August 2024
『Stabat Mater(スターバト・マーテル)』
BIS SACD 2548 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) contemporary/classical
タイラー・フュートレル(1983–)
スターバト・マーテル(Stabat Mater)(2021)
(2人のヴォーカル、弦楽とチェンバロのための)
前奏曲:横桁、大釘(Prelude: Crossbeam, nails)
悲しみの聖母は、涙にむせびながら(Stabat Mater dolorosas)
間奏曲:貫かれ(Interlude: Pierced)
ああ、なんと悲しく(O quam tristis)
そして歎き、悲しんでいた(Quae moerebat et dolebat)
涙をこぼさないものがあるだろうか(Quis est homo)
さあ、御母よ(Eja Mater)(part 1)
さあ、御母よ(Eja Mater)(part 2)
いのちある限り、熱い涙をあなたとともに流し
(Fac me vere tecum flere)
どうかその傷を私に負わせてください(Fac me plagis vulnerari)
子守歌(Lullaby)
肉体が滅びる時には(Quando corpus morietur)
Brittle Fluid(もろい液体)(2014)(弦楽オーケストラのための)
子守歌(Vuggesang)(2016/2022)(チェロ二重奏のための)
テルユングアンサンブル
ラーシュ=エーリク・テル・ユング(指揮)
アイリン・ログネルード(ソプラノ)
アストリ・ノールスタ(メゾソプラノ)
ラーシュ・ヘンリク・ヨハンセン(チェンバロ)
インヴヴィル・ネスダール・サンネス(チェロ)
ウルリッケ・ヘンニネン(チェロ)
録音 2023年11月18日–21日 ヤール教会(オスロ、ノルウェー)
制作・録音エンジニア ショーン・ルイス
タイラー・フュートレル Tyler Futrell は、オスロを拠点に作曲家として活動し、さまざまなスタイルと要素による作品を発表しています。アメリカの北カリフォルニア出身。ニューイングランド音楽院でリー・ハイラ、王立デンマーク音楽アカデミーでベント・サーアンセン、ウィーン国立音楽大学でミカエル・ジャレルに学び、オスロに移ってノルウェーの市民権を取得しました。ミュジーク・コンクレート、宗教音楽由来のミニマリズム、後期ロマンティシズム、スペクトル音楽、形式主義、現代の舞踊と劇場音楽と、多彩な影響とインスピレーションを受けて作曲。フュートレルの作品は、ノルウェー・ソリスト合唱団、トロンハイム・ソロイスツ、BIT20、テレマルク室内管弦楽団、アテラス・シンフォニエッタなど、各国のアンサンブルによって演奏されてきました。
フュートレルの《スターバト・マーテル》は、ペルゴレージやパレストリーナたちの作品と同じカトリック教会の聖歌「悲しみの聖母」のテクストによって作曲されました。〈悲しみの聖母は、涙にむせびながら〉から〈肉体が滅びる時には〉の章に、中世ポーランドの哀訴(planctus)「聖十字架の嘆き(Lament świętokrzyski)」による〈子守歌〉と、〈前奏曲〉と〈間奏曲〉を織りこみ、ソプラノとメゾソプラノのソロ、弦楽とチェンバロによって演奏されます。ラーシュ=エーリク・テル・ユング Lars-Erik ter Jung と「テルユングアンサンブル Terjungensemble」の委嘱を受けて作曲され、2022年、ウクライナにロシア軍が侵攻した少し後にオスロ国際教会音楽祭で初演されました。ブラームスの《子守歌》(Op.49 No.4)、グレツキの《第3交響曲》、サミュエル・バーバーの《弦楽のためのアダージョ》の「引喩」というページを含み、「なぜ、こんなに美しいのか」と「われわれはこの美を許容できるのか」という疑問を提起したという作品です。
チェロ二重奏による《子守歌》は、《スターバト・マーテル》に引用されたブラームスの《子守歌》による瞑想の小品。《Brittle Fluid(もろい液体)》は、《スターバト・マーテル》と主題的に関連のある作品です。テル・ユングがテレマルク室内管弦楽団の芸術監督だったころに委嘱され、ノルウェーの作家タリエイ・ヴェースオースの小説に因む「氷の城(Is-slotet/The Ice Palace)」の仮題から、「凍った滝」を示す曲名に変えられました。「14人の弦楽アンサンブル」のために作曲され、フュートレル自身がテルユングアンサンブルの編成に合わせてアレンジした「11人」の版がこのアルバムの演奏に使われました。
ノルウェー作曲家協会とノルウェー・アーツ・カウンシルの支援で制作されたアルバムです。
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)
『ゴルトベルク変奏曲(Goldberg Variations)』
BIS SACD 2658 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) classical
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685–1750)(ロビン・オニール 編曲)
ゴルトベルク変奏曲(Goldberg-Variationen) BWV 988(管弦楽のための)
フィルハーモニア管弦楽団
ベンジャミン・ギルモア(ヴァイオリン、リーダー)
エミリ・デイヴィス(ヴァイオリン) 小倉幸子(ヴィオラ)
カレン・スティーヴンソン(チェロ)
エンノ・ゼンフト(コントラバス)
フィオナ・ケリー(フルート) ティモシー・ランドル(オーボエ)
イモジェン・デイヴィス(コーラングレ)
ギレイン・エカーズリー(ファゴット)
ジェリー・オーガン(ファゴット)
ロビン・オニール(指揮)
録音 2023年11月14日–15日 ヘンリー・ウッド・ホール(ロンドン、イングランド)
制作・編集 レイチェル・スミス
録音エンジニア・ミクシング ベン・コネラン
フィルハーモニア管弦楽団の首席ファゴット奏者、ロビン・オニール Robin O’Neillは、近年、指揮者としての活動も積極的に行なっています。フィルハーモニア、ロンドン・フィルハーモニック、イギリス室内管弦楽団、BBCスコットランド交響楽団などイギリスのオーケストラのほか、スタヴァンゲル交響楽団やトロンハイム交響楽団も指揮してきました。オニールがオーケストラのために編曲したJ・S・バッハの《ゴルトベルク変奏曲》は、COVID-19 のパンデミック下に作られた作品です。
オニールは、2段鍵盤のチェンバロのために書かれた作品をオーケストラに編曲するにあたり、オーケストレーションとソロ楽器の組み合わせにさまざまな工夫を凝らしました。「30の変奏は、〈アリア〉のメロディではなく32小節のベースラインに基づいて作曲され、2つの部分にわかれる。最初と最後に演奏される〈アリア〉が『ブックエンド』の役割を担い、フルオーケストラの〈第1変奏〉とオーボエとファゴットの〈第2変奏〉からフルート、コーラングレ、ファゴット」の〈第15変奏〉までが最初の部分、そして、フルオーケストラによる『フランス風序曲』の〈第16変奏〉からフルオーケストラの〈第30変奏〉までが後半の部分」。「聴き手を楽しませ、魅了し、心を動かす」という原曲のバッハの世界がさらに広がっていきます。
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)
『目覚め(Awakening)』
BIS SACD2745 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) contemporary/classical
細川俊夫(1955–) ギターのための作品集
2つの日本民謡(Two-Japanese Folk Songs)(2003)
(ソプラノとギターのために編曲)
黒田節(Kuroda-bushi) 五木の子守歌(Itsuki no Komori-uta)
セレナーデ(Serenade)(2003)(ギター・ソロのための)
月光(つきひかり)のもとで(In the Moonlight)
夢路(Dream Path)
恋歌 I(Renka I)(1986)(ソプラノとギターのための)
秋の田の(Aki no Ta no...)(『万葉集』 磐姫皇后)
君が行く(Kimi ga Yuku…)(『万葉集』 狭野茅上娘子)
由良の門を(Yura no To wo…)(『新古今集』 曽禰好忠)
旅 IX - 目覚め -(Voyage IX ‘Awakening’)(2007)
(ギター、弦楽、打楽器のための)
12の日本の歌(12 Japanese Songs)(2004 */2022)
(ギター・ソロのために編曲)
さくら(4月)(日本古謡)*
春の小川(5月)(小学校唱歌。岡野貞一作曲。1912年。
小川の流れのような音型の反復による)
通りゃんせ(6月)(江戸時代に生まれたとされる童謡。遊び歌)
ふるさと(7月)(1914年、小学校唱歌。岡野貞一作曲)
山寺の和尚さん(8月)(1937年、童謡。服部良一作曲)
赤とんぼ(9月)(1927年、童謡、山田耕作作曲)
荒城の月(10月)(1901年、瀧廉太郎作曲)
夕焼け小焼け(11月)(1923年、童謡、草川信作曲)
雪の降る街を(12月)(1952年、中田喜直作曲)
お正月(1月)(1901年、瀧廉太郎作曲。
新年が来る喜びを歌う子供たちの希望のうた)
かあさんの歌(2月)(1956年、窪田聡作曲)
江戸の子守唄(3月)(江戸時代から伝わる子守唄)
ヤコブ・ケッレルマン(ギター)
イルゼ・エーレンス(ソプラノ)
タリン室内管弦楽団 クリスチャン・カールセン(指揮)
録音 2023年9月21日–22日 スンドビュベリ教会(ストックホルム)、2023年1月12日–13日 ハウス・オブ・ザ・ブラックヘッズ(House of the Blackheads)「ホワイトホール」(タリン、エストニア)(旅 IX)
制作・録音エンジニア ハンス・キプファー
武満徹の作品を演奏した『スペクトラル・カンティクル』(BIS SA-2655)につづく、スウェーデンのギタリスト、ヤコブ・ケッレルマン Jacob Kellermann(1984–)の新作は、細川俊夫のギター作品のアルバムです。
メイン・プログラムの「ギター独奏のための編曲作品」の《日本の歌》は、ケッレルマンの委嘱で作られ、2023年2月24日、ストックホルム・コンサートホールで初演された作品です。〈春の小川〉から〈江戸の子守唄〉には細川俊夫によるコメント、2004年に作られた〈さくら〉には出版社のショット・ミュージックによる追記がつけられています。
このアルバムでケッレルマンは、フィンランドのギタリスト、ティモ・コルホネンが初演した2つの作品もプログラムに組んでいます。フィンランド放送(YLE)とコルホネンの委嘱で作曲され、ヘルシンキの現代音楽祭「ムジカ・ノーヴァ」で初演された《セレナーデ》。カメラータ・アテネとトゥルク・フィルハーモニックの共同委嘱による《旅 IX - 目覚め -》は、ギター、日本のウィンドグロッケン(Japanese Wind Glockens)を演奏する「打楽器 I」「打楽器 II』と弦楽オーケストラのために書かれた作品です。2007年9月の「第50回 ワルシャワの秋音楽祭」でコルホネンが、クリストファー・ウォレン=グリーン指揮「カメラータ・アテネ」の共演で初演。サントゥ=マティアス・ロウヴァリ指揮オウル交響楽団と共演してCD録音しています(Ondine ODE 1219-2)。ケッレルマンの録音のセッションは、2023年1月にエストニアで行われました。タリン室内管弦楽団を指揮するスウェーデンのクリスシャン・カールセン Christian Karlsen は、前作や『アランフエス協奏曲』(BIS SA 2485)につづく共演です。
〈黒田節〉と〈五木の子守歌〉の《2つの日本民謡》と、『万葉集』と『新古今集』の日本語テクストによる《恋歌 I》は、武生国際音楽祭に参加するなど日本と縁のあるベルギーのソプラノ、イルゼ・エーレンス Ilse Eerens(1982–)がケッレルマンの共演者に選ばれています。
ケッレルマンのこのアルバムは、〈Secret Love(シークレット・ラブ)〉や〈A Song of Early Spring(早春譜)〉などの《12の歌》といった武満徹のギター曲を演奏したフランツ・ハラースのアルバム『すべては薄明のなかで』(BIS CD-1075)と同じように、「ギター・ファン」というより「音楽を聴きたい」という人たちのために作られました。
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)
