September 2023
『国境(Borders)』
2L 2L 173SABD Blu-ray Audio Disc + SACD hybrid contemporary/classical
ヘンニング・ソンメッロ(1952–)
夏至(Solstice/Solkverv)(2011)(ハーモニカと管弦楽のための)
オスタラ(Ostara/Vårfest)(2012)(パンフルートと管弦楽のための)
国境(Borders/Grenser)(2017)(ヴァイオリン・ソロと管弦楽のための)
トロンハイム交響楽団
ニック・デイヴィス(指揮)
シーグムン・グローヴェン(ハーモニカ)
ローアル・エンゲルベルグ(パンフルート)
マリアンネ・トーシェン(ヴァイオリン)
録音 2021年6月 ラーデモーエン教会(トロンハイム、ノルウェー)
制作・バランスエンジニア・編集・ミクシング・マスタリング モッテン・リンドベルグ
[DXD(24bit/352.8kHz)録音]
[Disc 1: SACD hybrid (5.1 multichannel DSD/2.0 stereo DSD) RedBook PCM: MQA CD][Disc 2: Blu-ray: 2.0 LPCM (192kHz/24bit), 5.1 DTS HD-MA (192kHz/24bit), 7.1.4. Auro-3D (96kHz), 9.1.4. Dolby Atmos (48kHz), mShuttle: MQA + FLAC + MP3 Region: ABC worldwide]
ノルウェーの 2L レーベルの新作。第61回グラミー賞イマーシヴ・オーディオ部門にノミネートされた『ウジャマー』(2L 146SABD)の作曲家ヘンニング・ソンメッロ Henning Sommerro(1952–)のソロと管弦楽のための3作のアルバムです。
《夏至》は、ノルウェーを代表するハーモニカ奏者、シーグムン・グローヴェン Sigmund Groven(1946–)の委嘱で作曲されたハーモニカと管弦楽のための作品です。アイスランドのスカルド詩人、シグヴァト・トルドソン Sigvat Tordsson(シグヴァトル・ソウルザルソン Sigvatr Þórðarson)(c.995–c.1045)を題材に、永遠の都イェルサレムへの途上にある彼が、夏至の直前、人生と時代を振りかえる姿が音楽に作られました。〈歩を進める(Skrida)〉〈祝福(Sæle)〉〈太陽(Soli)〉の3つの部分からなる作品です。2011年10月、グローヴェンとノルウェー放送管弦楽団によって初演されました。
《オスタラ》は、北欧神話の春の女神「エオストレ」のサクソン系の名を曲名にした作品です。春分が近づくころ、春の到来を告げようと地面の下で行われていることの「ビジョン」がパンフルートと管弦楽によって描かれます。第1楽章〈R〉、第2楽章〈E〉、第3楽章〈B〉。作品を委嘱したローアル・エンゲルベルグ Roar Engelberg(1964–)は、ノルウェーのパンフルートの第一人者として数々の賞を受けてきたプレーヤーです。
《国境》は、「われらの時代」がテーマ。押し寄せる難民の流れによって世界の姿が揺さぶられるという、第二次世界大戦以来ヨーロッパが目にしたことのない「ビジョン」を描く作品です。戦争の余韻と失望が背景になった第1楽章〈国境(Grenser)〉。希望しながらも実現しなかった世界へのメランコリックで優しいエレジーの第2楽章〈嘆きの歌(Sørgesang)〉。それでもなお、屈することなく希望をつなぐ楽観的な第3楽章〈希望(Håp)〉。オスロ・フィルハーモニックとジョージア出身の第2ヴァイオリン奏者アレクサンドル・ハティスカツィ Aleksandre Khatiskatsi の委嘱で「ヴァイオリン協奏曲」として作曲されました。彼と作曲者のコラボレーションによるカデンツァが第3楽章で演奏されます。ハティスカツィのソロ、ヴァシーリー・ペトレンコ指揮オスロ・フィルハーモニックにより2017年1月に初演。作品は、ノルウェー音楽出版協会の「2020年最優秀作品」にノミネートされています。マリアンネ・トーシェン Marianne Thorsen とニック・デイヴィス NIck Davies 指揮のトロンハイム交響楽団の共演による録音です。
モッテン・リンドベルグ Morten Lindberg のプロダクション。『ユグドラシル』(2L 170SABD)と同じトロンハイムのラーデモーエン教会でのセッション録音です。
価格 4,675円(税込価格)(本体価格 4,250円)
Pure Audio Blu-ray ディスクと SACD ハイブリッドディスクをセットにしたアルバムです。Pure Audio Blu–ray ディスクにはインデックスを除き映像は収録されていません。SACD ハイブリッドディスクはSACDブレーヤーとCDプレーヤーで再生できますが、Pure Audio Blu-ray ディスクはCDやDVDのプレーヤーでは再生できないので、Blu–ray プレーヤーもしくは Blu–ray 対応のPCをお使いください。
『セッポ・ポホヨラ』
Alba ABCD 470 contemporary/classical
セッポ・ポホヨラ(1965–)
弦楽四重奏曲第7番(2021)
弦楽四重奏曲第6番(2021)
弦楽四重奏曲第5番(2018)
ニュー・ヘルシンキ四重奏団
ペトリ・アールニオ(第1ヴァイオリン)
タイヤ・アンゲルヴォ(第2ヴァイオリン)
イラリ・アンゲルヴォ(ヴィオラ)
トゥオマス・レヘト(チェロ)
録音 2022年5月27日–30日 クーサンコスキ・ホール(コウヴォラ、フィンランド)
制作 ペール・オーマン
録音エンジニア・ミクシング・編集 マルック・ヴェイヨンスオ
セッポ・ポホヨラ Seppo Pohjola は、1965年、フィンランドのエスポー生まれ。父のエルッキ・ポホヨラがタピオラ合唱団の指揮者、兄のオッリがフルーティスト、マッティがチェリストという音楽一家で育ちました。トイヴォ・クーラの《ピアノ三重奏曲》(BIS-56)を録音したリーサ、パーヴォ、エンスティは、彼の叔母と叔父にあたります。シベリウス・アカデミーに入学。和声と音色とテクスチュアを重視するスタイルのエルッキ・ヨキネンと「敬虔なモダニスト」パーヴォ・ヘイニネンに学びました。モダニストの様式から次第にテクスチュアの透明さと表現語法の自由さを求めるスタイルに移行。初期はソロや室内楽のための小規模な作品を手がけ、1994年の《バレット》や1996年の《ゲームオーバー》などを書いた移行期を経て、大規模な管弦楽作品を作曲するようになりました。
弦楽四重奏曲は、彼にとって重要なジャンルのひとつです。「弦楽器には際限のない音色の豊かさがあり、あらゆる種類の表現を可能にする」(セッポ・ポホヨラ)。「クセナキス風の粗さ、明るい音空間がリゲティを思わせる」と評された1991年の《第1番》に始まり、2022年までに9曲が書かれました。ニュー・ヘルシンキ四重奏団のこのアルバムでは、比較的新しい3曲が演奏されます。
2018年の《弦楽四重奏曲第5番》は、2017年秋に夫人とともにアムステルダムのヴィンセント・ヴァン・ゴッホ美術館を訪れ、その印象とさまざまな思考を反映した、「楽しいとは言えない」(ポホヨラ)作品。2018年12月17日、エスポーでカムス四重奏団によって初演されました。
《第6番》は、2021年の3月から4月にかけて作曲された作品です。「春のもの憂さ…老齢のもたらす不安」といったさまざまな感情を背景にもつ「シュトゥルム・ウント・ドラング」と「人生のはかない美しさ」の音楽。フィンランドの民謡が3曲引用されています。「まじめで重みのある」《第7番》は、同じ年の6月から7月に作曲され、夫人のサンナに献呈された作品です。
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)
『ヨーナス・アホネン+クレータ=マリア・ケンタラ』
Alba ABCD 526 classical
ルートヴィヒ・ファン・ベートーヴェン(1770–1827)
ピアノとヴァイオリンのためのソナタ
ピアノとヴァイオリンのためのソナタ第8番 ト長調 Op.30 no.3(1801–02)
ピアノとヴァイオリンのためのソナタ第4番 イ短調 Op.23(1801)
ピアノとヴァイオリンのためのソナタ第9番 イ長調
《クロイツェル(Kreutzer)》 Op.47(1803)
ヨーナス・アホネン(フォルテピアノ)
クレータ=マリア・ケンタラ(ヴァイオリン)
[楽器 Baroque violin: unknown, beginning of 18th Century/Fortepiano: Conrad Graf, c.1827]
録音 2021年10月21日–24日 シャウマン・ホール(ピエタルサーリ、フィンランド)
制作・録音エンジニア・編集 サイモン・フォックス=ガール
クレータ=マリア・ケンタラ Kreeta-Maria Kentala(1964–)は、『Side by Side(ならべてみると)』(ABCD 388)『フォーク・シーズンズ』(ABCD 402)『ポルスカ=パンドルフィ』(ABCD 501)などのアルバムで知られる、カウスティネン生まれのバロック・ヴァイオリニスト。ヨーナス・アホネン Jonas Ahonen(1984–)は、リゲティの《ピアノ協奏曲》(BIS SA-2209)やアイヴズの《コンコード・ソナタ》(BIS SA-2249)などの録音が評価されたピアノとフォルテピアノのプレーヤー。
フィンランドの音楽家ふたりのコラボレーションによるベートーヴェンの「ソナタ」。ベートーヴェンの初期から中期にかけての作品構造が特徴的な《第8番 ト長調》。《交響曲第1番》の翌年に作曲された《第4番 イ短調》。《エロイカ交響曲》が完成される前年の1803年に作曲され、「協奏曲のようにきわめて協奏的なスタイルによる、ピアノとオブリガート・ヴァイオリンのためのソナタ」とベートーヴェンのスケッチブックに書かれた、《クロイツェル》の名で親しまれている《第9番 イ長調》。アホネンとケンタラのふたりは、ベートーヴェンが「ふたつの楽器の会話」あるいは「ふたりの会話」と考え、今日、簡単に言われるような「ヴァイオリン・ソナタ」ではなく「ピアノとヴァイオリンのためのソナタ」とした作品を、19世紀の「コンラート・グラーフ」フォルテピアノと18世紀のバロック・ヴァイオリンで演奏し、「今」の感覚の音楽に再生しています。
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)
『影から(Varjoista)』
Alba NCD 62 contemporary/classical
キルモ・リンティネン(1967–)
クロッカスの歌(Krookus-laulut)(2019)
(ハッリ・サルメンニエミの詩)
Yö ja lasi
Iltapäivä
Lahja
Ennustus
リーカ・タルヴィティエ(1970–)(ハッリ・サルメンニエミの詩)
影(Varjot)(2020/23)
Tuuli lakkaa
Tyhjä kiertyy ympärille
Toivon että toivon
ミッコ・ハッシネン(1971–)
夕べに(Illala)(2019)(ハッリ・サルメンニエミの詩)
Illalla hangatessani hikeä iholta
Illalla en ole siellä
Ensimmäistä kertaa huomasin linnut
llalla ei retoriikkaa vaan kaipaus
Illalla minun on hengitettävä
女声合唱団 KYN カイヤ・ヴィータサロ(指揮)
ミッコ・ハッシネン(エレクトロニクス)*
ヴオッコ・ホヴァッタ(朗読パート・エレクトロニクス)*
録音 2021年10月–11月、2022年4月、2023年2月 リーヒマキ守備隊教会(Riihimäen varuskuntakirkko)(リーヒマキ、フィンランド)
制作 ティモ・レヘトヴァーラ
録音エンジニア マッティ・ヘイノネン、ソフィア・リーッピ
フィンランドを代表する女声合唱団のひとつ「KYN」(キュン)は、1981年にヘルシンキの商科大学(現、アールト大学商学部)に創設されました。『新しい始まり(Kynnyksellä)』(ABCD 223)『あなたにお話しするなら』(ABACD 15)『妖しげなカンテレ(Outo Kantele)』(NCD 57)につづく Alba Records の第5作『影から(Varjoista)』は、KYN の40周年を記念するアルバムです。ジャズ・ピアニストのキルモ・リンティネン Kirmo Lintinen の《クロッカスの歌》、モダニスト作曲家のリーカ・タルヴィティエ Riikka Talvitie の《影》、ジャズ・ドラマーでバンドリーダーのミッコ・ハッシネン Mikko Hassinen の《夕べに》。3つの曲集は、KYN の委嘱で作曲され、現代フィンランドでもっとも創造的な作家のひとり、ハッリ・サルメンニエミ Harry Salmenniemi(1983–)の詩集『Yö ja lasi(夜とガラス)』の詩がテクストに使われました。1989年から芸術監督を務めるカイヤ・ヴィータサロ Kaija Viitasalo の指揮による録音です。
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)
『プーランク』
Aparté AP 323 classical
フランシス・プーランク(1899–1963)
ロコマドゥールの黒い聖母へのリタニア(Litanies à la Vierge Noire)
FP 82(1936)(女声合唱とオルガンのための)*
クレマン・ジャヌカン(c.1485–1558)
ああ、甘い眼差しよ(O doulx regard)
フランシス・プーランク(1899–1963)
スターバト・マーテル(Stabat Mater) FP 148(1950)
(ソプラノ・ソロ、混声合唱と管弦楽のための)**
アンサンブル・エデス
マチュー・ロマーノ(指揮)
マリアンヌ・クルー(ソプラノ)**
ルイ=ノエル・ベスティオン・ド・カンブーラ(オルガン)*
