュメットゥス)
The Postman Is Dead(郵便配達夫は死んだ)*
Noble Dame(高貴なご婦人) In This Boat(このボートの中で)
A Stroll to the Moon(月へ散歩に出かけよう)
The Coachman(御者) I Have a Secret(わたしには秘密がある)
Little Rallou(かわいいラルー) Wide Open Sea(大海原)*
Sweet Smell of Jasmine(ジャスミンの甘い香り)
レオ・ブローウェル(1939–)
Preludio de la Nostalgia(郷愁への前奏曲)(2020)
エレナ・パパンドレウ(ギター)
[楽器 Guitar: La Añorada, 1992, José Luis Romanillos]
録音 2022年2月6日–10日 聖ニコデモ教会(ベルリン、ドイツ)
制作・録音エンジニア マルティン・ナゴルニ
「ワシントン・ポスト紙」から「ギターの詩人」と呼ばれたアテネ生まれのエレナ・パパンドレウ Elena Papandreou の BIS Records 第4作。ニキータ・コシュキンのギター作品を弾いた第1作(BIS-1236)につづいて録音した『エレナ・パパンドレウ、ローラン・ディアンスを弾く』(BIS-1366)は、「われわれの時代のもっともインスピレーション豊かなギター作品の決定的な演奏が含まれる」(Classical Guitar Magazine)といった好評を得てきました。
『ペーパームーン』と題した新作は、彼女が若いころから友人たちに歌っては感動させたというマノス・ハジダキス Manod Hadjidakis(1925-1994)の作品とキューバのレオ・ブローウェル Leo Brouwer(1939–)の作品によるプログラムが組まれました。ハジダキスは、映画『日曜はダメよ』の主題歌が1961年の第33回アカデミー賞歌曲賞を受賞し世界的に知られ、映画音楽の作曲を手がけるとともに多くのポップソングを作りました。このアルバムでパパンドレウは、ハジダキスのポップソングの中からフランスの有名なギタリストで作曲家のローラン・ディアンス Roland Dyens(1955–2016)と彼にパリ国立高等音楽舞踊学校で学んだギリシアのギタリスト、オレスティス・カランパリキス Orestis Kalampalikis(1981–)による「ギター編曲」の12曲を演奏しています。
ディアンスが1997年の初めてのギリシア・コンサートでアンコールに弾いた《The Postman Is Dead(郵便配達夫は死んだ)》と彼がカランパリキスに手稿譜を献呈した《Wide Open Sea(大海原)》。ロマンティックな夜の香りの《Paper Moon(ペーパームーン)》。現代ギリシア社会を批判した《The Urchins down in the Meadow(草地の浮浪児たち)》。アテネを取り囲む山脈《Hymettus(ヒュメットゥス)》。女の悲しい物語《Noble Dame(高貴なご婦人)》。恋する人をひとり想う《In This Boat(このボートの中で)》と《A Stroll to the Moon(月へ散歩に出かけよう)》。恋の歌《The Coachman(御者)》。恋に落ちたティーンエイジの娘の《I Have a Secret(わたしには秘密がある)》。40人の勇ましい若者がひとりの美女の心をつかもうとする《Little Rallou(かわいいラルー)》。「決して甘くはない」とカランパリキスが語る《Sweet Smell of Jasmine(ジャスミンの甘い香り)》。「ハジダキスの歌を一枚のアルバムに作る」というディアンスとの夢を引き継いだカランパリキスが10曲の編曲を手がけました。
プログラムの最後、ブローウェルがハジダキスの《Nanourisma(子守歌)》からインスピレーションを得て作曲しパパンドレウに捧げた《郷愁への前奏曲》が演奏されます。
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)
『ステーンハンマル 弦楽四重奏曲全集』
BIS SACD 2709 3SACD’s hybrid (5.0 surround/stereo) classical
ヴィルヘルム・ステーンハンマル(1871–1927)
[Disc 1: SACD 2019]
弦楽四重奏曲第1番 ハ長調 Op.2(1894)
弦楽四重奏曲第2番 ハ短調 Op.14(1896)
[Disc 2: SACD 1659]
弦楽四重奏曲第4番 イ短調 Op.25(1904–09)
劇音楽《ロドレッツィは歌う(Lodolezzi sjunger)》 Op.39(1919)
- エレジー(Elegy) 間奏曲(Intermezzo)
弦楽四重奏曲第3番 ヘ長調 Op.18(1897–1900)
[Disc 3: SACD 2009]
弦楽四重奏曲第5番 ハ長調 Op.29《セレナード(Serenad)》(1910)
弦楽四重奏曲 ヘ短調(1897)
弦楽四重奏曲第6番 ニ短調 Op.35(1916)
ステーンハンマル四重奏団
ペーテル・オーロフソン(ヴァイオリン)
ペール・オーマン(ヴァイオリン)
トニー・バウアー(ヴィオラ)
マッツ・オーロフソン(チェロ)
録音 2013年12月、9月(Disc 1)、2011年4月、10月、2012年6月(Disc 2)、2012年12月、2011年10月(Disc 3) スウェーデン
制作・録音エンジニア トーレ・ブリンクマン
「言葉の響きを抱きしめる簡素な旋律……旋律から作られるハーモニー……旋律がすべてでなければならない……」。詩による音楽表現にについてステーンハンマル Wilhelm Stenhammar は、そう語ったと言われます。〈九月〉や〈スルタンの宮殿の庭で〉などの《3つの合唱曲》、A・T・イェッレルシュテットの詩による歌曲〈森で〉、オスカル・レーヴェッティンのテクストに作曲したバラード《フロレスとブランセフロール》、交響的カンタータ《歌》(BIS SA 2359)など、ステーンハンマルの詩を素材にした作品に彼のそうした信条がうかがえます。
ステーンハンマルの「旋律」の好みは、彼の器楽作品にも反映しています。交響曲第2番(BIS SA 2424)、ピアノ協奏曲第1番・第2番(Naxos 8.572259)、《2つの感傷的ロマンス》(BIS SA 2560)、そして6つの《弦楽四重奏曲》。これらの作品は、彼の人生の局面を映しながら、飾り気のない、さりげない旋律と歌にみちています。
作曲家の名を冠したステーンハンマル四重奏団の弦楽四重奏全曲の録音は、第3番・第4番(BIS SA 1659)と第5番・第6番(BIS SA 2009)が2013年、第1番・第2番(BIS SA 2019)が2014年にリリースされました。その3枚のディスクのクラムシェル・ボックス仕様によるセット化です。
価格 5,555円(税込価格)(本体価格 5,050円)
『パリの夜(Les nuits de Paris)』
Bru Zane BZ 2005 classical
ジュール・マスネ(1842–1912)
キャバレーのワルツ(Valse au cabaret)
(バレエ《鐘(Le Carillon)》から)
フロリモン・エルヴェ(1825–1892)
スペイン女とセギディーリャ(Espagnoles et Séguedille)
(バレエ《パリ万国博覧会(Paris Exhibition)》から)
ジャンヌ・ダングラ(1871–1915)
ワルツ《恋の目覚め(L’Amour s’éveille)》
イザーク・ストロース(1806–1888)
ポルカ《エベ(Hébé)》
テオドール・デュボワ(1837–1924)
不実な人のワルツ(Valse des âmes infidèles)
(バレエ《ラ・ファランドール(La Farandole)》から)
エミール・ワルトトイフェル(1837–1915)
ギャロップ《駿足(Grande Vitesse)》
シャルル・グノー(1818–1893)
トロイアの女の踊り(Les Troyennes)
(歌劇《ファウスト(Faust)》から)
ヴィクトラン・ジョンシエール(1839–1903)
ワルツ(Valse)(歌劇《騎士ジャン(Le Chevalier Jean)》から)
カミーユ・サン=サーンス(1835–1921)
ワルツ(Valse)(歌劇《銀の呼び鈴(Le Timbre d’argent)》から)
エミール・ワルトトイフェル(1837–1915)
スケートをする人々(Valse des patineurs)
アンブロワーズ・トマ(1811–1896)
歌劇《レイモン(Raymond)》序曲(Ouverture)
エルネスト・ギロー(1837–1892)
目隠し鬼のワルツ(Valse de Colin-Maillard)
(バレエ《グレトナ・グリーン(Gretna-Green)》から)
フィリップ・ミュザール(1792–1859)
猿のポルカ(Ouistiti-Polka)
レオ・ドリーブ(1836–1891)
ワルツ・レント(Valse lente)(バレエ《コッペリア(Coppelia)》から)
イザーク・ストロース(1806–1888)
オッフェンバックの《地獄のオルフェ》によるカドリーユ
(Quadrille sur "Orphée aux Enfers" d’Offenbach)
フロリモン・エルヴェ(1825–1892)
船酔いのワルツ(Valse du mal de mer)
(バレエ《英国のスポーツ(Sports in England)》から)
エミール・ワルトトイフェル(1837–1915)
ポルカ《美しい唇(Bella Bocca)》
レ・シエクル フランソア=グザヴィエ・ロト(指揮)
録音 2022年1月8日–9日 レイモン・デヴォ劇場(トゥルコアン、フランス)
フランソア=グザヴィエ・ロトのオーケストラ「レ・シエクル」が当時の楽器で演奏する、ミュージックホール「フォリー・ベルジェール」のダンスミュージックとオペラのバレエ・ミュージック。フランス語、英語、ドイツ語のライナーノートを載せた60ページを超えるカラー・ブックレットつきアルバム。
価格 2,860円(税込価格)(本体価格 2,600円)
『ルイ・シュポーア クラリネットと管弦楽のための作品全集』
cpo 555 151-2 2CD’s classical
ルイ・シュポーア(1784–1859)
[Disc 1]
クラリネット協奏曲第1番 ハ短調 Op.26
クラリネット協奏曲第2番 変ホ長調 Op.57
アルルーナの主題による変奏曲
(Variationen über ein Thema aus der Oper “Alruna”) WoO 15
ペーター・フォン・ヴィンターの歌劇《妨げられた奉献祭》の2つの主題によるポプリ
(Potpourri über Themen aus Winters Oper "Das unterbrochene Opferfest”) Op.80
[Disc 2]
ダンツィの主題による幻想曲と変奏曲
(Fantasie & Variationen über ein Thema von Danzi) Op.81