『トリオ・オレロン』
Da Vinci Classics C 00926 classical
ドーラ・ペヤチェヴィチ(1885–1923)
ピアノ三重奏曲 ハ長調 Op.29(1910)
アマンダ・レントヘン=マイエル(1853–1894)
ピアノ三重奏曲 変ホ長調(1873–74)
トリオ・オレロン
ユディト・シュタプフ(ヴァイオリン)
アルナウ・ロビーラ・イ・バスコムテ(チェロ)
マルコ・サンナ(ピアノ)
録音 2023年12月14日–16日 イタリア
エイミー・ビーチの室内楽曲(C 00592)でアルバム・デビューした「トリオ・オレロン Trio Orelon」の第2作。ドイツのユディト・シュタプフ Judith Stapf のヴァイオリン、カタルーニャ出身のアルナウ・ロビーラ・イ・バスコムテ Arnau Rovira i Bascompte のチェロ、イタリアのマルコ・サンナ Marco Sannna のピアノ。2019年にケルンで結成され、ミュンヘン、グラーツ、メルボルンなど各地の室内楽コンペティションで第1位や聴衆賞などに選ばれています・
アマンダ・レントヘン=マイエル Amanda Röntgen-Maier(1853–1894)は、スウェーデン南部、スコーネのランツクルーナ生まれ。16歳の時から王立ストックホルム音楽大学(KMH)でヴァイオリン、オルガン、ピアノ、チェロ、作曲と和声学を学び、KMH で初めて女性として「音楽監督(Musikdirectör)」の称号を得て卒業しました。卒業後は、ライプツィヒでライネッケとリヒテルに作曲、ゲヴァントハウス管弦楽団の首席だったエンゲルベルト・レントゲンにヴァイオリンを学びました。ライプツィヒで出会ったドイツ系オランダのピアニストで作曲家のユリウス・レントヘン Julius Röntgen(1855–1932)とランツクルーナで結婚してアムステルダムに移りました。夫妻はグリーグ、クララ・シューマン、ブラームス、ヨアキムたちと親交があったことで知られます。《ピアノ三重奏曲 変ホ長調》は、1873年から1874年にかけて作曲された「アレグロ」「スケルツォ」「アンダンテ」「アレグロ・コン・フォーコ」のロマンティックな作品です。
ドーラ・ペヤチェヴィチ Dora Pejačević(1885–1923)は、クロアチアの作曲家、ピアニスト、ヴァオリニスト。《ピアノ協奏曲 ト短調》《交響曲 嬰へ短調》といった作品と、後期ロマンディシズムを基調に当時の表現主義とモダニズムも反映した声楽曲、ピアノの小品、弦楽四重奏曲を作曲しました。
価格 2,475円(税込価格)(本体価格 2,250円)
『Adaptations』
Dacapo 8.224761 contemporary/jazz/classical
The Firebirds
Adaptations(2021–22)
A Possible Meeting *
If the Eye was an Animal(インガ・マルグレーテ・オース)**
Birdeye ***
Nocturnal Dance ***
Fato(マウロ・パトリチェッリ)**
Faster Than Slow ***
Fast Forward(ヴェリ・クヤラ)**
Repetto *
Low *
Queer Tears(ニック・マーティン)**
Cry ***
Still ***
Still Life(シャビエル・ボンフィル)**
At the End of the Road *
The Firebirds(ファイアーバード)
アナス・バンケ(サクソフォーン、クラリネット)
アナス・フィリプセン(キーボード)
ステファン・バスボー(ドラム)
ノルディック弦楽四重奏団
ヘイズルーン・ペータセン(ヴァイオリン)
マス・ハウステズ・ハンセン(ヴァイオリン)
ダニエル・エークルンド(ヴィオラ)
レーア・エミーリェ・ブランデール(チェロ)
インプロヴィゼーション *
録音 2021年8月18日–19日 Taverna Centrale(コペンハーゲン)
制作・録音エンジニア・編集・ミクシング・マスタリング ジョン・フォムスゴー
弦楽四重奏 **
録音 2022年1月6日–7日 Brønshøj Kirke(ブランスホイ教会)(コペンハーゲン)
制作・録音エンジニア・ミクシング ペーター・バーロウ
マスタリング ジョン・フォムスゴー
Adaptations ***
録音 2022年5月19日–20日 Taverna Centrale(コペンハーゲン)
制作・録音エンジニア編集・ミクシング・マスタリング ジョン・フォムスゴー
「The Firebirds(ファイアーバード)」は、インプロヴィゼーションをメインに活動するデンマークのジャズトリオです。アナス・バンケ Anders Banke のサクソフォーン、アナス・フィリプセン Anders Filipsen のキーボード、ステファン・バスボー Stefan Pasborgのドラム。彼らは、トリオという枠組みを守りながらジャンルの絡み合いによる新しい音楽領域を開拓、高い評価を得てきました。ノルディック弦楽四重奏団とのコラボレーションによるアルバム『Adaptations』。「The Firebirds」の「インプロヴィゼーション」、現代の作曲家たちの「弦楽四重奏曲」とその「アダプテーション(脚色、改作)」という3つの要素のリレーにより、変幻自在の「音楽風景」を創り出す試みです。弦楽四重奏曲は、ノルウェーのインガ・マルグレーテ・オース Inga Margrete Aas(1989–)、イタリアのマウロ・パトリチェッリ Mauro Patricelli(1969–)、フィンランドのヴェリ・クヤラ Veli Kujala(1976–)、コペンハーゲンで活動するニック・マーティン Nick Martin(1989–)、カタルーニャのシャビエル・ボンフィル Xavier Bonfill(1986–)が作曲した作品です。
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)
『ホルムボー 弦楽四重奏曲 第3集』
Dacapo 8.226214 classical
ヴァウン・ホルムボー(1909–1996)
弦楽四重奏曲第4番 Op.63(1953–54)
弦楽四重奏曲第5番 Op.66(1955)
弦楽四重奏曲第16番 Op.146(1981)
ナイチンゲール弦楽四重奏団
ゴンヴォ・シーム(ヴァイオリン)
ヨセフィーネ・ダルスゴー(ヴァイオリン)
マリーエ・ルイーセ・ブロホルト・イェンセン(ヴィオラ)
ルイーサ・スヴァプ(チェロ)
録音 2021年12月17日–19日、2022年6月27日–28日、2023年6月24日–25日、12月19日–20日 王立デンマーク音楽アカデミー スタジオホール(コペンハーゲン)
制作 ティム・フレゼリクセン
録音 ラングヘイズル・ヨウンスドウッティル
デンマークのナイチンゲール弦楽四重奏団のプロジェクト。ヴァウン・ホルムボー Vagn Holmboe(1909–1996)の弦楽四重奏曲を全曲録音するシリーズは、第1集(8.226212)と第2集(6.220717)が「Gramophone」誌の “Recording of the Year” にノミネートされました。この弦楽四重奏曲シリーズでは、彼の交響曲や協奏曲と同様、北欧の風景に深く根ざしながら東欧の民俗音楽の影響も受けた彼の個性的なスタイルの進化の軌跡をたどることができます。
《弦楽四重奏曲第4番》は、ホルムボーが自身の作曲技法を完全にマスターした後、1953年の12月に作曲に着手した作品です。「アンダンテ・パッショナータ」「プレスト・エスパンシーヴォ」「アダージョ・アフェットゥオーサ」「ラルゴ・エ・センプリーチェ」「アレグレット・セレーノ」の5楽章で書かれ、前の三作より一層の豊かさと確信をもった曲と評されています。作品は、生徒のペア・ヌアゴーに献呈されました。
《第5番》は、1955年に作曲され、1956年2月にコリングのコンサートで初演されました。「メタモフルフォーシス」のタイトルをもち、ほとんど無重力のような音楽に始まる「ペザンテーフルエンテ」から「アダージョ」を経て終楽章「エネルジーコ」と、音楽の「変容プロセス」を終えます。
《第16番》は、第5番から四半世紀が経った1981年に作曲された、ホルムボーの「単独」の弦楽四重奏曲としては最後の作品です。「アレグロ・ノン・トロッポ」「モルト・ヴィヴァーチェ」「アダージョ」「プレスト」。以前の四重奏曲のバルトークの「回文構造」からインスピレーションを得たと思われるスタイルと異なり、ウィーンの古典的構成で書かれています。1982年の春、コペンハーゲン弦楽四重奏団が結成25周年を記念して初演しました。
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)
『2023年フーズム城音楽祭』
Danacord DACOCD 979 classical
ウィリアム・スタンデール・ベネット(1816–1875)
3つの小品(Three Pieces) Op.28(1846–49)
序奏とパストラーレ(Introduzione e Pastorale)
ロンディーノ(Rondino) カプリッチョ(Capriccio)
フランツ・リスト(1811–1886)
演奏会用大独奏曲(Großes Konzertsolo) S.176(1850)
ゾフィー・メンター(1846–1918)
ロマンス(Romance) Op.5(1907)
ダニエル・グリムウッド(ピアノ)
ジュリエット・ディヨン(1823–1854)
ホフマンの10の素晴らしい物語(10 Contes fantastiques de Hoffmann)(1847)
クレモナのヴァイオリン(Le violon de Crémone)(第1曲)
ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ(ピアノ)
セルゲイ・ラフマニノフ(1873–1943)/アルフォンソ・ソルダーノ(編曲)
夜は悲しい(Night Is Sorrowful) Op.26 No.12
セルゲイ・ボルトキエヴィチ(1877–1952)
3つの小品(3 Morceaux) Op.24
夜想曲(Nocturne) 変ホ長調《ディアナ(Diana)》 (第1曲)
アルフォンソ・ソルダーノ(ピアノ)
アレクサンダー・フォン・ツェムリンスキー(1871–1942)
リヒャルト・デーメルの詩による幻想曲
(Fantasien über Gedichte von Richard Dehmel) Op.9
夕べの声(Stimme des Abends) 森のしあわせ(Waldseligkeit)
愛(Liebe) 甲虫の歌(Käferlied)
エドヴァルド・グリーグ(1843–1907)
小川(Bekken/Bächlein) Op.62 No.4
(《抒情小曲集(Lyriske stykker)第7集》から)
アンドレイ・ググニン(ピアノ)
フレデリク・ショパン(1818–1849)/レオポルド・ゴドフスキー(1870–1938)
ショパンの練習曲による習作
第4番(《練習曲》 Op.10 No.2
《イグニス・ファトゥース(Ignis fatuus)》による)
第6番(《練習曲》 Op.10 No.6(左手のための)による)
ヴァディム・ホロデンコ(ピアノ)
レオポルド・ゴドフスキー(1870–1938)
瞑想曲(Meditation)(1930)
クリストフ・ヴィリバルト・グルック(1714–1787)/アレクサンドル・ジロティ(1863–1945)
《オルフェオとエウリディーチェ(Orfeo ed Euridice)》の旋律
ターニャ・ガブリーリャン(ピアノ)
録音 2023年8月19日–26日 フーズム城(フーズム、ドイツ)
制作 ペーター・フロウンジャン、イェスパー・ブール
録音エンジニア スヴェン・ヴィル
編集 クラウス・ビューリト