レ・シエクル **
録音 2022年10月19日–20日 コンピエーニュ帝室劇場(コンピエーニュ、フランス)(ライヴ録音)、2023年2月21日 ロワイモヨン修道院食堂(アニエール=シュル=オワーズ、フランス)
ヴォーカル・グループ「アンサンブル・エデス Ensemble Aedes」、2005年、マチュー・ロマーノ Mathieu Romano によって創設されました。今日の音楽も含み、5つの世紀にまたがる主要な作品とあまり知られていない作品をレパートリーに活動しています。2023年の初めにリリースされたストラヴィンスキーの《結婚》と「合唱と小器楽アンサンブル」によるラヴェルの《ボレロ》のアルバム(AP 300)も大きな注目を集めました。
新作は、プーランクの宗教作品です。彼の代表作のひとつ《スターバト・マーテル》と、ロコマドゥールの礼拝堂にある「黒い聖母像」からインスピレーションを受けて書いた《ロコマドゥールの黒い聖母へのリタニア》(黒い聖母像への連禱)。
《スターバト・マーテル》は、彼の友人だった画家クリスチャン・ベラール Christian Bérard(1902–1949)を追悼する音楽として作曲されました。当初ベラールのための「レクイエム」を書くことを考えていたものの、ロコマドゥール礼拝堂「黒い聖母像」を訪れたあと、「スターバト・マーテル」に変更されたといういきさつがあります。「Très calme(とても穏やかに)」と指示された「Stabat mater dolorosa(悲しみの母は立っていた)」から「Quando corpus(肉体が滅びる時には)」のラテン語のセクエンツァによる12の部分からなる作品として書かれています。1951年6月13日、ストラスブール音楽祭で初演され、同年のニューヨーク批評家賞最優秀合唱作品に選出されました。マリアンヌ・クルー Marianne Croux のソプラノ、アンサンブル・エデスと古楽器アンサンブル「レ・シエクル」の共演によるコンサートのライヴ録音です。
《ロコマドゥールの黒い聖母へのリタニア》は、1936年8月22日から29日の1週間で作曲され、プーランクの書いたもっとも簡潔で清澄な作品のひとつと言われています。1936年11月17日、ナディア・ブーランジェが BBC の合唱団を指揮してロンドンで初演されました。アンサンブル・エデスとルイ=ノエル・ベスティオン・ド・カンブーラ Louis-Noël Bestion de Camboulas のオルガンの録音は、フランス国立図書館所蔵の自筆譜を使って演奏されています。
この2つの作品の間にアンサンブル・エデスのアカペラ合唱によるクレマン・ジャヌカンの《ああ、甘い眼差しよ》が挟まれます。このシャンソンは、宮廷で見かけた近寄りがたい女性への愛の歌とされる一方、指揮者のロマーノは「聖母マリア」への歌ではないかと指摘しています。
価格 2,970円(税込価格)(本体価格 2,700円)
『テゼ(Thésée)』
Aparté AP 325 3CD’s early music
ジャン=バティスト・リュリ(1632–1687)
歌劇《テゼ(Thésée)》 LWV 51
マティアス・ヴィダル(テノール、テゼ)
カリーヌ・デエ(メゾソプラノ、メデ)
デボラ・カシェ(ソプラノ、エグレ)
ベネディクト・トーラン(ソプラノ、ミネルヴ)
マリー・リュス(ソプラノ、クレオーヌ、ケレス)
タイス・ライ=ウェストファル(ソプラノ、ドリーヌ、ヴェニュス)
ロベール・ジェチェル(テノール、バッカス)
フィリップ・エステフ(バリトン、エジェ)
ギエム・ヴォームス(バスバリトン、マルス、アルカス)
ファビアン・イヨン(テノール、喜び)
ナミュール室内合唱団
レ・タラン・リリク
クリストフ・ルセ(指揮)
録音 2023年3月3日–5日 スタジオRiffZ 1 ラ・セーヌ・ミュジカル(ブーローニュ=ビヤンクール、フランス)
クリストフ・ルセ Christophe Rousset(1961–)と「レ・タラン・リリク Les Talens Lyriques」の「リュリ・コレクション」。歌劇《アシとガラテ》 (AP 269)につづき、リュリの3作目のオペラ《テゼ》が制作されました。
《テゼ》は、プロローグと5幕で構成されたフランス・オペラ初期の「音楽悲劇(抒情悲劇)」のひとつ。フィリップ・キノー Philipp3 Quinault が、古代ローマの詩人オウィディウス(オーヴィッド)の『変身物語j』に基づいて書いた台本に作曲された作品です。テゼ(テセウス)に思いを寄せる王女エグレ(アグライア)と魔法使いメデ(メデア)をめぐる三角関係から、最後はエグレとテゼが結ばれるというプロット。この物語は、ヘンデルの《テゼオ》など、リュリ以降の作曲家たちのオペラの題材としても使われました。
初演に際し、リュリとキノーは、仏蘭戦争を戦っていたフランス軍の勝利の知らせを受け、プロローグのを朗らかな気分の内容に変え、ルイ十四世を戦いの神とするようなテクストも盛りこみました。「王の24のヴァイオリン」と「21の小ヴァイオリン(ラ・プティット・バンド)」を加えた大きな楽器編成がとられ、オトテール兄弟のフルートとオーボエが参加。トランペット奏者にはルイ十四世のボディガードが起用されたといわれます。1675年1月15日、サン=ジェルマン=アン=レのシャトー・ヴィユーで初演され、翌年の4月まで、休止期間を含み、週3回のペールで上演されました。1754年、ルイ十六世の生誕の祝宴でも演奏されたことが伝えられています。
マティアス・ヴィダル Mathias Vidal のテゼ、カリーヌ・デエ Karine Deshayes のメデ、《アシとガラテ》に参加したデボラ・カシェ Déborah Cachet のエグレをはじめとする歌手たちとレ・タラン・リリクが、ルセの指揮の下、リュリの作品を壮麗な音楽として響かせます。2023年3月1日のアン・デア・ウィーン劇場での上演の後、3月3日から5日にかけてラ・セーヌ・ミュジカルのスタジオでセッション録音されました。
アルバムは3枚のディスクで構成されています。[Disc 1]が「プロローグ」(〈序曲〉から〈序曲〉の反復による〈幕間の間奏曲〉)と「第1幕」(第1場から〈第7場への前奏曲〉や第10場〈行進曲〉を経て〈行進曲〉の反復による〈幕間の間奏曲〉)、[Disc 2]が「第2幕」と「第3幕」、[Disc 3]が「第4幕」(第3場と第4場の間に〈リトルネッロ〉をもつ)と「第5幕」。《アシとガラテ》の時と同様、レ・タラン・リリクと歌のアンサンブルの作り出す音楽は、輝かしい生命力にあふれ、愉しみながら一気に聴くことができます。
価格 5,280円(税込価格)(本体価格 4,800円)
『Through the Night(夜もすがら)』
BIS SACD 2589 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) contemporary/classical
リヒャルト・シュトラウス(1864–1949)(エリック・ムーレ 編曲)
メタモルフォーゼン(Metamorphosen) ArV 290 AV 142(1944–45)
マッダレーナ・カスラーナ(c.1544–c.1590)
(サイモン・パーキン(1956–) 編曲)
Morir non può il mio cuore(わが心は死ねぬ)
(『マドリガーレ集 第1巻(Il primo libro di madrigali)』(1566)から)
ダニエル・キダン(1986–)
Be Still(じっとして)(2020)(弦とクロタルのための)*
カルロ・ジェズアルド(c.1560–1613)
(ミチ・ウィアンコ(1976–) 編曲)
Tristis est anima mea(わが魂は死ぬばかりに悲しい)(1611)
アルノルト・シェーンベルク(1874–1951)
浄められた夜(Verklärte Nacht) Op.4(1943年弦楽オーケストラ版)
ヘンリー・パーセル(c.1659–1695)
(レオポルド・ストコフスキー(1882–1977) 編曲)
ディドーの嘆き(Dido’s Lament)
(歌劇《ディドーとエネアス》 Z 626 から)
ユナイテッド・ストリングズ・オブ・ヨーロッパ
ジュリアン・アズクール(ディレクター)
ベイベイ・ワン(クロタル)*
録音 2020年8月12日(ジェズアルド)、2021年11月9日(パーセル)セント・シラス教会(ケンティッシュ・タウン、ロンドン)、2022年5月26日–27日(シュトラウス、キダン)、10月10日–11日(カスラーナ、シェーンベルク) オール・セインツ教会(ダラム・ロード、ロンドン、イングランド)
制作 マシュー・ベネット
録音エンジニア デーヴ・ローウェル、マイク・ハッチ(シュトラウス、キダン)
ジュリアン・アズクール Julian Azkoul がリーダーを務める「ユナイテッド・ストリングズ・オブ・ヨーロッパ United Strings of Europe」(USE)は、王立音楽アカデミーの学生により結成され、2012年から活動を始めました。2020年に最初のアルバム『In Motion(動いている)』(BIS SA-2529)をリリース。「巧みな演奏と注目されるっプログラム」(”BBC Music Magazine”)「魅惑的なぬくもりのあるビロードの音色」(”The Strad”)と表されました。『Renewal(リニューアル)』(BIS SA-2549)、《弦楽セレナード》や《フィレンツェの思い出》の『チャイコフスキー』(BIS SA-2569)と BIS Records でアルバムを作り、いずれも高く評価されました。
第4作『Through the Night(夜もすがら)』は「夜」をコンセプトに制作されたアルバムです。「主要テーマが、夜は変化と変形のための空間と時間になりえるという考え」(ジュリアン・アズクール)。16世紀から21世紀まで、500年ほどの時間を隔てた6作品のプログラムが組まれました。
リヒャルト・シュトラウスが第二次世界大戦の末期に作曲した《メタモルフォーゼン》。「23のソロ弦楽器」のための原曲をヴァイオリニストのエリック・ムーレ Éric Mouret が「8つのヴァイオリン、4つのヴィオラ、3つのチェロ、コントラバスのため」に編曲した「オリジナルの荘重さとテクスチュアの多彩さを保ちながら、対位法が的確にわかる」(アズクール)版による初録音です。
イギリスの作曲家サイモン・パーキン Simon Parkin が「弦楽四重奏をともなう弦楽オーケストラ」のために編曲したマッダレーナ・カスラーナの《Morir non può il mio cuore(わが心は死ねぬ)》。イギリスのダニエル・キダン Daniel Kidane が作曲した《Be Still(じっとして)》は、COVID-19 のロックダウン下、「過ぎゆく一年の『時』を深く考えた」という作品です。弦と打楽器のクロタル(アンティークシンバル)によって演奏されます。
アメリカの作曲家でヴァイオリニストのミチ・ウィアンコ Michi Wiancko が「弦楽オーケストラ」用に編曲したカルロ・ジェズアルドの6声のモテット《Tristis est anima mea(わが魂は死ぬばかりに悲しい)》。シェーンベルク自身の「1943年弦楽オーケストラ版」による《浄められた夜》。パーセルの《ディドーとエネアス》 からのアリア《ディドーの嘆き》は、レオポルド・ストコフスキーが「個性的な響きに変容させた」版による演奏です。
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)
『Children!(子供たちよ!)』
BIS SACD 2643 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) contemporary/classical
細川俊夫(1955–)
Komori-Uta(五木の子守唄)(2021)(ヴィオラ・ソロのための)
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685–1750)
アルマンド(《無伴奏チェロ組曲第3番 ハ長調 BWV 1009》から)
ヨハンナ・ドーデラー(1969–)
The little bird(小鳥のさえずり)(2021)(ヴィオラとピアノのための)
ギティ・ラザズ(1986–)
The golden bee(黄金の蜂)(2022)(ヴィオラ・ソロのための)
マルト=マティス・リル(1975–)
Lullaby(子守歌)(2022)(ヴィオラとピアノのための)
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685–1750)
アルマンド(《無伴奏チェロ組曲第1番 ト長調 BWV 1007》から)
エリオット・ガイガー(1968–)
Chanting(歌うこと)(2021)(ヴィオラとピアノのための)
大島ミチル(1961–)
Flower(花)(2022)(ヴィオラとピアノのための)
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685–1750)
アルマンド(《無伴奏チェロ組曲第2番 ニ短調 BWV 1008》から)
ユーリ・ポヴォロツキー(1962–)
Here Comes a Swallow(ほらツバメが来たよ)(2022)
(ヴィオラとピアノのための)
カレヴィ・アホ(1949–)
Nuku, lapsoseni(ねんねんころり)(2021)
(ヴィオラとピアノのための)
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685–1750)
アルマンド(《無伴奏チェロ組曲第5番 ハ短調 BWV 1011》から)
フェデリコ・ガルデッラ(1979–)
Wiegenlied(子守歌)(2021)(ヴィオラとトイ・ピアノのための)
ディアナ・ロタル(1981–)
Co(ho)quet(us) reMix(2021)(ヴィオラ・ソロのための)
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685–1750)
アルマンド(《無伴奏チェロ組曲第4番 変ホ長調 BWV 1010》から)
