July 2024

LinkIcon 2024年8月      2024年6月 LinkIcon

『アーノルド、ホロヴィッツ、スタンフォード、フィンジ』
BIS SACD 2097 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) classical

 
マルカム・アーノルド(1921–2006)
 ソナティナ(Sonatina) Op.29(1951)(クラリネットとピアノのための)
ジョーゼフ・ホロヴィッツ(1926–2022)
 クラリネットとピアノのためのソナティナ
 (Sonatina for Clarinet and Piano)(1981)
 2つのマジョルカの小品(Two Mallorcan Pieces)(1958)
チャールズ・ヴィリアズ・スタンフォード(1852–1914)
 3つの間奏曲(3 Intermezzi) Op.13(1879)
 クラリネット・ソナタ(Clarinet Sonata) Op.129(1911)
ジェラルド・フィンジ(1901–1958)
 5つのバガテル(Five Bagatelles) Op.23(1938–45)
  前奏曲(Prelude) ロマンス(Romance) キャロル(Carol)
  フォルラーナ(Forlana) フゲッタ(Fughetta)
  マイケル・コリンズ(クラリネット)
  マイケル・マクヘイル(ピアノ)
 
[楽器 Clarinet (B♭): YAMAHA YCL-SE Artist Model/Piano: Steinway D]
 
録音 2022年11月18日–19日 ポットンホール(ウェストルトン、サフォーク、イングランド)

 
「ウィグモア・ソロイスツ」のシリーズをはじめ BIS Records に録音をつづけているイギリスのクラリネット奏者マイケル・コリンズ Michael Collins の新作。イギリスの作曲家とクラリネットの特別な関係を反映した「クラリネットとピアノのための100年」の音楽によるプログラムを演奏しています。
 
アーノルド Malcolm Arnold の《ソナティナ》は、生き生きした第1楽章、柔らかくゆったりした第2楽章、フリオーソの第3楽章で構成された「ヴィルトゥオーゾ・ピース」。1951年1月に作曲され、ロンドンの英国王立芸術家協会でコリン・デイヴィスのクラリネットで初演されました。
 
ホロヴィッツ Joseph Horovitz の《ソナティナ》も3楽章構成。抒情を基調にした古典的ソナタ形式の第1楽章、A-B-A の形式による第2楽章、一種のロンドの第3楽章。ジャズとポピュラー音楽の影響を受けたメロディとリズムが特徴的な作品です。ジェルヴァーズ・ド・ペイエとグウェネス・プライアーの依頼で作曲され、1981年5月12日に彼らによって初演されました。《2つのマジョルカの小品》は、作曲者が1956年にマジョルカを新婚旅行で訪れ、園地で耳にしたスペインのメロディに基づいて書かれています。
 
スタンフォード Charles Villiers Stanford の《3つの間奏曲》は、ブラームスをはじめとするドイツ後期ロマンティシズムの影響のある作品。1879年の年末にかけて作曲され、翌年2月、ケンブリッジ大学音楽協会のコンサートでフランシス・ガルピンと作曲者により初演されました。1911年の《クラリネット・ソナタ》は、ゲール語の「弔い泣き」〈クイーネ(Caoine)〉と題した「アダージョ、クワジ・ファンタジア」の楽章をはさむ3つの楽章で書かれています。1916年、チャールズ・ドレーパーにより初演されました。
 
フィンジ Gerald Finzi の《5つのバガテル》は、彼がハンプシャーの「チャーチ・ファーム」に住んでいたころ、40代から50代のはじめにかけて作曲した、もっとも完成度が高いとされる作品のひとつ。「フィンジ」と聞いてすぐに思い浮かぶ、「歌」のような音楽です。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『Rooms of Elsinore(エルシノアの部屋)』
BIS SACD 2454 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) contemporary/classical

 
ブレット・ディーン(1961–)
 And once I played Ophelia(そしてオフィーリアを演じたこともあった)
 (2013–17/18)(ソプラノと弦楽オーケストラのための)
  ジェニファー・フランス(ソプラノ)
  スウェーデン室内管弦楽団 ブレット・ディーン(指揮)
 [録音 2022年10月7日–8日 オレブルー音楽演劇芸術大学 コンサートホール
  (オレブルー、スウェーデン)]
 Rooms of Elsinore(エルシノアの部屋)(2016)(ヴィオラとピアノのための)
  ブレット・ディーン(ヴィオラ) ユホ・ポホヨネン(ピアノ)
 [録音 2023年9月8日–9日 ケンブリッジ大学ジーザス・カレッジ・チャペル
  (ケンブリッジ、イングランド)]
 Gertrude Fragments(ガートルードの断片)(2016)
 (メゾソプラノとギターのための)
  ロッテ=ベッツ・ディーン(メゾソプラノ)
  アンドレイ・レデベフ(ギター)
 [録音 2020年9月5日 セント・ジョン・ジ・エヴァンジェリスト教会
  (アッパーノーウッド、ロンドン)]
 Confessio(告白)(2019)(バスクラリネット・ソロのための)
  フォルカー・ヘムケン(バスクラリネット)
 [録音 2023年9月5日 ゲヴァントハウス(ライプツィヒ、ドイツ)]
 The Players(役者たち)(2018–19)(アコーディオンと管弦楽のための)
  ジェイムズ・クラッブ(アコーディオン)
  スウェーデン室内管弦楽団 ブレット・ディーン(指揮 )
 [録音 2019年4月1日–2日 オレブルー・コンサートホール
  (オレブルー、スウェーデン)]

 
オーストラリアの作曲家ブレット・ディーン Brett Dean は、ウィリアム・シェイクスピアの『ハムレット』によるオペラを2013年から2016年にかけて作曲。2017年6月、ニール・アームフィールドの演出、ウラディーミル・ユロフスキ指揮によりグラインドボーン歌劇場で初演されました。BIS Records の新しいアルバムに収録された5曲は、このオペラをベースに作曲された作品です。
 
ソプラノと弦楽オーケストラのための《And once I played Ophelia》は、シェイクスピアの戯曲を基にオペラの台本を書いたマシュー・ジョスリン Matthew Jocelyn がオフィーリアの性格に焦点をあてて歌詞を書き、ハムレットの母ガートルードの複雑な心情を表現した《Gertrude Fragments》は、ジョスリンとブレットが共同でテクストを作った作品。その他の3曲は、それぞれ、ブレット・ディーンとユホ・ポホヨネン Juho Pohjonen、フォルカー・ヘムケン Volker Hemken、ジェイムズ・クラッブ James Crabb と、初演者による録音です。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『ブラウティハム+シューベルト』
BIS SACD 2624 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) classical

 
フランツ・シューベルト(1797–1828)
 ピアノソナタ第20番 イ長調 D.959(1828)
 ピアノソナタ第21番 変ロ長調 D.960(1828)
  ロナルド・ブラウティハム(フォルテピアノ)
 
[楽器 Fortepiano: Paul McNulty 2007, after Conrad Graf c.1819]
 
録音 2022年7月11日–16日 インマヌエル教会(ヴッパタール、ドイツ)
制作・録音エンジニア インゴ・ペトリ

 
ロナルド・ブラウティハム Ronald Brautigam によるシューベルトの遺作のソナタ《イ長調》と《変ロ長調》。『即興曲』(BIS SA-2614)と同じセッションでの録音です。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『語られなかった物語(Untold Tales) 』
BIS SACD 2675 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) classical

 
カロリーネ・リッデシュトルペ(1793–1878)
 Vad vill den ensamma tåren?(この孤独な涙は何を望むのか)
 De tvenne källorna(ふたつの泉)
 Ostros artiklar(信じてはいけないこと)
 Lied ohne Worte(無言歌)(fortepiano solo)
 Flickan i Sätersdal(セーテシュダールの娘)
 Vår och höst(春と秋) Uppenbarelsen(啓示)
 Budskapen(伝言)
 Sostenuto con molta espressione
 (ソステヌート・コン・モルタ・エスプレッショーネ)(fortepiano solo)
 Vad är glädjen!(なんという喜び!) Kontemplation(瞑想)
 Den tiggande modren(懇願する母)
 Ett barns aftonsbön(子供の夕べの祈り)
 Nichts und Etwas(何もないと何か) Din kärlek(あなたの愛)
 Lied ohne Worte - Poco Larghetto(無言歌 - ポコ・ラルゲット)
 (fortepiano solo)
 Längtan(あこがれ)
  クリスティーナ・ハンマルシュトレム(メゾソプラノ)
  アンナ・パラディーゾ(フォルテピアノ)
 
[楽器 Square piano: Eric Jacobsson, c.1860]
 
録音 2023年11月27日–30日 デューヴブー教会(スンドビューベリ、ストックホルム)
制作・録音エンジニア インゴ・ペトリ

 
アンナ・パラディーゾ Anna Paradiso は、イタリア出身。王立ストックホルム音楽大学でチェンバロの修士号を取得し、夫のリコーダー奏者、ダン・ラウリンとともに中世から18世紀の音楽を中心に積極的な活動をつづけています。ルーマンの《12のキーボードソナタ》(BIS SA-2095, SA-2135)や《12のフルートソナタ》(BIS SA-2105, SA-2155)といった録音はいずれも楽しめるアルバムとして人気を集め、高い評価を得てきました。
 
新しいアルバムのカロリーネ・リッデシュトルペ Caroline Ridderstolpe の音楽は、パラディーゾがダウリンと一緒に19世紀スウェーデンのサロン音楽を探っていて再発見するまで、200年ほどの間、事実上、ほとんど忘れられてしまっていました。
 
カロリーネ・リッデシュトルペは、1793年にベルリンで生まれました。旧姓はコルベ。歌、楽器演奏、作曲と幅広い音楽教育を受けました。ヴェストマンランド知事のフレードリク・ルードヴィグ・リッデシュトルペ男爵と結婚した1823年からスウェーデンに住み、宮廷のサロンで、時代を代表する音楽家や作家や画家たちと出会いました。主に歌曲とピアノ曲の作曲を手がけ、1850年に王立音楽アカデミーの名誉会員に推されました。
 
リッデシュトルペの作曲した歌曲とピアノのソロ曲は、サロン音楽のジャンルに属しながら、きわめて上質で、聴く人に寄り添うような親密さは彼女の音楽の大きな魅力だと、パラディーゾは言います。スウェーデンとドイツのサロンを通じて知り合ったクララとロベルトのシューマン夫妻、ファニーとフェリクスのメンデルスゾーン姉弟、フランツ・リストといった音楽家たちから個人的に献呈された作品の姿も反映され、彼女の歌曲にベートーヴェン、シューベルト、シューマン夫妻の「悲しみ」と「深み」がうかがえることにもパラディーゾは言及しています。
 
リッデシュトルペは、今では忘れられてしまったユリア・ニューベリ Julia Nyberg(1785–1854)(別名エウフロシネ Euphrosyne)といった当時スウェーデンで有名だった詩人たちの作品や、トマス・ムーアやジークフリート・アウグスト・マールマンの詩のスウェーデン語訳をテクストに使い、詩と音楽の一致する曲作りを行いました。
 
ハインリヒ・ハイネの詩による《この孤独な涙は何を望むのか》に始まり、自身作曲家でもあったエーリク・グスタフ・イェイエル Erik Gustaf Geijer(1783–1847)の詩による《あこがれ》で閉じるプログラム。ミラノやウィーンのオペラハウスでも歌っているスウェーデンのメゾソプラノ、クリスティーナ・ハンマルシュトレム Kristina Hammarström が、アンナ・パラディーゾと共演。《わたしの最後の秋の花 -ピアノフォルテのための無言歌と行進曲(Mina sista höstblommor - Lieder ohne Worte och marscher för piano-forte)》の3曲をパラディーゾがソロで演奏しています。ストックホルムに近いデューヴブー教会で録音セッションが行われ、リッデシュトルペの時代の音に沿うため、エーリク・ヤコブソンの製作したスクエア・ピアノが演奏に使われました。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『Joy and Asymmetry』
BIS SACD 2692 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) contemporary/classical

 
エイノユハニ・ラウタヴァーラ(1928–2016)
 第一の悲歌(Die erste Elegie)(1993)*
カレヴィ・アホ(1949–)
 マウラーナー・ルーミーの3つの詩
 (Kolme laulua Mawlana Rumin ruhoihin)(2010)
 (混声合唱と打楽器のための)
 (フィンランド語詩:ヤーコ・ハメーン=アンッティラ)**
  家路に(Kotiin!)(ガザル 2345)
  あなただけを(Yksin sinä)(ガザル 1521)
  死ぬ!(Kuolkaa!)(ガザル 636)
エイノユハニ・ラウタヴァーラ(1928–2016)
わたしたちの愛(Unsere Liebe)(2010)
 わたしの愛は(Meine Liebe) そして、夜に(Dann, in jener Nacht)
 手紙(Der Brief) ささやき(Flüstern)
カレヴィ・アホ(1949–)
 喜びと非対称(Ilo ja epäsymmetria)(1996)***
  Kuljin nuoralla(あぶない橋を渡ってきた)
  Aina olin(わたしが歩んでいるといつも)
  Suupielessä naurun hiljainen aihe(かすかな笑いが口元に)
  Sateen syksyt(雨降りの秋) Tuoli seisoi(椅子があったから)
  Kirkkaudessa(明るいところから出て)
  Seison tuulessa(風の中に立ち)
エイノユハニ・ラウタヴァーラ(1928–2016)
 アヴェ・マリア(Ave Maria, gratia plena)
 (しあわせなかたマリア、恵みあふれるマリア)
 (1957/2012)(混声合唱のための)
 人生の書(Elämän kirja)(1972/2012)(混声合唱のための)†
  幼年時代(Kindheit) 恋する女(L’Amoureuse)
  わが放浪(Ma bohème)
  希望は羽をまとった姿で(Hope Is the Thing with Feathers)
  準備はいいか?(Are You Ready?)
  貧しき者の死(La mort des pauvres)
  高まりゆく年の中で(Es lacht in dem steigendem Jar)
  ぼく自身の歌(Song of Myself)
  ヘルシンキ室内合唱団 ニルス・シュヴェケンディーク(指揮)
  リンネア・スンフェール・キャサリ(ソプラノ)*/**
  トーヴェ・ユープシェーバカ(ソプラノ)*
  エイラ・カールソン(アルト)*
  ペッテリ・キッポ(打楽器)**
  メリ・メッツォマキ(ソプラノ)***
  マッツ・リルハンヌス(テノール)†
  マルッティ・アンッティラ(テノール)†
  シルック・リンタマキ(ソプラノ)†
 
録音 2021年6月4日–5日 ヤルヴェンパー教会、2002年2月13日–14日 メイラハティ教会(メイラハティ)(喜びと非対称)、2019年8月9日 ヤルヴェンパー教会(ヤルヴェンパー、フィンランド)(人生の書)
制作 セッポ・シーララ、ハンス・キプファー(喜びと非対称)、マリオン・シュヴェーベル(人生の書)
録音エンジニア エンノ・マエメツ、ハンス・キプファー(喜びと非対称)、マリオン・シュヴェーベル(人生の書)