かつてデンマーク領だったシュレースヴィヒ=ホルスタインで毎夏、行われる『フーズム城音楽祭』の2023年コンサートのハイライト。グレアム・フィッチに学び、19世紀のヴィルトゥオーゾ曲を主なレパートリーにしているイギリスのダニエル・グリムウッド Daniel Grimwood。パリ国立高等音楽舞踊学校で学び、芸術アカデミーの「2010年ナディア、リリ・ブーランジェ賞」を受賞した、作曲家でもあるジャン=フレデリック・ヌーブルジェ Jean-Frédéric Neuburger(1986–)。イタリアのヴィルトゥオーゾ・ピアニスト、トラーニ市の「アルド・チッコリーニ・ファウンデーション」の芸術監督を務めるアルフォンソ・ソルダーノ Alfonso Soldano。ウクライナ人を祖先にもつロシアのアンドレイ・ググニン Andrey Gugnin は、情熱的気質のヴィルトゥオーゾとして知られ、ショスタコーヴィチの《24の前奏曲》(Hyperion CDA 68267)が2020年「BBC Music Magazine Awards」の器楽部門賞に選ばれるなど、各国で高い評価を得ています。ウクライナ出身、第14回ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンペティションの第1位に選ばれたヴァディム・ホロデンコ Vadim Kholodenko(1986–)。「ロンドン・タイムズ」紙や「ワシントン・ポスト」紙をはじめとするメディアから、「力強い身体性と想像力豊かなピアニズム」と評された、インディアナ大学サウスベンド校で教えるターニャ・ガブリーリャン Tanya Gabriellan。
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)
『ダムゴー+シューベルト』
Danacord DACOCD 980 classical
フランツ・シューベルト(1797–1828)
楽興の時(Moments Musicaux) D.780 Op.94(1823–28)
モデラート ハ長調 アンダンティーノ 変イ長調
アレグロ・モデラート へ短調 モデラート 嬰ハ短調
アレグロ・ヴィヴァーチェ へ短調 アレグレット 変イ長調
2つのスケルツォ(Zwei Scherzi) D.593(1817)
アレグレット 変ロ長調 アレグロ・モデラート 変ニ長調
3つのピアノ曲(Drei Klavierstücke) D.946(1828)
アレグレット・アッサイ 変ホ短調 アレグレット 変ホ長調
アレグロ ハ長調
ヨン・ダムゴー(ピアノ)
[楽器 Piano: Steinway & Sons Model D]
録音 2024年2月 デンマーク国立音楽アカデミー コンサートホール(オーゼンセ、デンマーク)
制作・録音エンジニア・マスタリング クラウス・ビューリト
ヨン・ダムゴー John Damgaard(1941–)は、ゲオルク・ヴァシャヘーリ、イローナ・カボス、ヴィルヘルム・ケンプに学び、王立デンマーク音楽アカデミーの助教授、オーフス王立音楽アカデミーの教授を務め、東京の武蔵野音楽大学とメルボルンのオーストラリア国立音楽アカデミーで客員教授として教えました。『プーランク』(DACOCD 960)につづく新作は、シューベルトの小品によるプログラムです。1817年の《2つのスケルツォ》。1823年から没する1828年にかけて書かれた6曲の《楽興の時》。1828年5月に作曲され、ブラームスが遺稿を編集して出版された《3つのピアノ曲》。「シューベルトにとっては、自身の経験したことを楽曲にするのが、きわめて自然なことだった。水の流れ、狩の風景、疾走する馬、かみなり、そして、彼がなによりも大切に思っていた、歩くこと……」(ダムゴー)。シューベルトのピアノ音楽の「グラデーション」が、美しく、内面的に表現されます。
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)
高品質メディア(Sony DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-Rによるリリースです。プレーヤー/トランスポートの機種によってはCD-Rの読み取り、再生ができないことがあります。再生対応のメディアを機器の取扱説明書でご確認ください。
『Out of Place』
Genuin GEN 24879 classical
エドヴァルド・グリーグ(1843–1907)(グリゴリー・キンズグルク(1904–1961) 編曲)
《ペール・ギュント(Peer Gynt)》 組曲第1番 Op.46
朝の気分(Morgenstemning) オーセの死(Åses død)
アニトラの踊り(Anitras dans)
ドヴレ山の王の宮殿にて(I dovregubbens hall)
エーリヒ・ヴォルフガング・コルンゴルト(1897–1957)
ドン・キホーテ(Don Quixote)(1909)(6つの性格的小品)
ドン・キホーテの英雄的な偉業の夢
(Don Quixote über den Ritterbüchern und seine Sehnsucht nach Waffentaten)
灰色のロバ「グラウエン」にまたがるサンチョ・パンサ
(Sancho Panza auf seinem “Grauen”)
ドン・キホーテは進む(Don Quixote Auszug)
トボソのドゥルシネア(Dulcinea von Toboso)
冒険(Abenteuer)
ドン・キホーテの改宗と死(Don Quixote Bekehrung und Tod)
ロベルト・シューマン(1810–1856)
クライスレリアーナ(Kreisleriana) Op.16
ニキタ・ヴォロフ(ピアノ)
録音 2023年9月11日–13日
ロシアのピアニスト、ニキタ・ヴォロフ Nikita Volov は、1992年、バレンツ海の湾、白海に面したセヴェロドヴィンスクの生まれ。2010年からモスクワのチャイコフスキー国立音楽院でエリソ・ヴィルサラーゼに学び、2015年に卒業。ソリストと室内楽奏者として活動、ヨーロッパ、アジア、イギリス、アメリカをツアーでまわりました。Genuin のアルバムでは、疎外感、世間からの離脱、絶望をテーマにした、文学で扱われた悲劇的な人物によるピアノ作品を3曲、演奏しています。グリーグがイプセンの戯曲の上演のために作曲した劇音楽による《ペール・ギュント》 組曲第1番のグリゴリー・キンズグルクによる編曲。セルバンテスの小説の主人公たちによるコルンゴルトの「6つの性格的小品」。E・T・A・ホフマンの『クライスレリアーナ』を題材にしたロベルト・シューマンの8曲の曲集。
価格 2,475円(税込価格)(本体価格 2,250円)
『Open』
Genuin GEN 24891 contemporary/classical
ジュロ・ジヴコヴィッチ(1975–)
ビザンティン五重奏曲(Quintet Byzantine)
Ceremony I Mosaic I Procession I Ceremony II
Mosaic II Procession II
キャシー・ミリケン(1956–)
Espiral
モリー・キーン(1979–)
Variations on a Haircut
マイク・スヴォボダ(1960–)
Open Circle
フランシスコ・コーイ(1985–)
金管五重奏曲(Brass Quintet)
Prologue Chorale Fanfares Canzona Sequence
ストックホルム・チェンバー・ブラス
ウルバン・アイナス(トランペット)
トム・ポウルソン(トランペット)
アンナミア・ラーション(ホルン)
ユーナス・ビュールンド(トロンボーン)
ディルク・ヒルテ(テューバ)
録音 2022年6月、7月、9月 スウェーデン
「ストックホルム・チェンバー・ブラス Stockholm Chamber Brass」は、1988年の結成以来、金管アンサンブルによる室内音楽の先鞭をつける活動を行なってきました。ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニック管弦楽団の首席トランペット奏者を務めたウルバン・アイナス Urban Agnas、ヴェステロース・シンフォニエッタ副首席トランペット奏者のトム・ポウルソン Tom Poulson、イェヴレ交響楽団の首席ホルン奏者のアンナミア・ラーション Annamia Larsson、オスロ・フィルハーモニック管弦楽団、ロイヤル・フィルハーモニック管弦楽団とバンベルク交響楽団の首席トロンボーン奏者を務めたユーナス・ビュールンド Jonas Bylund、ドイツ生まれ、バーデン・シュターツカペッレのテューバ奏者のディルク・ヒルテ Dirk Hirthe が、現在のメンバーです。『Open』と題したアルバムでは、セルビア生まれ、スウェーデンのジュロ・ジヴコヴィッチ Djuro Živković、アメリカのキャシー・ミリケン Cathy Milliken とマイク・スヴォボダ Mike Svoboda、ストックホルムで活動するアメリカ出身のモリー・キーン Molly Kien、スペインのフランシスコ・コーイ Francisco Coll への委嘱作によるプログラムを演奏しています。
価格 2,475円(税込価格)(本体価格 2,250円)
『Outlines of the Night』
Kairos 0022019KAI contemporary
アゲ・ヴェーロース(1973–)
Keha(2023)(バス・クラリネットのための)
ミケーレ・マレッリ(バス・クラリネット)
Outlines of the Night(2023)(アンサンブルのための)
Ensemble for New Music Tallinn
アラシュ・ヤズダニ(指揮)
Schattenseele(2019)(ヴァイオリンとエレクトロニクスのための)
There Are No More Four Seasons
Ich sehe Federn wachsen im Sand der Wüsten(2021/22)
(アンサンブルのための)
Ensemble Musikfabrik
クレメント・パワー(指揮)
Fantasia “A Threadbare Chant”(2022)
(バス・フルートとシンセサイザーのための)
マリア・ヨンソン(バス・フルート)
タルヴィ・ハント(KORG ミニローグ・シンセサイザー)
Vaatenurk(2022)(アンサンブルのための)
Ensemble U
Ma olen suur kuu su silmapiiril(2020)(打楽器ソロのための)
ヘイゴ・ロジン(打楽器)
録音 2020年–2024年
エストニアの作曲家アゲ・ヴェーロース Age Veeroos(1973–)の作品集。ヴェーロースは、ゲッティンゲン大学で文学を学んだ後、タルトゥ大学でゲルマン学を研究。作曲を、ヘイノ・エッレル音楽学校、エストニア音楽演劇アカデミー(エストニア音楽アカデミー)でヘレナ・トゥルヴェとエイノ・タンベリ、カールスルーエ音楽大学でヴォルフガング・リームに学びました。2003年からエストニア作曲家連盟のメンバーです。「直面化、緊張の累積、緊縮といった心理学的要素をこめたスタイル」「時間軸とサウンドの内面的アプローチ、簡潔で明瞭な形」といったことが彼女の音楽の特徴として指摘されています。この作品集には、《Fantasia “A Threadbare Chant”》(幻想曲《お粗末な聖歌》)や《Ma olen suur kuu su silmapiiril》(わたしは、あなたの地平線にのぼる大きな月)といった、明確なアイデアと漠然とした表現を結合した作品を中心に収録。彼女の謎めいたスタイルと光と闇の絡み合う夢に似たサウンドの追求を要約してみせます。
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)
『Fire Walker』
LAWO Classics LWC 1259 contemporary/classical
セルゲイ・プロコフィエフ(1891–1953)
五重奏曲 Op.39(オーボエ、クラリネット、ヴァイオリン、ヴィオラと
コントラバスのための)
ヨン・オイヴィン・ネス(1968–)
Bælþræk(炎の力)(2016)(オーボエ、ヴァイオリン、ヴィオラと
チェロのための四重奏曲)
Bælsiþ(炎の旅)(2018)(オーボエとシンフォニエッタのための協奏曲)
マリオン・ウォーカー(オーボエ)
サラ・オーヴィンゲ(ヴァイオリン)
アンデシュ・レンスヴィーク(ヴィオラ)
イングヴィル・ハフスキョル(クラリネット)
グンナル・ハウゲ(チェロ)
マリウス・フラトビュー(コントラバス)
アンサンブル・エルンスト トマス・リームル(指揮)
[楽器 Oboe: Howarth of London model LXV]
録音 2020年10月26日、27日、29日 ニュートーン・スタジオ(Newtone Studio)(オスロ)
制作・編集 ヴェーガル・ランドース
録音エンジニア・マスタリング トマス・ヴォルデン
[DXD(24bit/352.8kHz)録音]
『Fire Walker』は、クリスチャンサン交響楽団のオルタネット・ソロ・オーボエ奏者、マリオン・ウォーカー Marion Walker のデビューアルバム。LAWO Classics への録音が予定されている『The Elements』シリーズの最初の作品です。