イヴァン・ブッファ(1979–)
To The Unknown Voice(まだ知らぬ声に)(2021)
(ヴィオラとピアノのための)
ルー・ワン(1982–)
Sparrows and Puffins(スズメとツノメドリ)(2022)
(ヴィオラ・ソロのための)
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685–1750)
アルマンド(《無伴奏チェロ組曲第6番 ニ長調 BWV 1012》から)
アレクセイ・ゲラシメス(1987–)
Lullaby of Itsuki(五木の子守唄)(2022)
(ヴィオラとハンドパンのための)
戸川ひより(ヒヨリ・トガワ)(ヴィオラ)
キヴェリ・デルケン(ピアノ)
アレクセイ・ゲラシメス(打楽器)
[楽器 Viola: Antonio Cassini, Modena, c.1690/Bow: Benoit Rolland/Piano: Steinway D, 1929]
録音 2022年9月26日–28日 ニコデモ教会(Nikodemuskirchen)(ベルリン)、2023年1月16日–18日、2月13日–15日 アンドレーアス教会(ベルリン=ヴァンゼー、ドイツ)
制作・録音エンジニア マルティン・ナゴルニ
日本とオーストラリアをルーツにもつヴィオラ奏者、戸川ひより Hiyoli Togawa(1986–)は、世界が COVID-19 のパンデミックで苦しんでいた時、各国の作曲家に委嘱したヴィオラ・ソロ曲のアルバム『孤独の歌』(BIS SA-2533)をリリースしました。新しい『Children!(子供たちよ!)』は、ソロ第1作が暖かく迎えられたことを受けて作られたアルバムです。「子供」をコンセプトにしたこのプロジェクトの背景には、二人目の子の母になった彼女が、子供を取り巻くさまざまな環境に思いを巡らせたことがあったといわれます。
彼女が新曲を委嘱したのは、「孤独の時」を彼女と分かち合った、細川俊夫、ヨハンナ・ドーデラー、大島ミチル、カレヴィ・アホ。そして、イラン出身のアメリカの作曲家ギティ・ラザズ Gity Razaz、エストニアのマルト=マティス・リル Märt-Matis Lill、オーストラリアのエリオット・ガイガー Elliott Gyger、ロシア出身のユーリ・ポヴォロツキー Yuri Povolotsky、ルーマニアのディアナ・ロタル Diana Rotaru、スロヴァキアのイヴァン・ブッファ Ivan Buffa、中国のルー・ワン Lu Wang、ドイツのアレクセイ・ゲラシメス Alexej Gerassimez が、彼女のプロジェクトに共感し、作品を寄せました。
前のアルバムではバッハの《無伴奏チェロ組曲》の〈サラバンド〉が、曲と曲の間で演奏されていました。このアルバムも同じ構成がとられ、6つの〈アルマンド〉が「橋渡し」の役割を担っています。
ブックレットは、それぞれの作曲家に見開きの2ページが割かれています。作曲家たちの「今」と子供のころの写真と、戸川ひよりが彼らと「子供」の関わりについて書いた一文(ドイツ語、英訳、フランス語訳)が掲載されています。
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)
『困苦の時のミサ曲(Mass in Troubled Times)』
BIS SACD 2651 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) contemporary/classical
ジョン・ピカード(1963–)
3つのラテン語のモテット(Three Latin Motets)(1983–87)
(アカペラ合唱のための)
光より生まれし光よ(O nata lux)(SATB)(1985)
光の消ゆる前に(Te lucis ante terminum)(SSAA)(1987)
慈しみと愛のあるところ(Ubi Caritas et amor)(SATB)(1983)
おお大いなる神秘(O magnum mysterim)(2015)
(アカペラ混声合唱のための)
オリオン座(Orion)(2004)(トランペットとオルガンのための)
オリオン大星雲(Nebula) アルニタク(Alnitak)
ベテルギウス(Betelgeuse)
めでたし海の星(Ave maris stella)(1992)
(アカペラ混声合唱のための)
オジマンディアス(Ozymandias)(1983)
(アカペラ二重混声合唱のための)
テッセラ(Tesserae)(2009)(オルガンのための)
困苦の時のミサ曲(Mass in Troubled Times)(2018)
(18声のための)
入祭唱(Introitus) キリエ(Kyrie) グローリア(Gloria)
クレド(Credo) サンクトゥス(Sanctus)
アニュス・デイ(神の子羊)(Agnus Dei)
BBC シンガーズ
マーティン・ブラビンズ(指揮)
クロエ・アボット(トランペット、フリューゲルホルン)
デイヴィッド・グード(オルガン)
スーザン・ビクリー(メゾソプラノ)
[楽器 Trumpet: Van Laar Custom C/Flugelhorn: Van Laar Custom ]
録音 2022年10月13日–14日 セント・ジュード・オン・ザ・ヒル教区教会(Parish Church of St. Jude-on-the-Hill)(ハムステッド、ロンドン、イングランド)
制作 エイドリアン・ピーコック
録音エンジニア ピート・スミス
イギリスの作曲家ジョン・ピカード John Pickard は、ウィリアム・マタイアスとルイ・アンドリーセンに学び、現在、ブリストル大学で作曲科の教授を務めています。一連のエネルギッシュな力のある管弦楽と器楽の作品で主に知られ、現在までに交響曲と弦楽四重奏曲を6曲ずつ書いています。ナッシュ・アンサンブルが彼の室内楽作品を演奏した『アレッポの園芸商』(BIS SA-2461)は、2021年グラモフォン賞の現代音楽部門賞に選ばれました。
BBC シンガーズとマーティン・ブラビンズによる新しいアルバムではピカードが、ライフワークとする交響曲と室内楽曲の合間、1983年から2018年にかけて作曲した合唱作品が演奏されます。
ブリストル大学在学中に課題として書いた〈光より生まれし光よ〉、シンプルな構造と明快なハーモニーの〈光の消ゆる前に〉、聖木曜日の聖歌の歌詞による〈慈しみと愛のあるところ〉の《3つのラテン語のモテット》。ブリストル大学のクリスマスキャロル・コンサートのために書いた《おお大いなる神秘》。直截的なハーモニーの語法に精巧なテクスチュアを加えた《めでたし海の星》。
パーシー・ビッシュ・シェリー Percy Bysshe Shelley のエジプトのファラオ、ラムセス二世を題材にとったソネット《オジマンディアス》は、ピカードが19歳の時に作曲されました。2018年の《ミサ曲》の足がかりとなる不協和音がすでに織りこまれた作品です。
《困苦の時のミサ曲》は、ハイドンがナポレオン戦争中に書いた《ネルソン・ミサ(Missa in Angustiis)》からタイトルがとられました。カトリック神学教授ギャヴィン・デコスタ Gavin D’Costa が書いた、ミサ通常文と5つの言語による複雑なテクストに作曲された作品です。BBC シンガーズのために作曲され、2019年2月1日、ロンドンのセント・ピーターズ教会でアンドルー・グリフィスの指揮で初演されました。BBC シンガーズは、1924年にラジオ放送のために組織された合唱団です。イギリスの合唱音楽シーンの中心で活動をつづけ、ブリテンの《聖チェチーリア賛歌》やプーランクの《人間の声》などを初演しています。
2004年のプレスティーン音楽祭の委嘱によるトランペットとオルガンのための《オリオン座》と、デイヴィッド・グード David Goode が2009年に初演した《テッセラ》が合わせて収録されています。
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)
『バツェヴィチ 管弦楽作品集 第1集』
Chandos CHSA 5316 SACD hybrid (Multichannel/stereo) classical
グラジナ・バツェヴィチ(1909–1969)
交響曲第3番(1952)
交響曲第4番(1953)
序曲(1943)(管弦楽のための)
BBC 交響楽団
サカリ・オラモ(指揮)
録音 2023年2月13日–14日 フェアフィールド・ホール(クロイドン、イングランド)
BBC 交響楽団と首席指揮者サカリ・オラモ Sakari Oramo(1965–)による Chandos Records の録音プロジェクト。ポーランドの作曲家バツェヴィチの管弦楽作品シリーズが始まります。
グラジナ・バツェヴィチ Grażyna Bacewicz は、1909年、ポーランドのウッチ生まれ。父ヴィンツェンディからピアノとヴァイオリンの手ほどきを受け、1928年にワルシャワ音楽院に入学、ピアノとヴァイオリンとともに、カジミエシ・シコルスキに作曲を学びました。音楽院を卒業後、1932年から2年間、パリのエコール・ノルマル音楽院でナディア・ブーランジェに師事。帰国後、ヴァイオリニスト、作曲家、コンペティションの審査員などの活動を行い、1936年から1938年までポーランド放送管弦楽団の首席ヴァイオリニストを務めました。第二次世界大戦後は、ウッチ国立音楽院で教授として教えながら作曲をつづけ、1954年に交通事故で重傷を負ってからは、作曲活動に専念。1969年、心筋梗塞のためワルシャワで没しました。リトアニアの作曲家ヴィータウタス・バチェヴィチュス(1905–1970)は、実の兄にあたります。
彼女の作品数は多く、ピアノやヴァイオリンのソロ曲、弦楽四重奏曲やピアノ五重奏曲といった室内楽曲、4曲の交響曲やヴァイオリン協奏曲をはじめとする管弦楽曲、劇付随音楽とフィルムスコア、ラジオ放送のための音楽など、幅広いジャンルを手がけました。
《交響曲第3番》は、ポーランドの芸術が社会主義リアリズムを押しつけられていた時代、1952年の作品です。「ドラマティコ」「アンダンテ」「ヴィヴァーチェ」の〈スケルツォ〉、「モデラート」に始まる〈終曲〉の4楽章で書かれています。《交響曲第4番》は、1953年に作曲され、ポーランド放送管弦楽団の指揮者だったグレゴシュ・フィテルベルクに献呈されました。古典的なアレグロの第1楽章、「アダージョ」の第2楽章、「ヴィヴァーチェ」の第3楽章〈スケルツォ〉、「アレグロ・メスト. アレグロ・フリオーソ」の第4楽章の構成。1954年1月15日、クラコフで初演されました。
《序曲》は、ポーランドがナチス・ドイツの占領下にあった1943年に作曲された作品です。「燃えるような」アレグロに始まり、瞑想的なアンダンテを経て、金管楽器のファンファーレに終わる音楽。作曲の翌年にワルシャワ蜂起が起き、彼女がワルシャワを離れたため、ポーランドがナチスから解放された1945年になって、クラコフ現代音楽祭で初演されました。
価格 2,970円(税込価格)(本体価格 2,700円)
『ヘアマン・D・コペル 作曲家&ピアニスト』
Danacord DACOCD 573–574 2CD’s classical
ヘアマン・D・コペル(1908–1998)
[Disc 1]
オラトリオ《モーゼ(Moses)》 Op.75(独唱者、合唱と管弦楽のための)
ローネ・コペル(ソプラノ・ソロ)
ヴィリ・ハートマン(ナレーター)
クアト・ヴェスティ(主の天使)
ハンス・クリスチャン・アナセン(アブラハム)
フランス・アンデション(モーゼ)
グアリ・プレスナー(ミリアム)
モーウンス・スミト・ヨハンセン(ヨシュア)
デンマーク放送交響楽団 デンマーク国立放送合唱団
ミルティアデス・カリディス(指揮)
2つの歌(To sange) Op.75(1962)(オーレ・ヴィーヴェルの詩による)
黒人の少女(Sort ung pige)
マイダネクから戻ったユダヤの少女(Jødepigen fra Maidanek)
ヴィベケ・クリステンセン(ソプラノ)
イレーネ・ハーセヤー・ヨハンセン(ピアノ)
2つの歌(To sange) Op.108(1982)
(ロバート・ブラウニングとウォルダー・デ・ラ・メアの詩による)
夜の密会(Meeting at Night)
音楽(Music)
トマス・ペーター・コペル(テノール)
イレーネ・ハーセヤー・ヨハンセン(ピアノ)
[Disc 2]
古い踊り(Gammel Dans)(1924)
クリスティーナ・ビャアケー(ピアノ)
四季(Årstiderne) Op.65(1957)(トゥーヤ・ラーセン、
ヴィゴ・ストゥゲンベア、ヨハネス・ヤアアンセン、
L・C・ニルセンの詩による7つの歌)
ヴァルプルギスの夜(Valborgs Nat) 緑の森(Grøn Skov)
秋のためいき(Høstsuk) 運命(Undergang)
大晦日(Nytårsnat) ひばり(Lærken) 春(Forår)
ヨナタン・コペル(テノール)
イレーネ・ハーセヤー・ヨハンセン(ピアノ)
50のピアノの小品(50 korte klaverstykker) Op.99(1977)
クリスティーナ・ビャアケー(ピアノ)
ローネ・コペル(語り) トマス・ペーター・コペル(語り)
孤独の歌(Solhvervssang)(1949)
ヨナタン・コペル(テノール)
イレーネ・ハーセヤー・ヨハンセン(ピアノ)
アラン・シューリン(ギター)
アルバム『Valmuevejen(ポピー・ロード)』(1975)から
砂漠の羊飼い(Ørkenhyrden)
トマス・ペーター・コペル(テノール)
アラン・シューリン(ギター)
映画『Ditte Menneskebarn』(1946)から
紡ぎ歌(Spindevise)
ヴィベケ・クリステンセン(ソプラノ)
イレーネ・ハーセヤー・ヨハンセン(ピアノ)
劇『Melodien der blev væk(失われたメロディ)』(1936)から
ラーセンの歌(Sangen om Larsen)
トマス・ペーター・コペル(テノール)
アラン・シューリン(ギター)
小さな詩人の物語(Lille Digter Skrøne)(1936?)