(クラリネットと弦楽四重奏のための)
クラリネット協奏曲第3番 へ短調 WoO 19
クラリネット協奏曲第4番 ホ短調 WoO 20
クリストフェル・スンドクヴィスト(クラリネット)
ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団
ジモン・ガウデンツ(指揮)
録音 2017年1月24日–27日(Op.26/Op57/WoO 19/Woo 20)、 2019年6月24日–28日 北ドイツ放送 Großer Sendesaal(ハノーファー、ドイツ)
クリストフェル・スンドクヴィスト Christoffer Sundqvist は、1978年、ストックホルム生まれ。2005年からフィンランド放送交響楽団の首席クラリネット奏者を務め、彼の世代を代表するプレーヤーのひとりに挙げられています。ソリストとしてもコンサートと録音活動を行い、セバスチャン・ファーゲルルンドの《クラリネット協奏曲》(BIS SA-1707)やノルドグレンの《交響曲第1番》《クラリネット、民俗楽器と小管弦楽のための協奏曲》(Alba ABCD 359)をはじめ現代曲のレパートリーを演奏したアルバムをリリースしてきました。ルイ・シュポーア Louis Spohr(1784–1859)の作品集。クラリネットと弦楽四重奏のための《ダンツィの主題による幻想曲と変奏曲》を含む、当時ドイツのヴィルトゥオーゾ、ヨハン・ジモン・ヘルムシュテット Johann Simon Hermstedt のために作曲された4つの協奏曲をはじめとするクラリネットと管弦楽のための全作品を演奏しています。
価格 4,785円(本体価格)(本体価格 4,350円)
『オレク・マルシェフ+ラヴェル』
Danacord DACOCD 904 classical
モーリス・ラヴェル(1875–1937) ソロ・ピアノのための作品全集 第2集
バレエ《ダフニスとクロエ(Daphnis et Chloé)》(ピアノのための編曲)
ダフニスの優雅で軽やかな踊り
(Danse gracieuse et légère de Daphnis)
交響的断章(Fragments Symphoniques)
ダフニスとクロエの情景(Scène de Daphnis et Chloé)
ソナティナ(Sonatine)(1903–05)
ハイドンの名によるメヌエット(Menuet sure le nom de Haydn)(1909)
夜のガスパール(Gaspard de la nuit)(1908)
ローマ賞コンクールのためのフーガ 変ホ長調
(Fugue pour le concours du Prix de Rome)
ローマ賞コンクールのためのフーガ ニ長調
(Fugue pour le concours du Prix de Rome)
オレク・マルシェフ(ピアノ)
オレク・マルシェフ Oleg Marshev によるラヴェルの第2集。優美な《ソナティナ》と《ハイドンの名によるメヌエット》の古典的気分から、「アロイジウス・ベルトランによるピアノのための3つの詩」をインスピレーションとする繊細とグロテスクの幻想世界《夜のガスパール》まで。《ダフニスとクロエ》の3つの場面の編曲と《ローマ賞コンクールのためのフーガ》の2曲を加えた、ラヴェルのピアノ音楽の広さを示すプログラム。
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)
『ホルンとピアノのための抒情音楽(Musique lyrique pour cor et piano)』
Danacord DACOCD 909 classical
ウジェーヌ・ボザ(1905–1991)
山頂で(Sur les Cimes)
カミーユ・サン=サーンス(1835–1921)
ロマンス(Romance) ホ長調 Op.67
ポール・デュカス(1865–1935)
ヴィラネル(Villanelle)
カミーユ・サン=サーンス(1835–1921)
ロマンス(Romance) へ長調 Op.36
ジェーン・・ヴィニェーリ(1913–1974)
ソナタ Op.7
ブライ・マリア・コロメル(1840–1917)
幻想曲-伝説曲(Fantaisie – Légende)
ポール・アンリ・ビュッセル(1872–1973)
カンテコール(Cantecor)
シャルル・ケクラン(1867–1950)
ホルン・ソナタ Op.70
クラウディオ・フリュッキガー(ホルン、ナチュラルホルン)
ガリャ・コラロヴァ(ピアノ)
録音 王立デンマーク歌劇場(コペンハーゲン)
王立デンマーク管弦楽団のソロ・ホルン奏者クラウディオ・フリュッキガー Claudio Flückiger の「ホルン演奏の芸術」。フリュッキガーは、チューリヒの音楽院と歌劇場でラドヴァン・ヴラトコヴィチに学び、学士号と修士号を取得。チューリヒ歌劇場管弦楽団とグスタフ・マーラー・ユーゲント管弦楽団を経て、2011年に王立デンマーク管弦楽団に入団しました。デンマーク国営放送のピアニスト、ブルガリア出身のガリャ・コラロヴァ Galya Kolarova の共演。
価格 2,640円(税込価格)(本体価格 2,400円)
『鳥たちのコンサート(Le Concert des Oiseaux)』
Harmonia Mundi HMM 902709 early music/classical/contemporary
ヘンリー・パーセル(c.1659–1695)
鳥の前奏曲(A Birds Prelude)(《妖精の女王(The Fairy Queen)》から)
ヤン・ヤコブ・ヴァン・アイク(エイク)(c.1590–1657)
イギリスのナイチンゲール(Engels Nachtegaeltje)
(《笛の楽園(Der Fuyten Lust-hof)》から)
テオドール・シュヴァルツコプフ(1659–1732)
ナイチンゲールとカッコウの模倣によるソナタ
(Sonata all’imitatione del Rossignolo e del Cucco)
フランソワ・クープラン(1668–1733)(ラ・レヴーズ 編曲)
恋のナイチンゲール(Le rossignol en amour)(《クラヴサン曲集 第3巻》から)
ジャン=バティスト・ド・ブセ(1662–1725)(ラ・レヴーズ 編曲)
どうして、甘いナイチンゲール(Pourquoy doux Rossignol)
(《エール 第14巻》から)
ミシェル・ピニョレ・ド・モンテクレール(1667–1737)
さえずり(Les ramages)(《2つのフルートのためのコンセール第5番》から)
フランソワ・クープラン(1668–1733)(ラ・レヴーズ 編曲)
嘆くホオジロ(Les fauvetes plaintives)(《クラヴサン曲集 第3巻》から)
ミシェル・コレット(1707–1795)
カッコウ(Le Coucou)(《ミュゼットのための小品》から)
カミーユ・サン=サーンス(1835–1921)(ヴァンサン・ブショ(1966–)編曲)
森の奥のカッコウ(Le coucou au fond des bois)
(《動物の謝肉祭》から)
ベンジャミン・ブリテン(1913–1976)(ヴァンサン・ブショ(1966–)編曲)
カッコウ(Cuckoo!)(《金曜の午後》から)
ジャン=フィリップ・ラモー(1683–1764)(ヴァンサン・ブショ(1966–)編曲)
雌鳥(Le poule)(《新クラヴサン組曲》から)
カミーユ・サン=サーンス(1835–1921)(ヴァンサン・ブショ(1966–)編曲)
雌鳥と雄鳥(Poules et coqs)(《動物の謝肉祭》から)
モーリス・ラヴェル(1875–1937)(ヴァンサン・ブショ(1966–)編曲)
女王の陶器人形レドロネット(パゴダの女王レドロネット)
(Laideronnette, impératrice des pagodes)
ヴァンサン・ブショ(1966–)
絶滅危惧種の謝肉祭(Le Carnaval des animaux en péril)
前奏曲:センザンコウの悲しみ(Prélude. Tristesse du Pangolin)
アルマンド:ジャワスローロリス(Allemande. Le Loris de Javaj)
クーラント:昔の家禽ドードー(Courante. Le Dodo, volaille du passé)
間奏曲 1:レソミラ63(Interlude 1)
サラバンド:白フクロウと黒フクロウ、黒と白の音楽
(Sarabande. Le Harfang des neiges et le Harfang des mines, musique en noir et blanc)
ガヴォット:インドガビアル(ワニ)(Gavotte. Le Gavial du Gange)
間奏曲 2:レソミラ92(Interlude 2)
ヴァルス・ツイスト:ナマコ(Valse-twist. Le Concombre des mers)
ジグ:人類、その進化(Gigue. L'Être humain, sa fuite en avant)
ラ・レヴーズ
セバスティアン・マルク(リコーダー、フラジオレット)
野崎剛右(フラジオレット、リコーダー、ミュゼット、ゲムスホルン)
フロランス・ボルトン(バス・ヴィオール、パルドゥシュ・ヴィオール)
バンジャマン・ペロー(テオルボ、バロックギター)
ジャン・ミゲル・アリスティサバル(チェンバロ)
シルヴァン・ルメートル(マリンバ、ヴィブラフォーン、打楽器)
録音 2022年6月 サン=ジャン=ド=ブレイ・カトリック教会(パリ)、2022年1月 シテ・ド・ラ・ミュジーク(パリ)(絶滅危惧種)
フランスの古楽アンサンブル「ラ・レヴーズ(La Rêveuse)」の新作。パーセル、ヴァン・アイク…フランソワ・クープラン、ラモー…サン=サーンス、ブリテン、ラヴェル…ルネサンスの時代から20世紀の作曲家たちがそれぞれのスタイルで音楽にした「鳥のさえずり」と、フランスの作曲家ヴァンサン・ブショ Vincent Buchot がサン=サーンスの《動物の謝肉祭》に倣った「組曲」のスタイルで彼らのために作曲した《絶滅危惧種の謝肉祭》のプログラム。
ラ・レヴーズは、2004年、フロランス・ボルトン Florence Bolton とバンジャマン・ペロー Benjamin Perrot が、17世紀と18世紀の音楽遺産をレパートリーとするソロ・ミュージシャンを集めて創設。フランス、欧米、ロシア、日本と、各国をツアーでまわる活動をつづけています。
価格 2,970円(税込価格)(本体価格 2,700円)
『テンペスト(The Tempest)』
LAWO Classics LWC 1250 classical
アルネ・ヌールハイム(1931–2010)
バレエ《テンペスト(The Tempest)》組曲(1979)
(ソプラノ、バリトンと管弦楽のための)
穏やかな海(Calm Sea)
稲妻光り雷鳴轟く大嵐(Storm with Lightning and Thunder)
目覚め(Awakening)
魔法円(Magic Circle)
ラクリメ(Lacrymae)
迷路を歩いているようなもの(A Mazed Trod)