プロコフィエフの「オーボエ、クラリネット、ヴァイオリン、ヴィオラとコントラバスのため」の《五重奏曲》は、「主題と変奏」「アンダンテ・エネルジーコ」「アレグロ・ソステヌート、マ・コン・ブリオ」「アダージョ・ペザンテ」「アレグロ・プレチピタート、マ・ノン・トロッポ・プレスト「アンダンティノ」の6楽章で書かれた「チャミングなディヴェルティメント」スタイルの作品です。
ヨン・オイヴィン・ネス Jon Øyvind Ness は、現代ノルウェーを代表する作曲家のひとり。イギリスとアメリカの「ポップ」ミュージックとカルチャーへの興味を背景にした独自の着想による音楽を作り、《The Dangerous Kitten(危険な子猫)》や《Dandy Garbage(ダンディなガラクタ)》といった「言葉遊び」のようなタイトルをつけることで知られます。「オーボエ、ヴァイオリン、ヴィオラとチェロのための四重奏曲」の《Bælþræk》とオーボエとシンフォニエッタのための協奏曲」の《Bælsiþ》は、それぞれ、“Bæl(炎)” の共通する「炎の力」と「炎の旅」に近い意味をもつ曲名がつけられています。
共演者のサラ・オーヴィンゲ Sara Övinge は、フィリップ・グラスとシェティル・ビェルケストランのヴァイオリン協奏曲(LWC 1255)を録音した、ノルウェー国立オペラ・バレエ団のコンサートマスター。アンデシュ・レンスヴィーク Anders Rrensvik は、オスロ・フィルハーモニックの副首席ヴィオラ奏者。クラリネットのイングヴィル・ハフスキョル Ingvill Hafskjold、チェロのグンナル・ハウゲ Gunnar Hauge、マリウス・フラトビュー Marius Flatby は、コンテンポラリー・ミュージックのグループ「アンサンブル・エルンスト Ensemble Ernst」のメンバーです。
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)
『Like Father, Like Son』
LAWO Classics LWC 1270 classical
ダーヴィド・モンラード・ヨハンセン(1888–1974)
夢の詩(Draumkvædet) Op.7
3つの男声合唱曲(Tre mannskor) Op.10
Skjenkarsveinen(酒場の小僧)
Ette' striden paa Rusarvollanne(ロンスヴォーの戦いのあと)
Hjorten spelar(牡鹿が遊んでいる)
3つの男声合唱曲(Tre mannskor) Op.17
Ættar-arv Bånsull (Ein haustkvell))(子守歌(秋のゆうべ))
En Fembøring under seil(帆をあげたボートは)
イーヴァル・オーセンの詩による3つの男声合唱曲
(Tre mannskor til tekster av Ivar Aasen) Op.19
Dei gamle fjelli(古き山々) Gamle Grendi(古きグレンディ)
Gamle Norig(古きノルウェー)
3つのスカルド詩(Tre skaldekvad) Op.27
Hett luet Olavs hjerte(オラフの心臓は燃え立ち)
Du undres hugmilde kvind(驚いたようだな、女どもよ)
Alle de høie fjell(ノルウェーの聳え立つ山々はみな)
ヨハン・クヴァンダール(1919–1999)
Drikkevise(酒飲み歌)
真夜中のプレアデス(Pleiaderne ved Midnat) Op.25(男声合唱のための)
アンダンテ・トランクィッロ(Andante tranquillo)
Talekor
アンダンテ・ソステヌート(Andante sostenuto)
Efter tidens leilighed
クリスチャニア男声合唱団
マリウス・ショーロース(指揮)
録音 2022年3月5日–6日、2023年3月25日–26日 ウラニエンボルグ教会(オスロ、ノルウェー)
制作・編集 ヴェーガル・ランドース
録音エンジニア・マスタリング トマス・ヴォルデン
[DXD(24bit/352.8kHz)録音]
「クリスチャニア男声合唱団(Christiania Manskor)」は、2009年、マリウス・ショーロース Marius Skjølaas によってオスロ(旧 クリスチャニア)に創設された、18人のプロ・アンサンブルです。長い伝統をもつノルウェー男声合唱に新しい風を吹き込み、活性化することを目的に、ノルウェー政府と議会の式典や集まりをはじめ、オスロとノルウェー各地で演奏活動を続けています。『Like Father, Like Son(父に似て、子に似て)』は、『なにかひとつ新しいもの(Something New)』(LWC 1076)『なにかひとつ青いもの(Something Blue)』(LWC 1107)『なにかひとつ借りたもの(Something Borrowed)』(LWC 1188)を作った彼らの LAWO Classics のアルバム第5作です。グリーグやスヴェンセンのナショナル・ロマンティシズムが主流だったノルウェーで、1930年代、表現主義、印象主義、新古典主義による表現を使った作曲の動きが始まり、そのひとり、ドビュッシーからインスピレーションを受けたダーヴィド・モンラード・ヨハンセン David Monrad Johansen(1888–1974)と、彼の子、新古典的な音楽を手がけたヨハン・クヴァンダール Johan Kvandal(1919–1999)の作品によるプログラムを歌っています。
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)
『My Microtonal Piano(わたしの微分音ピアノ)』
LAWO Classics LWC 1273 contemporary/classical
アイヴィン・ビューエネ(1973–)
Three Studies for Microtonal Piano(微分音ピアノのための3つの試作)(2019)
原田敬子(1968–)
唄-煤-培(Bai-Bai-Bai)(2019–21)
オイヴィン・メラン(1985–)
Boiling Web(2020)
ミシェル・アグネス・マガリャエス(1969–)
Snow Soul(2022) Tecelagem(2022)
アンドレーアス・グンデシェン(1993–)
Microtonal Pieces(微分音の小品)(2022)
吉田紗苗(微分音ピアノ)
録音 2020年8月25日–26日 ソフィエンベルグ教会(オスロ)、2022年6月27日–28日 ノルウェー国立音楽大学 リンデマンホール(オスロ)
制作・編集 ヴェーガル・ランドース
録音エンジニア・マスタリング トマス・ヴォルデン
[DXD(24bit/352.8kHz)録音]
オスロを拠点に活動するピアニスト、吉田紗苗のソロ・アルバム『My Microtonal Piano』(わたしの微分音ピアノ)。吉田紗苗は、2005年に桐朋学園大学を卒業、ノルウェーに渡りバラット=ドゥーエ音楽学校でイジー・フリンカ、スタヴァンゲル大学でホーコン・アウストボーに学びました。「アンサンブル・エルンスト」「フラガリア・ヴェスカ」、彼女が創設に関わった「アンサンブル・テンポルム」のメンバー、ソリストとしてオスロを拠点に活動しています。2017年、ノルウェー国立音楽大学の「The Miscrotonal Piano(微分音ピアノ)」プロジェクトのアーティスティック・リサーチ・フェローに任命され、このアルバムのソロ曲はすべて、このプロジェクトのために委嘱された作品です。
ノルウェーの作曲家、深い思索による作品で知られるアイヴィン・ビューエネ Eivind Buene の「アンダンティーノ」「アダージョ」「アンダンテ・ソステヌート」と2つの「間奏曲(Interludium)」による《微分音ピアノのための3つの試作》。三善晃やフライアン・ファーニホウに師事した原田敬子の《唄-煤-培(Bai-Bai-Bai)》。オラヴ・アントン・トンメセン、イーヴァ・フロウンベア、ヘンリク・ヘルステニウスに作曲を学んだオイヴィン・メラン Øyvind Mæland の《Boiling Web》。ブラジルのミシェル・アグネス・マガリャエス Michelle Agnes Magalhaes の《Snow Soul》と《Tecelagem》。アンドレーアス・グンデシェン Andreas Gundersen は、ヨン・オイヴィン・ネスやノルウェー国立音楽大学のアスビョルン・スコートゥンたちに学びました。《微分音の小品》は〈…remnants of what may still exist…〉〈…and so forth the…〉〈if only this, then so be it…〉の3つの部分で構成した抒情的な作品です。
「微分音がアコースティック・ピアノのもつ表現の可能性を広げることを演奏者として示した」(吉田紗苗)アルバム。ノルウェー・アーツ・カウンシルとノルウェー作曲家協会の支援を得て制作されました。
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)
『…The Best Work I Have Ever Composed』
NovAntiqua Records NA A2 classical
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756–1791)
ピアノと管楽器のための五重奏曲 変ホ長調 K.452(1784)
ルートヴィヒ・ファン・ベートーヴェン(1770–1827)
ピアノと管楽器のための五重奏曲 変ホ長調 Op.16(1796)
アンサンブル・ミトヴェスト
マーティン・クヴィスト・ハンセン(ピアノ)
ペーター・キアスタイン(オーボエ)
トンマーゾ・ロンクヴィク(クラリネット)
ニール・ペイジ(ホルン)
ヤヴォル・ペコフ(ファゴット)
録音 2022年3月15日–17日 デンマーク
ヘアニングの現代美術館(HEART)のレジデントアーティストを務める「アンサンブル・ミトヴェスト Ensemble MidtVest」は、デンマークで活動するミュージシャンで構成され、プロジェクトの作品に合わせてそれぞれの楽器のプレーヤーが参加します。『穏やかに吹け、風よ』(NA 90)につづくアルバム。モーツァルトが父レオポルトへの手紙で《ピアノと管楽器のための五重奏曲 変ホ長調》について書いた『…The Best Work I Have Ever Composed』(…私のこれまでの最高の作品)をタイトルにとり、この曲をモデルにしたベートーヴェンの五重奏曲と合わせて演奏しています。ピアノのマーティン・クヴィスト・ハンセン Martin Qvist Hansen とオーボエのペーター・キアスタイン Peter Kirstein がデンマーク、クラリネットのトンマーゾ・ロンクヴィク Tommaso Lonquich がイタリア、ホルンのニール・ペイジ Neil Page がウェールズ、ファゴットのヤヴォル・ペコフ Yavor Pekov がブルガリアと、国際的な顔ぶれのミュージシャンたちで録音されました
価格 2,475円(税込価格)(本体価格 2,250円)
『ロナルド・スティーヴンソン』
Ondine ODE 1453–2 classical
ロナルド・スティーヴンソン(1928–2015) ピアノ作品集
ブリテンの歌劇《ピーター・グライムズ》の主題による幻想曲
(Peter Grimes Fantasy on themes from the opera by Benjamin Britten)(1971)
パデレフスキの歌劇《マンル》によるピアノのための組曲(1961)
序奏とジプシー行進曲 ジプシーの歌 子守歌 クラコヴィエンヌ
モーツァルトの《ピアノ協奏曲第20番 K.466》のロマンス(2002)
リヒャルト・ワーグナー(1813–1883)/パウル・ヴィトゲンシュタイン(1887–1961)/ロナルド・スティーヴンソン(1928–2015)
楽劇《ニュルンベルクのマイスタージンガー》
- 五重唱による左手のエラボレート(1980)
ロナルド・スティーヴンソン(1928–2015)
ゴドフスキの名によるオスティナート・マカブロ(1980)
コルサコフとショパンの練習曲(アルカンの亡霊)(1987)
ショパンの前奏曲による6つのパンセ
(Six Pensée sur des Préludes de Chopin)(1959)
パーセルの『新しいスコットランドの旋律』によるリトル・ジャズ・
ヴァリエーション
(Little Jazz VAriations on Purcell’s New Scotch Tune)(1964 rev.1975)