 
ヘルシンキ室内合唱団と芸術監督ニルス・シュヴェケンディーク Nils Schweckendiek は、カイヤ・サーリアホの70歳の誕生日を祝うコンサート・シリーズ「カイヤ・サーリアホ 70」に参加。このときのコンサートで歌った作品によるアルバム『Reconnaissance』(BIS SA-2662)が、2024年「グラミー賞」の最優秀合唱パフォーマンスに選ばれました。
 
『喜びと非対称』をタイトルにした新しいアルバムでは、ラウタヴァーラ Einojuhani Rautavaara とカレヴィ・アホ Kalevi Aho という、師弟関係にあるふたりの多様なスタイルの作品によるプログラムが組まれています。
 
ラウタヴァーラの《第一の悲歌》は、ヨーロッパ合唱協会の「ヨーロッパ・カンタート・フェスティヴァル」の委嘱で作曲され、合唱団の低声部の深い響きが試されるなど、高度の技巧の求められる作品です。ライナー・マリア・リルケの連作詩『ドゥイノの悲歌』の最初の詩がテクストに使われています。《わたしたちの愛》は、ラッシ・ヌンミ Lassi Nummi(1928–2012)の詩によるイングリット・シェルバッハ=コプラ Ingrid Schellbach-Kopra(1935–)のドイツ語詩をテクストにした女声4部の曲集《Wenn sich die Welt auftut(世界が降伏するとき)》(1996)から第1曲を除く4曲を混声合唱曲に編曲した作品です。
 
アヴェ・マリア》(しあわせなかたマリア、恵みあふれるマリア)は、ラウタヴァーラの1950年代を代表する合唱曲のひとつ、1957年の十二音技法による美しい男声合唱曲の混声合唱版です。《人生の書》は、1972年に作曲したヘルシンキ大学男声合唱団のための作品による曲集です。オリジナルの曲集からリルケ、ポール・エリュアール、アルチュール・ランボー、エミリ・ディキンソン、ジェームズ・ブロートン、ウォルト・ホイットマンの詩による6曲を選び、1978年の男声合唱曲《4つのセレナード》のシャルル・ボードレールとシュテファン・ゲオルゲの詩に作曲した2曲を追加。混声合唱用に編曲されました。
 
カレヴィ・アホのマウラーナー・ルーミーの3つの詩》は、ペルシャの神秘主義詩人マウラーナー・ルーミー(ジャラール・アル=ディン・ルーミー)(1207–1273)の抒情詩(ガザル)をヤーコ・ハメーン=アンッティラ Jaakko Hämeen=Anttila(1963–2023)がフィンランド語に訳した詩に作曲。1996年の《喜びと非対称》は、フィンランド放送協会の委嘱で作曲された作品です。カレヴィ・アホの好む「同時代フィンランド文学」のレパートリーから、第二次世界大戦後のフィンランド・モダニズムの中心的詩人のひとり、ミルッカ・レコラ Mirkka Rekola(1931–2014)の同名詩集から7つの詩を採り、音楽と緊密に関連づけて作曲されました。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『思い出(Souvenirs)』
BIS SACD 2770 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) classical

 
モーリス・ラヴェル(1875–1937)
 ツィガーヌ(Tzigane)(1924)*
ジュール・マスネ(1842–1912)
 タイスの瞑想曲(Méditation)(1894)*
ピョートル・チャイコフスキー(1840–1893)
 なつかしい土地の思い出(Souvenir d'un lieu cher) Op.42(1878)*
  瞑想曲(Méditation) スケルツォ(Scherzo) メロディ(Mélodie)
アマンダ・マイエル(1853–1894)
 ヴァイオリンとピアノのための6つの小品
 (Six Pieces for Piano and Violin)(1879)*
  - 第4曲 アレグロ・モルト(Allegro Molto)
カミーユ・サン=サーンス(1835–1921)
 序奏とロンド・カプリチオ-ソ
 (Introduction et Rondo capriccioso) Op.28(1863)*
マヌエル・デ・ファリャ(1876–1946)(フリッツ・クライスラー(1875–1962) 編曲)
 スペイン舞曲第1番(Danza Española No.1)
 (歌劇《はかなき人生(La vida breve)》(1913)から)*
フリッツ・クライスラー(1875–1962)
 レチタティーヴォとスケルツォ・カプリース
 (Recitativo und Scherzo-Caprice) Op.6(1911)
フランツ・ワックスマン(1906–1967)
 カルメン幻想曲(Carmen Fantasie)(1946)*
  ユーハン・ダーレネ(ヴァイオリン)
  ペーテル・フリース・ユーハンソン(ピアノ)*
 
[楽器 Violin: Antonio Stradivarius, 1725 “Duke of Cambridge”/Piano: Steinway D]
 
録音 2023年12月20日–23日 ゼンデザール(ブレーメン、ドイツ)
制作・録音エンジニア イェンス・ブラウン

 
『Gramophone』の “2020 Young Artist of the Year”。スウェーデンのヴァイオリニスト、ユーハン・ダーレネ Johan Dalene(2000–)の『ステンドグラス』(BIS SA-2730)に次ぐ BIS Records のアルバム第5作。『思い出』と題し、幼いころから彼が親しんできたという小品によるプログラムです。ラヴェルの《ツィガーヌ》、ピアノ・パートをビゼーが編曲したサン=サーンスの《序奏とロンド・カプリチオ-ソ》、ワックスマンの《カルメン幻想曲》といったヴィルトゥオーゾ性の高い作品。スウェーデンの作曲家、グリーグやブラームスと親交のあったアマンダ・マイエル Amanda Maier の「アレグロ・モルト」をダーレネは「生命力に満ち溢れた美しい作品」と語っています。
 
このアルバムでダーレネは、ノルウェーのアンデシュ・スヴェオス慈善財団 Anders Sveaas’ Almennyttige Fond(ASAF)から貸与された、ストラディヴァリウスが1725年に製作した「ケンブリッジ公爵」と呼ばれるヴァイオリンを弾いています。この楽器は、ルイ・シュポーアを含む優れたヴァイオリニストたちが所有し、20世紀にはヘンニング・クラッゲルードをはじめとする若いプレーヤーたちから敬愛されたアメリカのヴァイオリニスト、カミラ・ウィックス(1928–2020)が使っていました。「輝かしさ、パワー、ゴージャスな温かいサウンドをもった驚くべき楽器だ。ほんの二、三日弾いただけで恋してしまった。どんな色彩と可能性を秘めているか。それを探っていくのが待ち遠しくてしかたない」(ダーレネ)。
 
《スウェーデンのピアノ協奏曲》(BIS SA-2576)のピアニスト、ペーテル・フリース・ユーハンソン Peter Friis Johansson の共演です。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『シューマン』
Challenge Classics CC 72959 classical

 
ロベルト・シューマン(1810–1856)
 交響曲第3番 変ホ長調 Op.97《ライン(Rheinish)》(1850)
 交響曲第4番 ニ短調 Op.120(改訂稿)
  スタヴァンゲル交響楽団
  ヤン・ヴィレム・デ・フリーント(指揮)
 
録音 2024年1月29日–2月1日 スタヴァンゲル・コンサートホール(スタヴァンゲル、ノルウェー)

 
スタヴァンゲル交響楽団とヤン・ヴィレム・デ・フリーント Jan Willem de Vriend によるシューマンの交響曲。第3番と第4番は、第1番・第2番(CC 72958)の翌年のセッション録音です。
 
価格 2,420円(税込価格)(税抜価格 2,200円)

『ヤルマル・ボルグストレム』
cpo 777491-2 classical

 
ヤルマル・ボルグストレム(1864–1925)
 交響詩《思考(Tanken)》 Op.26(1916)
 交響詩《ゲツセマネのイエス(Jesus i Gethsemane)》 Op.14(1904)
  トロンハイム交響楽団
  アイヴィン・オードラン(指揮)
 
録音 2009年8月17日–21日 オラヴホール(トロンハイム、ノルウェー)

 
ヤルマル・ボルグストレム Hjalmar Borgstøm(1864–1925)はクリスチャニア(現オスロ)生まれ。ヨハン・セルメルの音楽に強い印象を受け、スヴェンセン、L・M・リンデマン、オーレ・オルセンたちに作曲と音楽理論を学んだ後、2年間、ライプツィヒに留学しました。ノルウェーに戻った後、帰国後、作曲家、教育者、批評家として活動。ふたたびドイツに渡り、ライプツィヒとベルリンで13年過ごしてから、1903年に帰国。二十世紀初頭のクリスチャニアの文化をリードするひとりになりました。ニ短調とト長調の交響曲、ヴァイオリン協奏曲とピアノ協奏曲が1曲ずつ、《ハムレット》《思考》(NKFCD 50026–2)など5曲の交響詩、《リーモルのトーラ》と《漁師》のオペラ2曲などを作曲しました。作品の数こそ30に充たないものの、内省の気分をともなうロマンティックな音楽は高く評価され、コンサートのプログラムにもたびたび取り上げられました。彼の作品の背景には、ワーグナーの舞台音楽、リストとリヒャルト・シュトラウスの標題音楽、そして文学作品や宗教の影響が強くみられるといわれます。
 
ボルグストレムの作品は第二次世界大戦後、ほとんど忘れられてしまい、新しい世紀を迎えるころからふたたび演奏されるようになりました。作曲されながら初演されていなかった《リーモルのトーラ》が、スウェーデンのノルランドオペラで上演されるとともに Simax Classics の Nordic Edition の第1作としてCD録音(PSC 1230)され、《ゲツセマネのイエス》《死者の夜》《ヴァイオリン協奏曲 ト長調》がシリーズの第2作(PSC 1311)で制作されました。
 
このアルバムには交響詩が2曲。ボルグストレムと同時代のリヒャルト・シュトラウスに通じるダイナミックな 《思考》。ワーグナーの《パルジファル》を想起させる瞑想的な音楽、『新約聖書』に基づく《ゲツセマネのイエス》。2004年から2010年までトロンハイム交響楽団の首席指揮者と芸術監督を務めたアイヴィン・オードラン Eyvind Aadland は、『ノルウェー・ラプソディ』(BIS-1367)やケルンWDR交響楽団と録音したグリーグの管弦楽曲(全曲)(audite 21.439)といったアルバムがいずれも高い評価を獲得してきました。
 
価格 3,025円(税込価格)(本体価格 2,750円)

『ヴィクト・ベンディクス』
Dacapo 8.224742 classical

 
ヴィクト・ベンディクス(1851-1926)
 交響曲第1番 ハ長調 Op.16 《登頂(Fjeldstigning)》(1877–78)
 交響曲第3番 イ短調 Op.25(1891–92)
  マルメ交響楽団
  ヨアキム・グスタフソン(指揮)
 
録音 2022年6月7日–10日 マルメ・ライヴ・コンサートホール(マルメ、スウェーデン)
制作・録音エンジニア・編集・ミクシング・マスタリング ダニエル・デーヴィズセン

 
ヴィクト・エマヌエル・ベンディクス Victor Emanuel Bendix(1851-1926)は、後期ロマンティシズム時代のデンマーク音楽シーンの中心にありながらアウトサイダーでもあったという、複雑な人物として知られていました。コペンハーゲン生まれ。少年時代に作曲を始め、15歳でニルス・W・ゲーゼの音楽学校に入学しました。ひところはゲーゼの後継者と目されたものの、彼の保守的なスタイルするよりもリストとワーグナーという当時の新しい音楽に目を向けたことからゲーゼの支持を失っていきました。19歳の時から王立デンマーク劇場でレペティトゥールとして働き、ワーグナーの《ローエングリン》と《ニュルンベルクのマイスタージンガー》のデンマークでの初演に携わりました。デンマーク劇場で働いた報酬で「バイロイト詣」も実現させ、1876年に《ニーベルングの指輪》が初めて全曲上演された際にもバイロイトを訪れています。
 
ベンディクスがコペンハーゲン音楽の中心から遠ざけられていた背景には音楽の嗜好以外にも理由がありました。彼はユダヤ系で、政治的にラジカル。文学史家と批評家として名を馳せながらもあれこれ言われたという従兄弟のゲーオウ・ブランデスと同じく無神論者でした。《トリスタンとイゾルデ》とヴェルディの《ドン・カルロ》も、王立デンマーク劇場が金銭的責任を引き受けなかったためベンディクスが自費でデンマーク初演を指揮しました。
 
作曲家ベンディクスはきわめて自己批判が強く、約150の曲を書きながら、作品番号をつけた作品は33曲だけでした。そして、この批判精神が、カール・ニルセンにデンマーク音楽の希望の光を見ることにつながっていきます。
 
ベンディクスは交響曲を4曲、作りました。このディスクにはその2曲が収録されています。
 
《交響曲第1番 ハ長調》は、ベンディクスが最初に手がけた管弦楽作品です。詩人ホルガー・ドラクマン Holger Drachmann の同名の詩からとった《登頂(Fjeldstigning)》の副題をもち、〈序曲(Ouverture)〉(アダージョ・マ・ノン・トロッポ. アレグロ・モデラート)〈夜想曲(Notturno)〉(アレグロ・ヴィヴァーチェ)〈荘重な行進曲(Marcia solenne)〉(アンダンテ・ソステヌート)〈終曲(Finale)〉(アレグロ・アニマート)と4つの楽章にドラクマンの詩と同じタイトルがつけられています。
 
《交響曲第3番 イ短調》は、3楽章で書かれた作品です。美しい短調の主題が「暗い灰色の海のように」うねってゆく〈幻想曲(Fantasie)〉、「Bunte Bilder(多色の描画)」とドイツ語でスコアに書き添えられた〈スケルツォ・アパッショナート(Scherzo appassionato)〉、そして、悲しみをそそる旋律から平穏な主題に移リ、最初の楽章の暗い気分が強まったあと、厳粛な悲しみに包まれる〈エレジー(Elegie)〉。この終楽章をベンディクス自身、とりわけ高く評価していたと言われます。
 
アウゴスト・エナの《ヴァイオリン協奏曲》《交響曲第2番》(8.224753)と《クレオパトラ》(8.226708-09)を録音したヨアキム・グスタフソン Joakim Gustafsson と、マルメ交響楽団による演奏。2022年6月、マルメ・ライヴ・コンサートホールでのセッション録音です。
 
価格 2,530円(税込価格)(税抜価格 2,300円)

『グズモンセン=ホルムグレーン 弦楽四重奏曲全集 第2集』
Dacapo 8.226218 contemporary/classical

 
ペレ・グズモンセン=ホルムグレーン(1932–2016)
 弦楽四重奏曲第7番《Parted》(1984)
 弦楽四重奏曲第8番《Ground》(1986)
 弦楽四重奏曲第9番《Last Ground》(2006)
 (弦楽四重奏と「海(ocean)」のための)
 弦楽四重奏曲第10番《New Ground》(2011)
  ノルディック弦楽四重奏団
   ヘイズルーン・ペータセン(ヴァイオリン)
   マス・ハウステズ・ハンセン(ヴァイオリン)
   ダニエル・エークルンド(ヴィオラ)
   レーア・エミーリェ・ブランデール(チェロ)
 