トマス・ペーター・コペル(テノール)
ローネ・コペル(ピアノ)
夕べの歌(Aftensang)(1944)
ヴィベケ・クリステンセン(ソプラノ)
イレーネ・ハーセヤー・ヨハンセン(ピアノ)
録音 1965年10月21日 デンマーク放送コンサートホール(初演ライヴ)(モーゼ)、2023年(歌曲、ピアノ曲)
ヘアマン・ ・コペル Herman David Koppel(1908–1998)は、彼の世代を代表する作曲家として、同時に、真に技巧的、独創的なピアニストとして称賛を集めました。作曲家とピアニストとしての彼の業績をたどるシリーズの第7作では、聖書に基づくオラトリオ《モーゼ》を中心に歌曲とピアノ曲が紹介されます。劇的な傑作《モーゼ》は、1965年の世界初演の録音。ヘアマンの孫、トマス・ペーター・コペル Thomas Peter Koppel(1965–)とヨナタン・コペル Jonathan Koppel たちの歌う歌曲と、デンマークを代表するピアニストのひとり、クリスティーナ・ビャアケー Christina Bjørkøe(1970–)によるピアノ曲は、2023年の新録音です。
価格 5,060円(税込価格)(税抜価格 4,600円)
『スヴェン・S・シュルス - こだま(Efterklange)』
Danacord DACOCD 952 classical
スヴェン・S・シュルス(1913–1998)
アカペラ合唱のための作品全集 第2集
小さな春の歌(En lille forårsvise)(1942)
4つのイギリスの歌(Fire engelske sange)
ジョン・ピール(John Peel) 少女たちに乾杯(Pigernes skål)
100人のバグパイプ吹き(De hunderede pibere)
おいで若者も娘も(Kom knøs og kom tøs)
アカペラ合唱のための8つの歌(8 sange for blandet kor)(1970)
音楽(Musik) 電信柱が歌う(Telegrafpælene synger)
鳥の歌(Fuglevisen) 四月(April) 風見鶏(Vejrhanen)
水の生活(Åliv) デンマークは香しく(Yndigt dufter Danmark)
ロンドー(Rondeau)
4つのアイスランドの歌(Fire Islandske Sange)
山がそびえ立つ(Fjeldet strækker sig op)
太陽が輝くと(Når solen skinner)
大地がめざめる(Landet vågner)
わたしには祖国があった(Jeg har haft et land)
なんじ良き大地よ(Du gude jord)(1952)
オーフス大学合唱団 ヨーナス・ラスムセン(指揮)
20世紀デンマークの音楽に足跡を残したひとり、スヴェン・シモン・シュルス Svend Simon Schulz(1913–1998)のアカペラ合唱作品を5枚のディスクに録音するオーフス大学合唱団 Akademisk Kor Århus とヨーナス・ラスムセン Jonas Rasmussen(1992–)のプロジェクトの第2集。デンマークへの春の到来を歌う《小さな春の歌》。ハンス・ハートヴィ・セードーフ=ペーザセン Hans Hartvig Seedorf-Pedersen がデンマーク語の詩にした《4つのイギリスの歌》。デンマークの人々が広く親しみをこめて歌う〈デンマークは香しく〉の収められた《アカペラ合唱のための8つの歌》。マティーアス・ヨハンネセン Matthías Johannessen(1930–)のデンマーク語の詩による《4つのアイスランドの歌》。大地と家畜と作物に感謝する農夫の朝の歌《なんじ良き大地よ》。
[プロフィール]
オーフス大学合唱団 Akademisk Kor Århus。1985年に創設され、ヨーナス・ラスムセンが現在、指揮者を務めています。20人から35人のメンバーで構成され、オーフス大学とオーフス王立音楽アカデミー(ユラン音楽院)の音楽的環境の下、アマチュア合唱団としてプロ活動を続けています。
ヨーナス・ラスムセン Jonas Rasmussen(1992–。王立ストックホルム音楽大学でフレードリク・マルムベリとマッツ・ニルソンの下で学び、学士号を得て卒業。スティーヴン・レイトンとティム・ブラウンに学んだケンブリッジ大学の優等修士号を取得、オーフス王立音楽アカデミーでカーステン・サイアー=ハンセンとセーアン・K・ハンセンに学び、ソリスト・クラスを修了しました。
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)
『スヴェン・ニルセン 歌曲とピアノ音楽』
Danacord DACOCD 970 contemporary/classical
スヴェン・ニルセン(1937–)
セーアン・ウルリク・トムセンの『新詩集(Nye Digte)』による歌曲集
《朝の歌(Morgensange)》
Vi vågner, det er hverdag(わたしたちは目を覚ます、ウィークデイだ)
Dit ansigt blunder i dæmringens stof
(あなたの顔が夕暮れにとけこみ)
En kølig dis kaldet virk’lighed(冷たい靄が現実を呼び覚ます)
Når lygteterne slukkes på Hvidovrej
(ヴィズオウア通りの灯が消えると)
Jeg sov ind og drømte(わたしは眠りに落ち、夢を見た)
ピアノのための5つのインヴェンション(5 Inventioner for klaver)
ヴィヴァーチェ モデラート テンポ・ジュスト、リトミコ
レント、ルバート レッジェーロ
舟で歌う「海の波の上に銀色の輝きが」
(Sang i Baaden “Der skinner sølvglans over havets vove”)
(ホルガー・ドラクマンの詩)
ヴェネツィア「夜、水面の揺れる音が聞こえる」
(Venezia “Jeg hører i Natten den vuggende Lyd fra Venezias Vand”)
(ホルガー・ドラクマンの詩)
秋(Fall)(ピアノのための)
十月(Oktober) 十一月(November) 十二月(December)
リトルネロ(Ritorneller)(エミール・オーレストロプの詩)
De mørke Lindetræers Duft var dejligj(菩提樹の香りが芳しく)
Ved Kysse heftet i din Nakkegrube(あなたの首筋にくちづけすると)
Naar Munden neppe mere Kysset føler
(くちづけの味が感じられないくらい)
Til Kys indbyder Armen, hvi og kjælen
(白く心地いい腕があなたをくちづけに誘う)
Ja du har Ret! Vel maa du lee og hysse
(そう、あなたの言うとおり。もちろん、笑い、黙らなきゃ)
Det Skjønhedsglimt, denyndighed, jeg mægted at liste fra dig
(垣間見た美しさ、ほれぼれする魅力、わたしはかろうじて)
挨拶「ごらん、風が穏やかになった」
(Hilsen “Se, nu er Vindene milde”)(ホルガー・ドラクマンの詩)
エピローグ「さあ、露に濡れた葉のリースをあなたに」
(Epilog "Se, jeg rækker dig en Krans dugbesprængte Blade”)
(ホルガー・ドラクマンの詩)
シーネ・アスムセン(ソプラノ) エーリク・カルトフト(ピアノ)
録音 2020年1月19日–20日、9月12日–13日 オーフス・コンサートホール、シンフォニック・ホール(オーフス、デンマーク)
制作・ミクシング・マスタリング プレーベン・イーヴァン
スヴェン・ニルセン Svend Nielsen は、1937年生まれ。コペンハーゲン大学で音楽学、王立デンマーク音楽アカデミーでヴァウン・ホルムボー、フィン・フフディング、ペア・ヌアゴーに音楽理論と作曲を学びました。その後1998年までオーフス王立音楽アカデミーで音楽理論を教えました。器楽曲と管弦楽曲、合唱曲や歌曲などを中心にロマンティシズムと印象主義の色彩をもつ抒情的で簡潔なスタイルの曲を作っています。アマチュアの気象学者でもあり、自然への親近感が作品の気分と姿に反映していると言われています。ソプラノのシーネ・アスムセン Signe Asmussen とピアニストのエーリク・カルトフト Erik Koltoft のデュオによるこのアルバムでは、現代の詩人セーアン・ウルリク・トムセン Søren Ulrik Thomsen(1956–)と、デンマーク文学史上に名を残すホルガー・ドラクマン Holger Drachmann(1846–1908)とエミール・オーレストロプ Emile Aarestrup(1800–1856)の詩による歌曲と、ピアノのための2つの作品が演奏されます。
価格 2,530円(税込価格)(税抜価格 2,300円)
『Faith, Hope & Love(信仰、希望と愛)』
dB Productions DBCD 211 contemporary/classical
フレードリク・シクステン(1962–) 合唱のための音楽
Oh Do Not Fear the Darkness(おお暗闇を恐れるな)
Den dödsdömde(死の宣告を受けた者)
4つの聖体拝領モテット(Fyra nattvardsmotetter)
《I din nåd(あなたの慈悲に)》
I din nåd på oss du tänker(あなたの慈悲にわれら)
Allas ögon väntar på dig, Herre!(ものみながあなたに目を注いで)
Saliga de som hungrar och törstar(義に飢え渇く人々は幸いである)
Var gång ni äter det brödet(このパンを食べこの杯を飲むごとに)
Salve Regina(サルヴェ・レジナ)
The Prince of Peace(平和の君)
Hodie Christus Natus Est(今日キリストは生まれたまいぬ)
A Spotless Rose(清らかな一輪のばら)
Our Father(われらが父)
Terra Mater(母なる大地)
Jag sträcker mina händer mot dig(あなたに向かって両手を広げ)
ラグナル・ブーリーン・ヴォーカルアンサンブル
録音 2022年8月26日–28日 エースレーヴ教会(エースレーヴ、スウェーデン)
フレードリク・シクステン Fredrik Sixten は、スウェーデンのシェウデ生まれ。王立ストックホルム音楽大学でスヴェン=ダーヴィド・サンドストレムに作曲を学び、スウェーデンでもっとも名高い教会音楽の作曲家のひとりとして作品を発表。オルガニストと指揮者としても活動しています。《スウェーデン・クリスマス・オラトリオ(Ett Svenskt Juloratorium)》(Footpring FR 069)《スウェーデン・マルコ受難曲(En Svensk Markuspassion)》(Caprice CAP 21805)といった大作をはじめとする作品がCD録音されています。「ラグナル・ブーリーン・ヴォーカルアンサンブル Ragnar Bohlin Vocal Ensemble」のこのアルバムでは、スウェーデン放送合唱団、エーリク・エーリクソン室内合唱団、BBC シンガーズなどによって歌われた宗教作品を中心にしたプログラムが組まれています。
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)
『Solo』
Harmonia Mundi HMM 902678 early music
ニコラ・マッテイス・ジュニア(c.1690–1737)
ファンタジア イ短調《Alla Fantasia》
(《ヴァイオリン・ソロのための2つのファンタジア》から)
ニコラ・マッテイス(fl. c.1650–after 1713)
ヴァイオリンのためのエア(Ayers for the Violin)(抜粋)
プレリュード(Prelude)
パッサッジョ・ロット-アンダメント・ヴェローチェ
(Passaggio rotto – Andamento veloce)
ファンタジア(Fantasia)
ヨハン・ゲオルク・ピゼンデル(1687–1755)
ソナタ イ短調
ルイ=ガブリエル・ギユマン(1705–1770)
ヴァイオリン・ソロのためのアミューズマン
(Amusement pour le violon seul) Op.18(1762)(抜粋)
アレグロ アレグレット アンダンティーノ
アレグロ-マジェストーゾ アリア-グラティオーゾ
ヴァリアツィオーネ アルトロ アルトロ
ヨハン・ヨーゼフ・ヴィルスマイアー(1663–1722)
パルティータ第5番 ト短調
ハインリヒ・イグナツ・フランツ・フォン・ビーバー(1644–1704)
パッサカリア ト短調《守護天使》(《ロザリオのソナタ》第16曲)
イザベル・ファウスト(ヴァイオリン)
[楽器 Violin: Jacobus Stainer, 1658]