脚が四本、声ふたつ(Four Legs and Two Voices)
キャリバンの警告(Caliban’s Warning)
ベルゲン・フィルハーモニック管弦楽団
エドワード・ガードナー(指揮)
ベアーテ・モルダール(ソプラノ)
ジェレミー・カーペンター(バリトン)
録音 2021年8月16日–18日 グリーグホール(ベルゲン、ノルウェー)
制作・編集 ヴェーガル・ランドース
録音エンジニア・マスタリング トマス・ヴォルデン
[DXD(24bit/352.8kHz)録音]
アルネ・ヌールハイム Arne Nordheim(1931–2010)は、20世紀から21世紀のノルウェーでもっとも重要な作曲家として尊敬を集めました。モダニズムの技法による作品、エレクトロニクスを使った作品、伝統の語法による作品と、題材とインスピレーションによって幅広い手法を使い、2010年に没してノルウェー王国国葬で送られるまで、現役で作曲活動を続けました。シェイクスピアの戯曲に基づくバレエ《テンペスト(The Tempest)》は、ヌールハイムの音楽を代表する作品のひとつです。アメリカの振付師グレン・テトリー Glen Tetley とのコラボレーションによって作曲され、1979年にドイツで初演。1981年のベルゲン国際フェスティヴァルでノルウェー初演されました。「私の知るかぎり、シェイクスピアの全戯曲の中で『テンペスト』ほど音楽がひんぱんに登場して大きな役割を担う作品はない。それぞれの人物が音楽で性格づけられる。奴隷にされたキャリバンでさえ、そうだ」(ヌールハイム)。ヌールハイムの言うとおり、この戯曲からインスピレーションを授かる音楽家は多く、シベリウスがデンマーク初演のために書いた劇付随音楽《テンペスト》も彼の傑作のひとつに挙げられます。
ヌールハイムの《テンペスト》組曲は、チャールズ・ダーデンと南西ドイツ放送交響楽団による録音がノルウェー作曲家協会のレーベルからリリースされていました(Aurora NCD-B4932)。LAWO Classics からリリースされるベルゲン・フィルハーモニック管弦楽団と首席指揮者エドワード・ガードナー Edward Gardner による新しいアルバムは、《テンペスト》が2021年ベルゲン国際フェスティヴァルの演目としてベルゲンのグリーグホールで上演された際のセッション録音によって制作されました。「あれから40年、アルネ・ヌールハイムとグレン・テトリーの『古典』が、グリーグホールを支配する」。フェスティヴァル公演の歌手に代わり、ベアーテ・モルダール Beate Mordal がソプラノ、ジェレミー・カーペンター Jeremy Carpenter がバリトンを担当しました。
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)
『カミラ・ニュールンド、「グレート・アメリカン・ソングブック」を歌う』
Naxos NBD 0162V (Blu-ray)/2.110747 (DVD) pop/classical
『カミラ・ニュールンド、「グレート・アメリカン・ソングブック」を歌う』
Ev’ry Time We Say Goodbye(いつもさよならを)(Cole Porter)
What Are You Doing the Rest of Your Life?
(Alan Bergman/Marilyn Bergman/Michel Legrand)
The Man I Love(私の彼氏)(George Gershwin/Ira Gershwin)
If I Loved You(Richard Rodgers/Oscar Hammerstein II)
Falling in Love Again(Friedrich Hollaender/Sammy Lerner)
I’ll Be Seeing You(Sammy Fain/Irving Kahal)
When I Fall in Love(VictorYoung/Edward Heyman)
They Can’t Take That Away from Me(George Gershwin/Ira Gershwin)
Can’t Help Lovin’ Dat Man(Jerome Kern/Oscar Hammerstein II)
The Book of Love(Stephin Merritt)*
September Song(Kurt Weill/Maxwell Anderson)
Illusions(Friedrich Hollaender)
For All We Know(John Fredeerick Coots/Sam M. Lewis)
カミラ・ニュールンド(ヴォーカル)
ウィーン放送交響楽団 マリン・オールソップ(指揮)
ウィーン少年合唱団(合唱指揮:ゲルハルト・ヴィルト)*
編曲 フローリアン・ジツマン、クリストフ・ウンタベルガー、レオナルト・エレード
演出 アンドレ・ヘラー
映像監督 ロベルト・ノイミュラー
収録 2021年9月16日–18日 オーストリア放送(ORF)クルトゥルハウス 第3スタジオ(ウィーン)
[Blu-ray: 1080i Full HD 16:9 Monochrome Region All (ABC) 56min LPCM2.0 字幕:日本語、英語、ドイツ語、韓国語]
[DVD: 16:9 Monochrome Region All 53min LPCM2.0 字幕:日本語、英語、ドイツ語、韓国語]
『グレート・アメリカン・ソングブック(The Great American Songbook)』。コール・ポーター、アラン&マリリン・バーグマン、ジョージとアイラのガーシュウィン兄弟、リチャード・ロジャーズとオスカー・ハマースタイン二世、サミー・フェイン、ジェローム・カーンたちがミュージカルや映画のために書いた「古き良き歌」を総称して、そう呼ばれています。エラ・フィッツジェラルド、バーブラ・ストライサンド、ビリー・ホリデイ、ジュリー・ロンドンといった偉大なシンガーたちが愛したこのレパートリーに、フィンランドのソプラノ、カミラ・ニュールンド(ニールンド) Camilla Nylund の新しいアルバムが加わります。彼女の声と個性に合わせてフローリアン・ジツマン Florian Sitzmann たちが新たに編曲。アメリカのマリン・オールソップ Marin Alsop がウィーン放送交響楽団を指揮して共演しています。マルチタレントのアンドレ・ヘラー André Heller が演出を担当し、ニュールンドとオーケストラの演奏風景をモノクロームの映像で捉えています。
価格 4,070円(税込価格)(本体価格 3,700円)(Blu-ray DVD とも)
『アルトゥルス・マスカツ』
Ondine ODE 1419-2 contemporary/classical
アルトゥルス・マスカツ(1957–)
タンゴ(Tango)(2002)(アコーディオンと管弦楽のための)*
アコーディオン協奏曲《What the Wind Told over the Sea(海を越えて風が語ったこと)》(2021)**
カントゥス・ディアトニクス(Cantus Diatonicus)(1982)
(管弦楽のための)
“My River Runs to Thee…”(わたしの川はあなたへと流れる)(2019)
(管弦楽のための)
アルトゥルス・ノヴィクス(アコーディオン)*
クセーニャ・シドロワ(アコーディオン)**
ラトビア国立交響楽団 アンドリス・ポガ(指揮)
録音 2022年9月2日–7日(タンゴ、My River)、3月11日–12日(協奏曲、カントゥス) 大ギルド・ホール(リガ、ラトビア)
ラトビアの作曲家、ラトビア国立オペラの芸術監督を務めるアルトゥルス・マスカツ Arturs Maskats(1957–)の作品集。2003年に開催されたイギリスの「マスタープライズ国際作曲コンペティション」の最終選考に残り国際的に注目されたアコーディオンと管弦楽のための《タンゴ》。ラトビアのアコーディオン奏者クセーニャ・シドロワ Ksenija Sidrova(1988–)に献呈されたアコーディオン協奏曲《What the Wind Told over the Sea(海を越えて風が語ったこと)》は、「アンダンテ、ミステリオーゾ」「アレグレット」「ブルース」「カデンツァ. モデラート. トッカータ」の4楽章が切れ目なく演奏される作品。マスカツの名付け親だった女性が重病に罹り、回復への希望と祈りを込めて作曲された《カントゥス・ディアトニクス》(全音階の歌)。曲の最後にラトヴィア民謡《Saulīt tecēj' tecēdama》がチェレスタで演奏されます。川と海が大きな輪として果てしなく繋がっていることを思わせる、エミリ・ディキンソンの「恋の詩」から曲名のインスピレーションを得たとされる《“My River Runs to Thee…”》。
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)
『Sigla - ロッタ・ヴェンナコスキ 管弦楽作品集』
Ondine ODE 1420-2 contemporary/classical
ロッタ・ヴェンナコスキ(1970–)
Flounce(2017)
Sigla(2021–22)(ハープと管弦楽のための協奏曲)
Sedicim(2015–16)
フィンランド放送交響楽団 ニコラス・コロン(指揮)
シヴァン・マゲン(ハープ)
録音 2022年10月(Flounce)、2022年5月(Sigla)、2021年12月(Sedicim) ミュージックセンター(ヘルシンキ、フィンランド)
フィンランド放送交響楽団と2021年8月から首席指揮者を務めるニコラス・コロン Nicholas Collon の Ondine Records 第3作。「洗練された感覚の音色」(キンモ・コルホネン)の作曲家ロッタ・ヴェンナコスキ Lotta Wennäkoski の近作を3曲、演奏しています。
《Flounce》は、BBC Radio 3 から委嘱された「祝祭的な雰囲気をもつ5分以内の作品」。2017年9月9日の「BBC Proms」ラストナイトのオープニング曲としてサカリ・オラモ指揮 BBC 交響楽団によって演奏されました。
《Sigla》は、フィンランド放送交響楽団の首席ハープ奏者シヴァン・マゲン Sivan Magen(1980–)のためにフィンランド放送が委嘱した「ハープと管弦楽のための協奏曲」です。「音質の探索と、ソリストのシヴァン・マゲンの驚異的な演奏技術と力からインスピレーションを得ました……曲名の『Sigla』は、違った言語で異なることを示しています。イタリア語は「テーマソング」、アイスランド語は「帆走する」。タガログ語では「活力」や「熱意」を意味します」(ヴェンナコスキ)。〈Sigla I〉〈SiGLa II〉〈Sigla III〉の3つの部分からなる作品です。2022年5月18日、作品を献呈されたシヴァン・マゲンが、ニコラス・コロン指揮フィンランド放送交響楽団の共演で初演しました。