録音 2020年8月8月11日–12日(第7番・第8番)、27日–29日(第9番・第10番) 王立デンマーク音楽アカデミー 研究ステージ(Studiescenen)(コペンハーゲン)
制作 ティム・フレゼリクセン
録音エンジニア ラングヘイズル・ヨウンスドウッティル

 
ペレ・グズモンセン=ホルムグレーン Pelle Gudmundsen-Holmgreen の弦楽四重奏曲を全14曲、作曲順に録音するプロジェクトの第1集(8.226217)につづく第2集。1984年から2011年でに作曲された4曲が演奏されます。
 
1984年の第7番は、クロノス・カルテットの委嘱による作品です。2つの対立する考えないし集団というコンセプトを反映する「parted(分けられた)」の副題がつけられ、運動性をもったミニマリズムをうかがわせる音楽にクロノス・カルテットとの関連がうかがえます。
 
第8番《Ground》は、バロック音楽のベースライン(グラウンドベース)を活用した、詩的共感の漂う単純さによる、遊び心あるラプソディ。同様にグラウンドベースを使い、「コード」に焦点を当てた第9番《Last Ground》は、弦楽四重奏と「海(ocean)」のために書かれ、デンマークの国立電子音楽センター(DIEM)のディレクターを務める作曲家ウェイン・シーゲル Wayne Siegel の協力で作られた素材が使われています。第10番《New Ground》は、カノンとジグで知られるヨハン・パッヘルベルの使った古い「グラウンド」による「社交的で軽い四重奏曲」(グズモンセン=ホルムグレーン)。
 
ノルディック弦楽四重奏団は、フェロー諸島出身のヘイズルーン・ペータセン Heiðrun Petersen、デンマークのマス・ハウステズ・ハンセン Mads Haugsted Hansen とレーア・エミーリェ・ブランデール Lea Emilie Brøndal、スウェーデンのダニエル・エークルンド Daniel Eklund が2013年に結成したアンサンブルです。
 
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)

『Raiders of the Symphony』
Euro Arts 20 69964 Blu-ray/20 69967 CD film music

 
[Blu-ray]
 Indiana Jones and the Kingdom of the Crystal Skull - Swashbuckler
 (John Williams)
 Sahara - Iron Clad(Clint Mansell)
 The Goonies - Fratelli Chase(Dave Grusin)
 Lawrence of Arabia - Overture(Maurice Jarre)
 Jumanji - The Jumanji Overture(Henry Jackman)
 King Kong - Main Theme(Max Steiner)
 The Adventures of Tin Tin - Main Theme
 (Ray Parker, Tom Szczesniak)
 The Adventures of Tin Tin - The Duel(John Willaims)
 The Adventures of Tin Tin -Air de Bijoux(Charles Gounod)
 Uncharted III - Uncharted Suite: As above so below – Nate’s Theme 3.0
 (Greg Edmonson)
 The Mummy - Imhotep(Jerry Goldsmith)
 Tomb Raider - Pandora’s Box(Alan Silvestri)
 Angels and Demons - 503(Hans Zimmer)
 Indiana Jones and the Temple of Doom - Parade of the Slave Children
 (John Williams)
 Indiana Jones and the Kingdom of the Crystal Skull
 - A Whirl through Academe(John Williams)
 Indiana Jones and the Kingdom of the Crystal Skull - Irina’s Theme
 (John Williams)
 Indiana Jones and the Last Crusade
 - Scherzo for Motorcycle and Orchestra(John Williams)
 Raiders of the Lost Ark - Marion’s Theme(John Williams)
 Raiders of the Lost Ark - Raiders March(John Williams)
 Indiana Jones and the Temple of Doom - Anything Goes(Cole Porter)
 

[CD]
 Raiders of the Lost Ark - Raiders March(John Williams)
 Raiders of the Lost Ark - Marion’s Theme(John Williams)
 Indiana Jones and the Last Crusade
 - Scherzo for Motorcycle and Orchestra(John Williams)
 Indiana Jones and the Temple of Doom - Anything Goes(Cole Porter)
 The Adventures of Indiana Jones(John Williams)
 Indiana Jones and the Kingdom of the Crystal Skull
 - Irina’s Theme(John Williams)
 Indiana Jones and the Kingdom of the Crystal Skull
 - A Whirl through Academe(John Williams)
 The Mummy - Imhotep(Jerry Goldsmith)
 The Adventures of Tin Tin -Air de Bijoux(Charles Gounod)
 The Adventures of Tin Tin - The Duel(John Willaims)
 Tomb Raider - Pandora’s Box(Alan Silvestri)
 Angels and Demons - 503(Hans Zimmer)
 Uncharted III - Uncharted Suite: As above so below
 – Nate’s Theme 3.0(Greg Edmonson)
 Jumanji - The Jumanji Overture(Henry Jackman)
 The Goonies - Fratelli Chase(Dave Grusin)
 Sahara - Iron Clad(Clint Mansell)
 King Kong - Main Theme(Max Steiner)
  デンマーク国立交響楽団 デンマーク国立コンサート合唱団
  クリスティアン・シューマン(指揮)
  ベアーテ・モルダール(ソプラノ)
  クリスティーナ・オストラン(ヴァイオリン)
 
収録 2023年 DR(デンマーク放送)コンサートホール(コペンハーゲン)(ライヴ)
 
[Blu-ray: 1080/60i 16:9 Full HD PCM stereo/DTS-HD Master Audio 5.1 85min Region All

 
ゲーム・ミュージックの『Gaming in Symphony』から始まったデンマーク国立交響楽団の「ガラコンサート」シリーズ。SF映画の音楽を演奏した『GALAXYMPHONY』(20 652211/20 65214)と『GALAXYMPHONY II』(20 68714/20 68717)、ファンタジー映画やドラマの音楽による『FANTASYMPHONY』(20 65194)、レッドカーペットを彩った映画の音楽を特集した『Hollywood Gala』(20 29224/20 69227)と、デンマーク放送(DR)のコンサートホールで行われたコンサートは、Blu-ray と CD アルバムとしてリリースされ、コペンハーゲンのコンサートに行けなかった世界中の幅広い世代の聴衆を楽しませてきました。 
 
『Raiders of the Symphony』と題した最新のアルバムには、「インディ・ジョーンズ」シリーズの第5作『Indiana Jones and the Dial of Destiny(インディ・ジョーンズと運命のダイアル)』の公開に合わせて行われたコンサートがライヴ収録されました。『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』の〈レイダーズ・マーチ〉と〈マリオンのテーマ〉に始まるジョン・ウィリアムズの一連のスコア。ジェリー・ゴールドスミスが作曲した『ハムナプトラ/失われた砂漠の都』の〈イムホテップ〉、デイヴ・グルーシン作曲の『グーニーズ』のメインテーマ〈フラテリ・チェース〉、モーリス・ジャールの『アラビアのロレンス』とヘンリー・ジャックマンの『ジュマンジ』の〈序曲〉。1933年に公開された最初の『キングコング』のマックス・スタイナーの〈メインテーマ〉や、『タンタンの冒険』の音楽も演奏。『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』の最初のシーンで歌われるコール・ポーターの《Anything Goes》には、ノルウェーのソプラノ、ベアーテ・モルダール Beate Mordal が加わります。
 
価格(Blu-ray) 4,400円(税込価格)(本体価格 4,000円)
価格(CD) 4,125円(税込価格)(本体価格 3,750円)

『シベリウス』
Gramola GRAM 99328 SACD hybrid (5.0 multichannel/stereo) classical

 
ジャン・シベリウス(1865–1957)
 ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.47(1903-04 rev.1905)
 5つの小品 Op.81
  マズルカ(Mazurka)(1915) ロンディーノ(Rondino)(1917)
  ワルツ(Valse)(1917)
  オーバード(朝の歌)(Aubade)(1918)
  メヌエット(Menuetto)(1918)
 5つの田園舞曲(5 Danses champêtres) Op.106(1925)- 第1番
 4つの小品(4 Pièces) Op.115(1929)
  荒れ地で(Auf der Heide/On the heath) バラード(Ballade)
  ユモレスク(Humoresque) 鐘(Die Glocken/The bells)
 夜想曲(Nocturne) Op.51 No.3(劇付随音楽《ベルシャザールの饗宴(Belsazars gästabud)》組曲から)
フランツ・フォン・ヴェチェイ(1893–1935)
 悲しきワルツ(Valse triste) ハ短調(1913)
  トマス・アルベルトゥス・イルンベルガー(ヴァイオリン)
  ロイヤル・フィルハーモニック管弦楽団 ドロン・サロモン(指揮)
  ミヒャエル・コルスティック(ピアノ)
 
録音 2022年7月7日 ブラックヒース・ホール(Blackheath Halls)(ロンドン、イングランド)(協奏曲)、2023年2月27日 モーツァルトホール(Mozart-Saal)(ザルツブルク、オーストリア)

 
トマス・アルベルトゥス・イルンベルガー Thomas Albertus Irnberger(1985–)は、ザルツブルクを拠点に活動するオーストリアのヴァイオリニスト。2004年に Gramola レーベルと専属契約を結び、2018年までに40枚のCDを録音してきました。室内楽のパートナーは、パウル・バドゥラ=スコダ、イェルク・デムス、ダーヴィド・ゲリンガス、このアルバムのミヒャエル・コルスティック Michael Korstick たち。シベリウスの《ヴァイオリン協奏曲》は、彼がずっと録音を希望していたという作品です。〈ロンディーノ〉〈オーバード〉など《5つの小品》、《田園舞曲第1番》《4つの小品》など、「メロディメーカー」シベリウスの書いたヴァイオリンとピアノのための小品と、シベリウスが《ヴァイオリン協奏曲》を献呈したハンガリーのヴァイオリニストで作曲家のフランツ・フォン・ヴェチェイ Franz von Vecsey の《悲しきワルツ》が、あわせて演奏されています。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『イルマリ・ハンニカイネン 初期歌曲集』
Hänssler Classic HC 238087 classical

 
イルマリ・ハンニカイネン(1892–1955)
 平安(Rauha)(1906) 母の眼差し(Äidin silmät)(1908)
 ありがとう(Kiitos)(1908) 関わりのある(Det gäller)
 歌曲集《古い隠れ家から(Vanhoista kätköistä)》(pub.1922)
  白いバラ(Valkoruusu) 弔いの歌(Canto funebre)
  月の光(Kuutamo/Måndken) 春の夜(Kevätyö)
 3つの歌 Op.3(1919)
  夕べの想い(Itlatunnelma) 子守歌(Kehtolaulu)
  そりすべり(Mäenlasku)
 夕べのセレナード(Abendständchen) Op.3a no.2
 2つの歌 Op.5(after 1910)
  渚にすわり(Rannalla istuja) 昔の歌(Vanha laulu)
 10の歌 Op.8(pub.1915–17)
  ウワミズザクラの下で(Under häggarna) わが家で(Hemma)
  隠遁所(Erakkomaja) たそがれの歌(Hämärän laulu)
  私とおいで(Tule kanssani!)
  過ぎた美の思い出(Et minde med skønhed over)
  秋の夜空、すべての星が輝き(On syksyn kaikki tähdet syttyneet)
  愛の詩(En kärleksdikt) みなしごの子守歌(Orpotytän kehtolaulu)
  人(Ihmiset)
 小舟に乗って(Weneessä) Op.11 no.1(1915)
 わが心の子守歌(Kehtolaulu sydämelleni) Op.11 no.2(1915)
 リトアニアの歌(Liettualainen laulu) Op.13. no.1
 雪の想い(Lumitunnelma) Op.13 no.2
 トゥーリッキの子守歌(Tuulikin kehtolaulu) Op.13 no.3
 3つの歌 Op.15(pub.1919)
  涙(Kyynelet) 童話(Satu) フェニックス(Phoenix)
  キルシ・ティーホネン(ソプラノ)
  ティモ・リーホネン(バス)
  テルヒ・ドスタル(ピアノ)
 
録音 2023年8月1日–4日 ベルリン=ブランデンブルク放送 第3ホール(RBB Saal 3)(ベルリン、ドイツ)
制作・編集 ミヒャエル・ハーフェンシュタイン
録音エンジニア トマス・モンネルヤーン

 
イルマリ・ハンニカイネン Ilmari Hannikainen は、父と兄弟ふたりが作曲家、もうひとりの兄弟が指揮者という名のある音楽一家に生まれました。ヘルシンキ大学を卒業後、ウィーンの音楽大学でフランツ・シュレーカーの生徒になり、さらにサンクトペテルブルクのアレクサンドル・ジロティとパリのアルフレッド・コルトーに師事しました。フィンランドに戻ってからはヘルシンキ音楽院でピアノを教え、その後、シベリウス・アカデミーの教授に任命されました。作曲家としてのハンニカイネンは、後期ロマンティシズムから印象主義へとスタイルを変えながらピアノ曲をを中心に手広く作曲し、映画の音楽も手がけました。《ドビュッシーのシルエット》が彼の印象主義スタイルの代表的作品とされ、《気まぐれな変奏曲》はフィンランドのピアノレパートリーでもっとも重要な変奏曲とみなされている作品です。
 
ハンニカイネンは100曲以上のソロ歌曲を書きました。若いころから、エイノ・レイノ、L・オネルヴァ、ヴェイッコ・アンテロ・コスケンニエといった同時代の詩人のフィンランド語とスウェーデン語の詩に作曲し、歌手だった母のアルフヒルド・”アッリ”・ハンニカイネンや有名な歌手たちに献呈しました。このアルバムでは、ハンニカイネンのもっとも人気のある歌曲のひとつ、1906年の《平安》など初期の32曲によるプログラムが歌われます。
 
キルシ・ティーホネン Kirsi Tiihohen は、シベリウス・アカデミーの出身。1995年のBBCカーディフ国際声楽コンテストにフィンランド代表として参加、「Song prize」を獲得したことが各国での活動につながりました。ティモ・リーホネン Timo Riihohen もシベリウス・アカデミーで学びました。ライン・ドイツ・オペラとキール・オペラと長期契約を結び、オペラとリサイタルの歌手として各国で活躍しています。ハンニカイネン、アーレ・メリカント、シベリウスの曲による『フィンランド・ピアノ作品集』(HC 23048)をリリースしたテルヒ・ドスタル Terhi Dostal が共演。彼女の執筆した詳しいプログラム・ノーツ(ドイツ語・英語)が、原詩に代わり、ブックレットに掲載されています。
 
価格 2,750円(税込価格)(本体価格 2,500円)