録音 2020年4月 Teldex Studio(ベルリン)
今日もっとも高く評価されているヴァイオリニストのひとり、イザベル・ファウスト Isabelle Faust(1972–)の新しい「ソロ」アルバム。ビーバーの有名な《守護天使》のパッサカリアからギユマンの《アミューズマン》、マッテイス父子のソナタとファンタジア、ピゼンデルとヴィルスマイアーのソナタとパルティータ。夢想的だったり名人芸的であったり、バロック時代の後期にイタリアとフランスとイングランドとドイツで書かれた「ヨーロッパ音楽のパノラマ」というプログラムを演奏しています。
ニコラ・マッテイス Nicola Matteis(fl. c.1650–after 1713)は、もっとも早くイタリアからロンドンに渡り、「コレッリに次ぐ」(ロジャー・ノース)と言われたバロック・ヴァイオリニストで作曲家です。4巻の『エア(Ayers)』をはじめとする楽譜を出版して成功を収めたといわれます。彼の子、ニコラ・マッテイス・ジュニア Nicola Matteis Jr.(c.1690–1737)は、イングランドで生まれ、のちにウィーンに移住しました。ハ短調とイ短調の《ヴァイオリン・ソロのための2つのファンタジア》は、1720年かそれ以前に書かれた、密度の高いとされる作品です。
ドイツのヴァイオリニストで作曲家のヨハン・ゲオルク・ピゼンデル Johan Georg Pisendel(1687–1755)は、ドレスデンの宮廷楽団のコンサートマスターを長年にわたって務め、イタリアを訪れてヴィヴァルディに師事したことも知られています。《ソナタ イ短調》は〈プレリュード〉〈アレグロ〉〈ジーガ〉〈変奏〉の4楽章の作品です。
ルイ=ガブリエル・ギユマン Louis-Gabirel Guillemain(1705–1770)は、パリ生まれとされ、ルイ十五世とポンパドゥール夫人に作曲家とヴァイオリニストとして仕えました。Op.18 の《アミューズマン》(『Amusement pour le violon seul composé de plusieurs airs variés de différens auteurs … avec douze caprices(ソロ・ヴァイオリンのための異なる作家によるさまざまな曲からなる「愉しみ」…12のカプリースつき)』)は、美しい装飾的な旋律が魅力の作品です。
ヨハン・ヨーゼフ・ヴィルスマイアー Johan Joseph Vilsmayr(1663–1722)は、ザルツブルク生まれのオーストリアのヴァイオリニスト、作曲家。ビーバーの率いるザルツブルクの宮廷楽団で1689年から団員として演奏しました。《パルティータ第5番 ト短調》は、1715年にザルツブルクで出版された彼の唯一の出版譜に含まれる6曲のひとつ。〈プレリュード〉〈ガヴォット〉〈サラバンド〉〈リゴドン〉〈Guiqß〉〈メヌエット〉〈ブレ〉〈レティアルダ〉の8つの楽章で書かれています。
価格 2,970円(税込価格)(本体価格 2,700円)
『聖母マリアの夕べの祈り』
Harmonia Mundi HMM 902710 2CD’s early music
クラウディオ・モンテヴェルディ(1567–1643)
聖母マリアの夕べの祈り(Vespro della Beata Vergine) SV 206
ピグマリオン ラファエル・ピション(指揮)
セリーヌ・シーン(ソプラノ) ペリーヌ・ドゥヴィエ(ソプラノ)
ルシール・リシャルドー(メゾソプラノ)
エミリアーノ・ゴンザレス・トロ(テノール)
ザカリー・ワイルダー(テノール)
アントナン・ロンドピエール(テノール)
エティエンヌ・バゾラ(バス) ニコラ・ブルーイマン(バス)
ルノー・ブレ(バス)
録音 2022年1月 聖霊教会(Temple du Saint-Esprit)(パリ、フランス)
芸術監督 アリーヌ・ブロンディオー
録音エンジニア ユーグ・デショー
ラファエル・ピションとピグマリオンによるモンテヴェルディの《聖母マリアの夕べの祈り》。カトリック教会の典礼年、聖母マリアの祝日の晩課に基づくこの作品は、『詩篇70番』をテクストとする〈先唱と応唱〉に始まり、『雅歌』による〈モテット〉、聖歌〈アヴェ・マリス・ステラ(めでたし海の星)〉、『ルカによる福音書』の「マリアの賛歌」と「栄唱」の〈マニフィカト〉まで、13の部分で構成され、独唱者、合唱と管弦楽という編成で演奏されます。
フランスのカウンタテナーで指揮者のラファエル・ピション Raphaël Pichon(1984–)は、子供のころヴェルサイユ少年合唱団で歌い、パリ国立高等音楽舞踊学校で歌唱と指揮を学びました。トーン・コープマン、ジョルディ・サヴァール、スグタフ・レオンハルトたちの下で歌い、音楽院在学中の2006年に古楽器アンサンブル「ピグマリオン Pygmalion」を創設しました。J・S・バッハの宗教作品、ラモーの歌劇《カストールとポリュックス》(HMC 902212)などの、きびきびした、演劇的、生気あふれる演奏が、フランスやイギリスをはじめとするメディアの高い評価を獲得してきました。
彼は、モンテヴェルディのこの作品を演奏するにあたり、作品をめぐる議論を念頭に置きながら作品のテクストを改めて読み解いていったといいます。「この《夕べの祈り》は、音楽史上初めての映画的作品だと私は考えています。おのおのの詩篇、とりわけ最初の3つが、まさに劇的行動の場面として示されている。そのことが、モンテヴェルディの劇的天才性を意味しています。彼は、舞台を設定することで、私たちが感じ、心に描き、感触を確かめることすらさせます」(ピション)。
ピションの言う「映画的作品」が実感できる録音です。金管楽器アンサンブルの音楽は、ジョン・ウィリアムズの《リバティ・ファンファーレ》を連想させます。輝かしく、瑞々しく、優しい。「今」の時代の音楽。
『Born in Waves(波の中に生まれ)』
Kairos 0022024KAI contemporary/classical
エリス・ハリク(1986–)
Some Paths Will Always Lead through the Shadows
(どれかの道を行くとかならず影の中を通ることになる)(2021)
(フルート/バス・フルート、バス・クラリネット、ピアノ、
2つのヴァイオリン、ヴィオラとチェロのための)
アンサンブル・シニースシーシス(Ensemble Synaesthesis)
カロリス・ヴァリアコイス(指揮)
[録音 2021年4月26日 Composers’ House
(ヴィルニュス、リトアニア)]
2つのヴァイオリンと弦楽オーケストラのための協奏曲
《Stoicheia(元素)》(2015)
トリーン・ルーベル(ヴァイオリン)
ユタ・ウウナプー=モカニタ(ヴァイオリン)
タリン室内管弦団
アトヴァルス・ラクスティーガラ(指揮)
[録音 2015年4月12日 エストニア公共放送局第1スタジオ
(タリン、エストニア)]
To Become a Tree(木になるには)(2016)
(フルート/バス・フルート、クラリネット/バス・クラリネット、
プリペアド・ピアノ、ヴァイオリンとチェロのための)
アンサンブル・フラクタル(Ensemble Fractales)
[録音 2016年10月25日 Hopner House(タリン、エストニア)]
Doch manchmal erhellt sich die Seele, wenn sie frohe Menschen denkt,
dunkelgoldene Frühlingstage
(それでも、時として、楽しげな人たちのことや暗い金色の春の日々を想うと、
心が晴れ晴れする)(2019)
(ソプラノ、フルート/バス・フルートとライヴ・エレクトロニクスのための)
シリエ・アレクサンドラ・ヴィーセ(ソプラノ)
モニカ・マッティエセン(フルート)
エリス・ハリク(ライヴエレクトロニクス)
インドレク・パル(ライヴエレクトロニクス・アシスタント)
[録音 2023年4月3日 聖ヤコブ教会(タリン、エストニア)]
Born in Waves(波の中に生まれ)(2021)
(バス・クラリネット、トランペット、テューバ、ピアノ、
ひとりの打楽器奏者、ヴァイオリン、ヴィオラとチェロのための)
アンサンブル・ムジークファブリク(Ensemble Musikfabrik)
クレメント・パワー(指揮)
[録音 2022年8月19日 アンサンブル・ムジークファブリク・スタジオ
(ケルン、ドイツ)]
Touching the First Sounds(最初の音に触れる)(2019)
(アルト・サクソフォーン・ソロ、フルート、クラリネット/
バス・クラリネット、ヴァイオリン、ヴィオラとチェロのための)
マルクス・ヴァイス(アルト・サクソフォーン)
アンサンブル・フォー・ニューミュージック・タリン
(Ensemble for New Music Tallin)
アラシュ・ヤズダニ(指揮)
[録音 2019年5月19日 大ギルド・ホール(タリン、エストニア)]
Impacts(衝撃)(2014)(チェロとコントラバスのための)
テオドル・シンク(チェロ)
レジーナ・ウドッド(コントラバス)
[録音 2023年4月4日 聖ヤコブ教会(タリン、エストニア)]
Like a Swan(白鳥のように)(2022)(フルート/バス・フルート、
バス・クラリネット、ピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラとチェロのための)
トリーン・ルーベル(ヴァイオリン)
アンサンブル・フォー・ニュー・ミュージック・タリン
アラシュ・ヤズダニ(指揮)
[録音 2022年6月2日 エストニア公共放送局第1スタジオ
(タリン、エストニア)]
Above(上方に)2022)(2つ、ないしそれ以上の楽器のための)
アンサンブル U:(Ensemble U:)
[録音 2023年4月4日 聖ヤコブ教会(タリン、エストニア)]
エストニアの作曲家エリス・ハリクの初めての作品集。
エリス・ハリク Elis Hallik は、1986年、パルヌ生まれ。エストニア音楽アカデミーでヘレナ・トゥルヴェに作曲を学び、2015年にトゥルヴェとトイヴォ・トゥレヴの指導の下で修士号を取得しました。リヨン国立高等音楽舞踊学校でミケーレ・タディニ、ロベール・パスカル、ルカ・アンティニャーニに師事。ルカ・フランチェスコーニたちのマスタークラスに参加しました。彼女は、スペクトラル音楽や電子音楽による表現との出会いを通じて、独自の多彩なサウンドスケープを獲得していったと言われます。「今の瞬間を意識して取り入れ、わたしたちを取り巻くものを鋭く観察する能力に影響を与えるものすべてを尊重する」(エリス・ハリク)。彼女の作品は、IRCAM の「マニフェスティ」やエストニア現代音楽祭「AFEKT」をはじめとする音楽祭で演奏されるなど注目を集め、2014年にはチェロとコントラバスのための《Impacts》がウィーン国立音楽大学の国際夏期アカデミー(ISA)の第1位を獲得。この受賞が、2016年にウィーンで初演された《To Become a Tree》の委嘱につながりました。このアルバムには、この2つの作品をはじめ、室内楽を中心とするこの10年間の作品が収録されています。
価格 2,640円(税込価格)(本体価格 2,400円)
『天空の光』
Ondine ODE 1422-2 contemporary/classical
オッリ・ムストネン(1967–)
交響曲第3番《天空の光(Taivaanvalot)》(2020)
(テノールと管弦楽のための)*
交響曲第2番《ヨハネス・アンゲロス(Johannes Angelos)》(2013)
トゥルク・フィルハーモニック管弦楽団
オッリ・ムストネン(指揮)
イアン・ボストリッジ(テノール)*
録音 2022年11月24日–26日(第3番)、2023年5月29日–30日 トゥルク・コンサートホール(トゥルク、フィンランド)
フィンランドのオッリ・ムストネン Olli Mustonen は、彼の世代を代表するピアニストのひとりとして国際的に知られる一方、作曲家としても活動しています。ムストネンのスタイルを音楽学者キンモ・コルホネンは「リズミカルな推力のあるロマンティックな語法」と定義しています。
ムストネンの《交響曲第2番》は2013年の作品です。フィンランドの作家ミカ・ヴァルタリ Mika Waltari が、オスマン帝国に攻められて陥落するビザンティン帝国コンスタンティノープルの最後の日を題材にして書いた歴史小説をインスピレーションに作曲されました。「1453年の春、ギリシャ教会の最後の都市は、断末魔の苦しみにもがいていた。夜は流血と潜む暴力で見るも恐ろしく、夜が明けるごとに新たな戦略の攻撃戦略にさらされる……」。全曲は、4つの楽章で構成されています。〈ブランケルナエのパナギア(Blachernain Panaghia/The Panagia of Blanchernæ)〉〈聖スピリドンの日(Pyhän Spridionin päivä/St. Spyridon’s Day)〉〈聖使徒大聖堂にて(Apostolien kirkossa/At the Church of the Holy Apostles)〉〈アレオ・エ・ポリス(Aleo e polis)〉。聖母マリアと正教会の司教職の紋章にちなんで名づけられ「ビザンティン神秘主義」の崇拝ともみなされる最初の楽章をのぞき、小説中の重要なできごとや転換点が楽章のタイトルにとられています。