ピッコロ・ニコロ・パガニネスコ(1986)
ジョージ・ガーシュウィンの名による前奏曲(1981)
ダウベリアーナ、リヒャルト・タウバーの歌『マイ・ハート・アンド・アイ』
のトランスクリプション(1980)
ペーテル・ヤブロンスキ(ピアノ)
録音 2024年7月 マルメ・パラディウム(マルメ、スウェーデン)
スコットランドの作曲家でピアニスト、ロナルド・スティーヴンソン Ronald Stevenson は、ショパン、リスト、ゴドフスキーといった「ヴィルトゥオーゾ」の伝統を継承、100を超す数のピアノ曲を書きました。ペーテル・ヤブロンスキ Peter Jablonski は、このアルバムでは、1959年から2002年にかけてのソロ作品を演奏しています。
価格 2,530円(税込価格) (本体価格 2,300円)
『リース 交響曲全集第2集』
Ondine ODE 1454–2 classical
フェルディナント・リース(1784–1838)
交響曲第4番 へ長調 Op.110(1818)
交響曲第5番 ニ短調 Op.112(1813)
タピオラ・シンフォニエッタ
ヤンネ・ニソネン(指揮)
録音 2024年3月4日–7日 タピオラ・ホール(エスポー、フィンランド)
「タピオラ・シンフォニエッタ Tapiola Sinfonietta」とヤンネ・ニソネン Janne Nisonen のフェルディナント・リースの交響曲全曲録音の最初のアルバム(ODE 1443-2)につづく第2集。ベートーヴェンの《交響曲第5番 ハ短調》からインスピレーションを得て作曲され、いわゆる「運命」の動機をピッチをさまざまに変えて使った《第5番 ニ短調》と、突然のダイナミクスの変化など、いたるところにベートーヴェンの「指紋」のある《第4番 へ長調》。
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)
『Espansiva(エスパンシーヴァ)』
OUR Recordings 8.226923 classical
カール・ニルセン(1865–1931) 4手のピアノのための作品
歌劇《サウルとダヴィデ(Saul og David)》 FS25 CNW1(1898–1901)
第4幕の前奏曲 戦いの音楽と終幕
交響曲第3番 FS60(Op.27)
《シンフォニア・エスパンシーヴァ(Sinfonia espansiva)》(1910–11)
ニルス・ヤーアンセン(1835–1915)/カール・ニルセン(1865–1931)(クリストファー・ヒュルディ(1982–) 編曲)
ホイビュー射撃クラブ行進曲(Højby Skyttemarch)
リゲ・サンベア(ピアノ)
クリストファー・ヒュルディ(ピアノ)
[楽器 Piano: Fazioli F278/Steinway D]
録音 2023年10月9日–11日 デンマーク王立図書館「ブラック・ダイアモンド」 クイーンズホール(コペンハーゲン)
製作・録音エンジニア・編集・ミクシング・マスタリング プレーベン・イーヴァン [DXD(32bit/352.8kHz)録音]
「デンマーク・ピアノ・デュオ」のターニャ・サポルスキのパートナー、リゲ・サンベア Rikke Sanberg と、「アンサンブル・ノーアリュス」のピアニスト、メシアンの《幼子イエスにそそぐ20のまなざし》(6.220677–78)が高く評価されたクリストファー・ヒュルディ Kristoffer Hyldig のデュオによるカール・ニルセンの「4手のピアノのための作品」。
『旧約聖書』を題材にした歌劇《サウルとダヴィデ》は、カール・ニルセンが手がけた2つのオペラの最初の作品。1901年4月に完成され、1902年11月28日に王立デンマーク劇場で初演されました。この作品の〈第4幕の前奏曲〉と〈戦いの音楽と終幕〉が、ニルセン自身による4手のピアノの編曲が残されました。「ひろがりの交響曲」と訳される交響曲第3番《シンフォニア・エスパンシーヴァ》も、この交響曲のプロモーションを目的にニルセンが4手のピアノのために編曲し、友人のヘンリク・クヌセンと何度となく演奏したと言われます。《サウルとダヴィデ》の2曲と同様、デンマーク王立図書館のライブラリアンの協力を得て、手稿譜による録音が実現しました。
《ホイビュー射撃クラブ行進曲》は、カール・ニルセンの父、「村の音楽家」のニルス・ヤーアンセン Niels Jørgensen(1835–1915)とカールが一緒に作った小品です。ティヴォリ公園のアーカイヴに楽譜の断片が残されており、ヒュルディが編曲。ニルス・”画家”・ヤーアンセンの残した唯一の作品は「良すぎて無視できない」(リゲ・サンベア)と、プログラムに加えられました。
価格 2,475円(税込価格)(本体価格 2,250円)
『Musicam semper amavi(ずっと音楽を愛してきた)』
Proprius PRCD 2093 classical
ユーナス・ドミニク(1964–)
宗教改革組曲(Reformationsvit)*
前奏(Beginning) 見よ、天使のパンを(Ecce panis)
われら今、喜びぬ(Nu fröjdoms vi)
喜べ、キリストの花嫁よ(Frögda digh, du kristi brud)
造り主なる神よ(Gott Schöpfer)
ジョージ・フレデリック・ヘンデル(1685–1759)(ユーナス・ドミニク(1964–) 編曲)
シバの女王の入場(Arrival of Queen of Sheeba)
(オラトリオ《ソロモン(Solomon)》から)
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756–1791)(ユーナス・ドミニク(1964–) 編曲)
彼女を愛そう(L’amerò)(歌劇《羊飼いの王様(Il re pastore)》 K.208 から)
ユーナス・ドミニク(1964–)
フォークバロック組曲(Folkbarocksvit)**
前奏(Beginning) 牛をつれて(Tula hem och tula vall)
さあ、大いに飲もう(Hei Dunkom)
わたしの植えたバラが(En rose den haver jag planterat)
(trad. Gotland, Sweden)
Rebaroque(レバロック)
聖ヤコブ室内合唱団 ギャリー・グレイデン(指揮)
トビアス・マットソン(テノール・ソロ、マルティン・ルター)*
四重唱 *
リンダ・オーリーン(ソプラノ)
カリーナ・アロンソン(アルト)
ヨアキム・スレッテングレーン(テノール)
グスタフ・ヌードランデル(バス)
ヨハンナ・クムリーン(クルニング)**
マリア・リンダール(ヴァイオリン)**
ヨエル・スンディーン(ヴィオラ)**
トゥーア・ドミニク(ソプラノ)**
録音 聖ヤコブ教会(ストックホルム)
制作 マリオン・シュヴェーベル
録音エンジニア ホーカン・エークマン
ストックホルムのグループ、ギャリー・グレイデン Gary Graden 指揮の聖ヤコブ室内合唱団 S:t Jacobs Kammarkör とマリア・リンダール Maria Lindal がリーダーのピリオド楽器アンサンブル「Rebaroque」は、いくつものコラボレーション活動で知られ、J・S・バッハの《ヨハネ受難曲》(PRCD 2065)と『モテット』(PRCD 2066)、『メサイア』(PRCD 2080)といったアルバムも制作してきました。新作の『Musicam semper amavi(ずっと音楽を愛してきた)』は、ストックホルムの音楽家ユーナス・ドミニクの作品集です。
ユーナス・ドミニク Jonas Dominique は、1964年にストックホルムで生まれました。スウェーデンの音楽シーンで幅広く活動するカール=アクセル・ドミニク Carl-Axel Dominique が父、スウェーデンの人たちに愛されている《献呈(Tillägnan)》を作曲したモニカ・ドミニク Monica Dominique が母。王立ストックホルム音楽大学で学び、指揮者、コントラバス奏者、作曲家として活動しています。
アルバム『Musicam semper amavi』のメインは、マルティン・ルターが作曲、あるいは時代に合わせて改作した賛美歌による《宗教改革組曲》と、ゴトランド伝承の《わたしの植えたバラが》などスウェーデンの曲による《フォークバロック組曲》。ドミニクは、今も使われている『スウェーデン賛美歌集』の歌や民謡など単旋律の曲に声部と和声をつけ、オーケストレーションを施し、シンプルでまとまりのある作品に作っています。
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)
『Med ljus och lykta』
Proprius PRCD 2099 classical/pop
『Med ljus och lykta』
Dröm om en dans(Vindla String Quartet)
Spillra(Vindla String Quartet)
Vittring(Vindla String Quartet)
Glänta(Vindla String Quartet)
Skam den som ger sig(Vindla String Quartet)
Med ljus och lykta(Vindla String Quartet)
Styrfart(Vindla String Quartet)
Där pepparn växer(Vindla String Quartet)
Gå gärna i gräset(Vindla String Quartet)
ヴィンドラ弦楽四重奏団
カロリーネ・カルピンスカ(ヴァイオリン)
マリア・ベリストレム(ヴァイオリン)
エリーナ・ニューグレーン(ヴィオラ)
イェルダ・ホルムクヴィスト(チェロ)
録音 2022年、2024年 United Sound Studio(イェナルプ、スウェーデン)
制作
録音エンジニア・ミクシング・マスタリング ペール・ダーヴィドソン
ヴィンドラ弦楽四重奏団 Vindla String Quartet は、自分たちで作曲したレパートリーを演奏するという、かなりユニークな活動を行うグループです。『Med ljus och lykta(明かりとランタンをもって)』と題したアルバムは、Proprius Records を擁する Naxos Sweden への彼らの第2作です。
カロリーネ・カルピンスカ Caroline Karpinska と、マルメ音楽大学のヴィスワヴァ・シムチンスカに学び、在学中の2008年にヴィンドラ弦楽四重奏団を創設したマリア・ベリストレム Maria Bergström のヴァイオリン、エリーナ・ニューグレーン Elina Nygren のヴィオラ、マルメ音楽大学のマッツ・ロンディンのマスタークラスを修了、2011年からヴィンドラ弦楽四重奏団に加わったイェルダ・ホルムクヴィスト Gerda Holmquist のチェロ。
このアルバムでは、COVID-19 パンデミック下、公共の場での演奏ができなかった時期、メンバーがアイデアを交換しながら作った9曲が演奏されます。《Dröm om en dans》(ダンスの夢)、《Spillra》(ごみ)、《Vittring》(風化)、《Glänta》(半開き)、《Skam den som ger sig》(屈服するものよ恥を知れ)、《Styrfart》(舵効速度)、《Med ljus och lykta》、《Där pepparn växer》(胡椒の茂るところ)。クラシカル、ジャズ、フォーク、ポップ、タンゴと、さまざまなインスピレーションの跡がうかがえる音楽です。
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)
『The Royal Danish Brass and Anders Johnsson』
Proprius PRCD 2100 contemporary/classical
ヨアキム・アンデション(1990–)
協奏交響曲(Sinfonia Concertante) Op.37(2021)
アレグロ・モデラート アダージョ・エスプレッシーヴォ
マエストーゾ
シャルル=マリー・ヴィドール(1844–1937)
御身の民を救い給え(Salvum Fac Populum Tuum) Op.84(1916–18)
ヴァーツラフ・ネリベル(1919–1996)
「慈しみと愛のあるところ」による後奏曲(Postlude on Ubi Caritas)(1977)
ルイ・ヴィエルヌ(1870–1937)
ナポレオン一世生誕100年の凱旋行進曲
(Marche Triomphale du Centenaire de Napoléon I)