《Sedicim》は、1916年に創設されたシベリウス・アカデミー交響楽団の100周年の記念作としてシベリウス・アカデミーから委嘱を受けて作曲されました。ラテン語の「16」という曲名にちなむ3つの部分で構成されています。フィンランドの詩人エーディト・セーデルグラン Edith Södergran(1892–1923)の詩『Violetta skymningar…(紫色のたそがれ)』の最後の一行〈Tigerfläckar, spända strängar, stjärnor utan svindel (E.S. 1916)(虎の斑点、張りつめた弦、めまいしない星)〉、第一次世界大戦の後、フランス政府によって、土地の汚染された危険な場所として区分された〈Zone rouge (1916–)(レッド・ゾーン)〉、1911年からシベリウス・アカデミーで教えた作曲家エルッキ・メラルティン Erkki Melartim の〈Melartin 1916〉。2016年11月18日、シベリウス・アカデミー交響楽団とアッツォ・アルミラの指揮でラハティで初演されました。
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)
『Album for Astor(アストルに捧げるアルバム)』
OUR Recordings 8.226916 classical
アストル・ピアソラ(1921–1992)
Adiós nonino(アディオス・ノニーノ)(アコーディオン・ソロ)*
Vibraphonissimo(ビブラフォニッシモ)
(アコーディオンとヴィブラフォーン)**
Café 1930(カフェ1930)(アコーディオンとハーモニカ)***
Tristango(トリスタンゴ)
(アコーディオンとヴィブラフォーン/パーカッション)**
Aconcagua 1st movement(バンドネオン協奏曲《アコンカグア》第1楽章)
(アコーディオンと室内アンサンブル)
Fuga y misterio(フーガとミステリオ)
(アコーディオンと室内アンサンブル)
Coral(コラール)(アコーディオンと室内アンサンブル)
Allegro tangabile(アレグロ・タンガービレ)
(アコーディオンと室内アンサンブル)
Contramilonga a la funerala(葬儀のコントラミロンガ《ブエノスアイレスのマリア》)
(アコーディオンと室内アンサンブル)
Novitango(ノビタンゴ)(アコーディオンと室内アンサンブル)
Despertar(cadenza)(目覚め(カデンツァ))
(アコーディオン・ソロ)*
ビャーケ・モーウンセン(アコーディオン)
ユーハン・ブリッジャー(パーカッション)
マティアス・ハイセ(ハーモニカ)
デンマーク・チェンバー・プレイヤーズ
[楽器 Accordion: Mythos, Pigini, Italy]
編曲 ビャーケ・モーウンセン、ユーハン・ブリッジャー共同編曲 *、マティアス・ハイセ共同編曲 **
録音 2021年9月 フールサング芸術ミュージアム「KUMUS」(トーアビュー)、ノラ・メルビュー教会(メルビュー)**、聖ヤアアンスビェア教会(ロスキレ、デンマーク)*/***
制作・録音エンジニア・編集・マスタリング オスカー・ミーケルソン
アストル・ピアソラ Astor Piazzolla 生誕100年記念アルバム。「ヌエボ・タンゴの天才を称えて(Celebrating the genius of Nuevo Tango)」の副題が付けられています。
ビャーケ・モーウンセン Bjarke Mogensen は、1985年、ボーンホルム島のロネ生まれ。王立デンマーク音楽アカデミーでノルウェーのゲイル・ドラウグスヴォルたちに学びました。2008年にデンマーク・アーツ・カウンシルの奨学金を受け、2010年から母校で教えています。2011年、ニューヨークのカーネギーホールのリサイタルがソロ・デビューです。アナス・コペルの《ヴァイオリン、アコーディオンと管弦楽のための協奏曲》(8.226055)、カスパー・ローフェルトの作品集『The song I’ll never sing』(8.226564)、スヴェン・ヴィトフェルト・ニルセンの《オフィーリアは踊る》(8.226581)などのアルバムが Dacapo レーベルからリリースされています。
ピアソラの音楽は、モーウンセンが研究と演奏を重ね、アルバムに作ることを望んでいたというレパートリーです。750曲を超す数の作品から11曲を選び、アコーディオン・ソロと、デンマーク・チェンバー・プレイヤーズ Danish Chamber Players との共演による曲を自身が編曲。スウェーデンの打楽器奏者ユーハン・ブリッジャー Johan Bridger とデンマークのハーモニカ奏者マティアス・ハイセ Mathias Heise と共演する曲は、彼らとそれぞれ共同で編曲しています。
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)
『死と喜びの歌(Sanger om Død og Glæde)』
Pro Musica PPC 9084 early music/classical
ドロテ・エンゲルブレツダッテル(1634–1716)
朝の歌(Morgensang) 永遠の命(Evig liv) 魂の歌(Åndelig sang)
失われた者(Den bortkomne) 罪の重荷(Syndebyrden)
至福から遠く(Langt fra salighet)
最良と最悪のもの(Beste og verste gods) 死(Døden)
クリスマスの歌(Julesang) 新年の歌(Nyttårssang)
死への慰め(Trøst mot døden) 夕べの歌(Aftensang)
バロック・ボレアル
カトリーネ・ボトネル=ビュー(歌)
オイオン・グローヴェン・ミューレン(歌)
ヴェーガル・ヴォルダール(ハリングフェレ、フィドル、ヴィオラ)
ウルリク・ガストン・ラーシェン(アーチリュート)
録音 2021年9月8日–9日 アイヴィン・グローヴェン・オルガンハウス(オスロ、ノルウェー)
制作 ライフ・ソールベルグ
録音エンジニア・マスタリング アルフ・クリスチャン・ヴィドステーン
ノルウェーの作家ドロテ・エンゲルブレツダッテル Dorothe Engelbretsdatter, Dorothe(1634–1716)は、ベルゲンの宗教家の子に生まれ、宗教色の濃い賛美歌と詩を中心とする作品を残しました。彼女の作品は、ノルウェーの文化遺産であるにもかかわらず、ほとんど顧みられてこなかったと言われます。バロック・ボレアルのアルバム『死と喜びの歌』では、1678年にコペンハーゲンで出版された『Siælens Sang-Offer(魂の歌の捧げ物)』に含まれた作品など、12の歌が演奏されます。ボトネル=ビュー Catheine Bothner-By とグローヴェン・ミューレン Øyonn Groven Myren のアイデアとリサーチを基に企画され、作曲家アイヴィン・グローヴェンの自宅隣に建てられたオルガンハウス(Eivind Grovens Orgelhus)で録音されました。ブックレットにはノルウェー語ブックモールによるライナーノートと歌詞が掲載されています(英訳なし)。
価格 2,695円(税込価格)(本体価格 2,450円)
『Dormi Bel Bambin(お眠りかわいい子)- スイスのクリスマス』
Prospero Classical PROSP 0059 contemporary/classical
アルベルト・ベッカー(1834–1899)
ヨセフ、わたしの愛しいヨセフ(Joseph lieber Joseph)
カール・リュッティ(1949–)
光より生まれし光(O nata lux de lumine)
ザムエル・シャイト(1587–1654)
御子はベツレヘムに生まれたもう(Puer natus i Bethlehem)
ギオン・アントニ・デルングス(1935_2012)
Tut ils fideivels
ユリア・シュヴァルツ(1963–)
森のキリストの子(Das Christkind im Wald)
ゴットフリート・ヴォルタース(1910–1989)
マリアはいばらの茂みを行く(Maria durch ein Dornwald ging)
ペーター・アッペンツェラー(1955–)
Maria va tras ün god spinus
ハインリヒ・フォン・ヘルツォーゲンベルク(1843–1900)
わが魂は主を崇める(Mein Seele erhebt den Herren)
アンドレ・サラ(1899–1968)
聖なる御子をいかに愛していることか(Que j’aime ce divin Enfant)
カルロ・ボラー(1896–1952)
お眠りかわいい子(Dormi bel bambin)
マルクス・フリッカー(1943–)
待降節(Advent)
フェリクス・メンデルスゾーン(1809–1847)
聖夜(Weinachten)
ペーター・アッペンツェラー(1955–)
Neues Quempas-Lied I Neues Quempas-Lied II
アンドレ・デュクレ(1945–)
三人の王の行進(La Marche des Rois)
ロバート・ピアソル(1795–1856)
甘き喜びのうちに(もろびと声あげ)(In dulci jubilo)
マルクス・フリッカー(1943–)
Liislig fallt de Schnee
ブルクハルト・キンツラー(1963–)
シュティル、シュティル、シュティル(Still, still, still)
ツェザール・ブレスゲン(1913–1988)(マルクス・シュミードル(1971–)編曲)
おお静寂の時よ(O du stille Zeit)
シュヴァイツァー・ヴォーカルコンソート
マルコ・アマード(指揮)
録音 2022年7月4日–6日 チューリヒ放送スタジオ(チューリヒ、スイス)
マルコ・アマード Marco Amhers(1988–)が2018年に創設した「シュヴァイツァー・ヴォーカルコンソート Schweizdf Vokalconsort」が歌う、伝統と今のクリスマス・ソング。
価格 2,970円(税込価格)(本体価格 2,700円)
『サントゥ、シュトラウスを指揮する(Santtu conducts Strauss)』
Signum Classics SIGCD 720 2CD’s classical
リヒャルト・シュトラウス(1864–1949)
交響詩《ドン・ファン(Don Juan)》 Op.20
アルプス交響曲(Eine Alpensinfonie) Op.64
交響詩《ツァラトゥストラはこう語った(Also sprach Zarathustra)》 Op.30
交響詩《ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら
(Till Eulenspiegels lustige Streiche)》 Op.28
フィルハーモニア管弦楽団
サントゥ=マティアス・ロウヴァリ(指揮)
録音 2021年9月30日–10月1日 サウスバンク・センター「ロイヤル・フェスティヴァルホール」(ロンドン)(アルプス、ツァラトゥストラ)、2022年3月20日 フェアフィールド・ホール(ロンドン、イングランド)