《交響曲第3番》には《天空の光》の副題がつけられました。フィンランド民族叙事詩集『カレヴァラ』のキース・ボズリー Keith Bosley による英訳をテクストに使い、第47章から第49章で語られる「太陽の幽閉と解放」のエピソードの断片に作曲されました。「I have a good mind(わたしは素晴らしい知性をもっている)」「Still the sun is not shining(依然として日は輝かず)」「The bird sets about talking(鳥は喋り始める)」「He went to Väinämöinen(彼はヴァイナモイネンのもとへ行った)」の4つの楽章。「テノールと管弦楽のため」の版は「テノール、チェロとピアノ」の版(2017)を基に作られ、2022年11月24日、イアン・ボストリッジのソロ、ムストネン指揮 トゥルク・フィルハーモニック管弦楽団により初演されました。
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)
『ペンデレツキ 宗教的合唱作品集』
Ondine ODE 1435-2 contemporary/classical
クシシュトフ・ペンデレツキ(1933–2020)
おお、栄光に満てる処女(O Gloriosa virginum)(2009)
深き淵より(De profundis)(1996)
死の塵の中へ(In pulverem motis)(1966)
ケルビムの歌(Song of Cherubim)(1986)
来たり給え創造主なる聖霊よ(Vieni Creator)(1987)
憐れみ給え(Miserere)(1965)
神の子羊(Agnus Dei)(1981)
ミサ・ブレヴィス(Missa bravis)(2012)
ラトビア放送合唱団
シグヴァルズ・クリャヴァ(指揮)
録音 2023年2月10日、4月17日–18日、5月26日 聖ヨハネ教会(リガ、ラトビア)
ラトビアを代表する合唱団のひとつ、ラトビア放送合唱団とシグヴァルズ・クリャヴァ Sigvards Kļava(1962–)のジョン・ケージの合唱作品(ODE 1402-2)に次ぐアルバム。《おお、栄光に満てる処女》や《ミサ・ブレヴィス》のような美しい気分の「リスナー・フレンドリー」な作品から、《死の塵の中へ》や《憐れみ給え(ミゼレーレ)》のような前衛的な響きの作品まで、ペンデレツキ Krzysztof Penderecki の幅広いスタイルの作品が歌われます。
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)
『ヴィトルト・ルトスワフスキ』
Ondine ODE 1444-2 contemporary/classical
ヴィトルト・ルトスワフスキ(1913–1994)
管弦楽のための協奏曲(1950–54)
ヴァイオリンと管弦楽のためのパルティータ(1988)*
ノヴェレッテ(Novelette)(1979)
フィンランド放送交響楽団
ニコラス・コロン(指揮)
クリスティアン・テツラフ(ヴァイオリン)*
録音 2022年4月(協奏曲)、2022年9月(パルティータ)(ライヴ録音)、2022年12月(ノヴェレッテ) ヘルシンキ・ミュージックセンター(フィンランド)
フィンランド放送交響楽団によるルトスワフスキ Witold Lutosławski の管弦楽作品シリーズ。ハンヌ・リントゥの指揮による『交響曲第1番・第4番・ヴェネツィアのゲーム』(ODE 1320-2)と『交響曲第3番・第2番』(ODE 1332_2)につづき、今の首席指揮者ニコラス・コロン Nicholas Collon による録音がリリースされます。
《管弦楽のための協奏曲》は、1950年から1954年にかけて作曲され、作曲を主導したワルシャワ・フィルハーモニック管弦楽団とヴィトルト・ロヴィツキに献呈された作品です。「アレグロ・マエストーゾ」の〈イントラーダ(Intrada)〉「ヴィヴァーチェ」の〈カプリッチョ・ノットゥルノ・エド・アリオーゾ(Capriccio notturne ed Arioso)〉「アンダンテ・コン・モート」の〈パッサカリア、トッカータ・エ・コラーレ(Passacaglia, Toccata e Chorale)〉の3楽章で書かれ、ルトスワフスキの民俗的スタイルによる最高の成果とされています。
《ヴァイオリンと管弦楽のためのパルティータ》は5楽章の作品です。第1楽章「アレグロ・ジュスト」第3楽章「ラルゴ」第5楽章「プレスト」をメインに、第2楽章と第4楽章は、即興演奏(ad libitum)による短い間奏曲として書かれました。ピンカス・ズーカーマンとマルク・ナイクルーグのためにセントポール室内管弦楽団が委嘱。1985年1月18日にズーカーマンとナイクルーグにより初演された後、1988年に「ヴァイオリンと管弦楽のため」の版が作られました。
《ノヴェレッテ》は、ロストロポーヴィチがワシントンDCのナショナル交響楽団の音楽監督に指名された際、新しいオーケストラで演奏する作品として作曲されました。「短編小説」を意味する “novelette” は、ロベルト・シューマンやニルス・W・ゲーゼ、シベリウスやプーランクの「性格的小品」の名にも使われています。ルトスワフスキの曲は、最初の「Annoucements(知らせ)」と最後の「Conclusion(結び)」の間に3つの「Event(できごと)」をはさむ、5楽章で書かれた約18分の作品です。
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)
『Christmas with My Friends VIII』
ACT Music ACT 9978-2/ACTLP 99871 Vinyl LP jazz
『Christmas with My Friends VIII』
Blue Christmas(Bill Hayes/Jay Johnson)
That’s How I Picture Christmas Eve(Johan Norberg)
Santa Baby(Joan Javits/Phil Springer/Tony Springer)
Lully, Lulla, Lullay(Philip Stopford)
Most of All(Sharon Dyall)
Soon after Christmas(Stina Nordenstam)
Bells Are Ringing(Jessica Pilnäs)
Little Town of Bethlehem(Lewis H. Redner/Phillips Brooks)
O Tannenbaum(traditional/arr. CWMF)
Julgånglåt(Johan Norberg)
Förunderligt och nära(語るもふしぎな)
(Carl Nielsen/Carl Oscar Mammström)
In dulci jubilo(もろびと声あげ/甘き喜びのうちに)(traditional)
It’s the Most Wonderful Time of the Year(Edward Pola/George Wyle)
ニルス・ランドグレーン(トロンボーン、ヴォーカル)
シャロン・ダイヤル(ヴォーカル)
シャネット・ショーン(ヴォーカル)
イェシカ・ピルナス(ヴォーカル)
イーダ・サンド(ヴォーカル、ピアノ)
ユーナス・クヌートソン(サクソフォーン)
ユーハン・ノルベリ(ギター)
クラス・ラッスブー(ベース)
録音 2023年5月15日–16日 アトランティス・スタジオ(Atlantis Studios)(ストックホルム、スウェーデン)
録音エンジニア ニクラス・リンドストレム
スウェーデンのトロンボーン・プレーヤー、ニルス・ランドグレーン(ラングレン) Nils Landgren が「友人たち」と祝うクリスマスの第8集。17年前に彼らは、クリスマス気分を盛り上げるためにウェーデンとドイツの教会を回るツアーを行い、そのプロブラムをアルバムにした『Christmas with My Friends』は「あらゆるクリスマスCDでもっとも美しい」と評され、以来、一年おきにこのシリーズの新作が作られてきました。2023年のこのアルバムには、スウェーデンのヴォーカリスト、シャロン・ダイヤル Sharon Dyall、イェシカ・ピルナス Jessica Pilnäs、シャネット・ショーン Jeanette Köhn、イーダ・サンド Ida Sand が参加。シャロンとイェシカが作ったナンバーも1曲ずつ演奏されています。
価格(CD) 2,860円(税込価格)(税抜価格 2,600円)
価格(Vinyl LP) 4,400円(税込価格)(税抜価格 4,000円)
『The Chase!』
Alba ABCD 471 jazz
『The Chase!』
Cross-eyed Suzie Lee(Joe Josea/Little George Smith)
Shakin’ at the Southpark(Masa Orpana)
Crazy Mama(J. J. Cale) Slower Slower(Masa Orpana)*
I’m a Lonely Man(Little Milton/Bob Lyons)**
Chasin’ up(Masa Orpana)**
Looking for my Baby(Jonni Seppälä/arr. Masa Orpana)
Ratzo(Masa Orpana)*
マサ・オルパナ・ホンク
ジョニー・ギデオン(ヨンニ・セッパラ)(ヴォーカル、ギター)
トゥオマス・ヘイノネン(アルトサックス)
マサ・オルパナ(テナーサックス)
アイノ・ヘイッコネン(バリトンサックス)
ヴィッレ・ヴァッリラ(ベース、バッキングヴォーカル)
ユッポ・パーヴォラ(ドラム)
録音 PMO(タンペレ)、ビバップ・スタジオ(Be-Bop Studio)**、カンガサラ・タロ(Kangasala-Talo)(カンガサラ、フィンランド)(ライヴ録音)*
制作 マサ・オルパナ・ホンク
録音エンジニア ヨンニ・セッパラ、ユッシ・アランコ **、ペトルス・トゥイスク *
「マサ・オルパナ・ホンク Masa Orpana Honk」は、2012年、カンガサラ生まれのテナーサックス奏者マサ・オルパナ Masa Orpana を中心に結成されたバンド。ヨンニ・セッパラ Jonni Seppälä(別名ジョニー・ギデオン Johnny Gideon)のギター、ヴィッレ・ヴァッリラ Ville Vallila のベース、ユッポ・パーヴォラ Juppo Paavola のドラム、マサ・オルパナのサックス。このメンバーにサク・ヤルヴィネンのキーボードが加わった『Honk』(ABCD 433)が、2018年にリリースされました。3年前の2020年、トゥオマス・ヘイノネン Tuomas Heinonen とアイノ・ヘイッコネン Aino Heikkonen のふたりのサックス奏者が加わったため、レパートリーの曲をオルパナが新たに編曲。新しいアルバム『The Chase!』を作りました。
『The Chase!』のプログラムは、オルパナとヨンニ・セッパラのオリジナル曲と、アメリカのブルース・ナンバー。アフリカ系アメリカのルーツミュージック、ニューオーリンズのリズム・アンド・ブルース、シカゴとテキサスのブルース、西海岸のジャズに影響されたジャンプ・ブルース、ゴスペル、ソウル、ファンクという、前作と同じ要素とスタイルによる音楽です。リトル・ジョージ・スミスの《Cross-eyed Suzie Lee》やJ・J・ケイルの《Crazy Mama》など4曲ではジョニー・ギデオンが、彼のギターと同様の自信たっぷりのヴォーカルを聴かせます。《Slower Slower》と《Ratzo》の2曲は、カンガサラのホールでのライヴ演奏です。
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)
『The Other Way Around』
Ladybird 79556874 jazz
『The Other Way Around』
Today Is Gonna Be a Better Day(Hannah Svensson)
Crossroad(Hannah Svensson)
It’s All Over Now, Baby Blue(Bob Dylan)
The Other Way Around(Hannah Svensson)
The Two of Us(Hannah Svensson)
Time to Go Home(Hannah Svensson)
We’ll Get Through(Hannah Svensson)
Carry on(Hannah Svensson)
Little Friend(Hannah Svensson)
ハンナ・スヴェンソン(ヴォーカル)
ヤン・ルンドグレーン(ピアノ)
エヴァン・スヴェンソン(ギター)
マッツ・ニルソン(ベース)
ゾルターン・チェルス(ドラム)
録音 2021年12月 ギューラ・スタジオ(Gula Studion)(マルメ、スウェーデン)