ジークフリート・カルク=エーレルト(1877–1933)(ドナルド・ロータマンド(1932–) 編曲)
イスラエル人の勝利の歌(ヘンデル風)
(Ein Siegesgesang Israels - Alla Handel) Op.101 No.5(1913)
(「太鼓とシンバルで主を賛美せよ
(Lobet den Herren mit Pauken und Zimbein schön)」
《33のポートレート》から)
マルセル・デュプレ(1886–1971)
英雄の詩(Poème Héroïque) Op.33(1937)
ナジ・ハキム(1955–)
諸王の王の序曲(Overture for the King of Kings)(2021)
王立デンマーク・ブラス
ヨーナス・ホイエン・ヴィク(トランペット)
ルーク・デンプシー(トランペット)
ラースロ・モルナール(トランペット)
ウーラ・ヌードクヴィスト(トロンボーン)
ケル・ヤーアンセン(トロンボーン)
マルコ・ゴメス(トロンボーン)
マルテ・ニルセン・ヴェンデルビュー(打楽器)
アンデシュ・ヨンソン(オルガン)
[楽器 Organ: Marcussen & Søn Orgelbyggeri Aps, restored and enlarged 2018–20]
録音 2023年9月6日–7日 オーフス大聖堂(オーフス、デンマーク)
制作
録音エンジニア ヘンリク・ヴィンター・ハンセン、Lydstudiet Espressivo
デンマークのオーフス大聖堂の主オルガンは、デンマークのパイプオルガンでは最大の96のストップをもち、北ヨーロッパの4世紀に渡るオルガン建造の伝統による真の傑作と言われます。このオルガンは、2018年から2020年にかけて大幅な修復と増設が行われ、2023年に記念のアルバム(Danacord DACOCD 971-972)が作られました。Prprius Records の新しいアルバムは、記念アルバムの奏者のひとり、アンデシュ・ヨンソン Anders Johnsson と、長年にわたり彼とコラボレーションを行なってきたトランペッター、ヨーナス・ホイエン・ヴィク Jonas Højen Wiik の所属する王立デンマーク・ブラス Royal Danish Brass の共演が実現して録音されました。
金管楽器とオルガンの共演は、音楽史を通じて行われてきました。2つのトランペットとオルガン、金管四重奏や五重奏とオルガンといった編成でしばしば演奏され、オルガンの交響的作品の伝統を誇るフランスでは、ヴィドール Charles-Marie Widor の《御身の民を救い給え》やデュプレ Marcel Dupré の《英雄の詩》といった、トランペットとトロンボーンが3本ずつ、打楽器とオルガンという編成の曲が多く作られました。このアルバムでは、カルク=エーレルト Sigfrid Karg-Elert の《イスラエル人の勝利の歌(ヘンデル風)》のドナルド・ロータマンド Ronald Rotermund による編曲を含め、この編成による7つの作品が演奏されます。スウェーデンのヨアキム・アンデション Joakim Andersson の《協奏交響曲》とフランス系レバノンのナジ・ハキム Naji Hakim の《諸王の王の序曲》は、プロジェクトを支援したステーン・K・ヨンソン財団の委嘱で作曲され、2022年5月、アンデシュ・ヨンソンがオルガニストを務めるマルメの聖アンドレーアス教会で初演されました。
《協奏交響曲》を作曲したヨアキム・アンデション Joakim Andersson は、スウェーデンのシェレフテオ生まれ。王立ストックホルム音楽大学でラルフ・グスタフソンにオルガンのソロ演奏、ニルス・ラーションとアンデシュ・ボンデマンに礼拝オルガン演奏を学び、オルガニストで作曲家のミーケル・ヴァルデンビューに私的に作曲を教わりました。ストックホルムのエンゲルグレクト教区のオルガニスト、ユートハーゲン室内合唱団の指揮者。作曲は、後期ロマンティシズムの音とスタイルを基本にオルガン曲、合唱曲、カンタータ、オラトリオ、室内楽曲を主に手掛けています。《スウェーデン・ヨハネ受難曲(En svensk Johannespassion)》が毎年、聖金曜日にスタファン教会で演奏され、彼の代表作に挙げられています。
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)
『Musica Alba』
Skani SKANI 156 contemoporary/classical
アグリス・エンゲルマニス(1936–2011)
ディアフォニー第1番(Diafonija Nr.1)(1972)(ピアノと管弦楽のための)
ディアフォニー第2番(Diafonija Nr.2)(1979)(ピアノと管弦楽のための)
ディアフォニー第3番(Diafonija Nr.3)(1996)(ピアノと管弦楽のための)
ムジカ・アルバ(Musica Alba)(1988)
交響楽団のための音楽(Mūzika simfoniskajam orķestrim)(1971)
リエパーヤ交響楽団 アトヴァルス・ラクスティーガラ(指揮)
エリーナ・ベールティニャ(ピアノ)
録音 2024年1月8日–9日(ディアフォニー)、2015年11月6日(交響楽団のための)(ライヴ録音) グレート・アンバー・コンサートホール(リエパーヤ)、2014年1月23日–24日 リエパーヤ・ラトビア協会ハウス(リエパーヤ、ラトビア)
制作・録音エンジニア・編集・ミクシング ノルムンツ・スラヴァ
アグリス・エンゲルマニス Agris Engelmanis(1936–2011)は、20世紀後期のラトビアでもっともモダニズム指向の強い作曲家のひとりでした。ラトビア音楽アカデミーでアードルフス・スクルテに作曲を学び、ラトビア文化の中心だったリガではなく、出身地リエパーヤの海と湖にはさまれた場所を活動の拠点に選びました。管弦楽曲と合唱曲を中心に作曲し、室内楽とオルガンの作品も作りました。“Symphony”(シンフォニー)の反対語 “Diaphony”(不協和音)を曲名にした3曲の《ディアフォニー》は、ピアノと管弦楽のために書かれた3楽章の作品です。第1番は、この録音が公式の初演。第2番と第3番は、過去に演奏され、今回はじめて録音で紹介されます。
ラテン語で「白い音楽」の《ムジカ・アルバ》は、彼の作品のうち、比較的演奏されることの多い曲です。《交響楽団のための音楽》は、エンゲルマニスがアカデミー卒業の年に作曲した最初の管弦楽曲といわれています。指揮者のアトヴァルス・ラクスティーガラ Atvars Lakstīgala(1981–)が、まだ知られていない「新作」として、グレート・アンバー・コンサートホールの落成コンサートで演奏しました。「モルト・アレグロ」「アレグロ・ノン・トロッポ」「レンターレ」「♩ = 70」の4楽章の作品です。
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)
『オーロラ(Nord Licht)』
Solo Musica SM 398 classical
エドヴァルド・グリーグ(1843–1907)
ピアノ協奏曲 イ短調 Op.16 *
ヒャウルマル・ヘルギ・ラグナルソン(1952–)
Stilla(穏やかな静寂)(ピアノ・ソロのための)
エドヴァルド・グリーグ(1843–1907)
《ペール・ギュント(Peer Gynt)》 組曲第1番 Op.46
(4手のピアノのための)**
朝の気分(Morgenstemning) オーセの死(Åses død)
アニトラの踊り(Anitras dans)
ドヴレ山の王の宮殿にて(I dovregubbens hall)
《ペール・ギュント(Peer Gynt)》 組曲第2番 Op.55
(4手のピアノのための)**
花嫁の略奪 - イングリーの嘆き(Bruderovet - Ingrids Klage)
アラビアの踊り(Arabisk dans)
ペール・ギュントの帰郷 - 海のあらしの夕べ
(Peet Gynts hjemfart - Stormfull aften på havet)
ソールヴェイの歌(Solveigs sang)
マルガリータ・ヘーエンリーダー(ピアノ)
北西ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団 *
ジョナサン・ヘイウォード(指揮)*
アンティ・シーララ(ピアノ)**
録音 2022年1月 ヘルフォルト(ドイツ)(協奏曲)、2022年12月 ポリング(ドイツ)
マルガリータ・ヘーエンリーダー Margarita Höhenrieder。1956年、ミュンヘン生まれ。ミュンヘンでアンナ・シュタードラーとルートヴィヒ・ホフマン、ボルティモアのピーボディ音楽学校でレオン・フライシャーに学びました。ミュンヘン音楽演劇大学の教授。『オーロラ(Nord Licht)』と題したアルバムに収録されたジョナサン・ヘイウォード Jonathan Heyward 指揮の北西ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団の共演によるグリーグの《ピアノ協奏曲 イ短調》と、大学の同僚でもあるフィンランドのアンティ・シーララ Antti Siirala 共演の《ペール・ギュント》の2つの組曲は、彼女が2022年にコンサートで演奏した作品。アイスランドの作曲家ヒャウルマル・ヘルギ・ラグナルソン Hjálmar Helgi Ragnarsson(1952–)の《Stilla(穏やかな静寂)》は、左手のための曲を探していたヘーエンリーダーのために書かれたという作品です。
価格 2,200円(税込価格)(本体価格 2,000円)
『モーセス・ペルガメント 作品集 第1集』
Toccata Classics TOCC 0728 classical
モーセス・ペルガメント(1893–1977)
ピアノ協奏曲(Konsert för piano och orkester)(1952)(第1番)*
悲しみ(Sorrow) Op.5(1908–09)(ピアノのための)
抒情的な舞曲(Lyriska danser)(ピアノのための)
妖精の踊り I(Älvdans I)(1914)
妖精の踊り II(Älvdans II)(1915)
マズルカ(Mazurka)(1912)
劇付随音楽《ソロモン王(Kung Salomo)》
- シュラムの踊り(Sulamiths Dans)(1915)(ピアノのための)
悲しい歌(Chanson triste)(1914)(ヴァイオリン、オブリガート・
ヴァイオリン、チェロとピアノのための版)**
劇付随音楽《エステルの饗宴(Esthers gästabud)》(1936)
ダンス(Dance) アダージョ(Adagio)
映画音楽《Med livet som insats》
第1幕 工場(The Mill)((1939)
(マッティン・マルムグレーン 編曲)
第2幕 メヌエット(Minuet)(1916)
(マッティン・マルムグレーン 編曲)
第3幕 ゆったりしたワルツ(Valse lente)(1939)
祝祭ファンファーレ(Festfanfar)(1961)(ピアノのための)
(モーセス・ペルガメント 編曲)
ニコールへ(For Nicole)(1974)(ピアノのための)
瞑想曲(Medidation)(1974)(チェロのための)***
瞑想曲(Medidation)(1969)(チェロとピアノのための)***
ロマンティックなメロディ(Melodica romantica)(1970)
(チェロとピアノのための)***
ファンタジア・ディフェレンテ(Fantasia differente)
《天と地(Cielo e térra)》(1969)(チェロと弦楽九重奏のための)†
マッティン・マルムグレーン(ピアノ)
セバスチャン・シレーン(ヴァイオリン)**
レア・トゥーリ(オブリガート・ヴァイオリン)**
マティアス・ホルトリング(チェロ)**
トマス・ヌニェス(チェロ)***/†
ヘルシンキ・メトロポリタン管弦楽団 * サーシャ・マキラ(指揮)*
ヘルシンキ室内管弦楽団† アク・ソレンセン(指揮)†
録音 2021年8月7日–8日 *、2022年11月30日 *** 新パビリオン(カウニアイネン(グランクッラ)、フィンランド)、2022年3月20日 ヤルヴェンパーホール(ヤルヴェンパー、フィンランド)†、2023年6月12日、11月29日、2024年3月17日 ミュージックセンター「Organo」(ヘルシンキ、フィンランド)