『白い太陽(søleils blancs)』
Mirare MYR 722 classical

 
エドヴァルド・グリーグ(1843–1907)
 組曲《ホルベアの時代から(Fra Holbergs tid)》 Op.40
 (ピアノのための)
  前奏曲(Prelude) サラバンド(Sarabande)
  ガヴォット(Gavotte) アリア(Air) リゴドン(Rigaudon)
ジャン・シベリウス(1865–1957)
 6つの即興曲(Kuusi impromptua) Op.5
  モデラート レント-ヴィヴァーチェ モデラート(アラ・マルチア)
  アンダンティーノ ヴィヴァーチェ コモード
カール・ニルセン(1865–1931)
 「楽しいクリスマス(きよしこの夜)」による夢
  (Drømmen om "Glade Jul") FS34
 3つのピアノの小品(Tre Klaverstykker) FS131 CNW90(Op.59)
  即興曲:アレグロ・フルエンテ アダージョ
  アレグロ・ノン・トロッポ
エドヴァルド・グリーグ(1843–1907)
 ノルウェー民謡による変奏曲形式のバラード
 (Ballade i form av variasjoner over en norsk folketone) ト短調 Op.24
ジャン・シベリウス(1865–1957)
5つのピアノの小品(Five Pieces for Piano) Op.75《樹の組曲(The Trees)》
 ナナカマドの花が咲くころ(När rönnen blommar/Kuu pihlaja kukkii)
 孤独な松の木(Den ensamna furan/Yksinäinen honka)
 ヤマナラシ(ポプラ)(Aspen/Haapa)
 白樺(Björken/Koivu) トウヒ(もみの木)(Granen/Kuusi)
  ジャン=バティスト・ドゥルセ(ピアノ)
 
録音 2023年7月10日–13日 ポワシー劇場(ポワシー、イル=ド=フランス、フランス)

 
ジャン=バティスト・ドゥルセ Jean-Baptiste Doulcet は、1992年、パリ生まれ。コンセルヴァトワールでクレール・デゼールにピアノと室内楽、ティエリ・エスケシュとジャン=フランソワ・ジジェルに即興を学びました。ピアニスト、即興家、作曲家として活動しています。2024年の「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」で来日、小津安二郎監督の初期の無声映画に即興のピアノ曲をつけるという試みを行いました。「ピアノの詩人」スタイルの演奏といわれ、このアルバムでは、グリーグ、シベリウス、カール・ニルセンの多様な性格の作品を弾いています。
 
価格 2,970円(税込価格)(本体価格 2,700円)

『Encounter』
Neos NEOS 12406 contemporary

 
ジェラール・グリゼー(1946–1998)
 Solo pour deux(2人のためのソロ)(1981)
 (クラリネットとトロンボーンのための)
ルチアーノ・ベリオ(1925–2003)
 セクエンツァ V(Sequenza V)(1966)(トロンボーンのための)
エロアイン・ロヴィス・ヒュブナー(1993–)
 Vier kurze Stücke für erweiterte Posaune(2022)
ベルンハルト・ガンダー(1969–)
 Messing 1(2022)(トロンボーン・ソロのための)
コンスタンティア・ グルズィ(1962–)
 The Encounter Op.100(2023)(トロンボーンとテープのための)
  ミーケル・ルドルフソン(トロンボーン)
  オリヴィエ・ヴィヴァレス(クラリネット)
 
録音 2022年12月12日–14日、2023年1月13日–14日 (ドイツ)

 
ミーケル・ルドルフソン Mikael Rudolfsson は、1987年、ストックホルム生まれ。20歳の時にイェヴレ交響楽団の首席トロンボーン奏者に就任し、1シーズン務めた後、ハノーファーとバーゼルに留学。フランス、ノルウェー、デンマークでも学びました。2017年から「クラングフォールム・ウィーン」に加わり、2020年にウィーン市立音楽芸術大学でトロンボーンの教授に任命されました。
 
「邂逅、出会い、遭遇、接触、衝突」などさまざまに訳される英語の「Encounter」をタイトルとするこのアルバムは、彼のソロ・デビュー・アルバムです。トロンボーン・プレーヤーたちがレパートリーにしているグリゼー Gérard Grisey とベリオ Luciano Berio の作品と、ドイツのエロアイン・ロヴィス・ヒュブナー Eloain Lovis Hübner、オーストリアのベルンハルト・ガンダー Bernhard Gander、ギリシャのコンスタンティア・ グルズィ Konstantia Gourzi に彼が委嘱した作品を演奏しています。
 
価格 2,695円(税込価格)(本体価格 2,450円)

『マグヌス・リンドベリ』
Ondine ODE 1436-2 contemporary/classical

 
マグヌス・リンドベリ(1958–)
 ヴィオラ協奏曲(2023–24)*
 Absence(不在)(2020)
 Serenades(セレナード)(2020)
  フィンランド放送交響楽団 ニコラス・コロン(指揮)
  ローレンス・パワー(ヴィオラ)*
 
録音 2024年2月、3月(協奏曲)、2023年9月(Absence)、2023年12月(Serenades) ヘルシンキ・ミュージックセンター(フィンランド)

 
「コルヴァト・アウキ!(耳を開け!)」グループを結成、カイヤ・サーリアホたちとともにフィンランド・モダニズムの推進に努めたマグヌス・リンドベリ Magnus Lindberg は、1980年代から1930年代にかけて、《Kraft》《Kinetics》《Marea》《Joy》といった先鋭なスタイルの管弦楽曲を次々と発表して注目されました。その後も独自のサウンドをもった《Corrente》《Corrente 2》《Coyote Blues》「ルトスワフスキ追悼」の《Aura》といった作品を手がけ、国際的な名声を確実にしました。近年のリンドベリは、彼の個性を残しながら伝統的なスタイルで書かれた作品で存在感を示しています。
 
《ヴィオラ協奏曲》は、1999年と2013年の2つの《チェロ協奏曲》と2006年と2015年の《ヴァイオリン協奏曲》の後ずっと、彼が作曲を考えていたという作品です。「アレグロ」「アンダンテ」「アダージョ」「プレスト」など、ヴィオラという楽器がそれぞれの場で見せる、異なる性格の中音域のテクスチュアを重視しつつ、二管編成のオーケストラと響きが融合するよう書かれました。フィンランド放送協会(YLE)の委嘱で作曲され、2024年2月28日、ローレンス・パワー Lawrence Power のヴィオラ、ニコラス・コロン Nicholas Collon 指揮のフィンランド放送交響楽団により初演。パワーに作品が献呈されました。
 
《Absence(不在)》は、ベートーヴェンの生誕250年の記念作としてロッテルダム・フィルハーモニックから委嘱された作品です。「ベートーヴェンと会話するとしたら、どんなアプローチをとるか? 私の場合は、怖気付いたり、気押されたりしてはいけないので、軽いステップでいきたいと思った」(マグヌス・リンドベリ)。ピアノソナタ《告別》の「アンダンテ・エスプレッシーヴォ」の第2楽章〈不在(Die Abwesenheit)〉の11小節、《交響曲第2番》の第1楽章の終結部、《交響曲第9番》終楽章の開始のコードを引用して書かれました。
 
《Serenades(セレナード)》は、シカゴ交響楽団の委嘱作です。マーラーの交響曲第7番《夜の歌》の〈スケルツォ〉を参照し、ベートーヴェンの曲も引用した「ワイルドなセレナード」。2021年12月2日、ハンヌ・リントゥが指揮してシカゴで初演されました。
 
価格 2,695円(税込価格)(本体価格 2,450円)

『クラリネット協奏曲』
Orlando Records OR 0054 classical

 
ヘアマン・D・コペル(1908–1998)
 クラリネットと室内オーケストラのための協奏曲 Op.35(1941)
オーレ・シュミット(1928–2010)
 クラリネットと室内オーケストラのための協奏曲(2007)
ニルス・ヴィゴ・ベンソン(1919–2000)
 ソロ・クラリネットと小器楽アンサンブルのための室内協奏曲 Op.578(1993)
  ジョン・クルーセ(クラリネット)
  オルボー交響楽団
  フレードリク・ビューシュテット(指揮)
 
録音 2023年6月12日–14日、16日 ミュージックハウス(Musikkens Hus)(オルボー、デンマーク)

 
ジョン・クルーセ John Kruse(1963–)、オルボー交響楽団とスウェーデンの指揮者フレードリク・ビューシュテット Fredrik Burstedt(1972–)によるデンマークのクラリネット協奏曲。ジャズからクラシカルまで幅広いジャンルを特徴的にブレンドしたヘアマン・D・コペル Herman D. Koppel の1941年の作品。ルイ・カユザックによる1949年の録音(Danacord DACOCD 561-562)が残されています。オーレ・シュミット Ole Schmidt の《クラリネットと室内オーケストラのための協奏曲》もジャズとクラシカルのスタイルをミックス、独創的なオーケストレーションによる躍動感あふれる音楽に作った作品です。
 
ニルス・ヴィゴ・ベンソン Niels Viggo Bentzon の《室内協奏曲》は、「モデラート」「アレグロ」「アダージョ」「アレグロ」の4つの楽章を通して独特の透明感のある音楽語法で書かれた作品です。ニルス・ヴィゴの子、ニコライ・ベンソン Nikolaj Bentzon(1964–)が、改訂を加え、「カデンツァ」を作曲しました。
 
ジョン・クルーセは、オーゼンセ交響楽団の首席クラリネット奏者を経て、2005年夏から王立デンマーク管弦楽団の首席奏者を務めています。ソリストと室内楽奏者として活動、デンマークを代表するクラリネット・プレーヤーのひとりです。
 
価格 2,530円(税込価格)(税抜価格 2,300円)

『J・S・バッハ』
OUR Recordings 8.226921–22 2CD’s classical

 
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685–1750)
[Disc 1]
 無伴奏チェロ組曲第1番 ト長調 BWV 1007
 無伴奏チェロ組曲第2番 ニ短調 BWV 1008

[Disc 2]
 無伴奏チェロ組曲第4番 変ホ長調 BWV 1010
 無伴奏チェロ組曲第5番 ハ短調 BWV 1011
 無伴奏チェロ組曲第6番 ニ長調 BWV 1012
  ヘンリク・ダム・トムセン(チェロ)
 
[楽器 Cello: Francesco Ruggieri 1680]
 
録音 2024年2月 ガーニソン教会(コペンハーゲン)
制作 ミケル・ニュマン、ヘンリク・ダム・トムセン
録音エンジニア・ミクシング・マスタリング ミケル・ニュマン

 
ヘンリク・ダム・トムセン Henrik Dam Thomsen は、北欧を代表するチェリストのひとり。コペンハーゲン、ロンドン、インディアナ州ブルーミントンでモーテン・ソイテン、トゥールレイフ・テデーン、ウィリアム・プリース、ヤーノシュ・シュタルケルに学び、1998年に王立デンマーク音楽アカデミーでデビュー・コンサートを行いました。2000年からデンマーク国立交響楽団のソロ・チェロ奏者を務めています。
 
価格 3,740円(税込価格)(本体価格 3,400円)
 

『シェーンベルク』
Pentatone PTC 5187218 classical

 
アルノルト・シェーンベルク(1874–1951)
 交響詩《ペレアスとメリザンド(Pelleas und Melisande)》 Op.5(1903)
 浄められた夜(Verklärte Nacht) Op.4(1899 rev.1917/1943)
 (弦楽オーケストラのための)
  モントリオール交響楽団 ラファエル・パヤーレ(指揮)
 
録音 2024年4月25nichi–26日 メゾン・サンフォニク・ド・モンレアル(ケベック、カナダ)
制作 マルティン・ザウアー(Teldex Studio Berlin)

 
シュトラウスの《英雄の生涯》とマーラーの《リュッケルトによる5つの歌曲》(PTC 5187201)、マーラーの《交響曲第5番》(PTC 5187067)をリリースしたモントリオール交響楽団と音楽監督ラファエル・パヤーレの Pentatone Records の第3作。シェーンベルクが無調による作曲を手がける以前の2つの作品のプログラムです。
 
《ペレアスとメリザンド》は、ドビュッシーがオペラ、シベリウスが劇付随音楽を書いたのと同じモーリス・メーテルランクの戯曲に基づき、「交響詩」として作曲された作品です。ニ短調を主調とする後期ロマンティシズムのスタイルで書かれ、1903年に完成。1905年1月にウィーンのムジークフェラインで作曲者の指揮で初演されました。
 
《浄められた夜》は、1899年の秋、リヒャルト・デーメルの詩による標題音楽として弦楽六重奏の曲として作曲。1917年に弦楽オーケストラの版が作られ、1943年に改訂の手が加えられました。ブラームスの動機の処理手法とワーグナーの和声に倣ったスタイルによる後期ロマンティシズムの作品です。
 
ラファエル・パヤーレがもっとも得意とするというレパートリーの2作です。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『This Land』
Pentatone PTC 5187200 classical

 
『This Land』
ウィリアム・ベントン・オーヴァーストリート(1888–1935)
(ジェレミー・シスキンド(1986–)編曲)
 There'll Be Some Changes Made
ジョージ・ガーシュウィン(1898–1937)/エエドマー・コロン
 Rhapsody in Blue Reimagined *
  ララ・ダウンズ(ピアノ)
  エドマー・コロン(ソプラノ・サクソフォーン)
  ヘリエル・サンフルホ(アフロ・カリビアン・パーカッション)
  ジョン・サントス(バタドラム、アフロ・カリビアン・パーカッション)
  グレート・ウォール・チャイニーズ・オーケストラ
  サンフランシスコ音楽院管弦楽団(SFCM Orchestra)
  エドウィン・アウトウォーター(指揮)
ポール・サイモン(1941–)
 America
マイケル・ビゲイ
 Adéihozhdílzin(Know Who You Are)*
キーアン・ラヴァイ(1999–)
 Variations on “This Land is Your Land”(ヴァイオリンとピアノのための)
伝承曲(ジェレミー・シスキンド(1986–)編曲)
 900 Miles
  ララ・ダウンズ(ピアノ)
  デイヴ・マッキーオン(バンジョー)  
ジョーセフ・C・フィリップス・ジュニア
 Never Has Been Yet *
アルトゥーロ・オファリル(1960–)
 Kaleidoscope *
ジェイク・ヘジー(1961–)
 Facing Forward
ララ・ダウンズ
 This Land(liner notes)
  ララ・ダウンズ(ピアノ) [* 世界初録音]
 
録音 2023年10月 サンフランシスコ音楽院 大ホール(サンフランシスコ)(Rhapsody)、2024年5月 エルムウッド・ロード・スタジオ
制作・録音エンジニア アダム・アベシャウス 
エグゼクティブ・プロデューサー ララ・ダウンズ、ショーン・ヒッキー

 
アメリカのクラシカル・ピアニスト、ララ・ダウンズ Lara Downes は、文化活動家としても活動、女性とアフロ・アメリカンのクラシカル音楽の普及に努めてきました。 Pentatone の最初のアルバム『Love at Last』(2023)(PTC 5187018)では「愛を懇願する多様な声の音楽」をひとつにするというコンセプトで作られ、この第2作は「『This Land(この国)』は、人種的な背景に関係なくみんなのもの」というメッセージをこめて作られました。
 