制作 ハンナ・スヴェンソン
録音エンジニア ダーヴィド・カールソン
ミクシング オーケ・リントン
マスタリング トマス・フェーングレーン
スウェーデンのジャズ・シンガーソングライター、ハンナ・スヴェンソン Hannah Svensson(1986–)の 『Snowflakes in December(十二月の雪のひとひら)』(79556871)につづく新作。「人生に迷いがあったころ、無力感という悪循環にはいりこまないよう努め、明るい光の見える方に向かって歩み始めた……」。《The Other Way Around》(逆の方向へ)をはじめ、、彼女の内面の動きを映す「ポジティヴ」なオリジナル曲にボブ・ディランの《It’s All Over Now, Baby Blue》(もう終わったんだ、ベイビー・ブルー)を加えたプログラムを歌ったアルバムです。ヤン・ルンドグレーン(ラングレン) Jan Lundgren のピアノ、エヴァン・スヴェンソン Ewan Svensson のギター、マッツ・ニルソン Matz Nilsson のベース、ゾルターン・チェルス Zoltán Csörsz のドラム。前作と同じマルメのギューラ・スタジオで録音セッションが行われました。
「今日はもっといい日になるはず……交差するところ……わたしたち二人……家に帰る時間だわ……私たち、乗り越えられる……つづけましょう……小さな友だち」。自分の思っていることを聴き手にやさしく伝えたい。そんなアルバムです。
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)
『Tankepalass』
Losen Records LOS 289-2 jazz
『Tankepalass』
Tankepalass(Camille Tømta) Kom(Camille Tømta)
Rives med(Camille Tømtal) Prokrastinere(Camille Tømta)
Alt jeg minnes deg med(Camille Tømta)
Holde fast(Camille Tømtal) Gjennom vann og ild(Camille Tømta)
Siste dans(Camille Tømta) Kvikksand(Camille Tømta)
ロウ=フライ・クインテット
カミッラ・トムタ(ヴォーカル)
オーレ・ヨーストル(ピアノ、ヴォーカル)
シリ・スノットハイム(チェロ、ヴォーカル)
ウリ・サラ(ベース、ヴォーカル)
スキャルグ・リースハイム(ドラム、パーカッション)
録音 2023年5月 Dakkota Studio(ハーマル、ノルウェー)
制作 ロウ=フライ・クインテット、オルヌルヴ・スノットハイム
録音エンジニア・ミクシング オルヌルヴ・スノットハイム
『Stop for a While(すこし立ち止まって)』(LOS 188-2)『Winter Love Song(冬の愛の歌)』(LOS 227-2)をリリースしたノルウェーのアンサンブル「ロウ=フライ・クインテット Low-Fly Quintet」の第3作。シンガーソングライターのカミッラ・トムタ Camille Tømta を中心にオーレ・ヨーストル Ole Gjøstøl のピアノ、シリ・スノットハイム Siri Snortheim のチェロ、ウリ・サラ Uri Sala のベース、スキャルグ・リースハイム Skjalg Lidsheim のドラムというメンバー。愛と人とのつながりというテーマの曲を「懐かしいジャズ」のスタイルで歌ったアルバム。前の2作と異なり、歌詞はすべてノルウェー語で書かれています。
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)
『The Hamar Concert』
NXN Recordings NXN 2019 jazz
『The Hamar Concert』
エスペン・ベルグ(1983–)
Part 1a Part 1b Part 2 Part 3 Part 4 Part 5 Part 6 Part 7
Part 8
エスペン・ベルグ(ピアノ)
録音 2022年10月29日 ハーマル・クルトゥルフス(文化ホール)(Hamar Kulturhus)(ハーマル、ノルウェー)(ライヴ録音)
ミクシング 2023年6月15日 エスペン・ベルグ
マスタリング 2023年6月27日 モッテン・ルン
ノルウェーのハーマル生まれのピアニスト、エスペン・ベルグ Espen Berg(1983–)による「インプロヴィゼーション・ライヴ」。『The Trondheim Concert』(NXN 2011)、デジタル配信のみの『ニーダロス・コンサート』につづく第3作です。
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)
『From Now On』
Oslo Session Recordings OSR 009 jazz
『From Now On』
Hymn for the ‘20s(Øyvind Brække) Point of View(Øyvind Brække)
The Gathering(Øyvind Brække) Way Out Loud(Øyvind Brække)
Plexi Encounters(Øyvind Brække) Femtito(Øyvind Brække)
オイヴィン・ブレッケ・セクステット
オイヴィン・ブレッケ(トロンボーン)
ヨルゲン・マティセン(テナーサックス、ソプラノサックス)
ベルグムン・ヴォール・スカスリーエン(ヴィオラ)
ジェイコブ・ヤング(ギター)
バウルズル・レイネルト・ポウルセン(ベース)
エーリク・ニューランデル(ドラム、パーカッション)
録音 6月22日 Athletic Sound(ハルデン、ノルウェー)
制作 ジェイコブ・ヤング、オイヴィン・ブレッケ
録音エンジニア ダーグ・エーリク・ヨハンセン
ノルウェーのジャズ・ミュージシャン、オイヴィン・ブレッケの「セクステット」アルバム。オイヴィン・ブレッケ Øyvind Brække は、1969年、オスロに近いバールムの生まれ。サンヴィーカ・ビッグバンド(Sandvika Storband)からジャズのキャリアをスタートさせ、1991年から1993年までトロンハイム音楽院のジャズ・プログラムで学びました。1998年からオスロを拠点にトロンボーン・プレーヤー、作曲家、アレンジャー、バンドリーダーとして活躍しています。「モルデ・ジャズ」で知られるトロンハイム・ジャズオーケストラとも緊密な関係をつづけています。このセクステットのメンバーは、ヨルゲン・マティセン Jørgen Mathisen のサックス、ベルグムン・ヴォール・スカスリーエン Bergmund Waal Skaslien のヴィオラ、ジェイコブ・ヤング Jakob Young のギター、バウルズル・レイネルト・ポウルセン Bárður Reinert Poulsen のベース、エーリク・ニューランデル Erik Nylander のドラム。明るい日の光が「オスロの郊外で過ごした子供のころの思い出」と「1920年代の音楽のイメージ」を呼び覚ましたという、2021年春の《Hymn for the ‘20s》など、6曲すべて、ブレッケが作曲、編曲したナンバーです。
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)
『Introspection』
Prophone PCD 320 jazz
『Introspection』
Bandolin(Gustav Renberg) Introspection(Gustav Renberg)
Fellowship(Gustav Renberg) Rise & Shine(Gustav Renberg)
Yotam(Gustav Renberg) The Mountain(Gustav Renberg)
Sun Street(Gustav Renberg) Slumber Song(Gustav Renberg)
グスタフ・レンベリ(ギター)
ブリッタ・ヴィルヴェス(ピアノ)
ユーナス・ベックマン(ドラム)
トゥーマス・ショーデル(ベース)
セバスチャン・マッテブー(アルト・サクソフォーン)
アリ・ブラーギ・カウラソン(フリューゲルホルン)
録音 2021年11月 ヤードハウス・スタジオ(Yardhouse Studios)(トゥリンゲ、スウェーデン)
録音エンジニア マンネ・スカーヴェンステット
ミクシング ポール・スヴェンレ
グスタフ・レンベリ Gustav Renberg は、スウェーデンのギタリストで作曲家。2021年に王立ストックホルム音楽大学を卒業、ストックホルムを拠点に活動しています。彼の音楽は、曲も演奏もメロディアスで物憂く、表現力に富み、聴き手をメランコリーとノスタルジアの気分に誘うといわれます。
『Introspection(内省)』は、彼のデビュー・アルバム。演奏している曲はすべて、グスタフのオリジナル作品です。それぞれの曲に音楽面のロールモデルや特定の場所があり、いくつかの曲には個人の経験も反映されているといいます。ブライアン・ブレイドやアーロン・パークスといったアメリカのコンテンポラリー・ジャズのミュージシャンやスティーヴィー・ワンダーやレノン/マッカートニーたちポップ指向のミュージシャンたちの音楽、スカンディナヴィアと南アメリカのフォークミュージック。彼の気に入りのそうした音楽が、作曲のベースになり、影響を与えています。
バンドのメンバーは、ストックホルムの音楽大学で出会ったミュージシャンたちです。ピアニストのブリッタ・ヴィルヴェス Britta Virves、ドラマーのユーナス・ベックマン Jonas Bäckman、ベーシストのトゥーマス・ショーデル Tomas Sjödell、サクソフォーン・プレーヤーのセバスチャン・マッテブー Sebastian Mattebo。バンド「Melismetiq(メリスメティク)」で演奏しているのをグスタフが聴いた、アイスランドのトランペッター、アリ・ブラーギ・カウラソン Ari Bragi Kárason が、4曲のセッションでフリューゲルホルンを演奏しています。
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)
『Corpo - The 30th Anniversary Concert』
Prophone PCD 323 jazz
『Corpo - The 30th Anniversary Concert』
Naiv Nils(Mikael Godée) Krukan(Mikael Godée)
65(Mikael Godée) NN(Mikael Godée) 414(Mikael Godée)
Mainroad Flower(Mikael Godée) Merry Go Round(Mikael Godée)
コルポ(Corpo)
ミーケル・ゴデーエ(ソプラノサックス、フルート)
エバ・ヴェステルベリ(パーカッション)
トマス・マークッソン(ベース)
ラーシュ=エーリク・ノッルストレム(ピアノ、キーボード)
マライケ・ヴィーニング(ドラム)
ゲスト
アルマス・イェビオ(ヴォーカル、作詞)
アメーリエ・エヴマルク(ヴァイオリン)
アニー・グンナション(ヴァイオリン)
レオ・ローヴセーン(ヴィオラ)
アクセル・ヴィーボリ(チェロ)
録音 2022年11月26日 シェペット GBG(Skeppet GBG)(ヨーテボリ、スウェーデン)(「スウェーデン放送」によるライヴ録音)
制作 ミーケル・ゴデーエ
録音エンジニア・マスタリング ベンクト・ペッテション
ヨーテボリ在住のジャズ・ミュージシャン、ミーケル・ゴデーエが結成したクインテット「コルポ Corpo」の「30周年記念コンサート」アルバム。
ミーケル・ゴデーエ Mikael Godée は、1957年、スウェーデンのオレブルー生まれ。ヨーテボリ大学音楽演劇アカデミー(現 ヨーテボリ大学 舞台芸術・音楽学校)で学びました。ソプラノサックスとフルートのプレーヤー、作曲家として活動を始め、1980年代の初期にステファン・フォシェーンの「エングラスペル Änglaspel」(『Zvamp』(PCD 051))に参加しました。1992年に自身のバンド「コルポ Corpo」を結成。このグループは「美しい旋律で知られるスウェーデンの民俗音楽と『北欧の音』の肌触りのジャズと即興」にジャンル分けされ、彼の書いた作品は「ヤン・ガルバレクのスタイルのメランコリックな美しい気分」と評されました。
コルポのメンバーは、エバ・ヴェステルベリ Ebba Westerberg のパーカッション、トマス・マークッソン Thomas Markusson のベース、ラーシュ=エーリク・ノッルストレム Lars-Erik Norrström のピアノ、ゴデーエのソプラノサックスとフルート。ドイツのマライケ・ヴィーニング Mareike Wiening が現在、ドラムを担当しています。「新たな創造の音風景を行く旅……不毛の山々、広々とした景色、どこまでつづくとも知れない深い森、赤く塗装された小屋、そうしたものが頭をかすめる瞬間……希望と憧れ、孤独と思いやり、瞑想と思索に息づく音楽……」。