価格 3,740円(税込価格)(本体価格 3,400円)
『来るべきもののこだま(Echoes of What Will Come)- J・Sとの会話』
Simax PSC 1380 2CD's contemporary/classical
[Disc 1]
マグナル・オーム(1952–)
来るべきもののこだま(Gjenklang av det som skal kome)
(バッハの《チェロ組曲第1番》から想を得て)
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685–1750)
無伴奏チェロ組曲第1番 ト長調 BWV 1007 - 前奏曲
無伴奏チェロ組曲第4番 変ホ長調 BWV 1010 - アルマンド
レーネ・グレナーゲル(1969–)
Der Bach an der Quelle(源としての小川)
(バッハの《チェロ組曲第4番》から想を得て)
ビョルン・クルーセ(1946–)
Ripensamento(熟考)(バッハの《チェロ組曲第2番》から想を得て)
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685–1750)
無伴奏チェロ組曲第2番 ニ短調 BWV 1008 - クーラント
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685–1750)
無伴奏チェロ組曲第5番 ハ短調 BWV 1011 - サラバンド
アイヴィン・ビューエネ(1973–)
Conversation with J.S.(J・Sとの会話)
(バッハの《チェロ組曲第5番》から想を得て)
テレーセ・ビルケルン・ウルヴォ(1982–)
Dancing Shades(踊る陰影)
(バッハの《チェロ組曲第3番》から想を得て)
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685–1750)
無伴奏チェロ組曲第3番 ハ長調 BWV 1009 - ブレ第1番
無伴奏チェロ組曲第6番 ニ長調 BWV 1012 - ジグ
オラヴ・アントン・トンメセン(1946–)
PARASixTh(バッハの《チェロ組曲第6番》から想を得て)
エルンスト・シモン・グラーセル(チェロ)
[楽器 Cello: Francesco Ruggieri, Cremona, c.1680]
録音 2012年6月4日–6日、24日–25日 リス教会(オスロ、ノルウェー)
制作・録音エンジニア ショーン・ルイス
ノルウェーのチェリスト、エルンスト・シモン・グラーセル Ernst Simon Glaser(1975–)は、これまで、彼のために書かれた作品を数多く演奏してきました。この新しいアルバムは、『来るべきもののこだま - J・Sとの会話』と名づけた彼のプロジェクトの集大成です。バッハの音楽に今日の作曲家たちがどういうアプローチを見せるか。グラーセルの委嘱を受けたノルウェーの作曲家6人が、ひとつずつ選んだバッハの「チェロ組曲」から「想を得て」作曲した小品が、彼らにインスピレーションを与えたバッハの曲とならべて紹介されます。
マグナル・オーム Magnar Åm(1952–)は、瞑想的気分の音楽で知られる作曲家です。《来るべきもののこだま》は、「作曲することは、わたしにとって、未来に耳を傾けること」と語る彼が、「それとわからないように」《チェロ組曲第1番》から素材を採り、「バッハを先取りして創った、時を結ぶ2車線道路」(アイヴィン・ビューエネ)。レーネ・グレナーゲル Lene Grenager(1969–)は、チェリストでもある作曲家です。彼女は《チェロ組曲第4番》を材料に採り、バッハ(小川)の組曲の異なる局面を3つの部分で探求する《Der Bach an der Quelle(源としての小川)》を作曲しました。ビョルン・クルーセ Bjørn Kruse(1946–)は、《チェロ組曲第2番》を聴いた後、《Ripensamento(熟考)》を作りました。「グラーセルがチェロを抱き、チェロで歌う姿を振り返って作ったイマジネーションの遊び」。書く、演奏する、聴くの「恋の三角関係」の大切さをあらためて示してみせたという作品です。
テレーセ・ビルケルン・ウルヴォ Therese Birkelund Ulvo(1982–)の《Dancing Shades(踊る陰影)》は、「組曲は元は舞曲という理解」から出発した作品です。《チェロ組曲第3番》の楽章からの断片を引用して作曲。「作曲家にとってチェロは、曲をつくるのにもってこいの楽器。エルンスト・シモンの良く響く荘重で美しい音色からは、たくさんのインスピレーションをもらことができました」(ビルケルン・ウルヴォ)。アイヴィン・ビューエネ Eiving Buene(1973–)の《Conversation with J.S.(J・Sとの会話)》は、ノルウェー国立音楽大学を卒業したての彼が、エルンスト・シモンから委嘱されて書いた、初めてのソロ楽器のための音楽です。「(ソロ楽器の音楽は)どこにも隠れるところのない、作曲家にとってもっとも難しい仕事のひとつ」(ビューエネ)。
オラヴ・アントン・トンメセン Olav Anton Thommessen(1946–)は、グレナーゲル、ビルケルン・ウルヴォ、ビューエネが国立音楽大学で教わった作曲家です。トンメセンの出世作とされる《グリーグのイ短調ピアノ協奏曲による序奏とマクロファンタジー》(Aurora ACD 4927)は、「過去の音楽と現在の音楽の対話」というコンセプトのノルウェーでの原点とみなされる作品です。バッハの作品のもつ即興、装飾、記譜の関係を探ったという《PARASixTh》は、〈前奏曲(Prelude)〉〈クーラント(Courante)〉〈幻想曲(Phantasie)〉〈ガヴォット2(Gavottte 2)〉の4楽章で書かれています。
価格 3,850円(税込価格)(本体価格 3,500円)
『50年代と今(The Fifties and Now)』
Simax PSC 1386 contemporary/classical
レオ・ブローウェル(1939–)
五重奏曲(Quintet)(1957)(ギターと弦楽四重奏のための)
シェティル・ヴォスレフ(1939–)
2つのギターと打楽器のためのトロイカ
(Troika for two guitars and percussion)(2019)
マリオ・カステルヌオーヴォ=テデスコ(1895–1968)
五重奏曲(Quintette) Op.143(1950)(ギターと弦楽四重奏のための)
スタイン=エーリク・オールセン(ギター)
弦楽四重奏
リカルド・オドリオソーラ(ヴァイオリン)
マヤ・ハウゲン(ヴァイオリン)
イルゼ・クリャヴァ(ヴィオラ)
ラグンヒル・サンネス(チェロ)
エギル・ハウグラン(ギター)
トロン・イェルステン・ダーレ(打楽器)
[楽器 Guitar (Olsen): Daniel Friederich, made for him (No.821 Paris 2008)]
録音 2021年9月10日–11日、10月13日–15日 アイスヴォーグ教会(ベルゲン、ノルウェー)
制作 サイモン・キルン
録音エンジニア アルネ・アクセルベルグ
ノルウェーのギタリスト、スタイン=エーリク・オールセン Stein-Erik Olsen(1953–)は、2019年に『パリ・リサイタル』(PSC 1361)をリリースしました。このアルバムは、日本の「現代ギター」、アメリカの「サウンドボード(Soundboard)」、フランスの「クラシックギター(Guitare Classique)」といった雑誌メディアに取り上げられ、高く評価されました。最新作『50年代と今』では、1950年代に作曲されたレオ・ブロウウェルとマリオ・カステルヌオーヴォ=テデスコの「古典的」作品と、現代ノルウェーのシェティル・ヴォスレフの2019年の作品を演奏。「ヨーロッパでもっとも重要なギタリストのひとり」の新たな印象深い側面を見ることができます。
レオ・ブローウェル Leo Brouwer(1939–)の《五重奏曲》は、彼の最初期の作品のひとつです。シンコペーションのリズム、五音音階の反復音型といったアフロ=キューバンの影響が多くみられる「急緩急」の3楽章で書かれています。マリオ・カステルヌオーヴォ=テデスコ Mario Casternuovo-Tedesco(1895–1968)の《五重奏曲》もギターと弦楽四重奏のための作品です。アンドレス・セゴビアからロサンジェルスの「ミュージック・ギルド」で演奏する室内楽曲として委嘱され、1950年の2月から3月にかけて作曲されました。「部分的にネオクラシカル、部分的にネオロマンティックな、旋律豊かで穏やかな作品」(カステルヌオーヴォ=テデスコ)。最初と「フィナーレ」の「アレグロ」楽章が、「アンダンテ・メスト」と「スケルツォ」の2つの楽章を挟む構成で書かれています。
シェティル・ヴォスレフ Ketil Hvoslef(1939–)は、オールセンが1973年から1977年にかけて音楽理論を教わった、ベルゲンの作曲家です。このころからコラボレーションが始まり、2015年には《ギター五重奏曲》や《フルート、ギターと弦楽オーケストラのための二重協奏曲》などヴォスレフの曲だけのアルバム『SEONVEH』(PSC 1339)を作りました。《2つのギターと打楽器のためのトロイカ》は、2019年に書かれた最新のコラボレーション作品です。オールセンから「2つのギターと打楽器」を提案されたヴォスレフは「ロシアのトロイカがインスピレーションとして『浮かんだ』」と語っています。『パリ・リサイタル』のエギル・ハウグラン Egil Haugland と、ベルゲンのアンサンブル「BIT 20」の打楽器奏者トロン・イェルステン・ダーレ Trond Gjelsten Dale の共演による、初録音の作品です。
ブロウウェルとカステルヌオーヴォ=テデスコの《五重奏曲》では、ベルゲン在住の音楽家による弦楽四重奏が共演。アルバムのセッションは、2021年の9月から10月にかけてベルゲンのアイスヴォーグ教会で行われました。『パリ・リサイタル』と同じサイモン・キルン Simon Kiln の制作、アルネ・アクセルベルグ Arne Akselberg の録音エンジニアリングです。
価格 2,695円(税込価格)(本体価格 2,450円)
『ペール・アルネ・グロルヴィーゲン - バンドネオン』
Simax PSC 1384 classical
アストル・ピアソラ(1921–1992)
バンドネオンと管弦楽のための協奏曲《アコンカグア(Aconcagua)》(1979)*
イーゴリ・ストラヴィンスキー(1882–1971)
タンゴ(Tango)(1940 arr.1953)(室内管弦楽のための)*
ペール・アルネ・グロルヴィーゲン(1963–)
風の中の心臓(Corazones en el viento)(2021)
(コントラバス、ヴァイオリン、ピアノとバンドネオンのための)**
アストル・ピアソラ(1921–1992)
3つのタンゴ(Tres tangos)
(バンドネオン、弦楽オーケストラ、ピアノ、ハープ、打楽器のための)*