メイン・プログラムは、ガーシュウィンの《Rhapsody in Blue》が1924年2月にニューヨークシティで初演されてから100年を記念する委嘱作《Rhapsody in Blue Reimagined》。プエルトリコのサクソフォーン奏者、ピアニストと作曲家でもあるエドマー・コロン Edmar Colón が、「アメリカの移民と変革の世紀を振り返る」をイメージしながらガーシュウィンの曲を「再構築と再創造」した作品です。彼は、二胡など中国の民俗楽器、バタドラム、アフロ・カリビアンのパーカッションを加え、「あらゆる人種がこの国に住み共存している」ことを表現してみせます。
 
キーアン・ラヴァイ Kian Ravaei の《Variations on “This Land is Your Land”》は、ウッディ・ガスリーの皮肉的なプロテストソングをさらに「攻撃的」にした、「Whose land is this land?(この国はいったい誰の国だ?)」と問いかける作品です。
 
マイケル・ビゲイの《Adéihozhdílzin》には彼がアリゾナで収録した自然音の「鳥の鳴き声」がはさまれ、最初のトラックにはエセル・ウォーターズのヴォーカルとザ・ジャズ・マスターズ(Black Swan Records, 1921)の《There'll Be Some Changes Made》の一部、ララ・ダウンズがライナーノーツを朗読する最後のトラック《This Land》にジョージ・ガーシュウィンのピアノとポール・ホワイトマン・オーケストラ(Victor, 1924)による《Rhapsody in  Blue》の一部がそれぞれ使われています。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)
 

『フルート協奏曲』
Resonus Classics RES 10335 classical

 
ジャック・イベール(1890–1962)
 フルート協奏曲(1932–33)
アンドレ・ジョリヴェ(1905–1974)
 フルートと弦楽オーケストラのための協奏曲(1949)
ホアキン・ロドリーゴ(1901–1999)
 田園協奏曲(Concierto poastoral)(1977–78)
  サミ・ユンノネン(フルート)
  ヘルシンキ室内管弦楽団 ジェムス・S・キャーン(指揮)
 
[楽器 Flute: Muramatsu 24-carat and 14-carat gold flutes]
 
録音 2023年10月11日–14日 新パビリオン セッポ・キマネン・ホール(Uusi Paviljonki - Seppo Kimanen Hall)(カウニアイネン、フィンランド)

 
フィンランドのソロ・フルーティスト、サミ・ユンノネン Sami Junnonen の新作。ユンノネンは、1977年生まれ。シベリウス・アカデミー、リヨン国立高等音楽舞踊学校、王立デンマーク音楽アカデミーで学び、2012年にヘルシンキ・ミュージックセンターでデビュー・リサイタルを行いました。アイスランド交響楽団、香港シンフォニエッタ、オークランド・フィルハーモニア、王立ノザーン・シンフォニアなどの首席フルート奏者を務め、ピルッカンマーにフルート・アカデミーを創設しました。シベリウスの音楽による『恋するもの(Rakastava)』(RES 10205)、モーツァルトのフルート四重奏曲(RES 10216)、テレマンの『無伴奏フルートのための12のファンタジア』(RES 10312)、『J・S・バッハ フルート作品集』(Alba ABCD 469)などのアルバムをリリースしています。
 
イベール Jacques Ibert がマルセル・モイーズに献呈した《フルート協奏曲》は「アレグロ」「アンダンテ」「アレグロ・スケルツァンド」の3楽章の作品。ジョリヴェ André Jolivet の《フルートと弦楽オーケストラのための協奏曲》は、彼が1944年にコンセルヴァトワールのコンペティションのために作曲した《Chant de Linos(リノスの歌)》で第1位に選ばれ、それをきっかけに親友になったジャン=ピエール・ランパルのために作曲されました。「アンダンテ・カンタービレ ー アレグロ・スケルツァンド」と「ラルゴ ー アレグロ・リソルート」の2部で構成された、フルートの響きが「生命の息吹き」に関連づけられた作品です。ロドリーゴ Joaquín Rodrigo の《田園協奏曲》は、ジェームズ・ゴールウェイの委嘱で作曲されました。アンダルシアの羊飼いの歌をヒントに書かれた「アレグロ」「アダージョ」「ロンド(アレグロ)」の3楽章。高度の技巧の求められる作品です。
 
ジェムス・S・キャーン James S. Kahane はフランス生まれ。イスラエル・フィルハーモニックやフィンランド放送交響楽団といったオーケストラを指揮、ヘルシンキ室内管弦楽団の首席指揮者に就任しました。彼が21歳だった2017年/2018年のシーズン、ヘルシンキ・フィルハーモニックでスサンナ・マルッキのアシスタント、2024年7月にバイエルン国立歌劇場がハンヌ・リントゥ指揮で上演する《ペレアスとメリザンド》で彼のアシスタントを務めています。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『ロウヴァリ+ショスタコーヴィチ』
Signum Classics SIGCD 877 classical

 
ドミートリー・ショスタコーヴィチ(1906–1975)
 交響曲第6番 ロ短調 Op.54
 交響曲第9番 変ホ長調 Op.70
  フィルハーモニア管弦楽団
  サントゥ=マティアス・ロウヴァリ(指揮)
  
録音 2023年4月27日、9月24日 サウスバンク・センター「ロイヤル・フェスティヴァル・ホール」(ロンドン、イングランド)(ライヴ録音)

 
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)

『漁師(Fiskeren)』
Simax PSC 1221 2CD’s classical

 
ヤルマル・ボルグストレム(1864–1925)
 歌劇《漁師(Fiskeren)》(1900)
  ヘティル・ヒューゴス(バス、トルビョルン)
  インゲビョルグ・コスモ(メゾソプラノ、カーレン)
  エリ・クリスティン・ハンスヴェーン(ソプラノ、ラグンヒル)
  トール・インゲ・ファルク(テノール、エーリク)
  シェル・マグヌス・サンヴェ(テノール、シーグル)
  ニョル・スパルボ(バスバリトン、医者)
  ノルウェー国立歌劇場合唱団 ステフェン・カムレル(合唱指揮)
  ノルウェー国立歌劇場管弦楽団 テリエ・ボイエ・ハンセン(指揮)
  
録音 2008年3月、2009年3月、2010年6月 ノルウェー国立歌劇場 オーケストラ練習ホール(オスロ、ノルウェー)
制作・編集 ヨルン・ペーデシェン
バランス・エンジニア アルネ・アクセルベルグ

 
ヤルマル・ボルグストレム Hjarmar Borgstrøm は、コンサートのレパートリーが確立していた19世紀から20世紀への変わり目のノルウェーで主流になることのできなかった作曲家のひとりでした。「グリーグ後」の世代、画家エドヴァルド・ムンクと作家クヌート・ハムスン、作曲家ではハルヴォシェン、ドビュッシー、シベリウスと同じ時代に属していました。ドイツ留学から帰国。クリスチャニア(現オスロ)で作曲家、教育者、批評家として活動しました。2つの交響曲、《ハムレット》《思考》など5曲の交響詩、ヴァイオリン協奏曲とピアノ協奏曲、《リーモルのトーラ》と《漁師》の2つのオペラを作曲。スヴェンセンやグリーグの「ナショナル・ロマンティシズム」とは一線を画した、後期ロマンティシズムに表現主義を加えたスタイルがボルグストレムの音楽の特徴とされ、近年、再評価されるようになりました。作曲家のアルネ・ヌールハイムは、ボルグストレムが忘れてしまったことが理解し難いと言い、ワーグナーとマーラーを思い起こさせながらも独創性のある音楽語法の質と国際性、そして、ロイド・ウェバーやスティーヴン・ソンドハイムの出現を予想させる舞台音楽家としての先見性を指摘しました。
 
ノルウェー音楽史の「黄金時代」とみなされる1870年から1920年の間に約30曲のオペラが作曲されました。ボルグストレムの《リーモルのトーラ》は1894年、《漁師》は1900年。いずれも彼の生前に演奏されず、2002年と2003年にそれぞれ初演されました。
 
《漁師》は、前作と同じく「信仰」をテーマにした作品です。「山崩れにより、裕福な生活から一転、漁師としてその日暮らしを続けていた信心深い男トルビョルンは、ある日、より良い生活を求め悪魔と契約する……」。3幕17場。アリアや歌とみなされる曲はなく、2小節の導入につづき、ライトモチーフ(示導動機)の使用やオーケストレーションなど、ワーグナーの影響を受けた「音楽の流れ」が一気に進んでいきます。
 
《リーモルのトーラ》を初録音(PSC 1230)したテリエ・ボイエ・ハンセン Terje Boye Hansen(1946–)が ノルウェー国立歌劇場が指揮。ヘティル・ヒューゴス Ketil Hugaas(1957–)、インゲビョルグ・コスモ Ingebjørg Kosmo(1966–)、エリ・クリスティン・ハンスヴェーン Eli Kristin Hanssveen(1973–)、トール・インゲ・ファルク Thor Inge Falck(1968–)、シェル・マグヌス・サンヴェ Kjell Magnus Sandve(1959–)、ニョル・スパルボ Njål Sparbo(1964–)。ベテランのアルネ・アクセルベルグ Arne Axelberg がバランス・エンジニアリングを担当しました。
 
[プロット]
[第1幕]
裕福で信心深い男トルビョルンは、山崩れにより、農場のすべてと若い息子を失ってしまう。なにもかも失くして漁師になった彼には娘ができ、20年の間、その日暮らしをつづける。うんざりした彼は、ある日、より良い生活を求め悪魔と契約する。その日おそく、高利貸しのエーリクが家賃の支払いを求めにやってくる。トルビョルンは結局、娘をエーリクに渡すと約束することになる。トルビョルンがその話をすると、娘のラグンヒルは涙ぐむ。シーグルという心を許した相手が彼女にはいた。
[第2幕]
海の嵐。高利貸しエーリクの船は、全財産を積み、波の脅威にさらされている。トルビョルンとシーグルは自分たちだけで海に出て、船と積荷を救おうとする。シーグルは、溺れかけていたトルビョルンは救ったが、船を失ってしまう。
[第3幕]
トルビョルンは病にふせている。なにもかも失い、死を望んでいる。高利貸しエーリクが現れる。トルビョルンは、死んだ息子を幻に見て、家族に許しを乞う。家族には、彼の願いをかなえることができない。それができるのは神のみ。トルビョルンは死ぬ。
 
価格 4,125円(税込価格)(本体価格 3,750円)

『ノルウェー管楽アンサンブル』
Simax PSC 1394 classical

 
ルートヴィヒ・ファン・ベートーヴェン(1770–1827)
(スティヤン・オーレスキョル 編曲)
 ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 Op.37(1800)*
ヨーゼフ・ハイドン(1732–1809)(スティヤン・オーレスキョル 編曲)
 交響曲第44番 ホ短調《悲しみ(Trauer)》 Hob.I/44(1772)
  クリスチャン・イーレ・ハドラン(ピアノ)*
  ノルウェー管楽アンサンブル
   インゲル・ヨハンネ・ベルグ(フルート)
   ローセ・エリン・アウスタ・ネス(フルート)
   ダーヴィド・F ・ストゥンク(オーボエ)
   クリスティーナ・オールヴァイン(オーボエ)
   エーリク・ヨルダル(クラリネット)
   インゲ・ノストヴォル(クラリネット)
   ローアル・アルネス・オールム(クラリネット)
   トール=エギル・ハンセン(クラリネット)
   クリステル・ベルグビュー(ファゴット)
   リアン・カリー(ファゴット)
   クリスティン・ホーゲンセン(サクソフォーン)
   モッテン・ノールハイム(サクソフォーン)
   スタイナル・グランモ・ニルセン(ナチュラル・ホルン)
   ブリット・クリスティン・ラーシェン(ナチュラル・ホルン)
   スティヤン・オーレスキョル(バロック・トランペット)
   トルゲイル・ホーラ(バロック・トランペット)
   トリル・G・ベルグ(サックバット)
   ミゲル・T・セビジャーノ(サックバット)
   タリヤイ・グリムスビュー(サックバット)
   ローゲル・フィエルデ(チンバッソ)
   アレックス・ロルトン(チェロ)
   ローゲル・モルラン(コントラバス)
   グンヒル・P・トンデル(チェンバロ)
   ホーコン・シューベルグ(ティンパニ)
  アイヴィン・オードラン(指揮)
  
録音 2021年8月 オストレ・フレドリクスタ教会(オストフォル、ノルウェー)
制作・録音エンジニア・マスタリング ショーン・ルイス
共同制作 スティヤン・オーレスキョル

 
ノルウェー管楽アンサンブル Det Norske Blåseensemble は、ノルウェー最古のオーケストラのひとつです。1734年までさかのぼり、ノルウェーの文化史でもっとも重要な責務を担ってきました。現代楽器とピリオド楽器のプレーヤー24人による編成を基本にオスロの南、ハルデンを拠点に毎年120のコンサートで演奏しています。
 
「私たちは、やっと自由になったか? パンデミックの2年間は、音楽とその複雑さに情熱をかけて取り組んでいる私たち全員にとって、チャレンジだった。ふたたび扉が開いた今、世界観を変える何かをやってみよう。将来、『ビフォー・アフター』と讃えられるかもしれない」。彼らにとって3年ぶりのプロジェクト。ベートーヴェンがナポレオン戦争を前にした不確定な時代に作曲した《ピアノ協奏曲第3番 ハ短調》と、ハイドンの「シュトゥルム・ウント・ドラング(嵐と衝動)」の典型的な一作の《交響曲第44番 ホ短調》を演奏しています。
 
ベートーヴェンとハイドンの管弦楽曲を「管楽アンサンブル」用に編曲する仕事は、スティヤン・オーレスキョル Stian Aareskjold が手がけました。彼はノルウェー国立音楽大学で学び、2004年からノルウェー管楽アンサンブル Det Norske Blåseensemble でトランペットを担当しています。「イングリッシュ・コンサート」など内外のバロック・アンサンブルやノルウェー室内管弦楽団に参加。作曲家、アレンジャーとしても実績を重ねてきました。このアルバムでは、ナチュラル・ホルン、バロック・トランペット、サックバットといったピリオド楽器の色彩と響きを活かした編曲が新鮮な興を呼びます。
 
アイヴィン・オードラン Eyvind Aadland(1956–)は、ノルウェーでもっとも信頼されている指揮者のひとりです。ヨルマ・パヌラに学び、ベルゲン・フィルハーモニックのコンサートマスターを務めた後、マリス・ヤンソンスの勧めで指揮者のキャリアをめざしました。2020年からタスマニア交響楽団の首席指揮者・芸術監督。ノルウェー軍音楽隊、トロンハイム交響楽団、スタヴァンゲル交響楽団をはじめとするオーケストラと多くのアルバムを作り、ケルンWDR交響楽を指揮したグリーグの管弦楽曲(全曲)(audite 21.439)が特に高い評価を得たアルバムとして知られます。
 