ヴォーカリストのアルマス・イェビオ Almaz Yebio と、アメーリエ・エヴマルク Amelie Evmark たちの弦楽四重奏がゲストとして参加しています。
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)
『Jimmy Guiffre Trio, Gene Krupa Quartet in Concert』
SteepleChase SCCD 36509 jazz
『Jimmy Guiffre Trio, Gene Krupa Quartet in Concert』
Song of the Wind(Jimmy Giuffre) Careful(Jim Hall)
The Little Melody(Jimmy Giuffre) Time Machine(Jimmy Giuffre)
ジミー・ジュフリー・トリオ
ジミー・ジュフリー(クラリネット、テナーサックス)
ジム・ホール(ギター)
バディ・クラーク(ベース)
Undecided(Charlie Shavers) Flamingo(Ted Grouya)
Sing Sing Sing(Louis Prima)
ジーン・クルーパ・カルテット
エド・ワッサマン(テナーサックス、フルート、クラリネット)
ロニー・ボール(ピアノ)
ジミー・ギャモン(ベース)
ジーン・クルーパ(ドラム)
録音 1959年5月21日 ファルコナー・センター(Falkoner Centret)(コペンハーゲン)(ライヴ録音)
ウディ・ハーマンのビッグバンドのオーケストレーターとしても活躍したサクソフォーンとクラリネットのプレーヤー、ジミー・ジュフリー Jimmy Giuffre(1921–2008)のトリオ。スウィング期を代表するドラマー、ジーン・クルーパ Gene Krupa(1909–1973)のカルテット。1959年5月21日、コペンハーゲンのファルコナー・センターで開催されたジェリー・マリガン・カルテット・コンサート(SCCD 36506)の前にオープニングとして行われた、ふたつのグループのコンサートを収録したアルバムです。
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)
『The Solo Songs of Keith Jarrett』
Storyville 101 4353 jazz
『The Solo Songs of Keith Jarrett』
Opening When I Fall in Love Flying Away & Song for Keith
Bass-anity Allentown Blues Polyphonistic Nightmares Drum Dance
The Mysterious Corona Evil Speak & Adonis Little Song for Fredrik
October Song October Thoughts PrismOver the Rainbow
カーステン・デール(ピアノ)
パレ・ミケルボー(トランペット)
フレズリク・ロンディン(サクソフォーン)
ニルス・ボー・デーヴィズセン(ベース)
ステファン・バスボー(ドラム)
アナ・フェイトーサ(ヴァイオリン)
マシュー・ジョーンズ(ヴァイオリン)
サンナ・リパッティ(ヴィオラ)
ヨーナタン・スロート(チェロ)
録音 2019年7月10日 The Black Diamond(デンマーク王立図書館)(コペンハーゲン)
デンマークのジャズ・ピアニスト、カーステン・デール(ダール) Carsten Dahl(1967–)からキース・ジャレットへの「トリビュート」アルバム。トランペッターのパレ・ミケルボー Palle Mikkelborg、サクソフォーン奏者のフレズリク・ロンディン Fredrik Lundin、ベーシストのニルス・ボー・デーヴィズセン Niels Bo Davidsen、ドラマーのステファン・バスボー Stefan Pasborg というデンマーク・ジャズシーンを代表するミュージシャンと、ヘアニング現代美術館(HEART)のレジデントアーティスト「アンサンブル・ミトヴェスト Ensemble MidtVest」の弦楽器奏者が参加して、2019年の「コペンハーゲン・ジャズフェスティヴァル」期間中に「ブラック・ダイアモンド」(デンマーク王立図書館)のホールで録音されました。デールたちのオリジナル曲、キース・ジャレットのあまり知られていない曲と「スタンダード」にもなった曲によるプログラムです。
価格 2,420円(税込価格)(本体価格 2,200円)
『The Hidden Ladies of Jazz』
Storyville 101 4354 jazz
『The Hidden Ladies of Jazz』
Walkin’ and Swingin’(Mary Lou Williams)
How High the Moon(Morgan Lewis/Nancy Hamilton)
Who Are You(Kenny Wheeler/Jane White)
In the Days of Our Love(Peggy Lee/Marian McPartland)
Oriental Swing(Lil’ Hardin Armstrong)
Willow Weep for Me(Ann Ronell)
I’ll Never Smile Again(Ruth Lowe)
I aften(Karen Jønsson)
My Journey to the Sky(Dorothy Austin/Sister Rosetta Tharpe)
Sov du lilla videung(Alice Tegnér/Zacharias Topelius)
The Five Pennies(Leith Stevens/Sylvia Fine)
This Will Make You Laugh(Irene Higginbotham)
It’s a Good Day(Peggy Lee/Dave Barbour)
シスターズ・オブ・ジャズ
アナ・パウリーネ(ヴォーカル)
ペアニレ・ベヴォート(サクソフォーン)
リス・ヴェスベア(トロンボーン)
カトリーネ・ウレロプ・フレーロン(ピアノ)
イーダ・ヴィーズ(ベース)
ベニータ・ホーストロプ(ドラム)
録音 2021年9月5日–6日 Village Recording(コペンハーゲン )
録音 トマス・ヴァング
「シスターズ・オブ・ジャズ Sisters of Jazz」は、ヴォーカリストとして著名なアナ・パウリーネ(アンナ・ポーリン) Anna Pauline をバンドリーダーとするデンマークの女性だけのアンサンブルです。デンマーク音楽賞にノミネートされたサクソフォーン・プレーヤーのペアニレ・ベヴォート Pernille Bévort、熟練のトロンボーン・プレーヤーのリス・ヴェスベア Lis Wessberg、ヴィルトゥオーゾ・ピアニストのカトリーネ・ウレロプ・フレーロン Cattine Ullerup Frølund、多才のベーシストのイーダ・ヴィーズ Ida Hvid、ベン・ウェブスター賞を受賞したドラマーのベニータ・ホーストロプ Benita Haastrup の6人をメンバーに活動しています。
このプロジェクトは、2014年、ジャズ・シンガーで作曲と作詞家でもあるアナ・パウリーネが、国際女性デー期間中に開催されるコンサートで演奏するための女性だけによるバンドを作ることを依頼されてスタート。このコンサートが大きな成功を収めたことから、現在のシスターズ・オブ・ジャズが結成されました。
デビュー・アルバム『The Hidden Ladies of Jazz』は、ジャズの世界に貢献しながら忘れられがちな女性作曲家やミュージシャンへのオマージュの意味合いを込めて作られました。ナンシー・ハミルトン、アン・ロネル、マリアン・マクパートランド、メアリー・ルー・ウィリアム、ペギー・リー……。スウェーデン系デンマークのカーアン・イェンソン Karen Jønsson の《I aften(夕べに)》と、スウェーデンの作曲家アリス・テグネール Alice Tegnér がサカリアス・トペリウス Zacharias Topelius の詩に作曲した《Sov du lilla videung(お眠り、小さなヤナギの若芽)》がプログラムに含まれています。
価格 2,420円(税込価格)(本体価格 2,200円)
『Dear Frances』
Stunt Records STUCD 23052/STULP 23051 jazz
『Dear Frances』
No More Fuss(Julia Werup/Thomas Blachman)
Bird(Julia Werup/Thomas Blachman)
Rain(Julia Werup/Thomas Blachman)
Broken Mind(Julia Werup/Thomas Blachman)
Just Let Him Know You Love Him(Julia Werup/Thomas Blachman)*
Time of Life(Julia Werup/Thomas Blachman/Andreas Kleerup)**
Memories(Julia Werup/Thomas Blachman)
Together(Julia Werup/Thomas Blachman)
Sorry for What You Don’t Feel(Julia Werup/Thomas Blachman)
ユリア・ヴェールプ(ヴォーカル)
スヴェン=エーリク・ルンデクヴィスト(ピアノ)
ヨニー・オーマン(ベース)
マティアス・ペトリ(ベース)*
トマス・ブラクマン(ドラム、プログラミング)
ニクラス・カンパニョル(ベース)**
アンドレーアス・クレールプ(ヴォーカル)
スウェーデン出身のミュージシャンで詩人、ユリア・ヴェールプ Julia Werup(1987–)は、2020年にデビュー作の『The Thrill of Loving You』(STUCD 20032)をリリース。彼女の気に入りの8つの歌を歌ったアルバムは、大きな話題を呼びました。このファースト・アルバムが生まれるきかっけを作り、プロデュースを担当することになったドラマーのトマス・ブラクマン Thomas Blachman(1963–)とはその後、結婚。このセカンド・アルバムでは、新しい生活を送りながらふたりが感じたさまざまな思いを「ユリアとトマスの歌」に作った作品が歌われます。スヴェン=エーリク・ルンデクヴィスト Svend Erik Lundeqvist のピアノ、ヨニー・オーマン Johnny Åman のベース、トマスのドラムは、前作と同じメンバー。マティアス・ペトリ Matthias Petri とニクラス・カンパニョル Niclas Campagnol が、1曲ずつベースを担当。「クリーラップ Kleerup」の名で知られるスウェーデンのエレクトロポップ・ミュージシャン、アンドレーアス・クレールプ Andreas Kleeup(1979–)がセッションに参加しています。
価格(CD) 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)
価格(Vinyl LP) 3,630円(税込価格)(本体価格 3,300円)
『Mousson de Calcutta(コルコタ・モンスーン)』
Losen Records LOS 281-2 world
『Mousson de Calcutta(コルコタ・モンスーン)』
Raga Megh(Sudeshna Bhattacharya)
Raga Abhogi(Sudeshna Bhattacharya)
Raga Piloo Jangla(Sudeshna Bhattacharya)
スデシュナ・バッタチャリヤ(サロード、モハンヴィーナ)
ソムナート・ロイ(ガタム、カンジーラ、モールシン(口琴)、ヴォイス)
録音 2023年6月 オーディオショップ・スタジオ(Audioskop Studio)(ソフィーミル、ノルウェー)
制作 sabMUSIC
録音エンジニア・ミクシング・マスタリング ペール・クリスチャン・ベルグ
スデシュナ・バッタチャリヤ Sudeshna Bhattacharya とソムナート・ロイ Somnath Roy の出会いは、サロードとガタム、ヒンドゥスターニー音楽とカルナータカ(カルナチック)音楽の出会いでした。弦楽器と打楽器という楽器の違いだけでなく、同じインド音楽でありながらジャンルの違うものをミックスしてうまくいくのかという見方もあったといいます。しかし、そうしたコラボレーションから新しいスタイルの音楽が生まれ、ノルウェー、デンマーク、スウェーデン、イギリス、ポルトガル、フランス、インドと、各地で行われたコンサートは、成功を収めました。このアルバムは、彼らのツアーの合間の2023年6月、オスロ近郊のスタジオでセッション録音されました。《Raga Megh(雲のラーガ)》が約38分。その他の2曲はそれぞれ15分と6分程度の作品です。
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)