モーセス・ペルガメント Moses Pergament(1893–1977)は、スウェーデン音楽史では稀な音楽家のひとりでした。ヘルシンキのユダヤ一家に生まれ、ヴァイオリニストとして出発。サンクトペテルブルクでレオポルト・アウアーの下で助手として学び、パリとベルリンにも渡りました。1919年にスウェーデンの市民権を取得したものの、スウェーデンの音楽シーンでは外国生まれという抵抗に遭います。ユダヤ系ということもあり、アッテルベリからは「スウェーデンの作曲家と見られることはないだろう」と言われました。作曲家、ピアニスト、音楽批評家として活動して数十年が経った1945年、スウェーデン作曲家協会に加入し、遅ればせながら作曲家として認められました。しかし、Musica Sveciae Modern Classics シリーズの『スウェーデンのバレエ』(Phono Suecia PSCD 704)に《クレランテムスとエルデリング》組曲が収録され、ストックホルム大学をはじめとする機関の努力と試みが行われているにもかかわらず、彼の色彩豊かな音楽は、その多くが、まだ知られておらず、演奏機会に恵まれていません。このアルバムで演奏される曲はすべて、世界初録音の作品です。《ピアノ協奏曲》をはじめとする曲のピアノを弾く、マッティン・マルムグレーン Martin Malmgren(1987–)は、2014年イルマリ・ハンニカイネン・ピアノ・コンペティションで第1位に選ばれたスウェーデンのピアニスト。《悲しい歌》をのぞく曲のチェロを担当したフィランド放送交響楽団のチェリスト、トマス・ヌニェス Tomas Nuñez(1984–)をはじめ、フィンランドの音楽家たちによる録音です。
価格 2,200円(税込価格)(本体価格 2,000円)
『ユオザス・グルオディス』
Toccata Classics TOCC 0737 classical
ユオザス・グルオディス(1884–1948) ピアノ音楽
ピアノソナタ第1番 嬰ハ短調《悲愴(Patetinė/Patetico)》(1919)
朝の歌(Rytmečio daina)(1920)
ピアノソナタ第2番 ハ短調(1921)
鐘(Varpai)(1927)
変奏曲 変ロ長調(1920)
ダウマンツ・キリラウスカス(ピアノ)
録音 2023年10月17日 リトアニア国立フィルハーモニック・ホール(ヴィルニュス)、2023年7月5日、12月3日、2024年4月7日 ヴィータウタス・マグヌス大学音楽アカデミー(カウナス、リトアニア)
ユオザス・グルオディス Juozas Gruodis(1884–1948)は、リトアニアで初めて管弦楽作品を継続して作曲した、第一次と第二次の世界大戦の間の時代でもっとも重要な作曲家です。教会オルガニストからキャリアをスタートさせ、30歳を過ぎてからモスクワとライプツィヒの音楽院で学びました。カウナスに戻ってからは、国立オペラの指揮者を務め、1933年にカウナス音楽院を創設しました。リトアニア初の大学レベルの音楽学校です。グルオディスは、祖国のフォークミュージックに深い興味をもち、民謡の編曲を手がけたほか、バルトークやヤナーチェクに似た手法で、自身の穏やかなモダニズムの作品に民謡の要素を取り入れました。グルオディスは若いころから「リトアニアのグリーグ」と自称したと言われます。
《ピアノソナタ第1番》は、1919年にヤルタで作曲され、第一次世界大戦後の騒然とした時代の空気を映し、《悲愴》の副題で呼ばれます。「アレグロ・モデラート」「アダージョ・エスプレッシーヴォ」「ヴィヴァーチェ、エネルジーコ」の〈スケルツォ〉「アレグロ・コン・フォーコ」の4楽章の作品です。2年後の《ピアノソナタ第2番》は「アレグロ・モデラート」「アダージョ」「アレグロ」の〈終曲〉で構成され、第1番に通じる情感を伝えます。《変奏曲 変ロ長調》は、世界初録音の作品です。
ピアニストのダウマンツ・キリラウスカス Daumantas Kirilauskas(1972–)は、ヴィルニュス生まれ。リトアニア音楽アカデミーでピアノとヴィータウタス・バルカウスカスのクラスで作曲を学びました。ザルツブルク・モーツァルテウムのカール=ハインツ・ケンメルリングの修士課程を修了。ヨーロッパを中心にソリストとしてコンサートと録音の活動を行い、2001年からリトアニア音楽演劇アカデミーの教授を務めています。
価格 2,200円(税込価格)(本体価格 2,000円)
『エステル・マギ』
Toccata Classics TOCC 0741 classical
エステル・マギ(1922–2021) 女声のための歌曲全集
5つのロマンス(Viis romanssi)(1963)
どうして眠れようか(Kuis võiksin magada)
思い出(Mälestus) 浜のツバメ(Rannapâäsuke)
風(Tuul) 幸せの兆し(Õnne algus)
2つのロマンス(Kaks romanssi)(1964)
Suur ja vaikne(Big and Silent)
Mul on tare taeva all(I Have a Shelter Under the Sky)
シーソーで遊ぼう(Kiigele!)(1948)
ことばが美しいメロディを見つけた(Leidsid sõnad kalli viisi)(1955)
葉が散っていた(Lehed langsid)(1946)
雪のかけら(Lumehelbeke)(1948)
Vanatühja petmine(Cheating Old Nick)(1984)
Valge pall(White Ball)(1961)
エルンスト・エンノの詩による2つの歌
([Kaks laulu Ernst Enno sõnadele)(1999)
Sääl kõrgel(Up There) Köitke kinni!(Blind the Eyes)
ベッティ・アルヴェルの歌詞につけた歌(Laulud Betti Alveri luulega)(1981)
木の外套(Puust palitu) なんどもなんども(Jälle ja jälle)
鳥がみんな笑っていた(Linnud naerdis)
3つのセトのおとぎ話の歌(Kolm setu muinasjutulaulu)(1984)
歌う樹(Laulve puu) 子守歌(Uinutamislaul)
孤児(みなしご)がカッコーに(Vaeslaps käoks)
Ööhõlmad(Night Shade)(2001)
2つの歌(メゾソプラノ、チェロとピアノのための)(1998)
夜(Öö)
目を閉じて(Silmi suletuil)
セイヨウオシダ(Maarjasonajalg)
(ソプラノ、フルートとピアノのための)(1988)
Huiked(Whoops)(ソプラノ、フルートとギターのための)(1988)
野原で歌う(Põllul laulmine)(1988 rev.2005)(エストニア民謡による)
マーリヤ・プルガ(メゾソプラノ) ステン・ラスマン(ピアノ)
ヴァッレ=ラスムス・ローツ(チェロ)
マリ=リース・ヴィンド(フルート)
キリル・オゴロドニコフ(ギター)
録音 2022年11月27日–29日 アルヴォ・ペルト・センター(Arvo Pärt Centre)(ラウラスマー、エストニア)
作曲家エステル・マギ Ester Mägi(1922–2021)は、タリン生まれ。エストニア音楽アカデミーでマルト・サール、モスクワ音楽院でヴィッサリオン・シェバリーンに学びました。抒情的、劇的な表現、「エストニア」のカラー、現代の語法といったことが彼女のスタイルとして挙げられています。
マーリヤ・プルガ Maarja Purga とステン・ラスマン Sten Lassmann を中心とするこのアルバムでは、マギが1946年から2005年にかけて書いた27の歌曲が歌われます。シンプルで素朴な初期の曲から、エストニア民謡のミニマルな旋律と反復的な詩を取り入れた中期から後期の曲まで、すべて女声のための作品です。エストニア民謡による《野原で歌う》だけでなくエストニアの伝承曲からインスピレーションを得た曲も含まれ、ソプラノ、フルートとギターのための《Huiked》では、牧場で仕事をしている羊飼いを女たちが呼ぶ声、動物を呼び寄せたり追っ払ったりする音、羊飼いや苺摘みをする人たちの声、狩人の合図といった、日常の「声」と「音」が「音風景」として表現されます。《3つのセトのおとぎ話の歌》には、ロシアと国境を接するエストニア南部のセト地方の風習にある、不運を避ける「まじない」が織り込まれています。
価格 2,200円(税込価格)(本体価格 2,000円)
『The Estonian Cello』
Toccata Next TOCN 0033 classical
ヘイノ・エッレル(1887–1970)
昔の踊り(Vana tants) ト長調(1913)
前奏曲(Prelüüd) ト短調(1917) 詩曲(Poeem) 変イ長調(1921)
夕べの歌(Õhtulaul) ト長調(1921)
ロマンス(Romance) ト長調(1924)
アンダンテ・セリオーソ((Andante serioso) ニ短調(1931)
前奏曲(Prelüüd) ホ短調(1942)
(ピアノのための《10の抒情的小品》 第9曲)
バラード(Ballad) ホ短調(1945)
エドゥアルド・オヤ(1905–1950)
時の三部作(Aja triloogia)(1934)
Life(いのち) Eternity(永遠) The Present Day(現在)
ヴィレム・レイマン(1906–1992)
子守歌(c.1930)
ヘルマン・カンド(1905–1952)
愛の詩(Poéme d’amour)(1933) バラード(Ballaad)(c.1930)
エドゥアルド・トゥビン(1905–1982)
チェロ協奏曲 ETW 129(1954–55)(未完)
第1楽章 レチタティーヴォ(Recitativo)(チェロとピアノのための)
ヴァッレ=ラスムス・ローツ(チェロ)
ステン・ラスマン(ピアノ)
録音 2023年2月13日–14日 アルヴォ・ペルト・センター(Arvo Pärt Centre)(ラウラスマー、エストニア)
エストニアのチェリスト、ヴァッレ=ラスムス・ローツ Valle-Rasmus Roots(1994–)と、ヘイノ・エッレルのピアノ作品全集(Toccata Classics)を録音したステン・ラスマン Sten Lassman(1982–)の共演によるエストニアのチェロ曲集。エッレル Heino Eller のチェロとピアノのための曲は、《昔の踊り》や作曲者自身がピアノ曲を編曲した《夕べの歌》と《前奏曲》など初録音の作品を含むほぼ全曲。エドゥアルド・オヤ Eduard Oja の管弦楽版も作られた《時の三部作》。あまり知られていないレイマンとカンドの小品も演奏されます。
ヴィレム・レイマン Villem Reimann(1906–1992)は、タリン音楽院で1925年から1927年までマルガレーテ・フィンクにピアノを学び、カフェとレストランのアンサンブルと映画館でピアニストとして働きました。アルトゥル・カップの作曲クラスとアルトゥル・レムバのピアノのクラスで学び、1933年に卒業。フランツ・リスト音楽アカデミーのゾルターン・コダーイの下で作曲の研究をつづけました。1944年からエストニア作曲家連盟のメンバー。室内楽とフィルムミュージックを中心に作曲しています。ヘルマン・カンド Herman Känd(1905–1952)は、タリン音楽院でアウグスト・トプマンにオルガン、アルトゥル・カップに作曲を学び、1930年に卒業しました。ヴォル、ラピナ、タリンでオルガニスト、音楽教師、合唱指揮者として働き、1944年、ドイツに亡命。オルガニストと批評家として活動した後、1950年からアメリカに住み、マサチューセッツ州フィッチバーグのルター派の集会でオルガニストを務めました。
価格 2,200円(税込価格)(本体価格 2,000円)
『Inner Spirits』
ACT Music ACT 9990-2 jazz
『Inner Spirits』
Para Aprender a Amar(Yamandu Costa)
Galliano(Jan Lundgren) Fresu(Jan Lundgren)
Diplomata(Yamandu Costa) Nina(Yamandu Costa)
Garoto(Antônio Carlos Jobim) Hannah(Jan Lundgren)
A Legend(Yamandu Costa) Habanera(Jan Lundgren)
Choro para Paquito(Yamandu Costa)
Summer Kind of Love(Jan Lundgren/Hannah Svensson)
Uma Prece(Luiz Bonfá) Nocturne(Evert Taube)
Manha de Carnaval(Luiz Bonfá)