ノルウェー管楽アンサンブルが「共演を喜び、誇りに思う」というクリスチャン・イーレ・ハドラン Christian Ihre Hadland(1983–)は、2011年の「BBC ニュージェネレーション・アーティスト」のひとり。デリカシーと洗練と個性的なタッチを合わせもつ「真のピアノの名匠」と呼ばれる地位を確立しました。ヘンニング・クラッゲルードと共演したシンディングの作品集(Naxos)や「シューマンとショパン」のソロ曲(PSC 1307)を手始めに、ユーハン・ダーレネ共演の『北欧ラプソディ』(BIS SA-2560)『ステンドグラス』(BIS SA-2730)など、高評価の「聴いて楽しい」アルバムを次々とリリースしています。
 
価格 2,750円(税込価格)(本体価格 2,500円)

『One Voices』
Simax PSC 1406/PSLP 1406 Vinyl LP contemporary/classical

 
『One Voices』
ルート・ヴィルヘルミネ・マイエル(1961–)
 Entrance(入り口)
 The Loki Castle - for single Voices(ロキの城 ー ひとつの声のための)
 Whisper(ささやき)
 Trinity(三位一体)
 Serrated(鋸歯状に)
 We(わたしたち)
 Elegy(哀歌)
 Conversation I(会話 I)
 Reflections(反射)
 Aftermath(そのあと)
  ルート・ヴィルヘルミネ・マイエル(ヴォーカル)
 
録音 2021年6月–2023年6月 エマヌエル・ヴィーゲラン美術館マウソレウム(オスロ)、「CasaBlancaStudio」(ノルウェー)
制作・ミクシング シュテフェン・ショーン
録音エンジニア・ミクシング ルート・ヴィルヘルミネ・マイエル
マスタリング アルフ・クリスチャン・ヴィドステーン、ペール・エスペン・ユーシュフィヨルド

 
ヴォーカリスト、ルート・ヴィルヘルミネ・マイエル Ruth Wilhelmine Meyer は、音で物語を紡ぐストーリーテラーと自認しています。1961年、ノルウェー北部のトロムソ生まれ。ベルゲンのグリーグ・アカデミーとザルツブルクのモーツァルテウムで学びました。グレーテ・ペーデシェンの指揮するノルウェー・ソリスト合唱団からキャリアをスタート。ヴォーカル・アーティストと作曲家へと活動の場を広げ、2019年の「エドヴァルド賞」を受賞しました。
 
ソロ・アルバムの最新作『One Voices』は「何の手も加えていないたったひとつの声によってリアルタイムで創られる音世界。ヴォーカルのオーケストラ」として作られました。”one” にもかかわらず ”voice” ではなく “voices” と複数形になっていることが「オーケストラ」を示しています。
 
聴き手の好奇心を呼び起こす《Entrance》に始まり、ノルウェー・ソリスト合唱団やオスロ・メトロポリタン大学(OsloMet)のための作品をはさんで、聴く人がそれぞれの「そのあと」の道を選ぶ《Aftermath》に終わる「言葉を必要としない」10曲のプログラム。「ステンメクラング Stemmeklang」のアルバム『音の墓所(Tomba sonora)』(2L 155SABD)の録音に使われた「残響時間20秒」のエマヌエル・ヴィーゲラン美術館マウソレウム Emanuel Vigeland Mausoleum で録音され、2022年の春から2023年の春にかけてマイエルの「ガーデン・スタジオ」 CasaBlancaStudios の「比較的空気の乾燥した」環境で完成作業が行われました。作曲家でマルチインストルメンタリスト、ドイツのシュテフェン・ショーン Steffen Schorn が制作と共同ミクシングを担当しました。
 
価格(CD) 2,750円(税込価格)(本体価格 2,500円)
価格(Vinyl LP) 4,785円(税込価格)(本体価格 4,350円)

『ヤーニス・チュピーティス ソロ・ピアノ作品全集 第2集』
Toccata Classics TOCC 0726 classical

 
ヤーニス・チュピーティス(1908–1989)
 雪片(Sniega pārslas)(1939)
  A Little Cloud(小さな雲) Flakes Fall(雪の欠片が降ってくる)
  Vortex(旋風) The Story of the Flakes(雪片の物語)
  Christmas Tree Dreams(クリスマスツリーの夢) Waltz(ワルツ)
  Thaw(雪解け) And Spring Again(そして春ふたたび)
 肖像画(Portreti)(1946)
  Andulis(アンドゥーリス) Elvīra(エルヴィーラ)
  Nanny(おばあちゃん) Vija(ヴィヤ) Biruta(ビルタ)
  Niko(ニコ)
 気分の描画(Noskaņu gleznas)(1956)
  Evening Song(夕べの歌) Anxiety(不安) Sadness(悲しみ)
  Delight(喜び) Frolic(浮かれ気分) Laugh(笑い)
  Solace(なぐさめ)
 気分の描画『牧場で』(Noskaņu gleznas “Pļavās”)(1965)
  A Ray of Sunshine(ひとすじの日の光)
  Butterfly and Boy(蝶々と少年)
  Youthful Delight(若者のよろこび)
  The Black Cloud(黒雲) After Rain(雨あがり)
 夕べの印象(Kāda vakara iespaidi)(1974)
  Moderato(モデラート)
  Andante tranquillo(アンダンテ・トランクィッロ)
  In Movimento(イン・モヴィメント)
 リーゴの夜(Līgo nakts)(1935)
  聖ヨハネの火(St.John’s Fire)*
   ノラ・ルーセ(ピアノ)
   ヤーニス・チュピーティス(ピアノ)*   
 
録音 2022年11月30日、2024年4月15日 ラトビア放送第1スタジオ(リガ、ラトビア)、1935年 *

 
ラトビアのノラ・ルーセ Nora Luse によるヤーニス・チュピーティス Jānis Ķepītis のソロ・ピアノ作品。第1集(TOCC 0721)につづくリリース。
 
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)

『Northwest』
Challenge Records CR 73579 jazz

 
『Northwest』
 Autumn Breeze(Jan Gunnar Hoff)
 Beneath the Surface (for Enrico)(Jasper Somsen)
 First Light(Carsten Lindholm)
 One Last Chance(Jan Gunnar Hoff)
 So Long(Jasper Somsen)
 Free Flight I(Jan Gunnar Hoff/Jasper Somsen/Carsten Lindholm)
 Free Flight II(Jan Gunnar Hoff/Jasper Somsen/Carsten Lindholm)
 Coming Home(Jan Gunnar Hoff/Jasper Somsen/Carsten Lindholm)
  ヤン・グンナル・ホフ(ピアノ)
  ヤスパー・サムセン(ベース)
  カーステン・リンホルム(ドラム)
 
録音 2023年9月6日 コペンハーゲン(デンマーク)

 
ノルウェーのピアニストのヤン・グンナル・ホフ Jan Gunnar Hoff、オランダのベーシストのイェスパー・ソムセン Jesper Somsen、デンマークのドラマーのカーステン・リンホルム Carsten Lndholm。それぞれの楽器のスペシャリストとしてジャズの「ビッグマン」たちと共演、作曲家でもある三人が新しいトリオを結成。アメリカのジャズの伝統にヨーロッパのクラシカルな感性を加えたアンサンブルによるコンサートが成功を収め、このファースト・アルバムが録音されました。対等な関係の三人のプレーから生まれる「化学作用」は、新鮮な色彩感と躍動感にあふれていると言われます。2023年9月、コペンハーゲンでの録音です。
 
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)

『Endless Journey』
Losen Records LOS 298-2 jazz

 
『Endless Journey』
 Funky Ghost to Hollywood(Runar Nørsett)
 Endless Journey(Runar Nørsett)
 Summer Is Coming(Runar Nørsett)
 Leaving Shore(Runar Nørsett)
 Hurry Up!(Runar Nørsett)
 She Doesn’t Love Me!(Runar Nørsett)
 Most of the Night(Runar Nørsett)
 Until the Nearness Ends(Runar Nørsett)
  ルーナル・ノーシェット・トリオ
   ルーナル・ノーシェット(ピアノ)
   フレードリク・サーランデル(ベース)
   トビアス・オイモー・ソールバック(ドラム)
  ゲスト
   ランディ・ブレッカー(トランペット、フリューゲルホルン)
   (Tracks 2, 3, 8)
   アダ・ロヴァッティ(テナー・サクソフォーン)(Tracks 2,4)
 
録音 2023年10月 アグデル大学 スタジオA(Studio A, Universitetet i Agder)(クリスチャンサン、ノルウェー)
制作 ルーナル・ノーシェット
共同制作 フレードリク・サーランデル、トビアス・オイモー・ソールバック
録音エンジニア ヤーラン・グスタフソン
ミクシング・マスタリング  ローアル・ロースベルグ

 
ノルウェーのクリスチャンサンで医者と音楽家として活動するルーナル・ノーシェット Runar Nørsett は、スウェーデン出身のベーシスト、フレードリク・サーランデル Fredrik Sahlander とアグデル大学の学生だったドラマーのトビアス・オイモー・ソールバック Tobias Øymo Solbakk とトリオを結成。2021年にアルバム第2作の『My Funny Quarantine』(LOS 257-2)を Losen Records に初めて録音しました。
 
「あれから3年が経ち、その間、COVID-19 のパンデミックは一段落したものの、ロシアによるウクライナ侵攻、イスラエルのパレスチナ・ガザへの攻撃、経済の不安定、政治の腐敗、社会的不平等の拡大といったことが『大声で叫び』、現代の民主主義と呼ばれるものは最大のチャレンジに直面している」(ルーナル・ノーシェット)。三人は、「世界はどこへ向かうのかという、誰も確かな答えを知らないこと」は横目で見ながら、「わたしたちのやること、できること」を踏まえて、このアルバムを作りました。
 
《Funky Ghost to Hollywood》から《Until the Nearness Ends》まで、8曲すべて、前作と同じくノーシェットが作曲しています。「情熱、ユーモア、エルギー、そして、できることなら、さまざまな心配事から逃避する、未来へ向かう果てしない旅」。アグデル大学のスタジオでセッションが行われ、「ファンキー」なアメリカのトランペッター、ランディ・ブレッカー Randy Brecker と夫人のアダ・ロヴァッティ Ada Rovatti がゲストとして加わり、息のあった三人のプレーに新鮮な風を吹き込みました。
 
価格 2,365円(税込価格)(税抜価格 2,150円)

『La Dormiente』
Losen Records LOS 300-2 jazz

 
『La Dormiente』
 Dolce rumore(Dario Miranda)
 Miniera inesplorata(Dario Miranda)*
 Nel bosco(Dario Miranda) Sugli alberi(Dario Miranda)
 Immagine passeggera(Dario Miranda)
 All’ ombra del tuo sguardo(Dario Miranda)
 Ciò che non siamo(Dario Miranda)
 Con paura il cuore(Dario Miranda)**
 Come i complici(Dario Miranda) Milioni di scale(Dario Miranda)*
  ルカ・アキーノ(フリューゲルホルン、トランペット)
  ジョヴァンニ・フランチェスカ(エレクトリック・ギター)
  ダリオ・ミランダ(ベース、エレクトロニクス *、ダルシトーン **)
 
録音 2023年5月3日、8月7日 Element Studio(サン・ジョルジョ・デル・サンニオ、ベネヴェント、イタリア)
制作 ダリオ・ミランダ
録音エンジニア・ミクシング ジョヴァンニ・フランチェスカ
マスタリング ステファノ・アメリオ

 
イタリアのベーシスト、ダリオ・ミランダ Dario Miranda は、カンパニア地方のベネヴェントを拠点に活動し、ソリストとセッション・ミュージシャンとして評価を得てきました。ピアニストのエミリアーノ・ダウリアがノルウェーのギスケで録音したアルバム『First Rain』(LOS 284-2)や、その前の『In-Equilibrio』(LOS 277-2)にも参加。「確実で完璧なイントネーション」のプレーでダウリアの「テーマのある音世界」を支えました。
 
ダリオ・ミランダを中心とする新しいアルバムには、ギタリストのジョヴァンニ・フランチェスカ Giovanni Francesca と、ダウリアの2作で共演したトランペッターのルカ・アキーノ Luca Aquino という、同じサン・ジョルジョ・デル・サンニオに住む友人たちが参加。ベネヴェントの西にある山塊「タブルノ・カンポサウロ」にちなみ、「眠れるもの」を意味するイタリア語「La Dormiente(ラ・ドルミエンテ)」のタイトルがつけられました。「そびえたつ峰の連なる姿が、女性が横たわり眠っているように見える」イメージは、地母神の伝説とつながり、静けさと穏やかさが感じさせる山の力強さ、神秘の感覚、夜の森の秘めたものなど、サンニオに住むルカ、ジョヴァンニ、ダリオにインスピレーションを与えてきたといいます。
 
《Dolce rumore》(甘い雑音)、《Miniera inesplorata》(未知の鉱山)、《Nel bosco》(森で)、《Sugli alberi》(木々のうえで)、《Immagine passeggera》(過ぎゆくイメージ)、《All’ ombra del tuo sguardo》(あなたの見つめる陰に隠れて)、《Ciò che non siamo》(私たちが、そうでないもの)、《Con paura il cuore》(心は恐れて)、《Come i complici》(共犯者のように)、《Milioni di scale》(無数の階段)。ダリオ・ミランダの作曲した曲で構成したコンセプト・アルバムです。
 
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)

『Mystic Geography』
Losen Records LOS 305-2 jazz

 
『Mystic Geography』
 Une jeune fillette(anonymous France 1600)
 Mystic Geography(Enzo Favata)
 Plantita de Aleli(anonymous traditional, Argentina)
 Sailors and Wales(Enzo Favata)
 Algarrobo Algabarrobal
 (Lía Cimaglia Espinosa, Argentina/Juan Mamerto Ponferrada)
 Ora Pro Nobis(Marcello Peghin)
 Il bianco e dolce cigno(Jaques Arcadelt/Marquis Alfonso D’Alvados)
 La Virgen(Enzo Favata)
 Flight from the City(Jóhan Jóhansson)*
  ルチアーナ・エリゾンド(ヴォーカル、ヴィオラ・ダ・ガンバ)
  マルチェッロ・ペギン(エレクトリック・ギター、エレクトリック・ベース)
  エンツォ・ファヴァータ(ソプラノサックス、バス・クラリネット、
   シャリュモー、シンセサイザー、サンプリング)
  アナイス・ドラーゴ(ヴァイオリン)*
 
録音 2022年3月 Carrabuffas Studio(サルデーニャ、イタリア)
制作・編曲 エンツォ・ファヴァータ
ミクシング・マスタリング アルベルト・エッレ