ペール・アルネ・グロルヴィーゲン(1963–)
バレリタ(Valerita)(バンドネオン・ソロのための)
ペール・アルネ・グロルヴィーゲン(バンドネオン)
ベルリン放送交響楽団 *
フランク・シュトローベル(指揮)*
グロルヴィーゲン四重奏団 **
アルヌルヴ・バルホルン(コントラバス)
ダニエラ・ブラウン(ヴァイオリン)
ヨアキム・カー(ピアノ)
ペール・アルネ・グロルヴィーゲン(バンドネオン)
録音 2021年3月11日 ベルリン放送局(Haus des Rundfunks, Berlin)(ベルリン)(「ピアソラ生誕100年」ラジオ放送ライヴ録音)、2021年10月30日 トラウムトン・スタジオ(Traumton Studios)(ベルリン・シュパンダウ、ドイツ)(Corazones/Valerita)
制作(コンサート) シュテファン・ラング
制作(ライヴCD) フローリアン・シュミット
録音エンジニア マルクス・ミッタマイアー(Corazones/Valerita)、アルヌルヴ・バルホルン(Corazones/Valerita)
2021年は、アルゼンチンの作曲家、バンドネオンのヴィルトゥオーゾ、アストル・ピアソラ Astor Piazzolla の生誕100年のアニバーサリー・イヤーでした。アルゼンチン伝統の踊りとクラシカル音楽とジャズを結合した「ヌエボ・タンゴ」は、各国で広く愛されるようになり、バンドネオン奏者の貴重なレパートリーとして定着しました。ノルウェーのバンドネオン・ヴィルトゥオーゾ、ペール・アルネ・グロルヴィーゲン Per Arne Glorvigren(1963–)のアルバムは、「タンゴの父」ピアソラに捧げるオマージュとして作られました。
ピアソラがバンドネオンとオーケストラのために作曲した2つの作品は、新妻ラウラと子供たちとの生活に心の平安と幸せを見出した時代に書かれました。バンドネオン協奏曲《アコンカグア》は、「アレグロ・マルカート」「モデラート」「プレスト - メランコリコ・フィナール」の3楽章で構成。アンデス山脈にある南米最高峰の名を副題にとった作品は、ピアソラ作品の頂点ともみなされています。第1楽章のカデンツァはグロルヴィーゲンの自作が演奏されます。《3つのタンゴ》も「急緩急」の3楽章の作品です。この2曲は、ベルリン放送の2021年3月11日「ピアソラ生誕100年」ラジオ放送のライヴ録音が収録されています。
ストラヴィンスキーの《タンゴ》は、ピアノのオリジナル曲を作曲者自身が室内オーケストラように編曲した「ポップ」な音楽。グロルヴィーゲンの《風の中の心臓》は、ノルウェーのローセンダール室内楽祭のためピアニストのアンスネスから委嘱を受け、「ピアソラへのオマージュ(Hommage à Piazzolla)」として作曲されました。バンドネオン・ソロの《バレリタ(Valerita)》は、アメリカに入ろうとしてリオグランデ河を渡りきれず、父親とともに溺死した2歳のサルヴァドールの少女バレリアに捧げられた作品です。
価格 2,695円(税込価格)(本体価格 2,450円)
『時間の経過(The Lapse of Time)』
Simax PSC1392 contemporary/classical
ビョルン・モッテン・クリストフェシェン(1976–)
オラトリオ《時間の経過(The Lapse of Time)》(2013)
ディテ・マリーエ・ブレイン(ソプラノ・ソロ)
フランク・ハーヴロイ(バリトン・ソロ)
インゲル=リーセ・ウルスルード(オルガン)
アンサンブル 96
テレマルク室内管弦楽団
ニーナ・T・カールセン(指揮)
ペール・クリスチャン・スカルスタード(指揮)
ショーン・ルイス(エレクトロニクス)
録音 2022年2月12日–13日 フログネル教会(オスロ、ノルウェー)
制作・録音エンジニアリング ショーン・ルイス
2022年2月、オスロ大学で「オスロ生命科学会議 2022(Oslo Life Science Conference 2022)」が開催されました。2月11日が「ダーウィンの日 2022(Darwin Day 2022)」。14日にはオスロのフログネル教会 Frogner Kyrka でコンサートが行われ、「チャールズ・ダーウィンの『種の起源(On the Origin of Species)』による」オラトリオ《時間の経過》が演奏されました。
このオラトリオは、ノルウェーのポストモダンの作曲家のひとり、ビョルン・モッテン・クリストフェシェン Bjørn Morten Christophersen(1976–)が2013年に書いた作品です。「地球上生命の進化への賛辞……自然科学と宗教の間に音楽で橋をかける……誰もが知っている驚異と興奮の出会うところ」をイメージしてクリストフェシェン自身が『種の起源』に基づいて台本を執筆。〈第1部:働く海を見よ(Part 1: Watch the Sea at Work)〉〈第2部:生存闘争(Part 2: Struggle for Life)〉〈間奏曲 1:ヤドリギ(Interlude 1: Mistletoe)〉〈第3部:変化(Part 3: Change)〉〈第4部:死滅(Part 4: Extinction)〉〈間奏曲 2:骨!(Interlude 2: Boned!)〉〈第5部:自然は飛躍せず - エピローグ(Part 5: Natura non Facit Saltum - Epilogue)〉で構成する作品に作られました。2曲の〈間奏曲〉がアカペラ合唱で歌われ、その他の曲は、ソプラノとバリトンのソロ、混声合唱、オルガンとオーケストラによって演奏されます。2013年11月、アンサンブル・ダリとクリスチャンサン・シンフォニエッタによって初演され、今回のオスロのコンサートが再演です。
CDのための録音セッションは、コンサートに先立つ2月12日と13日、フログネル教会で行われました。
価格 2,695円(税込価格)(本体価格 2,450円)
『名もなき(Unamna)- ノルウェーの民謡』
Simax PSC 1397 traditional/contemporary/classical
『名もなき(Unamna)- ノルウェーの民謡』
シーリダールの歌(Siri Dale-visa)
1匹の狐がやってきた(Der kom en rev )
フルドリが山の斜面の老女に向かって叫んでいる
(Huldri rop på kjerring i li)
オーラの谷で、オーラの湖で(I Ola-dalom, i Ola-tjønn)
子守歌(Bådnlåtar)
子牛の踊り/黒褐色の馬(Kalven dansa / Dei svartbrune hestar)
ランヴェイ(Ranveig) わが青春の日に(Det var i min ungdom)
ひとりの王がオステルダールを統治した(En konge hersket i Østerdal)
スロット(明日は君の婚礼の日・小さなアストリ)
(Slått (I morgon, Astrid) )
牛を呼ぶ声(Lokkar) その少年は小さかった(Liten var guten)
伯爵の歌(Grevevisa)
深く想いをめぐらせて(Jeg går i tusen tanker)
小さな灰色の男(En liten grå mann)
父なる神はかくも素晴らしい(Gud fader mig så underlig)
ユンニ・ローヴリ(ヴォーカル)
アンネ・ヒュッタ(ハリングフェレ)
イングフリー・ブライエ・ニューフース(ピアノ、ハルモニウム)
[楽器 Piano: Steinway grand, 1893/Hand-piped harmonium from India/5-stringed Hardanger fiddle: Salve Håkedal, 2010]
録音 2022年3月14日–17日 ソフィエンベルグ教会(オスロ)
制作 レーネ・グレナーゲル
録音エンジニア・ミクシング・マスタリング トマス・フケルベルグ
ノルウェーの民俗音楽は、何世代にもわたって人々とともに生き、人から人へと伝えられてきました。人々が、それぞれ必要にかられ、それぞれの能力に応じて作った音楽は、いつの時代も人々のアイデンティティとして聴かれ、演奏されてきました。作者や楽器のプレーヤーたちと同様に重要だったのが、女性の存在です。女性たちは、仕事をしながら牛寄せの歌やバラードを歌い子守歌を歌うことで、伝統を伝えることに深く関わりをもっていました。そうした「名もなき」人たちが伝えた音楽は、その後、エドヴァルド・グリーグをはじめとする音楽家に影響を与え、ノルウェーの芸術音楽創造の原動力ともなりました。
このアルバムの3人の女性、ヴォーカルのユンニ・ローヴリ Unni Løvlid、ハリングフェレのアンネ・ヒュッタ Anne Hytta、ピアノのイングフリー・ブライエ・ニューフース Ingfrid Breie Nyhus は、グリーグも《伝承による19のノルウェー民謡》(Op.66)の素材に使ったグーブランスダーレン、ロム、ソグンなどの谷に伝わる音楽を吟味し、それぞれの音楽語法とアプローチによって多様な音響空間という共通基盤の上に再構築しました。
録音セッションは、オスロのソフィエンベルグ教会で行われ、作曲家でもあるレーネ・グレナーゲル Lene Grenager がプロデュースを担当しました。
価格 2,695円(税込価格)(本体価格 2,450円)
『Windbells』
Sono Luminus DSL 92259 CD+Blu-ray contemporary/classical
フーギ・グヴズムンソン(1977–)
エントロピー(Entropy)(2019)
(フルート、クラリネット、チェロとピアノのための)
Arrow of Time(時の矢)
Asymmetry of Time(時の非対称)(オリヴィエ・メシアンへのオマージュ)
ルクス(光)(Lux)(2009/11)(フルートとエレクトロニクスのための)
平衡IV:風鈴(Equilibrium IV: Windbells)(2005)
(バス・フルート、バス・クラリネット、チェロ、ギター、ピアノとエレクトロニクスのための)
Agitated(動揺して)
Funeral in a Deserted Church(さびれた教会の葬式)
Wind Interrupt(風の妨害) Foreign(異質な)
断片(Brot)(2011)
(フルート、クラリネット、ヴァイオリン、チェロ、コントラバスとエレクトロニクスのための)
オスティナート(Ostinato) 間奏曲 I(Intermezzo I)
コラール(Chorale) 間奏曲 II(Intermezzo II)
死の舞踏(Danse Macabre)
ハウヴァマウルの歌 II(Songs from Hávamál II)(2014/21)
(フルート/ピッコロ、オーボエ/コールアングレ、弦楽五重奏、ピアノとメゾソプラノのための)
Ungur var eg forðum(かつては私も若かった)
Mildir, fræknir(穏やかに、生意気に)
Voðir mínar(わが春) Hrörnar þöll(ならず者)
Lítilla sanda(小さい砂)
レイキャヴィーク室内管弦楽団
ヒルディグンヌル・エイナルスドウッティル(メゾソプラノ)