ヤン・ルンドグレーン(ピアノ)
ヤマンドゥ・コスタ(ギター)
録音 2024年2月5日–6日 Emil Berliner Studio(ベルリン、ドイツ)
制作 アンドレーアス・ブランディス
スウェーデンの南部、ユースタード出身のピアニスト、ヤン・ルンドグレーン(ラングレン) Jan Lundgren とブラジルの最南端、リオグランデ・ド・スル州生まれのギタリスト、ヤマンドゥ・コスタ Yamandu Costa という、世界の遠く離れた地方の「ソウルメイト」ふたりのコラボレーション。彼らは、2019年に南スウェーデンのマルメで出会い、たがいの音楽に強く惹かれたといいます。ルンドグレーンは、ラテン・グラミー賞に6度ノミネートされ、1度受賞したコスタを、自身が監督を務めるユースタード・ジャズフェスティヴァルに招待。そこから、デュオで演奏したいという希望が強くなっていきました。
ルンドグレーンが、バンド「マーレ・ノストルム Mare Nostrum」の仲間のパオロ・フレス Paolo Fresu とリシャール・ガリアーノ Richard Galliano、妻で歌手のハンナ・スヴェンソン Hanna Svensson に捧げた3曲。コスタが作曲した、エクアドルのパジージョのリズムによる《Para Aprender a Amar》(愛することを学ぶために)や《Choro para Paquito》(パキートのためのショーロ)など、彼のラテンアメリカというバックグラウンドを想わせる曲。アントニオ・カルロス・ジョビンのあまり知られていない「宝石」の《Garoto》。スウェーデンのシンガーソングライター、エーヴェット・トーブの《Nocturne》(ノクターン)。映画『黒いオルフェ』の音楽でもっとも知られているブラジルのギタリストで作曲家、ルイス・ボンファの作品が2曲。ルンドグレーンとコスタのプレーの「科学作用」を楽しむプログラムが組まれています。
価格 2,860円(税込価格)(本体価格 2,600円)
『Lumen』
Prophone PCD 343 jazz
『Lumen』
Lumen(Danilo Pérez)
(Solo: Danilo Pérez, Joakim Rolandsson, Lisbeth Diers)
Across the Crystal Sea(Claus Ogerman)
(Solo: Staffan Svensson, Danilo Pérez)
Suite for the Americas(Danilo Pérez)
(Solo: Joakim Rolandsson, Danilo Pérez, Linus Lindblom)
Prayer for Peace(Danilo Pérez)(Solo: Danilo Pérez)
Expeditions(Danilo Pérez)
(Solo: Danilo Pérez, Alberto Pinton, Niclas Rydh)
Galactic Panama(Danilo Pérez)
(Solo: Danilo Pérez, Linus Lindblom, Samuel Olsson, Lisbeth Diers)
One for Toni (Dedicated to Toni Morrison)(Danilo Pérez)
(Solo: Danilo Pérez, Staffan Svensson, Lindblom,)
Irremediablemente Sólo(Avelino Muñoz)(Solo: Danilo Pérez)
Sunburn and Mosquito(Danilo Pérez)
(Solo: Alberto Pinton, Danilo Pérez, Olli Rantala)
ブーヒュースレーン・ビッグバンド
ヨアキム・ルーランドソン(アルト・サクソフォーン、木管楽器)
マッティン・ビューレク・スヴァンストレム
(アルト・サクソフォーン、木管楽器)
リヌス・リンドブルム(テナー・サクソフォーン、木管楽器)
ミーケル・カールソン(テナー・サクソフォーン、木管楽器)
アルベルト・ピントン(バリトン・サクソフォーン、木管楽器)
レッナールト・グラーン(トランペット、フリューゲルホルン)
サミュエル・オールソン(トランペット、フリューゲルホルン)
スタファン・スヴェンソン(トランペット、フリューゲルホルン)
ヤン・エリーアソン(トランペット、フリューゲルホルン)
ニクラス・リュード(トロンボーン)
クリステル・オーロフソン(トロンボーン)
グスタフ・ヴィークルンド(トロンボーン)
イングリッド・ユートネ(バス・トロンボーン)
オッリ・ランタラ(ベース)
リスベト・ディアス(パーカッション)
ヨーラン・クルーン(ドラム)
ダニーロ・ペレス(ピアノ、フェンダーローズ)
録音 2021年9月26日–27日 ニレント・スタジオ(コッレレード、スウェーデン)
制作 ダニロ・ペレス、ラーシュ・ニルソン
録音エンジニア ラーシュ・ニルソン
ダニーロ・ペレス Danilo Pérez とスウェーデンのジャズ・オーケストラ「ブーヒュースレーン・ビッグバンド Bohuslän Big Band」のコラボレーション。ペレスの生まれたパナマを中心とするアメリカ大陸のリズムと北欧のビッグバンドのサウンドが出会い、インプロヴィゼーションのおもしろさと遊び心の際立つアルバムが生まれました。
ペレスのピアノとヨアキム・ルーランドソンのソプラノサックスの即興的な掛け合いが楽しい《Lumen》(ひかり)、シカゴ・ジャズフェスティヴァルの委嘱で書かれた《Suite for the Americas》(南北アメリカ大陸のための組曲)、《Prayer for Peace》(平和の祈り)、トロントのフェスティヴァルなどのための《Expeditions》(遠征)、ペレスの代表作のひとつ《Galactic Panama》、『青い眼が欲しい』でデビュー、ピューリツァー賞やノーベル文学賞を受賞した黒人文学の作家「トニ・モリソンに捧げる」《One for Toni》、《Sunburn and Mosquito》(日焼けと蚊)の7曲が、ペレスの作品。スタファン・スヴェンソンのフリューゲルホルン・ソロが美しいクラウス・オーガマンの《Across the Crystal Sea》とパナマのアベリーノ・ムニョスの《Irremediablemente Sólo》が、プログラムに組み込まれました。
は、ペンシルベニア州立インディアナ大学とボストンのバークリー音楽院で学び、ディジー・ギレスピーのオーケストラやウェイン・ショーターのカルテットで演奏。2019年にブーヒュースレーン・ビッグバンドの本拠地ヴァラ・コンサートホールの「アーティスト・イン・レジデンス」を務め、2021年のセッションでこのアルバムを録音しました。「このアルバムは、わたしのキャリアの里程標のひとつだ。文化を結びつけ、美と調和を共有する経験を創り出す、音楽の力の象徴と言っていい。COVID-19 パンデミックの期間にプロジェクトが進められたことも、特別な意味をもつ。アルバムがリリースされ、プロジェクトに関わったすべての人がグローバルなジャズの姿を生き返らせることに献身的な努力を惜しまなかったことの証が示される」(ダニーロ・ペレス)
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)
『Le Grand Michel』
Prophone PCD 363 jazz
『Le Grand Michel』
The Windmills of Your Mind
(Michel Legrand/Alan & Marilyn Bergman)
I Will Wait for You(Michel Legrand/Norman Gimbel)
The Summer Knows(Michel Legrand/Alan & Marilyn Bergman)
The Way He Makes Me Feel
(Michel Legrand/Alan & Marilyn Bergman)
His Eyes, Her Eyes(Michel Legrand/Alan & Marilyn Bergman)
Love Makes the Changes(Michel Legrand/Alan & Marilyn Bergman)
Summer Me, Winter Me(Michel Legrand/Alan & Marilyn Bergman)
What Are You Doing the Rest of Your Life?
(Michel Legrand/Alan & Marilyn Bergman)
Where’s the Love?(Michel Legrand/Bobby Weinstein)
Le Grand Michel(Peter Asplund)
You Must Believe in Spring(Michel Legrand/Alan & Marilyn Bergman)
ヴィヴィアン・ブチェク(ヴォーカル)
マッティン・ショーステット(ピアノ、フェンダーローズ)
イェスパー・ボーディルセン(ベース)
ゾルタン・チョース(ドラム)
ゲスト
マティアス・ハイセ(ハーモニカ)
ペーテル・アスプルンド(トランペット、フリューゲルホルン)
編曲 マッティン・ショーステット
録音 The Village Recording(コペンハーゲン、デンマーク)
制作 ヴィヴィアン・ブチェク、マッティン・ショーステット
ミクシング・編集 ポール・スヴェンレ
マスタリング ソフィア・フォン・ハーゲ、トマス・エーベリエル
スウェーデンのヴォーカリスト、ヴィヴィアン・ブチェク Vivian Buczek は、Prophone Records に魅力あるアルバムを多く録音してきました。エラ・フィッツジェラルドへのオマージュ・アルバム『Ella lives』(2017)(PCD 168)、「女性としての自分の視点と経験から人生を語る」をコンセプトにした、ノルボッテン・ビッグバンド共演の『A Woman's Voice』(PCD 203)、ポーランドとスウェーデンという彼女の文化的背景をテーマにした『Roots』(PCD 268)。新作の『Le Grand Michel』は、彼女にインスピレーションを与えつづけてきた「偉大なフランスの作曲家、ピアノ・プレーヤー、指揮者」ミシェル・ルグランへの祝意を示すアルバムとして作られました。
ノーマン・ジュイソン監督の映画『The Thomas Crown Affair』(華麗なる賭け)のために書かれた《The Windmills of Your Mind》(風のささやき)と《His Eyes, Her Eyes》、ジャック・ドゥミ監督とルグランのコラボレーションによる『Les Parapluies de Cherbourg』(シェルブールの雨傘)の《I Will Wait for You》と《Where’s the Love?》、3年後の『Les Demoiselles do Rochefort』(ロシュフォールん恋人たち)の《You Must Believe in Spring》、少年の初恋がほろ苦い『Summer of ’42』(おもいでの夏)のテーマ曲に歌詞がつけられた《The Summer Knows》と、そのサウンドトラック・アルバムにカップリングされた『The Picasso Summer』の《Summer Me, Winter Me》、バーブラ・ストライサンド主演の『Yentl』(イェントル)の《The Way He Makes Me Feel》、ルグランがパリ音楽院の学生だったころのエピソードを映画にした『Five Days in June』で歌われる《Love Makes the Changes》、リチャード・ブルックス監督の『The Happy Ending』で歌われアカデミー賞にノミネートされた《What Are You Doing the Rest of Your Life?》。
マッティン・ショーステット Martin Sjöstedt のピアノ、イェスパー・ボーディルセン Jesper Bodilsen のベース、“The Flower Kings” のドラマーとして知られるハンガリーのゾルタン・チョース Zoltan Csörsz のドラムでセッションが行われ、デンマークのハーモニカ・プレーヤー、マティアス・ハイセ Mathias Heise がゲストに招かれました。アルバム・タイトルの《Le Grand Michel》を作曲、編曲したペーテル・アスプルンド Peter Asplund もゲスト参加、《I Will Wait for You》で印象的なソロを聴かせます。
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)