 
エンツォ・ファヴァータ Enzo Favata(1956–)は、イタリア、サルデーニャのアルゲーロ生まれ。1983年からサクソフォーン・プレーヤー、作曲家、ライヴ・エレクトロニクス演奏家としてミュージシャン活動を始め、映画、劇場、ラジオとテレビの音楽も手掛けています。伝統スタイルのジャズの教育を受けたものの、早期にメインストリーム・ジャズから離れ、サルデーニャの民俗音楽を研究。ジャズ、アヴァンギャルド、1970年代のフュージョン、自身のルーツの民俗音楽をブレンドした独自のスタイルを追求する方向に進みました。ディノ・サルーシ、デイヴ・リーブマン、レスター・ボウイ、エンリコ・ラヴァといった名だたるプレーヤーたちのステージとレコード録音で共演。「イタリア・ジャズの一匹狼(The Maverik of Italian Jazz)」と呼ばれています。
 
新作の『Mystic Geography』は、2003年にドイツの音楽賞にノミネートされた『Boghes and Voices』に似た、「宗教音楽」によるプログラムで構成、聴き手を「星の世界の旅」とても呼べる新たな神秘の旅に誘うことをめざしています。ルチアーナ・エリゾンド Luciana Elizondo のヴォーカルとヴィオラ・ダ・ガンバ、マルチェッロ・ペギン Marcello Peghin のギターとベース。ファヴァータは、バス・クラリネットとシャリュモーも演奏しています。
 
アラン・コルノー監督の映画『Tous les Matins du Monde』(邦題『めぐり逢う朝』)で知られるフランス古謡《Une jeune fillette》(若い娘)。『カリクストゥス写本 - 聖ヤコブの奇跡の書』の《Dum Pater Familias》(父なる神)の歌詞による《Mystic Geography》(神秘の地理)。アルゼンチンの伝承曲《Plantita de Aleli》。北海の伝説からインスピレーションを得た《Sailors and Wales》。リア・シマグリア・エスピノーザ作曲フアン・マメルト・ポンフェラーダ作詞の《Algarrobo Algabarrobal》。マルチェッロ・ペギンが作曲した《Ora Pro Nobis》(われらのために祈りたまえ)。ジャック・アルカデルト作曲の16世紀のマドリガル《Il bianco e dolce cigno》(銀色の優美な白鳥は)。ベネズエラ民謡にインスパイアーされた《La Virgen》(聖母マリア)。プログラム最後に、アナイス・ドラーゴ Anaïs Drago のヴァイオリンを加え、アイスランド出身のヨーハン・ヨーハンソン(1969–2018)の《Flight from the City》が、ファヴァータから彼に捧げるトリビュートとして演奏されます。
 
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)

『The Great Danish Songbook』
Losen Records LOS 306-2 jazz

 
『The Great Danish Songbook』
 Dansevise(Otto Francker/Sejr Volmer-Sørensen)
 Forelsket i København(Bent Fabricius-Bjerre/Sejr Volmer-Sørensen)*
 Jeg har elsket dig så længe jeg kan mindes
 (Kai Norman Andersen/Mogens Dam)
 Glemmer du(Kai Norman Andersen/Børge Müller/Arvid Müller)
 I skovens dybe stille ro(Traditional/Fritz Andersen)
 Jeg sætter min hat som jeg vil(Bent Fabricius-Bjerre/Klaus Rifbjerg)
 Hvorfor er lykken så lunefuld(Karen Jønsson/C.V. Meincke)*
 Man binder os på mund og hånd
 (Kai Norman Andersen/Poul Henningsen)
 I aften(Karen Jønsson/Børge Müller)*
 Hvor er livet dog skønt(George David Weiss/Henrik H. Lund)
 Tanta til Beate(Lillebjørn Nilsen)(Bonus track)*
  マイケン・クリスチャンセン(ヴォーカル)
  マグネ・アルネセン(ピアノ)
  アンドレーアス・ドライアー(ベース)
  トシュタイン・エリングセン(ドラム、パーカッション)
  ラーシュ・フランク(テナー・サクソフォーン)*
 
編曲 アンドレーアス・ドライアー、マグネ・アルネセン
録音 2024年4月4日–6日 ニュートーン・スタジオ(Newtone Studio)(オスロ、ノルウェー)
制作 アンドレーアス・ドライアー、トシュタイン・エリングセン
録音エンジニア・ミクシング・マスタリング ライフ・ヨハンセン

 
マイケン・クリスチャンセン Majken Christiansen。1967年、コペンハーゲン生まれ。1990年代、ペア・リクやモーウンス・カン・フィェルスーたちの参加するバンド「フィェルテテン Fjeldtetten」で数枚のアルバムをリリース。オスロに移ってからは、ソロ・アルバムを作り、夫でドラマーのトシュタイン・エリングセン Torstein Ellingssen をはじめとするミュージシャンや、「シー・ビッグバンド Ski Storband」「ノルウェー管楽アンサンブル Det Norske Blåseensemble」といったグループとコラボレートしてきました。
 
マイケンは、エラ・フィッツジェラルドたち「ジャズの偉大なディーヴァ」の伝統に沿い、スタンダード・ナンバーに新たな息吹を吹き込むことをベースに活動しています。とりわけ大切にしているのが、「時代を超えた歌詞とメロディ」をもった『The American Songbook(アメリカン・ソングブック)』の歌の数々です。新しいアルバムで彼女は、「アメリカン」と対になる、1930年代から1960年代にかけての「デニッシュ・クラシック」によるプログラムを歌いました。
 
どの街角にもジャズ・ミュージックがあった1930年代にデンマークで初めて作られた長編映画のための歌《Glemmer du》(忘れたの?)と《Jeg har elsket dig så længe jeg kan mindes》(覚えているかぎりずっと前からあなたを愛していた)。ドイツ軍占領下に作られ、「アンチ・ナチズム」のメッセージを秘めていた「レビュー・ソング」の《Man binder os på mund og hånd》(私たちの口と手は縛られ)。《Forelsket i København》(コペンハーゲンに恋をして)は、ミュージカル映画の歌。1963年「ユーロヴィジョン・ソング・コンテスト」で第1位をとった美しいワルツ《Dansevise》(ダンスソング)。アメリカの「ジャズ・スタンダード」にデンマークの人々の心と「ヒュッゲ」の気分を加えて作らたこれらの歌は、誇りをこめて「The Danish Songbook」と呼ばれます。
 
アルバムのセッションは2024年4月にオスロのスタジオで行われました。マグネ・アルネセン Magne Arnesen のピアノ、アンドレーアス・ドライアー Andreas Dreier のベース、トシュタイン・エリングセンのドラム。ラーシュ・フランク Lars Frank のサックスが、いくつかナンバーで加わります。
 
「ボーナス・トラック」にノルウェーのシンガーソングライター、リレビョルン・ニルセン Lillebjørn Nilsen(1950–2024)の《Tanta til Beate》(ベアーテのおばさん)が、彼へのトリビュートとして収録されました。
 
価格 2,365円(税込価格)(税抜価格 2,150円)

『Nova』
Losen Records LOS 308-2 jazz

 
『Nova』
 Karaka(Johan Tobias Bergstrøm) Vesta(Johan Tobias Bergstrøm)
 Juno(Johan Tobias Bergstrøm) Naiad(Johan Tobias Bergstrøm)
 Vega(Johan Tobias Bergstrøm) Solaris(Johan Tobias Bergstrøm)
 Strata(Johan Tobias Bergstrøm) Maru(Johan Tobias Bergstrøm)
  ヨハン・トビアス・ベルグストレム(ギター)
  ヨルゲン・クローゲル・マティセン(ヴァイオリン)
  ホーコン・ヒュルト=ニューストレム(ベース)
  トマス・アントニオ・デベリアン(パーカッション)
 
録音 2024年1月 Urban Sound Studios(オスロ、ノルウェー)
制作 ヨハン・トビアス・ベルグストレム
共同制作・録音エンジニア・ミクシング ダーヴィド・アレクサンデル・ショーリ
マスタリング イェット・クラウセン

 
ノルウェーのストリング・スウィングバンド 「トゥシェ・モネ Touché Monet」のギタリスト、ヨハン・トビアス・ベルグストレム Johan Tobias Bergstrøm の初めてのソロ・アルバム『Nova』。アルバムのプロジェクトは、彼が、2020年、ヨルダンでノルウェーとヨルダンの王室のために行ったギグがきっかけでスタートしました。ラジオから、タクシーの中で、コーヒーショップでと、いたるところで耳にした弦楽器ウードの響きが頭から離れず、帰国後、スウェーデンのヨーテボリまでバスで行き、ウード奏者アフメド・アル=ハティーブにレッスンを受けたといいます。
 
15年以上のあいだ演奏してきたジャンゴ・ラインハルト・スタイルの音楽と新しく出会ったアラブの音楽を融合させる。さらに、彼がずっと気に入っていたアフリカ音楽、とりわけリチャード・ボナの音楽のサウンドを組み込む。このデビュー・アルバムは、そうしたさまざまなアイデアを基に作られました。《Karaka》から《Maru》までの8曲すべてベルグストレムが作曲。《Solaris》は、ジプシー・ジャズとブルースのギタリスト、レミ・ハリスに教わったウースターシャーからの帰路、アイルランド・ジグのスタイルで作られました。
 
ヨルゲン・クローゲル・マティセン Jørgen Krøger Mathisen のヴァイオリン、ホーコン・ヒュルト=ニューストレム Håkon Huldt-Nystrøm のベース、トマス・アントニオ・デベリアン Thomas Anonio Debelian のパーカッション。2024年1月、オスロの「アーバン・サウンド・スタジオ」での録音です。
 
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)

『Colours』
Parco Della Musica MPR 168CD jazz

 
『Colours』
 Yellow (When the Sun Comes)(Cecilia Sanchietti)
 Pink(Cecilia Sanchietti) Dark Blue(Cecilia Sanchietti)
 Argento(Cecilia Sanchietti) (My) Colours(Cecilia Sanchietti)
 Violet(Cecilia Sanchietti) Ocra (Amagambo)(Cecilia Sanchietti)
  チェチーリア・サンキエッティ(ドラム、編曲)
  アルベルト・ピントン(テナーサックス、クラリネット、
   バスクラリネット、フルート)
  ルッテ・ベリ(エレクトリックギター)
  アダム・フォルケリード(ピアノ)
  マウリツ・アイナス(ベース)
  ペール=ウーラ・ランディン(ベース)
 
録音 2022年9月30日 ストックホルム

 
イタリアのドラマーで作曲家のチェチーリア・サンキエッティ Cecilia Sanchietti のアルバム第5作。テナーサックスのアルベルト・ピントン Alberto Pinton、ギターのルッテ・ベリ Lutte Berg、ピアノのアダム・フォルケリード Adam Forkelid、ベースのマウリツ・アイナス Mauritz Agnas とペール=ウーラ・ランディン Pär-Ola Landin というスウェーデンのミュージシャンと組んだクインテットにより、「色彩」をテーマにした彼女のオリジナル曲を演奏しています。「チェチーリア・サンキエッティ・スウェーデン・カルテットは、一年で一番寒い日でさえストックホルムの旧市街に太陽が光り輝く、そのことを証明してみせる」(「Salt Peanut」)といった評が寄せられ、ボストンのバークリー音楽大学のロナルド・サヴェッジから「これこそジャズのすべて。心の深い隙間に届く音楽、精神を高揚させ強くする、暗闇を照らし絶望を希望に変える、痛みを癒し、もっとも個人的なレベルで再び愛を育む音楽……」と賛辞を贈られました。ストックホルムのイタリア文化研究所とローマのスウェーデン大使館の協力で実現したプロダクションです。
 
価格 2,695円(税込価格)(本体価格 2,450円)

『Impressions of Evans』
Prophone PCD 344/PLP 344 Vinyl LP jazz

 
『Impressions of Evans』
 Jag vet en dejlig rosa(Traditional)
 Monicas vals(Bill Evans/Beppe Wolgers)
 Very Early(Bill Evans/Carol Hall)
 Summertime(GeorgeGershwin/DuBose Heyward/Dorothy Heyward/
  Ira Gershwin)
 My Bells/Children’s Play Song(Bill Evans/Gene Lees)
 Vindarna suska uti skogarna(Traditional)
 Some Other Time(Leonard Bernstein/Betty Comden/Adolph Green)
 Just You, Just Me(Jesse Greer/Raymond Klages)
 Om natten är alla änkor grå(Olle Adolfphsson/
  Carl Fredik Reuterswärd)
 Blue in Green(Bill Evans/Miles Davis/Hansen)
  エレン・アンデション(ヴォーカル)
  ハイネ・ハンセン(ピアノ) トマス・フォネスベク(ベース)
  アンドレーアス・スヴェンセン(ドラム)
  ビャーケ・ファルグレーン(ストリングズ)
 
録音 2022年12月 V-Recording(コペンハーゲン)
制作 エレン・アンデション、ハイネ・ハンセン
ミクシング ポール・スヴェンレ
マスタリング ソフィア・フォン・ハーゲ、トマス・エーベリエル

 
エレン・アンデション Ellen Andersson は、ふたつの声を合わせもっていると言われます。若々しく、旺盛な好奇心の感じられる声と、少し歳をとった、豊かな経験をうかがわせる声。そのことが彼女の芸術の奥深い魅力につながっています。新しいアルバム『Impressions of Evans』は、ビル・エヴァンズと、彼とのコラボレーションで《Waltz for Debby》を歌ったスウェーデンのヴォーカリスト、モニカ・セッテルルンドへの「トリビュート」として制作されました。「ヴェルムランドの松林とフィフス・アヴェニューが切れ目なくつながる」とエレンの言う、スカンディナヴィア音楽の新しい時代を告げた1964年の録音から60年。モニカの歌った歌をエレンが初めてスウェーデン語歌詞の《Monicas vals(モニカのワルツ)》で歌います。2022年12月、コペンハーゲンの「V-Recording」でセッションが行われ、デンマークのミュージシャンが参加しました。ハイネ・ハンセン Heine Hansen のピアノ、トマス・フォネスベク Thomas Fonnesbæk のベース、アンドレーアス・スヴェンセン Andreas Svendsen のドラム。それにビャーケ・ファルグレーン Bjarke Falgren のストリングズが加わります。民謡の《Jag vet en dejlig rosa》(美しいばらを知っている)《Vindarna suska uti skogarna》(風が森でため息をつき)とウッレ・アドルフソンの《Om natten är alla änkor grå》(夜、未亡人はみんな灰色なの?)。モニカの大切なレパートリーだった歌をエレンが、共感をこめ、ユーモラスな表情もまじえて歌います。
 
価格(CD) 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)
価格(Vinyl LP) 3,740円(税込価格)(本体価格 3,400円)