アウスヒルドゥル・ハーラルスドウッティル(フルート)
録音 2021年11月12日–15日 Sono Luminus Studio(ボイス、ヴァージニア州)
録音エンジニア・ミクシング・マスタリング ダニエル・ショアズ
[Blu-ray disc: 5.1 DTS HD-MA (24bit/192kHz), 9.1 Auro-3D (96kHz), 9.1 Dolby Atmos (48kHz), 2.0 LPCM (24bit/192kHz), FLAC + MP3 Region: ABC worldwide]
アイスランドの作曲家フーギ・グヴズムンソンのポートレート・アルバム。2005年に日本で開催された「World Expo(国際博覧会 - 愛・地球博)」で初演された《平衡IV:風鈴》を「種」に制作されました。
フーギ Hugi Guðmundsson は、1977年、レイキャヴィーク生まれ。クラシカル・ギターを学び、エレクトリック・ギターを弾くようになってからは、カバーバンドのロックンロールに飽きたらず、「ヘヴィエスト・デス・メタル」にのめり込んだと言います。ギターをマスターしながら演奏よりも作曲に興味をもち、レイキャヴィーク音楽大学に入学。ソルケトル・シーグルビョルンソンとウールバル・インギ・ハーラルソンに学び、2001年に作曲学士号を得て卒業しました。デンマークに移り、コペンハーゲンの王立デンマーク音楽大学でニルス・ロシング=スコウ、ベント・サーアンセン、ハンス・エーブラハムセンに学び、2005年に修士号を取得。2007年にハーグ王立音楽院のソノロジー研究所でエレクトロニクスとコンピューター・ミュージックを学び、修士号を取得してからデンマークに戻り、活動の拠点としています。フーギの合唱曲のひとつ、美しい《休息(Hvíld)》が合唱団「レイキャヴィーク・スコラ・カントルム」のアルバム『瞑想(Meditatio)』(BIS SA-2200)のプログラムに加えられていました。
《エントロピー》の第2曲〈Asymmetry of Time(時の非対称)〉は「オリヴィエ・メシアンへのオマージュ(Hommage à Olivier Messiaen)」。《ハウヴァマウルの歌 II》は、『古エッダ』の歌謡集『ハウヴァマウル(ハヴァマール)』をテクストにした歌曲集です。
価格 2,695円(税込価格)(本体価格 2,450円)
『Lunar』
Losen Records LOS 265-2 jazz
『Lunar』
Yeditepe(Onur Aymergen) Spring(Onur Aymergen)
Hüseiny(Onur Aymergen) Lunar Part 1(Onur Aymergen)
Lunar Part 2(Onur Aymergen) Winter(Onur Aymergen)
African Ballad (featuring Ida Aymergen)(Onur Aymergen)
Northern Lights(Onur Aymergen)
オヌル・アイマージェン・クインテット
オヌル・アイマージェン(エレクトリック・ギター)
ジャン・チャンカヤ(ピアノ)
トーガ・ビギン(トランペット)
アポストロス・シデリス(ベース)
トゥルグット・アルプ・ベコーグ(ドラム)
録音 2021年11月 ハイヤム・スタジオ(Hayyam Studios)(イスタンブール、トルコ)
制作 オヌル・アイマージェン
録音エンジニア シナン・サキズリ、ジェイラン・アクチャイ
ミクシング トゥナ・ボイル
マスタリング ギュヴァン・エルソイサ
トルコのギタリスト、オヌル・アイマージェン Onur Aymergen は、クラシカルギターとフラメンコを学び、その後、ロック、ファンク、ジャズにも興味をもったと言います。各国のフェスティヴァルやクラブで自身のカルテットで自作を演奏する活動を行い、ヨーロッパの音楽家のプロジェクトにも参加。ヨーロッパ・ジャズ、モダンジャズ、ワールド・ミュージックを反映したジャズのプロジェクトも行っています。『Lunar』は、実質、彼のデビュー作となるアルバムです。ジャン・チャンカヤ Can Çankaya のピアノ、トーガ・ビギン Tolga Bilgin のトランペット、アポストロス・シデリス Apostolos Sideris のベース、トゥルグット・アルプ・ベコーグ Turgut Alp Bekoğlu のドラム。アイマージェンが強い印象を受けたというプレーヤーたちとのクインテットによる録音です。ジャズのイディオムが基本の全8曲を彼が作曲。それぞれのプレーヤーの実力と個性に光を当て、トランペットとギターの「同じ音色の異なる陰り」、そのデュオとピアノのコントラスト、ベースとドラムのリズムとパルスの対比といったことを活かしながら、統一感と「ハーモニー」を追い求めた演奏を展開していきます。
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)
『Fargular(渡り鳥)』
NXN Recordings NXN 2014 jazz
『Fargular(渡り鳥)』
Thyding(Ingi Bjarni) Bjogun a dogun(Ingi Bjarni)
Thad sem er(Ingi Bjarni) When Holiday Really Begins(Ingi Bjarni)
Farfuglar(Ingi Bjarni) Knowing without Knowing(Ingi Bjarni)
Ad fljuga(Ingi Bjarni) Loftin bla(Ingi Bjarni)
Mamma engill(Ingi Bjarni)
インギ・ビャルニ・スクーラソン(ピアノ)
ヤコブ・エリ・ミューレ(トランペット)
メリエ・カグ(ギター)
ダニエル・アンデション(ベース)
トーレ・リョーケルソイ(ドラム)
録音 (不明)
インギ・ビャルニ Ingi Bjarni Skúlason は、アイスランド出身のピアニスト、コンポーザー。ノルウェーと北欧諸国をツアーでまわり、演奏活動とともに、自身の音楽ビジョンを実現するための新しい才能の発掘をおこなってきました。それぞれのジャンルに固有のサウンドを残しながら、ジャズと北欧の民俗音楽とエレクトロニカからインスピレーションを得た音楽を創造する。彼の第5作アルバム『渡り鳥』では、ノルウェー、エストニア、スウェーデンのプレーヤーの共演を得て、独特の抒情性をもった音楽を示していきます。ヤコブ・エリ・ミューレ Jakob Eri Myhre、メリエ・カグ Merje Kägu、ダニエル・アンデション Daniel Andersson、トーレ・リョーケルソイ Tore Ljøkelsøy 。2019年の『Tenging(つながり』(Losen LOS 222-2)に参加したプレーヤーたちです。
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)
『Yugen(幽玄)』
NXN Recordings NXN 4006 crossover
『Yugen(幽玄)』
Shinrin-yoku(森林浴):Into the thouands
Natsukasii(懐かしい):Shadows are falling
Komorebi(木漏れ日):The sun seemed warmer then
Mono no aware(もののあわれ):The Illusion
Kogarashi(木枯らし):What the sparrow did
Yugen(幽玄):Somehow these mountains
Furusato(ふるさと):Fluorescent lights
Akogare(憧れ):Additive feels
Shouganai(しょうがない):Inevitable
マリウス・イェーショ(トランペット)
カヤ・フィエベルグ・ペッテシェン(チェロ)
セバスチャン・ハウゲン(ベース)
ヨー・ベルゲル・ミューレ(エレクトリックベース)
ノルウェーのトランペッター、オスロを本拠に活動するマリウス・イェーショ(ヤーショ) Marius Gjersø のソロ・アルバム第1作。彼は、日本を旅してまわり、その文化や美に大きな影響を受けたといいます。日本の印象を象徴的な日本語タイトルをつけた音楽に表現したアルバム。トランペットにチェロとベース、エレクトリックベースを加え、さまざまなエレクトロニクス処理を施して作ったアンビエント・ミュージックです。
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)
『Little Bird - Live in Gothenburg』
Prophone PCD 295 jazz
『Little Bird - Live in Gothenburg』
Wrap Your Troubles in Dreams(Harry Barris/Ted Koehler/Billy Moll)
Ac-cent-tchu-ate the Positive(Harold Arlen/Johnny Mercer)
Silly Little Love Song(Joshua Redman/Alexander Lövmark)*
Big City(Mark Jenkins)*
Take the A-train(Billy Strayhorn/Lee Gaines)
The St. Vitus Dance(Horace Silver)
All or Nothing at All(Arthur Altman/Jack Lawrence)
Passarim (Little Bird)(Antonio Carlos Jobim)*
There’s a Small Hotel(Richard Rodgers/Lorenz Hart)
アレクサンデル・ローヴマルク(ヴォーカル)
カール・バッゲ(ピアノ)
アクセル・モルドショー(サクソフォーン)
アダム・ロス(ドラム)
アルヴィド・ユッランデル(ベース)
ホルヘ・ガルシア(パーカッション)*
録音 2020年9月4日、5日 Unity Jazz(ヨーテボリ、スウェーデン)
制作
録音エンジニア・ミクシング オッリ・ランタラ
マスタリング ハンス・オールソン・ブルックス
スウェーデンのジャズ・ヴォーカリストで作曲家のアレクサンデル・ローヴマルク Alexander Lövmark は、1985年、ストックホルムの音楽一家の生まれ。少年時代、王立スウェーデン歌劇場のモーツァルトの《魔笛》で3人の童子のひとりを歌い、ジャズ・ベースを学び始めました。2006年にヨーテボリ大学 舞台芸術・音楽学校に入学してアンデシュ・ヨルミンに学んでいる時、ヴォーカルに転向。ソロ・ヴォーカリストとしての活動を始めました。2017年、モントルー・ジャズ・ヴォイス・コンペティションで《Fascinating Rhythm》、自作の《Peak》とジャズ・バラード《Skylark》を歌って優勝。2018年にデビュー・アルバム『Perfect Storm』をリリースしました。2021年のモニカ・セッテルンド・スカラシップを受賞しています。