『Johnny Carlsson & the MegaBones』
Prophone PCD 348/349 2CD’s jazz

 
『Johnny Carlsson & the MegaBones』
[Disc 1: The Timucua Recordings]
 Pat’s Place I Will Try Again Waltzing B&S Your Romance
 Just You and I Saturday Tango in the Blue My Lovely One
 Easy Peasy Um Samba de Carnaval Groovin’ Over Halifax
 Laholm I Will Try Again
  ジョニ・カールソン&メガボーンズ
   パット・グロッタ(トロンボーン)
   ハロルド・ジョンソン(トロンボーン)
   コリー・ポール(トロンボーン)
   ハリー・ウォターズ(トロンボーン)
   ウィル・ネスラー(トロンボーン)
   ジョニ・カールソン(ピアノ) チャーリー・シルヴァ(ベース)
   バリー・スミス(ドラム) ミシェル・アマート(ヴォーカル)
[Disc 2: LIVE at the Pedagogen Park]
 Larry, the Rock Shoot T.G.I.F. Fall Swede Memories
 Minor Stuff Funky Matters You Break My Heart
 Comin’ in from the Cold Bossa Bone-ita Talking Turkey
 The Egg Hunt When I’m Old
  ジョニ・カールソン&メガボーンズ
   ラーシュ=ヨーラン・ディムレ(トロンボーン)
   クリステル・オーロフソン(トロンボーン)
   ベンクト=オーケ・アンデション(トロンボーン)
   マッティン・セーデルルンド(トロンボーン)
   ニカス・リュード(トロンボーン)
   ジョニ・カールソン(ピアノ) 森泰人(ベース)
   ヨーラン・クルーン(ドラム)
 
[Disc 1] 
録音 ティミュキュア・スタジオ(オーランド、フロリダ州)
制作 ジョニ・カールソン
録音エンジニア・ミクシング・マスタリング ブノワ・グレーザー
[Disc 2]
録音 ペダゴーゲン・パルク(メルンダル、スウェーデン)(ライヴ録音)
制作 ジョニ・カールソン
録音エンジニア・ミクシング・マスタリング ステファン・ペッテション

 
熱心なジャズ・ファンのジョニ・カールソン Johny Carlsson はスウェーデン生まれのスウェーデン育ち。ジャズの偉大なプレーヤーたちとジャズのスタイルに強い思い入れがあり、10代の初めごろから、将来ジャズ・プレーヤーになりたいという希望を持ち続けていました。そして、マイルズ・デイヴィス・グループのJ・J・ジョンソンのトロンボーンを初めて聴き、その後、J・Jとデンマーク出身のカイ・ヴィンディングのクインテットが作ったアルバム『Jay and Kai』に出会ったことから、トロンボーンをフィーチャーしたアンサンブルに魅せられていきました。トロンボーン・グループのための音楽を書き、グループで演奏する。そのことが彼のティーンエイジの「夢物語」になりました。
 
Prophone のアルバムには、作曲者、ピアニスト、編曲者、バンドリーダーとして活躍し、引退後フロリダに移住したジョニ・カールソンが、プロのミュージシャンたちに招かれて参加した2つのセッションの録音が収録されています。アメリカのミュージシャンたちが集まったフロリダのアーツ・ファウンデーション「Timucua(ティミュキュア)」のセッションと、スウェーデンのプレーヤーたちによるメルンダルの「Pedagogen Park(ペダゴーゲン・パルク)」でのライヴ。「いつも前向きで素晴らしい大西洋の両側の友人たち、極めて有能なプロフェッショナルたち」(ジョニ・カールソン)。カールソンの作曲、編曲した作品の演奏にトロンボーン奏者のニルス・ランドグレーンが「聴いて楽しい」と賛辞を寄せています。
 
価格 3,300円(税込価格)(本体価格 3,000円)

『A Heart Full of Rhythm』
Prophone PCD 364 jazz

 
『A Heart Full of Rhythm』
 I’ve Got a Heart Full of Rhythm(Louis Armstrong/Horace Gerlach)
 Am I Blue?(Harry Akst/Grant Clarke)
 Lover Come Back to Me(Sigmund Romberg/Oscar Hammerstein II)
 Never Make Your Move Too Soon(Stix Hooper/Will Jennings)
 Softly as in a Morning Sunrise(Sigmund Romberg/Oscar Hammerstein II)
 (instrumental)
 Längtans Samba(あこがれのサンバ)
 (Lill Lindfors/Birgitta Götestam)
 After You’ve Gone(Turner Layton/Henry Creamer)
 Love for Sale(Cole Poeter)
 Time after time(Sammy Cahn/Jule Styne)(instrumental)
  カーリン・ルンディン(ヴォーカル)
  ロニー・ガーディナー(ドラム)
  マティアス・アルゴットソン(ピアノ)
  クラス・トゥーレソン(テナーサックス、フルート)
  ハッセ・ラーション(ベース)
 
録音 2024年1月 Jazzklubb Syd(ヤスクルブ・シュード)(ラーダン、ファシュタ、スウェーデン)
制作 カーリン・ルンディン
録音エンジニア・ミクシング ヨン・ホーグマン
マスタリング クラース・ペーション

 
カーリン・ルンディン Carin Lundin は、1966年、スウェーデンのヴェクショー生まれ。ヨーテボリのバレー・アカデミーの音楽プログラムを卒業後、1989年から1993年にかけて王立ストックホルム音楽大学で学びました。1997年の『From Dusk to Dawn』(Prophone PCD 032)で録音デビュー。『Babble』(2000)(Sittel SITCD 9267)『Songs That We All Recognize』(2005)(PCD 078)『Smulor och parafraser(パンくずとパラフレーズ)』(2008)(PCD 095)『What Now My Love?』(2015)(PCD 157)とアルバムをリリースしてきました。2007年に始まったスウェーデンのジャズシンガーに贈られる「Anita O’Day-priset(アニータ・オデイ賞)」の第1回の受賞者です。
 
新作アルバム『A Heart Full of Rhythm』は、2024年1月、ストックホルム近郊ラーダンの「Jazzklubb Syd(ヤスクルブ・シュード)」で行われたライヴの録音です。「……寒い冬の夜でした。でも、小さな木造の納屋の室温が上がるのにそれほど時間はかかりませんでした。その空間では、ミュージシャンと音楽と聴衆の温かいつながりがはっきりと感じられました。素敵なメロディとハーモニー、深い意味のある歌詞、スウィングするリズム。ジャズへの愛が、やがてわたしたちを、しばしの間、ひとつにしました。このアルバムは、その成果です」(カーリン)。
 
スウェーデン・ジャズシーンで「生ける伝説」といわれるアメリカのドラマー、ロニー・ガーディナー Ronnie Gardiner。『Smulor och parafraser』のピアニスト、マティアス・アルゴットソン Mathias Algotsson。クラス・トゥーレソン Klas Toresson のテナーサックスとハッセ・ラーション Hasse Larsson のベース。このクインテットによる同じ「アメリカン・ソングブック」のコンサートが、8月21日、ストックホルムのクラブ「Fasching」で予定されています。
 
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)

『Super Blonde』
SteepleChase SCCD 31964 jazz

 
『Super Blonde』
 Willie the Weeper(Traditional) Smile(Charlie Chaplin)
 Golden Earrings(Victor Young) African Flower(Duke Ellington)
 Ever Living Root(Kirk Knuffke) I Surrender Dear(Harry Barris)
 No Moon at All(Redd Evans/David Mann)
 Song of the Tree(Kirk Knuffke) Nature Boy(Eden Ahbez)
 Super Blonde(Sun Ra) Suddenly It’s Spring(Victor Young)
 Heaven(David Byrne/Jerry Harrison)
  カーク・クナフキ(コルネット) ジェイ・アンダーソン(ベース)
  トミー・アンデション(ベース) アダム・ヌスバウム(ドラム)
 
録音 2023年11月

 
カーク・クナフキ(クナフク) Kirk Knuffke は、1980年、コロラド州デンヴァー生まれ。ニューヨークを中心にコルネット・プレーヤー、作曲家、バンドリーダーとして活動し、「リズムの正確さ、ニューオーリンズのファンキーさとたっぷりの気品。カーク・クナフキの音楽には彼の多面的な性格が反映されている。音楽の賢者でありジャズの哲学者、幅広い興味と果てしない好奇心と豊かなユーモアをもち、ひとりで身につけたミュージシャン」と「ダウンビート誌」から評されました。
 
テューバとパーカッションとのトリオによる前作『Tight like This』(SCCD 31896)に対し、ジェイ・アンダーソン Jay Anderson とトミー・アンデション Thommy Anderson のベース、アダム・ヌスバウム Adam Nussbaum のドラムというアンサンブルでセッションによるクナフキらしい独創性あふれる録音。
 
価格 2,860円(税込価格)(本体価格 2,600円)

『Setting Standards』
SteepleChase SCCD 31965 jazz

 
『Setting Standards』
 I’m Old Fashioned(Jerome Kern)
 You Must Believe in Spring(Michel Legrand)
 Embraceable You(George Gershwin)
 The Masquerade Is Over(Herb Magidson/Allie Wrubel)
 Once upon a Summertime(Michel Legran)
 Beautiful Love(Victor Young) Emily(Johnny Mandel)
 Spring Can Really Hang You Up the Most(Thomas Wolf)
 East of the Sun(Brooks Bowman)
  デイヴ・スコット(トランペット) ジェイコブ・サックス(ピアノ)
  ジョン・ハーバート(ベース) ラス・マイスナー(ドラム)
 
録音 2023年12月

 
トランペッターのデイヴ・スコット Dave Scott は現在、ニューヨークに住み、自身のクインテットや、ヴァイオリン、ピアノ、ビター、ベースとドラムをフィーチャーした新しいプロジェクトで活動しています。『Song for Alice』(SCCD 31940)につづく新作アルバムでは、スタンダード・ナンバーとなったジェローム・カーン、ミシェル・ルグラン、ジョージ・ガーシュウィン、ジョニー・マンデルたちの曲によるプログラムを組み、自身のルーツでありインスピレーションの源でもある「スタンダード」を新たな視点で見ることに挑んでいます。
 
価格 2,860円(税込価格)(本体価格 2,600円)

『Rolf Billberg at Subland, Malmö, Sweden 1965』
SteepleChase SCCD 36043/G 6043 Vinyl LP jazz

 
『Rolf Billberg at Subland, Malmö, Sweden 1965』
[CD]
 Fobic(Rolf Billberg)* I Can’t Get Stared(Vernon Duke)
 Topsy(Edgar Battle/Eddie Durham) Nursery Rhyme(Lee Konitz)*
 There’ll Never Be Another You(Harry Warren)
 Hi Beck(Lee Konitz) Yardbird Suite(Charlie Parker)*
[Vinyl LP Side A]
 I Can’t Get Stared(Vernon Duke)
 Topsy(Edgar Battle/Eddie Durham)
[Vinyl LP Side B]
 Hi Beck(Lee Konitz)
 Yardbird Suite(Charlie Parker)*
  ロルフ・ビルベリ(アルトサクソフォーン)
  シェル・ノレーン(ギター)* ルーカス・リンドホルム(ベース)
  ラッセ・リンドストレム(ドラム)
 
録音 1965年11月 Club Subland(マルメ、スウェーデン)(ライヴ録音)

 
1950年代から1960年代にかけて活躍したスウェーデンのアルトサックス奏者、ロルフ・ビルベリの「発掘音源」によるアルバム。
 
ロルフ・ビルベリ Rolf Bellberg は、1930年8月22日、スウェーデンのルンドで生まれました。ヨーテボリで育ち、17歳からクラリネットを学びました。ウッデバラの軍のバンドで4年間演奏し、テナーサックスに転向。ヴィスビュー、ボロース、ヨーテボリのローカルバンドを経て、1954年にストックホルムに行き、シモン・ブレームのオーケストラに加わりました。ラーシュ・グッリンのセッションと録音に参加。1955年にコペンハーゲンのラセ・ヴァンデリュー・オーケストラ、1956年にイプ・グリンデマン・オーケストラで演奏しました。1956年から1957年までドイツとフランスのアメリカン・クラブで演奏していたころ、アルトサックスに転向しました。ストックホルムのカール=ヘンリク・ノリーン・オーケストラやデンマーク放送ジャズ・オーケストラに参加、グッリンやヤン・アランとの共演も重ねました。1966年、グリンデマンがリーダーだったデンマーク放送ビッグバンドに加わった後、ヨーテボリに戻り、1966年8月17日、病気のため没しました。
 
SteepleChase Records のリリースするこのアルバムは、彼が、1965年11月、マルメのクラブ「シュブランド」で行ったライブを私的に録音した音源によって作られました。
 
価格(CD) 2,860円(税込価格)(本体価格 2,600円)
価格(Vinyl LP) 4,730円(税込価格)(本体価格 4,300円)

『ランゲライクの芸術(L’Art de la Langeleik)』
Ocora C 561145 traditional[再リリース]

 
『ランゲライクの芸術(L’Art de la Langeleik)』
 Halling, etter Barbro Myrhe Låtten hass Tørger Melby, springar
 Vennen min, reinlender Springar, etter Ingrid Skattebu
 Øskesekken, springar Hesteleitaren, lydarlått av Sjugurd Garmo
 Masurka Marsj, etter Johan J. Halden
 Vigstadmoen, springleik etter Erling Kjøk
 Klokkelått, etter Guri Hegge Kjerrinkjegla, springar etter Arne Røine
 Leiken henna Oline Vetl-Odden, springleik Røyskatten, halling
 Fele lått, etter Ragna Rogn Fystro
 Kamfossensbrus, halling, av Roger Slåstuen
 Gjendines bådnlåt Amalie lått, halling Penger og gård, springar
 Vals, etter Per Brenden Åbjøysbrotin, reinlender
 Springar, etter Guri H. Hegge Bessleiken, etter Ola Brenno
 Fel Jakupspringleik Smedalslåtten, klokkelått
 Rotnheims Knut, halling Likferdssalmen åt Ljoma
 Sole sprette på kvisto, reinlender Ola uppi garde, springar Springar
  グンヴォル・ヘッゲ(ランゲライク)
  クヌート・ショク(フィドル)
  ローゲル・スロストゥーエン(フィドル)
  ジャック・ライニンゲル(ランゲライク)
 
録音 1999年1月 ラジオ・フランス

 
ノルウェー伝統の楽器ランゲライク langeleik は、ヨーロッパに分布するツィター属の楽器のひとつです。細長い共鳴箱にフレットがつけられ、メロディ弦1本と音程が一定のドローン弦3本から8本という構造。透明な澄んだ音色と豊かな響きのため、15世紀ごろからずっとノルウェーの谷と村で使われていました。ひところ忘れられかけた時期もあったものの、20世紀に入ってから、楽器の復元やチューニングと奏法などの研究が行われ、ハリングフェレやスウェーデンのニッケルハルパと同様、トラッド音楽に欠かせないソロやアンサンブルの楽器として愛されています。グンヴォル・ヘッゲ Gunvor Hegge のランゲライクを中心とするこの録音は、1999年に一度リリースされたことがあります。4分の3拍子のスプリンガル springar、4分の2拍子や8分の6拍子のハリング halling、4分の2拍子や4分の4拍子のラインレンデル reinlender といった踊りの曲のほか、合唱曲としても歌われる《イェンディーネの子守歌(Gjendines bådnlåt)》など31曲のプログラムです。
 
価格 3,025円(税込価格)(本体価格 2,750円)

LinkIcon 2024年8月      2024年6月 LinkIcon