アントニオ・カルロス・ジョビンの曲をタイトルにした『Little Bird』は、アレクサンデルのセカンド・アルバム。2020年9月4日と5日、ヨーテボリの「ユニティ・ジャズ」でスタンダードのジャズ・レパートリーの曲を新旧取り混ぜて歌ったコンサートのライヴ録音です。カール・バッゲ Carl Bagge のピアノ、アダム・ロス Adam Ross のドラム、アルヴィド・ユッランデル Arvid Jullander のベース、アクセル・モルドショー Axel Mardsjö のサクソフォーン。《Silly Little Love Song》など3曲に当夜の「シークレット・ゲスト」ホルヘ・ガルシア Jorge García のパーカッションが加わります。
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)
『Tate’s Delight: Groovin at the Jazz Festival』
Storyville 1018533 jazz
『Tate’s Delight: Groovin at the Jazz Festival』
On Green Dolphin Street(Bronislau Kaper/Ned Washington)
In a Melllotone(Duke Ellington/Milt Gabler)
Mood Indigo(Duke Ellington/Barney Bigard/Irving Mills)
Jumpin’ at the Woodside(Count Basie/Eddie Durham)
Now’s the Time(Charlie Parker)
Lester Leaps in(Lester Young)
Tate’s Delight (She’s Got It)(Buddy Tate)
バディ・テイト(テナーサックス、クラリネット)
ホワイト・ラベル
オーレ・マティーセン(ピアノ)
ニルス・プラストホルム(ベース)
オーヴェ・レクス(ドラム)
ポウル・ヴァルデマ・ペーザセン(トランペット)
イェンス・スナゴー(アルトサックス)
録音 1982年9月 ホルステブロー・ホテル、レストラン・ラクセン(ホルステブロー、デンマーク)(ライヴ)
アメリカのテナーサックスとクラリネットのプレーヤー、バディ・テイトが、デンマークのクインテット「ホワイト・ラベル」とフェスティヴァルで共演したライヴの未発表の録音。
バディ・テイト Buddy Tate(1913-2001)は、テクサス州シャーマン生まれ。1925年に「マクラウド・ナイト・アウル McCloud’s Night Owls」という名のバンドでアルトサックスを演奏してキャリアをスタートさせたといわれます。アルトからテナーサックスに代えてから、1939年にカウント・ベーシーのバンドに加わり、1948年まで演奏しました。1953年から21年間、自身のバンドとハーレムの「セレブリティ・クラブ」で演奏、名声を獲得します。
ホワイト・ラベル White Label は、オーゼンセ市を拠点に活動したグループです。コペンハーゲン出身のオーレ・マティーセン Ole Matthiessen のピアノ、イェンス・スナゴーJens Søndergaard のアルトサックス、ニルス・プラストホルム Niels Præstholm のベース、オーゼンセ出身のポウル・ヴァルデマ・ペーザセン Poul Valdemar Pedersen のトランペット、オーヴェ・レクス Ove Rex のドラムの5人。1982年3月に当時のソビエト連邦を訪問、トビリシ、バクー、モスクワで10回のコンサートで演奏しました。この成功を受け、1983年と1985年にもツアーを行いました。
このアルバムは、1982年9月の「Holstebro JASS (Jutland’s Active Musicians’ Society) Festival」でホルステブロー・ホテル Holsteboro Hotel とレストラン・ラクセン Restaurant Laksen でリハーサルなしに行われた2つのコンサートをライヴ収録した音源で作られました。前半は、バディ・テイトがリズムセクションと一緒にクラリネットでデューク・エリントンの《In a Melllotone》と《Mood Indigo》を演奏。後半の3曲は、スナゴーとペーザセンが加わり、スウィングの黄金時代のジャムセッション・スピリットを再現してみせます。
価格 2,420円(税込価格)(本体価格 2,200円)
『Secret』
Stunt Records STUCD 22082 jazz
『Secret』
Smokey(Smokers Lounge) Second Move(Smokers Lounge)
Cool(Smokers Lounge) Very Barry(Smokers Lounge)
Heatwave(Smokers Lounge) Slow Boat(Smokers Lounge)
Eyes of Love(Quincy Jones) Smokers Delight(Smokers Lounge)
スモーカーズ・ラウンジ
イェンス・ホーク(テナーサックス、アルトサックス、
トランペット)
ベン・ベシアコウ(キーボード、ベース)
ミケル・ノアスー(ギター、ベース、シンセサイザー、
パーカッション、ドラム・プログラミング)
ゲスト・ミュージシャン
エリエル・ラソ(パーカッション)
フェデリコ・ネルソン(パーカッション)
フレゼリク・ノアスー(コンピュータ・ドラム)
マシュティ(ドラムビート)
デーヴィズ・ベシアコウ(ドラム)
録音 2021年–2022年
「喫煙者も非喫煙者もともに楽しめる音楽。ハーブティーが好きだとろうと、カフェ・ラテやホイップクリームを乗せたホット・チョコレートが好みだろうと、どうでもいい。リラックスして楽しんでくれ。喫煙者のラウンジへようこそ」。1970年に青少年のためのミュージック・サマー・プログラムで初めて出会い、3年後、バンド「Buki Yamaz」でデビューしたイェンス・ホーク Jens Haack、ベン・ベシアコウ Ben Besiakov、ミケル・ノアスー Mikkel Nordsø の「スモーカーズ・ラウンジ Smokers Lounge」は、10年前、最初のアルバム『Smokers Lounge』(STUCD 11012)をリリース。《Autumn in New Yor》をはじめとする「グレート・アメリカン・ソングブック」のバラードをデンマーク国立室内管弦楽団のストリングズにのせて新鮮な気分で聞かせました。スモーカーズ・ラウンジの第2作『Secret』は、クインシー・ジョーンズの《Eyes of Love》をのぞき、グループのオリジナル曲で作られたアルバムです。キューバのバーカッション・プレーヤー、エリエル・ラソ Eliel Lazo や、コペンハーゲン在住、31年間「DJ」として活動してきたノルウェーのマシュティ Mashti たちがゲスト参加した、「ラウンジ」気分を漂わせるスムースジャズ。
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)
『Ääni toisen maailman(来世の音)』
Alba ABACD 28 traditional
『Ääni toisen maailman(来世の音)』
Nousta sain aamuun(Morning Has Broken)(朝起きた)
Laulu kuuluu kirkkotiellä(歌が聞こえる教会への道で)
Erämaassa jyvä hiekan(荒野の砂つぶ)
Herramme luo käykäämme kaikki!(われらみな主のもとへ行こう)
Tahtosi tiellä(あなたの望む道)
Jeesus, Jeesus, kuule rukoukseni(イエス様、わたしの祈りをお聞きください)
Voi hänen rakkauttaan(嗚呼、彼の慈愛よ)
Talkoolaisen virsi(有志の賛美歌)
Arkinen halleluja(週日のハレルヤ)
Yhteinen pöytä(共有するテーブル)
Oi saavu jo, Immanuel(来たれエマヌエル)
On unen aika, pieni ihminen(おやすみ、かわいい子)
ゴスペル・コヴェルタヤット
ミッコ・ミエッティネン(リードヴォーカル、フルート、
アルトフルート、ティン・ホイッスル、メロディカ)
ハンネス・アシカイネン(アコースティック・ギター、
エレクトリック・アコースティック・ギター、クラシック・ギター)
イロナ・リンピラ(エレクトリック・ベース、エレクトリック・ギター、
バリトン・エレクトリック・ギター、ベース、ヴォーカル)
エスコ・トゥルペイネン(ドラム、エレクトリック・ギター、
バリトン・エレクトリック・ギター、レスリー・ギター、
アコースティック・ギター、ストラップレス・ギター、
トーク・ボックス、ヴォーカル、エアー・トランペット)
ゲスト・ミュージシャン
ラウラ・カーリネン(ヴォーカル)
マリア・サルメラ(ヴォーカル)
マルクス・ラユネン(クラリネット、アルトフルート)
ヤン=ペッカ・スーロネン(ホルン)
ピーア・ラーソネン(バウロン、爪弾きピアノ、
スイッチオフ・オルガン)
パヌ・コルホネン(ピアノ)
ハンナ・ペンッティネン(チェンバロ)
録音 2019年4月9日–10日、9月17日–18日 Varistoteles Studio(ヴァリストテレス・スタジオ)(ヘルシンキ)
制作 ゴスペル・コヴェルタヤット
録音エンジニア・ミクシング エスコ・トゥルペイネン
マスタリング リスト・ロンカイネン
バンド「ゴスペル・コヴェルタヤット Gospel Covertajat」は、2002年にフィンランドのユヴァスキュラで結成されました。ハンネス・アシカイネン Hannes Asikainen のギターとヴォーカル、ミッコ・ミエッティネン Mikko Miettinen のヴォーカルとフルートとホイッスル、エスコ・トゥルペイネン Esko Turpeinen のギターとパーカッションとヴォーカル、イロナ・リンピラ Irona Rimpilä のベースとヴォーカル。「ゴスペルをカバーするものたち」のバンド名のとおり、新旧の賛美歌を新しい編曲で歌い演奏する活動を行っています。新作『Ääni toisen maailman(来世の音)』ではフィンランド賛美歌集の追補版に収められた新しい曲のプログラムを組んでいます。カラフルなサウンド、ポップ・ミュージックのようなリズム、そして瞑想の気分。アルバム最初の《Nousta sain aamuun》は、ゲール語の民謡《ブネッサン》が原曲です。この歌のメロディにイギリスのエリナー・ファージョンが作詞した《Morning Has Broken》をイギリスのシンガーソングライター、キャット・スティーヴンスが1971年のアルバム『Teaser and the Firecat』で歌い、世界的に知られるようになりました(邦題『雨にぬれた朝』)。フィンランドでは、マッティ・コレヘマイネンによるフィンランド語の歌詞で歌われています。
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)